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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1390389
総通号数 11 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-01-06 
確定日 2022-11-07 
事件の表示 特願2020− 85456「ナビゲーション及び検索機能を提供するためのデバイス、方法、及びグラフィカルユーザインタフェース」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 9月17日出願公開、特開2020−149700、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年5月30日(パリ条約による優先権主張 2013年6月9日 米国、2014年 5月29日 米国)を国際出願日とする出願である特願2016−5138362号の一部を平成30年1月9日に新たな特許出願とした特願2018−001331号の、更にその一部を令和2年5月14日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年 5月22日 :手続補正書の提出
令和 3年 4月 5日付け :拒絶理由通知書
令和 3年 6月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年 9月 8日付け :拒絶査定(原査定)
令和 4年 1月 6日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 4年 7月13日付け :拒絶理由(当審拒絶理由)通知書
令和 4年 8月17日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明

本願請求項1−15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明15」という。)は、令和 4年 8月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−15に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
タッチ感知ディスプレイを含む電子デバイスにおいて、
マルチページアプリケーション起動インタフェースを前記タッチ感知ディスプレイに表示することと、
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースを表示している間に第1の入力を検出することであって、前記第1の入力を検出することは、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャを検出することを含む、検出することと、
前記スワイプジェスチャを検出することに応じて、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの第1の端部において開始され、前記第1の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第1の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現の同時の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記複数のユーザインタフェースは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示することと、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第2の端部において開始され、前記第2の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第2の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、直近に受信した通知を含む通知インタフェースを表示することと、
を含み、
前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記スワイプジェスチャが前記第1の端部から離れて移動するのにつれて、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの表現の大きさを次第に減少させることを含む、方法。
【請求項2】
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの端部から離れて開始され、前記スワイプジェスチャが第1の所定方向に所定量より多く前記タッチ感知ディスプレイ上を移動すると満たされる基準を含む第3の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、第1の複数のアプリケーションアイコンを含む前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの第1のページの表示を、第2の複数のアプリケーションアイコンを含む前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの第2のページの表示により置き換えること、を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スワイプジェスチャが検出されたことに応じて、
前記スワイプジェスチャが前記第1の所定方向とは直交する第2の所定方向に第1の所定量より多く移動すると満たされる基準を含む検索インタフェース表示基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの少なくとも一部の表示を、検索語を入力するための検索入力フィールドを含む検索インタフェースの表示に置き換えることを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記検索インタフェースを表示することは、前記検索入力フィールドにテキストを入力するためのキーボードを表示することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースは、アプリケーションアイコンの複数ページを含み、
前記検索インタフェースを表示することは、
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの第1ページからのアプリケーションアイコンのセットを、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部から前記第2の所定方向に離れるように並進移動することと、
前記タッチ感知ディスプレイの前記個別の端部と前記アプリケーションアイコンの前記セットとの間において前記検索入力フィールドを表示することと
を含む、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記検索インタフェースを表示することは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの前記第1ページ上での前記アプリケーションアイコンの少なくともサブセットの表示を停止することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スワイプジェスチャを検出することに応じて、前記検索インタフェースを表示しつつ、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの前記第1ページからの1つ以上のアプリケーションアイコンの表示を維持することを更に含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースは、複数のアプリケーションアイコンを含む固定アイコン領域を含み、前記固定アイコン領域は、前記アプリケーションアイコンの前記複数ページのそれぞれのページと共に表示され、
前記スワイプジェスチャを検出したことに応じて前記検索インタフェースを表示することは、前記固定アイコン領域の表示を停止することを含む、請求項5から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースは、複数のアプリケーションアイコンを有するホームスクリーンである、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記スワイプジェスチャを検出したことに応じて、
前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部及び前記タッチ感知ディスプレイの前記第2の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第3の端部から前記スワイプジェスチャが開始されると満たされる基準を含む設定インタフェース表示基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、複数のデバイス設定を変更するためのコントロールを含む設定インタフェースを表示することを更に含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの縮小表現を表示することを含み、
前記縮小表現の選択を受け付けたことに応じて、前記電子デバイスに前記マルチページアプリケーション起動インタフェースを表示させることを更に含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
電子デバイスであって、
タッチ感知ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサと、
メモリと、
1つ以上のプログラムであって、前記1つ以上のプログラムは前記メモリ内に格納され、前記1つ以上のプロセッサにより実行されるように構成され、前記1つ以上のプログラムは、
マルチページアプリケーション起動インタフェースを前記タッチ感知ディスプレイに表示することと、
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースを表示している間に第1の入力を検出することであって、前記第1の入力を検出することは、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャを検出することを含む、検出することと、
前記スワイプジェスチャを検出することに応じて、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの第1の端部において開始され、前記第1の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第1の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現の同時の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記複数のユーザインタフェースは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示することと、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第2の端部において開始され、前記第2の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第2の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、直近に受信した通知を含む通知インタフェースを表示することと、
を実行するための命令群を含み、
前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記スワイプジェスチャが前記第1の端部から離れて移動するのにつれて、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの表現の大きさを次第に減少させることを含む、電子デバイス。
【請求項13】
前記1つ以上のプログラムは、請求項2から11のいずれか1項に記載の方法を実行するための命令群を含む、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
命令群を含むプログラムであって、前記命令群はタッチ感知ディスプレイを有する電子デバイスにより実行されると、前記電子デバイスに、
マルチページアプリケーション起動インタフェースを前記タッチ感知ディスプレイに表示することと、
前記マルチページアプリケーション起動インタフェースを表示している間に第1の入力を検出することであって、前記第1の入力を検出することは、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャを検出することを含む、検出することと、
前記スワイプジェスチャを検出することに応じて、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの第1の端部において開始され、前記第1の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第1の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現の同時の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記複数のユーザインタフェースは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示することと、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第2の端部において開始され、前記第2の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第2の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、直近に受信した通知を含む通知インタフェースを表示することと、
を実行させ、
前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記スワイプジェスチャが前記第1の端部から離れて移動するのにつれて、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの表現の大きさを次第に減少させることを含む、プログラム。
【請求項15】
前記プログラムは、前記電子デバイスにより実行されると、前記電子デバイスに請求項2から11のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令群を含む、請求項14に記載のプログラム。」

第3 引用文献、引用発明等

1.引用文献1について
令和 3年 9月 8日付けの拒絶査定に引用された引用文献1(国際公開第2012/037664号)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は、強調のため当審にて付与。以下同様。)

「[0031] A front view of an example of the portable electronic device 100 is shown in FIG. 2. The portable electronic device 100 includes a housing 202 that encloses components such as shown in FIG. 1. The housing 202 may include a back, sidewalls, and a front 204 that frames the touch-sensitive display 118.
[0032] In the shown example of FIG. 2, the touch-sensitive display 118 is generally centered in the housing 202 such that a display area 206 of the touch- sensitive overlay 114 is generally centered with respect to the front 204 of the housing 202. The non-display area 208 of the touch-sensitive overlay 114 extends around the display area 206. In the presently described embodiment, the width of the non-display area is 4 mm.
[0033] For the purpose of the present example, the touch-sensitive overlay 114 extends to cover the display area 206 and the non-display area 208.Touches on the display area 206 may be detected and, for example, may be associated with displayed selectable features. Touches on the non-display area 208 may be detected, for example, to detect a meta-navigation gesture. Alternatively, meta-navigation gestures may be determined by both the non- display area 208 and the display area 206. The density of touch sensors may differ from the display area 206 to the non-display area 208. For example, the density of nodes in a mutual capacitive touch-sensitive display, or density of locations at which electrodes of one layer cross over electrodes of another layer, may differ between the display area 206 and the non-display area 208.
[0034] Gestures received on the touch-sensitive display 118 may be analyzed based on the attributes to discriminate between meta-navigation gestures and other touches, or non-meta navigation gestures. Meta-navigation gestures may be identified when the gesture crosses over a boundary near a periphery of the display 112, such as a boundary 210 between the display area 206 and the non- display area 208. In the example of FIG. 2, the origin point of a meta-navigation gesture may be determined utilizing the area of the touch-sensitive overlay 114 that covers the non-display area 208.
[0035] A buffer region 212 or band that extends around the boundary 210 between the display area 206 and the non-display area 208 may be utilized such that a meta-navigation gesture is identified when a touch has an origin point outside the boundary 210 and the buffer region 212 and crosses through the buffer region 212 and over the boundary 210 to a point inside the boundary 210. Although illustrated in FIG. 2, the buffer region 212 may not be visible. Instead, the buffer region 212 may be a region around the boundary 210 that extends a width that is equivalent to a predetermined number of pixels, for example. Alternatively, the boundary 210 may extend a predetermined number of touch sensors or may extend a predetermined distance from the display area 206. The boundary 210 may be a touch-sensitive region or may be a region in which touches are not detected.」
(当審訳:
[0031]ポータブル電子デバイス100の一例の正面図が図2に示されている。ポータブル電子デバイス100は、図1に示すような構成要素を封入するハウジング202を含む。ハウジング202は、背面、側壁、及びタッチ感知ディスプレイ118を囲む前面204を含み得る。
[0032]図2の示す例では、タッチ感知ディスプレイ118は、タッチ感知オーバーレイ114の表示領域206がハウジング202の前面204に対して概ね中心に位置するように、ハウジング202内で概ね中心に位置する。タッチ感知オーバーレイ114の非表示領域208は、表示領域206の周りに延在する。本実施形態では、非表示領域の幅は4mmである。
[0033]本例の目的のために、タッチ感知オーバーレイ114は、表示領域206及び非表示領域208を覆うように延びる。ディスプレイエリア206上のタッチが検出され得、たとえば、表示された選択可能な特徴に関連付けられ得る。非表示領域208上のタッチは、例えば、メタナビゲーションジェスチャを検出するために検出され得る。代替的に、メタナビゲーションジェスチャは、非表示エリア208と表示エリア206の両方によって決定され得る。タッチセンサの密度は、表示領域206と非表示領域208とで異なってもよい。例えば、相互容量タッチ感知ディスプレイにおけるノードの密度、又は1つの層の電極が別の層の電極と交差する場所の密度は、表示領域206と非表示領域208との間で異なり得る。
[0034]タッチ感知ディスプレイ118上で受信されたジェスチャは、メタナビゲーションジェスチャと他のタッチまたは非メタナビゲーションジェスチャとを区別するために、属性に基づいて分析され得る。メタナビゲーションジェスチャは、ジェスチャが、表示領域206と非表示領域208との間の境界210などの、ディスプレイ112の周辺付近の境界を横切るときに識別され得る。図2の例では、メタナビゲーションジェスチャの原点は、非表示領域208を覆うタッチ感知オーバーレイ114の領域を利用して決定され得る。
[0035]ディスプレイエリア206と非ディスプレイエリア208との間の境界210の周りに延びるバッファ領域212またはバンドは、タッチが境界210およびバッファ領域212の外側に原点を有し、境界210の内側の点までバッファ領域212を横断し、境界210の上を横断するときにメタナビゲーションジェスチャが識別されるように利用され得る。図2に示されているが、バッファ領域212は見えなくてもよい。これに代えて、バッファ領域212は、例えば、境界210を中心とした所定の画素数分の幅を有する領域であってもよい。代替的に、境界210は、所定の数のタッチセンサまで延在し得るか、または表示エリア206から所定の距離だけ延在し得る。境界210は、タッチ感知領域であってもよく、又はタッチが検出されない領域であってもよい。)

「[0040] The process may be carried out in any suitable application, such as, a home screen application, an email application, a text messaging application, a calendar application, a tasks application, an address book application, a web browser application, or any other suitable application. Information from the application, referred to as the first application, is displayed on the touch-sensitive display 118 of the portable electronic device 100 at 402. When a touch is detected at 404, the process continues at 406 and a determination is made whether or not the touch is a meta-navigation gesture. The determination is made based on the attributes of the touch as described above. In response to determining that the touch is not a meta-navigation gesture, which may be a tap on the touch-sensitive display 118 or may be a non-meta navigation gesture, the touch data is utilized in association with the first application for which information is displayed on the touch-sensitive display 118 at the time the gesture is received, at 408. In response to identifying the touch as a meta- navigation gesture at 406, the touch data is utilized in a second application and information associated with the second, or with a further application, is displayed on the touch-sensitive display 118 at 410. The information associated with the second application may be overlaid on the information associated with the first application, for example, to facilitate navigation back to the information associated with the first application. Alternatively, the information associated with the second application may include, for example, information from a system level navigation interface, a configuration interface, a notification interface, a status interface, a menu interface, or information associated with any other interface.
[0041] Referring again to FIG. 3, the touches 302, 304, 306, 308, 310, 312, 314, 316 identified as meta-navigation gestures may each be associated with information from an application such that attributes of the meta-navigation gesture such as the origin point, may be utilized to determine which application the meta-navigation gesture is associated with. FIG. 5 illustrates examples of associations between meta-navigation gestures and information from applications, other than the application associated with the information displayed on the touch-sensitive display 118 at the time the gesture is received. The relationships shown in FIG. 5 are shown for illustrative purposes only and are interchangeable. Further applications and alternative associations may be utilized. Further applications and alternative associations may be utilized. The terms top, bottom, right, and left are utilized herein for the purpose of providing a reference and refer to an area of the portable electronic device 100 relative to the orientation in which the information associated with the application is displayed.」
(当審訳:
[0040]プロセスは、ホームスクリーンアプリケーション、電子メールアプリケーション、テキストメッセージングアプリケーション、カレンダーアプリケーション、タスクアプリケーション、アドレス帳アプリケーション、ウェブブラウザアプリケーション、または任意の他の適切なアプリケーションなど、任意の適切なアプリケーションにおいて実行され得る。402において、第1のアプリケーションと呼ばれるアプリケーションからの情報が、ポータブル電子デバイス100のタッチ感知ディスプレイ118上に表示される。404においてタッチが検出されると、プロセスは406に進み、タッチがメタナビゲーションジェスチャであるか否かの判定が行われる。この判定は、上述したようにタッチの属性に基づいて行われる。タッチが、タッチ感知ディスプレイ118上のタップであってもよく、又は非メタナビゲーションジェスチャであってもよいメタナビゲーションジェスチャではないと判定したことに応答して、408において、ジェスチャが受信された時点でタッチ感知ディスプレイ118上に情報が表示されている第1のアプリケーションに関連して、タッチデータが利用される。406においてタッチをメタナビゲーションジェスチャとして識別することに応答して、410において、タッチデータが第2のアプリケーションにおいて利用され、第2のアプリケーション又は更なるアプリケーションに関連付けられた情報がタッチ感知ディスプレイ118上に表示される。第2のアプリケーションに関連付けられた情報は、例えば、第1のアプリケーションに関連付けられた情報に戻るナビゲーションを容易にするために、第1のアプリケーションに関連付けられた情報にオーバーレイされ得る。代替的に、第2のアプリケーションに関連付けられた情報は、たとえば、システムレベルナビゲーションインターフェース、構成インターフェース、通知インターフェース、ステータスインターフェース、メニューインターフェースからの情報、または任意の他のインターフェースに関連付けられた情報を含み得る。
[0041]再び図3を参照すると、メタナビゲーションジェスチャとして識別されたタッチ302、304、306、308、310、312、314、316はそれぞれ、原点などのメタナビゲーションジェスチャの属性を利用して、メタナビゲーションジェスチャがどのアプリケーションに関連付けられているかを決定することができるように、アプリケーションからの情報に関連付けることができる。図5は、メタナビゲーションジェスチャと、ジェスチャが受信された時点でタッチ感知ディスプレイ118上に表示された情報に関連付けられたアプリケーション以外のアプリケーションからの情報との間の関連付けの例を示す。図5に示される関係は、例示の目的のみのために示され、交換可能である。さらなるアプリケーションおよび代替的な関連付け利用することができる。さらなるアプリケーションおよび代替的な関連付け利用することができる。上、下、右、および左という用語は、参照を提供する目的で本明細書で利用され、アプリケーションに関連する情報が表示される向きに対するポータブル電子デバイス100のエリアを指す。)

「[0044] The lateral gesture from either the left side or the right side of the touch-sensitive display 118 may cause the information associated with the current application 502 to be reduced in size to provide a visual cue of other active applications prior to replacing the information with the previous application 506 or the next application 508. For example, a portion of the information of the previous application 506 may be displayed in a thin sliver adjacent the edge or edges of the display area 206 during the gesture and prior to replacement of the information associated with the current application 502. The information associated with the current application 502 may be replaced with the previous or next application 508 as the gesture continues. In an alternative example, a portion of the information of the previous application 506 or a portion of the information for the next application 508 may be displayed in a thin sliver adjacent the edges of the display area 206 in response to a receipt of a first lateral gesture. In this example, a swipe within the thin sliver may cause scrolling of the next and last applications in a list. A second lateral meta- navigation gesture such as the gestures 304, 306 may be utilized to cause the information associated with the current application 502, which information is reduced in size, to be replaced.」
(当審訳:
[0044]タッチ感知ディスプレイ118の左側又は右側のいずれかからの横方向のジェスチャは、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報のサイズを縮小させて、情報を前のアプリケーション506又は次のアプリケーション508に置き換える前に、他のアクティブなアプリケーションの視覚的キューを提供することができる。例えば、前のアプリケーション506の情報の一部は、ジェスチャの間、および現在のアプリケーション502に関連付けられた情報の置換の前に、表示領域206の1つまたは複数のエッジに隣接する薄いスライバーに表示され得る。現在のアプリケーション502に関連付けられた情報は、ジェスチャが継続するにつれて、または次のアプリケーション508と置き換えられ得る。代替例では、前のアプリケーション506の情報の一部分または次のアプリケーション508の情報の一部分は、第1の横方向のジェスチャの受信に応答して、表示領域206の縁に隣接する細い細長い一片で表示され得る。この例では、細いスライバー内のスワイプは、リスト内の次のアプリケーションおよび最後のアプリケーションのスクロールを引き起こし得る。ジェスチャ304、306などの第2の横方向メタナビゲーションジェスチャを利用して、現在のアプリケーション502に関連現在のアプリケーションに関連する情報を置換することができる。)

「[0046] The meta-navigation gesture 310, which originates near a top, left corner of the touch-sensitive display 118, causes information associated with a notification application 512 to be tiled over the information associated with the current application 502. Similarly, the meta-navigation gesture 312, which originates near a top, right corner of the touch-sensitive display 118, causes information associated with the notification application 512 to be tiled over the information associated with the current application 502.」
(当審訳:
[0046]メタナビゲーションジェスチャ310は、タッチ感知ディスプレイ118の左上隅の近くで発生し、通知アプリケーション512に関連付けられた情報を、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報の上にタイル表示させる。同様に、メタナビゲーションジェスチャ312は、タッチ感知ディスプレイ118の右上隅ナビゲーションジェスチャは、通知アプリケーション512に関連付けられた情報を、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報の上にタイル表示させる。)

「図3



「図5



したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「タッチ感知ディスプレイ118を含むポータブル電子デバイス100において、
プロセスは、ホームスクリーンアプリケーションなど、任意の適切なアプリケーションにおいて実行され、
第1のアプリケーションからの情報が、タッチ感知ディスプレイ118上に表示され、
タッチ感知ディスプレイ118の左側又は右側のいずれかからの横方向のジェスチャは、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報のサイズを縮小させて、情報を前のアプリケーション506又は次のアプリケーション508に置き換える前に、他のアクティブなアプリケーションの視覚的キューを提供し、
メタナビゲーションジェスチャ310は、タッチ感知ディスプレイ118の左上隅の近くで発生し、通知アプリケーション512に関連付けられた情報を、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報の上にタイル表示させる
方法。」

2.引用文献2について
令和 3年 9月 8日付けの拒絶査定に引用された引用文献2(国際公開第2011/126502号)には、図面とともに次の事項が記載されている(以下、「引用文献2記載の技術的事項」という。)。

「[00186] In Figure 5DD, in response to detecting gesture 525 at the location that corresponds to link 5020-1, the corresponding web page is displayed in web browser application view 5004-5. Figure 5DD also illustrates that input 527 (e.g., a single or double click on home button 204) is detected.
[00187] Figure 5EE illustrates that, in response to detecting input 527, a portion of home screen 5001, web browser application view 5008-12, and a portion of mail application view 5008-10 are displayed. Figure 5EE also illustrates that tap gesture 535 can be detected at a location that corresponds to image 5008-10 of mail application. In response to detecting tap gesture 535, mail application view 5004-4 (as shown in Figure 5CC) will be displayed without concurrently displaying any other application view. Figure 5EE also illustrates that swipe gesture 529 can be detected on touch screen at a location that corresponds to mail application view 5008-10, and in Figure 5FF, in response to detecting swipe gesture 529, application views (e.g., 5008-10 and 5008-12) are scrolled, and a portion of map application view 5008-6 is displayed.」
(当審訳:
[0186]図5DDでは、リンク5020-1に対応する位置でのジェスチャ525の検出に応答して、対応するウェブページがウェブブラウザアプリケーションビュー5004-5に表示される。図5DDはまた、入力527(例えば、ホームボタン204のシングルまたはダブルクリック)が検出されることを示す。
[0187]図5EEは、入力527の検出に応答して、ホーム画面5001の一部、ウェブブラウザアプリケーションビュー5008-12、及びメールアプリケーションビュー5008-10の一部が表示されることを示す。図5EEはまた、タップジェスチャ535が、メールアプリケーションの画像5008-10に対応する位置で検出され得ることを示す。タップジェスチャ535の検出に応答して、メールアプリケーションビュー5004-4(図5CCに示す)が、他のアプリケーションビューを同時に表示することなく表示される。図5EEはまた、スワイプジェスチャ529が、メールアプリケーションビュー5008-10に対応する位置でタッチスクリーン上で検出され得ることを示し、図5FFでは、スワイプジェスチャ529の検出に応答して、アプリケーションビュー(例えば、5008-10及び5008-12)がスクロールされ、地図アプリケーションビュー5008-6の一部が表示される。)

「図5EE



「図5FF



第4 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア.引用発明における「タッチ感知ディスプレイ118」は、本願発明1における「タッチ感知ディスプレイ」に相当し、引用発明における「ポータブル電子デバイス100」は、本願発明1における「電子デバイス」に相当するから、引用発明の「タッチ感知ディスプレイ118を含むポータブル電子デバイス100」は、後述する相違点を除いて、本願発明1における「タッチ感知ディスプレイを含む電子デバイス」に相当する。

イ.引用発明の「第1のアプリケーションからの情報が、タッチ感知ディスプレイ118上に表示され」ることは、「第1のアプリケーションからの情報」を何らかのインターフェイスとして「タッチ感知ディスプレイ118上に表示」するものであるから、本願発明1における「マルチページアプリケーション起動インタフェースを前記タッチ感知ディスプレイに表示すること」と、「インタフェースを前記タッチ感知ディスプレイに表示すること」において共通する。

ウ.引用発明の「タッチ感知ディスプレイ118の左側又は右側のいずれかからの横方向のジェスチャ」は、「タッチ感知ディスプレイ118」の端部からのスワイプジェスチャであることから、本願発明1における「前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャ」に相当し、また「第1の入力」といえるものであるから、上記イを参酌すると、引用発明の「第1のアプリケーションからの情報が、タッチ感知ディスプレイ118上に表示され」ている際に、「タッチ感知ディスプレイ118の左側又は右側のいずれかからの横方向のジェスチャ」がなされることは、本願発明1における「前記マルチページアプリケーション起動インタフェースを表示している間に第1の入力を検出することであって、前記第1の入力を検出することは、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャを検出することを含む、検出すること」と、「前記インタフェースを表示している間に第1の入力を検出することであって、前記第1の入力を検出することは、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャを検出することを含む、検出すること」という点で共通する。

エ.引用発明の「タッチ感知ディスプレイ118の左側又は右側のいずれかからの横方向のジェスチャは、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報のサイズを縮小させて、情報を前のアプリケーション506又は次のアプリケーション508に置き換える前に、他のアクティブなアプリケーションの視覚的キューを提供」することは、「タッチ感知ディスプレイ118の左側又は右側のいずれかからの横方向のジェスチャ」がなされたことに従って行われる処理であり、その際「横方向のジェスチャ」の検出に応じて、当該「ジェスチャ」が何らかの満たされるべき基準を満たすとの判断がなされることは明らかであるから、本願発明1における「前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの第1の端部において開始され、前記第1の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第1の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定」が行われることに相当する。

オ.引用発明の「現在のアプリケーション502に関連付けられた情報のサイズを縮小させて、情報を前のアプリケーション506又は次のアプリケーション508に置き換える前に、他のアクティブなアプリケーションの視覚的キューを提供」することについて、「他のアクティブなアプリケーション」は、本願発明1における「開いているアプリケーション」に相当し、引用発明の「他のアクティブなアプリケーションの視覚的キュー」は、本願発明1における「開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現」とは、「開いているアプリケーションに対応するユーザインタフェースの表現」という点で共通する。また、引用発明の「他のアクティブなアプリケーションの視覚的キュー」は、他のアプリケーションに切り替えるために表示されるものであり、元々表示されている「現在のアプリケーション502に関連付けられた情報」とは異なるものであるから、本願発明1における「アプリケーション切替ユーザインタフェース」及び「第2のユーザインタフェース」に相当する。よって、引用発明の「現在のアプリケーション502に関連付けられた情報のサイズを縮小させて、情報を前のアプリケーション506又は次のアプリケーション508に置き換える前に、他のアクティブなアプリケーションの視覚的キューを提供」することは、本願発明1における「開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現の同時の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記複数のユーザインタフェースは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示すること」と、「開いているアプリケーションに対応するユーザインタフェースの表現の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記ユーザインタフェースは、前記インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示すること」という点で共通する。

カ.引用発明の「メタナビゲーションジェスチャ310は、タッチ感知ディスプレイ118の左上隅の近くで発生」することで、「通知アプリケーション512に関連付けられた情報を、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報の上にタイル表示させる」ことは、「タッチ感知ディスプレイ118の左上隅の近くで発生」したスワイプジェスチャがなされたことに従って行われる処理であり、その際、当該スワイプジェスチャの検出に応じて、当該スワイプジェスチャが何らかの満たされるべき基準を満たすとの判定がなされていることは明らかであるから、本願発明1における「前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第2の端部において開始され、前記第2の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第2の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定」が行われることに相当する。また、引用発明の「通知アプリケーション512に関連付けられた情報」は、本願発明1における「直近に受信した通知を含む通知インタフェース」に相当する。
以上のことから、引用発明の「メタナビゲーションジェスチャ310は、タッチ感知ディスプレイ118の左上隅の近くで発生し、通知アプリケーション512に関連付けられた情報を、現在のアプリケーション502に関連付けられた情報の上にタイル表示させる」ことは、本願発明1における「前記スワイプジェスチャを検出することに応じて」、「前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第2の端部において開始され、前記第2の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第2の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、直近に受信した通知を含む通知インタフェースを表示すること」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「タッチ感知ディスプレイを含む電子デバイスにおいて、
インタフェースを前記タッチ感知ディスプレイに表示することと、
前記インタフェースを表示している間に第1の入力を検出することであって、前記第1の入力を検出することは、前記タッチ感知ディスプレイの個別の端部において開始されるスワイプジェスチャを検出することを含む、検出することと、
前記スワイプジェスチャを検出することに応じて、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの第1の端部において開始され、前記第1の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第1の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、開いているアプリケーションに対応するユーザインタフェースの表現の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記ユーザインタフェースは、前記インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示することと、
前記スワイプジェスチャが前記タッチ感知ディスプレイの前記第1の端部とは異なる前記タッチ感知ディスプレイの第2の端部において開始され、前記第2の端部から離れるように移動すると満たされる基準を含む第2の基準を前記スワイプジェスチャが満たすとの判定に従って、直近に受信した通知を含む通知インタフェースを表示することと、
を含む、
方法。」

(相違点1)
「前記タッチ感知ディスプレイに表示する」「インタフェース」について、本願発明1では、「マルチページアプリケーション起動インタフェース」であるのに対して、引用発明では、「マルチページアプリケーション起動」インタフェースであるかは不明である点。

(相違点2)
本願発明1は、「開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現の同時の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示する」ものであるのに対して、引用発明は「複数の」ユーザインタフェースの表現を「同時に」表示するのかは不明である点。

(相違点3)
本願発明1は、「前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記スワイプジェスチャが前記第1の端部から離れて移動するのにつれて、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの表現の大きさを次第に減少させることを含む」ものであるのに対して、引用発明はそれを含むものではない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点3について先に検討すると、相違点3に係る本願発明1の「前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記スワイプジェスチャが前記第1の端部から離れて移動するのにつれて、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの表現の大きさを次第に減少させることを含む」という構成は、引用文献1及び2には記載も示唆もされておらず、また、本願の優先日前において周知技術であるとも言えない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、及び引用文献2記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2−11について

本願発明2−11は、いずれも,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により、当業者であっても引用発明、及び引用文献2記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3.本願発明12について

本願発明12は、「方法」である本願発明1とカテゴリー違いで実質的に同様内容の「電子デバイス」に係る発明であるので、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明、及び引用文献2記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4.本願発明13について

本願発明13は、本願発明12と同一の構成を備えるものであるから,本願発明12と同じ理由により、当業者であっても引用発明、及び引用文献2記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

5.本願発明14について

本願発明14は、本願発明1と実質的に同様内容を電子デバイスに実行させる「プログラム」に係る発明であるので、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明、及び引用文献2記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4.本願発明15について

本願発明15は、本願発明14と同一の構成を備えるものであるから,本願発明14と同じ理由により、当業者であっても引用発明、及び引用文献2記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第5 当審拒絶理由について

当審では、請求項1,12,14の「第1の入力を検出すること」、及び「前記第1の入力が前記タッチ感知ディスプレイの第1の端部において開始されると満たされる基準を含む第1の基準を前記第1の入力が満たすとの判定に従って、開いているアプリケーションに対応する複数のユーザインタフェースの表現の同時の表示を含むアプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することであって、前記複数のユーザインタフェースは、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースとは異なる第2のユーザインタフェースを含む、表示すること」における「表示すること」という記載の内容が不明確であるから、この出願は、特許請求の範囲が特許法第36条第6項第2項に規定する要件を満たしていないとの拒絶の理由を通知しているが、令和 4年 8月17日付けの手続補正において、「スワイプジェスチャを検出すること」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第6 原査定の概要及び原査定についての判断

原査定は、請求項1,9−15に係る発明は、以下の引用文献1−2に記載された発明に基づいて、請求項2に係る発明は、以下の引用文献1−3に記載された発明に基づいて、請求項3−8に係る発明は、以下の引用文献1−2,4に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないというものである。
しかしながら、令和 4年 8月17日付け手続補正により補正された請求項1,12,14は、それぞれ「前記アプリケーション切替ユーザインタフェースを表示することは、前記スワイプジェスチャが前記第1の端部から離れて移動するのにつれて、前記マルチページアプリケーション起動インタフェースの表現の大きさを次第に減少させることを含む」という構成を有するものとなっており、上記の通り、本願発明1−15は、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2−4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

引用文献等一覧
1.国際公開第2012/037664号
2.国際公開第2011/126502号
3.特開2013−73466号公報
4.米国特許出願公開第2010/0231533号明細書

第7 むすび

以上のとおり、本願発明1−15は、当業者が引用発明、及び引用文献2−4記載の技術的事項に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-10-25 
出願番号 P2020-085456
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 富澤 哲生
▲高▼瀬 健太郎
発明の名称 ナビゲーション及び検索機能を提供するためのデバイス、方法、及びグラフィカルユーザインタフェース  
代理人 弁理士法人大塚国際特許事務所  

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