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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  E05B
審判 全部申し立て 2項進歩性  E05B
管理番号 1388358
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-09-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-05-27 
確定日 2022-06-15 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6799223号発明「顔認証方法、顔認証システム、プログラムおよび記録媒体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6799223号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−5〕、6、7、8について訂正することを認める。 特許第6799223号の請求項1、2、5ないし8に係る特許を維持する。 特許第6799223号の請求項3、4に係る特許についての特許異議申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6799223号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、令和2年3月9日に出願された特願2020−39957号(以下「原出願」という。)の一部を、令和2年4月8日に新たな特許出願としたものであって、令和2年11月25日にその特許権の設定登録がされ、同年12月16日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和3年5月27日に特許異議申立人高橋繁(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和3年9月30日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和3年12月2日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、その訂正の請求に対して、申立人は、令和4年3月4日に意見書を提出した。


第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求は、本件特許の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜5、6、7、8について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。(下線は、訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の記載を、
「顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
を備え、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、顔認証方法。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2、5も同様に訂正する。)

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5の「請求項1乃至4のいずれか一項に記載の顔認証方法。」との記載を、「請求項1乃至2のいずれか一項に記載の顔認証方法。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6の記載を、
「訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を受け付ける訪問者登録情報受付手段と、
前記訪問者登録情報受付手段により受け付けた訪問者の登録情報を記録する顔認証クラウドと、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を受け付けると、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と前記顔認証クラウドに記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う認証手段と、
前記認証手段により訪問者の認証が行われると、開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する開錠指示送信手段と、
を備え、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、顔認証システム。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7の記載を、
「顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
が行われ、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、プログラム。」に訂正する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8の記載を、
「顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムが記録される記録媒体であって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
が行われ、訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、記録媒体。」に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否等について
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に、請求項1の記載を直接又は間接的に引用していた請求項3及び4に記載された事項を加え、さらに、「顔認証方法」について「前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する」ことを限定付加する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 特許請求の範囲の拡張、変更の有無について
訂正事項1は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。

新規事項の追加について
本件訂正前の請求項1の記載を引用する請求項3に、「訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信する」と、請求項3の記載を引用する請求項4に、「訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信する」と記載されており、また、本件明細書に、「【0024】・・・そして、プロセッサ12aは、訪問者の氏名および訪問日時情報を訪問者の識別情報に関連付けてメモリ12bに記録する。その後、プロセッサ12aは、登録完了通知情報を登録完了通知情報送信手段62により訪問者のユーザ端末30に送信する(図2の(8))。このことにより、訪問者のユーザ端末30には、登録完了メッセージおよび訪問日時情報がプッシュ通知される。【0025】その後、訪問者がユーザ端末30において訪問者受付サービスのアプリを実行し、受け取り通知ボタンを押下すると、訪問者のユーザ端末30から訪問者受付システム12のプロセッサ12aに受け取り通知情報が送信される(図2の(9))。プロセッサ12aは、受け取り通知情報を受け付けると、訪問者が登録完了メッセージを受け取った旨を所有者のユーザ端末20にプッシュ通知する(図2の(10))。・・・」と記載されていることからみて、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面(以下「本件明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正である。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項3の記載を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることも明らかである。

(3)訂正事項3
訂正事項3は、特許請求の範囲の請求項4の記載を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることも明らかである。

(4)訂正事項4
訂正事項4は、訂正前の請求項5が請求項1乃至4のいずれか一項の記載を引用するものであったところ、引用する請求項のうち3及び4を引用しないものとして、1乃至2に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であることも明らかである。

(5)訂正事項5
訂正事項5は、訂正事項1と同様の訂正であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正である。

(6)訂正事項6
訂正事項6は、訂正事項1と同様の訂正であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正である。

(7)訂正事項7
訂正事項7は、訂正事項1と同様の訂正であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、本件明細書等に記載された事項の範囲内の訂正である。

(8)一群の請求項について
訂正前の請求項1〜5について、請求項2〜5は直接または間接的に請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1〜5に対応する訂正後の請求項1〜5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

3 訂正請求のまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同法第120条の5第9項の規定により準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−5〕、6、7、8について訂正することを認める。


第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1〜8に係る発明(以下「本件発明1」等といい、すべての発明を合わせて「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1〜8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

【請求項1】
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
を備え、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、顔認証方法。
【請求項2】
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、開錠完了通知を所有者のユーザ端末に送信する、請求項1記載の顔認証方法。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
2回目以降に訪問者が所有者の占有スペースを訪問する際に、少なくとも訪問者の氏名および訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信する、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の顔認証方法。
【請求項6】
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を受け付ける訪問者登録情報受付手段と、
前記訪問者登録情報受付手段により受け付けた訪問者の登録情報を記録する顔認証クラウドと、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を受け付けると、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と前記顔認証クラウドに記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う認証手段と、
前記認証手段により訪問者の認証が行われると、開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する開錠指示送信手段と、
を備え、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、顔認証システム。
【請求項7】
顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
が行われ、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、プログラム。
【請求項8】
顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムが記録される記録媒体であって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
が行われ、訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、記録媒体。


第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
訂正前の請求項1〜8に係る特許に対して、当審が令和3年9月30日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)(新規性)請求項1、7、8に係る発明は、原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、その発明の特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
(2)(進歩性)請求項1〜8に係る発明は、原出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である甲第1〜5号証に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、その発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
甲第1号証:特開2018−9448号公報
甲第2号証:特許第6246403号公報
甲第3号証:特開2019−85761号公報
甲第4号証:特開2019−52476号公報
甲第5号証:特開2018−194888号公報

2 甲号証の記載
(1)甲第1号証
甲第1号証には、図面と共に以下の事項が記載されている。(下線は、決定で付した。以下同様。)
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラムに関し、特に、ドアを開錠するための識別情報が不正利用されるリスクを低減可能な仕組みに関する。」

イ 「<図2の説明>
【0030】
図2は、本発明のシステム構成を示し、「訪問者登録端末」100、「訪問者、バーコード制御装置」101、「ネットワークカメラ」102、「ネットワーク」103、「携帯端末」104、「無線LANルータ」105、「Webサーバ」106、「自動ドア制御装置」107、「自動ドア」108から構成されている。つまり、携帯端末と、識別情報読取装置と、情報処理装置とを含む情報処理システムである。
【0031】
「訪問者登録端末」100、「訪問者、バーコード制御装置」101、「ネットワークカメラ」102、「携帯端末」104がグローバルネットワーク「ネットワーク」103を介して接続され、「訪問者登録端末」100、「携帯端末」104、「Webサーバ」106、「自動ドア制御装置」107、「無線LANルータ」105を介して接続される構成となっている。
【0032】
「訪問者登録端末」100はWEBブラウジング機能を備えているデバイスを想定している。管理者(管理会社、不動産業者、大家、住人など)が「訪問者登録端末」100から「訪問者、バーコード制御装置」101に接続し、事前に訪問者の登録を行う。
【0033】
「訪問者、バーコード制御装置」101はデータベースを保持しており、訪問者情報、各訪問者に対応するバーコードキーを管理している。訪問者の登録時にバーコードキーを生成し、訪問者情報と紐付け、Eメールなどで訪問者に通知する。また「ネットワークカメラ」102からバーコードキーの画像を受け取り、データベース上のバーコードキーと一致するか検証を行う機能を持つ。なお、本発明におけるバーコードキーは、1次元コードでも2次元コードでもよい。また、バーコードキーのことを識別情報とも言う。」

ウ 「【0034】
以下に「訪問者、バーコード制御装置」101保持しているデータの例を記す。
<図10の説明>
図10は、本発明の第1の実施形態で「訪問者、バーコード制御装置」101が保持しているデータベースの一例である。
1001は、訪問するユーザ名であり、ステップS300、またはステップS401で、管理者が「訪問者登録端末」100を用いて登録する。
1002は、訪問者の電子メールアドレスであり、ステップS300、またはステップS401で、管理者が「訪問者登録端末」100を用いて登録する。
1003は、訪問者が管理者のもとを訪れる日時であり、ステップS300、またはステップS401で、管理者が「訪問者登録端末」100を用いて登録する。
1004は、訪問者がドアの解除に使用するバーコードキーの情報であり、ステップS301、またはステップS406で「訪問者、バーコード制御装置」101が生成する。
1005は、訪問者がドアの解除するさいにアクセスするサイトのURLであり、ステップS310で「Webサーバ」106が生成する。
1006は、訪問者を登録する管理者の情報である。
<図11の説明>
図11は、本発明の第2の実施形態で「訪問者、バーコード制御装置」101が保持しているデータベースの一例である。図10と同様の部分については、同じ番号を振り説明は省略する。
1101は、訪問者の顔画像の情報(顔特徴量を含む)であり、ステップS401で、管理者が「訪問者登録端末」100を用いて登録する。
【0035】
「ネットワークカメラ」102は「携帯端末」104に表示されるバーコードキーを読み取ることができる、ネットワークに接続可能なカメラを想定している。
【0036】
「携帯端末」104は、携帯電話やPDAのような持ち運び可能なデバイスを想定しており、電子メール機能およびWEBブラウジング機能を備えている。
【0037】
「訪問者、バーコード制御装置」101よりEメールで通知される、バーコードキー画像を表示する。また、同じく「訪問者、バーコード制御装置」101よりEメールで通知される無線LAN接続方法を参考に訪問者が「携帯端末」104に無線LAN接続設定を行うことで、「無線LANルータ」105に接続可能となり「無線LANルータ」105を介して「Webサーバ」106上に生成された解錠用WebページURLにアクセス可能となる。
【0038】
「無線LANルータ」105は「訪問者、バーコード制御装置」101、「Webサーバ」106とのみ常に接続可能である。前記以外の端末とは「訪問者、バーコード制御装置」101からWebサーバ接続処理を実行された場合のみ接続可能となり、Webサーバ切断処理を実行されると再び「訪問者、バーコード制御装置」101、「Webサーバ」106以外の端末とは接続不可となる。
【0039】
「Webサーバ」106は、「訪問者、バーコード制御装置」101より依頼があった際に解錠用WebページURLの生成、削除を行う。また、解錠用Webページに接続した「携帯端末」104より解錠依頼があった場合は「自動ドア制御装置」107に対して解錠依頼を行う。
【0040】
「自動ドア制御装置」107は自動ドアの開閉、ドアの鍵の開閉を制御する装置を想定している。本発明では「Webサーバ」106よりドアの解錠依頼があった場合に「自動ドア」108を開く。
【0041】
なお、本実施例では、「訪問者、バーコード制御装置」101と、「Webサーバ」106と、「自動ドア制御装置」107を別々の装置としたが、他の実施例として、「訪問者、バーコード制御装置」101と、「Webサーバ」106と、「自動ドア制御装置」107が持つ機能を、ひとつの装置(ひとつの装置とは、例えばサーバであり、この装置は、本発明における携帯端末と、識別情報読取装置と通信可能な情報処理装置の一例である)がまとめて持っていてもよい。その場合、以下の実施例で「訪問者、バーコード制御装置」101と、「Webサーバ」106と、「自動ドア制御装置」107が行う処理は、ひとつの装置が実行する。」

エ 「[第2の実施形態]
【0067】
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態のフローチャートの一例について詳細に説明する。
<図4の説明>
[登録時]
【0068】
訪問者があると分かった際に管理者(管理会社、不動産業者、大家、住人など)は「訪問者登録端末」100より、訪問者登録画面(図6)にアクセスし、「訪問者登録端末」100は、訪問者登録画面を介して、訪問者の「携帯端末」104のEメールアドレス、訪問日時、訪問者顔画像、訪問者名の入力をユーザから受け付け、「訪問者、バーコード制御装置」101に送信する(S401)。
【0069】
「訪問者、バーコード制御装置」101は、ステップS401で「訪問者登録端末」100から送られてきた情報を受信し、図11のデータテーブルに登録する(S402)。ステップS402は、本発明における、識別情報を送信するユーザの顔画像を記憶する記憶手段の一例である。
[入室、入場時]
【0070】
訪問者は建物または部屋に入るとき、自身の顔を、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102に向ける。
「ネットワークカメラ」102は、訪問者の顔を読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知する(S403)。ステップS403は、本発明における、ユーザの顔認識をする顔認識手段の一例であり、顔認識手段で顔認識を行うことで得られる顔画像を、前記情報処理装置に送信する顔画像送信手段の一例である。
【0071】
「訪問者、バーコード制御装置」101は、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像を受信し、検証を行う(S404)。より具体的には、図11のデータベースで保持する顔画像の特徴量と、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像の特徴量を比較し、図11のデータベースで保持する顔画像と一致するかを判断する(S405)。ステップS404は、本発明における、読取装置から送信される顔画像を受信する顔画像受信手段の一例である。ステップS405は、本発明における、顔画像受信手段で受信した前記顔画像と、前記記憶手段で記憶する前記ユーザの顔画像が一致するかを判断する判断手段の一例である。
【0072】
「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像が図11のデータベースで保持する画像と一致しなかった場合、エラーを「ネットワークカメラ」102に返す。
【0073】
図11のデータベースで保持する画像と一致した場合、「訪問者、バーコード制御装置」101は、バーコードキーを生成・図11のデータベースに登録し(S406)、登録されているEメールアドレス宛て、つまり訪問者の「携帯端末」104に、生成したバーコード画像を送信する(S407)。ステップS407は、本発明における、顔画像受信手段で受信した前記顔画像と、前記記憶手段で記憶する前記ユーザの顔画像が一致すると判断されることを条件に、前記ユーザが使用する前記携帯端末に識別情報を送信する識別情報送信手段の一例である。
【0074】
「携帯端末」104は、S407で「訪問者、バーコード制御装置」101から送信されたバーコード画像を受信し、「携帯端末」104のディスプレイに表示する(S409)。ステップS409は、本発明における、情報処理装置から送信される前記識別情報を受信する第2の識別情報受信手段の一例であり、第2の識別情報受信手段で受信した前記識別情報を表示する表示手段の一例である。
【0075】
訪問者は、バーコードキーが表示された「携帯端末」104のディスプレイを、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102にかざすことによって、ドアの解錠を試みる。
【0076】
「ネットワークカメラ」102は、かざされた「携帯端末」104に表示されているバーコードキーを読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知する(S410)。ステップS410は、本発明における、携帯端末に表示される識別情報を読み取る読取手段の一例であり、読取手段により読み取った前記識別情報を前記情報処理装置に送信する第1の送信手段の一例である。
【0077】
「訪問者、バーコード制御装置」101は通知されたバーコードキー画像を受信し、検証を行う(S411)。具体的には、通知されたバーコードキーが図11のデータベースで保持するキーか、訪問日時が一致するか等を検証する。ステップS411は、本発明における、読取装置から識別情報を受信する識別情報受信手段の一例である。
【0078】
通知されたバーコードキーが図11のデータベースで保持するキーでなかった場合や、図11のデータベースで保持するキーではあるが、訪問日時が一致しない場合に(S412)、エラーを「ネットワークカメラ」102に返し、図4の処理を終了する。
【0079】
図11のデータベースで保持するキーであり、かつ、訪問日時も一致する場合(S412)、「訪問者、バーコード制御装置」101は、「自動ドア制御装置」107に対して解錠依頼を行う(S413)。ステップS413は、本発明における、識別情報受信手段で受信した前記識別情報と前記識別情報送信手段で前記携帯端末に送信した前記識別情報が一致することを条件に、ドアを開錠する指示を行う指示手段の一例である。
【0080】
「訪問者、バーコード制御装置」101から解錠依頼を受けた「自動ドア制御装置」107は、ドアを解錠する(S414)。これによりドアが開くため、訪問者は入室・入場可能となる。
【0081】
解錠後、「自動ドア制御装置」107は、「訪問者、バーコード制御装置」101に解錠完了通知を行う(S415)。
【0082】
完了通知を受けた「訪問者、バーコード制御装置」101は、解錠に使用されたバーコードキーを図11のデータテーブルから削除し、使用できなくし(S416)図4の処理は終了する。
なお、他の実施例として、S412の処理を終了後に、図9のS307〜S324の処理を実行するとしてもよい。」

オ 「【0086】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0087】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0088】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のカード、ROM等を用いることができる。
【0089】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(基本システム或いはオペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。このプログラムコードを読み出し実行可能な情報処理装置(コンピュータ)が前述した実施形態の機能を実現する。
【0090】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。」

カ 上記アないしウに記載の事項を前提とし、上記エに記載の第2の実施形態に着目すると、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「「訪問者登録端末」100、「訪問者、バーコード制御装置」101、「ネットワークカメラ」102、「ネットワーク」103、「携帯端末」104、「無線LANルータ」105、「Webサーバ」106、「自動ドア制御装置」107、「自動ドア」108から構成されている、つまり、携帯端末と、識別情報読取装置と、情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて、
「訪問者、バーコード制御装置」101と、「Webサーバ」106と、「自動ドア制御装置」107が持つ機能を、ひとつの装置、例えばサーバであって、携帯端末と、識別情報読取装置と通信可能な情報処理装置とし、
訪問者があると分かった際に管理者(管理会社、不動産業者、大家、住人など)は「訪問者登録端末」100より、訪問者登録画面にアクセスし、「訪問者登録端末」100は、訪問者登録画面を介して、訪問者の「携帯端末」104のEメールアドレス、訪問日時、訪問者顔画像、訪問者名の入力をユーザから受け付け、「訪問者、バーコード制御装置」101に送信し(S401)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は、ステップS401で「訪問者登録端末」100から送られてきた情報を受信し、データテーブルに登録し(S402)、
訪問者は建物または部屋に入るとき、自身の顔を、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102に向け、「ネットワークカメラ」102は、訪問者の顔を読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S403)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像を受信し、検証を行い(S404)、より具体的には、データベースで保持する顔画像の特徴量と、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像の特徴量を比較し、データベースで保持する顔画像と一致するかを判断し(S405)、
データベースで保持する画像と一致した場合、「訪問者、バーコード制御装置」101は、バーコードキーを生成・データベースに登録し(S406)、登録されているEメールアドレス宛て、つまり訪問者の「携帯端末」104に、生成したバーコード画像を送信し(S407)、
「携帯端末」104は、S407で「訪問者、バーコード制御装置」101から送信されたバーコード画像を受信し、「携帯端末」104のディスプレイに表示し(S409)、
訪問者は、バーコードキーが表示された「携帯端末」104のディスプレイを、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102にかざすことによって、ドアの解錠を試み、
「ネットワークカメラ」102は、かざされた「携帯端末」104に表示されているバーコードキーを読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S410)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は通知されたバーコードキー画像を受信し、検証を行い(S411)、具体的には、通知されたバーコードキーがデータベースで保持するキーか、訪問日時が一致するか等を検証し、
通知されたバーコードキーがデータベースで保持するキーであり、かつ、訪問日時も一致する場合(S412)、「訪問者、バーコード制御装置」101は、「自動ドア制御装置」107に対して解錠依頼を行い(S413)、
「訪問者、バーコード制御装置」101から解錠依頼を受けた「自動ドア制御装置」107は、ドアを解錠し(S414)、これによりドアが開くため、訪問者は入室・入場可能となり、
解錠後、「自動ドア制御装置」107は、「訪問者、バーコード制御装置」101に解錠完了通知を行う(S415)、
情報処理装置の制御方法。」

キ また、上記アないしウに記載の事項を前提とし、上記エに記載の第2の実施形態の機能を実現する、上記オのソフトウェアのプログラムコード、及び該プログラムコードを記録した記録媒体について、次の発明(以下、それぞれ「甲1プログラム発明」、「甲1記録媒体発明」という。)が記載されているものと認める。
(甲1プログラム発明)
「甲1発明の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード。」

(甲1記録媒体発明)
「甲1発明の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体。」

(2)甲第2号証
甲第2号証には、図面と共に以下の事項が記載されている。
ア 「【0025】
図1に示すように、入場管理システム1は、例えば宅配便の配達員等の作業員の業務スケジュール及び業務実績を管理する業務管理サーバ2と、住宅Hの玄関先に設置され、住宅内に入室しようとするユーザの生体情報の入力を受け付ける生体情報入力装置4と、インターネット9を介して生体情報入力装置4及び認証サーバ5に接続され、生体情報入力装置4から送られてくる生体情報を照合処理する認証サーバ5とを備えている。
【0026】
業務管理サーバ2は、宅配業者等の事業者が運営・管理する情報処理装置である。この業務管理サーバ2は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータであって、サーバとしての一般的なハードウェア構成を有している。すなわち、業務管理サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)等の制御部、ハードディスク、メモリ等のデータ記憶部、キーボード、マウス等の入力部、ディスプレイ等の表示部、NIC(Network Interface Card)等の通信部を有している。業務管理サーバ2のハードウェア構成はその機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。さらに業務管理サーバ2はクラウドやブロックチェーンとして構成されたものであってもよい。」

(3)甲第3号証
甲第3号証には、図面と共に以下の事項が記載されている。
ア 「【0048】
2.動作
2−1.解錠権限の付与
図9は電気錠システムC1において行われる処理、具体的にはユーザ端末20に解錠権限を付与する処理を例示するシーケンスチャートである。まず、運用者は、運用者端末40を用いて、電気錠システムC1を運用するためのアプリケーションを起動する操作を行い、起動されたアプリケーションにおいて電気錠制御装置10を解錠する権限を与えるユーザ端末20を登録する操作を行う。」

イ 「【0053】
図9の説明に戻る。ステップS103において、サーバ装置30は、特定された電気錠制御装置10の電気錠IDを含むレスポンスを、運用者端末40に送信する。ステップS104において、運用者端末40は、受信されたレスポンスに従って登録画面を表示する。この画面には、例えば、解錠する権限を与える対象とする電気錠制御装置10を選択するための表示部品(チェックボックス等)や、電気錠制御装置10を解錠する権限を与えるユーザのメールアドレス等を入力するための表示部品(テキストボックス等)等の表示部品が含まれる。運用者は、起動されたアプリケーションにより表示される画面において、解錠する権限を与える対象とする電気錠制御装置10を選択する操作を行うとともに、電気錠制御装置10を解錠する権限を与えるユーザのメールアドレス、権限を与える期間等の情報を入力する。
【0054】
ステップS105において、運用者端末40は、運用者により入力された情報(以下「権限情報」という)を含む登録要求を、サーバ装置30に送信する。この登録要求は、ユーザ端末20を用いた電気錠101の解錠を許可する旨を示す指示(解錠を要求する情報)の一例である。
【0055】
ステップS106において、サーバ装置30は、運用者端末40から受信された登録要求に含まれる権限情報を、ストレージ304に記憶された権限管理データベースd1に登録する。
【0056】
図11は、権限管理データベースd1の一例を示す図である。図11に示す権限管理データベースd1においては、電気錠IDと、鍵IDと、メールアドレスと、期間とが互いに関連付けて記憶されている。「電気錠ID」の項目には、サーバ装置30が電気錠101の解錠を管理する電気錠制御装置10を識別する識別情報である電気錠IDが格納される。「鍵ID」の項目には、電気錠101を解錠する権限が与えられたユーザ端末20の鍵IDが格納される。電気錠制御装置10及び電気錠101はそれぞれ、例えばオフィスビルの居室の入口に一つずつ設けられている。各電気錠101は常時施錠されており、ユーザ端末20から電気錠101を解錠させるための指示(以下「解錠指示」という)が送信されたときだけ所定の時間、解錠される。図11に示す権限管理データベースd1は、つまり、各電気錠制御装置10を解錠する権限を有する人のリストである。図11の例では、電気錠ID「tag01」に対して鍵ID「device01」、「device02」、及び「device03」が関連付けられており、電気錠ID「tag02」に対して鍵ID「device01」及び「device04」が関連付けられている。
【0057】
「メールアドレス」の項目には、そのユーザのメールアドレスが格納される。「期間」の項目には、そのユーザに対して解錠する権限が与えられる期間を示す情報が格納される。権限は与えられる期間は、例えば、「2017/10/20 16:00-18:00」や、「毎週月曜日の10:00-10:30」といったように設定される。また、権限管理データベースd1には、ユーザ端末20に設定された暗証番号などの情報が鍵IDに関連付けて記憶されてもよい。なお、この実施形態では、解錠する権限を付与するユーザ端末20を特定する情報としてメールアドレスが用いられるが、解錠する権限を付与するユーザ端末20を特定するための情報はメールアドレスに限られず、他の情報であってもよい。例えば、ユーザ端末20に割り当てられた電話番号、マックアドレス等の情報であってもよい。また、例えば、暗号化された認証情報が復号されて用いられてもよい。
【0058】
図9の説明に戻る。ステップS107において、サーバ装置30は、解錠の権限が付与されたユーザ端末20に対し、権限が付与されている旨を示す情報(以下「許可情報」という)を送信する。この許可情報には、解錠する権限が与えられた電気錠制御装置10を識別する電気錠ID、電気錠101の解錠が許可される条件(期間等)を示す条件情報、及び暗証番号が含まれている。また、許可情報には、電気錠制御装置10とユーザ端末20との間の近距離無線通信で用いられる暗号鍵が含まれている。ステップS108において、ユーザ端末20は、サーバ装置30から受信された許可情報をストレージ204に記憶する。記憶された許可情報は、電気錠制御装置10の解錠の可否を判定する際に参照される。」

ウ 「【0066】
図12の説明に戻る。ステップS2061において、電気錠制御装置10は自装置のメモリに記憶されている暗号鍵を予め定められたアルゴリズムに従って更新する処理を行う。ステップS207において、電気錠制御装置10のCPU100は、電気錠101が解錠されたことの通知(以下「解錠通知」という)をユーザ端末20に送信するようNFCタグを制御する。この解錠通知には、更新された暗号鍵を特定する情報(以下「更新情報」という)が含まれる。なお、この更新情報は更新された暗号鍵そのものであってもよい。ステップS208において、ユーザ端末20のCPU201は、電気錠制御装置10から解錠通知を受信すると、解錠通知をサーバ装置30に送信するよう通信部205を制御する。ステップS208の処理を終えると、電気錠制御装置10とユーザ端末20とは近距離無線通信を終了させる。」

エ 「【0072】
図12の説明に戻る。ステップS210において、サーバ装置30は、ユーザ端末20から受信された解錠通知を、解錠された電気錠制御装置10に対応する運用者端末40へ送信するように通信部405を制御する。運用者端末40は、受信された解錠通知に従い、通知画面を表示する等して、電気錠101が解錠された旨を示す情報を出力する。運用者は、通知画面等により電気錠101が解錠された旨を把握する。」

(4)甲第4号証
甲第4号証には、図面と共に以下の事項が記載されている。
ア 「【0067】
管理用端末20は、管理者が使用するものであり、例えば、インターネット回線に接続されているサーバーコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等が用いられ、必要に応じてプリンタや記録媒体書込装置等が追加される。
また、このような管理用端末20は、訪問者ごとに、玄関ドア4及び各部屋ドア11a,12a,15a,16a,17a,17b,18a,19a,19bそれぞれのロック230,232の状態を設定するための設定入力部20aを有している。
より詳細に説明すると、例えば各種サービスのうち複数のサービスを同時に導入する場合や、民泊事業の場合には、住宅1に対して複数の訪問者が訪問することになるが、その場合、訪問者によって入れる部屋と入れない部屋が異なる場合がある。そのような場合に、訪問者ごとに、入れる部屋と入れない部屋とを事前に決めておけば、サービスを行う訪問者は、自分が行ける部屋にのみ行けばよいので、特に不都合が生じないという利点がある。
また、この管理用端末20には、例えばインターネット等のコンピュータネットワークを通じて、訪問予定者から新規登録情報に係るデータが事前に送られてくる場合がある。新規登録情報に係るデータは、訪問者認証システムでも共有する必要があるため、管理用端末20から記憶手段24に送信され、記憶手段24にて記憶される。
管理用端末20は、インターネット回線に接続された管理者アクセス用のサーバー(図示せず)に対して更に接続されており、当該サーバーから、訪問者に係る諸情報を受信したり、各種サービスに係る諸情報を受信したりすることができる。
【0068】
記憶手段24に記憶された訪問履歴情報は、過去に住宅1に訪問したことのある訪問者についての生体情報及び識別情報が含まれており、2回目以降の住宅1への訪問時には、当該訪問履歴情報に基づいて、訪問者の認証が行われる。具体的には、記憶手段24に訪問履歴情報が記憶されている場合、訪問者認証手段22は、訪問者の訪問時に確認する生体情報と識別情報の双方と、記憶手段24に記憶された訪問履歴情報との照合を行うようにする。
なお、訪問履歴情報には、生体情報及び識別情報の他に、出入り禁止情報も含まれていてもよい。出入り禁止になっている訪問者が住宅1を訪問し、生体情報及び識別情報の認証を行おうとしても、玄関ドア4のロック230の施錠状態が維持されることになる。また、玄関ドア4のロック230が万が一解錠の状態になっていた場合には、解錠状態から施錠状態へと変更される。」

(5)甲第5号証
甲第5号証には、図面と共に以下の事項が記載されている。
ア 「【0071】
次に、空き住戸11を宿泊施設(宿泊用住戸11A)として利用者に利用させる際に、コントローラ35〜37により実行される各種制御処理について説明する。まず、利用者(詳しくは利用予定者)による宿泊用住戸11Aの利用予約に際し、メインコントローラ35により実行される予約登録処理について説明する。図3は、その予約登録処理を示すフローチャートである。なお、本処理は所定の周期で繰り返し実行される。
【0072】
図3に示すように、まずステップS11では、利用者(詳しくは利用予定者)より宿泊用住戸11Aの利用について予約申込があったか否かを判定する。この判定は、利用者の携帯端末42より利用予約に関する予約情報の送信があったか否かに基づいて行う。本住戸管理システムでは、宿泊用住戸11Aの利用予約に際し、利用者に、予約情報として、利用者の氏名や住所といった利用者の属性情報や、利用者が宿泊用住戸11Aを利用する利用期間に関する情報の他、利用者の顔画像の送信を求めている。そのため、利用者は予約申込に際し、これらの情報を携帯端末42よりメール等で送信することになる。利用者による予約申込がない場合には本処理を終了し、予約申込があった場合にはステップS12に進む。
【0073】
ステップS12では、携帯端末42より送信のあった予約情報に基づいて、予約登録を行う予約登録処理を実行する。この処理では、送信のあった予約情報を利用者情報記憶部46に記憶(登録)する。続くステップS13では、予約申込を行った利用者の予約コード(例えばQRコード(登録商標))を作成する。
【0074】
ステップS14では、宿泊用住戸11Aの利用予約が完了した旨を利用者に通知する予約完了通知処理を行う。この処理では、利用者の携帯端末42にメールで「予約が完了しました」等のメッセージを送信する。また、この処理では、ステップS13で作成した予約コードを利用者の携帯端末42に上記メッセージと併せて送信する。
【0075】
ステップS15では、利用者の予約情報(詳しくは利用者の利用期間及び顔画像を含む情報)及び予約コードを宿泊用住戸11Aの住戸コントローラ36Aに出力する。これにより、利用者の予約情報及び予約コードが住戸コントローラ36Aに入力されると、住戸コントローラ36Aはこれら予約情報及び予約コードを利用者情報として利用者情報記憶部39に記憶する(顔画像登録手段及び利用期間登録手段に相当)。
【0076】
ステップS16では、利用者の予約情報及び予約コードを共用部コントローラ37に出力する。これにより、利用者の予約情報及び予約コードが共用部コントローラ37に入力されると、共用部コントローラ37はこれら予約情報及び予約コードを利用者情報として利用者情報記憶部45に記憶する。その後、本処理を終了する。」

3 当審の判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
(ア)甲1発明の、
「訪問者の」「訪問者顔画像」、
「訪問者の「携帯端末」104のEメールアドレス」と「訪問者顔画像、訪問者名」、
「訪問者の」「訪問日時」、
「ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102」、
「「ネットワークカメラ」102」が、「訪問者の顔を読み取」った、「その画像」、
「データベースで保持する顔画像」、
「データテーブルに登録し」た「「訪問者登録端末」100から送られてきた情報」のうちの「訪問日時」、
「検証を行」うこと、
「「自動ドア制御装置」107に対して解錠依頼を行」うことは、
それぞれ、本件発明1の
「訪問者の顔画像に関する情報」、
「訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報」、
「訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報」、
「占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置」、
「撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報」、
「記録されている訪問者の顔画像に関する情報」、
「事前に登録されている訪問日時情報」、
「訪問者の認証を行う」こと、
「開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する」こと、
に相当する。

(イ)甲1発明の「情報処理システム」は、その「「訪問者、バーコード制御装置」101」が、「「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像を受信し、検証を行い(S404)、より具体的には、データベースで保持する顔画像の特徴量と、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像の特徴量を比較し、データベースで保持する顔画像と一致するかを判断し(S405)」ていることから、顔認証を行っているといえるので、本件発明1の「顔認証システム」に相当する。
そして、この検討を踏まえると、甲1発明の「情報処理システム」における「情報処理装置の制御方法」は、本件発明1の「顔認証システムにより行われる顔認証方法」に相当する。

(ウ)また、甲1発明において、
「訪問者は建物または部屋に入るとき、自身の顔を、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102に向け、「ネットワークカメラ」102は、訪問者の顔を読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S403)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像を受信し、検証を行い(S404)、より具体的には、データベースで保持する顔画像の特徴量と、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像の特徴量を比較し、データベースで保持する顔画像と一致するかを判断し(S405)、
データベースで保持する画像と一致した場合、「訪問者、バーコード制御装置」101は、バーコードキーを生成・データベースに登録し(S406)、登録されているEメールアドレス宛て、つまり訪問者の「携帯端末」104に、生成したバーコード画像を送信し(S407)、
「携帯端末」104は、S407で「訪問者、バーコード制御装置」101から送信されたバーコード画像を受信し、「携帯端末」104のディスプレイに表示し(S409)、
訪問者は、バーコードキーが表示された「携帯端末」104のディスプレイを、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102にかざすことによって、ドアの解錠を試み、
「ネットワークカメラ」102は、かざされた「携帯端末」104に表示されているバーコードキーを読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S410)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は通知されたバーコードキー画像を受信し、検証を行い(S411)、具体的には、通知されたバーコードキーがデータベースで保持するキーか、訪問日時が一致するか等を検証し、」ているところ、
上記「訪問者は建物または部屋に入るとき、自身の顔を、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102に向け、「ネットワークカメラ」102は、訪問者の顔を読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S403)、」たとき、及び、
「訪問者は、バーコードキーが表示された「携帯端末」104のディスプレイを、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102にかざすことによって、ドアの解錠を試み、」たときは、共に時間を空けずに行われていることは自明であるから、両者ともに、ほぼ実際の訪問日時といえるので、甲1発明の「「ネットワークカメラ」102は、訪問者の顔を読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S403)、」たときの日時は、本件発明1の「撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時」に相当する。

(エ)甲1発明の「「訪問者登録端末」100は、訪問者登録画面を介して、訪問者の「携帯端末」104のEメールアドレス、訪問日時、訪問者顔画像、訪問者名の入力をユーザから受け付け、「訪問者、バーコード制御装置」101に送信し(S401)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は、ステップS401で「訪問者登録端末」100から送られてきた情報を受信し、データテーブルに登録」「(S402)」することは、ユーザから受け付ける訪問者の「携帯端末」104のEメールアドレス、訪問者顔画像、訪問者名についてみると、本件発明1の「訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程」に相当し、同じく「訪問日時」についてみると、本件発明1の「訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程」に相当する。

(オ)甲1発明の「訪問者は建物または部屋に入るとき、自身の顔を、ドア近くに設置された「ネットワークカメラ」102に向け、「ネットワークカメラ」102は、訪問者の顔を読み取り、その画像を「訪問者、バーコード制御装置」101に通知し(S403)、
「訪問者、バーコード制御装置」101は、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像を受信し、検証を行い(S404)、より具体的には、データベースで保持する顔画像の特徴量と、「ネットワークカメラ」102から通知された顔画像の特徴量を比較し、データベースで保持する顔画像と一致するかを判断し(S405)、」「訪問日時が一致するか等を検証」することは、本件発明1の「占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに、前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程」に相当する。

(カ)甲1発明の「検証を行い(S411)」、「一致する場合(S412)、」「「訪問者、バーコード制御装置」101は、「自動ドア制御装置」107に対して解錠依頼を行」う「(S413)」ことは、本件発明1の「前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程」に相当する。

(キ)上記(ア)ないし(カ)からみて、本件発明1と甲1発明とは、
「顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、 前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
を備えた、顔認証方法。」で一致し、以下の点で相違している。
〔相違点1〕
本件発明1は、「訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け取ると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する」のに対し、甲1発明は、そのような特定がない点。

イ 判断
(ア)上記相違点1について検討すると、相違点1に係る構成が設計上の微差であると判断できる理由は見当たらないから、上記相違点1は実質的な相違点である。
よって、本件発明1は甲1発明と同一ではない。

(イ)次に、上記相違点1の構成が容易想到かについて検討する。
上記相違点1に係る構成のうち、「前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付ける、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する」こと、つまり、訪問日時情報は、訪問者の登録情報を登録した後に、該登録情報とは別に、顔認証システムが受け付けること、及び顔認証システムが訪問者のユーザ端末に送信した登録完了通知情報に対して、顔認証システムが、訪問者のユーザ端末が送信した受け取り通知情報を受け付け、続いて所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信することは、申立人が提示する証拠には記載されておらず、本件特許の出願前に公知技術または周知技術であったとする理由は見当たらない。
したがって、本件発明1は、甲1発明、甲第2号証〜甲第5号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(ウ)申立人は、令和4年3月4日付けの意見書において、訪問者の登録情報を経時要素を含めてバラバラに送信すること、及び登録完了通知を訪問者のユーザ端末を優先するか、それとも所有者のユーザ端末を優先するかは、当業者であれば、任意に設計変更できる事項であって、甲2には、登録情報として、作業員の生体情報(画像データ)や訪問予定時間が含まれること、ユーザの登録時、登録情報を管理サーバに与え、管理サーバが登録した場合に通信端末に登録通知をすること、認証結果を管理者端末に通知することが、甲3には、サーバからユーザ端末に許可情報を与えること、電気錠制御装置とユーザ端末とサーバ装置と運用者端末との間で、諸情報を送信・受信することが、甲4には、管理用端末は、サーバから訪問者に係る諸情報を受信することが記載されている(「●意見2」の欄)旨、主張している。
しかしながら、訪問者の登録情報を経時要素を含めてバラバラに送信することが、原出願の出願前に周知技術であったことを示す証拠は示されておらず、訪問日時情報は、訪問者の登録情報とは別に、訪問者の登録情報を登録した後に、顔認証システムが受け付けることは、当業者が容易になし得たこととは認められない。
また、仮に、登録完了通知を訪問者または所有者のどちらかの端末に送信することが、原出願の出願前に周知の技術であったとしても、その登録完了通知に対して、さらに、顔認証システムが、訪問者のユーザ端末が送信した受け取り通知情報を受け付け、続いて所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信することまで、当業者が容易になし得たということはできない。
そして、上記の受け取り通知情報の受け付け及び送信することによって、本件明細書の段落【0025】に記載された「本実施の形態では、所有者は、顔認証システム10の訪問者受付システム12から訪問者の登録完了通知を受け付けるだけではなく、この訪問者受付システム12から更に受け取り通知情報を受け付ける。このことにより、もし所有者が訪問者の登録を行う際に誤って別の訪問者を登録した場合は、この別の訪問者から身に覚えのない登録の通知があった旨の連絡があったり、別の訪問者に関する受け取り通知情報を受け取ったりすることにより、所有者は登録の誤りに気付くことができるようになる。また、所有者がユーザ端末20を用いて入力した訪問者情報が第三者にハッキングされた場合でも、所有者の不在時にこの第三者が占有スペースに入ってしまうことを防止することができる。」との作用効果を奏するものと認められる。

(エ)以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件発明2及び5について
本件発明2及び5について、本件発明1の構成をすべて含みさらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)本件発明6ないし8について
本件発明6ないし8は、本件発明1の顔認証方法を、それぞれ本件発明6の顔認証システム、本件発明7のプログラム、本件発明8の記録媒体に書き下した発明であるから、実質的に本件発明1と同じものである。
してみると、本件発明6、7、8は、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、それぞれ甲1発明、甲1プログラム発明、甲1記録媒体発明と同一ではなく、また、甲1発明及び甲第2号証ないし甲第5号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。


第5 付加的検討
申立人は、令和4年3月4日付けの意見書において、本件訂正後の本件発明について、新たに特許法第36条第6項第2号明確性要件について主張しており、その概要は、本件訂正発明が、「訪問日時情報のみ」が送信されることになっているが、これでは誰が訪問者であるかを識別することができないから、登録情報の内容が不明確であるから、明確性要件を満たしておらず、当該明確性要件は、訂正の請求に付随して生じた事項である(「●意見1」の欄)旨、主張する。
しかしながら、「訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付ける」ことは、本件訂正前の請求項4に既に記載されていた事項であるから、本件訂正により申立ての理由を変更する必要が生じたものではなく、さらに、特許異議申立て時の特許異議申立書に記載しなかったことに合理的な理由は見当たらないから、申立ての理由の補正を許可できるものではない。
上記のとおりの事情はあるものの、一応検討すると、本件訂正後の請求項1には、「訪問日時情報を 前記顔認証システムが受け付けると、」に続いて「前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、」と記載されていることからみて、訪問日時情報に加えて、訪問者自身の情報が無ければ、登録完了通知情報を訪問者のユーザ端末に送信することはできないことは明らかであるから、訪問日時情報に加えて、訪問者の情報も通知していることは明らかである。
また、本件明細書の段落【0024】に、「その後、所有者がユーザ端末20において訪問者受付サービスのアプリケーション等を実行し、登録完了情報送信手段58により送信された登録完了情報に含まれる訪問者の氏名をタップすると、訪問者が占有スペースを訪問する日時に係る情報をユーザ端末20により入力することができるようになる。そして、所有者がユーザ端末20により訪問者が占有スペースを訪問する日時に係る情報を入力すると、所有者のユーザ端末20から訪問者受付システム12に訪問者の氏名および訪問日時情報が送信される(図2の(7))。訪問者受付システム12のプロセッサ12aは、所有者のユーザ端末20から訪問者の氏名および訪問日時情報を訪問日時情報受付手段60により受け付ける。そして、プロセッサ12aは、訪問者の氏名および訪問日時情報を訪問者の識別情報に関連付けてメモリ12bに記録する・・・」と記載されているとおり、本件明細書にも、所有者のユーザ端末から訪問者の氏名及び訪問日時情報が送信されることが記載されており、上記の請求項1の記載から理解される事項と整合している。
よって、登録情報の内容には、申立人が主張するような不明確な点はない。
以上のとおり、本件訂正後の請求項1ないし8の記載は明確であるから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号明確性要件を満たしている。


第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、5〜8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2、5〜8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

また、本件請求項3及び4に係る特許は、上記第3のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項3及び4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。

よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認証システムにより行われる顔認証方法であって、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
を備え、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、顔認証方法。
【請求項2】
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、開錠完了通知を所有者のユーザ端末に送信する、請求項1記載の顔認証方法。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
2回目以降に訪問者が所有者の占有スペースを訪問する際に、少なくとも訪問者の氏名および訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信する、請求項1乃至2のいずれか一項に記載の顔認証方法。
【請求項6】
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を受け付ける訪問者登録情報受付手段と、
前記訪問者登録情報受付手段により受け付けた訪問者の登録情報を記録する顔認証クラウドと、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を受け付けると、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と前記顔認証クラウドに記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う認証手段と、
前記認証手段により訪問者の認証が行われると、開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する開錠指示送信手段と、
を備え、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、顔認証システム。
【請求項7】
顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムであって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
が行われ、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、プログラム。
【請求項8】
顔認証システムのプロセッサにより実行されるプログラムが記録される記録媒体であって、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、受け付けた訪問者の登録情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
訪問者が占有スペースを訪問する日時に関する訪問日時情報を受け付けると、受け付けた訪問日時情報を前記顔認証システムに記録する工程と、
占有スペースの入口に設置された施錠システムの撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが、前記撮像装置により撮像された訪問者の顔画像に関する情報と記録されている訪問者の顔画像に関する情報とを比較するとともに前記撮像装置により訪問者の顔画像が撮像された日時と事前に登録されている訪問日時情報とを比較することにより訪問者の認証を行う工程と、
前記顔認証システムにおいて訪問者の認証が行われると、前記顔認証システムが開錠指令を前記施錠システムの施錠装置に送信する工程と、
が行われ、訪問者の顔画像に関する情報を含む訪問者の登録情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信し、
訪問者が初めて所有者の占有スペースを訪問する前に訪問者情報を事前に登録する際に、前記顔認証システムが登録完了情報を所有者のユーザ端末に送信した後、訪問日時情報を前記顔認証システムが受け付けると、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末に登録完了通知情報を送信し、前記顔認証システムが訪問者のユーザ端末から受け取り通知情報を受け付けると、前記顔認証システムが所有者のユーザ端末に受け取り通知情報を送信する、記録媒体。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2022-06-02 
出願番号 P2020-070026
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (E05B)
P 1 651・ 113- YAA (E05B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 森次 顕
特許庁審判官 西田 秀彦
住田 秀弘
登録日 2020-11-25 
登録番号 6799223
権利者 DXYZ株式会社 プロパティエージェント株式会社
発明の名称 顔認証方法、顔認証システム、プログラムおよび記録媒体  
代理人 加島 広基  
代理人 加島 広基  
代理人 加島 広基  

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