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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B01D 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B01D 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B01D 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する B01D 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する B01D 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する B01D |
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管理番号 | 1388252 |
総通号数 | 9 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-09-30 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-12-08 |
確定日 | 2022-05-27 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6847637号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6847637号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4〜11〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6847637号(以下、「本件特許」という。)は、平成28年11月21日(パリ条約による優先権主張 2015年11月30日、(DE)ドイツ連邦共和国)に外国語書面出願されたものであって、平成29年3月24日付けで翻訳文が提出され、令和3年3月5日付けでその特許権の設定登録がされ、同年同月24日付けで特許掲載公報が発行され、同年12月8日付けで本件訂正審判が請求され、これに対し令和4年1月5日付け手続補正指令書(方式)が通知され、同年同月26日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項4〜11について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所であり、当審が付与した。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項4に、「前記軸受け部材は各々軸受け頭部を有し、前記軸受け頭部は各々、対応する数の外壁を有し」とあるのを、「前記軸受け部材は各々軸受け頭部を有し、対応する軸受け軸を横切る面の断面が、四角形、六角形、或いは八角形であり、前記軸受け頭部は各々、対応する数の外壁を有し」に訂正する(請求項4を直接又は間接的に引用する請求項5、7〜11も同様に訂正する。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に、「四角形、六角形、或いは八角形」とあるのを、「正方形、正六角形、或いは正八角形」に訂正する(請求項5を直接又は間接的に引用する請求項7〜11も同様に訂正する。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項6に、「違った種類の筐体を受容するため」とあるのを、「対応する筐体を受容するため」に訂正する(請求項6を直接又は間接的に引用する請求項7〜11も同様に訂正する。)。 第4 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正事項1〜3に係る訂正前の請求項4〜11についてみると、訂正前の請求項7〜11は、請求項4〜6の記載をそれぞれ直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1〜3によって記載が訂正される請求項4〜6に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項4〜11は一群の請求項であるから、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとにされたものである。 2 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1に係る本件訂正は、訂正前の請求項4において、「対応する軸受け軸を横切る面の断面が、四角形、六角形、或いは八角形であり」という記載を追加することにより、軸受け部材が有する「軸受け頭部」の断面形状を限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書(当審注:下線は強調のため当審が付与した。以下同様。)には、「上記軸受け部材は各々軸受け頭部を有し、上記軸受け頭部は、上記対応する軸受け部材の軸受け軸を横切る面の断面が、四角形、六角形、或いは八角形であり、好ましくは、正方形、正六角形、正八角形であり」(【0012】)と記載されているから、訂正事項1に係る本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1に係る本件訂正は、前記(1)のとおり、軸受け部材が有する「軸受け頭部」の断面形状を具体的に特定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 3 訂正事項2について (1)訂正の目的について 訂正事項2に係る本件訂正は、訂正前の請求項5において、「正方形、正六角形、或いは正八角形」という記載により、軸受け部材が有する「軸受け頭部」の断面形状である「四角形、六角形、或いは八角形」を下位概念化するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 (2)新規事項の有無 本件特許の願書に添付した明細書には、「上記軸受け部材は各々軸受け頭部を有し、上記軸受け頭部は、上記対応する軸受け部材の軸受け軸を横切る面の断面が、四角形、六角形、或いは八角形であり、好ましくは、正方形、正六角形、正八角形であり」(【0012】)と記載されているから、訂正事項2に係る本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2に係る本件訂正は、前記(1)のとおり、軸受け部材が有する「軸受け頭部」の断面形状を下位概念化するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 4 訂正事項3について (1)訂正の目的について 訂正事項3に係る本件訂正は、上記第3(3)のとおり、訂正前の請求項6において、「違った種類の筐体を受容するため」とあるのを、「対応する筐体を受容するため」に訂正するものである。 ここで、訂正前の請求項6が由来する、外国語書面出願の翻訳文の特許請求の範囲の請求項6には、「違った種類の筐体(8,9)を受容するため」と記載される一方、当該翻訳文の請求項6が由来する外国語書面出願の特許請求の範囲の請求項6には、「for receiving a corresponding housing (8, 9)」と記載されている。そして、上記「corresponding」は、当該単語の意味からして「対応する」と翻訳すべきものであるところ、上記訂正事項3は、「corresponding」の翻訳について、「違った種類の」とされていた誤訳を、本来の翻訳である「対応する」に訂正するものといえるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げられた誤訳の訂正を目的とするものに該当する。 なお、請求人は、審判請求書において、訂正事項3は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであると主張している。しかしながら、訂正前の請求項6が引用する請求項1には、「各軸受け部材は、複数の異なる形状の受け部構造を含む軸受け頭部を含み、前記受け部構造は、それぞれ異なる筐体を受け入れるように構成され、前記軸受け部材をそれぞれ前記軸受け軸の周りで回転させることにより、前記異なる形状の受け部構造を互いに対して配置して、それぞれ異なる種類の筐体を受け入れることができる」と記載されていることもふまえると、訂正前の請求項6の上記記載は、その文言のとおり、「異なる(違った)種類の筐体を受容するため」の意味であると理解できる。そうすると、訂正前の請求項6における、「違った種類の筐体を受容するため」という記載自体は明瞭であるし、また、明細書等の他の記載との関係で不合理を生じているために不明瞭になっているともいえないのであるから、訂正事項3に係る本件訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものであるとはいえない。 (2)新規事項の有無 訂正事項3に係る本件訂正が、誤訳を訂正することを目的とする訂正であることは、上記(1)のとおりであり、訂正事項3に係る本件訂正は、外国語書面に記載した事項の範囲内の訂正であることが明らかであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項3に係る本件訂正が、誤訳を訂正することを目的とする訂正であることは、上記(1)のとおりであり、訂正事項3に係る本件訂正は、特許請求の範囲を拡張・変更するものでないことは明らかであるから、特許法第126条第6項の規定に適合する。 5 独立特許要件 本件訂正後の特許請求の範囲の請求項4〜11に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである理由は見いだせないから、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1〜3は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5〜7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 中空糸フィルタモジュールの筐体端を鋳造形成するための遠心機台であり、遠心軸の周りに回転可能である遠心機台において、前記遠心機台は、遠心軸を中心として回転するように構成された台座と、少なくとも2つの軸受け部材を含み、この軸受け部材は、鋳造形成が行われる中空糸フィルタモジュールの筐体を保持するために前記遠心軸に対して直径方向に配置されるものであり、さらに、前記軸受け部材は各々、前記遠心軸に平行な軸受け軸の周りで前記台座に対して回転可能な状態で前記台座に保持され、 各軸受け部材は、複数の異なる形状の受け部構造を含む軸受け頭部を含み、前記受け部構造は、それぞれ異なる筐体を受け入れるように構成され、 前記軸受け部材をそれぞれ前記軸受け軸の周りで回転させることにより、前記異なる形状の受け部構造を互いに対して配置して、それぞれ異なる種類の筐体を受け入れることができることを特徴とした遠心機台。 【請求項2】 少なくとも2つの前記軸受け部材のうち少なくとも1つの前記軸受け部材は、各々対応する軸受け軸に対する角度位置をスナップ位置決めにより固定することが可能な方法で保持されることを特徴とする請求項1に記載の遠心機台。 【請求項3】 前記軸受け部材は各々軸受け軸ピンを有し、これにより、前記軸受け部材は、前記台座上に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心機台。 【請求項4】 前記軸受け部材は各々軸受け頭部を有し、対応する軸受け軸を横切る面の断面が、四角形、六角形、或いは八角形であり、前記軸受け頭部は各々、対応する数の外壁を有し、前記外壁は、それぞれ前記軸受け軸に対して接平面を形成していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の遠心機台。 【請求項5】 前記軸受け頭部は、対応する軸受け軸を横切る面の断面が、正方形、正六角形、或いは正八角形であることを特徴とする請求項4に記載の遠心機台。 【請求項6】 前記軸受け頭部は、対応する筐体を受容するため、軸受け軸の周りを回転することにより、複数の異なる形状の受け部構造から一つ選択して適用するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心機台。 【請求項7】 前記受け部構造は、直径方向に沿って、対応する軸受け軸に対して互いに反対側に位置し、かつ、あらかじめ決められた寸法を有する筐体を受容するように形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の遠心機台。 【請求項8】 少なくとも一つの前記軸受け部材は、空気圧式、電気式、または油圧式の動力にて駆動されることにより、その軸受け軸に対して回転可能であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の遠心機台。 【請求項9】 いくつかの軸受け部材は、それぞれが動作可能に連携した状態で駆動されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の遠心機台。 【請求項10】 4個、6個、または8個の軸受け部材を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の遠心機台。 【請求項11】 前記複数の異なる形状の受け部構造が、前記台座から離れるように形成された前記軸受け頭部に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の遠心機台。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2022-04-26 |
結審通知日 | 2022-05-02 |
審決日 | 2022-05-18 |
出願番号 | P2016-225884 |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(B01D)
P 1 41・ 856- Y (B01D) P 1 41・ 854- Y (B01D) P 1 41・ 852- Y (B01D) P 1 41・ 855- Y (B01D) P 1 41・ 851- Y (B01D) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
原 賢一 |
特許庁審判官 |
金 公彦 関根 崇 |
登録日 | 2021-03-05 |
登録番号 | 6847637 |
発明の名称 | 中空糸フィルタモジュールの筐体端を鋳造形成するための汎用的な遠心機台 |
代理人 | 加藤 久 |
代理人 | 遠坂 啓太 |
代理人 | 遠坂 啓太 |
代理人 | 宇野 智也 |
代理人 | 南瀬 透 |
代理人 | 加藤 久 |
代理人 | 南瀬 透 |
代理人 | 宇野 智也 |