• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F16L
管理番号 1391847
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-03-02 
確定日 2022-11-29 
事件の表示 特願2020−549975「鋼管用ねじ継手」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 4月16日国際公開、WO2020/075365、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和1年)7月24日(優先権主張 2018年10月11日 日本国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりのものである。
令和3年6月17日付け 拒絶理由通知
令和3年8月12日 意見書、手続補正書の提出
令和3年12月9日付け 拒絶査定
令和4年3月2日 審判請求書、手続補正書の提出

第2 審判請求時の補正について
1 本件補正について
(1)令和4年3月2日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)について
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおり補正された(下線部は補正箇所である。)。

「【請求項1】
鋼管用ねじ継手であって、
前記鋼管の一方の先端部に形成される管状のピンと、
前記ピンが挿入されて前記ピンと締結される管状のボックスとを備え、
前記ピンは、
前記ピンの外周に形成され、楔形ねじで構成される雄ねじを含み、
前記ボックスは、
前記雄ねじに対応し、前記ボックスの内周に形成され、楔形ねじで構成される雌ねじを含み、
前記雄ねじ及び前記雌ねじは、完全ねじで構成される完全ねじ部を含み、
前記完全ねじ部は、前記鋼管の軸方向において、40〜60mmの長さを有し、
次の式(1)を満たす、鋼管用ねじ継手。
7%≦(LP−SP)/LP≦8% (1)
式(1)中、LPは前記雄ねじの荷重面間のピッチであり、SPは前記雄ねじの挿入面間のピッチである。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の令和3年8月12日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
鋼管用ねじ継手であって、
前記鋼管の一方の先端部に形成される管状のピンと、
前記ピンが挿入されて前記ピンと締結される管状のボックスとを備え、
前記ピンは、
前記ピンの外周に形成され、楔形ねじで構成される雄ねじを含み、
前記ボックスは、
前記雄ねじに対応し、前記ボックスの内周に形成され、楔形ねじで構成される雌ねじを含み、
前記雄ねじ及び前記雌ねじは、完全ねじで構成される完全ねじ部を含み、
前記完全ねじ部は、前記鋼管の軸方向において、40〜60mmの長さを有し、
次の式(1)を満たす、鋼管用ねじ継手。
3%≦(LP−SP)/LP≦8% (1)
式(1)中、LPは前記雄ねじの荷重面間のピッチであり、SPは前記雄ねじの挿入面間のピッチである。」

(3)本件補正について
本件補正は、LPを雄ねじの荷重面間のピッチとし、SPを雄ねじの挿入面間のピッチとしたとき、「(LP−SP)/LP」の数値範囲の下限値を、本件補正前の「3%」から、本件補正後の「7%」とすることにより限定する補正であって、本件補正前の請求項1に係る発明と、本件補正後の請求項1に係る発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許請求の範囲の請求項1に関する本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、本件補正は、新規事項を追加するものではない。
そして、以下、第3ないし第5に示すように、本件補正後の請求項1ないし2は、独立特許要件を満たすものである。

第3 本願発明
本願の請求項1ないし2に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明2」という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
鋼管用ねじ継手であって、
前記鋼管の一方の先端部に形成される管状のピンと、
前記ピンが挿入されて前記ピンと締結される管状のボックスとを備え、
前記ピンは、
前記ピンの外周に形成され、楔形ねじで構成される雄ねじを含み、
前記ボックスは、
前記雄ねじに対応し、前記ボックスの内周に形成され、楔形ねじで構成される雌ねじを含み、
前記雄ねじ及び前記雌ねじは、完全ねじで構成される完全ねじ部を含み、
前記完全ねじ部は、前記鋼管の軸方向において、40〜60mmの長さを有し、
次の式(1)を満たす、鋼管用ねじ継手。
7%≦(LP−SP)/LP≦8% (1)
式(1)中、LPは前記雄ねじの荷重面間のピッチであり、SPは前記雄ねじの挿入面間のピッチである。
【請求項2】
請求項1に記載の鋼管用ねじ継手であって、
次の式(3)を満たす、鋼管用ねじ継手。
−10度≦α≦−1度、かつ、−10度≦β≦−1度 (3)
式(3)中、αは前記雄ねじの荷重面のフランク角であり、βは前記雄ねじの挿入面のフランク角である。」

第4 引用例
1.引用例1(国際公開第2015/194193号)
原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された引用例1には、「鋼管用ねじ継手」に関して図面とともに次の事項が記載されている(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。

(1)引用例1の記載
1a)「[0001] 本発明は、鋼管の連結に用いられるねじ継手に関する。」

1b)「[0003] 鋼管用ねじ継手の形式は、カップリング型とインテグラル型に大別される。カップリング型の場合、連結対象の一対の管材のうち、一方の管材が鋼管であり、他方の管材がカップリングである。この場合、鋼管の両端部の外周に雄ねじ部が形成され、カップリングの両端部の内周に雌ねじ部が形成される。そして、鋼管とカップリングが連結される。インテグラル型の場合、連結対象の一対の管材がともに鋼管であり、別個のカップリングを用いない。この場合、鋼管の一端部の外周に雄ねじ部が形成され、他端部の内周に雌ねじ部が形成される。そして、一方の鋼管と他方の鋼管が連結される。」

1c)「[0037] [第1実施形態]
図1は、第1実施形態の鋼管用ねじ継手を示す縦断面図である。図2は、その鋼管用ねじ継手におけるねじ部を示す縦断面図である。図3は、その鋼管用ねじ継手におけるピンの先端部の一例を示す縦断面図である。図1〜図3に示すように、第1実施形態のねじ継手は、楔型ねじ(ダブテイル型のテーパねじ)を採用したカップリング型のねじ継手であり、ピン10とボックス20とから構成される。
[0038] ピン10は、ピン10の管本体から先端に向けて順に、雄ねじ部11と、リップ部12とを備える。リップ部12は、雄ねじ部11に連なって管軸CL方向に伸び出す。このリップ部12は、ピン10の先端に向けて順に、首部14と、シーリングヘッド部15とに区分される。シーリングヘッド部15には、シール面13が設けられる。
[0039] 一方、ボックス20は、ボックス20の先端から管本体に向けて順に、雌ねじ部21と、凹部22とを備える。雌ねじ部21は、ピン10の雄ねじ部11に対応して設けられる。凹部22は、ピン10のリップ部12に対応して設けられる。この凹部22には、ピン10のシール面13に対応してシール面23が設けられる。」

1d) 「[0045] ピン10の雄ねじ部11とボックス20の雌ねじ部21は、互いに噛み合うダブテイル形状のテーパねじ(楔型ねじ)である。雄ねじ部11の荷重面11cと雌ねじ部21の荷重面21c、及び雄ねじ部11の挿入面11dと雌ねじ部21の挿入面21dは、いずれも、管軸CLに対して1°〜10°程度の負のフランク角θを有する。雄ねじ部11と雌ねじ部21は、それぞれ互いのねじ込みを可能にし、締結が完了した状態では、荷重面11c、21c同士及び挿入面11d、21d同士が接触し、ねじ部全体が強固に嵌まり合う状態となる。ピン10のシール面13とボックス20のシール面23は、ピン10のねじ込みに伴って互いに接触し、締結が完了した状態では嵌め合い密着して締まりばめの状態となり、面接触による内シールを形成する。」

1e)「[請求項1]
管状のピンと、管状のボックスとから構成され、前記ピンが前記ボックスにねじ込まれて前記ピンと前記ボックスが締結される鋼管用ねじ継手であって、
前記ピンは、前記ピンの管本体から先端に向けて順に、ダブテイル形状のテーパねじの雄ねじ部と、シール面を含むリップ部と、を備え、
前記ボックスは、前記ピンの前記雄ねじ部に対応するダブテイル形状のテーパねじの雌ねじ部と、前記リップ部に対応するシール面を含む凹部と、を備え、
前記リップ部は、前記雄ねじ部から前記ピンの先端に向けて順に、首部と、前記シール面を含むシーリングヘッド部と、を備え、
前記シーリングヘッド部における前記シール面の領域の最大外径が、前記首部における前記雄ねじ部との境界位置での外径よりも大きい、鋼管用ねじ継手。」

1f)図1


1g)上記1b)、1c)、1e)及び1f)の記載から、ピン10は管状であって、鋼管の一方の先端部に形成されることが分かる。

1h)上記1b)、1c)、1d)、1e)及び1f)の記載から、ピン10の外周には楔形ねじで構成される雄ねじ11が形成され、ボックス20の内周には雄ねじ11に対応し楔形ねじで構成される雌ねじ21が形成されることが分かる。

1i)雄ねじ及び雌ねじの締結部において完全ねじ部が設けられることは技術常識であるから、引用例1記載の鋼管用ねじ継手は、雄ねじ11及び雌ねじ21が完全ねじで構成される完全ねじ部を含むと解される。

(2)引用発明
上記(1)からみて、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「鋼管用ねじ継手であって、
鋼管の一方の先端部に形成される管状のピン10と、
ピン10がねじ込まれてピン10と締結される管状のボックス20とを備え、
ピン10は、
ピン10の外周に形成され、楔形ねじで構成される雄ねじ11を含み、
ボックス20は、
雄ねじ11に対応し、ボックス20の内周に形成され、楔形ねじで構成される雌ねじ21を含み、
雄ねじ11及び雌ねじ21は、完全ねじで構成される完全ねじ部を含む、鋼管用ねじ継手。」

2.引用例2(特表2015−534614号公報)
原査定に引用され、本願の優先日前に頒布された引用例2には、「管状ねじ接続」に関して図面とともに次の事項が記載されている。

(1)引用例2の記載
2a)「【0001】
本発明は、管状ねじ接続、およびねじによって接続されるチューブの接続部または組立体に関する。」

2b)「【0002】
本願明細書に記載されたチューブは産業界で使用され、具体的には、チュービング、管状プロダクションアクセサリのライン、または油井またはガス井の操業または探鉱または開発のためのケーシングまたはライナーまたはライザーのためのストリングラインに用いられる組立体またはねじ接続に用いられている。また、本願明細書に記載されているねじ付き組立体または結合部は、例えば、地熱発電所または蒸気プラントのパイプラインまたは管状アクセサリを組み立てることが所望される可能性がある場合の何らかの目的のためにも用いることができる。本願明細書に記載されているねじ付き組立体は、以下で説明するように、特に、油井またはガス井のケーシング、またはケーシングストリングの底部を越える所謂ライナーに用いられる金属チューブのアセンブリに有用である。」

2c)「【0026】
別法として、図1に示す接続のねじの構成は、図6に示すような蟻継ぎ状であってもよい。ピン101の蟻継ぎ状ねじ234の軸方向断面は、該接続の中心線からの距離が減少するにつれて軸方向幅が増加する。同様に、ボックス102の蟻継ぎ状ねじ236の軸方向断面は、該接続の中心線からの距離が減少するにつれて軸方向幅が増加する。

2d)「【0045】
好適な実施の形態において、該ねじは漸増可変幅を有することができる。該ロードフランクおよびスタブフランクは、可変幅ねじを形成するように、異なるリードを有するが、そのねじの長さに関して変化はなく、摂動もない。一実施の形態において、第1、第2、第3および第4のねじウェッジ比は同じである。ウェッジ比は、ねじ長さ、フランク角度、フランクピッチ、フランク半径およびねじ高さ等の幾何学的考察に基づいて選択することができる。また、ウェッジ比は、製造サイクルタイム、パス回数、および切削インサートの寸法等の製造上の考察に基づいて選択することもできる。非限定的な実施の形態において、ウェッジ比は、3〜6%以内、または3.5%〜4.5%、または4%〜4.25%とすることができる。非限定的な実施の形態において、ねじピッチは2〜5TPIまたは3〜4TPIの範囲内とすることができる。」

2e)図1


2f)図6


(2)引用例2に記載の事項
上記(1)からみて、引用例2には、以下の事項(以下、「引用例2記載事項」という。)が記載されている。

「ピン101の蟻継ぎ状ねじ234とボックス102の蟻継ぎ状ねじ236とを備える管状ねじの接続部分において、ウェッジ比を3〜6%とすること。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明における「ピン10」は、本願発明1における「ピン」に相当し、以下同様に、「ボックス10」は「ボックス」に、「雄ねじ11」は「雄ねじ」に、「雌ねじ21」は「雌ねじ」に、「鋼管」は「鋼管」に、「鋼管用ねじ継手」は「鋼管用ねじ継手」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「ピン10がねじ込まれてピン10と締結される」ことは、本願発明における「前記ピンが挿入されて前記ピンと締結される」に相当する。

したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「鋼管用ねじ継手であって、
鋼管の一方の先端部に形成される管状のピンと、
ピンが挿入されてピンと締結される管状のボックスとを備え、
ピンは、
ピンの外周に形成され、楔形ねじで構成される雄ねじを含み、
ボックスは、
雄ねじに対応し、ボックスの内周に形成され、楔形ねじで構成される雌ねじを含み、
雄ねじ及び雌ねじは、完全ねじで構成される完全ねじ部を含む、鋼管用ねじ継手。」

[相違点1]
本願発明1においては、「前記完全ねじ部は、前記鋼管の軸方向において、40〜60mmの長さを有」するのに対し、引用発明においては、鋼管の軸方向における完全ねじ部の長さが不明である点。

[相違点2]
本願発明1においては、「LPは雄ねじの荷重面間のピッチであり、SPは雄ねじの挿入面間のピッチである」としたとき、式(1)「7%≦(LP−SP)/LP≦8%」を満たすのに対し、引用発明においては、上記式(1)に対応する数値範囲が不明である点。

事案に鑑み、まず、相違点2について検討する。

[相違点2について]
本願発明1は、ウェッジ比を高くし高い接触圧を生じさせることによるトルク性能の向上とねじ山破壊リスクの上昇の両者を考慮して、トルク性能と引張性能とを両立させるウェッジ比の範囲を見出したものである(明細書の段落【0012】、【0054】−【0060】、表1、図3−8)。
一方、引用例2に記載の技術的事項及び技術常識を考慮すれば、引用例2に記載の「ウェッジ比」(上記「第4 引用例」の(1)2d)を参照)には、本願発明の「(LP−SP)/LP」と同じ事項を意味すると解するのが自然である。そして、引用例2に記載の管状ねじ接続は、ピン101の蟻継ぎ状ねじ234とボックス102の蟻継ぎ状ねじ236とを備える管状ねじの接続部分において、一般的な幾何学的考察又は製造上の考察に基づいてウェッジ比を3〜6%、または3.5%〜4.5%、または4%〜4.25%とする点について記載される(段落【0045】)にすぎず、本願発明1のように好適なウェッジ比を選択することでトルク性能及び引張性能の両立を図る技術的思想については記載も示唆もなく、しかも本願発明1のウェッジ比である7〜8%の範囲外である。
そうしてみると、仮に引用発明に引用例2記載事項を適用したとしても、引用例2に接した当業者であればウェッジ比を3〜6%とするにすぎず、本願発明1のように7〜8%とすることは、当業者といえども容易に想到し得たこととはいえない。
したがって、上記相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用例2記載事項に基いて当業者が容易に発明し得たとすることはできない。

2.本願発明2について
本願の特許請求の範囲における請求項2は、請求項1の記載を他の記載と置き換えることなく引用して記載されたものであるから、本願発明2は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。
したがって、本願発明2は、本願発明1と同様の理由により引用例1ないし2に基いて当業者が容易に発明し得たとすることはできない。

第6 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定は、請求項1ないし3に係る発明について、引用例1ないし2に記載された発明に基いて当業者が容易に想到し得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
<引用例一覧>
1.国際公開第2015/194193号
2.特表2015−534614号公報

しかし、本件補正により補正された請求項1ないし2に係る発明は、「7%≦(LP−SP)/LP≦8% (1)
式(1)中、LPは前記雄ねじの荷重面間のピッチであり、SPは前記雄ねじの挿入面間のピッチである。」ことを発明特定事項として含むものであるから、上記第5で判断したとおり、本願発明1ないし2は、引用例1ないし2に基いて当業者が容易に想到し得たとすることはできない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、本願の請求項1ないし2に係る発明は、当業者が引用例1ないし2に基いて容易に発明し得たとすることはできない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2022-11-16 
出願番号 P2020-549975
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F16L)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 白土 博之
間中 耕治
発明の名称 鋼管用ねじ継手  
代理人 上羽 秀敏  
代理人 上羽 秀敏  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ