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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09B
管理番号 1388790
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-04-28 
確定日 2022-09-01 
事件の表示 特願2017−191215「運転教習装置及び運転教習方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日出願公開、特開2019− 66636〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年9月29日の出願であって、令和2年7月22日付けで拒絶理由が通知され、同年10月23日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年1月27日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、同年4月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和2年10月23日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるつぎのとおりのものである。
「【請求項1】
第1ユーザが模擬車両を模擬走行環境下で運転したときの運転結果を用いて、運転教習を支援する運転教習装置において、
出力インターフェースと、
入力インターフェースと、
前記模擬走行環境を映像化した模擬映像データを記憶する模擬映像データ記憶手段と、
当該模擬映像データ記憶手段に記憶された前記模擬映像データを前記出力インターフェースに表示させる表示制御手段と、
当該模擬映像データが前記出力インターフェースに表示されているときの第1ユーザによる前記模擬車両の操作状態を表す操作状態データを検出する操作状態データ検出手段と、
当該検出された操作状態データ及び前記模擬映像データに応じて、前記模擬走行環境下での第1ユーザによる前記模擬車両の運転状態を演算する演算手段と、
当該演算手段の演算結果を記憶する演算結果記憶手段と、
当該記憶された演算結果を用いて、前記模擬走行環境下での第1ユーザの運転状態を表す映像を前記出力インターフェースに再生表示させる映像再生制御を実行する映像再生制御手段と、
当該映像再生制御の実行中、第2ユーザによる前記入力インターフェースの操作によって所定の描画操作が実行されたときに、前記模擬走行環境下での前記模擬車両を含む交通移動体に関連する図形として、当該交通移動体の死角を表す直線を前記出力インターフェースに表示させる描画表示制御を実行する描画表示制御手段と、
を備えることを特徴とする運転教習装置。」


第3 原査定の拒絶の理由
拒絶査定の理由である、令和2年7月22日付けの拒絶理由通知の理由は、次のとおりのものである。
進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1−9
・引用文献等 1、2
<引用文献等一覧>
1.特開2001−236010号公報
2.特開2002−177431号公報(周知技術を示す文献)


第4 当審の判断
1 引用例
本願の出願日前の平成13年8月31日に公報が発行され、原査定の拒絶の理由に引用された特開2001−236010号公報(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 4輪自動車の運転者によって操作される操舵輪を含む操作部材を備える運転操作手段と、
操作部材の操作を検出する操作センサと、
運転者の頭部に装着可能な表示装置であって、運転者の頭部の位置を検出する頭部位置センサと、画像を表示するヘッドマウントディスプレイ用表示手段とが搭載された表示装置と、
擬似運転の走行経路に沿う3次元の画像データをストアする走行画像メモリと、
操作センサと頭部位置センサとからの出力に応答し、運転者の視界内にある前記画像データを、ヘッドマウントディスプレイ用表示手段に表示するとともに、走行方向前方の画像に自車の車幅を表す表示部を表示する画像制御手段とを含むことを特徴とする4輪車運転シミュレータ。
【請求項2】 前記表示部は、画像表示装置に表示される運転台から見た前方の視界内の画像データに、車幅の範囲に描かれた影であることを特徴とする請求項1記載の4輪車運転シミュレータ。
【請求項3】走行画像メモリにストアされている画像データは、交差した複数の道路を含み、
これらの道路を選択して走行経路を設定する走行経路設定手段と、
運転者に音響出力を与える音響出力手段と、
予め設定した走行経路に沿って走行すべき指示を表す情報を導出して音響出力手段に与える走行指示手段とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の4輪車運転シミュレータ。
【請求項4】 操作センサの出力に応答し、前記走行経路上の自動車の走行位置をストアする走行位置メモリと、
画像を表示する走行再生用表示手段とを含み、
画像制御手段は、
走行画像メモリと走行位置メモリとの出力に応答し、自動車の外方から見た画像データを作成して走行再生用表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または2記載の4輪車運転シミュレータ。」
(2)「【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、4輪自動車の運転者が、その4輪自動車の車幅等の車体情報を正しく把握して、運転者の安全運転のための教育などに好適に実施することができる4輪車運転シミュレータを提供することである。
【0027】本発明に従えば、走行経路上を擬似運転によって走行することによって得られた自動車の走行位置および運転者の頭部に装着された表示装置の頭部位置センサの走行位置に対応した出力をメモリにストアすることによって、走行画像メモリから、走行中にヘッドマウントディスプレイ用表示手段で表示された画像を作成することができる。こうして得られた画像データを、擬似運転終了後、運転者である教習生または指導教官が再生して安全運転の指導教育のために利用することができる。たとえば教習生の走行中の視点を把握し、これによって交通安全上、重要な確認行為の良否の評価、確認を行うことができる。」
(3)「【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を示す4輪車運転シミュレータ1の斜視図である。図2は図1に示される4輪車運転シミュレータ1の電気的構成を示すブロック図である。これらの図面を参照して、4輪車運転シミュレータは基本的に4輪自動車を模擬運転する教習生である運転者2は、その頭部3に着脱可能に装着されたヘッドマウントディスプレイである表示装置4によって模擬運転を行う道路などの画面を見ながら、実車部5において運転操作を行い、この模擬運転で走行すべき走行経路などは、画像生成装置6で演算して作成され、教官卓7で、運転者2による安全運転の動作を観察することができる。教官卓7は、走行経路作成装置8と教官用処理装置9とを含む。」
(4)「【0035】教官用処理装置9に備えられる入力手段78を操作することによって、運転状態設定回路79によって、運転状態を設定することができる。運転状態というのは、たとえば自動車の走行中における天候状態などであってもよい。入力手段78によって雨天が選択されたとき、その運転状態設定回路79の出力は、通信回路61,62を経てメモリ手段27に与えられ、処理回路42は、表示手段12によって表示される画像に、自車39のフロントガラスに雨滴が付着した状態を、擬似的に演算して表示することができる。これら運転状態設定動作は、図8のステップa2において実行されてもよい。」
(5)「【0040】表示装置4に備えられている頭部位置センサ14の出力は、画像生成装置6に備えられる視点演算回路41に与えられ、運転者2が見る視点、したがって視線の方向を演算して導出し、処理回路42に与える。実車部5の操作部材18〜23およびそのほかの操作部材の操作を検出する操作センサ25からの出力は、画像生成装置6の運転情報演算回路43に与えられ、実車部5の擬似運転中における4輪自動車の走行状態を表す運転情報に演算されて変換される。運転情報演算回路43の出力は運転モデル演算回路44に与えられ、前述の操作部材による擬似運転中の走行方向、前進、後進、走行速度などが演算され、これらの運転モデル情報に基づいて、走行画像メモリにストアされた走行経路における道路上の位置が演算して求められる。この運転モデル演算回路44の出力は、処理回路42に与えられる。
【0041】図8は、処理回路42の全体の動作を説明するための図である。この図8を参照しながら、構成をもさらに説明する。ステップa1からステップa2に移り、擬似運転の走行経路を設定する。この走行経路の設定のために、走行経路作成装置8が使用される。入力手段55の操作によって、表示手段56に示されるたとえば図4の道路29〜37の平面である地図を見ながら、道路29〜37のうち、道路29〜32を選択して走行経路を設定する。入力手段55と表示手段56は、マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路57に接続され、この処理回路57は、走行経路をメモリ手段27の設定経路メモリ63へストアする。また処理回路57で設定された走行経路は、教官用処理回路9に備えられる走行経路用設定回路59にも与えられる。このデータは走行経路を選択する場合に通信回路61から、画像生成装置6の通信回路62に与えられ、メモリ手段27の設定経路メモリ63から走行経路を取出す場合に参照される。
【0042】こうして図4の道路29におけるスタート位置64から、道路30,31を経て、さらに道路32を経て終了位置65までの走行経路が、設定経路メモリ63にストアされ選択可能となる。運転者2が実車部5の操作部材18〜23などを操作することによって、操作センサ25からの出力が得られ、その運転情報演算回路43から自車39の運転情報に変換され、運転モデル演算回路44において、操舵輪18の操作による走行方向、アクセルペダル21およびブレーキペダル22などの操作による擬似運転による自車39の走行速度、走行距離などが、道路29〜37の地図上で演算され、自車39の現在の走行位置もまた、さらに演算して求められる。処理回路42には、走行指示手段67が接続され、これによって合成音声によるナレーション処理および効果音を表す信号が導出される。
【0043】処理回路42は、運転モデル演算回路44で演算されて得られる走行画像メモリ28にストアされた地図上における走行位置を演算して求め、設定経路メモリ63にストアされた内容に基づいて、この予め設定した走行経路に沿って走行すべき指示を表す情報を演算して導出し、表示装置4の音響出力手段13から音響出力を導出させる。これによって運転者2は走行すべき走行経路を、音声で知ることができ、走行方向の指示が与えられることになる。運転者は、この音響出力を聞きながら、操作部材18〜23などを操作し、自車39を走行させる。また、このとき表示手段12によって、方向を矢印等で指示することも可能である。
【0044】このとき時間経過に伴う走行経路上の自動車の走行位置は、記憶手段27の走行位置メモリ69に順次的にストアされる。またこの走行位置に対応して時間経過に伴い操作される操作部材18〜23などの操作センサ25によって検出される操作状態は、運転操作メモリ71にストアされる。運転操作メモリ71にはまた、その操作位置に対応して頭部位置センサ14によって検出された頭部の位置および方向、したがって運転者2の視点および/または視線が、時間経過に伴って順次的にストアされる。この頭部位置センサ14の出力、したがって前述のように運転者2の視点または視線は、頭部位置メモリ72にもまた、ストアされる。
【0045】図8のステップa3では、処理回路42は、視点演算回路41からの視点情報に応答し、運転者2の視線を演算して求め、この視線による視界内にある画像データを、走行画像メモリ28から読出して演算し、その視界を表す画像データを、表示手段12によって表示するとともに、前述のように影51もまた併せて表示する。こうして運転者2は、操作部材18〜23などを操作しつつ、表示手段12によって表示された画像を見ながら、臨場感溢れるシミュレートを実現することができる。」
(6)「【0052】…この図13における自車39の発進時、運転者2は前方死角の確認を行うという安全運転の教育のために、前方のぞき込みが行われたかどうかを確認する必要がある。このような運転者2の擬似運転中における表示手段12によって表示される画像データは、教官用処理装置9に備えられている画像表示手段86によってもまた表示される。…」
(7)「【0055】運転者2による実車部5における擬似運転の終了後、入力手段78によって、再生手段88、通信回路61,62の順で再生を制御する。記憶手段27の各メモリ28,63,69〜72,76のストア内容に基づいて、これらの内容を読出し、前述した再生制御データを基に処理回路42にて再生演算することができる。この結果は表示手段86によって、擬似運転の動作を表示する。」

そうすると、上記事項(1)乃至(7)より、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が示されているものと認められる。
「4輪自動車を模擬運転する教習生である運転者が、その頭部に着脱可能に装着されたヘッドマウントディスプレイである表示装置によって模擬運転を行う道路などの画面を見ながら、実車部において運転操作を行い、この模擬運転で走行すべき走行経路などは、画像生成装置で演算して作成され、走行経路作成装置と教官用処理装置とを含む教官卓で、運転者による安全運転の動作を観察することができる、4輪車運転シミュレータであって、
運転者は、音響出力を聞きながら、操作部材を操作し、自車を走行させ、このとき時間経過に伴う走行経路上の自動車の走行位置は、記憶手段の走行位置メモリに順次的にストアされ、走行位置に対応して時間経過に伴い操作される操作部材の操作センサによって検出される操作状態は、運転操作メモリにストアされ、運転操作メモリにはまた、その操作位置に対応して頭部位置センサによって検出された頭部の位置および方向、したがって運転者の視点および/または視線が、時間経過に伴って順次的にストアされ、この頭部位置センサの出力、したがって運転者の視点または視線は、頭部位置メモリにも、ストアされ、運転者による実車部における擬似運転の終了後、入力手段によって、再生手段、通信回路の順で再生を制御し、記憶手段の各メモリのストア内容に基づいて、これらの内容を読出し、前述した再生制御データを基に処理回路にて再生演算し、この結果は教官用処理装置に備えられている画像表示手段によって、擬似運転の動作が表示され、安全運転の指導教育のために利用する、4輪車運転シミュレータ。」

2 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)後者の「教習生である運転者」、「『模擬運転する』『4輪自動車』」、「模擬運転」、「教官卓で、運転者による安全運転の動作を観察することができる、4輪車運転シミュレータ」、「『ヘッドマウントディスプレイである表示装置』及び『教官用処理装置に備えられている画像表示手段』」、「入力手段」は、それぞれ、前者の「第1ユーザ」、「模擬車両」、「模擬走行環境下で運転」、「運転教習を支援する運転教習装置」、「出力インターフェース」、「入力インターフェース」に相当する。
(2)後者の「運転者」が、「音響出力を聞きながら、操作部材を操作し、自車を走行させ」、「記憶手段の走行位置メモリに順次的にストアされ」た「このとき時間経過に伴う走行経路上の自動車の走行位置」、及び「運転操作メモリにストアされ」た「走行位置に対応して時間経過に伴い操作される操作部材の操作センサによって検出される操作状態」は、前者の「第1ユーザが模擬車両を模擬走行環境下で運転したときの運転結果」であるとともに「第1ユーザによる前記模擬車両の操作状態」に相当する。してみると、後者の「4輪車運転シミュレータ」は、「第1ユーザが模擬車両を模擬走行環境下で運転したときの運転結果を用いて、運転教習を支援する運転教習装置」であって、「第1ユーザによる前記模擬車両の操作状態を表す操作状態データを検出する操作状態データ検出手段」を備えるといえる。
(3)後者の「模擬運転を行う道路」は、「画像生成装置で演算して作成され」、「ヘッドマウントディスプレイである表示装置によって」表示されるものであるから、前者の「模擬走行環境を映像化した模擬映像データ」に相当し、後者の「4輪車運転シミュレータ」が「模擬走行環境を映像化した模擬映像データを記憶する模擬映像データ記憶手段」及び「模擬映像データ記憶手段に記憶された模擬映像データを出力インターフェースに表示させる表示制御手段」を備えることは明らかといえる。
(4)後者の「4輪車運転シミュレータ」は、「運転者による実車部における擬似運転の終了後、入力手段によって、再生手段、通信回路の順で再生を制御し、記憶手段の各メモリのストア内容に基づいて、これらの内容を読出し、前述した再生制御データを基に処理回路にて再生演算し、この結果は教官用処理装置に備えられている画像表示手段によって、擬似運転の動作が表示される」ところからすると、後者の「処理回路」は、前者の「模擬走行環境下での第1ユーザによる模擬車両の運転状態を演算する演算手段」に相当する。そして、後者の「4輪車運転シミュレータ」は、「再生演算し、この結果」を「表示」するのであるから、「演算手段の演算結果を記憶する演算結果記憶手段」及び「映像再生制御を実行する映像再生制御手段」を備えるといえる。

本願発明と引用発明とは、以下の一致点で一致し、以下の各相違点で相違する。
[一致点]
「第1ユーザが模擬車両を模擬走行環境下で運転したときの運転結果を用いて、運転教習を支援する運転教習装置において、
出力インターフェースと、
入力インターフェースと、
前記模擬走行環境を映像化した模擬映像データを記憶する模擬映像データ記憶手段と、
当該模擬映像データ記憶手段に記憶された前記模擬映像データを前記出力インターフェースに表示させる表示制御手段と、
当該模擬映像データが前記出力インターフェースに表示されているときの第1ユーザによる前記模擬車両の操作状態を表す操作状態データを検出する操作状態データ検出手段と、
当該検出された操作状態データ及び前記模擬映像データに応じて、前記模擬走行環境下での第1ユーザによる前記模擬車両の運転状態を演算する演算手段と、
当該演算手段の演算結果を記憶する演算結果記憶手段と、
当該記憶された演算結果を用いて、前記模擬走行環境下での第1ユーザの運転状態を表す映像を前記出力インターフェースに再生表示させる映像再生制御を実行する映像再生制御手段と、
を備えることを特徴とする運転教習装置。」

[相違点]
本願発明が、「当該映像再生制御の実行中、第2ユーザによる前記入力インターフェースの操作によって所定の描画操作が実行されたときに、前記模擬走行環境下での前記模擬車両を含む交通移動体に関連する図形として、当該交通移動体の死角を表す直線を前記出力インターフェースに表示させる描画表示制御を実行する描画表示制御手段」を備えるのに対し、引用発明は、そのような描画表示制御手段を備えていない点。

3 判断
運転の安全教習において、『交通移動体の死角を表す直線を表示すること』は、従前より一般的に行われていたことであるのであるから(例えば、「Gon-K,“バイクで公道デビュー 四輪の死角!あなたとバイクは視界の外!”,[online],2017年1月9日,[令和4年5月12日検索],インターネット<URL:https://bikelabo.com/blind_spot>」、「金町自動車教習所,“死角について”,[online],2015年9月19日,[令和4年5月12日検索],インターネット<URL:https://katsushika.uwasa-no.com/kds/2015/09/a36107735-html/>」及び「覆面学生,“教習13日目”,[online],2017年8月10日,[令和4年5月12日検索],インターネット<URL:http://www.driver-licence.net/archives/123>」)、引用発明の4輪車運転シミュレータにおいて、安全運転の指導教育の際に、擬似運転の表示に描画し、当該描画を表示させることは、指導者(インストラクター)が受講者(ユーザ)の動画のデータ上に指導内容をデータ加工することが周知技術(例えば、特開2002−177431号公報(【0020】等参照。))であることからすれば、当業者が容易になし得るものであるところ、引用発明には、運転者の模擬走行時であるものの、危険イベントを表示することにより、運転者の死角確認を行うという安全運転教育を行うものであるのだから、前記画像データの描画に際し、死角を表す直線を表示するようにすることは、当業者が適宜なし得るものである。
してみると、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項は、当業者が容易になし得るものである。

本願発明の効果も、引用発明及び上記周知技術から、当業者が予測し得る程度のものといえる。


第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、本願出願の出願前に出願公開された引用文献に記載された発明、上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-06-14 
結審通知日 2022-06-21 
審決日 2022-07-20 
出願番号 P2017-191215
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G09B)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 藤田 年彦
特許庁審判官 藤本 義仁
佐々木 創太郎
発明の名称 運転教習装置及び運転教習方法  
代理人 特許業務法人創成国際特許事務所  

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