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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1389167
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-12-03 
確定日 2022-08-16 
事件の表示 特願2019−524685「端末及び通信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月20日国際公開、WO2018/229964、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2017年(平成29年)6月16日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年12月10日 手続補正書の提出
令和3年 3月 2日付け 拒絶理由通知書
令和3年 4月27日 手続補正書、意見書の提出
令和3年 9月 2日付け 拒絶査定
令和3年12月 3日 審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要

原査定(令和3年9月2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1ないし7
・引用文献等 1
<引用文献等一覧>
1.NTT DOCOMO, INC.,”Discussion on SS block composition and SS burst set composition”,3GPP TSG−RAN WG1 Meeting #89 R1−1708437,[online],2017年05月06日,pages 1−5,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1−1708437.zip,[検索日 2021.02.26]

第3 本願発明について

本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、令和3年12月3日付け手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。(下線は請求人が付したものであり補正箇所を示す。)

「 【請求項1】
互いに異なるサブキャリア間隔で構成される複数の無線フレームのうち、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線フレームで同期信号及びシステム情報を含む周期的なブロックを受信する受信部と、
前記第1のサブキャリア間隔に基づいて、前記第1の無線フレームにおける前記周期的なブロックがマッピングされるシンボルを特定する制御部と、
を有し、
前記複数の無線フレームのうち、前記第1の無線フレームと第2のサブキャリア間隔を有する第2の無線フレームとは、前記周期的なブロックが配置されない時間領域のギャップを共通に有し、前記制御部は、前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信するように制御し、
複数のサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含み、前記周期的なブロックがマッピングされる1つの期間は、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置され、前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される端末。
【請求項2】
前記第1の無線フレームは、1又は複数の連続するスロットにおける先頭2シンボルに前記ギャップを有し、前記第2の無線フレームは、1又は複数の連続するスロットにおける先頭4シンボルに前記ギャップを有し、
前記受信部は、前記第1の無線フレームの前記先頭2シンボルで制御信号を受信する、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記第1の無線フレームは、1又は複数の連続するスロットにおける先頭2シンボルに前記ギャップを有し、前記第2の無線フレームは、1又は複数の連続するスロットにおける先頭4シンボルに前記ギャップを有し、
前記受信部は、前記第2の無線フレームの前記先頭2シンボルで制御信号を受信する、請求項1に記載の端末。
【請求項4】
前記第2の無線フレームのあるスロットにおける前記周期的なブロックのシンボルの位置と、前記スロットと異なるスロットにおける前記周期的なブロックのシンボルの位置とが、異なる請求項1に記載の端末。
【請求項5】
前記第2の無線フレームにおいて、前記周期的なブロックが時間領域で集中して配置
される請求項1に記載の端末。
【請求項6】
互いに異なるサブキャリア間隔で構成される複数の無線フレームのうち、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線フレームで同期信号及びシステム情報を含む周期的なブロックを受信する受信手順と、
前記第1のサブキャリア間隔に基づいて、前記第1の無線フレームにおける前記周期的なブロックがマッピングされるシンボルを特定する制御手順と、
を端末が実行し、
前記複数の無線フレームのうち、前記第1の無線フレームと第2のサブキャリア間隔を有する第2の無線フレームとは、前記周期的なブロックが配置されない時間領域のギャップを共通に有し、前記制御手順は、前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信するように制御する手順を含み、
複数のサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含み、前記周期的なブロックがマッピングされる1つの期間は、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置され、前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される通信方法。」

第4 引用文献の記載事項及び引用発明

1.引用文献1について
原査定の拒絶理由で引用された、NTT DOCOMO, INC.,”Discussion on SS block composition and SS burst set composition”,3GPP TSG−RAN WG1 Meeting #89 R1−1708437,[online],2017年05月06日,pages 1−5(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)

(1) 「2. Discussion on SS block composition
As described in previous section, RAN1 agreed that SS block is consist of 1 symbol NR-PSS, 1 symbol NR-SSS, and 2 symbol NR-PBCH unless MIB size is larger than assumed. As the remaining issue, we need to consider the mapping order of them within consecutive four symbols. If the same NR-PBCH is repeated within SS blocks or DMRS for PBCH is mapped on every PBCH symbol, such structure can be used for frequency offset compensation.」(第2章、第1段落)
(当審訳:2.SSブロック構造についての議論
前節で述べたように、RAN1では、MIBサイズが想定より大きくならない限り、SSブロックは1シンボルのNR−PSS、1シンボルのNR−SSS、2シンボルのNR−PBCHで構成されることに合意した。残りの課題として、連続する4シンボル内におけるこれらのマッピング順序を考慮する必要がある。複数のSSブロック内で同じNR−PBCHが繰り返されたり、PBCHのためのDMRSがPBCHのシンボル毎にマッピングされたりすれば、そのような構造は、周波数オフセット補償に利用できる。)

(2) 「3. Discussion on SS burst set composition
3.1. SS burst set composition
In NR, multiple SS blocks e.g., up to 64 SS blocks for frequency range from 6 GHz to 52.6 GHz, are mapped within one SS burst set. There are two possible approaches for SS block time location, i.e. localized mapping manner or distributed mapping manner. Since UE needs to search SS blocks for RRM measurement, localized mapping manner should be preferable in order to minimize UE measurement duration. In addition, from gNB perspective, localized mapping manner can maximize interval between always-on transmissions and hence it would be preferable in terms of NW energy saving.

On the other hand, we need to discuss on other requirements for SS block location mapping such as availability for DL/UL control channel within a slot containing SS block location. As shown in Figure 3-1, simple localized mapping manner, where multiple SS blocks are located consecutively without gap, seems not preferable since scheduling and response may be restricted, e.g., delayed. To resolve the problem, we can consider the semi-localized mapping manner to increase the availability of DL/UL control transmission within some slots containing SS block location. In the semi-localized mapping manner, SS block locations avoid overlapping with DL/UL control channel region within slot as much as possible. In addition, such gap between SS block locations should cover not only DL/UL control channel region with same SCS as SS block but also DL/UL control channel region with different SCS from SS block. Some examples are shown in Figure 3-2 and 3-3. In Figure 3-2, assuming that minimum DL control region is 2 symbols and minimum UL control region is 2 symbols including guard time, proposed mapping can avoid overlapping between SS block location and such minimum DL/UL control channel regions of same/different SCS as much as possible. In Figure 3-3, it is assumed that minimum DL control region is 1 symbol and minimum UL control region is 2 symbols including guard time.」(第3章第3.1節、第1及び第2段落)
(当審訳:3.SSバーストセット構造についての議論
3.1. SSバーストセット構造
NRでは、1つのSSバーストセット内に複数のSSブロック、例えば、6GHzから52.6GHzまでの周波数範囲に対して最大64個のSSブロック、がマッピングされる。SSブロックの時間位置には、2つのアプローチ、すなわち局所的なマッピング方式、又は分散的なマッピング方式がありうる。UEはRRM測定のためにSSブロックを探索する必要があるため、UEの測定期間を最小化するためには、局所的なマッピング方式が望ましい。更に、gNBの観点からは、局所的なマッピング方式は、複数の常時オン送信の間の間隔を最大化できるため、NWの省エネの観点からも好ましい。

一方、SSブロックの位置を含むスロット内のDL/UL制御チャネルの可用性など、SSブロックの位置のマッピングに対する他の要件についても議論する必要がある。図3−1に示すように、複数のSSブロックがギャップなしに連続して配置される単純な局所的なマッピング方式は、スケジューリングや応答が遅延するなどの制約を受ける可能性があるため、好ましくないように見える。この問題を解決し、SSブロックの位置を含むいくつかのスロット内でDL/UL制御伝送の利用可能性を高めるために、準局所的なマッピング方式を考慮することができる。準局所的なマッピング方式では、SSブロックの位置は、スロット内のDL/UL制御チャネル領域との重なりをできるだけ避ける。更に、このようなSSブロックの位置の間のギャップは、SSブロックと同じSCSを有するDU/UL制御チャネル領域だけでなく、SSブロックと異なるSCSを有するDL/UL制御チャネル領域をもカバーする必要がある。その例が図3−2及び図3−3に示される。図3−2において、最小のDL制御領域は2シンボルであり、最小のUL制御領域はガードタイムを含めて2シンボルであると仮定すると、提案されたマッピングは、SSブロックの位置と、同一の/異なるSCSにおけるそのような最小のDL/UL制御チャネル領域との重複を可能な限り避けることができる。図3−3では、最小のDL制御領域は1シンボルであり、最小のUL制御領域はガードタイムを含めて2シンボルであると仮定した。)

(3) 「

Figure 3-2. Example of proposed design for SS burst set composition (assuming minimum 2 symbols for DL control channel region and 2 symbols for UL control channel region including guard time)
」(第3章、Fig.3−2.)
(当審訳:図3−2. (DL制御チャネル領域に対して最小の2シンボル、及びガードタイムを含むUL制御チャネル領域に対して最小の2シンボルを仮定した場合の)SSバーストセット構造に対する提案された設計例)

(4) 「

Figure 3-3. Example of proposed design for SS burst set composition (assuming minimum 1 symbol for DL control channel region and 2 symbols for UL control channel region including guard time)
」(第3章、Fig.3−3.)
(当審訳:図3−3. (DL制御チャネル領域に対して最小の1シンボル、及びガードタイムを含むUL制御チャネル領域に対して最小の2シンボルを仮定した場合の)SSバーストセット構造に対する提案された設計例)

(5) 「Proposal 2: For SS block location mapping, semi-localized manner having following properties should be applied.
・SS block locations are basically localized so that UE measurement duration can be minimized and gNB transmission interval between always-on signals can be maximized.
・There are some gaps between SS block locations in order to avoid overlapping with DL/UL control channel region within slot as much as possible even for DL/UL control channel region based on different SCS from SS block SCS.」(第3章第3.1説、第3段落)
(当審訳:提案2:SSブロックの位置のマッピングは、以下の性質を持つ準局所的な方式が適用される。
・UEの測定期間を最小化し、また、gNBの常時オン信号の送信同士の間隔を最大化するため、SSブロックの位置は基本的に局所化される。
・SSブロックのSCSと異なるSCSに基づくDL/UL制御チャネル領域に対してであっても、スロット内でDL/UL制御チャネル領域との重なりをなるべく避けるために、複数のSSブロックの位置の間に多少のギャップを持たせる。)

引用文献1の上記記載、及び移動体通信分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記(1)の記載から、引用文献1には、SSブロックはNR−PSS、NR−SSS、及びNR−PBCHで構成されることが記載されている。
また、上記(2)の「SSブロックの時間位置には、2つのアプローチ・・・がありうる。UEはRRM測定のためにSSブロックを探索する必要があるため、UEの測定期間を最小化するためには、局所的なマッピング方式が望ましい。」という記載から、引用文献1には、UEが測定期間においてSSブロックを探索してRRM測定を行うことが記載されているといえる。
さらに、上記(3)には、SS SCSが15kHzである場合の1スロット、及びSS SCSが240kHzである場合の1スロット、すなわち、SS SCSが互いに異なる複数のスロットが記載されている。
そして、上記(3)の記載から、これら複数のスロットのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットには、SSブロック#0及び#1が配置されることが読み取れるから、引用文献1に記載されたUEがSSブロックを探索する測定期間は、SS SCSが15kHzである場合のスロットのうち、SSブロック#0又は#1が配置される期間を含むことが、当業者にとって明らかである。
そうすると、引用文献1には、UEは、SS SCSが互いに異なる複数のスロットのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおけるSSブロック#0又は#1が配置される期間を含む測定期間において、NR−PSS、NR−SSS、及びNR−PBCHで構成されるSSブロックを探索してRRM測定を行うことが、記載されているといえる。

イ 上記(3)には、「DL制御チャネル領域に対して最小の2シンボル、及びガードタイムを含むUL制御チャネル領域に対して最小の2シンボルを仮定した場合」という記載があり、また、上記(3)の図3−2からは、SS SCSが15kHzである場合の1スロットは14個のシンボルを含むこと、このうち左から1及び2番目の2シンボルは「DL control」すなわち下りリンク制御領域を示す領域であること、及び左から13及び14番目の2シンボルは「UL control」すなわち上りリンク制御領域を示す領域であることが読み取れる。
また、上記(3)の記載から、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける、左から1、2、7、8、13、及び14番目のシンボルには、SSブロックが配置されないことが読み取れる。
ここで、上記(5)には、「スロット内でDL/UL制御チャネル領域との重なりをなるべく避けるために、複数のSSブロックの位置の間に多少のギャップを持たせる。」という記載があるから、前記SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける、左から1、2、7、8、13、及び14番目のシンボルは、前記複数のSSブロックの位置の間のギャップに含まれるといえる。
また、上記(3)の記載からは、SS SCSが240kHzである場合に、14個のシンボルを含むスロットが4つ読み取れ、そのうち最初のスロット(図3−2では左端)における、左から1ないし8、13、及び14番目のシンボルにはSSブロックが配置されないことが読み取れ、これらのシンボルもまた、前記ギャップに含まれるといえる。
さらに、SS SCSが15kHzである場合、及び240kHzである場合と同様に1スロットが14個のシンボルを含むと考えると、上記(3)の記載から、SS SCSが30kHzである場合に、0.5ミリ秒の2つのスロットが読み取れ、そのうち最初のスロット(図3−2では左側)における、左から1ないし4、13、及び14番目のシンボルには、SSブロックが配置されないことが読み取れ、これらのシンボルもまた、前記ギャップに含まれるといえる。
同様に、上記(3)の記載からは、SS SCSが120kHzである場合に、0.125ミリ秒の2つのスロットが読み取れ、そのうち最初のスロット(図3−2では左側)における、左から1ないし4、13、及び14番目のシンボルにはSSブロックが配置されないことが読み取れ、これらのシンボルもまた、前記ギャップに含まれるといえる。

そして、上記(5)の「SSブロックのSCSと異なるSCSに基づくDL/UL制御チャネル領域に対してであっても、スロット内でDL/UL制御チャネル領域との重なりをなるべく避けるために、複数のSSブロックの位置の間に多少のギャップを持たせる。」という記載を参照すると、上記(3)において、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける左から1ないし7番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける左から1ないし14番目のシンボルからなる期間は、同一の期間を表し、また、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおける左から1ないし7番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける左から1ないし14番目のシンボルからなる期間は、同一の期間を表していると解される。
そうすると、上記(3)の記載から、前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1ないし4番目のシンボルからなる期間は、共通し、同様に、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける7番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける13及び14番目のシンボルからなる期間は、共通することが読み取れる。

さらに、上記(2)には「図3−2において、最小のDL制御領域は2シンボルであり」という記載があり、また、上記(3)からは、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボル、及びSS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1及び2番目のシンボルが「DL control」すなわち下りリンク制御領域を示していることが読み取れるから、前記ギャップに含まれるシンボルのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボル、及びSS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1及び2番目のシンボルには、下りリンク制御領域が配置されることが読み取れる。
そして、下りリンク制御領域において、UEが下りリンク制御信号を受信することは、移動体通信分野の技術常識であるから、引用文献1に記載されたUEは、前記ギャップに含まれるシンボルのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボル、及びSS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1及び2番目のシンボル、のうち少なくとも一方において、下りリンク制御信号を受信するといえる。

したがって、引用文献1には、
UEは、複数のSSブロックの位置の間のギャップに含まれる、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボル、及びSS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1及び2番目のシンボル、のうち少なくとも一方において、下りリンク制御信号を受信し、
SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける前記ギャップは1、2、7、8、13、及び14番目のシンボルからなり、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップは1ないし4、13、及び14番目のシンボルからなり、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップは1ないし4、13、及び14番目のシンボルからなり、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップは1ないし8、13、及び14番目のシンボルからなり、
前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1ないし4番目のシンボルからなる期間は共通し、同様に、前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける7番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける13及び14番目のシンボルからなる期間は、共通すること
が、記載されているといえる。

ウ 上記(3)の記載から、引用文献1には、SS SCSは、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含むことが記載されている。
また、上記(3)からは、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップのうち13及び14番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおけるSS block#0の位置のうち7番目のシンボルからなる期間は、共通することが読み取れる。
したがって、引用文献1には、SS SCSは、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含み、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップのうち13及び14番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおけるSS block#0の位置のうち7番目のシンボルからなる期間は共通することが、記載されているといえる。

以上を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「UEであって、
SS SCSが互いに異なる複数のスロットのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおけるSSブロック#0又は#1が配置される期間を含む測定期間において、NR−PSS、NR−SSS、及びNR−PBCHで構成されるSSブロックを探索してRRM測定を行い、
複数のSSブロックの位置の間のギャップに含まれる、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボル、及びSS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1及び2番目のシンボル、のうち少なくとも一方において、下りリンク制御信号を受信し、
SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける前記ギャップは1、2、7、8、13、及び14番目のシンボルからなり、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップは1ないし4、13、及び14番目のシンボルからなり、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップは1ないし4、13、及び14番目のシンボルからなり、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップは1ないし8、13、及び14番目のシンボルからなり、
前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1ないし4番目のシンボルからなる期間は共通し、同様に、前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける7番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける13及び14番目のシンボルからなる期間は、共通し、
前記SS SCSは、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含み、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップのうち13及び14番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおけるSS block#0の位置のうち7番目のシンボルからなる期間は共通するUE。」

第5 対比・判断

1.本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。
(1) 引用発明の「SS SCS」は、Synchronization Signal Sub−Carrier Spacing、すなわち同期信号サブキャリア間隔を意味することが移動体通信分野の技術常識であるから、本願発明1の「サブキャリア間隔」に含まれ、引用発明におけるSS SCSとしての15kHzは、本願発明1の「第1のサブキャリア間隔」に含まれる。
また、本願発明1の「無線フレーム」と、引用発明の「スロット」は、無線伝送単位である点で共通するから、本願発明1の「第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線フレーム」と、引用発明の「SS SCSが15kHzである場合のスロット」とは、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線伝送単位である点で共通する。
そうすると、本願発明1の「互いに異なるサブキャリア間隔で構成される複数の無線フレームのうち、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線フレーム」と、引用発明の「SS SCSが互いに異なる複数のスロットのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロット」は、互いに異なるサブキャリア間隔で構成される複数の無線伝送単位のうち、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線伝送単位である点で、共通する。
さらに、引用発明の「NR−PSS」は、NR−Primary Synchronization Signal、すなわちNR主同期信号を意味し、同様に、引用発明の「NR−SSS」はNR副同期信号を意味することが技術常識であるから、引用発明の「NR−PSS」及び「NR−SSS」は、いずれも、本願発明1の「同期信号」に含まれる。また、引用発明の「NR−PBCH」は、NR−Physical Broadcast CHannel、すなわちNR物理ブロードキャストチャネルの略称であり、当該NR−PBCHがシステム情報を含むこともまた、技術常識である。
そうすると、本願発明1の「同期信号及びシステム情報を含む周期的なブロック」と、引用発明の「NR−PSS、NR−PSS、及びNR−PBCHで構成されるSSブロック」は、同期信号及びシステム情報を含むブロックである点で、共通する。
加えて、引用発明のUEは、測定期間においてSSブロックを探索してRRM測定を行うから、SSブロックを受信する受信部を有するといえる。
したがって、本願発明1と引用発明は、「互いに異なるサブキャリア間隔で構成される複数の無線伝送単位のうち、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線伝送単位で同期信号及びシステム情報を含むブロックを受信する受信部」を有する点で共通する一方、無線伝送単位について、本願発明1では「無線フレーム」であるのに対して引用発明では「スロット」である点、及び「ブロック」について、本願発明1では「周期的な」ものであるのに対して引用発明ではその旨が特定されていない点で、相違する。

(2) 本願発明1と引用発明は、本願発明1では、「前記第1のサブキャリア間隔に基づいて、前記第1の無線フレームにおける前記周期的なブロックがマッピングされるシンボルを特定する制御部」を有するのに対して、引用発明ではその旨が特定されていない点で、相違する。

(3) 引用発明におけるSS SCSとしての30kHzは、本願発明1の「第2のサブキャリア間隔」に含まれるから、本願発明1の「第2のサブキャリア間隔を有する第2の無線フレーム」と、引用発明の「SS SCSが30kHzである場合の最初のスロット」は、第2のサブキャリア間隔を有する第2の無線伝送単位である点で、共通する。
また、引用発明の「複数のSSブロックの位置の間のギャップ」は、SSブロックが配置されない時間領域を意味することが自明であるから、本願発明1の「前記周期的なブロックが配置されない時間領域のギャップ」と、引用発明の「複数のSSブロックの位置の間のギャップ」は、前記ブロックが配置されない時間領域のギャップである点で、共通する。
さらに、引用発明において、「前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1ないし4番目のシンボルからなる期間は共通し、同様に、前記ギャップのうち、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける7番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける13及び14番目のシンボルからなる期間は、共通し」ているから、引用発明の「SS SCSが15kHzである場合のスロット」と「SS SCSが30kHzである場合の最初のスロット」とは、前記ブロックが配置されない時間領域のギャップを共通に有するといえる。
そして、引用発明の「下りリンク制御信号」は、本願発明1の「制御信号」に含まれ、引用発明において、「UEは、複数のSSブロックの位置の間のギャップに含まれる、SS SCSが15kHzである場合のスロットにおける1及び2番目のシンボル、及びSS SCSが30kHzである場合の最初のスロットにおける1及び2番目のシンボル、のうち少なくとも一方において、下りリンク制御信号を受信」するから、本願発明1と引用発明は、「前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信する」点で共通する。
したがって、本願発明1と引用発明は、「前記複数の無線伝送単位のうち、前記第1の無線伝送単位と第2のサブキャリア間隔を有する第2の無線伝送単位とは、前記ブロックが配置されない時間領域のギャップを共通に有し、前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信する」点で共通する一方、無線伝送単位について、本願発明1では「無線フレーム」であるのに対して引用発明では「スロット」である点、「ブロック」について、本願発明1では「周期的な」ものであるのに対して引用発明ではその旨が特定されていない点、及び本願発明1では、UEが有する制御部が前記のとおり受信するように制御するのに対して、引用発明ではその旨が特定されていない点、で相違する。

(4) 引用発明において、「SS SCSは、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含」むから、本願発明1と引用発明は、「複数のサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含」む点で共通する。
また、本願発明1は、「前記周期的なブロックがマッピングされる1つの期間は、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置され、前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明は、「前記周期的なブロックがマッピングされる1つの期間は、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置され」る旨が特定されておらず、さらに、SS SCSが240kHzである場合の最初のスロットにおける前記ギャップのうち13及び14番目のシンボルからなる期間と、SS SCSが120kHzである場合の最初のスロットにおけるSS block#0の位置のうち7番目のシンボルからなる期間は共通するから、「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」ように構成されていない点で、相違する。
そうすると、本願発明1と引用発明は、「複数のサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含」む点で共通する一方、本願発明1では「前記周期的なブロックがマッピングされる1つの期間は、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置され」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明ではその旨が特定されておらず、また本願発明1では「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明では当該発明特定事項のとおり構成されていない点で相違する。

(5) 引用発明の「UE」は、User Equipment、すなわちユーザ装置を意味することが技術常識であり、本願発明1の「端末」に含まれるといえる。

以上のことから、本願発明1と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「 互いに異なるサブキャリア間隔で構成される複数の無線伝送単位のうち、第1のサブキャリア間隔を有する第1の無線伝送単位で同期信号及びシステム情報を含むブロックを受信する受信部、
を有し、
前記複数の無線伝送単位のうち、前記第1の無線伝送単位と第2のサブキャリア間隔を有する第2の無線伝送単位とは、前記ブロックが配置されない時間領域のギャップを共通に有し、前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信し、
複数のサブキャリア間隔は、15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含む端末。」

(相違点1)
無線伝送単位について、本願発明1では「無線フレーム」であるのに対して、引用発明では「スロット」である点。

(相違点2)
「ブロック」について、本願発明1では「周期的な」ものであるのに対して、引用発明ではその旨が特定されていない点。

(相違点3)
本願発明1では、「前記第1のサブキャリア間隔に基づいて、前記第1の無線フレームにおける前記周期的なブロックがマッピングされるシンボルを特定する制御部」を有し、前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信するように「前記制御部」が「制御」するとの発明特定事項を含むのに対して、引用発明では、「前記第1のサブキャリア間隔に基づいて、前記第1の無線フレームにおける前記周期的なブロックがマッピングされるシンボルを特定する制御部」を有する旨が特定されておらず、また、前記ギャップに含まれるシンボルにおいて、制御信号を受信するものではあるが、制御部がそのように制御する旨の特定がなされていない点。

(相違点4)
本願発明1では「前記周期的なブロックがマッピングされる1つの期間は、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置され」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明ではその旨が特定されておらず、また本願発明1では「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」という発明特定事項を含むのに対して、引用発明では当該発明特定事項のとおり構成されていない点

上記相違点について検討するに当たり、事案に鑑みて、相違点4に係る発明特定事項のうち、「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」という発明特定事項について、始めに検討する。ここで、「前記複数のサブキャリア間隔」は「15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzを含」む。
引用文献1には、「この問題を解決し、SSブロックの位置を含むいくつかのスロット内でDL/UL制御伝送の利用可能性を高めるために、準局所的なマッピング方式を考慮することができる。準局所的なマッピング方式では、SSブロックの位置は、スロット内のDL/UL制御チャネル領域との重なりをできるだけ避ける。更に、このようなSSブロックの位置の間のギャップは、SSブロックと同じSCSを有するDU/UL制御チャネル領域だけでなく、SSブロックと異なるSCSを有するDL/UL制御チャネル領域をもカバーする必要がある。その例が図3−2及び図3−3に示される。」(上記「第4」(2)を参照。)という記載とともに、図3−2(同(3)を参照。)が示されている。
すなわち、引用文献1には、SSブロックの配置について、同じSCSを有するDU/UL制御チャネル領域との重なりをできるだけ避けるだけでなく、異なるSCSを有するDL/UL制御チャネル領域との重なりをできるだけ避けることが記載されているが、その例示である図3−2が示す内容は、SS SCSが15kHzである場合のスロットと、SS SCSが30kHzである場合のスロットは、SS ブロックが配置されない時間領域のギャップを共通に有するが、4つのSS SCSである15kHz、30kHz、120kHz及び240kHzのすべての場合のスロットにわたってギャップが共通に配置されるものでない。
また、引用発明とは異なる例とされる図3−3(上記「第4」(4)を参照。)についても、同様である。
さらに、「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」ように構成することが、周知技術であるともいえない。
そして、上記「第4」(3)及び(4)にも示されるとおり、SS SCSが15kHzの場合と、240kHzの場合とでは、1シンボルの長さが大きく異なるところ、引用発明に基づいて、「前記複数のサブキャリア間隔」の全てにわたって、ギャップを共通に配置するように構成する動機付けがあるとはいえない。
そうすると、「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」ように構成することは、当業者であっても、引用発明に基いて、容易になし得たこととはいえない。

したがって、上記相違点4のうち他の発明特定事項、及び上記相違点1ないし3について論及するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2ないし5について
本願発明2ないし5は、本願発明1の発明特定事項を全て含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.本願発明6について
本願発明6は、「端末」の発明である本願発明1を、「通信方法」の発明としたものであり、少なくとも、本願発明1の上記相違点4に係る発明特定事項の一部と同じ「前記ギャップは、前記複数のサブキャリア間隔にわたって共通に配置される」という発明特定事項を含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 原査定についての判断

本願発明1ないし6は、上記「第5」の「1.」ないし「3.」のとおり、当業者であっても、引用発明に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明1ないし6は、引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-08-03 
出願番号 P2019-524685
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 圓道 浩史
横田 有光
発明の名称 端末及び通信方法  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 石原 隆治  
代理人 伊東 忠重  
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