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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F |
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管理番号 | 1391952 |
総通号数 | 12 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-12-28 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2022-06-13 |
確定日 | 2022-10-07 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6877078号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6877078号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6877078号(以下「本件特許」という。)は、平成30年5月30日の出願(特願2018−104112)であって、令和3年4月30日にその特許権の設定登録がなされ、令和4年6月13日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。 1 訂正事項1 本件特許請求の範囲の請求項1に、 「前記第2受付期間では、当該第2受付期間内で遊技者による操作が行われなくても前記第2受付後演出が実行される」と記載されているものを、 「前記第2受付期間では、遊技者による操作が行われずに当該第2受付期間が終了すると前記第2受付後演出が実行される」 に訂正する(下線は訂正部分を示す。)。 第4 当審の判断 1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について 本件訂正前の請求項1では、「前記第2受付期間では、当該第2受付期間内で遊技者による操作が行われなくても前記第2受付後演出が実行される」との記載において、「前記第2受付後演出が実行される」タイミングが特定されていなかったものを、本件訂正後の請求項1では、「前記第2受付期間では、遊技者による操作が行われずに当該第2受付期間が終了すると前記第2受付後演出が実行される」と訂正することにより、「前記第2受付後演出が実行される」タイミングを「当該第2受付期間が終了する」時点に限定するものである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮といえるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。 2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について 訂正事項1の「前記第2受付期間では、遊技者による操作が行われずに当該第2受付期間が終了すると前記第2受付後演出が実行される」について、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)には、以下の記載がある(下線は、当審で付した。)。 「【2579】 ただし上述の通り、「特定の変動パターン」にかかる演出(演出パターン)では、演出判定(予告判定)としていずれの結果が得られている場合であっても、図213(b)に示されるように、装飾図柄の変動演出が開始されてから特定時間が経過したタイミングtr42(SPリーチ状態内のタイミング)が到来したときに演出受付が許容される操作受付演出(有効期間)を発生させる。 【2580】 この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定の変動パターン内のタイミングtr42で発生させる操作受付演出(有効期間)については、 ・該変動パターン(演出パターン)に応じた「BGM再生の音」が抑制態様または無音で出力されているなかで演出受付が許容される設定時間を設定する「抑制受付演出(図213(a),(b)を参照)」であり、且つ ・演出受付が許容される設定時間(タイミングtr42〜tr43)内で操作対象にされている操作手段に対する操作が検出されなかった場合であっても、該設定時間内のタイミングtr42Aが到来すると、演出受付を内部的に自動発生させ(自動ボタン機能を有効化させ)、該演出受付がなされたことに基づいて操作後演出が開始される「自動受付態様(図213(j)を参照)」 によって実行される「抑制・自動受付演出」として発生させるようにしている。なお、「BGM再生の音」を抑制態様または無音で出力させる手法としては、該「BGM再生の音」これ自体のデータ内に無音区間(抑制区間)を予め設定しておく手法や、該「BGM再生の音」が割り当てられているチャンネルに対するボリューム値を抑制値(例えば、「0」)に設定変更させる手法や、これらの組み合わせなどを採用することができる。後述するが、この「抑制・自動受付演出」は、「第2抑制操作受付演出」とも呼称されるものであり、ここでの抑制態様は、「強抑制態様」とも呼称されるものである。 ・・・ 【2592】 また、図213に示される演出例においても、設定時間(有効期間)内で演出受付がなされると(図中では、タイミングtr42a)、演出受付に応じた操作後演出として、演出表示装置1600(第1演出部材)における操作後表示演出(液晶表示)と、スピーカ(第2演出部材)による操作後演出音出力(演出音)とが少なくとも発生するようになっている。より具体的には、操作後表示演出(液晶表示)については、設定時間(有効期間)内のいずれのタイミングで演出受付がなされた場合であっても、タイミングtr43よりも後に到来する特定タイミングで非表示(視認不能)にされるものにするのに対し、操作後演出音出力(演出音)については、演出受付がなされたタイミングから予め定められた時間分だけ出力状態を維持するものとなっている。 ・・・ 【2595】 この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図213(g)〜(i)に示されるように、設定時間(有効期間)内の自動ボタン機能が有効化されるタイミングtr42Aよりも前にメッセージ音の出力状態は終了(非可聴の状態に)されるのに対し、メッセージ表示は、自動ボタン機能が有効化されるタイミングtr42Aにおいても表示状態を維持するようになっており、さらには自動ボタン機能が有効化された以降、少なくとも設定時間が終了されるタイミングtr43が到来するまでの間には非表示(視認不能)にならないようになっている。それ以降も表示状態を維持するようにしてもよい。なお、設定時間(有効期間)とは、演出受付がなされた時点で終了されるものであるから、実際は、自動ボタンが有効化されるタイミングtr42Aが到来したときには遅くとも終了されることとなる。したがって、「設定時間が終了されるタイミングtr43」とは、厳密には、設定時間が仮に継続していたとするときに終了されるタイミングのことを意味しており、タイミングtr42で設定された時間が該タイミングtr42から経過した時に到来するタイミングのことである。」 ここで、上記【2579】、【2580】、【2592】より、本件特許明細書に記載された「「特定の変動パターン」にかかる演出(演出パターン)」での「設定時間(有効期間)」は、「該変動パターン(演出パターン)に応じた「BGM再生の音」が抑制態様または無音で出力されているなかで」「設定」され、「設定時間(有効期間)内で演出受付がなされると」「演出受付に応じた操作後演出」が「発生」するものであるところ、本件特許請求の範囲の請求項1における「第2受付期間」については、「前記第2受付期間において操作受付がなされると、前記所定の結果が得られている期待度が異なる複数態様のいずれかによって」「第2受付後演出が実行され」、「前記第2受付期間は、可聴出力されている前記特定BGMが可聴出力されない状態になってから発生されうるものであ」るとされていることから、本件特許請求の範囲の請求項1に記載された「第2受付期間」に対応する実施例は、本件特許明細書に記載された「「特定の変動パターン」にかかる演出(演出パターン)」での「設定時間(有効期間)」である。 そして、上記【2580】、【2595】より、本件特許明細書に記載された「設定時間(有効期間)」は、「操作対象にされている操作手段に対する操作が検出されなかった場合であっても、該設定時間内のタイミングtr42Aが到来すると、演出受付を内部的に自動発生させ(自動ボタン機能を有効化させ)、該演出受付がなされたことに基づいて操作後演出が開始され」、「自動ボタンが有効化されるタイミングtr42Aが到来したときには遅くとも終了される」のであるから、本件特許明細書には、訂正事項1の「前記第2受付期間では、遊技者による操作が行われずに当該第2受付期間が終了すると前記第2受付後演出が実行される」が記載されていると認められる。 よって、訂正事項1は、本件特許明細書より導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について 上記1で示したとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について 本件訂正前の請求項1に係る発明と同様に、本件訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項から第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 判定を行う判定手段と、 前記判定手段による判定にて所定の結果が得られたことに基づいて遊技者に特典を付与しうる特典付与手段と、 遊技者により操作可能な操作手段と、 前記操作手段に対する操作受付が許容される受付期間を発生させる受付期間発生手段と、 前記受付期間の発生に際しては、操作受付が許容される状態になったこと、または操作受付が許容される状態になることを示唆する受付許容音を可聴出力しうる受付許容音出力手段と を備え、 前記受付期間として、前記操作手段に対する操作によって操作受付がなされうる第1受付期間、及び前記第1受付期間で操作機会が付与される操作手段と同じ操作手段に対する操作によって操作受付がなされうる第2受付期間が少なくとも用意されており、 前記第1受付期間において操作受付がなされると、前記所定の結果が得られている期待度が異なる複数態様のいずれかによって第1受付後演出が実行され、 前記第2受付期間において操作受付がなされると、前記所定の結果が得られている期待度が異なる複数態様のいずれかによって、前記第1受付後演出とは演出内容が異なる第2受付後演出が実行される遊技機であって、 前記第1受付期間は、 特定BGMが可聴出力されているなかで発生されうるものであり、該発生に際しては、前記受付許容音が可聴出力されるようになっており、 前記第2受付期間は、 可聴出力されている前記特定BGMが可聴出力されない状態になってから発生されうるものであり、該発生に際しては、前記受付許容音が可聴出力されるようになっており、 前記受付許容音として、前記所定の結果が得られている期待度が相対的に低い第1許容音、及び該期待度が相対的に高い第2許容音を含む複数が用意されており 前記第1許容音は、前記第1受付期間及び前記第2受付期間のいずれの発生に際しても可聴出力されうるが、前記第2許容音は、前記第1受付期間及び前記第2受付期間のうち前記第2受付期間の発生に際してのみ可聴出力されうるようになっており、 さらに、 前記受付期間が発生するよりも前に特定の前演出表示が表示される場合があり、該特定の前演出表示は、前記受付期間が発生するタイミングを跨るように表示可能とされ、 前記特定の前演出表示が表示されているなかで前記受付期間において操作受付がなされると、該操作受付に応じた受付後演出が実行開始されるが、該受付後演出が実行開始される時点において、前記特定の前演出表示は非表示にされておらず、該特定の前演出表示が非表示になるまでの間に該特定の前演出表示とは別の演出表示が表示され、該別の演出表示によって当該特定の前演出表示が視認し難くされるようになっており、 さらに、 前記第2受付期間では、遊技者による操作が行われずに当該第2受付期間が終了すると前記第2受付後演出が実行されるが、前記第1受付期間では、当該第1受付期間内で遊技者による操作が行われなかったときに前記第1受付後演出が実行されず、前記第1受付期間と前記第2受付期間とは1つの変動パターン内で順次に発生しうるようになっており、 さらに、 前記第2受付期間が発生するときにはこれに関連して特定のメッセージ表示が表示されるが、該特定のメッセージ表示は、前記第1受付期間が発生するときにはこれに関連して表示されることがなく、前記第2受付期間が発生するときにこれに関連して表示される前記特定のメッセージ表示は、前記第2受付後演出が実行開始される時点においても非表示の状態にされておらず表示されており、 さらに、 前記受付期間として第3受付期間がさらに用意されており、該第3受付期間の発生に際しては前記受付許容音自体が可聴出力されない ことを特徴とする遊技機。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2022-08-31 |
結審通知日 | 2022-09-05 |
審決日 | 2022-09-27 |
出願番号 | P2018-104112 |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(A63F)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
長崎 洋一 |
特許庁審判官 |
三田村 陽平 北川 創 |
登録日 | 2021-04-30 |
登録番号 | 6877078 |
発明の名称 | 遊技機 |