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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1389329
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-04-15 
確定日 2022-10-07 
事件の表示 特願2020−105691「ユーザインターフェースメニューのコンテキスト認識」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年10月 1日出願公開、特開2020−161177、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)5月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年5月20日、米国、2016年8月29日、米国)を国際出願日とする特願2018−560645号の一部を令和2年6月18日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 4月20日付け:拒絶理由通知書
令和3年 7月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年12月15日付け:拒絶査定
令和4年 4月15日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年12月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1−9に係る発明は、以下の引用文献1−2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特表2016−508257号公報
2.特開2016−031650号公報

第3 本願発明
本願請求項1−9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明9」という。)は、令和4年4月15日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−9に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1、4、8は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ユーザの3次元(3D)物理環境内で仮想コンテンツを生成するための方法であって、前記方法は、
ハードウェアプロセッサの制御の下で、
姿勢センサから入手されたデータを分析し、ユーザの姿勢を識別することと、
少なくとも部分的に、前記姿勢に基づいて、前記ユーザの3D物理環境内の物理表面と、前記3D物理環境内のオブジェクトと関連付けられたオブジェクト機能またはオブジェクトタイプのうちの少なくとも1つとを識別することと、
前記物理表面との相互作用を開始するためのインジケーションを受信することと、
前記物理表面と関連付けられた環境情報を決定することであって、前記環境情報は、前記物理表面のアフォーダンスを含み、前記物理表面の前記アフォーダンスは、前記物理表面が位置する物理環境に基づいて決定される、ことと、
前記環境情報に基づいて、前記物理表面と関連付けられた利用可能なユーザインターフェースオプションのセットにアクセスすることと、
前記利用可能なユーザインターフェースオプションのセットから、前記物理表面と関連付けられた仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得るユーザインターフェースオプションの最大数を決定することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェース動作のサブセットを含有する前記仮想ユーザインターフェースを3Dビューで前記ユーザに提示するための命令を生成することと
を行うことを含む、方法。」

「【請求項4】
ユーザの3次元(3D)物理環境内で仮想コンテンツを生成するための方法であって、前記方法は、
ハードウェアプロセッサの制御の下で、
姿勢センサから入手されたデータを分析し、ユーザの姿勢を識別することと、
少なくとも部分的に、前記姿勢に基づいて、前記ユーザの3D物理環境内の物理表面と、前記3D物理環境内のオブジェクトと関連付けられたオブジェクト機能またはオブジェクトタイプのうちの少なくとも1つとを識別することと、
前記物理表面との相互作用を開始するためのインジケーションを受信することと、
前記物理表面と関連付けられたオブジェクト情報を決定することであって、前記オブジェクト情報は、前記物理表面のアフォーダンスを含み、前記物理表面の前記アフォーダンスは、前記物理表面が位置する物理環境に基づいて決定される、ことと、
前記オブジェクト情報に基づいて、前記物理表面と関連付けられた利用可能なユーザインターフェースオプションのセットにアクセスすることと、
前記利用可能なユーザインターフェースオプションのセットから、前記物理表面と関連付けられた仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得るユーザインターフェースオプションの最大数を決定することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェース動作のサブセットを含有する前記仮想ユーザインターフェースを3Dビューで前記ユーザに提示するための命令を生成することと
を行うことを含む、方法。」

「【請求項8】
ユーザの3次元(3D)物理環境内で仮想コンテンツを生成するための方法であって、前記方法は、
ハードウェアプロセッサの制御の下で、
姿勢センサから入手されたデータを分析し、ユーザの姿勢を識別することと、
少なくとも部分的に、前記姿勢に基づいて、前記ユーザの3D物理環境内の物理表面と、前記3D物理環境内のオブジェクトと関連付けられたオブジェクト機能またはオブジェクトタイプのうちの少なくとも1つとを識別することと、
前記物理表面との相互作用を開始するためのインジケーションを受信することと、
前記物理表面と関連付けられた基準マーカと関連付けられた情報を決定することであって、前記情報は、前記物理表面のアフォーダンスを含み、前記物理表面の前記アフォーダンスは、前記物理表面が位置する物理環境に基づいて決定される、ことと、
前記基準マーカと関連付けられた情報に基づいて、前記物理表面と関連付けられた利用可能なユーザインターフェースオプションのセットにアクセスすることと、
前記利用可能なユーザインターフェースオプションのセットから、前記物理表面と関連付けられた仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得るユーザインターフェースオプションの最大数を決定することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェース動作のサブセットを含有する前記仮想ユーザインターフェースを3Dビューで前記ユーザに提示するための命令を生成することと
を行うことを含む、方法。」

また、本願発明2−3は、本願発明1を減縮した発明である。
さらに、本願発明5−7は、本願発明4を減縮した発明である。
加えて、本願発明9は、本願発明8を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

「【0005】
本開示は、拡張現実対応デバイスのためのユーザインターフェースに関する。本開示の実施形態によれば、拡張現実コンテンツを表示する方法は、ユーザの視界内の環境を走査するためにカメラを制御するステップと、環境の特徴に従ってユーザインターフェースウィンドウを表示するために環境内の表面のセットを識別するステップと、環境内の表面のセットに対して表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるステップと、表面のセット上の拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示するステップとを含む。環境の特徴は、少なくとも、表示されるべき拡張現実コンテンツのセットに対する表面のセットのアスペクト比、および/または表示されるべき拡張現実コンテンツのセットに対する表面のセットの背景色を含む。」

「【0023】
図4は、本開示のいくつかの態様による別の例示的な拡張現実対応デバイス400を示す。図4に示すように、拡張現実対応デバイス400は、ヘッドマウントデバイスであり得る。本開示の態様によれば、ヘッドマウントデバイスは、経時的にユーザの使用パターンおよび選好を学習し、ユーザが居る時間と環境とに基づいてユーザインターフェースウィンドウを自動的に適合させるように構成され得る。たとえば、ヘッドマウントデバイスは、ある環境内のユーザの以前の使用パターンの履歴に従って表示する拡張現実コンテンツのセットを決定し、次にそれに応じて拡張現実コンテンツのセットを表示するように構成され得る。」
【0024】
1つの手法では、ヘッドマウントデバイスは、ユーザが勤務中であるとの判断に応答して、表示する拡張現実コンテンツの第1のセットを選択するように構成され得る。別の手法では、ヘッドマウントデバイスは、ユーザが在宅中であるとの判断に応答して、表示する拡張現実コンテンツの第2のセットを選択するように構成され得る。さらに別の手法では、ヘッドマウントデバイスは、ユーザが業務会議中であるとの判断に応答して、表示する拡張現実コンテンツの第3のセットを選択するように構成され得る。さらに別の手法では、ヘッドマウントデバイスは、ユーザが社交活動中であるとの判断に応答して、表示する拡張現実コンテンツの第4のセットを選択するように構成され得る。
【0025】
本開示の態様によれば、拡張現実コンテンツの第1のセットは、ユーザが仕事で使用するのに慣れているコミュニケーションおよびドキュメンテーションのためのアプリケーションプログラムを含んでもよく、拡張現実コンテンツの第2のセットは、ユーザが家で使用するのに慣れているコミュニケーションおよび娯楽のためのアプリケーションプログラムを含んでもよい。コミュニケーションおよびドキュメンテーションのための拡張現実コンテンツの第1のセットは、電子メール、ウェブブラウザ、および職場の生産性のアプリケーションを含んでもよく、コミュニケーションおよび娯楽のための拡張現実コンテンツの第2のセットは、フェイスブック、ツイッター、ムービーおよびビデオゲームアプリケーションを含んでもよい。
【0026】
図5は、本開示のいくつかの態様による図4の拡張現実対応デバイスのブロック図を示す。いくつかの実施態様では、ヘッドマウントデバイス400は、本明細書で説明する様々な実施形態の動作を実行し、データをサーバに通信し、データをサーバから受信するプロセッサ507に、センサアレイ500がデータを供給し得るシステムの一部として動作し得る。ヘッドマウントデバイス400のプロセッサ507は、2つ以上のプロセッサ(もしくは、マルチコアプロセッサ)を含んでもよく、コアプロセッサは、全体的な制御機能を実行することができるが、コプロセッサは、アプリケーションを実行し、アプリケーションプロセッサと呼ばれることがあることに留意されたい。コアプロセッサおよびアプリケーションプロセッサは、マルチコアプロセッサなど、同じマイクロチップパッケージ内、または別個のチップ内に構成されてもよい。また、プロセッサ507は、ワイヤレス通信(すなわち、モデムプロセッサ)、ナビゲーション(たとえば、GPS受信機内のプロセッサ)、およびグラフィックス処理(たとえば、グラフィックスプロセッシングユニット、すなわち“GPU”)など、他の機能に関連付けられたプロセッサとともに、同じマイクロチップパッケージ内でパッケージ化されてもよい。」

「【0028】
図5を参照すると、ヘッドマウントデバイス400は、いくつかのモジュール510−550で構成され得る制御システムプロセッサ507に結合された、シーンセンサ500とオーディオセンサ505とを含み得る。一実施形態では、プロセッサ507またはシーンセンサ500は、解剖学的(anatomical)特徴認識アルゴリズムを画像に適用して、1つまたは複数の解剖学的特徴を検出することができる。制御システムに関連付けられたプロセッサ507は、1つまたは複数のジェスチャーを認識し、認識されたジェスチャーを入力コマンドとして処理するために、検出された解剖学的特徴をレビューすることができる。たとえば、以下でより詳細に説明するように、ユーザは、仮想オブジェクトを閉じるために、仮想オブジェクトを指さすなど、入力コマンドに対応する動きジェスチャーを実行することができる。この例示的なジェスチャーを認識することに応答して、プロセッサ507は、仮想オブジェクトをディスプレイから除去することができる。別の例として、ユーザは、ディスプレイ上に提示された命令またはオプションを確認するために、片手で人差し指を親指に触れるようにして、“OK”サインを作ることができる。」

「【0038】
図6は、本開示のいくつかの態様による拡張現実対応デバイスのための例示的なユーザインターフェースを示す。図6に示すように、ユーザインターフェースは、現実世界のオブジェクトとARコンテンツとを効果的に融合させるように構成され得る。例示的な一実施態様では、ARDは、前向きカメラを使用して環境を走査する。1つの手法では、Qualcomm Vuforia(登録商標)コンピュータビジョンアプリケーションは、平坦な表面を検出するために使用され得る。図6に示すように、平坦な表面は、ユーザの上、下、左、右、および前の視界における表面を含んでもよく、環境は、テーブル602、ウィンドウ604、絵画606、およびランプ608などの現実世界のオブジェクトを含んでもよい。ユーザインターフェースウィンドウ、たとえば610、612、614、616、618、620、622、および624は、次に、電子メール、PowerPointプレゼンテーション、フェイスブック、ツイート、ムービーなどの拡張現実コンテンツを表示するために平坦な表面に配置され得る。
【0039】
いくつかの実施態様では、拡張現実コンテンツの数が識別されたユーザインターフェースウィンドウの数より多い場合、ARDは、表示されるべき拡張現実コンテンツの数を優先順位付けしてプルーニングするように構成され得る。いくつかの他の実施態様では、ARDは、検出された平坦な表面をマージまたは分割してユーザインターフェースウィンドウの異なるセットを形成し、表示されるべき拡張現実コンテンツに適合するように構成され得る。」

「【0041】
いくつかの実施態様では、表示されるべきコンテンツに応じて、垂直の向きを有する表面が、Word文書を表示するために優先され得る一方で、水平の向きを有する表面が、ムービーを表示するために優先され得る。さらに、各ユーザインターフェースウィンドウのアスペクト比が、表示されるべき拡張現実コンテンツをユーザインターフェースウィンドウに適合させることにおける基準として使用され得る。たとえば、長くて狭い水平のユーザインターフェースウィンドウが、株式ティッカーを表示するために使用され得る一方で、約16:9または4:3のアスペクト比を有するユーザインターフェースウィンドウが、ムービーを表示するために使用され得る。」

「【0051】
図7は、本開示のいくつかの態様による拡張現実コンテンツを表示する例示的な方法を示す。ブロック702において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、ユーザの視界内の環境を走査するためにカメラを制御するように構成され得る。ブロック704において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、環境の特徴に従ってユーザインターフェースウィンドウを表示するために環境内の表面のセットを識別するように構成され得る。ブロック706において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、環境内の表面のセットに対して表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され得る。ブロック708において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、表面のセット上の拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示するように構成され得る。
【0052】
本開示の態様によれば、環境は、現実世界のオブジェクトを含み、ここで、表面のセットはユーザの上、下、左、右、および前の視界における表面を含み、ディスプレイはヘッドマウントディスプレイである。環境の特徴は、限定はしないが、表示されるべき拡張現実コンテンツのセットに対する表面のセットのアスペクト比、および表示されるべき拡張現実コンテンツのセットに対する表面のセットの背景色を含む。
【0053】
本開示の実施形態によれば、ブロック706において実行される方法は、ブロック710、712、714、716および718において実行される方法をさらに含み得る。ブロック710において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、表面のセットの面積、表面のセットの向き、ユーザの視野に対する表面のセットのロケーション、および表面のセットの追跡容易性に基づいて表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され得る。
【0054】
ブロック712において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、表示されるべき拡張現実コンテンツのセットに対する表面のセットのアスペクト比、および表示されるべき拡張現実コンテンツのセットに対する表面のセットの背景色のうちの少なくとも1つに基づいて表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され得る。
【0055】
ブロック714において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、環境内のユーザの以前の使用パターンの履歴に従って表示する拡張現実コンテンツのセットを決定するように構成され得る。いくつかの実施態様では、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、ユーザが勤務中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第1のセットを選択することか、ユーザが在宅中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第2のセットを選択することか、ユーザが業務会議中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第3のセットを選択することか、またはユーザが社交活動中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第4のセットを選択することを行うように構成され得る。
【0056】
いくつかの実施態様では、拡張現実コンテンツの第1のセットは、ユーザが仕事で使用するのに慣れているコミュニケーションおよびドキュメンテーションのためのアプリケーションプログラムを含み、拡張現実コンテンツの第2のセットは、ユーザが家で使用するのに慣れているコミュニケーションおよび娯楽のためのアプリケーションプログラムを含む。さらに、コミュニケーションおよびドキュメンテーションのための拡張現実コンテンツの第1のセットは、電子メール、ウェブブラウザ、および職場の生産性のアプリケーションを含み、コミュニケーションおよび娯楽のための拡張現実コンテンツの第2のセットは、フェイスブック、ツイッター、ムービーおよびビデオゲームアプリケーションを含む。
【0057】
ブロック716において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、表示されるべき拡張現実コンテンツのセットのスケールファクタ、および表示されるべき拡張現実コンテンツのセットの論理的関係のうちの少なくとも1つに基づいて表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され得る。
【0058】
ブロック718において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、所定のユーザ選好に従って表示する拡張現実コンテンツのセットを決定し、表面のセット上の拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示するように構成され得る。所定のユーザ選好は、ユーザに対する拡張現実コンテンツの重要性、表示されるべき拡張現実コンテンツの量、および表面のセットに対する拡張現実コンテンツの視線の向きのうちの少なくとも1つを含むことに留意されたい。」

「【図4】



「【図5】



「【図6】



「【図7】



ここで、上記【0051】の「ブロック706において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、環境内の表面のセットに対して表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され得る。ブロック708において、プロセッサ122および/または拡張現実ユーザインターフェースモジュール134は、表面のセット上の拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示するように構成され得る。」との記載、上記【0053】の「本開示の実施形態によれば、ブロック706において実行される方法は、ブロック710、712、714、716および718において実行される方法をさらに含み得る。」との記載及び上記【図7】の記載から、ブロック708において実行される方法は、ブロック710、712、714、716および718において実行される方法の後に実行されることが記載されていると認められる。

したがって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「拡張現実コンテンツを表示する方法であって、
1つまたは複数のジェスチャーを認識し、認識されたジェスチャーを入力コマンドとして処理し、
ユーザは、仮想オブジェクトを閉じるために、仮想オブジェクトを指さすなど、入力コマンドに対応する動きジェスチャーを実行し、このジェスチャーを認識することに応答して、仮想オブジェクトをディスプレイから除去し、
拡張現実コンテンツの数が識別されたユーザインターフェースウィンドウの数より多い場合、表示されるべき拡張現実コンテンツの数を優先順位付けしてプルーニングし、
垂直の向きを有する表面が、Word文書を表示するために優先される一方で、水平の向きを有する表面が、ムービーを表示するために優先され、
プロセッサ122は、ユーザの視界内の環境を走査するためにカメラを制御するように構成され、
プロセッサ122は、環境の特徴に従ってユーザインターフェースウィンドウを表示するために環境内の表面のセットを識別するように構成され、
プロセッサ122は、環境内の表面のセットに対して表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され、
環境は、現実世界のオブジェクトを含み、ここで、表面のセットはユーザの上、下、左、右、および前の視界における表面を含み、ディスプレイはヘッドマウントディスプレイであり、
プロセッサ122は、表面のセットの向きに基づいて表示する拡張現実コンテンツのセットを優先順位付けるように構成され、
プロセッサ122は、ユーザが勤務中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第1のセットを選択することか、ユーザが在宅中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第2のセットを選択することを行うように構成され、
プロセッサ122は、表面のセット上の拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示するように構成される、
拡張現実コンテンツを表示する方法。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0048】
現在位置検出部110は、この例では、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して電子機器本体2の現在位置を検出する機能を備える。また、現在位置検出部110は、補助的な現在位置の検出のための情報として、予め記憶保持しているカメラ107で撮影した部屋内部の画像情報と、現在位置の部屋のカメラの撮影画像情報とを画像認識処理部108でパターンマッチング処理した結果を用いることができるように構成されている。これにより、現在位置検出部110は、例えば使用者の自宅であっても、電子機器本体2が書斎で使用されているのか、居間で使用されているのか等を判別することができ、また、会社(職場)において、電子機器本体2が使用者の自分の職場の席で使用されているのか、会議室で使用されているのか等を判別することができる。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「拡張現実コンテンツ」は、VR及びARという技術分野の技術常識に鑑みると、本願発明1の「仮想コンテンツ」に相当することは明らかである。

イ 引用発明において、「環境は、現実世界のオブジェクトを含」んでおり、現実世界は3次元(3D)物理環境であるといえるから、引用発明の「拡張現実コンテンツを表示する方法」は、本願発明1の「ユーザの3次元(3D)物理環境内で仮想コンテンツを生成するための方法」に相当するといえる。

ウ 引用発明の「プロセッサ122」は、ハードウェアであることは明らかであるから、本願発明1の「ハードウェアプロセッサ」に相当する。

エ 引用発明において、「拡張現実コンテンツを表示する方法」は、「プロセッサ122」の制御の下で行われていることは明らかである。

オ 引用発明において、「環境は、現実世界のオブジェクトを含み、ここで、表面のセットはユーザの上、下、左、右、および前の視界における表面を含」んでいることから、引用発明の「表面」は、現実世界の物理的な表面を意味していることは明らかである。したがって、引用発明の「表面」は、本願発明1の「物理表面」に相当する。

カ 引用発明の「ユーザが勤務中である」又は「ユーザが在宅中である」ことは、ユーザの環境の情報であるといえるから、本願発明1の「環境情報」に相当する。また、引用発明において、「ユーザが勤務中であるとの判断」又は「ユーザが在宅中であるとの判断」を行っており、ユーザが勤務中であるか又は在宅中であるかを決定しているといえる。したがって、本願発明1と引用発明は、「環境情報を決定すること」を行う点で共通する。

キ 引用発明の「拡張現実コンテンツのセット」は、「ユーザインターフェースウィンドウ」に表示されるものであるから、本願発明1の「ユーザインターフェースオプションのセット」に相当する。また、引用発明において、「プロセッサ122は、ユーザが勤務中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第1のセットを選択することか、ユーザが在宅中であるとの判断に応答して表示する拡張現実コンテンツの第2のセットを選択することを行うように構成され」ているから、ユーザが勤務中であるか又は在宅中であるかという情報に基づいて、拡張現実コンテンツのセットにアクセスしていることは明らかであり、ここで、「拡張現実コンテンツのセット」が利用可能なものであることも明らかである。さらに、引用発明において、「拡張現実コンテンツのセット」は、「環境内の表面のセットに対して表示する」ものであるから、「表面」と関連付けられたものといえる。したがって、上記オ及びカも踏まえると、本願発明1と引用発明は、「前記環境情報に基づいて、前記物理表面と関連付けられた利用可能なユーザインターフェースオプションのセットにアクセスすること」を行う点で一致する。

ク 引用発明において、拡張現実コンテンツは、表面にWord文書を表示するもの及びムービーを表示するものが含まれているが、これらはユーザインターフェースの動作に関連するものである。したがって、引用発明の「拡張現実コンテンツ」は、本願発明1の「ユーザインターフェース動作」にも相当する。そして、上記オ及びキを踏まえると、引用発明の「拡張現実コンテンツのセット」は、本願発明1の「物理表面と関連付けられた利用可能なユーザインターフェース動作のセット」にも相当する。

ケ 引用発明において、「拡張現実コンテンツの数が識別されたユーザインターフェースウィンドウの数より多い場合、表示されるべき拡張現実コンテンツの数を優先順位付けしてプルーニングし」ているから、ある数の「拡張現実コンテンツのセット」から、それより少ない数の「拡張現実コンテンツのセット」を選択しているといえ、ここで、少ない数の「拡張現実コンテンツのセット」は、「拡張現実コンテンツのサブセット」といえる。

コ 上記ク及びケを踏まえると、本願発明1と引用発明は、「前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択すること」を行う点で共通する。

サ 引用発明の「ユーザインターフェースウィンドウ」は、拡張現実コンテンツのセットを表示する仮想的なものであるから、本願発明1の「仮想ユーザインターフェース」に相当する。

シ 引用発明において、「拡張現実コンテンツの数が識別されたユーザインターフェースウィンドウの数より多い場合、表示されるべき拡張現実コンテンツの数を優先順位付けしてプルーニングし」、「プロセッサ122は、表面のセット上の拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示するように構成される」ことから、ユーザインターフェースウィンドウ内に読取可能な数、すなわち、読取可能に適合し得る拡張現実コンテンツのセットを表示しているといえる。また、拡張現実コンテンツのセットをディスプレイに表示することは、3Dビューでユーザに提示することであるといえる。

ス 引用発明において、コンピュータの技術常識に鑑みると、プロセッサ122が処理できるようにするために、命令を生成していることは明らかである。

セ 上記ケ及びサ乃至スを踏まえると、本願発明1と引用発明は、「前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェース動作のサブセットを含有する前記仮想ユーザインターフェースを3Dビューで前記ユーザに提示するための命令を生成すること」を行う点で一致する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「ユーザの3次元(3D)物理環境内で仮想コンテンツを生成するための方法であって、前記方法は、
ハードウェアプロセッサの制御の下で、
環境情報を決定することと、
前記環境情報に基づいて、物理表面と関連付けられた利用可能なユーザインターフェースオプションのセットにアクセスすることと、
前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択することと、
前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェース動作のサブセットを含有する前記仮想ユーザインターフェースを3Dビューで前記ユーザに提示するための命令を生成すること
を行うことを含む、方法。」

(相違点1)
本願発明1では「姿勢センサから入手されたデータを分析し、ユーザの姿勢を識別する」のに対し、引用発明では、ユーザの姿勢を識別することについて特定されていない点。

(相違点2)
本願発明1では「少なくとも部分的に、前記姿勢に基づいて、前記ユーザの3D物理環境内の物理表面と、前記3D物理環境内のオブジェクトと関連付けられたオブジェクト機能またはオブジェクトタイプのうちの少なくとも1つとを識別する」のに対し、引用発明では、「環境の特徴に従ってユーザインターフェースウィンドウを表示するために環境内の表面のセットを識別する」が、姿勢に基づいて、3D物理環境内のオブジェクトと関連付けられたオブジェクト機能またはオブジェクトタイプを識別することについて特定されていない点。

(相違点3)
本願発明1では「前記物理表面との相互作用を開始するためのインジケーションを受信する」のに対し、引用発明では、「1つまたは複数のジェスチャーを認識し、認識されたジェスチャーを入力コマンドとして処理し、ユーザは、仮想オブジェクトを閉じるために、仮想オブジェクトを指さすなど、入力コマンドに対応する動きジェスチャーを実行し、このジェスチャーを認識することに応答して、仮想オブジェクトをディスプレイから除去」するが、物理表面との相互作用を開始するためのインジケーションについて明確に特定されていない点。

(相違点4)
本願発明1では「前記物理表面と関連付けられた環境情報を決定することであって、前記環境情報は、前記物理表面のアフォーダンスを含み、前記物理表面の前記アフォーダンスは、前記物理表面が位置する物理環境に基づいて決定される」のに対して、引用発明では、「ユーザが勤務中である」又は「ユーザが在宅中である」という環境情報を決定しているが、環境情報が物理表面と関連付けられていること及び物理表面のアフォーダンスについて特定されていない点。

(相違点5)
本願発明1では「前記利用可能なユーザインターフェースオプションのセットから、前記物理表面と関連付けられた仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得るユーザインターフェースオプションの最大数を決定する」のに対し、引用発明では、「拡張現実コンテンツの数が識別されたユーザインターフェースウィンドウの数より多い場合、表示されるべき拡張現実コンテンツの数を優先順位付けしてプルーニング」するが、そのような最大数を決定することについて明確に特定されていない点。

(相違点6)
本願発明1では「前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択する」のに対し、引用発明では、前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づくことについて特定されていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点6について先に検討する。
引用文献2には、「オブジェクトと関連付けられたオブジェクト機能またはオブジェクトタイプ」について記載も示唆もない。
したがって、相違点6に係る本願発明1の「前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択する」という構成は、引用文献2に記載されたものではなく、周知技術であるともいえないから、当業者といえども、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項から、相違点6に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
したがって、上記相違点1−5について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2−3について
本願発明2−3も、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明4について
本願発明4も、上記相違点6に係る本願発明1の構成と同一である「前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択する」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4 本願発明5−7について
本願発明5−7も、本願発明4と同一の構成を備えるものであるから、本願発明4と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

5 本願発明8について
本願発明8も、上記相違点6に係る本願発明1の構成と同一である「前記仮想ユーザインターフェース内に読取可能に適合し得る前記ユーザインターフェースオプションの最大数と、前記物理表面の前記アフォーダンスと、前記オブジェクトと関連付けられた前記オブジェクト機能または前記オブジェクトタイプとに基づいて、前記物理表面と関連付けられた前記利用可能なユーザインターフェース動作のセットから、ユーザインターフェース動作のサブセットを選択する」という構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

6 本願発明9について
本願発明9も、本願発明8と同一の構成を備えるものであるから、本願発明8と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1−9は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


 
審決日 2022-09-27 
出願番号 P2020-105691
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 富澤 哲生
中野 裕二
発明の名称 ユーザインターフェースメニューのコンテキスト認識  
代理人 山本 秀策  
代理人 飯田 貴敏  
代理人 山本 健策  
代理人 石川 大輔  
代理人 森下 夏樹  
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