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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1389306
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-03-10 
確定日 2022-09-27 
事件の表示 特願2019−203683「再生アップデート方法、装置及び記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 1月28日出願公開、特開2021− 9664、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和元年11月11日(パリ条約による優先権主張2019年6月28日、中国)の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
令和 3年 1月26日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 4月28日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年10月22日付け:拒絶査定
令和 4年 3月10日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提


第2 原査定の概要
原査定(令和3年10月22日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1,2,5,6,9〜11に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1,3に記載された発明に基づいて、本願請求項3,4,7,8に係る発明は、同じく引用文献1〜3に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1: 国際公開第2006/087891号
引用文献2: 国際公開第2018/212885号
引用文献3: 特開2012−123859号公報

第3 本願発明
本願請求項1〜11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明11」という。)は、令和4年3月10日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1〜11に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1,5は、それぞれ次のとおりの発明である。

「【請求項1】
再生アップデート装置のデータ取得ユニットが、ユーザーの履歴行動データに基づいて、ユーザーが第1コンテンツを出力した後の複数の段階の異なる期間における少なくとも1種の履歴行動を取得し、
前記再生アップデート装置の処理ユニットが、
ユーザーが第1コンテンツを出力した後の複数の段階の異なる期間における少なくとも1種の履歴行動に基づいて、集計により第1コンテンツを出力した後の前記ユーザーの複数の行動習慣を確定し、
前記ユーザーの複数の行動習慣に基づいて、前記ユーザーに対する、時間帯に関連付けられた数の複数の出力アップデート情報を確定する
ことを特徴とする再生アップデート方法。」

「【請求項5】
ユーザーの履歴行動データに基づいて、ユーザーが第1コンテンツを出力した後の複数の段階の異なる期間における少なくとも1種の履歴行動を取得するデータ取得ユニットと、
ユーザーが第1コンテンツを出力した後の複数の段階の異なる期間における少なくとも1種の履歴行動に基づいて、集計により第1コンテンツを出力した後の前記ユーザーの複数の行動習慣を確定し、前記ユーザーの複数の行動習慣に基づいて、前記ユーザーに対する、時間帯に関連付けられた数の複数の出力アップデート情報を確定するように構成される処理ユニットとを含む
ことを特徴とする再生アップデート装置。」

なお、本願発明2〜4は本願発明1を,本願発明6〜8は本願発明5を、それぞれ減縮した発明であり、本願発明9〜11は、それぞれ、請求項1〜4のいずれかを引用する形式で記載された「再生アップデート装置」、「コンピュータ可読記憶媒体」、「プログラム」の発明である。

第4 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1
(1)原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。

「[0018] 図1に示すように、情報再生記録装置1は、情報再生部11、情報出力部12、楽曲特徴量抽出部13、情報記録再生部14、操作・表示部15、マイクロフォン16、音声認識部17、ネットワーク4を介して楽曲配信サーバ2や、情報提供サーバ(例えば、ラジオ放送等の放送局のWebサーバや、音楽情報の提供者のWebサーバ等)3との間でデータ通信を行うための通信部18、及びシステム制御部19を備えて構成されている。」

「[0042] システム制御部19は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、及び各種処理プログラム(選択処理プログラムを含む)やデータを記憶するROM等を備えており、本願の情報選択装置及び再生制御手段の一例である。なお、選択処理プログラムは、例えばネットワーク4に接続された所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されて当該記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
[0043] そして、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行することにより、システム制御部19は、情報再生記録装置1全体を統括制御し、楽曲の記録及び再生制御等を行うようになっている。更に、システム制御部19は、例えばHDに記録された複数の楽曲(データ)から、再生すべき任意の楽曲を連続して選択する場合に、抽出手段として、過去に選択された複数の楽曲の選択順序に基づき所定の楽曲の次に選択される選択候補楽曲を抽出し、決定手段として、当該抽出された選択候補楽曲の一つを、上記連続して選択する際の上記所定の楽曲の次に選択される楽曲として決定するようになっている。
[0044] ここで、「選択」とは、例えばプレイリストの作成や、楽曲の再生等のために、人により楽曲(或いは、楽曲のタイトルやトラック番号等)が指定される行為(例えば、再生ボタン、早送り/巻き戻しボタン、スキップボタン、及び楽曲選択ボタン等の操作による)、又は人の思考や感性等が反映された所定のアルゴリズムに基づき装置により楽曲が指定される動作を意味する。

「[0047] 上記行為又は動作により連続して楽曲が選択された場合に、複数の楽曲の選択順序が決まることになる。このような選択順序には、例えば、アルバムに収録された楽曲のトラック番号順(記録順)、プレイリストに登録された楽曲のトラック番号順、又はラジオ放送等により放送された放送順等、様々な順序があり、当該選択順序は、人の思考、感性等が反映されたものである。
[0048] また、上記行為又は動作により選択された楽曲には、一意(固有)のID(識別情報)が例えばシステム制御部19により付与されることになる。このようなIDが付与されるタイミングとしては、例えば、上記行為又は動作により楽曲が指定される際、又は既に作成された選曲リスト等が取得(例えば情報提供サーバ3から)される際である。また、当該IDの付与に当たって、楽曲のタイトルやアーティスト名等に基づき、同じ楽曲に複数のIDが付与されず、かつ異なる2以上の楽曲に同じIDが付与されないように制御される。
[0049] こうして楽曲に付与されるIDは、IDリストに登録されることになり、また、当該IDリストは、例えばHDに記録される。
[0050] 図3(A)は、IDリストの内容の一例を示す図である。図3(A)の例では、IDと楽曲タイトル等とが対応付けられて登録されており、これによって、各楽曲と、これに付与されたIDとの対応付けが図られることになる。
[0051] また、IDが付与された楽曲の選択順序は、選択順序リストに登録(リスト化)されることになり、また、当該選択順序リストは、例えばHDに記録される。
[0052] 図3(B)は、選択順序リストの内容の一例を示す図である。図3(B)の例では、楽曲に付与されたIDによって選択順序が規定されている。図3(B)に示す「No.1」の選択順序は、ID1→ID2→ID3→ID4の順序で規定(なお、当該矢印「→」は選択方向を模式的に示すものであり、このような形態にとらわれない)されており、これは、例えば、CDアルバムに収録された楽曲がトラック番号順(例えば、aaaaaa→bbbbbb→cccccc→dddddd)に連続して再生(自動再生)されたことで登録されたものである。なお、かかる選択順序の選択順序リストへの登録(リスト化)は、例えば、楽曲の再生(自動再生)終了、CD等の記録媒体のイジェクト(排出)、装置電源のOFF等の場合に完了する。
[0053] また、図3(B)に示す「選択回数」は、これに対応する選択順序で何回選択されたかを示すものであり、例えば、「No.1」では、ID1→ID2→ID3→ID4の順序で選択された回数は、5回であることを示している。」

「[0066] 次に、図4を参照して、上記IDリスト及び選択順序リストが用いられて楽曲が連続して選択、再生される場合におけるシステム制御部19の処理について説明する。なお、以下の説明においては、上述したIDリスト及び選択順序リストが既に作成され、HDに記録されているものとする。
[0067] 図4は、楽曲が連続して選択、再生される場合におけるシステム制御部19の処理を示すフローチャートである。
[0068] 図4の処理は、例えばユーザが自動再生要求を発話、或いはユーザが自動再生要求を示す操作ボタンを押下することにより開始され、先ず、例えばHDに記録されたIDリスト、選択順序リスト及び楽曲リスト等のデータが、システム制御部19に読み込まれる。
[0069] そして、システム制御部19は、上記選択順序リストに登録された選択順序から、所定数(例えば、3つ)の楽曲を連鎖的に繋げた選択順序を複数分解し、当該分解された複数の選択順序(以下、「分解選択順序」という)が登録された分解選択順序リストを作成する(ステップS1)。」

「0073] 次いで、システム制御部19は、例えばIDリストからランダムに1つのIDを選択することによって当該IDに対応する(最初の)楽曲を選択する(ステップS2)。なお、最初の楽曲は、IDリストに登録された楽曲のうち、ユーザにより所望の楽曲が選択されるようにしても良い。
[0074] 次いで、システム制御部19は、分解選択順序リストに登録された複数の分解選択順序における上記最初の楽曲から始まる分解選択順序に基づき選択候補楽曲を抽出する(ステップS3)。例えば、最初の楽曲のIDがID1であるとすると、図5に示す例では、上記最初の楽曲から始まる分解選択順序は、「No.101」及び「No.105」の2つの分解選択順序が該当し、当該2つの分解選択順序に基づき、例えば、ID1の楽曲に繋がるID2及びID7に対応する各楽曲が上記選択候補楽曲として抽出される。
[0075] 次いで、システム制御部19は、抽出した選択候補楽曲のうち、上記選択した最初の楽曲に関連する一つの選択候補楽曲、例えば連鎖の優先度が最も高い選択候補楽曲を、当該最初の楽曲の次に選択される楽曲として優先的に決定し(ステップS4)、当該決定(つまり、選択)された楽曲を例えば新たなプレイリストに登録する。」
[0076] 例えば、図5に示す例において、ID2及びID7に対応する各選択候補楽曲が抽出されたとすると、夫々に対応付けられた選択回数が比較され、最も選択回数が多い(つまり、最も連鎖の優先度が高い(最も結びつきが強い))選択候補楽曲(この例では、ID2に対応する楽曲)が、上記次に選択される楽曲として決定される。」

「[0082] 次いで、システム制御部19は、楽曲の選択を終了するか否かを判別し(ステップS5)、終了しない場合(例えばユーザ等により設定された最大選択楽曲数に達していない場合)には(ステップS5:N)、ステップS3に戻り、分解選択順序リストに登録された複数の分解選択順序における上記ステップS4にて決定された楽曲から始まる分解選択順序に基づき選択候補楽曲を抽出する。例えば、上記ステップS4で決定された楽曲のIDがID2であるとすると、図5に示す例では、当該ID2に対応する楽曲から始まる分解選択順序は、「No.102」、「No.103」、及び「No.104」の3つの分解選択順序が該当し、当該3つの分解選択順序に基づき、例えば、ID2の楽曲に繋がるID3、ID5、及びID1に対応する各楽曲が上記選択候補楽曲として抽出される。
[0083] そして、システム制御部19は、上記と同じように、抽出した選択候補楽曲のうち、上記ステップS4にて決定された楽曲に関連する一つの選択候補楽曲を、当該ステップS4にて決定された楽曲の次に選択される楽曲として優先的に決定し、当該楽曲を上記プレイリストに登録する。こうして当該処理は、ステップS5において楽曲の選択を終了すると判別されるまで繰り返し実行され、連続して選択された楽曲の数が増えていくことになる。
[0084] そして、楽曲の選択が終了する場合には(ステップS5:Y)、システム制御部19は、上記処理においてプレイリストに登録された楽曲、つまり、連続して選択された楽曲を情報記録再生部14から順番に再生させる再生処理を行う(ステップS6)。なお、複数の楽曲が連続して選択された後にステップS6にて再生されるものではなく、1曲1曲選択される度(つまり、ステップS4にて選択に係る楽曲が決定される度)に再生処理を行うように構成してもよい。」

「[0090] また、上記実施形態においては、連鎖の優先度を決定するパラメータの一例として選択回数、選択順序の質、及び関連性を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば、季節、場所、ヒットチャート、生体情報、車両情報、渋滞情報等様々なものが適用可能である。例えば、複数の選択候補楽曲のうちからそのときの季節(システム制御部19が日時で判断)に合った選択候補楽曲(例えば、季節毎にそれに合う楽曲を設定しておく)が選択されるようにしても良いし、或いは、複数の選択候補楽曲のうちからそのときのヒットチャートの最も上位に位置する選択候補楽曲が選択されるようにしても良い。或いは、本願が車載に搭載される車載用オーディオ機器に適用される場合に、心拍数等の生体情報を取得するセンサからシステム制御部19により当該生体情報が取得され、複数の選択候補楽曲のうちから例えば運転者の興奮度や沈静度が判断されて興奮度や沈静度に合った選択候補楽曲(例えば、興奮度が高い(心拍数が高い)場合には癒される曲、又、沈静度が高い(心拍数が低い)場合にはノリがいい曲)が選択されるように構成しても良い。或いは、車両情報(例えば、車両速度)や渋滞情報(例えばVICSからの渋滞情報)がシステム制御部19により取得され、複数の選択候補楽曲のうちから例えば車両速度や渋滞に合った選択候補楽曲(例えば車両速度が速い場合にはノリがいい曲、渋滞の場合には癒される曲)が選択されるように構成しても良い。」

「[図3]



(2)引用文献1の段落[0066]には、図4に関して、「システム制御部19の処理」との記載があり、当該段落以降に記載されている内容は、当該処理の方法を示すものといえる。

(3)上記(1)の引用文献1の記載について、上記(2)も考慮すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「システム制御部19を備えて構成される情報再生記録装置1における、システム制御部19が、再生すべき任意の楽曲を連続して選択する場合に、抽出手段として、過去に選択された複数の楽曲の選択順序に基づき所定の楽曲の次に選択される選択候補楽曲を抽出し、決定手段として、当該抽出された選択候補楽曲の一つを、上記連続して選択する際の上記所定の楽曲の次に選択される楽曲として決定するようになっており、
人により楽曲(或いは、楽曲のタイトルやトラック番号等)が指定される行為により選択された楽曲には、一意(固有)のID(識別情報)が付与され、
IDが付与された楽曲の選択順序は、選択順序リストに登録(リスト化)され、選択順序リストの内容は、楽曲に付与されたIDによって選択順序が規定されるものであり、「選択回数」は、これに対応する選択順序で何回選択されたかを示すものである、
システム制御部19の処理の方法であって、
選択順序リストに登録された選択順序から、所定数(例えば、3つ)の楽曲を連鎖的に繋げた選択順序を複数分解し、当該分解された複数の選択順序(以下、「分解選択順序」という)が登録された分解選択順序リストを作成し、
最初の楽曲を選択し、
分解選択順序リストに登録された複数の分解選択順序における上記最初の楽曲から始まる分解選択順序に基づき選択候補楽曲を抽出し、
夫々に対応付けられた選択回数が比較され、最も選択回数が多い選択候補楽曲が、上記次に選択される楽曲として決定され、
複数の選択候補楽曲のうちからそのときの季節(システム制御部19が日時で判断)に合った選択候補楽曲(例えば、季節毎にそれに合う楽曲を設定しておく)が選択される、
方法。」

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「[0230] In some examples, the electronic device 800 performs a candidate task based on the identified parameters to obtain one or more results. For example, based on the structured query, a task flow processing module of the electronic device 800 (e.g., task flow processing module 736) invokes programs, methods, services, APIs, or the like, to obtain one or more results. Results may include, for example, information related to one or more media items including but not limited to a song, an audio book, a podcast, a station, a playlist, or any combination thereof. With reference to FIG. 8A, based on the structured query {obtaining recommendations for media items, artist = Adele, media type = song, time period = new}, the digital assistant performs a media search using search parameters "Adele", "song," and "new", and identifies a song titled "Hello" (hereinafter "first media item").
[0231] Thereafter, the electronic device 800 provides the first media item. With reference to FIG. 8A, the digital assistant of the electronic device 800 provides a playback 812 of the song "Hello". As depicted, the digital assistant also provides a natural -language speech output 813 including a description (e.g., verbal description) of the first media item ("Here's Hello, by Adele") while providing the playback of the first media item. The playback of the first media item and the description of the first media item may be provided concurrently in some examples.
[0232] In some examples, the electronic device 800 provides a playback of a portion of the first media item in response to the natural -language speech input 810. The portion of the first media item can be a representative sample of the media item (e.g., the chorus, the first verse). In some examples, the digital assistant provides the playback of the portion (e.g., the chorus) while providing a speech output indicative of a description associated with the first media item (e.g., "Here's Hello, by Adele"). If the user provides an affirmative response (e.g., natural -language response) to the speech output (e.g., "Ok play this"), the electronic device 800 provides a playback of the first media item in its entirety (e.g., from the beginning). More details of the mechanism for providing layered audio outputs are provided herein.」
(当審訳: [0230]いくつかの実施例では、電子デバイス800は、特定されたパラメータに基づいて候補タスクを実行し、1つ以上の結果を得る。例えば、構造化されたクエリに基づいて、電子デバイス800のタスクフロー処理モジュール(例えば、タスクフロー処理モジュール736)は、プログラム、メソッド、サービス、API等を呼び出して、1つ以上の結果を取得する。結果としては、例えば、曲、オーディオブック、ポッドキャスト、ステーション、プレイリスト、又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、1つ以上のメディアアイテムに関する情報が挙げられる。図8Aを参照すると、デジタルアシスタントは、構造化されたクエリ{メディアアイテムの推奨を取得する、アーチスト=アデル、メディアタイプ=曲、期間=新しい}に基づいて、検索パラメータ「アデル」、「曲」、及び「新しい」を使用して、メディア検索を実行し、「Hello」(以下では、「第1のメディアアイテム」と呼ぶ)というタイトルの曲を特定する。
[0231]その後、電子デバイス800は、第1のメディアアイテムを提供する。図8Aを参照すると、電子デバイス800のデジタルアシスタントは、曲「Hello」を再生812している。図に示されているように、デジタルアシスタントは、第1のメディアアイテムを再生しながら、第1のメディアアイテムの説明(例えば、言葉による説明)(「これはアデルによるHelloです」)を含む自然言語音声出力813も提供する。いくつかの実施例では、第1のメディアアイテムの再生及び第1のメディアアイテムの説明が同時に提供されてよい。
[0232]いくつかの実施例では、電子デバイス800は、自然言語音声入力810に応答して、第1のメディアアイテムの一部を再生する。第1のメディアアイテムの一部は、メディアアイテムの代表サンプル(例えば、コーラス、最初の一節)であることができる。いくつかの実施例では、デジタルアシスタントは、第1のメディアアイテムに関連付けられた説明(例えば、「これはアデルによるHelloです」)を示す音声出力を提供しながら、その部分(例えば、コーラス)を再生する。ユーザが肯定応答(例えば、自然言語応答)を音声出力に対して提供した場合(例えば、「わかった、これを再生する」)、電子デバイス800は、第1のメディアアイテム全体を(例えば、最初から)再生する。本明細書では、層化オーディオ出力機構の詳細が更に説明される。

3 引用文献3
原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0086】
なお、算出された「再生回数」、「再生頻度」を既定された閾値に基づいてランク付けを行うことができる。ここで、図13Aは、期間後と(当審注:「期間毎」の誤記と認められる。)の再生回数ランク付けの一例であり、図13Bは、期間毎の再生頻度ランク付けの一例である。このようにランク付けを行うことで再生回数や再生頻度の判定を容易に行うことができる。また、図13Cは、同一期間の今回算出した再生回数/再生頻度と、前回算出値とを比較し、それぞれの変動度合いを算出した例を示す。このように頻度の変動度合いを算出することで、期間毎の変動度合いを容易に確認できる。再生頻度(再生間隔)が算出されると、ステップS57へ進む。」

「【図13A】


【図13B】



第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

(ア)引用発明は、「人により楽曲(或いは、楽曲のタイトルやトラック番号等)が指定される行為により」、「楽曲」が「選択され」るものであり、また、「IDが付与された楽曲の選択順序」が「選択順序リストに登録(リスト化)され」、「選択順序リストの内容」における「選択回数」が、「これに対応する選択順序で何回選択されたかを示す」とされるものである。
ここで、「これに対応する選択順序」とは、図3(B)も考慮すると、「選択順序リストに登録」される個々の「選択順序」であるものと解される。また、「人により楽曲(或いは、楽曲のタイトルやトラック番号等)が指定される行為」は、「楽曲」を再生する、すなわち出力するためのものであって、当該行為により、「選択され」た特定の「楽曲」が出力され、その後、他の「楽曲」が順次「選択され」る(出力される)ものと解される。
したがって、引用発明では、「選択順序リストに登録」される個々の「選択順序」の「選択回数」を特定するために、「人」により個々の「楽曲」を「選択」する行動を示すデータが記録され、その上で、当該データに基づいて、「人」が特定の「楽曲」を出力した後の、次にどの「楽曲」を「選択」したかについての履歴が取得されるといえる。ここで、ある順序で2以上の「楽曲」が「選択」された際の上記データの記録により1個の履歴が必ず得られるから、履歴の内容は少なくとも1種であるといえる。
そして、引用発明の「人」、上記「楽曲」を「選択」する行動を示すデータ、上記特定の「楽曲」、上記履歴は、それぞれ、本願発明1の「ユーザー」、「履歴行動データ」、「第1コンテンツ」、「履歴行動」に相当する。
以上のことから、引用発明における「人により楽曲(或いは、楽曲のタイトルやトラック番号等)が指定される行為により」、「楽曲」が「選択され」、「IDが付与された楽曲の選択順序」が「選択順序リストに登録(リスト化)され」ることと、本願発明1の
「ユーザーの履歴行動データに基づいて、ユーザーが第1コンテンツを出力した後の複数の段階の異なる期間における少なくとも1種の履歴行動を取得」する
こととは、
「ユーザーの履歴行動データに基づいて、ユーザーが第1コンテンツを出力した後の少なくとも1種の履歴行動を取得」する
ことである点で共通する。

(イ)上記(ア)で検討した点によれば、引用発明の「選択回数」は、「選択順序リストに登録」される個々の「選択順序」で「何回選択されたかを示す」ものであって、「人」が特定の「楽曲」を出力した後の、次にどの「楽曲」を「選択」したかについての履歴に基づいて、集計により、同じ履歴が何回出現したかを表す数値として確定されるものといえる。また、引用発明の「選択順序リスト」における「選択順序」と「選択回数」との組み合わせには、含まれる「楽曲」が共通のものが複数存在し得るものである(例えば、図3(B)の「No.2」及び「No.3」とは、先頭の楽曲のIDが「ID2」である点で共通である。)。
そして、引用発明の「選択順序リスト」における「選択順序」と「選択回数」との上記組み合わせは、本願発明1の「行動習慣」に相当する。
以上の点について、上記(ア)で更に検討した点を踏まえると、引用発明における「IDが付与された楽曲の選択順序は、選択順序リストに登録(リスト化)され、選択順序リストの内容は、楽曲に付与されたIDによって選択順序が規定されるものであり、「選択回数」は、これに対応する選択順序で何回選択されたかを示すものである」ことと、本願発明1の
「ユーザーが第1コンテンツを出力した後の複数の段階の異なる期間における少なくとも1種の履歴行動に基づいて、集計により第1コンテンツを出力した後の前記ユーザーの複数の行動習慣を確定」する
こととは、
「ユーザーが第1コンテンツを出力した後の少なくとも1種の履歴行動に基づいて、集計により第1コンテンツを出力した後の前記ユーザーの複数の行動習慣を確定」する
ことである点で共通する。

(ウ)引用発明は、
「選択順序リストに登録された選択順序から、所定数(例えば、3つ)の楽曲を連鎖的に繋げた選択順序を複数分解し、当該分解された複数の選択順序(以下、「分解選択順序」という)が登録された分解選択順序リストを作成し、
最初の楽曲を選択し、
分解選択順序リストに登録された複数の分解選択順序における上記最初の楽曲から始まる分解選択順序に基づき選択候補楽曲を抽出し、
夫々に対応付けられた選択回数が比較され、最も選択回数が多い選択候補楽曲が、上記次に選択される楽曲として決定され」る
ものである。要するに、引用発明では、「選択順序リスト」に基づいて「次に選択される楽曲」が「決定され」るといえる。
ここで、「選択順序リスト」の内容は、「人により楽曲(或いは、楽曲のタイトルやトラック番号等)が指定される行為」や「選択回数」によって変化し得るものであって、その変化に伴って「次に選択される楽曲」が更新されることが明らかである。また、「次に選択される楽曲」は、引用発明の「人」に対して出力されるものであるといえる。
したがって、引用発明の「次に選択される楽曲」は、「時間帯に関連付けられた数の複数の」ものである点を除き、本願発明1の「出力アップデート情報」に相当する。
以上の点について、上記(ア)、(イ)を踏まえると、引用発明における「選択順序リスト」に基づいて「次に選択される楽曲」が「決定され」ることと、本願発明1の
「前記ユーザーの複数の行動習慣に基づいて、前記ユーザーに対する、時間帯に関連付けられた数の複数の出力アップデート情報を確定する」
こととは、
「前記ユーザーの複数の行動習慣に基づいて、前記ユーザーに対する、出力アップデート情報を確定する」
ことである点で共通する。

(エ)引用発明の「情報再生記録装置1」は、「システム制御部19を備えて構成される」から、上記(ア)〜(ウ)でそれぞれ検討した、本願発明1と共通する部分に係る引用発明の各動作、具体的には、上記(ア)の「取得」する動作及び上記(イ)、(ウ)のそれぞれの「確定」する動作は、いずれも「情報再生記録装置1」で実行されるものであり、「情報再生記録装置1」は、当該「取得」する動作の実行主体及び当該「確定」する動作の実行主体を備えるといえる。そして、これらはそれぞれ、本願発明1の「データ取得ユニット」、「処理ユニット」に相当する。

(オ)引用発明の「情報再生記録装置1」は、上記(ウ)を踏まえると、本願発明1の「再生アップデート装置」に相当する。
また、引用発明の「システム制御部19の処理の方法」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「再生アップデート方法」に相当する。

イ 上記アから、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「再生アップデート装置のデータ取得ユニットが、ユーザーの履歴行動データに基づいて、ユーザーが第1コンテンツを出力した後の少なくとも1種の履歴行動を取得し、
前記再生アップデート装置の処理ユニットが、
ユーザーが第1コンテンツを出力した後少なくとも1種の履歴行動に基づいて、集計により第1コンテンツを出力した後の前記ユーザーの複数の行動習慣を確定し、
前記ユーザーの複数の行動習慣に基づいて、前記ユーザーに対する、出力アップデート情報を確定する
再生アップデート方法。」

(相違点1)
「少なくとも1種の履歴行動」が、本願発明1では、「複数の段階の異なる期間における」ものであるのに対して、引用発明では、そのように特定されるものはない点。

(相違点2)
「出力アップデート情報」が、本願発明1では、「時間帯に関連付けられた数の複数の」ものであるのに対して、引用発明では、そのように特定されるものはない点。

(2)判断
事案に鑑みて、相違点2について先に検討する。
確定されたユーザーの行動習慣に基づいて確定する、前記ユーザーに対する出力アップデート情報を、時間帯に関連付けられた数の複数のものとするとの事項については、引用文献1〜3のいずれにも記載されておらず、本願の優先日前において周知技術であったともいえない。
引用発明は、「複数の選択候補楽曲のうちからそのときの季節(システム制御部19が日時で判断)に合った選択候補楽曲(例えば、季節毎にそれに合う楽曲を設定しておく)が選択される」ものであるが、「日時で判断」される「季節」によって、どの「楽曲」が「選択」されるかが変化するものであって、「楽曲」の「数」が変化するものではない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2,3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2〜11について
本願発明5は、本願発明1に対応する「再生アップデート装置」の発明であって本願発明1と発明のカテゴリが相違するのみであり、本願発明2〜4,6〜8は、それぞれ、本願発明1,5を減縮した発明であり、本願発明9〜11は、それぞれ、請求項1〜4のいずれかを引用する形式で記載された「再生アップデート装置」、「コンピュータ可読記憶媒体」、「プログラム」の発明であるから、本願発明2〜11はいずれも、相違点2に係る(対応する)発明特定事項を含む。そうすると、本願発明2〜11も、本願発明1にと同様に、当業者であっても引用発明及び引用文献2,3に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、請求項1〜11に係る発明は、引用文献1〜3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-09-13 
出願番号 P2019-203683
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 富澤 哲生
野崎 大進
発明の名称 再生アップデート方法、装置及び記憶媒体  
代理人 中島 淳  
代理人 中島 淳  
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