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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C07K
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C07K
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する C07K
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C07K
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C07K
管理番号 1389347
総通号数 10 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-10-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2022-03-29 
確定日 2022-07-25 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第7034068号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第7034068号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔11〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第7034068号は、平成28年10月11日(パリ条約による優先権主張 2015年10月12日 (US)米国、2016年 7月 8日 (US)米国、2016年 8月16日 (US)米国、2016年 9月12日 (US)米国)を国際出願日とする特願2018−518592号として特許出願されたものであって、その請求項1〜20に係る発明について、令和4年3月3日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和4年3月29日に本件の訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
1 請求の趣旨
本件請求の趣旨は、特許第7034068号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項11について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

2 訂正の内容
本件審判の請求による訂正(以下「本件訂正」ともいう。)の内容は、以下の訂正事項1のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項11に記載された「の重鎖CDRおよび軽鎖CDR」との記載を削除する。

第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件訂正前の請求項11は、
「【請求項11】
配列番号2/10、26/10、および34/10からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む、請求項10に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。」であるから、
本件訂正事項1は、「単離抗体またはその抗原結合性断片」についての特定事項を、「HCVR/LCVRアミノ酸配列対の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む」という重鎖CDRおよび軽鎖CDRのアミノ酸配列による特定に加えて重鎖CDRおよび軽鎖CDRのアミノ酸配列以外の「HCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む」というHCVR/LCVRのアミノ酸配列全体による特定とするものである。
したがって、訂正事項1の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に添付した明細書には、下記の記載がある。

ア「【請求項2】 配列番号2/10、26/10、および34/10からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む、請求項1に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。」

イ「【請求項10】 (a)配列番号2、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、配列番号66、もしくは配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、および(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR);または (c)配列番号82、配列番号98、または配列番号106のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、および(d)配列番号90のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む、ヒトレプチン受容体(LEPR)に結合する単離抗体、またはその抗原結合性断片であって、ヒトレプチンが前記抗体の前記受容体に対する結合をブロックしない、単離 抗体、またはその抗原結合性断片。」
本発明はまた、LEPRに特異的に結合し、表1に列挙したLCVRアミノ酸配列のうちのいずれかと対になった表1に列挙したHCVRアミノ酸配列のうちのいずれかを含むHCVRとLCVRとのアミノ酸配列対(HCVR/LCVR)を含む抗体またはこれらの抗原結合性断片を提供する。ある特定の実施形態によれば、本発明は、表1に列挙した例示的な抗LEPR抗体のいずれかの中に含有されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む抗体またはこれらの抗原結合性断片を提供する。ある特定の実施形態では、HCVR/LCVRアミノ酸配列対は、配列番号2/10、18/10、26/10、34/10、42/10、50/10、58/66、74/66、および82/66からなる群より選択される。」(【0009】)

イ「本発明のこの態様によれば、レプチンの非存在下で細胞表面発現LEPRに結合することができ、レプチンの存在下(すなわち、レプチンが細胞表面発現レプチンに結合することができる環境下)でも細胞表面発現LEPRに結合することができる抗体が提供されている。すなわち、ある特定の実施形態によれば、抗LEPR抗体と細胞表面発現LEPRとの相互作用は、細胞表面発現LEPRと複合体形成したレプチンの存在によって阻害されない。」(【0075】)

ウ「

」(【表1】)

エ「・・・本発明のすべての抗LEPR抗体は、hLEPR−MMHとヒトレプチンとの複合体(「レプチン:LEPR」)に結合し、シグナル強度はほぼ同等であった。観察された結合をRUで表して表9に報告する。この結果は、ヒトレプチンがhLEPR−MMHの試験した抗LEPR抗体への結合を遮断しないことを示す。

」(【0132】、【表9】)

オ「表10に示した通り、本発明の抗LEPR抗体のいずれも、hLEPR.hFcのhLeptin被覆表面への結合の28%超の遮断を実証しなかった。

」(【0135】、【表10】)
そうすると、上記摘記事項アのとおり、願書に最初に添付した明細書には、「配列番号2/10」、「26/10」、「34/10」、「からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む」「単離抗体またはその抗原結合性断片」が記載されているといえ、摘記事項イから、レプチンによって抗LEPR抗体と細胞表面発現LEPRとの相互作用が阻害されない、単離抗体またはその抗原結合性断片が記載されているといえる。
また、摘記事項エのとおり、LEPRに結合する単離抗体H4H14450P2、H4H17319P2について、レプチンが単離抗体のLEPRに対する結合をブロックしないことが記載されており、摘記事項ウから、それぞれ、HCVR/LCVRのアミノ酸配列対が「配列番号2/10」、「26/10」であると認められる。
さらに、摘記事項オのとおり、LEPRに結合する単離抗体H4H173321P2について、レプチンとLEPRとの相互作用を遮断しないことが記載されている。ここで、単離抗体が「LEPR:レプチン相互作用を遮断しない」とは、つまり、レプチンが単離抗体のLEPRに対する結合をブロックしない性質を有する単離抗体でもあることは技術常識であるから、単離抗体H4H173321P2は、レプチンが単離抗体のLEPRに対する結合をブロックしないものであるといえる。そして、摘記事項ウから、H4H173321P2はHCVR/LCVRのアミノ酸配列対が「34/10」であると認められる。
そうしてみると、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
第3の1で上述したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の請求項11に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、かつ、訂正前の請求項11に記載された発明の対象や目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 独立特許要件
訂正事項1は、第3の1で上述したとおり、訂正前の請求項11に係る発明の特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正後の特許請求の範囲の請求項11に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。


 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトレプチン受容体(LEPR)に結合し、配列番号2/10、18/10、26/10、34/10、42/10、50/10、58/10、66/10、74/10、82/90、98/90、および106/90からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む、単離抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項2】
配列番号2/10、26/10、および34/10からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む、請求項1に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項3】
請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合性断片、および薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項4】
レプチン欠損またはレプチン耐性に関連した、またはそれによって引き起こされる疾患または状態を処置するための請求項3に記載の医薬組成物であって、それを必要とする被験体に前記組成物の有効量が投与されることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項5】
レプチン欠損またはレプチン耐性に関連した、またはそれによって引き起こされる前記疾患または前記状態が、リポジストロフィー、肥満、メタボリック症候群、食事誘発性食物渇望、機能性視床下部性無月経、1型糖尿病、2型糖尿病、インスリン耐性、インスリン受容体における変異に起因する重度インスリン耐性、アルツハイマー病、レプチン欠損、レプチン耐性、妖精症/ドナヒュー症候群、およびラブソン−メンデンホール症候群からなる群より選択される、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
患者におけるリポジストロフィー状態を処置するための請求項3に記載の医薬組成物であって、それを必要とする患者に投与されることを特徴とし、前記リポジストロフィー状態が、先天性全身性リポジストロフィー、後天性全身性リポジストロフィー、家族性部分的リポジストロフィー、後天性部分的リポジストロフィー、遠心性腹部リポジストロフィー、環状脂肪組織萎縮症、局在性リポジストロフィー、およびHIV関連リポジストロフィーからなる群より選択される、医薬組成物。
【請求項7】
シグナル伝達欠損LEPR変異またはシグナル伝達障害LEPR変異に関連した、またはそれによって引き起こされる疾患または状態を処置するための請求項3に記載の医薬組成物であって、それを必要とする被験体に前記組成物の有効量が投与されることを特徴とする、医薬組成物。
【請求項8】
前記シグナル伝達欠損LEPR変異または前記シグナル伝達障害LEPR変異が、LEPR−A409EまたはLEPR−P316Tである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
シグナル伝達欠損LEPR変異またはシグナル伝達障害LEPR変異に関連した、またはそれによって引き起こされる前記疾患または前記状態が、早期発症肥満である、請求項7または8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
(a)配列番号2、配列番号26、配列番号34、配列番号42、配列番号50、配列番号58、配列番号66、もしくは配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、および(b)配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR);または
(c)配列番号82、配列番号98、または配列番号106のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、および(d)配列番号90のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)
を含む、ヒトレプチン受容体(LEPR)に結合する単離抗体、またはその抗原結合性断片であって、ヒトレプチンが前記抗体の前記受容体に対する結合をブロックしない、単離抗体、またはその抗原結合性断片。
【請求項11】
配列番号2/10、26/10、および34/10からなる群より選択されるHCVR/LCVRアミノ酸配列対を含む、請求項10に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項12】
水素/重水素交換によって決定した場合に配列番号113のアミノ酸162〜169および配列番号113のアミノ酸170〜181と相互作用する、請求項1に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項13】
配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む完全抗体である、請求項1に記載の単離抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項14】
前記重鎖可変領域がヒトIgG4定常ドメインに連結される、請求項13に記載の抗体。
【請求項15】
配列番号26のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む完全抗体である、請求項1に記載の単離抗体または抗原結合性断片。
【請求項16】
前記重鎖可変領域がヒトIgG4定常ドメインに連結される、請求項15に記載の抗体。
【請求項17】
配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む完全抗体である、請求項1に記載の単離抗体または抗原結合性断片。
【請求項18】
前記重鎖可変領域がヒトIgG4定常ドメインに連結される、請求項17に記載の抗体。
【請求項19】
前記抗体またはその抗原結合性断片が第2の治療剤と共製剤化されることを特徴とし、前記第2の治療剤が、組換えヒトレプチン、PCSK9インヒビター、スタチン、エゼチミベ、インスリン、インスリン改変体、インスリン分泌促進物質、メトホルミン、スルホニル尿素、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)インヒビター、GLP−1アゴニスト/類似体、グルカゴン(GCG)インヒビター、グルカゴン受容体(GCGR)インヒビター、アンジオポエチン様タンパク質(ANGPTL)インヒビター、フェンテルミン、オーリスタット、トピラメート、ブプロピオン、トピラメート/フェンテルミン、ブプロピオン/ナルトレキソン、ブプロピオン/ゾニサミド、プラムリンチド/メトレレプチン、ロルカセリン、セチリスタット、テソフェンシン、およびベルネペリットからなる群より選択される、請求項4から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記抗体またはその抗原結合性断片が第2の治療剤と組み合わせて投与されることを特徴とし、前記第2の治療剤が、組換えヒトレプチン、PCSK9インヒビター、スタチン、エゼチミベ、インスリン、インスリン改変体、インスリン分泌促進物質、メトホルミン、スルホニル尿素、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)インヒビター、GLP−1アゴニスト/類似体、グルカゴン(GCG)インヒビター、グルカゴン受容体(GCGR)インヒビター、アンジオポエチン様タンパク質(ANGPTL)インヒビター、フェンテルミン、オーリスタット、トピラメート、ブプロピオン、トピラメート/フェンテルミン、ブプロピオン/ナルトレキソン、ブプロピオン/ゾニサミド、プラムリンチド/メトレレプチン、ロルカセリン、セチリスタット、テソフェンシン、およびベルネペリットからなる群より選択される、請求項4から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2022-06-28 
結審通知日 2022-07-01 
審決日 2022-07-13 
出願番号 P2018-518592
審決分類 P 1 41・ 851- Y (C07K)
P 1 41・ 856- Y (C07K)
P 1 41・ 854- Y (C07K)
P 1 41・ 841- Y (C07K)
P 1 41・ 855- Y (C07K)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 上條 肇
特許庁審判官 伊藤 良子
高堀 栄二
登録日 2022-03-03 
登録番号 7034068
発明の名称 レプチン受容体を活性化させる抗原結合タンパク質  
代理人 山本 秀策  
代理人 山本 秀策  
代理人 森下 夏樹  
代理人 森下 夏樹  

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