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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A41D 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A41D |
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管理番号 | 1391451 |
総通号数 | 12 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-06-30 |
確定日 | 2022-10-27 |
事件の表示 | 特願2019−205116号「空調衣服の服本体及び空調衣服」拒絶査定不服審判事件〔令和2年2月13日出願公開、特開2020−23779号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)7月31日を国際出願日とする特願2016−537677号の一部を、平成30年8月1日に新たな特許出願とした特願2018−144688号の一部を、更に令和1年11月13日に新たな特許出願としたものであって、令和2年8月24日付けで特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由通知をされ、同年10月6日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、令和3年3月16日付けで該手続補正が却下されるとともに拒絶査定〔以下、「原査定」という。〕がされ、同年6月30日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされたものである。 第2 令和3年6月30日の手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和3年6月30日の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線は、補正箇所を示すために当審が付与)。 「【請求項1】 ヘルメットの着用時と非着用時との双方で使用することができるヘルメット対応空調衣服の服本体であって、 使用者の身体のうち少なくとも上半身を覆い、内部に空気を導入する送風手段を取り付けるための送風手段取付部を備えた衣服部と、 使用者の首の後方から、前記送風手段によって導入された空気を噴出する噴出部と、 前記噴出部から噴出された空気を上方へと導くと共にヘルメットに取り付けるためのフードと、 を備えることを特徴とするヘルメット対応空調衣服の服本体。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1 本件補正前の、特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。 「【請求項1】 使用者の身体のうち少なくとも上半身を覆い、内部に空気を導入する送風手段を取り付けるための送風手段取付部を備えた衣服部と、 使用者の首の後方から、前記送風手段によって導入された空気を噴出する噴出部と、 前記噴出部から噴出された空気を上方へと導く案内シートと、 前記案内シートをヘルメットに取り付けるための取付手段と、 を備えることを特徴とするヘルメット対応空調衣服の服本体。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1の「ヘルメット対応空調衣服の服本体」について、「ヘルメットの着用時と非着用時との双方で使用することができるヘルメット対応空調衣服の服本体であって」との限定を付加し、本件補正前の請求項1の「前記噴出部から噴出された空気を上方へと導く案内シートと、前記案内シートをヘルメットに取り付けるための取付手段」について、「前記噴出部から噴出された空気を上方へと導くと共にヘルメットに取り付けるためのフード」とするものであり、上記フードは上記案内シートと上記取付手段とで構成されるものの一例(本願明細書の【0038】参照)であって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が異なるものではないから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)について、以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項等 ア 引用文献4について (ア)記載事項 原査定で引用された国際公開第2005/063065号(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。 a 「技術分野 本発明は、人間が本来的に有している、汗の気化熱による身体の冷却機能を、有効に働かせるための補助装置として用いられる空調衣服に関するものである。」(1ページ5〜7行;なお、行数は明細書左に付された数字による。) b 「空気流通部40は、服地部20と身体又は下着との間の空間内を流れる空気を外部に取り出す空気流出部又は外部の空気を服地部20と身体又は下着との間の空間内に取り入れる空気流入部として利用される。空気流通部40を空気流出部として利用するか、空気流入部として利用するかは、送風手段50の送風方式によって決められる。すなわち、送風手段50が外部の空気を服地部20内に取り込むように動作する場合には、空気流通部40は空気流出部として利用され、一方、送風手段50が服地部20内の空気を外部に排出するように動作する場合には、空気流通部40は空気流入部として利用される。第一実施形態では、空気流通部40を、空気流出部として利用する。」(21ページ9〜17行) c 「また、第一実施形態では、空調衣服1に三つの空気流通部40,40,40を設けている。具体的には、衣服としての機能上、服地部20の所定の端部に形成される開口部、すなわち、襟周り部分の開口部と、左右の袖口部分の開口部とが空気流通部40,40,40である。空調衣服1を着用してファスナーを閉じると、送風手段50を除き、空気流通部40,40,40以外は、服地部20内の空気が外部に流出するところはなくなる。尚、以下では、襟周り部分の開口部及び左右の袖口部分の開口部を、「上部開口部」とも称することにする。 服地部20の背中側の下部であって脇腹に近い左右両側には、それぞれ孔部21,21が形成されている(図12A参照)。各孔部21に対応する服地部20の位置には服地部20の内面側から送風手段50が取り付けられている。送風手段50は、服地部20と身体又は下着との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせるものである。」(21ページ18〜29行) d 「[第三実施形態] 次に、本発明の第三実施形態について図面を参照して説明する。図16Aは本発明の第三実施形態である空調衣服の概略正面図、図16Bはその空調衣服の概略背面図である。尚、第三実施形態において、第一及び第二の実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。」(31ページ1〜6行) e 「第三実施形態の空調衣服3は、図16に示すように、服地部20aと、開閉手段31と、下部空気漏れ防止手段32と、三つの空気流通部40,40,40と、二つの送風手段50,50と、電源手段61と、電源ケーブル62と、電源ポケット63と、電源スイッチ(不図示)と、局所スペーサ70,70とを備えるものである。ここで、服地部20aは空気案内手段としての役割を果たす。かかる空調衣服3は、主に、雨天時に屋外での作業に用いる作業服(雨天用作業服)として使用される。」(31ページ7〜13行) f 「第三実施形態の空調衣服3が第一実施形態の空調衣服1と異なる主な点は、空調能力が500Wである点、雨に対する種々の対策を施した点、服地部20aの肩に対応する部分に局所スペーサ70,70を設けた点である。その他の点については、上記の第一実施形態のものと同じである。」(31ページ15〜18行) g 「第三実施形態の空調衣服3には雨に対する種々の対策が施されている。まず、服地部20aを、上半身を覆うと共に顔を除く頭部を覆うような形状に構成している。具体的には、服地部20aの腕部を長袖の形状にすると共に、服地部20aにフード25を設けている。フード25を設けたことにより、作業時に頭部が雨で濡れないようにすることができると共に、生理クーラーが有効に機能する範囲を頭部まで広げることができる。この場合、フード25部分(襟周り部分)の開口部及び左右の袖口部分の開口部が空気流通部40,40,40となる。」(32ページ3〜9行) h 「また、送風手段50,50には耐水加工が施されている。かかる送風手段50,50は服地部20aに固定されており、送風手段50,50を服地部20aから取り外すことはできない。」(32ページ16〜18行) i 図16 (イ)引用文献4の記載から認められること a 上記(ア)eの記載によれば、第三実施形態において、空調衣服3は、服地部20aと、三つの空気流通部40、40、40と、二つの送風手段50,50とを備えることが認められる。 b 上記(ア)d及びfの記載を勘案すると、上記(ア)bの記載から、送風手段50は、外部の空気を服地部20a内に取り込むこと、及び、空気流通部40は、送風手段50によって取り込まれた空気を流出することが認められ、上記(ア)c、hの記載も参照すると、服地部20aは、背中側の下部であって脇腹に近い左右両側に、外部の空気を服地部20a内に取り込む送風手段50を固定するための部分が形成されることが認められる。 c 上記(ア)gの記載によれば、服地部20aは上半身を覆うこと、及び、フード25は、生理クーラーが有効に機能する範囲を頭部まで広げることができることが認められ、上記aも参照すると、空調衣服3は、生理クーラーが有効に機能する範囲を頭部まで広げることができるフード25を備えることが認められ、上記bも参照すると、上記三つの空気流通部40、40、40は、送風手段50によって取り込まれた空気を流出する、フード25部分(襟周り部分)の開口部及び左右の袖口部分の開口部であることが認められる。 d 上記a、bによれば、空調衣服3は、二つの送風手段50、50を備え、二つの送風手段50、50は、服地部20aに形成された固定するための部分に固定されると認められるところ、引用文献4には、空調衣服3において、二つの送風手段50、50を固定するための部分が服地部20aに形成されたものも記載されていると認められ、それを、以下「空調衣服3の本体部」という。 (ウ)引用発明 上記(イ)a〜dを総合すると、引用文献4には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「上半身を覆い、背中側の下部であって脇腹に近い左右両側に、外部の空気を服地部20a内に取り込む送風手段50を固定するための部分が形成された服地部20aと、 送風手段50によって取り込まれた空気を流出する、フード25部分(襟周り部分)の開口部及び左右の袖口部分の開口部と、 生理クーラーが有効に機能する範囲を頭部まで広げることができるフード25と、 を備える空調衣服3の本体部。」 イ 引用文献5について 原査定で周知技術を示す文献として提示された登録実用新案第3170101号公報(以下、「引用文献5」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。 (ア)「【0024】 上記したように、このヘルメット用フード4はコート本体2に対して係脱手段5を介して取り付けられ、着脱自在となっている。係脱手段5は、ヘルメット用フード4の下端、及びコート本体2の首まわり部10に沿って複数(図例では3箇所)設けたボタンホックとしてある。勿論、係脱手段5は線ファスナーや面ファスナー等でも良い。 このヘルメット用フード4は、ヘルメット20の前頭部を覆う前縁部がヘルメット外形状に馴染んだ接触状態を可能にする立体カーブを有して形成されている。またこの前縁部には、その前縁部に沿って絞り紐材21が設けられている。 【0025】 この絞り紐材21は、ゴム紐のように弾性収縮力を有した紐によって形成することで、ヘルメット用フード4の前縁部が絞られ、ヘルメット20に対してヘルメット用フード4が密接に張り付いた状態に保持されるようになる。 すなわち、ヘルメット20とヘルメット用フード4とを一体的なものにできるため、これらヘルメット20とヘルメット用フード4との界面への風雨の浸入を確実に防止できることになる。」 (イ)図3 ウ 追加文献1について 当審が周知技術を示す文献として新たに提示する実願昭59−21955号(実開昭60−136314号)のマイクロフィルム(以下、「追加文献1」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。 (ア)「この実用新案は、雨ガッパの雨具フードに関するものである。 従来、雨具フードは、雨の日単車に乗る時ヘルメットをかぶっていると使用できず襟首部分等が濡れてしまった。 そこで本案は、その欠点を解消する考案で、ヘルメットに雨具フードのクリップで固定すれば、乗車時雨具フードをかぶったままで運転できかつ襟首部分等をぬらさずにすむ。」(1ページ6〜14行) (イ)「(1)は雨具フード (2)はクリップ (3)はヘルメット」(2ページ1〜3行) (ウ)第1図 (3)対比・判断 ア 対比 本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「上半身」は、その機能や構造から、前者の「上半身」に相当し、以下同様に、「服地部20a内」は「内部」に、「取り込む」ことは「導入する」ことに、「送風手段50」は「送風手段」に、「孔部21」は「送風手段取付部」に、「服地部20a」は「衣服部」に、「流出する」ことは「噴出する」ことに、「フード25部分(襟周り部分)の開口部」は「噴出部」に、「フード25」は「フード」に、それぞれ相当する。 後者の「上半身を覆い」「外部の空気を服地部20a内に取り込む送風手段50を固定するための部分が形成された服地部20a」は、前者の「使用者の身体のうち少なくとも上半身を覆い、内部に空気を導入する送風手段を取り付けるための送風手段取付部を備えた衣服部」に相当する。 後者の「フード25部分(襟周り部分)の開口部」は、使用者の首の後方からも空気を流出するのは明らかであるから、後者の「送風手段50によって取り込まれた空気を流出する、フード25部分(襟周り部分)の開口部」は、前者の「使用者の首の後方から、前記送風手段によって導入された空気を噴出する噴出部」に相当する。 後者の「生理クーラーが有効に機能する範囲を頭部まで広げることができるフード25」は、フード25部分(襟周り部分)の開口部から流出した空気を、頭部、すなわち、上方へ導くことは明らかであるから、前者の「前記噴出部から噴出された空気を上方へと導くと共にヘルメットに取り付けるためのフード」とは、「前記噴出部から噴出された空気を上方へと導くフード」という点で共通する。 また、後者の「空調衣服3の本体部」と前者の「ヘルメット対応空調衣服の服本体」は、「空調衣服の服本体」という点で共通する。 そうすると、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点1> 「使用者の身体のうち少なくとも上半身を覆い、内部に空気を導入する送風手段を取り付けるための送風手段取付部を備えた衣服部と、 使用者の首の後方から、前記送風手段によって導入された空気を噴出する噴出部と、 前記噴出部から噴出された空気を上方へと導くフードと、 を備える空調衣服の服本体。」 <相違点1> 本件補正発明では、空調衣服の服本体は、「ヘルメットの着用時と非着用時との双方で使用することができるヘルメット対応」するものであり、フードは、「ヘルメットに取り付けるため」のものであるのに対し、引用発明は、ヘルメットに関する構成が特定されていない点。 イ 相違点についての判断 引用発明は、引用文献4の上記(2)ア(ア)eに示されるように、雨天時に屋外の作業に用いる作業服として使用されるものである。そして、例えば、建設・工事現場だけでなく、ビル壁清掃、施設・設備点検等のように、屋外での作業においてヘルメットの着用が必要な場合があることは一般的によく知られている。そうすると、引用発明の使用時において、ヘルメットをかぶることは、必要に応じて適宜なし得る程度のことであり、その際、引用発明の頭部への空調機能を保持するために、ヘルメットがフードの内側に配置されるようヘルメットをかぶることは、当業者にとっては格別の困難性があるとは認められない。 また、フード付きのレインコート等の雨具は、雨天時に屋外の作業に用いる作業服として使用されるものの一種であると認められるところ、フード付きの雨具において、フードの内側にヘルメットをかぶる際、フードをヘルメットに取り付けるようにすることは、周知技術(例えば、引用文献5(上記(2)イ参照)、追加文献1(上記(2)ウ参照)等参照。)にすぎない。 以上によれば、引用発明において、フードの内側にヘルメットをかぶる際、上記周知技術を適用して、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 小括 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 よって、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。 3 まとめ 以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本件補正前の本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2 1(2)」に示したとおりのものと認められる。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、以下の理由を含むものである。 〔理由2〕 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ●理由2 ・請求項 1 ・引用文献等 4、5 ・請求項 4、5 ・引用文献等 4、5、3 ・引用文献等一覧 3.特開2006−132040号公報(周知技術を示す文献) 4.国際公開第2005/063065号 5.登録実用新案第3170101号公報(周知技術を示す文献) 3 引用文献の記載事項等 引用文献4の記載事項及び引用発明は、上記「第2 2(2)」に示したとおりである。 4 対比・判断 (1)対比 本願発明と引用発明とを対比する。 後者の「生理クーラーが有効に機能する範囲を頭部まで広げることができるフード25」は、フード25部分(襟周り部分)の開口部から流出した空気を、頭部、すなわち、上方へ導くことは明らかであり、前者の「前記噴出部から噴出された空気を上方へと導く案内シート」に相当することから、上記「第2 2(3)ア」で説示した相当関係を踏まえると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点2> 「使用者の身体のうち少なくとも上半身を覆い、内部に空気を導入する送風手段を取り付けるための送風手段取付部を備えた衣服部と、 使用者の首の後方から、前記送風手段によって導入された空気を噴出する噴出部と、 前記噴出部から噴出された空気を上方へと導く案内シートと、 を備える空調衣服の服本体。」 <相違点2> 本願発明では、「前記案内シートをヘルメットに取り付けるための取付手段」を備え、空調衣服の服本体は、「ヘルメット対応」するものであるのに対し、引用発明では、ヘルメットに関する構成が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 上記「第2 2(3)イ」で説示したとおり、フード付きの雨具において、フードの内側にヘルメットをかぶる際、フードをヘルメットに取り付けるようにすることは、周知技術にすぎず、上記「第2 2(3)イ」で説示した理由と同様の理由により、引用発明において、フードの内側にヘルメットをかぶる際、上記周知技術を適用して、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 |
審理終結日 | 2022-08-25 |
結審通知日 | 2022-08-30 |
審決日 | 2022-09-13 |
出願番号 | P2019-205116 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(A41D)
P 1 8・ 121- Z (A41D) |
最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
一ノ瀬 覚 |
特許庁審判官 |
八木 誠 芦原 康裕 |
発明の名称 | 空調衣服の服本体及び空調衣服 |
代理人 | 荒船 良男 |
代理人 | 荒船 博司 |