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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 F02B 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 F02B |
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管理番号 | 1388367 |
総通号数 | 9 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-09-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-07-12 |
確定日 | 2022-07-11 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6813391号発明「内燃機関」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6813391号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項1について訂正することを認める。 特許第6813391号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6813391号の請求項1に係る特許についての出願は、平成29年2月28日に出願され、令和2年12月21日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月13日に特許掲載公報が発行された。 その後、その特許に対し、令和3年7月12日に特許異議申立人 安藤慶治(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和4年1月18日付け(発送日:同年1月24日)で取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和4年3月23日に意見書の提出及び訂正請求を行い、当審は、令和4年4月5日付け(発送日:同年4月11日)で申立人に通知書(訂正請求があった旨の通知)を送付した。申立人は、その指定期間内に応答をしなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和4年3月23日の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、以下のとおりである(下線は当審で付した。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している構成であって」とあるのを、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している構成であって」と訂正する。 (2)訂正事項2 明細書の【0007】に、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している」とあるのを、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」と訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の内燃機関の構成について、願書に添付した明細書の段落0017、図1及び図2の記載に基づいて、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」と減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正事項1に整合されるために明細書を訂正するものであって訂正事項1と同じ内容であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。そして、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものには該当しないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定されており、前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している構成であって構成であって、 前記アームは、前記電気系補機を構成するハウジングに回動自在に連結されているか、又は、前記電気系補機を機関本体に取り付けるためのブラケットに回動自在に連結されているか、若しくは、前記電気系補機が機関本体に取付けられている部位に共締め状態で回動自在に連結されていて、いずれにおいても、クランク軸線方向から見て前記アームの連結部は前記電気系補機と重なっており、 前記アームの回動によって前記テンションプーリが前記電気系補機のプーリに対して遠近移動するようになっている、 内燃機関。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が令和4年1月18日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 《引用文献等一覧》 甲1.特開2015−224613号公報 甲2.特開2015−140738号公報 甲3.特開2013−108385号公報 甲4.特開2015−110934号公報 甲5.特開2007−198160号公報 甲6.特開2016−176441号公報 第5 当審の判断 1 甲1の記載事項及び甲1発明 甲1には、以下の事項が記載されている(下線は当審において付与した。以下同様。)。 ア.「【要約】 【課題】モータジェネレータのベルトをオートテンショナにおける一対のテンションプーリで背面側から挟み込んでいる内燃機関において、テンションプーリと他の部材との干渉を回避しつつ、モータジェネレータをできるだけ機関本体に近付けて内燃機関のコンパト化を図る。 【解決手段】一対のテンションプーリ29は、それぞれアーム42,43に取付けられており、アーム42,43は、共通の軸心回りに回動するようにベース41に装着されている。アーム42,43の回動中心50は、補機プーリ15の軸心51よりも機関本体1とある程度の寸法Eだけずれている。テンションプーリ29の位置は変えることなくモータジェネレータ9を本願発明に近付けることができるため、内燃機関をコンパクト化できると共に、モータジェネレータの取付け強度を向上できる。」 イ.「【請求項2】 前記補機は、クランク軸線方向から見て前記機関本体の左又は右の外側に配置されている一方、前記一対のテンションプーリは、クランク軸線と直交した方向から見て前記機関本体の前面の手前に配置している、請求項1に記載した車両用内燃機関。」 ウ.「【0029】 (1).概要 次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜3に基づいて概要を説明する。以下の説明では方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、前後方向はクランク軸線O1の方向であり、左右方向は、気筒軸線O2及びクランク軸線O1と直交した方向である。なお、実施形態の内燃機関は、気筒軸線O2は鉛直線O3に対して若干傾斜している(スラントしている)が、図では、便宜的に気筒軸線O2を鉛直姿勢にして表示している。 【0030】 内燃機関の基本的な構成は従来と同様であり、機関本体1は、主要要素として、シリンダブロック2とその上面に固定されたシリンダヘッド3、並びにこれらの一端面に多数のボルト4で固定されたフロントカバー(チェーンカバー、チェーンケース)5を備えている。シリンダヘッド3の上面にはヘッドカバー6が固定されて、シリンダブロック2の下面にはオイルパン7が固定されている。 【0031】 クランク軸8の一端部はフロントカバー5の外側に突出している一方、正面視で機関本体1を挟んだ左側には、請求項に記載した補機の一例としてのモータジェネレータ(ISG)9を配置し、右側にはエアコン用コンプレッサ10を配置している。また、フロントカバー5のうち、概ね上下中間部でかつ左寄りの部位にはウォータポンプ11を配置している。」 エ.「【0033】 モータジェネレータ9は複数のブラケット(後述する)を介してシリンダブロック2及びフロントカバー5に固定されており、エアコン用コンプレッサ10は、図示しないブラケットを介してシリンダブロック2(又は/及びフロントカバー5)に固定されている。ウォータポンプ11はポンプハウジングをフロントカバー5で兼用しており、フロントカバー5にポンプカバー12(図1参照)を固定することでウォータポンプ11が構成されている。【0034】 モータジェネレータ9、エアコン用コンプレッサ10、ウォータポンプ11は、それぞれ回転軸に固定されたプーリ15,16,17を備えており、モータジェネレータプーリ15と第1クランクプーリ18とに第1ベルト19が巻き掛けられて、エアコン用コンプレッサ10のプーリ16と第2クランクプーリ20とに第2ベルト21が巻き掛けられて、ウォータポンプ11のプーリ17と第3クランクプーリ22とに第3ベルト23が巻き掛けられている。本実施形態では、モータジェネレータプーリ15が、請求項に記載した補機プーリに相当する。」 オ.「【0041】 モータジェネレータ9は、上部と下部との2か所において機関本体1の側面部に取付けられている。上部においては、図2に示すように、モータジェネレータ9のケーシングに設けた左右のリブ33にブラケット34の下部をボルト25で固定し、ブラケット34の上部を、シリンダヘッド3の一側面に突設したボス36にボルト37で固定すると共に、フロントカバー5に設けた横向き張り出し部38にボルト39で固定している。 【0042】 (2).オートテンショナの構成 図4〜6に示すように、オートテンショナ28は、モータジェネレータプーリ15が遊嵌するリング状のベース(本体)41と、テンションプーリ29が回転自在に保持された2つのアーム42とを有しており、2つのアーム42,43を、テンションプーリ29が遠近動し得るように重ねた状態でベース41に装着し、かつ、略U型のばね44で2つのアーム42,43の間隔を保持している。ベース41には、蓋板45を装着している。 【0043】 2つのテンションプーリ29は、ばね44と一緒にベース41の軸心回りに回動し得ると共に、ばね44を変形させることで互いに独立して動くことが可能である。ベース41のうちテンションプーリ29と反対側の部位には、複数個(3個)の円筒状足部46を設けており、足部46がモータジェネレータ9の外面にボルト(図示せず)で固定されている。足部46は、図3に一点鎖線で示すトップブラケット板47に固定されている。なお、トップブラケット板47は、リアブラケット板48と補強ロッド49に連結されている。 【0044】 オートテンショナ28におけるベース41の軸心(アーム42,43の回動中心)50は、正面視において、モータジェネレータプーリ15の軸心51を挟んで、両テンションプーリ19(当審注:「29」の誤記である。)と反対側に若干の寸法Eだけずれている。換言すると、アーム42,43の回動中心50は、フロントカバー5及びクランク軸8から遠ざかる方向に、モータジェネレータ9におけるプーリ15の軸心51よりも寸法Eだけずれている。」 カ.「【図1】 」 キ.「【図4】 」 ク.段落【0044】の「オートテンショナ28におけるベース41の軸心(アーム42,43の回動中心)50は、正面視において、モータジェネレータプーリ15の軸心51を挟んで、両テンションプーリ29と反対側に若干の寸法Eだけずれている。換言すると、アーム42,43の回動中心50は、フロントカバー5及びクランク軸8から遠ざかる方向に、モータジェネレータ9におけるプーリ15の軸心51よりも寸法Eだけずれている。」という事項により、アーム42、43の回動によりテンションプーリ29がモータジェネレータプーリ15に対して遠近移動するようになっていることは、幾何学的に自明である。 ケ.【図1】及び【図4】から、モータジェネレータ9が機関本体1の外側に位置すること、ベルト19にテンションプーリ29が当接している構成であること及びクランク軸線方向から見てベース41はモータジェネレータ9と重なっていることが看取できる。 以上のことから、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 《甲1発明》 「正面視で機関本体1を挟んだ左側には機関本体1の外側に位置するようにしてモータジェネレータ9を配置し、モータジェネレータプーリ15と第1クランクプーリ18とに巻き掛けられた第1ベルト19に、回動中心50がフロントカバー5及びクランク軸8から遠ざかる方向に、モータジェネレータ9におけるプーリ15の軸心51よりも寸法Eだけずれている2つのアーム42、43に回転自在に保持されたテンションプーリ29が当接している構成であって、 2つのアーム42、43をベース41に装着し、ベース41の足部46がモータジェネレータ9の外面にボルトで固定されており、クランク軸線方向から見てベース41はモータジェネレータ9と重なっており、 略U型のばね44で2つのアーム42,43の間隔を保持し、アーム42、43の回動によりテンションプーリ29がモータジェネレータプーリ15に対して遠近移動するようになっている、 車両用内燃機関。」 2 甲2の記載事項及び甲2発明 甲2には、以下の事項が記載されている。 ア.「【0012】 本発明の第1実施形態による伝動システムを図1に示す。伝動システム1は、図示しない車両に搭載され、内燃機関(以下、「エンジン」という)2と特定補機11との間で動力を伝達する。また、伝動システム1は、エンジン2および特定補機11の動力を特定補機11以外の補機13に伝達する。」 イ.「【0014】 駆動プーリ4は、円板状に形成され、中心部がエンジン2の駆動軸3に接続されるようにして取り付けられている。これにより、駆動プーリ4は、駆動軸3とともに回転可能である。特定補機プーリ5は、円板状に形成され、中心部が特定補機11の軸である特定補機軸12に接続されるようにして取り付けられている。これにより、特定補機プーリ5は、特定補機軸12とともに回転可能である。補機プーリ6は、円板状に形成され、中心部が補機13の軸14に接続するようにして取り付けられている。これにより、補機プーリ6は、軸14とともに回転可能である。」 ウ.「【0016】 ベルト9は、例えばゴムおよびワイヤー等により、端部を有しない環状に形成されている。ベルト9は、外力が作用すると弾性変形し伸縮する。ベルト9は、駆動プーリ4、特定補機プーリ5、補機プーリ6に掛け回されるようにして設けられている。これにより、例えば駆動プーリ4が回転すると、当該回転が補機プーリ6、特定補機プーリ5に伝達し、補機プーリ6、特定補機プーリ5が回転する。すなわち、各プーリの回転は、ベルト9を経由して他のプーリに伝達する。本実施形態では、エンジン2の通常運転時、駆動軸3、すなわち、駆動プーリ4の回転方向は、図1において時計回り方向である。よって、ベルト9および各プーリも時計回り方向に回転する。なお、本実施形態では、時計回り方向の回転を「正回転」、反時計回り方向の回転を「逆回転」という。 【0017】 本実施形態では、特定補機11は、例えば電力が供給されることにより特定補機軸12が回転駆動(力行作動)し、特定補機軸12にトルクが入力されることで発電(回生作動)するモータジェネレータである。よって、特定補機11は、例えば、エンジン2が停止しているとき、回転駆動(力行作動)することにより駆動プーリ4を回転させ、すなわち、エンジン2をクランキングし、エンジン2を始動させることができる。ここで、特定補機11は、スタータとして機能する。」 エ.「【0020】 軸部10は、例えば円柱状に形成され、特定補機11のハウジング19に設けられている。軸部10は、軸線Ax2が特定補機軸12の軸線Ax1に対し平行となるよう軸線Ax1から所定距離離れた位置に設けられている(図1参照)。すなわち、本実施形態では、軸部10は、軸線Ax2が特定補機軸12の軸線Ax1とは異なる位置になるよう設けられている。また、軸部10は、軸線Ax2と特定補機軸12の軸線Ax1との距離が特定補機プーリ5の半径より小さくなる位置に設けられている。 【0021】 第1オートテンショナ20は、第1アーム21、第1テンショナプーリ22、第1軸部23等を有している。 第1アーム21は、長尺状に形成されている。第1アーム21は、一端が軸部10により回転可能に支持されるよう設けられている。これにより、第1アーム21は、軸線Ax2を中心にエンジン2に対し相対回転可能である。 第1テンショナプーリ22は、円板状に形成され、ベルト9の特定補機プーリ5に対し一方側、すなわち、特定補機プーリ5と駆動プーリ4との間に当接可能に設けられている。 【0022】 第1軸部23は、第1アーム21の他端に設けられている。第1軸部23は、第1テンショナプーリ22の中心(回転中心c1)を回転可能に支持している。よって、第1テンショナプーリ22は、回転中心c1を中心に回転可能である。この構成により、第1テンショナプーリ22は、ベルト9の特定補機プーリ5に対し一方側に当接しながら回転可能、かつ、軸部10を中心にエンジン2に対しx1方向またはy1方向に相対移動(回転)可能に設けられる。第1アーム21が軸部10を中心に回転し、第1テンショナプーリ22のエンジン2に対する相対位置が変化すると、ベルト9の特定補機プーリ5に対し一方側、すなわち、特定補機プーリ5と駆動プーリ4との間の張力が変化する。 【0023】 第2オートテンショナ30は、第2アーム31、第2テンショナプーリ32、第2軸部33等を有している。 第2アーム31は、長尺状に形成されている。第2アーム31は、一端が軸部10により回転可能に支持されるよう設けられている。これにより、第2アーム31は、第1アーム21と同様、軸線Ax2を中心にエンジン2に対し相対回転可能である。 第2テンショナプーリ32は、円板状に形成され、ベルト9の特定補機プーリ5に対し他方側、すなわち、特定補機プーリ5と補機プーリ6との間に当接可能に設けられている。 【0024】 第2軸部33は、第2アーム31の他端に設けられている。第2軸部33は、第2テンショナプーリ32の中心(回転中心c2)を回転可能に支持している。よって、第2テンショナプーリ32は、回転中心c2を中心に回転可能である。この構成により、第2テンショナプーリ32は、ベルト9の特定補機プーリ5に対し他方側に当接しながら回転可能、かつ、軸部10を中心にエンジン2に対しx2方向またはy2方向に相対移動(回転)可能に設けられる。第2アーム31が軸部10を中心に回転し、第2テンショナプーリ32のエンジン2に対する相対位置が変化すると、ベルト9の特定補機プーリ5に対し他方側、すなわち、特定補機プーリ5と補機プーリ6との間の張力が変化する。 【0025】 付勢手段40は、例えば金属により略C字状に形成され、一端が第1オートテンショナ20の第1軸部23に接続するよう、他端が第2オートテンショナ30の第2軸部33に接続するよう設けられている。付勢手段40は、第1軸部23と第2軸部33とが互いに近づく方向に第1軸部23と第2軸部33とを付勢している。すなわち、第1テンショナプーリ22と第2テンショナプーリ32とは、付勢手段40により、互いに近づく方向(x1方向およびx2方向)、つまり、ベルト9の張力が増大する方向に付勢されている。」 オ.「【図1】 」 カ.段落【0020】の「軸部10は、軸線Ax2が特定補機軸12の軸線Ax1に対し平行となるよう軸線Ax1から所定距離離れた位置に設けられている(図1参照)。すなわち、本実施形態では、軸部10は、軸線Ax2が特定補機軸12の軸線Ax1とは異なる位置になるよう設けられている。」という事項により、第1アーム21と第2アーム31の回動により第1テンションプーリ22と第2テンションプーリ32とが特定補機プーリ5に対して遠近移動するようになっていることは、幾何学的に自明である。 キ.【図1】から、クランク軸線方向から見て軸部10は特定補機11と重なっていることが看取できる。 以上のことから、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 《甲2発明》 「駆動プーリ4、モータジェネレータである特定補機11の軸である特定補機軸12に接続されるようにして取り付けられている特定補機プーリ5、補機プーリ6に掛け回されるようにして設けられているベルト9に、エンジン2に対し相対回転可能である第1アーム21の他端に設けられている第1軸部23に回転可能に支持されている第1テンションプーリ22と、エンジン2に対し相対回転可能である第2アーム31の他端に設けられている第2軸部33に回転可能に支持されている第2テンションプーリ32とが当接可能に設けられ、 軸部10は、特定補機11のハウジング19に設けられており、第1アーム21と第2アーム31とは、一端が軸部10により回転可能に支持されるよう設けられていて、クランク軸線方向から見て軸部10は特定補機11と重なっており、 略C字状に形成された付勢手段40により付勢され、第1アーム21と第2アーム31の回動により第1テンションプーリ22と第2テンションプーリ32とが特定補機プーリ5に対して遠近移動するようになっている エンジン2。」 3 甲3の記載事項 甲3には、以下の事項が記載されている。 ア.「【0021】 内燃機関1の機関本体2は、シリンダが左右方向に配列されたシリンダブロック3の上にシリンダヘッド4が重ねられ、その上にシリンダヘッドカバー5が被せられ、シリンダブロック3の下にはオイルパン6が接合されて構成されている。 シリンダブロック3とシリンダヘッド4の右側面にはチェーンカバー7が被せられている。 【0022】 機関本体2の前側面(3f)の右側寄りに上から下に補機部品であるACジェネレータ10,水ポンプ20,コンプレッサ15が順に配設されている。 機関本体2の右側面にはチェーンカバー7を貫通したクランク軸8の端部には駆動プーリ8pが嵌着され、駆動プーリ8pの上方には、テンショナ16が揺動付勢されたアームの先端にアイドラプーリ16pを備えて設けられている。」 イ.「【図1】 」 ウ.シリンダボアは、シリンダブロックの内部にシリンダヘッドからクランク軸に延びるように形成されることが技術常識であることに鑑みれば、【図1】から、クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、ACジェネレータ10が、機関本体2の外側に位置するようにして前記機関本体2に固定されることが看取できる。 以上のことから、甲3には、次の事項が記載されているといえる。 「内燃機関1において、クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、ACジェネレータ10が、機関本体2の外側に位置するようにして前記機関本体2に固定されること。」 4 甲4の記載事項 甲4には、以下の事項が記載されている。 ア.「【0027】 以下、本発明に係る第一の実施の形態について図1ないし図10に基づいて説明する。 本実施の形態に係る内燃機関0は、図1に示すように、直列4気筒の4ストローク水冷式内燃機関であり、クランク軸7を車両の左右方向に指向させて車両に横置きに搭載されている。 本明細書中では、車両の進行方向を基準に前後左右を決めることとする。 【0028】 図1に示されるように、内燃機関0の機関本体1は、上下方向に指向する、図示されないシリンダが左右方向に配列されたシリンダブロック3の下に、クランク軸7を挟むように図示されない軸受けを介してロアケース2が結合され、シリンダブロック3の上にシリンダヘッド4、シリンダヘッドカバー5が順次重ねられて一体に構成されている。 【0029】 機関本体1の後側面1aの右側寄りに補機部品であるACジェネレータ10が付設されている。 機関本体1の前側面1bの右側寄りに上から下に補機部品である渦巻ウォーターポンプ22、エアコン用コンプレッサ13が順に付設されている。」 イ.「【図1】 」 ウ.シリンダボアは、シリンダブロックの内部にシリンダヘッドからクランク軸に延びるように形成されることが技術常識であることに鑑みれば、【図1】から、クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、ACジェネレータ10が、機関本体1の外側に位置するようにして前記機関本体1に固定されることが看取できる。 以上のことから、甲4には、次の事項が記載されているといえる。 「内燃機関0において、クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、ACジェネレータ10が、機関本体1の外側に位置するようにして前記機関本体1に固定されること。」 5 甲5の記載事項 甲5には、以下の事項が記載されている。 ア.「【0022】 図1〜図6に示すように、エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2の前面側を覆うチェーンカバー3と、複数の補機類とを備え、複数の気筒(例えば、4気筒)の燃焼室に、複数(例えば、4つ)のインジェクタ(図示略)により燃料を夫々直接噴射する直噴ディーゼルエンジンである。尚、図1〜図4の矢印で示す上方と前方と左方を、上方と前方と左右として説明する。 【0023】 前記複数の補機類として、燃料ポンプ4、ウォータポンプ5、オルタネータ6、1対のカムシャフト(図示略)、エンジンバランサ(図示略)、A/Cコンプレッサ(図示略)等が設けられ、エンジン1のクランク軸1aの回転により、燃料ポンプ4と1対のカムシャフトとエンジンバランサを駆動するチェーン駆動系7と、ウォータポンプ5とオルタネータ6とA/Cコンプレッサをベルト駆動するベルト駆動系8が設けられている。 【0024】 エンジン本体2は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10に載置固定されたシリンダヘッド11と、シリンダブロック10と別体に形成されシリンダブロック10の前面に固定されたタイミングケース12とを備え、シリンダブロック10の下側にアッパオイルパン12が固定され、アッパオイルパン12の下側にロアオイルパン13が固定され、少なくともタイミングケース12とチェーンカバー3は軽金属合金(例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等)からなるダイキャスト成形品で構成されている。」 イ.「【0030】 図1に示すように、テンショナプーリ36、アジャスタアーム41、ダンパ42等で、無端ベルト37に張力を付与するテンショナ40が構成され、チェーンカバー3のうち膨出部12bに対応する部分の右端部分に、アジャスタアーム41の中間部が回動自在に支持されると共に、ダンパ42の基端部が回動自在に支持され、アジャスタアーム41の先端部にテンショナプーリ36が回転自在に支持され、アジャスタアーム41の基端部とダンパ42の先端部が回動自在に連結されている。こうして、テンショナ40はチェーンカバー3のうち膨出部12bに対応する部分に設けられている。」 ウ.「【図1】 」 エ.シリンダボアは、シリンダブロックの内部にシリンダヘッドからクランク軸に延びるように形成されることが技術常識であることに鑑みれば、【図1】から、クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、オルタネータ6が、エンジン本体2の外側に位置するようにして前記エンジン本体2に固定されることが看取できる。また、同じく【図1】から、無端ベルト37の1箇所に、1つのアジャスタアーム41に支持されるテンショナプーリ36が、テンショナ40によって付勢されて当接していることが看取できる。 以上のことから、甲5には、次の事項が記載されているといえる。 「エンジン1において、クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、オルタネータ6が、エンジン本体2の外側に位置するようにして前記エンジン本体2に固定され、無端ベルト37の1箇所に、回動自在な1つのアジャスタアーム41に回転自在に支持されるテンショナプーリ36が、テンショナ40によって付勢されて当接していること。」 6 甲6の記載事項 甲6には、以下の事項が記載されている。 ア.「【0021】 本実施形態の内燃機関は、キャブオーバー車において座席Sの下方に配置されるスラント型であり、気筒軸線O1が水平面O2に対して30°程度の角度を成すように大きく傾斜している。内燃機関は、シリンダブロック1とその頂面に固定されたシリンダヘッド2とを備えており、シリンダブロック1の底面1cにはオイルパン3が固定されて、シリンダヘッド2の頂面にはシリンダヘッドカバー4が固定されている。オイルパン3は、2つの部材で構成されている。 【0022】 図1では、シリンダブロック1の一端面とシリンダヘッド2の一端面とを露出した状態に表示しているが、実際には、シリンダブロック1の一端面1aとシリンダヘッド2の一端面とには、1枚のフロントカバー(チェーンカバ )が重ね固定されており、フロントカバーとシリンダブロック1及びシリンダヘッド2との間に形成された空間に、タイミングチェーン(図示せず)が配置されている。 【0023】 内燃機関はクランク軸5を有しており、クランク軸5の一端部は、シリンダブロックに設けた第1ジャーナル6と第1クランクキャップ7とで回転自在に保持されている。クランク軸5の一端はシリンダブロック1の外側(フロントカバーの外側)に突出しており、この突出端部にクランクプーリ8が固定されており、このクランクプーリ8に巻き掛けた補機駆動ベルト9により、補機としてオルタネータ10とエアコン用コンプレッサ11とが補機駆動ベルト9で駆動される。従って、オルタネータ10とエアコン用コンプレッサ11とは、それぞれプーリ12,13を備えている。」 イ.「【図1】 」 ウ.【図1】から、クランク軸線方向から見て気筒軸線O1を挟んだ一方の側に、オルタネータ10が、シリンダブロック1の外側に位置するようにしてシリンダブロック1に固定されることが看取できる。 以上のことから、甲6には、次の事項が記載されているといえる。 「内燃機関において、クランク軸線方向から見て気筒軸線O1を挟んだ一方の側に、オルタネータ10が、シリンダブロック1の外側に位置するようにして前記シリンダブロック1に固定されること。」 7 対比・判断 ア 本件訂正発明と甲1発明との対比 甲1発明の「機関本体1」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件訂正発明の「機関本体」に相当し、以下同様に、「モータジェネレータ9」は、「電気系補機」に、「モータジェネレータプーリ15と第1クランクプーリ18とに巻き掛けられた第1ベルト19」は、「電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルト」に、「2つのアーム42、43」は、「アーム」に、「テンションプーリ29」は、「テンションプーリ」に、「ベース41」は、「アームの連結部」に、「車両用内燃機関」は、「内燃機関」に、それぞれ相当する。 そして、甲1発明の「正面視で機関本体1を挟んだ左側には機関本体1の外側に位置するようにしてモータジェネレータ9を配置」することは、本件訂正発明の「クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定されて」いることに相当する。 また、甲1発明の「モータジェネレータプーリ15と第1クランクプーリ18とに巻き掛けられた第1ベルト19に、回動中心50がフロントカバー5及びクランク軸8から遠ざかる方向に、モータジェネレータ9におけるプーリ15の軸心51よりも寸法Eだけずれている2つのアーム42、43に回転自在に保持されたテンションプーリ29が当接している」ことと、本件訂正発明の「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」こととは、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している」という限りにおいて一致している。 してみると、本件訂正発明と甲1発明との一致点、相違点は以下のとおりである。 《一致点》 「クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定されており、前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している構成であって、 クランク軸線方向から見て前記アームの連結部は前記電気系補機と重なっており、 前記アームの回動によって前記テンションプーリが前記電気系補機のプーリに対して遠近移動するようになっている、 内燃機関。」 《相違点1》 本件訂正発明は、アームは、電気系補機を構成するハウジングに回動自在に連結されているか、又は、電気系補機を機関本体に取り付けるためのブラケットに回動自在に連結されているか、若しくは、電気系補機が機関本体に取付けられている部位に共締め状態で回動自在に連結されているものであるのに対し、甲1発明は、「2つのアーム42、43をベース41に装着し、ベース41の足部46がモータジェネレータ9の外面にボルトで固定されて」いるものである点。 《相違点2》 「電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している」ことについて、本件訂正発明は「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」のに対して、甲1発明は第1ベルト19に「2つのアーム42に回転自在に保持されたテンションプーリ29が当接している」点。 イ 本件訂正発明と甲2発明との対比 甲2発明の「駆動プーリ4」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件訂正発明の「クランクプーリ」に相当し、以下同様に、「モータジェネレータである特定補機11」は、「電気系補機」に、「特定補機プーリ5」は、「電気系補機に設けたプーリ」に、「ベルト9」は、「ベルト」に、「第1アーム21」及び「第2アーム31」は、「アーム」に、「第1テンションプーリ22」及び「第2テンションプーリ32」は、「テンションプーリ」に、「軸部10」は、「アームの連結部」に、「エンジン2」は、「内燃機関」に、それぞれ相当する。 そして、甲2発明の「軸部10は、特定補機11のハウジング19に設けられており、第1アーム21と第2アーム31とは、一端が軸部10により回転可能に支持されるよう設けられてい」ることは、本件訂正発明の「前記アームは、前記電気系補機を構成するハウジングに回動自在に連結されている」ことに相当する。 また、甲2発明の「駆動プーリ4、モータジェネレータである特定補機11の軸である特定補機軸12に接続されるようにして取り付けられている特定補機プーリ5、補機プーリ6に掛け回されるようにして設けられているベルト9に、エンジン2に対し相対回転可能である第1アーム21の他端に設けられている第1軸部23に回転可能に支持されている第1テンションプーリ22と、エンジン2に対し相対回転可能である第2アーム31の他端に設けられている第2軸部33に回転可能に支持されている第2テンションプーリ32とが当接可能に設けられ」ることと、本件訂正発明の「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」こととは、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している」という限りにおいて一致している。 してみると、本件訂正発明と甲2発明との一致点、相違点は以下のとおりである。 《一致点》 「電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している構成であって、 前記アームは、前記電気系補機を構成するハウジングに回動自在に連結されているか、又は、前記電気系補機を機関本体に取り付けるためのブラケットに回動自在に連結されているか、若しくは、前記電気系補機が機関本体に取付けられている部位に共締め状態で回動自在に連結されていて、いずれにおいても、クランク軸線方向から見て前記アームの連結部は前記電気系補機と重なっており、 前記アームの回動によって前記テンションプーリが前記電気系補機のプーリに対して遠近移動するようになっている、 内燃機関。」 《相違点3》 本件訂正発明は、「クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定され」るものであるのに対し、甲2発明は、そのような態様となっていない点。 《相違点4》 「電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している」ことについて、本件訂正発明は「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」のに対して、甲2発明はベルト9に「第1アーム21の他端に設けられている第1軸部23に回転可能に支持されている第1テンションプーリ22と、」「第2アーム31の他端に設けられている第2軸部33に回転可能に支持されている第2テンションプーリ32とが当接可能に設けられ」る点。 ウ 判断 事案に鑑み、上記相違点2及び相違点4について検討する。 甲1及び甲2には、ベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、1つのアームに連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接していることについて、記載も示唆もない。 また、甲5には、「無端ベルト37の1箇所に、回動自在な1つのアジャスタアーム41に回転自在に支持されるテンショナプーリ36が、テンショナ40によって付勢されて当接していること」が記載されている。しかし、甲1発明及び甲2発明は、一対のアーム及びテンション(テンショナ)プーリを備えることを前提として、それぞれ「略U型のばね44」及び「略C字状に形成された付勢手段40」でテンション(テンショナ)プーリを付勢するものであるから、甲1発明及び甲2発明に、上記甲5に記載された事項を適用することには、阻害要件がある。 さらに、甲3、甲4及び甲6には、「前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」ことについて、記載も示唆もない。 よって、相違点2及び相違点4に係る本件訂正発明の発明特定事項は当業者が容易に想到し得たものではない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明は甲1発明、甲2発明及び甲3ないし甲6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要 本件特許の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。 2 甲1の記載事項、甲1発明及び本件訂正発明と甲1発明との対比 甲1の記載事項、甲1発明及び本件訂正発明と甲1発明との対比は、上記第5.1及び7アに記載のとおりである。 3 判断 本件訂正発明と甲1発明とを対比すると、上記第5.7アに記載のとおり相違点1及び相違点2の点で相違する。そして、少なくとも相違点2は実質的な相違点であるから、本件訂正発明は甲1発明ではない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】内燃機関 【技術分野】 【0001】 本願発明は、ISG(インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ、モータ機能付き発電機)のような電気系補機を備えた内燃機関に関するもので、特に、車両用(自動車用)内燃機関を好適な対象にしている。 【背景技術】 【0002】 車両用の内燃機関には、オルタネータやISG等の補機が付随しており、この補機はベルトによってクランクプーリと連動しているが、プーリとベルトとの滑りを防止するため、ベルトにテンションプーリを当接させることが行われている。特に、ISGやモータジェネレータはトルクが大きくてプーリとベルトとの間に滑りが発生しやすいため、テンションプーリによってベルトに高い張力を付与することは必須になっている。 【0003】 オートテンショナの場合、テンションプーリを回動式のアーム(リンク)に回転自在に取付けて、アームをばね手段で付勢することにより、テンションプーリをベルトに対して当接させた状態を保持していることが多い。その例が、特許文献1〜3に開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2013−108377号公報 【特許文献2】特開2011−017393号公報(図2) 【特許文献3】特開2016−191365号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 各特許文献では、いずれもアームが機関本体に連結されており、ベルトがテンションプーリで押されても、モータジェネレータやオルタネータのような電気系補機のプーリとベルトとの接触長さは殆ど変わっていないため、電気系補機のプーリとクランクプーリとの間での動力伝達の確実性向上に限度があるといえる。 【0006】 本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、電気系補機とクランクプーリとの間での動力伝達の確実性を向上させることを主たる課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本願発明は、 「クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定されており、前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトに、回動式のアームに回転自在に連結されたテンションプーリが当接している」、 という基本構成である。 【0007】 本願発明は、 「クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定されており、前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している」、 という基本構成である。 【0008】 そして、上記基本構成において、 「前記アームは、前記電気系補機を構成するハウジングに回動自在に連結されているか、又は、前記電気系補機を機関本体に取り付けるためのブラケットに回動自在に連結されているか、若しくは、前記電気系補機が機関本体に取付けられている部位に共締め状態で回動自在に連結されていて、いずれにおいても、クランク軸線方向から見て前記アームの連結部は前記電気系補機と重なっており、 前記アームの回動によって前記テンションプーリが前記電気系補機のプーリに対して遠近移動するようになっている」 という構成が付加されている。電気系補機には、ISGやモータジェネレータ、オルタネータなど、ロータを有するものが含まれる。 【0009】 電気系補機とアームとを共締めする場合、ブラケットに対してハウジングとアームとを共締めする場合と、ハウジングとアームとを機関本体に直接に共締めする場合とのいずれも含んでいる。 【0010】 テンションプーリは、ばね手段によって常にベルトに押圧されていてもよいし、電磁ソレノイドのようなアクチュエータによってベルトに対して遠近移動する構成であってもよい。 【発明の効果】 【0011】 本願発明では、アームの回動によってテンションプーリが電気系補機のプーリに遠近移動するため、ベルトが強く張るようにテンションプーリが移動すると、ベルトによる電気系補機プーリの抱き込み量が増大する。すなわち、ベルトと電気系補機プーリとの接触長さ(プーリの周方向の接触長さ)が長くなる。このため、電気系補機プーリとベルトとの摩擦力を従来技術に比べて大きくできる。これにより、電気系補機プーリとベルトとの間のスリップを防止して、動力伝達の確実性を向上できる。 【0012】 そして、ISG等の電気系補機のハウジングは、ロータを回転自在に保持する性質上頑丈な構造であるため、アームは、他の補強部材を要することなくハウジングに取付けることができる。従って、重量の増大や組み立て工数の増大のような問題は生じない。ブラケットに取り付けた場合や、電気系補機と共締めした場合も同様である。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】内燃機関の正面図である。 【図2】内燃機関の部分拡大正面図である。 【図3】(A)は図1のIIIA−IIIA視断面図、(B)は図1のIIIB−IIIB視断面図である。 【図4】図2をIV−IV視方向から見た図である(ベルトはほぼ省略している。)。 【図5】図1のV−V視断面図である。 【発明を実施するための形態】 【0014】 (1).概要 次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、内燃機関の概要を、主として図1,2に基づいて説明する。本実施形態の内燃機関は車両に搭載されるものであり、機関本体として、シリンダブロック1とその上面に固定されたシリンダヘッド2、これらの前面に固定されたフロントカバー3を備えている。タイミングチェーンは、フロントカバー3で覆われている。シリンダヘッド2の上面にはヘッドカバー4が固定されて、シリンダブロック1の下面にはオイルパン5が固定されている。これらヘッドカバー4とオイルパン5も機関本体を構成している。 【0015】 シリンダブロック1には、クランク軸6が回転自在に保持されている。クランク軸6の一端部はフロントカバー3を貫通して手前に露出しており、この露出した端部にクランクプーリ7が固定されている。本実施形態では、補機として、ISG8とウォータポンプ9とエアコン用コンプレッサ10とを設けており、これらは、それぞれプーリ11,12,13を備えている。 【0016】 図1はクランク軸線方向から見た正面図であるが、この正面視において、ISG8は機関本体の左外側に配置されて、ウォータポンプ9は、機関本体のうちシリンダボア軸心14を挟んで左に寄った部位に配置されている。他方、エアコン用コンプレッサ10は、シリンダボア軸心0を挟んだ右側において、機関本体の外側に配置されている。従って、ISG8とウォータポンプ9とを左に寄せて配置し、エアコン用コンプレッサ10は右に寄せて配置している。 【0017】 ISG8は電気系補機の一例であり、ロータを回転自在に保持したハウジング15、ロータに固定されたISGプーリ11を備えている。従って、ISGプーリ11が、請求項に記載した電気系補機プーリに該当する。ハウジング15は、ブラケット16を介してフロントカバー3及びシリンダブロック1に固定されている。ISGプーリ11とクランクプーリ7とに、第1ベルト17が巻き掛けられており、第1ベルト17に、オートテンショナ18のテンションプーリ19が上から回転自在に当接している。第1ベルト17が,請求項に記載したベルトに該当する。 【0018】 ウォータポンプ9の本体部(ポンプ室など)はフロントカバー3に内蔵されており、回転軸に固定したウォータポンププーリ12がフロントカバー3の外側に露出しており、ウォータポンププーリ12とクランクプーリ7とに第2ベルト20が巻き掛けられている。エアコン用コンプレッサ10は、ブラケット21を介してシリンダブロック1に固定されており、エアコン用コンプレッサ10のプーリ(エアコンプーリ)13とクランクプーリ7とに第3ベルト22が巻き掛けられている。 【0019】 図5に示すように、3本のベルト17,20,22は、第2ベルト20がフロントカバー3に最も近くて、第3ベルト22はフロントカバー3から最も遠くに位置し、第1ベルト17は両者の間に位置している。このため、クランクプーリ7には、3つのプーリ部7a,7b,7cが形成されている。なお、各ベルト17,20,22の内面は鋸歯状の横断面を有しており、従って、プーリ7,11,12,13の外周面も鋸歯状の横断面になっている。 【0020】 (2).テンショナ等 オートテンショナ18は、相対動自在に嵌まり合ったケースの内部にばねとオイルダンパとが内蔵された伸縮自在なアブソーバ(弾性装置)23と、アブソーバ23の先端部(下端部)に第1ピン24で連結されたプレート状のアーム(ブラケット)25とを有しており、アーム25の下端に、テンションプーリ19が第2ピン(軸)26で回転自在に連結されている。アーム25は、下部を円弧状とした銅鐸形になっており、上端部のうちシリンダボア軸心14の側に寄った右端部がアブソーバ23の先端部に第1ピン24で連結されて、上端部のうちシリンダボア軸心0から離れた左端部が、ISG8のハウジング15に第3ピン27で回動自在に連結されている。 従って、第3ピン27はアーム25の連結部(回動中心)になっており、アーム25は第3ピン27を中心にして回動する。そして、アーム25はISG8のハウジング15に連結されているため、連結部である第3ピンは27は、クランク軸線方向から見てISG8と重なる位置に配置されている。 【0021】 アーム25はISG8のハウジング15から手前に離れているため、図4に明示するように、ISG8のハウジング15に、手前に向けて(機関本体から離れる方向に向けて)突出したボス28を一体に設けて、ボス28にアーム25が第3ピン27で連結されている。一体式のボス28を設けずに、カラーを介してアーム25をハウジング15に連結することも可能である。 【0022】 ブラケット16は、ハウジング15に一体に形成されていてもよいし、ハウジング15とは別体に構成されていてもよい。いずれの場合も、アーム25をブラケット16に連結することも可能である(この場合は、ブラケット16にボスを形成するのが好ましい。)。ブラケット16がハウジング15に一体に形成されている場合、ブラケット16を機関本体にピンやボルトで連結する必要があるが、この連結箇所において、アームを、共通したピンやボルトで共締め(一体的に連結)することも可能である。この場合、ピンで連結しただけであっても、アーム25は回動してもブラケット16は回動しないため、特段の問題はない。 【0023】 ブラケット16がハウジング15とは別体に構成されている場合、ブラケット16とハウジング15との連結箇所でアーム25を共締めすることも可能である。 【0024】 オートテンショナ18におけるアブソーバ23の上端部は、第4ピン29でフロントカバー3に連結されている。この場合、図3に示すように、フロントカバー3の上部には、下面を傾斜面30とした前向き張り出し部31が形成されており、前向き張り出し部31の傾斜面30に形成した受け座32に、アブソーバ23の上端部が、第4ピン29で回動可能に連結されている。従って、平面視では、オートテンショナ18の相当部分が前向き張り出し部31で隠れている。 【0025】 オートテンショナ18のテンションプーリ19は、アーム25の後面に配置している。従って、テンションプーリ19はアーム25で手前から覆われているが、アーム25は、テンションプーリ19の全体を覆う大きさに設定されている。 【0026】 図2に明示するように、テンションプーリ19の軸心は、クランク軸線方向から見た正面視において、ISGプーリ11の軸心とクランクプーリ7の軸心とウォータポンププーリ12の軸心とを結ぶ線で囲われた三角形33の内部に位置している。このため、連動機構をコンパクトに纏めて、スペースを有効利用できる。また、クランク軸線方向から見た正面視において、テンションプーリ19の一部が第2ベルト20の一部と重なっているが、この構成も、スペースを有効利用してコンパクト化に貢献している。 【0027】 実施形態のように、アーム25を板状で略銅鐸状に形成すると、アーム25がテンションプーリ19及び第2ベルト20に対するカバーの役割を果たすため、テンションプーリ19及び第2ベルト20の保護機能を向上できる利点がある。 【0028】 本実施形態では、アーム25は、その上端部のうちISGプーリ11に近い左端部(第3ピン27)を中心にして回動し、テンションプーリ19は第3ピン27を中心にした円弧軌跡34に沿って移動するため、アブソーバ23が伸びると、テンションプーリ19はISGプーリ11に近づこうとする。このため、第1ベルト17とISGプーリ11の接触長さを長くして(第1ベルト17でテンションプーリ19を大きく抱き込んで)、高いスリップ防止効果を実現できる。 【0029】 図2では、1本のベルトをクランクプーリ7とISGプーリ11とウォータポンププーリ12とに巻き掛けた状態を仮想ベルトとして一点鎖線35で表示しているが、本実施形態では、アーム25の大部分は仮想ベルト35で囲われた範囲に納まっているため、第1ベルト17及び第2ベルト20を伝動手段とした連動機構を、より一層コンパクト化できる。アーム25は、その全体が仮想ベルト35の内側に配置されていてもよい。 【0030】 更に、本実施形態では、アブソーバ23の伸縮方向36と、テンションプーリ19による第1ベルト17の押し方向37とは、クランク軸線方向から見て、シリンダボア軸心14に対して同じ方向に傾斜した斜め下向き方向になっている。このため、アブソーバ23の弾性復元力(ばね力)を、テンションプーリ19に対してストレートに伝えることができる。このため、アブソーバ23のこじれを無くして、第1ベルト17の張り状態を的確に保持できる。 【0031】 つまり、ISG8は、モータとして機能する状態、発電機として機能している状態、及び空回りしている状態の3つの状態があり、状態が変化するとき第1ベルト17の張り状態も変化するが、実施形態では、張り状態の変化に対応してクランクプーリ7が移動することが、アブソーバ23のこじれを無くした状態で応答性良く行われる。 【0032】 ISG8とエアコン用コンプレッサ10とは左右逆の位置に配置されているので、第1ベルト17によってクランク軸6に作用する曲げ力と、第3ベルト22によってクランク軸6に作用する曲げ力とが相殺されて、クランク軸6の負担を軽減できる。 【0033】 以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、他にも様々に具体化できる。例えば、テンショナ装置としては、電磁ソレノイド等のアクチュエータでテンションプーリが移動操作される遠隔制御方式のものも採用できる。 【0034】 アームは板状である必要はないのであり、棒状などの形態や、ベルクランク状の形態なども採用できる。 【産業上の利用可能性】 【0035】 本願発明は、実際に内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。 【符号の説明】 【0036】 1 機関本体を構成するシリンダブロック 2 機関本体を構成するシリンダヘッド 3 機関本体を構成するフロントカバー(チェーンカバー) 6 クランク軸 7 クランクプーリ 8 電気系補機の一例としてのISG 9 ウォータポンプ 11 電気系補機プーリの一例としてのISGプーリ 17 請求項のベルトである第1ベルト 18 テンショナ装置の一例としてのオートテンショナ 19 テンションプーリ 23 オートテンショナのアブソーバ 25 オートテンショナのアーム 27 連結部(回動中心)になる第3ピン(軸、ボルト) 28 ボス (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 クランク軸線方向から見てシリンダボア軸心を挟んだ一方の側に、電気系補機が、機関本体の外側に位置するようにして前記機関本体に固定されており、前記電気系補機に設けたプーリとクランクプーリとに巻き掛けたベルトのうち前記電気系補機に設けたプーリを挟んで一方の側のみに、回動式の1つのアームに回転自在に連結されたテンションプーリが、弾性装置によって付勢されて当接している構成であって、 前記アームは、前記電気系補機を構成するハウジングに回動自在に連結されているか、又は、前記電気系補機を機関本体に取り付けるためのブラケットに回動自在に連結されているか、若しくは、前記電気系補機が機関本体に取付けられている部位に共締め状態で回動自在に連結されていて、いずれにおいても、クランク軸線方向から見て前記アームの連結部は前記電気系補機と重なっており、 前記アームの回動によって前記テンションプーリが前記電気系補機のプーリに対して遠近移動するようになっている、 内燃機関。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-06-30 |
出願番号 | P2017-036592 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(F02B)
P 1 651・ 113- YAA (F02B) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
佐々木 正章 |
特許庁審判官 |
山本 信平 鈴木 充 |
登録日 | 2020-12-21 |
登録番号 | 6813391 |
権利者 | ダイハツ工業株式会社 |
発明の名称 | 内燃機関 |
代理人 | 渡辺 隆一 |
代理人 | 西 博幸 |
代理人 | 渡辺 隆一 |
代理人 | 西 博幸 |