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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H02J |
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管理番号 | 1390391 |
総通号数 | 11 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-01-11 |
確定日 | 2022-11-08 |
事件の表示 | 特願2020−504332「充電装置のテストボード、テストシステム及びテスト方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 4月 2日国際公開、WO2020/062235、令和 3年 1月21日国内公表、特表2021−502042、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)9月30日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年 1月29日 :手続補正書の提出 令和3年 2月 5日付け:拒絶理由通知書 令和3年 5月 6日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年10月 7日付け:拒絶査定(原査定) 令和4年 1月11日 :審判請求書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和3年10月7日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。 この出願の請求項1〜14に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1〜3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:米国特許出願公開第2013/0346025号明細書 引用文献2:特開2016−158364号公報 引用文献3:特開2013−94048号公報 第3 本願発明 本願の請求項1〜14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明14」という。)は、令和3年5月6日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1〜14に記載された事項により特定される発明であり、このうち、本願発明1は、以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 充電装置のテストボードであって、 充電装置と負荷モジュールとにそれぞれ接続される接続回路であって、前記充電装置が前記接続回路を介して前記負荷モジュールとテスト回路を形成するようにする接続回路と、 上位コンピュータと通信する第1の通信モジュールと、 前記充電装置と通信する第2の通信モジュールと、 前記第1の通信モジュールと第2の通信モジュールとに接続され、前記第1の通信モジュールを介して前記上位コンピュータによって送信された命令情報を受信し、前記テストボード又は前記充電装置がテスト命令を実行するように、前記命令情報に基づいて対応する前記テスト命令を生成する制御モジュールと、を含み、 前記テストボードが前記テスト命令を実行する場合、前記テスト命令に基づいて指示された異常状態を実行し、前記充電装置の作動状態情報を採集し、前記作動状態情報は、前記充電装置が保護状態に進入したか否かを示すものである、 ことを特徴とする充電装置のテストボード。」 なお、本願発明2〜10は、本願発明1を減縮した発明である。また、本願発明11及び12は、それぞれ本願発明1を「テストシステム」及び「テスト方法」の発明として特定したものであって、実質的にカテゴリ表現が異なるだけの発明であり、本願発明13及び14は、本願発明12を減縮した発明である。 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1の記載事項及び引用発明について 原査定の拒絶の理由に引用された前記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は強調のため当審にて付した。以下同様。)。 「[0054] Referring now to FIG. 1, a modular block diagram of an embodiment of an electric vehicle (EV) charger testing system 100 is shown. In this embodiment, the charger testing system 100 is comprised of a user interface 102, a primary load module 104, a controller 106, electronic memory 108, an electronic interface module 110, a logging monitor 112, and a verification module 114. The charger test system 100 is shown in communication with an electric vehicle charging station 116 having a power out 118, user interface 120, control module 122, and electronic interface 124. The power out 118 provides power to the primary load module 104 via a power line 126, and the electronic interface 124 is in communication with the electronic interface module 110 via a communication line 128. In some related embodiments, the electronic interface module 110 is also connected via another communication line 130 to a computer or external controller 132. In yet other embodiments, the computer or controller 132 is integrated as part of the charger testing system 100, as indicated by box 134. [0055] The user interface 102 of the charger testing system 100 is comprised of displays, output devices, indicators, gauges, input devices, buttons, dials, and other related components for receiving and providing data between a user and the charger testing system 100. In some embodiments, the user interface comprises a keyboard for input and an electric monitor or other display device for output of information. The user interface 102 is connected to the controller 106, as the controller receives and interprets the inputs and produces the signals sent to the output devices that are part of the user interface 102. An exemplary user interface module provides a keyboard and data terminal that allows the user to access key control and data parameters and enables the user to execute commands including initiate, start, stop, emergency stop, and display. The user interface module may also be configured to provide lights, sounds and other alerts regarding the state of charging. [0056] The primary load module 104 of the charger testing system 100 acts as an electrical energy absorbing element for the system. One of its functions is to receive and absorb power output from the charging station 116. For example, absorbing the power may be completed by dissipating the energy as heat in a resistor or storing the energy in an energy storage system such as a capacitor or battery. In some embodiments it is advantageous to use a resistive element in the primary load module 104 in order to allow more frequent testing of the charging station 116 without a need to discharge an energy storage means in some fashion. However, an energy storage means may be preferable in cases where energy conservation is important since the energy of the energy storage means may be reused for other purposes, including acting as an energy source for the rest of the charger testing system 100. Therefore, embodiments having resistive and energy storage components may be advantageous in both situations.」 (当審訳: [0054] ここで図1を参照すると、電気自動車(EV)充電装置試験システム100の一実施形態のブロック図が示されている。この実施形態では、充電装置試験システム100は、ユーザインタフェース102、一次負荷モジュール104、コントローラ106、メモリ108、電子インタフェースモジュール110、モニタ112、検証モジュール114を備えている。充電装置試験システム100は、電力出力118、ユーザインタフェース120、制御モジュール122、および電子インタフェース124を有する電気自動車充電ステーション116と通信するように示される。電力出力118は、電力線126を介して一次負荷モジュール104に電力を供給し、電子インタフェース124は、通信回線128を介して電子インタフェースモジュール110と通信している。いくつかの関連した実施形態において、電子インタフェースモジュール110は、他の通信ライン130を介してコンピュータまたは外部コントローラ132にも接続される。さらに他の実施形態では、ボックス134で示されるように、コンピュータまたは制御装置132は、充電システム100の一部として統合される。 [0055] 充電装置試験システム100のユーザインタフェース102は、ユーザとシステム100との間でデータを受信および提供するための表示装置、出力装置、表示器、ゲージ入力デバイス、ボタン、ダイヤル、および他の関連成分から構成されている。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、入力のためのキーボード及び情報の出力用のモニタ又は他のディスプレイ装置を含む。ユーザインタフェース102は、コントローラ106に接続され、コントローラは、入力を受け取り、解釈し、ユーザインタフェース102の一部である出力装置に送られる信号を生成する。例示的なユーザインタフェースモジュールは、ユーザがキー制御パラメータ及びデータパラメータにアクセスすることを可能にするキーボード及びデータ端末を提供し、ユーザがコマンドを実行することを含めて、開始、停止、非常停止、および表示を開始することを可能にする。また、ユーザインタフェースモジュールは、充電の状態を光、音、および他のアラートを提供するように構成されてもよい。 [0056] 充電装置試験システム100の一次負荷モジュール104は、システムのための電気エネルギー吸収要素として作用する。その機能の1つは、充電ステーション116から電力出力を受信し、吸収することである。例えば、電力の吸収は、抵抗器で熱としてエネルギーを消散させ、または、コンデンサや蓄電池などのエネルギー蓄積システム内にエネルギーを蓄積することによって達成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積手段を何らかの方法で放電することを要せずに、充電ステーション116のより頻繁な試験を可能にするために、一次負荷モジュール104における抵抗素子を使用することが有利である。しかしながら、エネルギー蓄積手段のエネルギーは、帯電試験システム100の残りの部分のためのエネルギー源として作用することを含む、他の目的のために再使用することができるので、エネルギー保存が重要である場合は、エネルギー蓄積手段が好ましい。したがって、抵抗およびエネルギー蓄積構成要素を有する実施形態は、両方の状況において有利であり得る。) 「[0059] A controller 106 is provided in this embodiment to manage, monitor, and report on the operation of other components of the charger testing system 100. For example, the controller 106 may be used to control the primary load module 104 in order to simulate an EV while power is being received from the charging station 116. Furthermore, the controller 106 may be used to interpret user input, execute instructions, and provide information to the user interface 102, logging monitor 112, verification module 114, memory 108, and electronic interface module 110, and to perform other related functions. In this case, the controller 106 may use sensors such as current, voltage, or temperature transducers as a source of information. The controller 106 can be advantageously embodied as a microprocessor, hardware logic controller, general purpose computer, or other control device capable of completing testing procedures. Preferably, the test system controller 106 comprises a digital reprogrammable controller containing memory and control logic sufficient to encompass the requirements for a wide variety of charger testing. This allows the controller to profile specific charge loads and to execute specific charge load profiles in a charging process for testing purposes. An external computer or controller 132 may be used to send and receive instructions to and from the testing system 100, such as updating or adding to charging protocols stored by the memory 108 or receiving alerts of faults in the tester operation received by the electronic interface module 110. Such an external computer 132 may be connected through a serial interface for bidirectional communication.」 (当審訳: [0059] コントローラ106は、本実施形態において、充電装置試験システム100の他の構成要素の動作を管理し、監視し、報告することに供される。例えば、コントローラ106は、電力が充電ステーション116から受信されている間、EVをシミュレートするために一次負荷モジュール104を制御するのに使用することができる。さらに、コントローラ106は、ユーザ入力を解釈し、命令を実行し、ユーザインタフェース102、モニタ112、検証モジュール114、メモリ108および電子的インタフェースモジュール110に情報を提供し、そして、他の関連する機能を実行するのに使用することができる。この場合、コントローラ106は、情報源として、電流、電圧、または温度変換器のようなセンサを使用することができる。コントローラ106は、試験手順を実行することができるマイクロプロセッサ、ハードウェア論理コントローラ、汎用コンピュータ、又はその他の制御装置として具体化されるのが好ましい。好ましくは、試験システムのコントローラ106は、様々な充電装置試験のための要件を包含するのに十分なメモリ及び制御ロジックを含んだデジタル再プログラム可能なコントローラを備える。これにより、コントローラは、特定の充電負荷をプロファイリングし、試験目的のための充電プロセスにおいて特定の充電の負荷プロファイルを実行することができる。外部コンピュータまたはコントローラ132は、試験システム100に命令を送信および試験システム100から命令を受信するのに使用することができ、例えば、メモリ108に記憶された充電プロトコルを更新又は追加し、または、試験操作中に電子インタフェースモジュール110により受信された故障の警告を受信する。このような外部コンピュータ132は、双方向通信のために、シリアルインタフェースを介して接続されてもよい。) 「[0061] The electronic interface module 110 interfaces with the electronic interface 124 of the charging station 128. In some embodiments the electronic interface module 110 comprises one or more communication interfaces and/or signal generators that are enabled to provide verification signals in compliance with the charging protocol being tested by the charger testing system 100. For example, if a first charging protocol requires a signal generator to provide a pilot signal indicating the status of an EV before the EV charging station outputs power through the power line 126, the electronic interface module 110 is a pilot signal generator controlled by the controller 106 or an external control means 132 that outputs the required signal to cause the charging station to provide power as if it was providing power to an EV. The electronic interface module 110 may also be a bidirectional communications interface (as indicated by the bidirectional arrow of the communication channel 128, where information is exchanged between the charger testing system 100 and the charger 116 such as the electronic interface module 110 sending status information to the charger and the charger 116 sending fault information or other information about the state of charging or the state of the charger 116 to the electronic interface module 110. In some embodiments, multiple communication lines 128 are implemented between the testing system 100 and the charging station 116, such as when the charging protocol being tested requires multiple simultaneous lines of communication. For example, because some charging protocols require an electronic switching interface and a bidirectional communications interface to simultaneously send and receive information, multiple communication lines 128 may be used to support those protocols. Supporting many existing charging protocols may require that up to eighteen (18) different lines may be established as communication lines 128 and power lines 126 to exchange signals and to receive energy from the charging station 116. In some embodiments the electronic interface module 110 is a vehicle communications system including but not limited to vehicle to vehicle (V2V), Wireless Access in Vehicular Environments (WAVE), On Board Units (OBU), On Board Diagnostics (OBD), Ethernet, Power Over Ethernet (POE), RS232, RS485, Control Access Networks (CAN), and other comparable and future communications protocols. Some protocols require a handshaking of signals between a vehicle and the charging station, such as TEPCO(R) CHAdeMO(R), where a switching interface is used by the vehicle to verify that the vehicle is properly connected to the charging station, is ready to receive a charge, or other confirmation signals are exchanged. In these embodiments, the electronic interface module 110 also includes the switching interface that allows the charging station to provide energy to the testing system as if the testing system was a properly connected EV. Existing EV charging protocols that may be supported by electronic interface modules of embodiments of the invention include SAE J1772, IEC 62196, and CHAdeMO(R). The electronic interface module 110 provides the appropriate physical interface for these communication standards when they are implemented as part of the testing system 100. In some embodiments, a bidirectional communications interface is included, but is used as if it were a one-way communication interface for complying with charging protocols that do not require information exchange back and forth between an EV (or charger testing system) and the charging station. [0062] In some embodiments a logging monitor 112 provides the functionality of logging and recording the EV charge sequence and power levels received from the charger 116 by the testing system 100 for later debug and analysis. In some embodiments, real-time debug and analysis is provided via the user interface displaying charge parameters to a user. The logging monitor 112 may be incorporated as part of the controller 106 or may be a separate or independent component of the system 100 used for logging purposes. If the logging monitor 112 is held separate from the controller 106, an extra source of data for verification of compliance with a charging protocol may be provided. [0063] In some embodiments a verification module 114 is provided that compares the charging protocol specifications to the output of the charger 116 and reports or stores a verification of whether the specifications are being properly followed in the charger 116. A verification module 114 contains active digital circuits which record the activity under test such as state of the charge sequence, sequence of events, voltage, amperage, temperature, and the communication sequence of the charger. The verification module 114 compares this data to accepted performance data within internal memory to ensure that the EV charge is working within an accepted performance envelope that is required by EV charging standards. The functions of the verification module 114 may also be incorporated in the operation of the controller 106. [0064] The power connections (or power lines) 126 link the power output 118 of the charging station 116 to the testing system's primary load module 104. The connection between these parts may advantageously position the power connections 126 within a charging cable that connects the system 100 and the station 116. Typically, the communication lines or connections 128 are also within the charging cable, but they may also be connected separately when appropriate. For example, a single power carrying charging cable may be used with multiple charging protocols, but different communications cables may be used for each different protocol. In many cases, each protocol will have a different charging cable specification, so multiple charging cables are used, each containing power lines and communication lines appropriate for the different protocols. For support of the CHAdeMO or J1772 protocol, two male power connectors provide DC power input to a vehicle, so the primary load module would be connected to an EV charger connection interface having two power connections to receive the power from the male power connectors. The EV charger connection interface would provide connections with protocol-compliant power ratings, sizes, and shapes to accommodate each supported protocol. Communication connections 128 or 130 may be established through wired or wireless means to provide flexibility for the user in completing the connections 128 or 130 in compliance with the established protocols. In some embodiments, such as embodiments designed to be configured to connect to future charging protocols, a set of terminal clips or screws or other grasping or fastening connectors may be provided as part of the power connections 126 and communication connections 128 to connect to terminals of EV charging standards that have not yet been implemented. Such connectors may be advantageously sized and designed to be attached to a bare wire within a charger cable for cases where power-carrying lines are inaccessible at a charger's connector. (当審訳: [0061] 電子インタフェースモジュール110は、充電ステーション128の電子インタフェース124に接続される。いくつかの実施形態において、電子インタフェースモジュール110は、充電試験システム100によって試験されている充電プロトコルに準拠して検証信号を発生することが可能な1以上の通信インタフェースおよび/または信号発生器を含む。例えば、第1の充電プロトコルは、EV充電ステーションが電力線126を介して電力を出力するまでに、EVの状態を示すパイロット信号を与えるための信号発生器を必要とする場合、電子インタフェースモジュール110は、コントローラ106又は外部コントローラ132により制御されるパイロット信号発生器であって、充電ステーションが、EVに電力を供給するかのように電力を供給させるための必要な信号を出力する。また、電子インタフェースモジュール110は、(通信チャネル128の双方向の矢印で示すように)双方向通信インタフェースであってもよく、充電装置試験システム100と充電装置116の間で情報が交換され、電子インタフェースモジュール110が充電装置に状態情報を送信したり、充電装置116が電子インタフェースモジュール110に障害情報、又は充電状態又は充電装置116の状態に関する他の情報を送信したりする。いくつかの実施形態では、試験される充電プロトコルが、複数の同時の通信線を必要とするときなど、試験システム100と充電ステーション116との間に、複数の通信回線128が実装される。例えば、いくつかの充電プロトコルは、同時に情報の送信と受信を行うための電子スイッチングインタフェースと双方向通信インタフェースを必要とするため、複数の通信回線128は、それらのプロトコルをサポートするために使用することができる。多くの既存の充電プロトコルをサポートするには、信号を交換し、充電ステーション116からエネルギーを受信するための通信線128と電力線126として、最大18本の異なるラインを確立することが求められる。いくつかの実施形態において、電子インタフェースモジュール110は、これに限定されないが、車両対車両(V2V)、Wireless Access in Vehicular Environments(WAVE)、車載装置(OBU)、車載式故障診断装置(OBD)、イーサネット、Power over Ethernet(POE)、RS232、RS485、Control Access Networks(CAN)、及び、その他の互換の、及び将来の通信プロトコル含む車両通信システムである。いくつかのプロトコルは、TEPCO(登録商標)、CHAdeMO(登録商標)のように、車両と充電ステーションとの間で信号の“ハンドシェーク”を要求し、車両が充電ステーションに正しく接続され、充電を受信する用意ができたことを車両が確認するために、スイッチングインタフェースが使用され、または、他の確認の信号が交換される。これらの実施形態において、電子インタフェースモジュール110は、試験システムが適切に接続されたEVであるかのように、充電ステーションは、試験システムにエネルギーを供給することを可能にするスイッチングインタフェースを含む。本発明の実施形態の電子インタフェースモジュールによりサポートされ得る既存のEV充電プロトコルは、SAEJ1772、IEC62196、CHAdeMO(登録商標)が挙げられる。これらの通信規格が試験システム100の一部として実装される場合、電子インタフェースモジュール110は、これらの通信規格のための適切な物理インタフェースを提供する。いくつかの実施形態では、双方向通信インタフェースを備えるものとしたが、EV(または充電装置試験システム)と充電ステーションとの間での情報交換を必要としない充電プロトコルに準拠する単方向通信インタフェースであるかのようにも使用される。 [0062] いくつかの実施形態において、ログ監視部112は、後のデバッグ及び分析のために、充電装置116から試験システム100に受信されたEV充電シーケンスおよび電力レベルをログ及び記録する機能を提供する。いくつかの実施形態において、リアルタイムのデバッグ及び解析が、ユーザに充電パラメータを表示するユーザインタフェースを介して提供される。ログ監視部112は、コントローラ106の一部として組み込まれてもよく、ログのために使用されるシステム100の別個の、又は独立した構成要素であってもよい。ログ監視部112は、コントローラ106から分離した状態に保たれる場合、充電プロトコルとの適合性を検証するための追加のデータ源を設けてもよい。 [0063] いくつかの実施形態では、充電プロトコル仕様を充電装置116の出力と比較し、充電装置116において仕様が適切に守られているかどうかの検証を報告または格納する検証モジュール114を備える。検証モジュール114は、例えば、テスト下の充電シーケンスの状態、イベントシーケンス、電圧、電流、温度、および充電装置の通信シーケンスのような活動を記録するアクティブデジタル回路を含む。検証モジュール114は、このデータを内部メモリ内の許容される性能データと比較して、EVの充電が、EV充電規格によって求められる一般に許容される性能の範囲で動作することを保証する。検証モジュール114の機能は、コントローラ106の動作に組み込むことができる。 [0064] 電力接続(または電力線)126は、充電ステーション116の電力出力118を、試験システムの一次負荷モジュール104に結合する。これらの部品の間の接続は、試験システム100と充電ステーション116とを接続する充電ケーブル内の電力接続126に配置するのが有利である。典型的には、通信線又は通信接続128もまた、充電ケーブル内にあるが、適切な場合、それらは別々に接続されてもよい。例えば、単一の電力伝送ケーブルが、複数の充電プロトコルと共に使用され得るが、異なる通信ケーブルを、それぞれ異なるプロトコルのために使用することができる。多くの場合、各プロトコルは、異なる充電ケーブル仕様を有するため、複数の充電ケーブルが用いられ、その各々は、異なるプロトコルに適した電力線と通信線を含む。CHAdeMOまたはJ1772プロトコルをサポートするために、2つの雄型電源コネクタが車両への直流電力の入力を供給し、一次負荷モジュールは、雄型電力コネクタから電力を受信するための2つの電力接続を有するEV充電装置接続インタフェースに接続される。EV充電装置接続インタフェースは、サポートする各プロトコルを収容するための、プロトコル準拠の電力定格、サイズ、および形状の接続を提供する。通信接続128又は130は、確立されたプロトコルに従って接続128または130を実行する際にユーザに柔軟性を提供するための有線または無線手段を介して確立することができる。今後の充電プロトコルに接続するように構成するように設計されている実施例のような、いくつかの実施形態において、一組の端子クリップ、ネジ、あるいは他の把持または固定コネクタを、まだ実装されていないEV充電規格の端子に接続するために、電力接続部126及び接続部128の一部として設けてもよい。このようなコネクタは、有利には、電力搬送ラインが充電装置のコネクタでアクセス不能な充電ケーブル内の裸のワイヤに取り付けられるように形成され、設計されてもよい。) 「[0078] FIG. 5 is a flowchart showing exemplary embodiments of a method of using a charger testing system. The testing method 500 begins with initiation of a test at step 502. This comprises starting up the EV charging station and charger testing system and establishing the power and communications connections necessary for a charge transfer to take place between them. Next, at step 504, a controller of the charger testing system receives charger characteristics and the charger protocol sequence, and continues to do so until all required parameters are gathered in step 506. In some embodiments the charger characteristics received in step 504 include charger identification information such as a serial number, EV charging protocols supported by the charging station, the status of the charging station, available power for charging, charging scheduling constraints, faults and error messages, charge rate requirements for voltage and current, safety checks such as leakage and ground checks, or the propriety of the connection between the charger and the charger testing system. Charger characteristics may be ascertained through the connection to the EV charging station, or may be supplied to the charger testing system through a user input device. In some embodiments, a memory device in the charger testing system stores a profile of a charging station and uses that information in supplement to any input characteristics or identifying information from a user or received via the communication connection to the charging station. [0079] A charger protocol sequence is a sequence of signals or events or instructions that are specific to a charging protocol or specification being used by the charging station. It defines the steps that need to be taken for a charge transfer to be completed between an EV and the charging station to which it is connected. For a charging protocol such as SAE J1772, the protocol sequence is a pulse train sequence or other signal that indicates that a vehicle is attached, but according to other protocols the sequence may contain more information such as a switching sequence sent to the charger along with another signal. In some embodiments this charger protocol sequence is not communicated independent from the charger characteristics, and it is received as part of information comprised in the characteristics of the charger or it is stored by memory of the charging tester. [0080] The testing system initiates the charger protocol in step 508. In some embodiments this means the controller of the charger testing system, which is embodied as a state machine, parses the charge characteristics and protocol sequence, checks to see if they are within charger specifications or fall within another appropriate range, and initiates the charge procedure by sending charge parameters, charge characteristics, and a request to begin charging to the charger. The protocol-specific signal and switch sequences which mimic an EV may also be provided to the charger. [0081] The charger testing system may then receive a charger response in step 510, if the protocol being tested has such a step, and the charger testing system supplies the appropriate load as if it were an EV prepared to receive charge in step 512. In presenting the charge load, the controller of the charger testing system may be required in some embodiments to adjust the settings of a charge load module, such as changing the electrical characteristics (e.g., resistance or impedance) of the load module, to mimic the characteristics of an EV that would be charged under the charge parameters that are to be tested by the testing system. The charging station then provides charge output to the load module and the testing system records or profiles the charge output in step 514 as it is provided. This recording or profiling may be performed continuously, at regular intervals, or intermittently depending on the nature of the charging protocol being tested, the behavior of the EV charger as it provides charge, or user preference. Recording and profiling may be done by sensing measurements of current, voltage, power, temperature, rate of change of these properties, or other relevant charging characteristics and then storing the measurements in a data storage medium such as a hard disk or memory device, displaying the measurements on a display or other output device, or transmitting the measurements to an external computer for analysis or storage. [0082] In some embodiments, the testing system then waits for the charge transfer to be completed, as shown in step 516, ends the charge sequence protocol in step 518, then ends the test in step 520. In other embodiments, one or more routines may be performed while charge is being provided to the testing system. For example, in some embodiments the charge load is adjusted while the charge is being provided, as shown in step 522, so the testing system monitors the charge output and changes the load module's properties in response. In some cases this means that the resistance of the load module is controlled and changed over time to mimic the change in resistance of the battery system of an EV that is being charged. In other embodiments, the load module's properties are changed in order to test the fault detection or other sensors of the charging station, such as in a testing simulation where a ground fault occurs during a charging event or there is a sudden change in battery resistance. The adjustment of charge load while charger output is received enables the testing system to more accurately imitate the load of an EV, such as an EV that has its resistance increase as the temperature of the battery system increases during charging. It also provides improvement over a static resistor bank or a resistor bank that is changed only before charge is received in the capability of the system to simulate a wider range of potential failure modes. [0083] In another exemplary embodiment, the charging parameters monitored and recorded in step 514 are compared to expected specification values in step 524. For example, this may mean that the testing system determines whether the current or voltage supplied to the load module falls within a range of acceptable values defined by the specification of the charging protocol being tested. If the measurements are within specification, the testing system continues with the charge transfer at step 516. If the measurements are not within specification, noncompliance of the charger is recorded and a secondary safety check is performed at step 526. For example, anomalous leakage current, false readings, over-temperature readings, error messages, inadvertent opening of a switch, or other noncompliant actions are recorded and a safety check of the data received is completed. In some embodiments, a safety check is not performed in step 526, and the process resumes at step 516 after noncompliance of the charge output is recorded. [0084] The safety check is a determination of whether the noncompliance of the charger determined in step 524 is dangerous, such as a charge output that may damage an EV, damage the charger testing system, or harm a user or other nearby person. If the safety check fails, the charge output from the charger is terminated in step 530 as a cutoff signal is sent to the charger or an alert is sent to a user to disable, adjust, or disconnect the charger. Afterward, the process resumes at step 518 or step 520. When the safety check is does not fail in step 528, the process resumes at step 516 without terminating the charge output from the charger.」 (当審訳: [0078] 図5は、充電装置試験システムを使用する方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。試験方法500は、ステップ502で試験を開始することから始まる。これは、EV充電ステーションおよび充電装置試験システムを起動し、それらの間で充電電送に必要な電力および通信の接続を確立することを含む。次に、ステップ504において、充電装置試験システムのコントローラは、充電特性および充電装置プロトコルシーケンスを受信し、ステップ506において全ての必要なパラメータが集められるまで、その実行を継続する。いくつかの実施形態では、ステップ504で受信する充電特性は、シリアルナンバーなどの充電装置識別情報、充電ステーションによってサポートされたEV充電プロトコル、充電ステーションの状態、充電に利用可能な電力、充電スケジューリング制約、障害およびエラーのメッセージ、電圧および電流の充電速度の要件、漏電およびグランドのチェックのような安全性チェック、または、充電装置と充電装置試験システムの間の接続の特性を含む。充電特性は、EV充電ステーションとの接続を介して確認され得るか、またはユーザ入力デバイスを介して充電装置試験システムに供給してもよい。いくつかの実施形態では、充電試験システムのメモリデバイスは、充電ステーションのプロファイルを記憶し、この情報は、ユーザから、または、充電ステーションとの通信接続を介して受信される任意の入力される特性や識別情報を補完するために用いられる。 [0079] 充電装置プロトコルシーケンスは、充電ステーションが使用する充電プロトコルまたは仕様に特有の信号またはイベントまたは命令のシーケンスである。それは、EVとそれが接続される充電ステーションとの間で行われる充電電送のために実行される必要があるステップを定義する。SAE J1772のような充電プロトコルについて、プロトコルシーケンスは、車両が装着されたことを示すパルス列のシーケンスまたは他の信号であるが、他のプロトコルによれば、シーケンスは、他の信号とともに充電装置に送信されるスイッチングシーケンスのように、より多くの情報を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、この充電装置プロトコルシーケンスは、充電装置の特性から独立に通信されることはなく、充電装置の特性に含まれる情報の一部として受信されるか、または充電装置試験装置のメモリに格納される。 [0080] 試験システムは、ステップ508において充電装置プロトコルを開始する。いくつかの実施形態において、充電装置試験システムのコントローラは、状態マシンとして実装され、充電特性およびプロトコルシーケンスを走査し、それらが充電仕様の範囲内か、または、その他の適切な範囲内に収まっているかどうかを確認し、充電パラメータ、充電特性、及び充電開始の要求を充電装置に送信することにより充電手順を開始する。EVを模倣するプロトコル特有の信号とスイッチシーケンスも、充電装置に提供され得る。 [0081] 試験されるプロトコルが、そのような工程を有する場合には、充電試験システムは、次に、ステップ510において、充電装置の応答を受信してもよく、ステップ512で、充電装置試験システムは、充電を受信する準備がされたEVであるかのように、適切な負荷を提供することができる。充電負荷の提供において、充電装置試験システムのコントローラは、いくつかの実施形態において、負荷モジュールの電気特性(例えば、抵抗またはインピーダンス)を変化させる等の充電負荷モジュールの設定を調整し、試験装置によって試験される充電パラメータの下で充電されるEVの特性を模倣することが必要になる。次に、ステップ514において、充電ステーションは、負荷モジュールに充電出力を提供し、試験システムは、提供された充電出力を記録し、または、プロファイリングする。この記録またはプロファイリングは、連続的に、一定間隔で、または試験される充電プロトコルの性質、充電を提供するEV充電装置の挙動、またはユーザの好みに応じて間欠的に行ってよい。記録およびプロファイリングは、電流、電圧、電力、温度、これらの特性の変化率、または他の関連する充電特性の測定値を検出し、次に、ハードディスク記憶装置等のデータ記憶媒体に測定値を格納し、ディスプレイまたは他の出力デバイス上に測定値を表示し、または分析または格納のために外部コンピュータへ測定値を送信することにより行うことができる。 [0082] いくつかの実施形態では、ステップ516に示すように、試験システムは、充電電送が完了するのを待ち、ステップ518で、充電シーケンスプロトコルを終了し、ステップ520で、試験を終了する。他の実施形態では、充電が試験システムに提供されている間に、一以上のルーチンを実行してもよい。例えば、いくつかの実施形態で、ステップ522に示すように、充電が提供されている間に、充電負荷を調整し、試験システムは充電出力を監視し、それに応答して、負荷モジュールの特性を変化させる。いくつかの場合、これは、充電中のEVのバッテリシステムの抵抗の変化を模倣するため、負荷モジュールの抵抗を制御し、経時的に変化させることを意味する。他の実施形態では、充電イベント中に地絡が発生する、または、バッテリーの抵抗が急激に変化する試験シミュレーションなどにおいて、充電ステーションの障害検出やその他のセンサを試験するために、負荷モジュールの特性を変化させる。充電装置の出力を受信している間の充電負荷の調整は、試験システムが、充電中にバッテリーシステムの温度が上昇するにつれて、その抵抗が増加するEVのように、EVの負荷をより正確に模倣することを可能にする。また、これは、固定の抵抗バンクまたは充電を受信する前にのみ変更することが可能な抵抗バンクを改良し、より広範囲の潜在的な故障モードをシミュレーションを行うためのシステムの能力を提供する。 [0083] 別の例示的な実施形態では、ステップ514において監視され記録された充電パラメータは、ステップ524において期待される仕様の値と比較される。例えば、これは、負荷モジュールに供給される電流または電圧が、試験されている充電プロトコルの仕様により規定される許容可能な値の範囲内に収まっているか否かを、試験システムが判定することを意味する。測定値が仕様の範囲内にある場合、システムは、ステップ516で充電電送を継続する。測定値が仕様の範囲内にない場合、充電装置の不遵守が記録され、ステップ526で第2の安全性チェックが行われる。例えば、異常漏電流、偽読取り値、温度超過読取り値、エラーメッセージ、スイッチの想定外の開放、またはその他の不遵守のアクションが記録され、受信されたデータの安全性チェックが実行される。いくつかの実施形態では、安全性チェックは、ステップ526で実行されず、充電出力の不遵守が記録された後、ステップ516で処理は再開される。 [0084] 安全性チェックは、ステップ524で判定された充電装置の不遵守が、例えば、EVに損傷を与え、充電装置試験システムに損傷を与え、またはユーザまたは傍にいる他の人を害し得るような危険なものかどうかの判定である。安全性チェックに失敗した場合、ステップ530において、カットオフ信号が充電装置に送信され、または、充電装置を無効、調節または切断させるためにユーザに警告が送信されて、充電装置からの充電出力を終了させる。その後、ステップ518またはステップ520で、処理が再開する。ステップ528で安全性チェックに失敗しない場合は、充電装置からの充電出力を終了させずに、ステップ516に戻る。) 「 ![]() 」 (当審訳: ![]() ) したがって、前記引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「 充電装置試験システム100であって([0054])、 ユーザインタフェース102、一次負荷モジュール104、コントローラ106、メモリ108、電子インタフェースモジュール110、モニタ112、検証モジュール114を備え([0054])、 電力出力118、ユーザインタフェース120、制御モジュール122、および電子インタフェース124を有する電気自動車充電ステーション116と通信し([0054])、 電力出力118は、電力線126を介して一次負荷モジュール104に電力を供給し、電子インタフェース124は、通信回線128を介して電子インタフェースモジュール110と通信し([0054])、 電子インタフェースモジュール110は、他の通信ライン130を介してコンピュータまたは外部コントローラ132にも接続され([0054])、 一次負荷モジュール104は、システムのための電気エネルギー吸収要素として作用し、充電ステーション116から電力出力を受信し、吸収し([0056])、 コントローラ106は、充電装置試験システム100の他の構成要素の動作を管理し、監視し、報告し([0059])、 外部コンピュータまたはコントローラ132は、試験システム100に命令を送信および試験システム100から命令を受信するのに使用することができ、例えば、メモリ108に記憶された充電プロトコルを更新又は追加し([0059])、 電子インタフェースモジュール110は、双方向通信インタフェースであってもよく、充電装置試験システム100と充電装置116の間で情報が交換され、充電装置116が電子インタフェースモジュール110に障害情報、又は充電状態又は充電装置116の状態に関する他の情報を送信し([0061])、 ログ監視部112は、後のデバッグ及び分析のために、充電装置116から試験システム100に受信されたEV充電シーケンスおよび電力レベルをログ及び記録する機能を提供し([0062])、 検証モジュール114は、例えば、テスト下の充電シーケンスの状態、イベントシーケンス、電圧、電流、温度、および充電装置の通信シーケンスのような活動を記録するアクティブデジタル回路を含み、このデータを内部メモリ内の許容される性能データと比較して、EVの充電が、EV充電規格によって求められる一般に許容される性能の範囲で動作することを保証し([0063])、 電力接続(または電力線)126は、充電ステーション116の電力出力118を、試験システムの一次負荷モジュール104に結合し([0064])、 EV充電ステーションおよび充電装置試験システムを起動し、それらの間で充電電送に必要な電力および通信の接続を確立し([0078])、 コントローラは、充電特性および充電装置プロトコルシーケンスを受信し([0078])、充電装置プロトコルシーケンスは、充電ステーションが使用する充電プロトコルまたは仕様に特有の信号またはイベントまたは命令のシーケンスであり([0079])、 コントローラは、充電特性およびプロトコルシーケンスを走査し、充電パラメータ、充電特性、及び充電開始の要求を充電装置に送信することにより充電手順を開始し、EVを模倣するプロトコル特有の信号とスイッチシーケンスも、充電装置に提供され([0080])、 コントローラは、負荷モジュールの電気特性(例えば、抵抗またはインピーダンス)を変化させる等の充電負荷モジュールの設定を調整し、試験装置によって試験される充電パラメータの下で充電されるEVの特性を模倣し([0081])、 充電ステーションは、負荷モジュールに充電出力を提供し、試験システムは、提供された充電出力を記録し、または、プロファイリングし([0081])、記録およびプロファイリングは、電流、電圧、電力、温度、これらの特性の変化率、または他の関連する充電特性の測定値を検出し([0081])、 充電イベント中に地絡が発生する、または、バッテリーの抵抗が急激に変化する試験シミュレーションなどにおいて、充電ステーションの障害検出やその他のセンサを試験するために、負荷モジュールの特性を変化させ([0082])、 監視され記録された充電パラメータは、期待される仕様の値と比較され([0083])、 測定値が仕様の範囲内にない場合、充電装置の不遵守が記録され、第2の安全性チェックが行われ([0083])、 安全性チェックは、充電装置の不遵守が、例えば、EVに損傷を与え、充電装置試験システムに損傷を与え、またはユーザまたは傍にいる他の人を害し得るような危険なものかどうかの判定である([0084]) 充電装置試験システム100」 2 引用文献2の記載事項について 原査定の拒絶の理由に引用された前記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0012】 図1は、本発明の実施の形態に係る電源システム1を説明するための図である。電源システム1は車両に搭載され、リレーRL及びインバータ2を介してモータ3に接続される。インバータ2は力行時、電源システム1から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ3に供給する。回生時、モータ3から供給される交流電力を直流電力に変換して電源システム1に供給する。なおリレーRLは電源システム1と車両側とを電気的に遮断するための素子の一例であり、両者間の電流を遮断できるスイッチ機能を備える素子であれば、他の種類の素子を用いてもよい。 【0013】 電源システム1は二次電池20及び電池管理装置10を備える。二次電池20は複数の電池セルS1〜Snが直列接続されて形成される。本実施の形態では電池セルとしてリチウムイオン電池を使用することを想定する。リチウムイオン電池の公称電圧は3.6−3.7Vであり、モータ3の種類に応じて電池セルS1〜Snの直列数が決定される。 【0014】 複数の電池セルS1−Snと直列にヒューズF1が直列に接続される。さらに複数の電池セルS1−Sn及びヒューズF1と直列にシャント抵抗Rsが接続される。シャント抵抗Rsは電流検出素子として機能する。なおシャント抵抗Rsの代わりにホール素子を用いてもよい。 【0015】 電池管理装置10は電圧検出部11、電流検出部12、制御部13、記憶部14及び駆動部15を備える。電圧検出部11は複数の電池セルS1−Snのそれぞれの電圧を検出して制御部13に出力する。電流検出部12は、シャント抵抗Rsの両端電圧を検出することにより二次電池20に流れる電流を検出して制御部13に出力する。電流検出部12は、シャント抵抗Rsの両端に接続された誤差増幅器を含む。電流検出部12及び制御部13は例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成できる。 【0016】 制御部13は、電圧検出部11及び電流検出部12により検出された二次電池20の電圧および電流をもとに二次電池20を管理する。制御部13は例えば、マイクロコントローラで構成できる。記憶部14は各種の情報を記憶する。記憶部14は例えば、不揮発性半導体メモリで構成できる。駆動部15は、制御部13からの切替指示信号を受けてリレーRLのオン/オフを制御するための駆動信号を生成し、リレーRLに供給する。 【0017】 制御部13は、電圧検出部11により検出された電圧が過放電判定用の設定電圧値を下回ると、駆動部15にリレーRLのターンオフを指示する。また電流検出部12により検出された電流値が過電流検出用の設定電流値を上回ると、駆動部15にリレーRLのターンオフを指示する。」 「【図1】 ![]() 」 したがって、前記引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「 車両に搭載され、リレーRL及びインバータ2を介してモータ3に接続される電源システム1において(【0012】)、リレーRLは電源システム1と車両側とを電気的に遮断するための素子の一例であり、両者間の電流を遮断できるスイッチ機能を備える素子であれば、他の種類の素子を用いてもよく(【0012】)、 電源システム1は二次電池20及び電池管理装置10を備え、二次電池20は複数の電池セルS1〜Snが直列接続されて形成され(【0013】)、 複数の電池セルS1−Sn及びヒューズF1と直列にシャント抵抗Rsが接続され(【0014】)、 電池管理装置10は電圧検出部11、電流検出部12、制御部13、記憶部14及び駆動部15を備え、電圧検出部11は複数の電池セルS1−Snのそれぞれの電圧を検出して制御部13に出力し、電流検出部12は、シャント抵抗Rsの両端電圧を検出することにより二次電池20に流れる電流を検出して制御部13に出力し(【0015】)、 制御部13は、電圧検出部11により検出された電圧が過放電判定用の設定電圧値を下回ると、駆動部15にリレーRLのターンオフを指示し、電流検出部12により検出された電流値が過電流検出用の設定電流値を上回ると、駆動部15にリレーRLのターンオフを指示すること(【0017】)」 3 引用文献3の記載事項について 原査定の拒絶の理由に引用された前記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0016】 (実施形態1) 以下に実施形態1の携帯型検査装置の構成を説明する。 図1に示すように、10は携帯可能な本体部であり、その表面には車両側の充電口を模擬した充電コネクタ接続部11と、各種の切替手段(スイッチ)S1〜S5と、CPLT電圧計測端子12と、200V計測端子13と、通電表示ランプ14とが設けられている。また本体部10の内部の基板上には、図5に示すように車両側での充電許可を模擬する電気回路が設けられている。電気回路については以下に説明する。図4に示すように、充電コネクタ接続部11は充電コネクタの5本のピンに対応する5つの接続ピンa〜eを備えている。なお、図5において切替手段S1〜S4は説明のため電気回路上にも表示している。」 「【0032】 (実施形態2) 実施形態2の携帯型検査装置は、上記実施形態1の携帯型検査装置に、漏電テスト装置16を追加したものである。 【0033】 漏電テスト装置16は、図6に示すように、少なくとも漏電テストボタンBTと調整抵抗R5を備えている他、漏電電流変更手段S6と相切替手段S7とを備え、本体部10の内部に配置されている。 【0034】 本体部10の内部では、電源ラインL1、L2と接続する模擬電路17に、車載電池4を模擬した模擬負荷R4を接続している。模擬負荷R4の上流側に設けた切替手段S5を閉路すると、模擬電路17に電流が流れるようになっている。 【0035】 漏電テストはモード1またはモード2のいずれの車両に対しても、模擬電路17に電圧を印加した状態で行われる。漏電テストボタンBTの押圧により、模擬電路17の一方とアース線18との間に電路20を設け、漏電を疑似する疑似漏電回路を形成することができる。図7に示すように、従来の漏電テスト用操作部は、実際の電路内での漏電発生を模擬するものではなく、漏電ブレーカ等の内部にテスト専用回路を用いて疑似的な漏電状態を発生させて漏電遮断機構が正常に動作するか否かの判断を行うものである。具体的には、図7に示すように、テストボタン23の押圧により、ZCT24の一次電流の相バランスを崩し、二次側に起電力を発生させて、漏電遮断機構25の動作テストを行うものであるため、漏電テストで正常判定であった場合にも、他の要因(例えば、接地抵抗(D種接地)が適性値(規格値)でない等)によって、実際の電路では漏電ブレーカ4の引き外しが行われず、漏電保護装置26が正常に動作しないケースがあったが、本実施形態における疑似漏電回路は、大地〜トランス21〜分電盤22〜車両用充電装置1〜携帯型検査装置間に形成される実際の電路内での漏電発生を模擬したものであるため、より正確な動作確認を行うことができる。なお調整抵抗R5は、漏電テストボタンBTの押圧により、疑似漏電回路に所定値(例えば15mA)の漏電電流が流れるように調整するものであり、コンデンサでもよい。」 「【0038】 本体部10内部のアース線18には、漏電テストボタンBTを押圧しても漏電遮断機構が正常に動作しなかった場合に、疑似漏電回路を流れる漏電電流が計測できる電流計測手段19を備えている。また、漏電電流によって点灯する表示ランプ(図示しない)を備え、漏電電流が所定値(例えば15mA)以上流れた場合は1回点滅させ、所定値(例えば15mA)未満の場合は2回点滅させて異常を表示することもできる。 【0039】 次に実施形態2の携帯型検査装置による漏電テストのフローを、図9を用いて説明する。 【0040】 (ST1:携帯型検査装置への電圧印加) モード2の車両の充電を前提とする場合には、実施形態1で詳述したように、先ず切替手段S1を閉路したうえ、車両用充電装置1の充電コネクタを充電コネクタ接続部11に接続して、CPLT信号を6Vに遷移させ、車両用充電装置1の開閉器9をオンにして200Vを印加する。 【0041】 モード1の車両の充電を前提とする場合には、実施形態1で詳述したように、切替手段S1を開路してCPLT信号線を試験抵抗R1、R2、R3から切り離した上で、車両用充電装置1のスタートボタンを押圧して200Vを印加する。 【0042】 (ST2:漏電ブレーカの動作確認) 電圧印加状態で漏電テストボタンBTを押圧し、疑似漏電回路を形成し、漏電ブレーカが動作して電路が遮断されるか否かを確認する。本実施形態では、分電盤22内に漏電ブレーカ27を備え、漏電ブレーカ27が動作すると、車両用充電装置1への電力供給が停止して車両用充電装置1の表示部等が消灯するため、これによって漏電ブレーカ27が正常に動作するか否かを確認することができる。なお、動作確認を行う漏電ブレーカの設置個所は特に限定されず、例えば、車両用充電装置1の内部に設けられていても動作確認をすることもできる。 【0043】 (ST3:漏電電流値による異常判定) 更に、電圧印加状態で漏電テストボタンBTを押圧したにも関わらず、漏電ブレーカが不動作の場合には、疑似漏電回路に流れた漏電電流値を電流計測手段19で計測し、漏電保護装置(ELB)の異常(ST4)および接地抵抗の異常(ST5)を判定することができる。具体的には、所定値(例えば15mA)以上の漏電電流が流れていれば実際の電路内での漏電保護装置の不存在を判定し、所定値(例えば15mA)未満であれば実際の電路内での接地抵抗の異常(抵抗値が高い)を判定することができる。」 したがって、前記引用文献3には、「実施形態1の携帯型検査装置に、漏電テスト装置16を追加した」「実施形態2の携帯型検査装置」について着目すると、次の技術的事項(以下「引用文献3技術事項」という。)が記載されていると認められる。 「 携帯型検査装置の携帯可能な本体部10の表面には車両側の充電口を模擬した充電コネクタ接続部11と、各種の切替手段(スイッチ)S1〜S5と、CPLT電圧計測端子12と、200V計測端子13と、通電表示ランプ14とが設けられ、本体部10の内部の基板上には、車両側での充電許可を模擬する電気回路が設けられ(【0016】)、 漏電テスト装置16は、少なくとも漏電テストボタンBTと調整抵抗R5を備えている他、漏電電流変更手段S6と相切替手段S7とを備え、本体部10の内部に配置され(【0033】)、 漏電テストは、模擬電路17に電圧を印加した状態で行われ、漏電テストボタンBTの押圧により、模擬電路17の一方とアース線18との間に電路20を設け、漏電を疑似する疑似漏電回路を形成し、疑似漏電回路は、大地〜トランス21〜分電盤22〜車両用充電装置1〜携帯型検査装置間に形成される実際の電路内での漏電発生を模擬したものであり(【0035】)、 本体部10内部のアース線18には、漏電テストボタンBTを押圧しても漏電遮断機構が正常に動作しなかった場合に、疑似漏電回路を流れる漏電電流が計測できる電流計測手段19を備え(【0036】)、 電圧印加状態で漏電テストボタンBTを押圧し、疑似漏電回路を形成し、漏電ブレーカが動作して電路が遮断されるか否かを確認し、分電盤22内に漏電ブレーカ27を備え、漏電ブレーカ27が動作すると、車両用充電装置1への電力供給が停止して車両用充電装置1の表示部等が消灯するため、これによって漏電ブレーカ27が正常に動作するか否かを確認し(【0042】)、 更に、電圧印加状態で漏電テストボタンBTを押圧したにも関わらず、漏電ブレーカが不動作の場合には、疑似漏電回路に流れた漏電電流値を電流計測手段19で計測し、漏電保護装置(ELB)の異常(ST4)および接地抵抗の異常(ST5)を判定し、所定値(例えば15mA)以上の漏電電流が流れていれば実際の電路内での漏電保護装置の不存在を判定し、所定値(例えば15mA)未満であれば実際の電路内での接地抵抗の異常(抵抗値が高い)を判定する(【0043】)こと」 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 「充電装置のテストボードであって、」について 引用発明の「充電装置116」(charger 116)と、「充電ステーション116」(charging station 116)は、同じ装置であり、当該「充電装置116」は本願発明1の「充電装置」に相当する。 引用発明の「充電装置試験システム100」は、「コントローラ」により「充電特性およびプロトコルシーケンスを走査し、充電パラメータ、充電特性、及び充電開始の要求を充電装置に送信することにより充電手順を開始し、EVを模倣するプロトコル特有の信号とスイッチシーケンスも、充電装置に提供」し、「負荷モジュールの電気特性(例えば、抵抗またはインピーダンス)を変化させる等の充電負荷モジュールの設定を調整し、試験装置によって試験される充電パラメータの下で充電されるEVの特性を模倣し」、「充電ステーションは、負荷モジュールに充電出力を提供し、試験システムは、提供された充電出力を記録し、または、プロファイリングし、記録およびプロファイリングは、電流、電圧、電力、温度、これらの特性の変化率、または他の関連する充電特性の測定値を検出し」、「充電イベント中に地絡が発生する、または、バッテリーの抵抗が急激に変化する試験シミュレーションなどにおいて、充電ステーションの障害検出やその他のセンサを試験するために、負荷モジュールの特性を変化させ」ることから、当該「充電装置試験システム100」は、「充電装置116」を「テスト」する「装置」といえる。 一方、本願発明1の「テストボード」は、「充電装置」を「テスト」する「装置」が「ボード」に実装されたものといえるから、本願発明1と引用発明とは、「充電装置のテスト装置」である点で共通する。 イ 「充電装置と負荷モジュールとにそれぞれ接続される接続回路であって、前記充電装置が前記接続回路を介して前記負荷モジュールとテスト回路を形成するようにする接続回路と、」について (ア)引用発明の「一次負荷モジュール104」は、「充電ステーション116から電力出力を受信し、吸収」する「負荷」であるから、本願発明1の「負荷モジュール」に相当する。 (イ)引用発明の「一次負荷モジュール」は、「電力出力118」から「電力線126を介して」「電力を供給」されることから、「充電装置試験システム100」が、前記「電力線126」を「一次負荷モジュール104」に「電力接続」するための充電コネクタや導線等の回路を備えることは明らかであり、当該回路は、「一次負荷モジュール104」と「充電装置116」の「電力出力118」とにそれぞれ接続されるものといえる。したがって、引用発明の当該回路は、本願発明1の「充電装置と負荷モジュールとにそれぞれ接続される接続回路」に相当する。 (ウ)引用発明では、「電力線126」及び前記回路を介して「一次負荷モジュール104」と「充電装置116」の「電力出力118」との「電力接続」が確立され、「充電装置116」から「一次負荷モジュール104」に「充電出力を提供し」、「充電装置試験システム100」が「提供された充電出力を記録し、または、プロファイリング」することで試験を行うことから、当該「電力接続」は、試験のための回路を形成しているといえる。したがって、引用発明の当該「電力接続」のための前記回路は、本願発明1の「前記充電装置が前記接続回路を介して前記負荷モジュールとテスト回路を形成するようにする接続回路」に相当する。 (ウ)前記(ア)〜(ウ)を踏まえると、本願発明1と引用発明とは、「充電装置と負荷モジュールとにそれぞれ接続される接続回路であって、前記充電装置が前記接続回路を介して前記負荷モジュールとテスト回路を形成するようにする接続回路」を備える点で一致する。 ウ 「上位コンピュータと通信する第1の通信モジュールと、」について 引用発明の「外部コンピュータまたはコントローラ132」は、「試験システム100に命令を送信」するのに使用されるものであるから、本願発明1の「上位コンピュータ」に相当する。 そして、前記「外部コンピュータまたはコントローラ132」は、「他の通信ライン130を介して」、「充電装置試験システム100」の「電子インタフェースモジュール110」に接続されるから、「電子インタフェースモジュール110」は、本願発明1の「第1の通信モジュール」に相当する。したがって、本願発明1と引用発明とは、「上位コンピュータと通信する第1の通信モジュール」を備える点で一致する。 エ 「前記充電装置と通信する第2の通信モジュールと、」について 引用発明の「充電ステーション116」の「電子インタフェース124」は、「通信回線128を介して」「電子インタフェースモジュール110」と「通信する」から、当該「電子インタフェースモジュール110」は、本願発明1の「第2の通信モジュール」に相当する。したがって、本願発明1と引用発明とは、「前記充電装置と通信する第2の通信モジュール」を備える点で一致する。 オ 「前記第1の通信モジュールと第2の通信モジュールとに接続され、前記第1の通信モジュールを介して前記上位コンピュータによって送信された命令情報を受信し、前記テストボード又は前記充電装置がテスト命令を実行するように、前記命令情報に基づいて対応する前記テスト命令を生成する制御モジュールと、を含み、」について (ア)引用発明の「コントローラ106」は、「充電装置」と「充電特性」等を送受信するものであるから、「電子インタフェースモジュール110」と接続されることは明らかである。 (イ)前記(ア)及び前記ウを踏まえると、「外部コンピュータまたはコントローラ132」から「試験システム100」に「送信」される「命令」は、「電子インタフェースモジュール110」を介して「コントローラ106」が「受信」すると解されることから、本願発明1の「前記第1の通信モジュールを介して前記上位コンピュータによって送信された命令情報」に相当する。 (ウ)したがって、引用発明の「コントローラ106」は、前記(ア)及び(イ)を踏まえると、本願発明1の「前記第1の通信モジュールと第2の通信モジュールとに接続され、前記第1の通信モジュールを介して前記上位コンピュータによって送信された命令情報を受信し、前記テストボード又は前記充電装置がテスト命令を実行するように、前記命令情報に基づいて対応する前記テスト命令を生成する制御モジュール」とは、「前記第1の通信モジュールと第2の通信モジュールとに接続され、前記第1の通信モジュールを介して前記上位コンピュータによって送信された命令情報を受信する制御モジュール」である点で共通する。 カ 「前記テストボードが前記テスト命令を実行する場合、前記テスト命令に基づいて指示された異常状態を実行し、前記充電装置の作動状態情報を採集し、前記作動状態情報は、前記充電装置が保護状態に進入したか否かを示すものである、」について (ア)引用発明は、「充電ステーションの障害検出やその他のセンサを試験するために」、「負荷モジュールの特性を変化させ」て、「充電イベント中に地絡が発生する、または、バッテリーの抵抗が急激に変化する試験シミュレーション」を行うものであり、「充電イベント中」の「地絡」や「バッテリーの抵抗」の「急激」な「変化」は、本願発明1の「異常状態」に相当し、本願発明1と引用発明とは、「前記テスト装置が、異常状態を実行」する点で共通する。 (イ)引用発明の「充電装置試験システム100」の「ログ監視部112」は、「後のデバッグ及び分析のため」に、「充電装置116」から受信された「EV充電シーケンスおよび電力レベルをログ及び記録」しており、前記(ア)の「試験シミュレーション」においても「EV充電シーケンスおよび電力レベルをログ及び記録」すると解される。 一方で、「充電装置試験システム100」が、「充電装置116」が保護状態に進入したか否かを示す情報を採集することは特定されていない。 キ 前記ア〜カによれば、本願発明1と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。 <一致点> 「 充電装置のテスト装置であって、 充電装置と負荷モジュールとにそれぞれ接続される接続回路であって、前記充電装置が前記接続回路を介して前記負荷モジュールとテスト回路を形成するようにする接続回路と、 上位コンピュータと通信する第1の通信モジュールと、 前記充電装置と通信する第2の通信モジュールと、 前記第1の通信モジュールと第2の通信モジュールとに接続され、前記第1の通信モジュールを介して前記上位コンピュータによって送信された命令情報を受信する制御モジュールと、を含み、 前記テスト装置が、異常状態を実行する ことを特徴とする充電装置のテスト装置。」 <相違点> (相違点1) 本願発明1は、テスト装置がボードに実装された「テストボード」であるのに対し、引用発明は、「充電装置試験システム100」がボードに実装されることについて特定されていない点。 (相違点2) 制御モジュールにおいて、本願発明1は、「上位コンピュータ」から受信した「命令情報」に基づいて、「テストボード」又は「充電装置」が実行する、「対応するテスト命令を生成する」のに対し、引用発明は、「外部コンピュータまたはコントローラ132」から受信した「命令」に基づいて、「対応するテスト命令を生成する」とは特定されていない点。 これに付随して、異常状態の実行は、本願発明1では、前記「命令情報」に基づいて生成された前記「テスト命令」に基づいて指示されるのに対し、引用発明では、そのような特定はされていない点。 (相違点3) 異常状態を実行した際、本願発明1は、「充電装置が保護状態に進入したか否かを示す」「充電装置の作動状態情報を採取」するのに対し、引用発明は、「充電装置116」が保護状態に進入したか否かを示す情報を採取するとは特定されていない点。 (2) 相違点についての判断 事案に鑑み、相違点3について検討する。 引用文献2技術事項は、二次電池20における過放電または過電流を検出した場合に、電源システム1と車両側とを電気的に遮断するものであって、異常状態を実行して二次電池20の充電装置を試験するものではない。 また、引用文献3技術事項は、携帯型検査装置が、車両用充電装置1と漏電発生回路を形成し、漏電発生を模擬して、車両保養充電装置1側の漏電ブレーカー27(漏電保護装置)が正常に作動するか否かを確認するものであるが、当該確認は、車両用充電装置1の表示部等の消灯を、試験者が目視することによるものと認められ、携帯型検査装置が車両用充電装置1の作動状態情報を採取するものではない。 以上のとおり、相違点3に係る本願発明1の構成は、引用文献2及び3に記載されたものではなく、本願出願前に周知技術であったともいえないから、当業者といえども、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項から、相違点3に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2 本願発明2〜10について 本願発明2〜10は、本願発明1を減縮した発明であり、前記相違点3に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3 本願発明11〜14について 本願発明11は、本願発明1に対応する「テストシステム」の発明であり、本願発明12は、本願発明1に対応する「テスト方法」の発明であり、本願発明13及び14は、本願発明12を減縮した発明である。 そして、本願発明11〜14は、前記相違点3に係る本願発明1の構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2技術事項及び引用文献3技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2022-10-26 |
出願番号 | P2020-504332 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H02J)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
土居 仁士 |
特許庁審判官 |
寺谷 大亮 角田 慎治 |
発明の名称 | 充電装置のテストボード、テストシステム及びテスト方法 |
代理人 | 関根 毅 |
代理人 | 鈴木 健之 |
代理人 | 吉田 昌司 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 宮嶋 学 |
代理人 | 出口 智也 |