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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 A61L 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A61L 審判 一部申し立て 4項(134条6項)独立特許用件 A61L 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 A61L 審判 一部申し立て 2項進歩性 A61L |
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管理番号 | 1390555 |
総通号数 | 11 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-11-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-07-27 |
確定日 | 2022-08-23 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6836354号発明「液体消臭剤組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6836354号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−5〕、〔6、7〕について訂正することを認める。 特許第6836354号の請求項1ないし7に係る発明を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6836354号の請求項1〜7に係る特許についての出願は、平成28年8月25日を出願日とする出願であり、令和3年2月9日にその特許権の設定登録がされ、同年3月3日に特許掲載公報が発行され、その後、請求項1〜5に係る特許について、同年7月27日に特許異議申立人日本香料工業会(以下、「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、同年12月20日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である令和4年2月16日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求がされたので、特許法第120条の5第5項の規定に従って、異議申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、指定期間内に異議申立人からは何らの応答もなされなかったものである。 第2 訂正の適否 1 訂正事項 上記令和4年2月16日になされた訂正の請求は、本件特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜7について訂正することを求めるものであって、その訂正(以下、「本件訂正」という。)の具体的な訂正事項は次のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「液体消臭剤組成物」とあるのを、「繊維製品へ昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用される、液体消臭剤組成物」に訂正する。 (請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2〜5についても同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1〜4の何れか1項に記載の液体消臭剤組成物」とあるのを、「請求項3に記載の液体消臭剤組成物」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1〜5の何れか1項に記載の液体消臭剤組成物を繊維製品に適用する、昆虫忌避方法。」とあるのを、「下記の液体消臭剤組成物を繊維製品に適用する、昆虫忌避方法。 消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、液体消臭剤組成物; (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7 )ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒド ジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール」に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び独立特許要件 (1)訂正事項1について ア 訂正事項1にて、付加される「昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用される」とは、本件発明1の液体消臭剤組成物が、昆虫忌避能を有する繊維製品に用いられるとの「用途」を特定する記載であるといえるから、訂正事項1は、液体消臭剤組成物に対して、用途についての限定をさらに付加するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項1は、本件明細書の【0074】の「これらの繊維製品に本発明の液体消臭剤組成物を付着させることで、昆虫忌避させる作用を付与し、消臭効果を発現させることができる」、及び同【0075】の「前記液体消臭剤組成物を繊維製品にスプレーすることにより、前記液体消臭剤組成物を繊維製品と接触させることが好ましい」、「例えば(A)成分、(B)成分、(C)成分及び水を含有する水性組成物で繊維製品を付着処理することにより、繊維製品への昆虫忌避能の付与を主目的として使用することもできる。」との記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 訂正事項1は、液体消臭剤組成物に対する限定をさらに付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について ア 訂正事項2は、訂正前の請求項5が請求項1〜4を引用していたのを、請求項3のみを引用するものとし、引用請求項数を減少させるものである。また、これにより、請求項3を引用しない場合に「(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分」が示す事項が明らかではないとの点を明確にするものであるから、特許請求の範囲の減縮、または、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 訂正事項2の、請求項5が引用する請求項を減少させる訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であること、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 (3)訂正事項3について ア 訂正事項3は、訂正前の請求項1〜5の何れか1項を引用するものとされていた訂正前の請求項6の記載を、訂正前の請求項1を引用する部分のみ独立形式に書き下すものであるから、特許請求の範囲の減縮、かつ、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 訂正事項3の、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項6の記載を、独立形式に書き下す訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であること、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 ウ 訂正事項3は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むところ、この訂正の対象となる訂正前の請求項6及び訂正前の請求項6を引用する訂正前の請求項7には、特許異議の申立てがされていないから、訂正後の請求項6及び7に係る発明については、独立特許要件について検討する必要がある。 しかしながら、訂正前の請求項6に係る発明は、拒絶理由を発見しないとして特許されたものである。次に、訂正後の請求項6及び7に係る発明が下記第4の2で述べる取消理由2−1及び取消理由2−2(異議申立理由を含む)に該当するか否かを検討するに、訂正後の請求項6に係る発明は、訂正後の請求項1に係る発明を方法の発明としたものに対応している。そして、訂正後の請求項6に係る発明と各甲号証に記載された発明との間には、下記第5の2(3)ア(ア)及び同イ(ア)において検討する、訂正後の請求項1に係る発明と各甲号証に係る発明との間の相違点と同様の相違点が存在するし、当該相違点に係る訂正後の請求項6に係る発明の構成は、同ア(ア)及び同イ(ア)において検討するとおり、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、訂正後の請求項6に係る発明は、各甲号証に記載された発明ではないし、各甲号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。また、他に取消理由を発見しないから、訂正後の請求項6に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。 当該請求項6を引用する訂正後の請求項7について検討しても、事情は同じである。 3 小括 本件訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項〔1〜7〕について訂正することを求めるものであるところ、上記2のとおり、訂正事項1〜3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項〜第7項の規定に適合するものである。また、訂正後の請求項6及び7については、別の訂正単位とする求めがなされているから、これを認め、訂正後の請求項〔1〜5〕、〔6、7〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は認容し得るものであるから、本件訂正後の請求項1〜7に係る発明(以下、各請求項に係る発明及び特許を項番に対応して「本件発明1」、「本件特許1」などといい、併せて「本件発明」、「本件特許」ということがある。)の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、繊維製品へ昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用される、液体消臭剤組成物。 (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7 )ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒド ジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール 【請求項2】 昆虫忌避剤(C)の含有量が、0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項3】 消臭基材(A)が(a1)アミンオキシド型界面活性剤、(a2)ポリヒドロキシアミン化合物、(a3)分子量500以下のポリカルボン酸、リン酸及びそれらの塩、並びに(a4)糖系包接化合物から選ばれる一種以上である、請求項1又は2に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項4】 更に非イオン界面活性剤(D)を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項5】 消臭基材(A)として(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を含有する請求項3に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項6】 下記の液体消臭剤組成物を繊維製品に適用する、昆虫忌避方法。 消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、液体消臭剤組成物; (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7 )ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒド ジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール 【請求項7】 昆虫が蚊類である、請求項6に記載の昆虫忌避方法。」 第4 令和3年12月20日付けで通知した取消理由の概要 訂正前の請求項1〜5に対して令和3年12月20日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 1 特許法第36条第6項第2号所定の規定違反(明確性要件違反) 訂正前の請求項5に「消臭基材(A)として(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の液体消臭剤組成物。」と記載されているが、訂正前の請求項3を引用しない場合、「(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分」が示す事項が明らかではないため、発明が不明確となっている。 よって、訂正前の請求項5に係る発明が、明確であるとはいえない。 (以下、「取消理由1」という。) 2 特許法第29条第1項第3号所定の規定違反(新規性欠如)及び同法第同条第2項所定の規定違反(進歩性欠如) 訂正前の請求項1〜5に係る発明は、下記甲第1号証に記載された発明であるか、下記甲第1号証に記載された発明、及び下記甲第2号証又は下記甲第3号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜5に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定及び同法同条第2項に違反してされたものである(以下、「取消理由2−1」という。訂正前の請求項1〜5に対する甲第1号証を主引用例とする特許法第29条第1項第3号及び同法同条第2項による異議申立て理由は、上記取消理由2−1に含まれる。)。 また、訂正前の請求項1、3、4に係る発明は、下記甲第2号証に記載された発明であるか、下記甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1、3、4に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定及び同法同条第2項に違反してされたものである(以下、「取消理由2−2」という。訂正前の請求項1、3、4に対する甲第2号証を主引用例とする特許法第29条第1項第3号及び同法同条第2項による異議申立て理由は、上記取消理由2−2に含まれる。)。 記 甲第1号証:特開2003−190264号公報 甲第2号証:特開2014−213072号公報 甲第3号証:特開2006−320712号公報 (以下、単に「甲1」〜「甲3」という。) 第5 当審の判断 1 取消理由1(特許法第36条第6項第2号(明確性要件違反))について 取消理由1は、要するに、訂正前の請求項5が訂正前の請求項3を引用しない場合、引用する請求項に(a1)成分〜(a3)成分の記載がなく、「(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分」が示す事項が明らかではないため、発明が不明確となるというものである。 これに対し、本件発明5は、本件訂正により請求項3のみを引用することとなり、本件発明5において特定される「(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分」の各成分が、本件発明3において特定される「(a1)アミンオキシド型界面活性剤、(a2)ポリヒドロキシアミン化合物、(a3)分子量500以下のポリカルボン酸、リン酸及びそれらの塩」の各成分であることを明確に把握することができる。 そうすると、本件発明5は、明確であるということができるから、取消理由1には理由がない。 2 取消理由2−1及び2−2(特許法第29条第1項第3号(新規性欠如)及び同法同条第2項(進歩性欠如))について (1)甲各号証の記載事項 ア 甲1の記載事項 甲1には、以下の記載がある(当審注:「…」は省略を表す。下線は当審による。以下、同様である。)。 (ア)「【請求項1】(A)トップノート成分及び/又は(B)ミドルノート成分及び/又は(C)ベースノート成分及び/又は(D)天然香料成分の群から選ばれる少なくとも1種以上の香料を含有する環境用芳香消臭組成物。 【請求項2】(A)トップノート成分が0〜100重量%、(B)ミドルノート成分が0〜100重量%、(C)ベースノート成分が0〜100重量%、(D)天然香料成分が0〜100重量%の割合で含有する請求項1記載の環境用芳香消臭組成物。 【請求項3】(A)トップノート成分が5〜80重量%、(B)ミドルノート成分が10〜50重量%、(C)ベースノート成分が10〜70重量%、(D)天然香料成分が5〜80重量%の割合で含有する請求項1および2記載の環境用芳香消臭組成物。 … 【請求項9】化学的消臭効果を持つ成分及び/又は物理的消臭効果を持つ成分から選ばれる1種以上を共存させることを特徴とする請求項1〜8記載の環境用芳香消臭組成物。 【請求項10】パラフィン類及び/又はテルペン炭化水素類から選ばれる1種以上を共存させることを特徴とする請求項1〜9記載の環境用芳香消臭組成物。 【請求項11】界面活性剤及び/又は多価アルコール類から選ばれる1種以上を共存させることを特徴とする請求項1〜10記載の環境用芳香消臭組成物。 【請求項12】抗菌剤、殺菌剤、防腐剤から選ばれる1種以上を共存させることを特徴とする請求項1〜11記載の環境用芳香消臭組成物。 【請求項13】請求項1〜12記載の環境用芳香消臭組成物を0.001〜50重量%の割合で含有することを特徴とする環境用芳香消臭剤。 【請求項14】請求項1〜12記載の環境用芳香剤組成物を液体に溶解させた形態、又は担体に担持させた形態からなることを特徴とする請求項13記載の環境用芳香消臭剤。 【請求項15】請求項13〜14記載の環境用芳香消臭剤が、液体状芳香消臭剤、固体状芳香消臭剤、粉末状芳香消臭剤、ゲル状芳香消臭剤、ミスト状芳香消臭剤、又はエアゾール状芳香消臭剤の剤形であることを特徴とする環境用芳香消臭剤。」 (イ)「【0026】それぞれの調合香料に要求される所定の香質乃至香気( 例えば、シトラス、フルーティ、グリーン、フローラル、アルデヒド、スパイシー、ウッディ、スイート、モッシー、ムスキー、アンバー、アニマル、ハーバル、マリン、およびミントノートなど)に調製された本発明の環境用芳香消臭組成物は、快い香りで調和のとれた、適度の先立ち、適度の強さの芳香と、拡散性および持続性をもつ特徴を有し、この環境用芳香消臭組成物を配合した、液体状芳香消臭剤、固体状芳香消臭剤、粉末状芳香消臭剤、ゲル状芳香消臭剤、ミスト状芳香消臭剤、又はエアゾール状芳香消臭剤、などは、使用時には快い香りを有し、また、使用後もしばらく匂い続ける持続性、更には、混合後の臭いが新たな別の不快な臭いを感じさせことなく、香料のマスキング機能により環境中(家庭内や自動車内など)のマスキングに優れた効果を示し、また、芳香消臭剤に使用されている基材のマスキングも可能であり、また香料によるアロマテラピー効果、ストレス緩和作用、また抗菌性も期待できるなど優れた効果を発揮することができる。」 (ウ)「【0053】本発明の環境用芳香消臭組成物は、化学的消臭効果をもつ成分及び/又は物理的消臭効果をもつ成分を共存させることができる。 【0054】化学的消臭効果を持つ成分としては、公知のものが何れも使用できるが、例えば、植物の葉、葉柄、実、茎、根、樹皮等の各部位から抽出された消臭有効成分や、乳酸、グルコン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸等の有機酸、各種アミノ酸およびこれら塩、グリオキサール、酸化剤、フラボノイド類、カテキン類、ポリフェノール類などを用いることができる。 … 【0057】物理的消臭効果を持つ成分としては、公知のものが何れも使用できるが、例えば、活性炭、ゼオライトなどの多孔性物質、およびシクロデキストリン類などの包接剤などを用いることができる。 【0058】シクロデキストリン類としては、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデストリン、γ−シクロデキストリン等の非分岐シクロデキストリン;グリコシルシクロデキストリン、ジグリコシルシクロデキストリン、マルトシルシクロデキストリン、ジマルトシルシクロデキストロン、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン(ヒドロキシプロピルシクロデキストリンなど)等の分岐シクロデキストリンを挙げることができる。また、シクロデキストリン類は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。 … 【0073】本発明の環境用芳香消臭組成物は、界面活性剤及び/又は多価アルコール類から選ばれる1種以上を共存させることができる。 【0074】界面活性剤としては、公知のものが何れも使用でき、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤などが、1種又は2種以上を適宜併用して用いられる。」 (エ)「【0101】また、本発明の環境用芳香消臭組成物は、対象物に直接噴霧又は塗布して使用するのことができる。対象物としては、特に限定されないが、衣類、カーテン等の布帛製品を例示することができる。噴霧方法は特に制限されず、環境用芳香消臭組成物が霧状(ミスト)になるように対象物に噴霧できればよく、例えば、環境用芳香消臭剤をポンプ式スプレー容器に充填するか、または噴射剤とともに耐圧容器に充填することにより、噴霧することができる。…」 (オ)「【0107】 【実施例1〜20】(A)トップノート成分からなる環境用芳香消臭組成物の処方例(請求項5)。なお、処方中の〜は「合計を100に併せる」ことを示す。 【0108】 【表1】 【0109】 【表2】 【0110】 【実施例21〜90】(B)ミドルノート成分からなる環境用芳香消臭組成物の処方例(請求項6)なお、処方中の〜は「合計を100に併せる」ことを示す。 【0111】 【表3】 【0112】 【表4】 【0113】 【表5】 【0114】 【表6】 【0115】 【表7】 【0116】 【表8】 【0117】 【表9】 【0118】 【実施例91〜120】(C)ベースノート成分からなる環境用芳香消臭組成物の処方例(請求項7)なお、処方中の〜は「合計を100に併せる」ことを示す。 【0119】 【表10】 【0120】 【表11】 【0121】 【表12】 【0122】 【参考例1〜20】(D)天然香料成分からなる環境用芳香消臭組成物の処方例。なお、処方中の〜は「合計を100に併せる」ことを示す。 【0123】 【表13】 【0124】 【表14】 」 (カ)「【0125】 【実施例121〜170】上記実施例1〜120及び参考例1〜20を組み合わせた環境用芳香消臭組成物の処方例。 【0126】 【表15】 【0127】 【表16】 【0128】 【表17】 【0129】 【表18】 【0130】 【表19】 … 【0132】更に、上記実施例1〜170及び参考例1〜20に、所望により任意の消臭効果をもつ成分(明細書記載の化学的消臭効果をもつ成分、物理的消臭効果をもつ成分)を更に配合することができる。 【0133】 【実施例171〜180】実施例171として、上記実施例121にフラボノイド類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.1%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0134】実施例172として、上記実施例124にフラボノイド類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.1%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0135】実施例173として、上記実施例128にフラボノイド類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.2%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0136】実施例174として、上記実施例130にカテキン類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.2%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0137】実施例175として、上記実施例131にカテキン類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.1%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0138】実施例176として、上記実施例140にポリフェノール類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.1%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0139】実施例177として、上記実施例155にポリフェノール類(化学的消臭効果のもつ成分)を0.3%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0140】実施例178として、上記実施例161に茶抽出物(化学的消臭効果のもつ成分)を0.5%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0141】実施例179として、上記実施例166にリンゴ酸(化学的消臭効果のもつ成分)を0.1%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。 【0142】実施例180として、上記実施例168にβ−シクロデキストリン(物理的消臭効果のもつ成分)を0.1%添加した環境用芳香消臭組成物を調整した。」 (キ)「【0146】 【配合例2】 消臭洗浄剤組成物 下記に示す成分を撹拌溶解し、消臭洗浄剤組成物を得た。 【0147】 アニオン性界面活性剤 0.05〜20% 両性界面活性剤 0.01〜10 ノニオン又はカチオン性界面活性剤 0〜5 キレート剤 0.1〜10 溶剤 0.1〜10 カチオン性ポリマー 0〜5 香 料 * 0.001〜2 水 バランス 計 100.0 *香料は、実施例21〜40、131〜140、172〜173を使用し、5名の専門パネラー及び10名の一般パネラーの判定の結果は、いずれも使用特、使用後におけて不快臭がマスキングされ、好ましい芳香を有していたと判定された。 … 【0150】 【配合例4】 ミスト状消臭剤 (A)の4成分を混合し、完全に溶解させた後、あらかじめ(B)のメチルパラベンを溶解した精製水に加え、撹拌溶解しえミスト状消臭剤を得た。 (A)香 料 * 0.5% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO40) 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO60) 0.5 95%ゲラニオール変成アルコール 2.5 (B)メチルパラベン 0.1 精製水 95.4 計 100.0 *香料は、実施例81〜120、151〜160、177〜180を使用し、5名の専門パネラー及び10名の一般パネラーの判定の結果は、いずれも使用特、使用後におけて不快臭がマスキングされ、好ましい芳香を有していたと判定された。」 イ 甲2の記載事項 甲2には、以下の記載がある。 (ア)「【背景技術】 【0002】 洗濯は、衣料を含む繊維製品に汚れや臭いが付着した場合、或いは衛生面を考慮して行われる。しかしながら最近では、屋外で衣料が汚れることが少なくなったことから、体臭やタバコ臭等の不快臭が付着した衣料に対して簡易に処理できる消臭剤の要求が高まっている。これら要求に関係して、繊維製品に消臭効果のある溶液をスプレーすることで消臭や除菌が可能なスプレータイプの処理剤が開発されている。スプレータイプの処理剤は、家庭での洗濯に気を使う、おしゃれ着、スーツ、セーター、靴や、家庭での洗濯が難しい、寝具、マットレス、布地のソファー、絨毯などに付着した臭いの除去に利用されている。 【0003】 一方で、着用中の衣料の香りを楽しむ目的で、衣料に対して積極的に香り付けを行う生活習慣が広まっている。例えば、市販の柔軟剤組成物や洗剤組成物の中には、賦香性を全面に出した商品が販売されている。 【0004】 かかる体臭やタバコ臭等の繊維製品に付着した不快臭の問題を解決するために、香水などの用いて不快臭をマスキングする方法がよく知られている。またマスキングとは異なり、不快臭の原因を見出し、原因物質を化学的に処理することで消臭する技術に関してもまた、これまで多くの技術が開示されている。 【0005】 香料については、特許文献1及び特許文献2に開示されているように消臭剤に植物エキス等の消臭成分を配合することが記載されている。また特許文献3、特許文献4には、4級アンモニウム化合物やアミンオキシド化合物を含有する液体消臭剤組成物が開示されている。特許文献5、特許文献6等は組成物に緩衝能を持たせることでアミン臭や脂肪酸臭を抑制することが知られている。この特許文献6には、緩衝剤として、クエン酸ナトリウムやリン酸カリウムが開示されている。 【0006】 緩衝能を有する消臭剤に関する技術としては、特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献10のような、ポリヒドロキシアミン化合物を用いる技術が知られている。 【0007】 香料成分からのアプローチとしては、特許文献11や特許文献12を挙げることができ、これらには、前記ポリヒドロキシアミン化合物及び香料成分として非アルデヒド構造の香料成分からなる消臭剤組成物が記載されている。 … 【0009】 香料による不快臭のマスキングは、基本的に対象の臭気を無くすわけではないことから、設計した賦香組成物の匂いとは異なる匂いになるという問題があり、臭気元によっては、より不快な臭いに変わってしまう虞れがある。そこで香料濃度を高めるなどして、香気を強めることで不快臭を感じなくさせる方法があるが、強い香気が新たな不快感の原因となることが懸念される。一方、消臭成分と香料成分とを併用する場合、互いの作用が相殺されるおそれがある。この事実は、併用できる香料成分を制限することになり、調香上での自由度を低減させる。 【0010】 本発明の課題は、繊維製品の香り付けに関し、繊維製品に付着した不快臭に対して消臭性能を有することで、繊維製品に対し有効に賦香性を付与することができることに加え、多様な香料成分を使用しつつも、保存により香りが変調しない液体賦香剤組成物を提供することにある。」 (イ)「【発明を実施するための形態】 【0014】 <(a)成分:リン酸又はその塩> 本発明の(a)成分はリン酸又はその塩である。塩はアルカリ金属塩が好ましい。本発明の液体賦香剤組成物は水を含む水性組成物であることから、リン酸又はリン酸アルカリ金属塩は、イオン解離した状態で存在している。その割合はpHによって異なる。リン酸塩としては、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウムから選ばれる塩が好ましく、更にはリン酸水素2カリウムが好ましい。 【0015】 本発明の組成物を調製する際、(a)成分は、塩として、アルカリ金属リン酸塩として配合することが好ましい。また、本発明の組成物を調製する際、(a)成分は、水溶液として配合することが好ましく、前記アルカリ金属リン酸塩の水溶液、更に、リン酸水素2カリウムの水溶液として配合することが、溶解性の観点からより好ましい。また本発明では、リン酸塩は水和物であってもよいが、組成物中の含有濃度は無水物且つリン酸に換算された濃度とする。 【0016】 <(b)成分:ポリカルボン酸又はその塩> (b)成分は、ポリカルボン酸又はその塩である。(b)成分の分子量は、無水で且つ酸の構造に換算した時に、すなわち、酸型化合物に換算して、90以上、好ましくは100以上であり、より好ましくは130以上、より更に好ましくは150以上であり、そして、500以下、好ましくは300以下、より好ましくは250以下であり、さらに好ましくは100〜300、さらに好ましくは130〜250である。 【0017】 具体的には、(b)成分は、メチルグリシン2酢酸、エチレンジアミン4酢酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物が好ましい。(b)成分は、分子内にヒドロキシ基を有する化合物が好ましく、分子内にヒドロキシ基を1つ有する化合物がより好ましい。(b)成分としては、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物がより好ましく、クエン酸及びその塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物が更に好ましい。また本発明では、ポリカルボン酸又はその塩は水和物であってもよいが、組成物中の含有濃度は無水物且つ酸型に換算された濃度とする。」 (ウ)「【0056】 <(f)成分:アミンオキシド化合物> 本発明の液体賦香剤組成物は、(f)成分として、分子中に炭素数8以上22以下のアルキル基又はアルケニル基を1個又は2個有するアミンオキシド化合物から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。(f)成分は、消臭効果をさらに高める観点で好ましい成分である。 【0057】 (f)成分のアミンオキシド化合物は、炭素数8以上、更に10以上、そして、22以下、更に18以下の直鎖のアルキル基又はアルケニル基を1個有するものが好ましい。アルキレンオキシド化合物は、前記アルキル基又はアルケニル基以外の有機基を含有し、該有機基としては、アルキル基の水素原子の1つがヒドロキシ基に置換されていてもよい炭素数1以上、4以下のアルキル基が挙げられる。(f)成分としては、下記一般式(III)で表されるアミンオキシド及び下記一般式(IV)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上のアミンオキシド化合物が好ましい。 【0058】 【化2】 【0059】 〔式中、R11は炭素数8以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R12及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R14は炭素数1以上5以下のアルキレン基である。Yは、−CONH−、−COO−、−OCO−である。〕 【0060】 一般式(III)及び一般式(IV)のアミンオキシド化合物において、R11は、好ましくは炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは炭素数10以上18以下の直鎖のアルキル基である。R12及びR13は、それぞれ独立に、好ましくはメチル基又はエチル基であり、より好ましくはメチル基である。R14は、好ましくは炭素数1以上、3以下のアルキレン基であり、より好ましくはプロピレン基である。Yは、好ましくは−CONH−、−COO−である。 【0061】 (f)成分は、一般式(IV)の化合物が好ましく、一般式(IV)中のYが−CONH−である化合物がより好ましい。更に、一般式(IV)で表される化合物であって、一般式(IV)中のYが−CONH−であり、一般式(IV)中のR11−CONH−の炭素原子の合計が10以上18である化合物、例えば、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシドがより好ましい。」 (エ)「【実施例】 【0072】 <香料組成物> 下記表1及び表2の香料組成物A及びBを調製した。 香料中に含まれる酸化防止剤のB.H.T.と希釈剤のD.P.G.を除外して、香料成分としてのアルデヒド化合物の割合を求めたところ、香料組成物A中では、香料成分中のアルデヒド化合物は34.1質量%、香料組成物Bでは、香料成分中のアルデヒド化合物は12.7質量%であった。 … 【0076】 <実施例及び比較例> 表3に示す各成分を用い、表3に示す組成の液体賦香剤組成物を調製した。なお、液体賦香剤組成物のpHは、1/10規定NaOH又は1/10規定HClにより調整した。また、表3中、香料組成物の組成(質量%)は、B.H.T.及びD.P.G.を除いた量に基づく。組成物中にB.H.T.及びD.P.G.は含有されているが、表では省略し、水の残部に含まれている。 得られた液体賦香剤組成物について、下記方法で消臭効果及び残香効果を評価した。結果を表3に示す。 【0077】 (1)賦香効果の評価 <賦香対象物の調製> 木綿メリアス布(10cm×10cm)に、臭気成分として、汗臭のモデルとしてイソ吉草酸の10ppmエタノール溶液を、スプレーバイアル(株式会社マルエム、No.6)を用いて1回スプレーし、25℃で30分間乾燥させた後、試験片とした。また比較対象のために、イソ吉草酸を含まないエタノールのみを用いて同様に処理した試験片(以下、比較用試験片という場合もある)も調製した。 【0078】 <消臭方法> 上記方法にて得たイソ吉草酸を含む試験片及び比較用試験片に、表3に示す配合処方の液体賦香剤組成物をスプレーバイアル(株式会社マルエム、No.6)を用いて6回スプレーし、25℃で1時間乾燥させた。 … 【0082】 【表2】 【0083】 【表3】 」 ウ 甲3の記載事項 甲3には、以下の記載がある。 (ア)「【請求項1】 下記一般式(1)で表されるポリヒドロキシアミン化合物及び/又はその塩(a)、及び両性界面活性剤(b)を含有し、pHが6.0〜9.5である消臭剤組成物。 【化1】 (式中、R1は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を示し、R2は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基を示し、R3及びR4は、炭素数1〜5のアルカンジイル基を示す。R3及びR4は、同一でも異なっていてもよい。) … 【請求項3】 両性界面活性剤(b)が、下記一般式(2)で表されるアミンオキサイド型両性界面活性剤、及び下記一般式(3)で表されるカルボベタイン型両性界面活性剤から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。 【化2】 【化3】 (式中、R5は、炭素数8〜18の置換又は無置換のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6及びR7は、メチル基、エチル基、炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基を示し、R8は、炭素数2〜5の置換又は無置換のアルカンジイル基を示し、R9は、炭素数1〜5の置換又は無置換のアルカンジイル基を示す。)」 (イ)「【0025】 本発明の消臭剤のpHは6.0〜9.5である。本発明の消臭剤は、pH6.0以上で脂肪酸類やアルデヒド類に対する効果が発現し、またpH9.5以下でアミン類に対する効果が発現する。 脂肪酸類、アルデヒド類、アミン類、たばこ臭等の全てに対する効果、及び皮膚刺激低減の観点から、pHは6.5〜9.5が好ましく、6.8〜9.0が更に好ましい。 一般式(1)で表されるポリヒドロキシアミン化合物のpHは、酸又は塩基を添加することにより調整することができる。用いることができる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の他、酢酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらの中では、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸が好ましい。用いることができる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。これらの中では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。 【0026】 本発明の消臭剤組成物において、前記(a)成分及び(b)成分以外の残部は水とすることができる。使用する水は、蒸留水やイオン交換水等からイオン成分を除去したものが好ましい。 また必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、更に、他の消臭剤、界面活性剤の他に、各種の溶剤、多価アルコール類、油剤、ゲル化剤、硫酸ナトリウムやN,N,N−トリメチルグリシン等の塩、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、殺菌・抗菌剤、香料、色素、紫外線吸収剤等の他の成分を添加することができる。」 (ウ)「【実施例】 【0028】 実施例1 香料による消臭効果の影響を排除するため、表1に示す未賦香配合処方の消臭剤20gを調製した。次に、幅2.8m×奥行き3.5m×高さ2.5mの喫煙室の一方の壁に、10cm×10cmの綿タオルを、床からタオルの上辺までの高さが1.8mになるように床に対して垂直に4時間吊るした。その後、表1に示す配合処方の消臭剤0.3gをスプレーバイアルでタオル全体に均一になるように噴霧した。噴霧後、約10cm角のバランスディッシュにタオルを置き、2時間放置した後のタオルの臭いを官能評価した。 … 【0030】 【表1】 … 【0031】 実施例2〜7 香料による消臭効果の影響を排除するため、表2、3に示す未賦香配合処方の消臭剤100gを調製した。木綿メリヤス布にノナナールの1%エタノール溶液を0.06g噴霧し、30分間放置して乾燥させた後、試験布とした。次いで、表2に示す消臭剤を0.36g噴霧し、約10cm角のバランスディッシュにタオルを置き、1時間放置した後の臭いを下記の6段階の臭気強度表示法で評価し、平均値を求めた。 0: 無臭 1: 何の臭いか分からないが、ややかすかに何かを感じる強さ(検知閾値のレベル) 2: 何の臭いか分かる、容易に感じる弱い臭い(認知閾値のレベル) 3: 明らかに感じる臭い 4: 強い臭い 5: 耐えられないほど強い臭い 平均値0以上1未満を◎、平均値1以上2未満を○、平均値2以上3未満を△、平均値3以上5以下を×とした。評価は◎又は○が好ましい。結果を表2に示す。 … 【0033】 【表2】 」 (2)甲1及び甲2に記載された発明 ア 甲1に記載された発明 (ア)甲1発明133 a 上記(1)ア(カ)に記載される実施例133の香料は、同(オ)に記載される実施例41、46、50、54、58、61、63、66、71〜72の処方例の成分を組み合わせてなるものである。そして、実施例58は、エタノールを含み、実施例61、63、66、71〜72は、9−デセン−1−オールを含み、実施例54、58は、プロピオン酸ベンジルを含み、実施例41、46、50、58、61、71〜72は、サフラナールを含む。そうすると、実施例133の香料は、エタノール、9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールを含有するものといえる。 b また、上記(1)ア(ア)の請求項2、3において、トップノート成分、ミドルノート成分、ベースノート成分、天然香料成分の配合割合が「重量%」で表されていることから、上記(1)ア(オ)〜(キ)に示される配合割合は、「重量%」であると解することができる。 c 次に、実施例133における、9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールの配合割合に着目する。実施例133は、実施例41、46、50、54、58、61、63、66、71〜72の処方例の成分を、それぞれ10重量%ずつ配合し、合計で100重量%になるように構成されたものである。 d ここで、実施例61、63、66、71〜72には、9−デセン−1−オールが、各実施例の処方例の合計100重量%中、5重量%(実施例61)、2重量%(実施例63)、5重量%(実施例66)、5重量%(実施例71)、1重量%(実施例72)配合されており、それぞれの配合割合を単純に足し上げると合計で18重量%になる。 e 同様に、実施例54、58には、プロピオン酸ベンジルが、各実施例の処方例の合計100重量%中、1重量%(実施例54)、1重量%(実施例58)配合されており、それぞれの配合割合を単純に足し上げると合計で2重量%になる。 f また、実施例41、46、50、58、61、71〜72には、サフラナールが、各実施例の処方例の合計100重量%中、1重量%(実施例41)、5重量%(実施例46)、1重量%(実施例50)、1重量%(実施例58)、1重量%(実施例61)、1重量%(実施例71)、1重量%(実施例72)配合されており、それぞれの配合割合を単純に足し上げると合計で11重量%になる。 g 上記d〜fに記載した、9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールの配合割合をさらに足し上げると、18+2+11=31(重量%)になるが、上記cで述べたとおり、実施例133を構成する各実施例は、それぞれ10重量%しか含まれていないから、結局、実施例133の香料中、「9−デセン−1−オール」、「プロピオン酸ベンジル」、「サフラナール」は合わせて、31×10/100=3.1(重量%)、数値表記で31/1000含有されることになる。 h 次に、この香料を含む上記(1)ア(キ)の配合例2の消臭洗浄剤組成物について見ると、消臭洗浄剤組成物は香料を0.001〜2重量%含むから、香料に含まれる9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールの合計量である31/1000に0.001/100〜2/100を乗じると、配合例2の消臭洗浄剤組成物に含有される「9−デセン−1−オール」、「プロピオン酸ベンジル」、「サフラナール」の合計量は、0.000031重量%〜0.062重量%となる。 i よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例2において、実施例133の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明133」という。)が記載されているといえる。 「下記に示す成分を撹拌溶解して得られる消臭洗浄剤組成物。 アニオン性界面活性剤 0.05〜20% 両性界面活性剤 0.01〜10 ノニオン又はカチオン性界面活性剤 0〜5 キレート剤 0.1〜10 溶剤 0.1〜10 カチオン性ポリマー 0〜5 香 料 * 0.001〜2 水 バランス 計 100.0 *香料は、エタノール、9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールを含有する香料を使用し、9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールの消臭洗浄剤組成物中の含有量は0.000031重量%〜0.062重量%である。」 (イ)甲1発明172 上記(1)ア(カ)に記載される実施例172の香料は、実施例124の香料にフラボノイド類を0.1%添加したものであり、実施例124の香料は、同(オ)に記載された実施例4、9、13、17、19、21、24、26、35〜36の処方例の成分を、組み合わせてなるものである。そうすると、実施例124の香料は、エタノール(実施例21)、イソプロパノール(実施例4)、イソシクロシトラール(実施例35)、9−デセン−1−オール(実施例21、24)、サフラナール(実施例24、26、35)を含有するものといえる。 また、実施例172の「イソシクロシトラール」、「9−デセン−1−オール」、「サフラナール」の合計の含有量は、処方例を構成する各実施例の各品名の配合割合の合算から、実施例172の香料中13/1000であり、これに上記(1)ア(キ)の配合例2中の香料の配合割合である0.001/100〜2/100を乗じると、「イソシクロシトラール」、「9−デセン−1−オール」、「サフラナール」は、合わせて、配合例2の消臭洗浄剤組成物に、0.000013重量%〜0.026重量%含有されるものといえる。 よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例2において、実施例172の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明172」という。)が記載されているといえる。 「下記に示す成分を撹拌溶解して得られる消臭洗浄剤組成物。 アニオン性界面活性剤 0.05〜20% 両性界面活性剤 0.01〜10 ノニオン又はカチオン性界面活性剤 0〜5 キレート剤 0.1〜10 溶剤 0.1〜10 カチオン性ポリマー 0〜5 香 料 * 0.001〜2 水 バランス 計 100.0 *香料は、フラボノイド類、エタノール、イソプロパノール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、サフラナールを含有する香料を使用し、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、サフラナールの消臭洗浄剤組成物中の含有量は0.000013重量%〜0.026重量%である。」 (ウ)甲1発明173 上記(1)ア(カ)に記載される実施例173の香料は、実施例128の香料にフラボノイド類を0.2%添加したものであり、実施例128の香料は、同(オ)に記載された実施例3、7、11、14、19、21、23、26、31、32の処方例の成分を、組み合わせてなるものである。そうすると、実施例173の香料は、エタノール(実施例3、21)、イソシクロシトラール(実施例31、32)、9−デセン−1−オール(実施例21、23)、酢酸トランス−2−ヘキセニル(実施例11)、サフラナール(実施例23、26、31、32)を含有するものといえる。 また、実施例173のイソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、酢酸トランス−2−ヘキセニル、サフラナールの合計の含有量は、処方例を構成する各実施例の各品名の配合割合の合算から、実施例173の香料中14/1000であり、これに上記(1)ア(キ)の配合例2中の香料の配合割合である0.001/100〜2/100を乗じると、「イソシクロシトラール」、「9−デセン−1−オール」、「酢酸トランス−2−ヘキセニル」、「サフラナール」は、合わせて、上記(1)ア(キ)の配合例2の消臭洗浄剤組成物に、0.000014重量%〜0.028重量%含有されるものといえる。 よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例2において、実施例173の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明173」という。)が記載されているといえる。 「下記に示す成分を撹拌溶解して得られる消臭洗浄剤組成物。 アニオン性界面活性剤 0.05〜20% 両性界面活性剤 0.01〜10 ノニオン又はカチオン性界面活性剤 0〜5 キレート剤 0.1〜10 溶剤 0.1〜10 カチオン性ポリマー 0〜5 香 料 * 0.001〜2 水 バランス 計 100.0 *香料は、フラボノイド類、エタノール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、酢酸トランス−2−ヘキセニル、サフラナールを含有する香料を使用し、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、酢酸トランス−2−ヘキセニル、サフラナールの消臭洗浄剤組成物中の含有量は0.000014重量%〜0.028重量%である。」 (エ)甲1発明177 上記(1)ア(カ)に記載される実施例177の香料は、実施例155の香料にポリフェノール類を0.3%添加したものであり、実施例155の香料は、同(オ)に記載された実施例119、120、参考例4、8、12、16、19、実施例1、30、35の処方例の成分を、組み合わせてなるものである。そうすると、実施例177の香料は、エタノール(参考例19、実施例1)、イソプロパノール(参考例8、12)、イソシクロシトラール(実施例35)、9−デセン−1−オール(実施例30)、γ−オクタラクトン(実施例119)、サフラナール(実施例30、35)を含有するものといえる。 よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例4において、実施例177の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明177」という。)が記載されているといえる。 「(A)の4成分を混合し、完全に溶解させた後、あらかじめ(B)のメチルパラベンを溶解した精製水に加え、撹拌溶解して得られたミスト状消臭剤。 (A)香 料 * 0.5% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO40) 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO60) 0.5 95%ゲラニオール変成アルコール 2.5 (B)メチルパラベン 0.1 精製水 95.4 計 100.0 *香料は、ポリフェノール類、エタノール、イソプロパノール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、γ−オクタラクトン、サフラナールを含有する香料を使用する。」 (オ)甲1発明178 上記(1)ア(カ)に記載される実施例178の香料は、実施例161の香料に茶抽出物を0.5%添加したものであり、実施例161の香料は、同(オ)に記載された実施例1、7、20、28、36、40、50、77、89〜90の処方例の成分を、組み合わせてなるものである。そうすると、実施例178の香料は、エタノール(実施例1)、イソシクロシトラール(実施例40)、9−デセン−1−オール(実施例28、実施例77)、酢酸トランス−2−ヘキセニル(実施例20)、サフラナール(実施例40、50、89、90)を含有するものといえる。 また、実施例178のイソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、酢酸トランス−2−ヘキセニル、サフラナールの合計の含有量は、処方例を構成する各実施例の各品名の配合割合の合算から、実施例178の香料中23/1000であり、これに上記(1)ア(キ)の配合例4中の香料の配合割合である0.5/100を乗じると、「イソシクロシトラール」、「9−デセン−1−オール」、「酢酸トランス−2−ヘキセニル」、「サフラナール」は、合わせて、上記(1)ア(キ)の配合例4のミスト状消臭剤に、0.0115重量%含有されるものといえる。 よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例4において、実施例178の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明178」という。)が記載されているといえる。 「(A)の4成分を混合し、完全に溶解させた後、あらかじめ(B)のメチルパラベンを溶解した精製水に加え、撹拌溶解して得られたミスト状消臭剤。 (A)香 料 * 0.5% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO40) 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO60) 0.5 95%ゲラニオール変成アルコール 2.5 (B)メチルパラベン 0.1 精製水 95.4 計 100.0 *香料は、茶抽出物、エタノール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、酢酸トランス−2−ヘキセニル、サフラナールを含有する香料を使用し、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、酢酸トランス−2−ヘキセニル、サフラナールのミスト状消臭剤中の含有量は0.0115重量%である。」 (カ)甲1発明179 上記(1)ア(カ)に記載される実施例179の香料は、実施例166の香料にリンゴ酸を0.1%添加したものであり、実施例166の香料は、同(オ)に記載された実施例5、18、25、35、37、40、52、77、118、参考例4の処方例の成分を、組み合わせてなるものである。そうすると、実施例179の香料は、エタノール(実施例18)、イソプロパノール(実施例5)、イソシクロシトラール(実施例35、37、40)、9−デセン−1−オール(実施例25、77)、サフラナール(実施例25、35、40、52)を含有するものといえる。 また、実施例179のイソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、サフラナールの合計の含有量は、処方例を構成する各実施例の各品名の配合割合の合算から、実施例179の香料中20/1000であり、これに上記(1)ア(キ)の配合例4中の香料の配合割合である0.5/100を乗じると、「イソシクロシトラール」、「9−デセン−1−オール」、「サフラナール」は、合わせて、配合例4のミスト状消臭剤に、0.01重量%含有されるものといえる。 よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例4において、実施例179の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明179」という。)が記載されているといえる。 「(A)の4成分を混合し、完全に溶解させた後、あらかじめ(B)のメチルパラベンを溶解した精製水に加え、撹拌溶解して得られたミスト状消臭剤。 (A)香 料 * 0.5% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO40) 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO60) 0.5 95%ゲラニオール変成アルコール 2.5 (B)メチルパラベン 0.1 精製水 95.4 計 100.0 *香料は、リンゴ酸、エタノール、イソプロパノール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、サフラナールを含有する香料を使用し、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、サフラナールのミスト状消臭剤中の含有量は0.01重量%である。」 (キ)甲1発明180 上記(1)ア(カ)に記載される実施例180の香料は、実施例168の香料にβ−シクロデキストリンを0.1%添加したものであり、実施例168の香料は、同(オ)に記載された実施例3、10、21、28、37、40、50、77、97、99の処方例の成分を、組み合わせてなるものである。そうすると、実施例180の香料は、エタノール(実施例3、21)、イソシクロシトラール(実施例37、40)、9−デセン−1−オール(実施例21、28、77)、γ―オクタラクトン(実施例97、99)、サフラナール(実施例40、50)を含有するものといえる。 また、実施例180のイソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、γ―オクタラクトン、サフラナールの合計の含有量は、処方例を構成する各実施例の各品名の配合割合の合算から、実施例180の香料中20/1000であり、これに上記(1)ア(キ)の配合例4中の香料の配合割合である0.5/100を乗じると、「イソシクロシトラール」、「9−デセン−1−オール」、「γ―オクタラクトン」、「サフラナール」は、合わせて、配合例4のミスト状消臭剤に、0.01重量%含有されるものといえる。 よって、上記(1)ア(キ)に記載される配合例4において、実施例180の香料を使用した場合として、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明180」という。)が記載されているといえる。 「(A)の4成分を混合し、完全に溶解させた後、あらかじめ(B)のメチルパラベンを溶解した精製水に加え、撹拌溶解して得られたミスト状消臭剤。 (A)香 料 * 0.5% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO40) 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO60) 0.5 95%ゲラニオール変成アルコール 2.5 (B)メチルパラベン 0.1 精製水 95.4 計 100.0 *香料は、β−シクロデキストリン、エタノール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、γ―オクタラクトン、サフラナールを含有する香料を使用し、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、γ―オクタラクトン、サフラナールのミスト状消臭剤中の含有量は0.01重量%である。」 イ 甲2に記載された発明 上記(1)イ(エ)に記載の【0076】及び表3の本発明品9には、リン酸塩 0.1質量%、クエン酸 0.1質量%、非イオン界面活性剤 0.2質量%、香料組成物B 0.1質量%、ケイ酸エステル2 0.001質量%、アミンオキシド 0.03質量%、エタノール 6.5質量%、水 残部、合計 100質量%である、液体賦香剤組成物が記載されている。また、同表2には、香料組成物Bがイロチルを含有することが記載されている。 さらに、同(エ)に記載の【0078】には、消臭方法として、イソ吉草酸を含む試験片に、上記本発明品9を含む、表3に示す配合処方の液体賦香剤組成物をスプレーすることが記載され、同(エ)に記載の【0077】には、賦香対象物の調整として、当該イソ吉草酸を含む試験片が、木綿メリアス布に、臭気成分としてイソ吉草酸のエタノール溶液をスプレーしたものであることが記載されている。 これらの記載によれば、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されているといえる。 「リン酸塩 0.1質量%、クエン酸 0.1質量%、非イオン界面活性剤 0.2質量%、香料組成物B 0.1質量%、ケイ酸エステル2 0.001質量%、アミンオキシド 0.03質量%、エタノール 6.5質量%、水 残部、合計 100質量%である、液体賦香剤組成物であって、香料組成物Bは、イロチルを含有するものであり、木綿メリアス布に、臭気成分としてイソ吉草酸のエタノール溶液をスプレーした試験片を賦香対象物として調整し、消臭方法として試験片にスプレーされる、液体賦香剤組成物。」- (3)対比・判断 ア 甲1を主引用例とした場合 (ア)本件発明1と甲1発明133、172〜173、177〜180との対比・判断 a 甲1発明133との対比・判断 甲1発明133の「アニオン性界面活性剤」及び「両性界面活性剤」は、「消臭洗浄剤組成物」に相当量含まれるもので、組成物における基材といえるものであるから、本件発明1の「消臭基材(A)」に相当するものと認められる。 また、甲1発明133の「エタノール」は、本件発明1の「炭素数2以上4以下のアルコール(B)」に相当し、甲1発明133の「9−デセン−1−オール」、「プロピオン酸ベンジル」は、本件発明1の「昆虫忌避剤(C)」として選択肢(I)〜(III)に列挙される化合物に含まれ、甲1発明133の「サフラナール」は、「2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド」の別名称であるから、同様に本件発明1の「昆虫忌避剤(C)」として選択肢(I)〜(III)に列挙される化合物に含まれる。また、甲1発明133の「消臭洗浄剤組成物」は、水を大量に含む等その組成から「液状」であるといえ、また、甲1発明133の「消臭洗浄剤組成物」は、「消臭剤組成物」の一形態であるといえるから、本件発明1の「消臭剤組成物」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明133は、 「消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、液体消臭剤組成物。 (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7 )ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒド ジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール」 の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。 <相違点A> 液体消臭剤組成物の使用態様について、本件発明1では、繊維製品へ昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用されるのに対し、甲1発明133では、そのような構成を有するのか明らかでない点。 上記相違点Aについて検討する。 甲1には、上記(1)ア(イ)の記載によれば、「香料のマスキング機能により環境中(家庭内や自動車内など)のマスキングに優れた効果を示し、…また香料によるアロマテラピー効果、ストレス緩和作用、また抗菌性も期待できる」など優れた効果を発揮することができる」と記載され、同(エ)には、「本発明の環境用芳香消臭組成物は、対象物に直接噴霧又は塗布して使用するのことができる。対象物としては、特に限定されないが、衣類、カーテン等の布帛製品を例示することができる。」と記載されており、甲1発明133の環境用芳香消臭組成物が、衣類、カーテン等の布帛製品へ香料のマスキング機能、アロマテラピー効果、ストレス緩和作用、または抗菌性を付与するために、布帛製品に噴霧又は塗布により接触させて使用されることを想定している。しかしながら、「昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用される」との記載が本件発明1の液体消臭剤組成物の「用途」を特定する記載であることは、上記第2の2(1)アで述べたとおりであるが、甲1には、甲1発明133の環境用芳香消臭組成物を、昆虫忌避能を付与するために布帛製品に接触させて使用されることは記載されておらず、本件発明1の液体消臭剤組成物の用途が記載されているとはいえないから、上記相違点Aは実質的な相違点であり、本件発明1が甲1発明133であるとはいえない。 次に、上記相違点Aの容易想到性について検討すると、上記(1)ア(イ)及び(エ)に記載のとおり、甲1においては、環境用芳香消臭組成物が、衣類、カーテン等の布帛製品へ香料のマスキング機能、アロマテラピー効果、ストレス緩和作用、または抗菌性を付与するために、布帛製品に噴霧又は塗布により接触させて使用されることを想定しており、昆虫忌避能を付与するために布帛製品に接触させて使用されることは記載も示唆もされていない。特に、甲1発明133において、本件発明1の「昆虫忌避剤(C)」として選択肢(I)〜(III)に列挙される化合物に含まれる9−デセン−1−オール、プロピオン酸ベンジル、サフラナールの各成分は、香料として使用されるものであるところ、当該各成分を含む消臭組成物を上記相違点Aに係る本件発明1の構成とすること、すなわち、当該各成分を含む消臭組成物を繊維製品に接触させて昆虫忌避能を付与することについては、甲1には記載も示唆もない。そして、甲2及び甲3の上記(1)イ及びウの摘記を見ても、甲2及び甲3にも、上記相違点Aに係る本件発明1の構成について記載も示唆もない。 b 甲1発明172〜173、177〜180との対比・判断 甲1発明172〜173、177〜180と、本件発明1とを対比した場合においても、「アニオン性界面活性剤」及び「両性界面活性剤」が、本件発明1の「消臭基材(A)」に相当するといえる他、甲1発明172の「フラボノイド類」、甲1発明173の「フラボノイド類」、甲1発明177の「ポリフェノール類」、甲1発明178の「茶抽出物」、甲1発明179の「リンゴ酸」、甲1発明180の「βーシクロデキストリン」は、「消臭成分」であるから、本件発明1の「消臭基材(A)」に相当するといえる。 そうすると、本件発明1と甲1発明172〜173、177〜180は、上記aで述べたのと同様の点で一致し、また、上記aで述べたのと同様の相違点Aで相違し、その相違点Aに対する判断も上記aで述べたとおりである。 c 小括 したがって、上記相違点Aに係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、本件発明1は、甲1発明133、172〜173、177〜180、及び甲2又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (イ)本件発明2〜5と甲1発明133、172〜173、178〜180との対比・判断 本件発明2〜5は、少なくとも本件発明1の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2〜5は、甲1発明133、172〜173、177〜180ではないし、甲1発明133、172〜173、177〜180、及び甲2又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 甲2を主引用例とした場合 (ア)本件発明1について 甲2発明の「リン酸塩」、「クエン酸」は、本件明細書の【0034】において「消臭基材(A)」の(a3)成分として列挙される化合物に含まれるから、本件発明1の「消臭基材(A)」に相当し、甲2発明の「エタノール」は、本件発明1の「炭素数2以上4以下のアルコール(B)」に相当する。甲2発明の「イロチル」は、2−エチルヘキサン酸エチルの別名称であるから、本件発明1の「昆虫忌避剤(C)」として選択肢(I)〜(III)に列挙される化合物に含まれる。 さらに、甲2発明の「木綿メリアス布に、臭気成分としてイソ吉草酸のエタノール溶液をスプレーした試験片」「にスプレーされる」ことは、本件発明1の「繊維製品に接触させて使用される」ことに相当する。 そうすると、本件発明1と甲2発明は、 「消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、繊維製品に接触させて使用される、液体消臭剤組成物。 (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7 )ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒド ジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール」 の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。 <相違点B> 液体消臭剤組成物の用途について、本件発明1では、繊維製品へ昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させるのに対し、甲2発明では、賦香対象物への賦香及び消臭のために試験片にスプレーされる点。 上記相違点Bについて検討する。 甲2には、上記(1)イ(ア)の【0010】の記載によれば、「本発明の課題は、繊維製品の香り付けに関し、繊維製品に付着した不快臭に対して消臭性能を有することで、繊維製品に対し有効に賦香性を付与することができること」と記載されており、液体賦香剤組成物が、不快臭が付着した繊維製品へ賦香性を付与することは記載されているものの、繊維製品へ昆虫忌避能を付与することは記載されておらず、本件発明1の液体消臭剤組成物の用途が記載されているとはいえない。したがって、上記相違点Bは実質的な相違点であるから、本件発明1が甲2発明であるとはいえない。 次に、上記相違点Bの容易想到性について検討すると、上記(1)イ(ア)に記載のとおり、甲2においては、液体賦香剤組成物が、不快臭が付着した繊維製品へ賦香性を付与することを想定しており、昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用されることは記載も示唆もされていない。特に、甲2発明において、本件発明1の「昆虫忌避剤(C)」として選択肢(I)〜(III)に列挙される化合物に含まれるイロチルは、その他の香料化合物として使用されるものにすぎず、イロチルを含む液体賦香剤組成物を上記相違点Bに係る本件発明1の構成とすること、すなわち、イロチルを含む液体賦香剤組成物を繊維製品に接触させて昆虫忌避能を付与することについては、甲2には記載も示唆もない。そして、甲1及び甲3にも、上記相違点Bに係る本件発明1の構成について記載も示唆もない。 したがって、上記相違点Bに係る本件発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえないから、本件発明1は、甲2発明、及び甲1又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (イ)本件発明3及び4について 本件発明3及び4は、少なくとも本件発明1の構成をすべて具備するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明3及び4は、甲2発明ではないし、甲2発明、及び甲1又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)取消理由2−1及び2−2に関するまとめ 以上のとおり、本件特許1〜5は、特許法第29条第1項及び同法同条第2項の規定に違反してされたものではないから、取消理由2−1及び2−2には、理由がない。 第6 むすび 上記第5で検討したとおり、本件特許1〜5は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるということもできないし、同法第29条第1項及び同法同条第2項の規定に違反してされたものであるということもできず、同法第113条第2号又は第4号に該当するものではないから、上記取消理由1、2−1及び2−2では、本件特許1〜5を取り消すことはできない。 また、他に本件特許1〜5を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、繊維製品へ昆虫忌避能を付与するために繊維製品に接触させて使用される、液体消臭剤組成物。 (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7)ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール 【請求項2】 昆虫忌避剤(C)の含有量が、0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項3】 消臭基材(A)が(a1)アミンオキシド型界面活性剤、(a2)ポリヒドロキシアミン化合物、(a3)分子量500以下のポリカルボン酸、リン酸及びそれらの塩、並びに(a4)糖系包接化合物から選ばれる一種以上である、請求項1又は2に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項4】 更に非イオン界面活性剤(D)を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項5】 消臭基材(A)として(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分を含有する請求項3に記載の液体消臭剤組成物。 【請求項6】 下記の液体消臭剤組成物を繊維製品に適用する、昆虫忌避方法。 消臭基材(A)、炭素数2以上4以下のアルコール(B)、及び下記(I)〜(III)群から選ばれる一種以上の昆虫忌避剤(C)及び水を含有する、液体消臭剤組成物; (I)2−メトキシ−4−プロピルフェノール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、イソシクロシトラール、9−デセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、2−エチルヘキサン酸エチル、酢酸 トランス−2−ヘキセニル、2−シクロヘキシルプロピオン酸エチル、フェニル酢酸エチル及び2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール (II)3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、オクタヒドロ−5−メトキシ−4,7−メタノ−1H−インデン−2−カルボキシアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒド、γ−オクタラクトン、9−エチリデン−3−オキサトリシクロ(6.2.1.02,7)ウンデカン−4−オン、オクタヒドロ−7−メチル−1,4−メタノナフタレン−6(2H)−オン、2,3,3−トリメチル−2H−インデン−1−オン、4−メチル−5−チアゾールエタノール、7−メトキシ−3,7−ジメチルオクタナール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール及び2−フェニルプロピオンアルデヒドジメチルアセタール (III)1−オクタノール、2,4−ジメチルシクロヘキセ−3−エン−1−メタノール、2−メチル酪酸、プロピオン酸ベンジル、3−メチル−2−ペンチルシクロペント−2−エン−1−オン、オクタヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1,3−ジエン−1−カルボアルデヒド、6−メチルキノリン、イソ酪酸2−フェニルエチル、3−フェニルプロパナール及び2−メチル−4−フェニルブタン−2−オール 【請求項7】 昆虫が蚊類である、請求項6に記載の昆虫忌避方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-08-09 |
出願番号 | P2016-165000 |
審決分類 |
P
1
652・
856-
YAA
(A61L)
P 1 652・ 537- YAA (A61L) P 1 652・ 121- YAA (A61L) P 1 652・ 113- YAA (A61L) P 1 652・ 851- YAA (A61L) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
原 賢一 |
特許庁審判官 |
山田 倍司 金 公彦 |
登録日 | 2021-02-09 |
登録番号 | 6836354 |
権利者 | 花王株式会社 |
発明の名称 | 液体消臭剤組成物 |
代理人 | 特許業務法人アルガ特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人アルガ特許事務所 |