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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1392091
総通号数 12 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-08-08 
確定日 2022-11-28 
異議申立件数
事件の表示 特許第7000607号発明「電子レンジ加熱調理用液状調味料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第7000607号の請求項1ないし13に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7000607号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし13に係る特許についての出願は、令和3年1月29日を出願日とする特願2021−13519号に係るものであって、同年12月27日にその特許権の設定登録(請求項の数13)がされ、令和4年2月14日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年8月8日に特許異議申立人 猪原 美穂(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされたものである。

第2 本件発明
本件特許の請求項1ないし13に係る発明(以下、順に「本件発明1」のようにいう。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
電子レンジによる加熱調理用液状調味料であって、(1)25℃における粘度が100〜9000cpであり、(2)水分活性が0.66〜0.96であり、かつ、(3)食塩および4重量%以上の糖類を含み、電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われることを特徴とする液状調味料。
【請求項2】
前記液状調味料が所望の大きさにカットされた香味野菜を含む、請求項1に記載の液状調味料。
【請求項3】
包装容器に充填封入された液状調味料である、請求項1または2に記載の液状調味料。
【請求項4】
前記包装容器が電子レンジ加熱対応包材の包装容器である、請求項3に記載の液状調味料。
【請求項5】
前記包装容器がスタンディングパウチである、請求項3または4に記載の液状調味料。
【請求項6】
前記主固形具材が畜肉、魚肉、または野菜である、請求項1に記載の液状調味料。
【請求項7】
前記包装容器が前記加熱用容器である、請求項3ないし5のいずれか一項に記載の液状調味料。
【請求項8】
スタンディングパウチに充填封入された液状調味料が、主固形具材が投入されて縦置きにした状態で、パウチ底面から液状調味料の液面の高さが、パウチ底面から主固形具材の高さの0.5倍以上で電子レンジ加熱調理されるものである、請求項5または7に記載の液状調味料。
【請求項9】
液状調味料による主固形具材の電子レンジ加熱調理方法であって、液状調味料は、25℃における粘度が100〜9000cp、水分活性が0.66〜0.96で、かつ、食塩および4重量%以上の糖類を含み、加熱用容器に主固形具材を投入し、加熱用容器底面から該液状調味料の液面の高さが、投入された主固形具材の上面の高さの0.5倍以上となる状態で、電子レンジにより加熱調理することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記液状調味料として、電子レンジ加熱対応包材の包装容器に充填封入された液状調味料を用い、その包装容器を前記加熱用容器とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記主固形具材が畜肉、魚肉、または野菜である、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記包装容器が、加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機能を有するジッパー付スタンディングパウチであり、主固形具材を投入して縦置きにした状態で加熱調理する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記加熱調理されたものが、主固形具材の炒め料理風味または照焼き料理風味である、請求項9ないし12のいずれか一項に記載の方法。」

第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要
令和4年8月8日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。

1 申立理由1(甲第1号証に基づく進歩性
本件特許の請求項1ないし13に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし13に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。

2 申立理由2(甲第2号証に基づく進歩性
本件特許の請求項1ないし13に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第2号証に記載された発明に基づいて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし13に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。

3 申立理由3(甲第3号証に基づく進歩性
本件特許の請求項1ないし13に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第3号証に記載された発明に基づいて、本件特許の出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし13に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。

4 証拠方法
甲第1号証:国際公開第2008/146915号
甲第2号証:特開2015−130811号公報
甲第3号証:特開2009−254303号公報
甲第4号証:特開2020−99204号公報
甲第5号証:特開2013−17455号公報
甲第6号証:特開2011−139660号公報
甲第7号証:「syunkonカフェごはんレンジで絶品レシピ」の「甘辛豚バラ」・「ふっくら豚のしょうが焼」第11刷、p.9,p.22,2019年7月1日、株式会社宝島社発行
なお、証拠の表記は、おおむね特許異議申立書の記載に従った。
以下、順に「甲1」のようにいう。

第4 当審の判断
以下に記載するように、特許異議申立人の申立理由1ないし3はいずれも理由がない。

1 申立理由1(甲1に基づく進歩性)について
(1)甲1に記載された事項等
ア 甲1に記載された事項
甲1には、「パウチ詰液状食品」に関して、おおむね次の事項が記載されている。下線については当審において付与した。以下同じ。
・「特許請求の範囲
[1] 液状食品がパウチに充填密封後レトルト処理されてなり、パウチ内に固形具材を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにするパウチ詰液状食品であって、
パウチが固形具材の投入口となるジッパー部と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構を有し、
液状食品における液状物の粘度(60℃)が、0.1〜10Pa・sであり、
液状食品と固形具材との関係が、以下の条件(a)〜(d)の少なくともいずれか一つを満たすことを特徴とするパウチ詰液状食品:
(a)液状食品の食塩濃度が、固形具材投入後の内容物全体の食塩濃度に対して110〜400%であること;
(b)固形具材をパウチ内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さであること;
(c)パウチの最大充填可能容量が、液状食品の充填量の2〜10容量倍であること;
(d)固形具材の予定投入量が、液状食品に含まれる液状物1質量部に対して0.1〜5質量部であること。
・・・
[10] 請求項1〜9のいずれかに記載のパウチ詰液状食品のジッパー部を開封し、そこから固形具材をパウチ内に投入し、ジッパー部を閉じ、電子レンジで加熱調理することを特徴とする加熱料理の調理又は製造方法。」
・「発明が解決しようとする課題
[0004] しかしながら、食材によっては、予め加熱調理したものをパウチ内に収容しておき、食するときに再度加熱すると、色や香りが劣化したり、水がでたりするものがある。また、肉類や魚類には加熱調理を短時間で行わないと硬くなるものものがあり、食材によって最適な加熱調理時間は様々である。さらに、料理によっては、鮮度の高い食材が必要とされるものがある。
[0005] このため、加熱調理を完了させた料理がパウチに詰められているパウチ詰食品を電子レンジで加熱しても、その美味しさには限界があった。特に、レトルト処理されたパウチ詰食品は、常温保存でき便利である反面、レトルト処理による過度の加熱により料理の風味等が損失する問題も生じる。また、種々の未加熱の食材をパウチ内に収容し、それらを電子レンジで一斉に加熱調理するようにしたパウチ詰食品も、鍋等で行われる加熱に比べ加熱調理中の食材が攪拌され難いことや食材が直接加熱され短時間で加熱が終了する電子レンジ加熱の特性等の理由により、料理全体の調味バランスが悪くなり、しかも、加熱調理時間が、加熱調理時間を最も長く必要とする食材の加熱調理時間に合わせられるため、料理の美味しさには限界があった。
・・・
[0010] 本発明は、このような従来技術の課題に対し、電子レンジ加熱を利用して手軽に調理を行えるようにし、かつ、短時間で加熱調理することが必要とされる食材、加熱調理後の長期間の保存に適さない食材、鮮度が必要とされる食材等を用いる料理であっても、その食材の色、香り、食感等を損なうことなく、美味しい料理を調理できるようにすること、及び、消費者がその時々に有する生鮮食品等の具材を有効に用いて、美味しい電子レンジ加熱料理を作れるようにすることを目的とする。特に、白菜やブロッコリー等の野菜を用いた美味しい加熱料理を電子レンジ加熱を利用して家庭で手軽に作れるようにするパウチ詰液状食品を提供することを目的とする。」
・「[0026] 固形具材をパウチ内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さとなっている場合には、パウチ内に加えた固形具材の大部分が液状物の上に露出した状態で電子レンジ加熱調理を開始できるので、固形具材を蒸し煮状態にすることができ、過度の加熱によりこれら固形具材のテクスチャーが損なわれたり、これらの固形具材に調味成分が染み込みすぎて素材そのものの味が損なわれて料理全体が極めて均質な味となったりする問題を解消可能となる。」
・「[0055] 次に、電子レンジ加熱調理用の本発明のパウチ詰液状食品1を構成するパウチ10について説明する。
[0056] 図1に示す様に、パウチ10は、底面にマチができるようにプラスチックフィルムを折り曲げて重ね合わせ、両側縁部及び上縁部をヒートシールして側縁シール部11及び上縁シール部12を形成したスタンディングパウチからなる平袋状のレトルトパウチであり、パウチ10の片面の上縁シール部12の近傍には、ジッパー部13が設けられている。」
・「[0070] 電子レンジ加熱で最終的に得ようとする料理がカボチャ又は芋類のクリーム煮の場合、その主要材料であり、かつレトルト処理により煮崩れしやすいカボチャ、又はジャガイモ、サトイモ等の芋類を電子レンジ加熱時に投入する固形具材として予定し、パウチに充填しておく液状食品は、クリーム、チーズ、マッシュルーム等を加熱調理したクリームソースとする。
[0071] 電子レンジ加熱で最終的に得ようとする料理がポトフの場合、その主要材料となり得るカリフラワー等の花野菜や、レトルト処理により煮崩れしやすいジャガイモ等の芋類を電子レンジ加熱時に投入する固形具材として予定し、パウチに充填しておく液状食品は、肉、根菜類、タマネギ等をコンソメ味に煮込んだスープ状食品とする。
[0072] 電子レンジ加熱で最終的に得ようとする料理が魚介類や肉類の煮込みの場合、その主要材料であり、かつレトルト処理により硬くなりやすいアサリ、イカ、サバ、タラ等の魚介類や牛肉、豚肉のロース肉、鶏肉のもも肉といった畜肉を電子レンジ加熱時に投入する固形具材として予定し、パウチに充填しておく液状食品は、ブイヨンベースをベースとした調味液や、トマトペーストをベースとする調味液、味噌をベースとする調味液等とする。」
・「[0202」実施例11(白菜の加熱料理)
(1)投入する野菜
・・・
[0203](2)液状食品、パウチ詰液状食品
表10に示す液状食品のうち、オイスターソース、醤油、菜種油、化工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉、日本エヌエスシー(株)社製、商品名「コルフロ67」)、砂糖、食塩、ショウガペースト、清水を鍋で混合、加熱することにより調味液を調製した。
・・・
[0204]・・・液状食品における調味液の粘度は(品温600C(当審注:「品温60℃」の誤記と認める。)、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)3Pa・sであり、パウチ厚は0.7cmであった。
[0205][表10]


・「[0226] 試験例2
本試験例においては、パウチ詰液状食品に野菜を投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状食品の液面の高さが、加熱調理後の野菜の食感や風味に与える影響を調べるために以下の試験を行った。つまり、まず、実施例11と同様にして表14に示す液状食品の材料のうち、オイスターソース、醤油、菜種油、化工澱粉、砂糖、食塩、ショウガペースト、清水を鍋で混合、加熱することにより調味液を調製した。この調味液を実施例11で用いたパウチにそれぞれ220g、200g、180g、150g、100g、50gずつ充填後、実施例11と同様にレトルト処理し、パウチ内に液状食品として調味液が充填されている6種類の各パウチ詰液状食品を得た。
[0227] 次に、パウチ内に後に加える野菜として1口大(約35×50mm)にカットした白菜を用意した。この白菜を調味液充填量の異なる各パウチ詰液状食品に、ジッパーを開封して、表14に記載した量それぞれ充填した後密封した。続いて、電子レンジ内に白菜投入後のパウチ詰液状食品を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした状態で加熱調理をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。電子レンジでの加熱調理条件は、過度の加熱がされた場合を想定して600W×6分間の条件で行った。
[0228] 得られた各料理について、白菜の食感及び風味、並びに料理全体の味付けのムラを下記評価基準により評価した。また、電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の各パウチ詰液状食品について、内容物の下端から上端までの高さに対する液状物の液面の高さを測定した。結果を表14に示す。

・・・
[0232][表14]


・「[0233] 表14より、電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/10〜1/2の高さに位置する場合(試験品2−2〜2−5)は、電子レンジ加熱により過度の加熱がされたとしても、白菜そのものの好ましいテクスチャーや旨みが引き出された美味しい加熱料理が得られることが理解できる。これに対して、液状物の液面が前記高さよりも高く、パウチ内に投入した白菜の大部分が液状物に浸漬した状態で電子レンジ加熱調理を開始した場合(試験品2−1)は、過度の加熱により白菜のテクスチャーが損なわれ、また、白菜に調味成分が染み込みすぎて白菜の旨みが損なわれ好ましくないものとなった。一方、液状物の液面が前記高さよりも低く、パウチ内に投入した白菜が液状物にほとんど浸漬していない状態で電子レンジ加熱調理を開始した場合(試験品2−6)は、電子レンジ加熱後のパウチを開封して内容物を皿に移して液状食品と白菜とを撹搾しても、料理の味付けのムラを充分に解消することができなかった。」

イ 甲1に記載された発明
甲1には、上記アから、試験品2−2に利用されている液状物として、以下の発明が記載されているといえる。

<甲1液状物発明>
「液状食品がパウチに充填密封後レトルト処理されてなり、パウチ内に固形具材である白菜50gと液状物200gを投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにするパウチ詰液状食品に利用されている液状物であって、
液状物が、オイスターソース5質量部、醤油5質量部、菜種油5質量部、化工澱粉3質量部、砂糖3質量部、食塩1質量部、ショウガペースト1質量部、清水77質量部であり、粘度は(品温60℃、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)3Pa・sであり、
パウチが固形具材の投入口となるジッパー部と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構を有し、電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/2の高さに位置するようにして加熱されるものである、
液状物。」

また、甲1液状物発明を利用した電子レンジ加熱料理方法として、以下の発明が記載されているといえる。

<甲1調理方法発明>
「液状食品がパウチに充填密封後レトルト処理されてなり、パウチ内に固形具材である白菜50gと液状物200gを投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理する電子レンジ加熱調理方法であって、
液状物が、オイスターソース5質量部、醤油5質量部、菜種油5質量部、化工澱粉3質量部、砂糖3質量部、食塩1質量部、ショウゲペースト1質量部、清水77質量部であり、粘度は(品温60℃、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)3Pa・sであり、
パウチが固形具材の投入口となるジッパー部と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構を有し、電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/2の高さに位置するようにして加熱される、
電子レンジにより加熱調理する方法。」

(2)本件発明1について
本件発明1と甲1液状物発明とを対比する。
甲1液状物発明の「パウチ」、「固形具材である白菜」は、それぞれ、本件発明1の「加熱用容器」、「主固形具材」に相当する。
甲1液状物発明の「液状物」は、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにするパウチ詰液状食品に利用されている液状物であるから、本件発明1の「電子レンジによる加熱調理用液状調味料」に相当する。
甲1液状物発明においても、固形具材をパウチ内に投入して電子レンジで加熱調理する姿勢とした場合の液状物の液面が、内容物の下端から上端までの1/2の高さであるようにして加熱しているものであるから、甲1液状物発明も「電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われる」ものといえる。

そうすると、本件発明1と甲1液状物発明は、
「電子レンジによる加熱調理用液状調味料であって、食塩を含み、電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われる、液状調味料。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1−1>
液状調味料に関し、本件発明1は、「(1)25℃における粘度が100〜9000cpであり、(2)水分活性が0.66〜0.96であり、かつ、(3)食塩および4重量%以上の糖類を含み」と特定するのに対し、甲1液状物発明は、「オイスターソース5質量部、醤油5質量部、菜種油5質量部、化工澱粉3質量部、砂糖3質量部、食塩1質量部、ショウゲペースト1質量部、清水77質量部であり、粘度は(品温60℃、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)3Pa・s」と特定するものである点

以下、相違点1−1について検討する。
甲1液状物発明の液状調味料には、食塩1質量部及び砂糖3質量部と化工澱粉3質量部が含まれているから、本件発明1の「(3)食塩および4重量%以上の糖類を含み」を満足しているといえるが、粘度3Pa・sは単位換算すると3000cpであるものの、測定温度が60℃であって本件発明1の25℃と異なることから、本件発明1の「(1)25℃における粘度が100〜9000cp」を満たしているかどうか不明である。また、甲1液状物発明の水分活性については、甲1には記載されていないし、どのような値であるかを推認する証拠はなく、不明である。
そして、甲1において、液状物の25℃における粘度を100〜9000cpとし、水分活性を0.66〜0.96の範囲とすることを動機づける記載はなく、その他の証拠にもない。
そうすると、甲1液状物発明において、本件発明1の(3)の条件を満たすとともに、さらに、粘度条件及び水分活性条件を満たすようにすること、言い換えると、相違点1−1に係る本件発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
そして、本件発明1の奏する「美味しく作るのに技術を要し手間がかかる炒め料理や照焼き料理を、電子レンジを利用して家庭で簡単に短時間で美味しく作ることができる」という効果は、甲1液状物発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものである。

よって、本件発明1は、甲1液状物発明、すなわち、甲1に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件発明2ないし8について
本件発明2ないし8は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであって、請求項1に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2ないし8は、甲1に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。

(4)本件発明9について
本件発明9と甲1調理方法発明とを対比すると、上記(2)と同様な相当関係が成り立つ。
そうすると、本件発明9と甲1調理方法発明は、
「液状調味料による主固形具材の電子レンジ加熱調理方法であって、加熱用容器に主固形具材を投入し、加熱用容器底面から該液状調味料の液面の高さが、投入された主固形具材の上面の高さの0.5倍以上となる状態で、電子レンジにより加熱調理する方法。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1−2>
液状調味料に関し、本件発明9は、「25℃における粘度が100〜9000cp、水分活性が0.66〜0.96で、かつ、食塩および4重量%以上の糖類を含み」と特定するのに対し、甲1調理方法発明は、「オイスターソース5質量部、醤油5質量部、菜種油5質量部、化工澱粉3質量部、砂糖3質量部、食塩1質量部、ショウゲペースト1質量部、清水77質量部であり、粘度は(品温600C、(株)東京計器製のBH型粘度計、ローターNo.3、回転数20rpm)3Pa・s」である点

上記相違点1−2について検討するに、上記相違点1−2は、上記(2)の相違点1−1と実質的に同じであるから、上記(2)における相違点1−1と同様に判断される。
よって、本件発明9は、甲1調理方法発明、すなわち、甲1に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても容易に発明をすることができたものとはいえない。

(5)本件発明10ないし13について
本件発明10ないし13は、請求項9を直接又は間接的に引用して特定するものであって、請求項9に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明9と同様に、本件発明10ないし13は、甲1に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。

(6)まとめ
よって、申立理由1には理由がない。

2 申立理由2(甲2に基づく進歩性)について
(1)甲2に記載された事項等
ア 甲2に記載された事項
甲2には、「電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料、及びそれを用いた肉類加熱調理方法」に関して、おおむね次の事項が記載されている。
・「【特許請求の範囲】
【請求項1】
だしを含有する液状調味料がスタンディングパウチに充填封入されてなり、具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態で電子レンジにて加熱調理することにより、煮物料理を得られるようにするスタンディングパウチ入り液状調味料であって、
だしの含有量が固形分量として0.1質量%以上3.0質量%以下であり、20℃における粘度が400mPa・s以上8000mPa・s以下である
ことを特徴とする電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料。
【請求項2】
増粘剤として加工澱粉を含有するとともに、前記加工澱粉の含有量が1.0質量%以上6.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料。
【請求項3】
増粘剤として加工澱粉及び増粘多糖類を含有するとともに、前記加工澱粉の含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下であり、前記増粘多糖類の含有量が前記加工澱粉の含有量の半分以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料。
・・・
【請求項6】
前記スタンディングパウチに前記具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態において、パウチ底面を基準とした前記液状調味料の液面の高さが、パウチ底面を基準とした前記具材の高さの0.6倍以上1.1倍以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料。
・・・
【請求項8】
だしの含有量が固形分量として0.1質量%以上3.0質量%以下であり、20℃における粘度が400mPa・s以上8000mPa・s以下である液状調味料が充填封入されたスタンディングパウチに、具材である肉類を投入して前記液状調味料とともに揉み込んだ後、縦置きにした状態で電子レンジにて加熱調理することにより、肉類煮物料理を得ることを特徴とする肉類加熱調理方法。」
・「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、脂っこくなく比較的あっさりとした肉類煮物料理(例えば、和風の肉類煮物料理)を上記従来技術の方法にて造りたいときには、例えば、だしを含有する一方で油脂分が少ない液状調味料と、具材である肉類とをパウチ内で混ぜ合わせて電子レンジで加熱調理を行えばよい。しかしながら、この場合には急速な加熱に伴ってだし風味が消失してしまい、肉類煮物料理としての嗜好性が損なわれやすいという問題があった。その一方で、だし風味を維持できる程度の穏やかな加熱条件で調理を行うと、肉類(特に畜肉)に対する調理効果が低下して液状調味料の染み込みが悪くなり、煮物料理として肉類の柔らかさが不十分になるという問題があり、上記のだし風味の維持との両立が困難であった。
【0006】
また、特許文献3等に示す従来のパウチ詰め液状食品は、電子レンジ内にて平置きの状態で加熱調理されるのが一般的である。その際、液状調味料の液面がファスナー及び蒸気抜き機構の極めて近くに位置することになるため、液状調味料が噴きこぼれたり、突沸したりしやすいという問題があった。そこで本願発明者らは、スタンディングパウチに液状調味料をあらかじめ充填封入しておく商品形態を選択し、調理時にはファスナーを開けて具材を投入して再びファスナーを閉じた後、電子レンジ内で縦置きの状態で加熱調理することを考えている。しかしながら、このような特殊な調理方法を採用した場合、加熱調理中にパウチが座屈することが予想され、このような座屈の防止と、噴きこぼれ・突沸の防止等とを同時に解決することが望ましいと考えられる。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、縦置き状態で電子レンジにて加熱調理したときに、だしの風味が十分に効いていて肉類が十分に柔らかい肉類煮物料理を得ることができる電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料を提供することにある。また、その第2の目的は、縦置き状態で電子レンジにて加熱調理したときでもパウチの座屈や噴きこぼれ・突沸を起こしにくい電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料を提供することにある。また、本発明の第3の目的は、上記の好適な液状調味料を用いて確実にかつ簡単に嗜好性の高い肉類煮物料理を得ることができる調理方法を提供することにある。」
・「(1)試験1(好適な粘度範囲を決める試験)
【0047】
この試験では、図5の表1の配合量に従い以下の手順で和風煮物料理用の液状調味料を作製した。まず、タンクに、水、鰹だし、醤油、砂糖、食酢、食塩、増粘剤である加工澱粉(松谷化学社製:パインエース#5)、増粘剤である増粘多糖類(キサンタンガム)を投入した後、攪拌して液状調味料(1000g)を作製した。なお、ここでは加工澱粉の含有量を一定にし、キサンタンガムの含有量を0.0g〜6.0gの9段階(即ち0.0質量%〜0.6質量%の9段階)に設定し、これらを試験例1a〜1iのサンプルとした。次に、図1に示すものと同じ構造のスタンディングパウチを用意しておき、これに液状調味料を同じ分量(125g)ずつ充填封入した後、非レトルト条件にて加熱殺菌処理を行った。スタンディングパウチの縦寸法L1は約170mm、横寸法L2は約20mmであり、縦横寸法比(L1/L2比)は約0.85であった。加熱殺菌処理の後、スタンディングパウチの開口部を開けて、あらかじめ一口大の大きさ(20mm〜30mm程度の塊状)にカットしておいた具材としての肉類(鶏肉)を所定量(300g)だけ投入し、開口部を閉じて液状調味料と鶏肉とを揉み込んでよく混ぜ合わせた。続いて、液状調味料及び鶏肉の入ったスタンディングパウチを電子レンジ内にて自立かつ縦置き状態にして、電子レンジにて600W×5分の条件で加熱調理を行い、試験例1a〜1iの各サンプルについて和風煮物料理を得た。
【0048】
ところで、試験例1a〜1iの液状調味料サンプルについては、それぞれ従来公知の分析を行い、酸度TA(w/w%)、塩分NA(w/w%)の値を調査した。また、市販のブリックス糖度計を用いた従来公知の手法によりブリックス(Bx:%)の値を測定するとともに、B型粘度計による20℃での粘度(mPa・s)も測定した。表1にその結果を示す。これによると、基本的にキサンタンガム含有量(つまり増粘剤の総含有量)が多くなるほど、粘度が高くなるという測定結果が得られ、液状調味料の粘度が増粘剤の総含有量に依存していることが確認された。同様にブリックスの値に関しても若干増加するという測定結果が得られた。なお、塩分の値は一定であった。ちなみに、ここでは液状調味料に食用油脂を含有させていないため、油脂量は極めて少なかった。また、鰹だしの含有量を計算により求めたところ、固形分量として0.849質量%であった。さらに、加熱料理前の具材(鶏肉)の含有量と、加熱調理前の液状調味料との質量比(具/液の質量比)を計算した結果、いずれも2.4であった。また、パウチ底面を基準とした具材(鶏肉)の最高点の高さT2は5.0cm〜5.8cmである一方、パウチ底面を基準とした液面の高さT1は4.0cm〜4.7cmであったので、T1/T2比(即ち、液/具の高さ比)は0.7〜0.9となった。
【0049】
次に、上記9種類の試験例1a〜1iの液状調味料サンプルを用いて得た9種類の加熱調理品サンプルについて、下記の官能検査による評価を行った。具体的には、加熱調理直後に5名の官能検査官がまず目視観察して「噴きこぼれ」、「突沸」及び「座屈」の3項目につき評価を行い、次いでこれを実際に食してみて「だし感」及び「肉の柔らかさ」の2項目につき官能評価を行った。その結果を図5の表1に示す。」
・「図5



イ 甲2に記載された発明
甲2の上記アの記載から、試験例1a、1b、1e、1f、1gとして記載されている液状調味料として、以下の発明が記載されているといえる。

<甲2液状調味料発明>
「だしを含有する液状調味料がスタンディングパウチに充填封入されてなり、具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態で電子レンジにて加熱調理することにより、煮物料理を得られるようにするスタンディングパウチ入り液状調味料であって、
だしの含有量が固形分量として0.849質量%であり、塩分は2.49〜2.51質量%で、ブリックス値が8.5〜9.1%であって、20℃における粘度が836〜6280mPa・sであり、原材料合計1000gに対して、鰹だし30.0g、化工澱粉40.0g、キサンタンガム0.0〜4.0g、濃口しょうゆ50.0g、食酢10.0g、砂糖35.0g、食塩12.0g、水820〜823gであり、
前記スタンディングパウチに前記具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態において、パウチ底面を基準とした前記液状調味料の液面の高さが、パウチ底面を基準とした前記具材の高さの0.7〜0.9倍で加熱調理されるものである、
電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料。」

また、甲2液状調味料発明を利用した電子レンジ加熱料理方法として、以下の発明が記載されているといえる。

<甲2調理方法発明>
「だしを含有する液状調味料がスタンディングパウチに充填封入されてなり、具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態で電子レンジにて加熱調理する電子レンジ加熱調理方法であって、
液状調味料が、だしの含有量が固形分量として0.849質量%であり、塩分は2.49〜2.51質量%で、ブリックス値が8.5〜9.1%であって、20℃における粘度が836〜6280mPa・sであり、原材料合計1000gに対して、鰹だし30.0g、化工澱粉40.0g、キサンタンガム0.0〜4.0g、濃口しょうゆ50.0g、食酢10.0g、砂糖35.0g、食塩12.0g、水820〜823gであり、
前記スタンディングパウチに前記具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態において、パウチ底面を基準とした前記液状調味料の液面の高さが、パウチ底面を基準とした前記具材の高さの0.7〜0.9倍で加熱調理されるものである、
電子レンジにより加熱調理する方法。」

(2)本件発明1について
本件発明1と甲2液状調味料発明とを対比する。
甲2液状調味料発明の「スタンディングパウチ」、「具材である肉類」は、それぞれ、本件発明1の「加熱用容器」、「主固形具材」に相当する。
甲2液状調味料発明の「電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料」は、本件発明1の「電子レンジによる加熱調理用液状調味料」に相当する。
甲2液状調味料発明においても、「スタンディングパウチに前記具材である肉類を投入しかつ縦置きにした状態において、パウチ底面を基準とした前記液状調味料の液面の高さが、パウチ底面を基準とした前記具材の高さの0.7〜0.9倍」としているから、甲2液状調味料発明も「電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われる」ものといえる。

そうすると、本件発明1と甲2液状調味料発明は、
「電子レンジによる加熱調理用液状調味料であって、電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われる液状調味料。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点2−1>
液状調味料に関し、本件発明1は、「(1)25℃における粘度が100〜9000cpであり、(2)水分活性が0.66〜0.96であり、かつ、(3)食塩および4重量%以上の糖類を含み」と特定するのに対し、甲2液状調味料発明は、「だしの含有量が固形分量として0.849質量%であり、塩分は2.49〜2.51質量%で、ブリックス値が8.5〜9.1%であって、20℃における粘度が836〜6280mPa・sであり、原材料合計1000gに対して、鰹だし30.0g、化工澱粉40.0g、キサンタンガム0.0〜4.0g、濃口しょうゆ50.0g、食酢10.0g、砂糖35.0g、食塩12.0g、水820〜823gであ」る点

以下、相違点2−1について検討する。
甲2液状調味料発明の液状調味料には、塩分が2.49〜2.51質量%、ブリックス値が8.5〜9.1%含有されているから、本件発明1の「(3)食塩および4重量%以上の糖類を含み」を満足しているといえ、粘度について単位換算すれば、20℃の測定条件ではあるものの836〜6280cpであるから、本件発明1の「(1)25℃における粘度が100〜9000cpであり」を満たしている蓋然性が高い。しかし、甲2液状調味料発明の水分活性については、甲2には記載されていないし、どのような値であるかを推認する証拠はなく、不明である。
そして、甲2において、液状調味料の水分活性を0.66〜0.96の範囲とすることを動機づける記載はなく、特許異議申立人が提出したその他の証拠にもない。
そうすると、甲2液状調味料発明において、本件発明1の(1)及び(3)の条件を満たすとともに、さらに水分活性条件を満たすようにすること、言い換えると、相違点2−1に係る本件発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
そして、本件発明1の奏する「美味しく作るのに技術を要し手間がかかる炒め料理や照焼き料理を、電子レンジを利用して家庭で簡単に短時間で美味しく作ることができる」という効果は、甲2液状調味料発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものである。

よって、本件発明1は、甲2液状調味料発明、すなわち、甲2に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件発明2ないし8について
本件発明2ないし8は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであって、請求項1に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2ないし8は、甲2に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。

(4)本件発明9について
本件発明9と甲2調理方法発明とを対比すると、上記(2)と同様な相当関係が成り立つ。
そうすると、本件発明9と甲2調理方法発明は、
「液状調味料による主固形具材の電子レンジ加熱調理方法であって、加熱用容器に主固形具材を投入し、加熱用容器底面から該液状調味料の液面の高さが、投入された主固形具材の上面の高さの0.5倍以上となる状態で、電子レンジにより加熱調理する方法。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点2−2>
液状調味料に関し、本件発明9は、「25℃における粘度が100〜9000cp、水分活性が0.66〜0.96で、かつ、食塩および4重量%以上の糖類を含み」と特定するのに対し、甲2調理方法発明は、「だしの含有量が固形分量として0.849質量%であり、塩分は2.49〜2.51質量%で、ブリックス値が8.5〜9.1%であって、20℃における粘度が836〜6280mPa・sであり、原材料合計1000gに対して、鰹だし30.0g、化工澱粉40.0g、キサンタンガム0.0〜4.0g、濃口しょうゆ50.0g、食酢10.0g、砂糖35.0g、食塩12.0g、水820〜823gであ」る点

上記相違点2−2について検討するに、上記相違点2−2は、上記(2)の相違点2−1と実質的に同じであるから、上記(2)における相違点2−1と同様に判断される。
よって、本件発明9は、甲2調理方法発明、すなわち、甲2に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても容易に発明をすることができたものとはいえない。

(5)本件発明10ないし13について
本件発明10ないし13は、請求項9を直接又は間接的に引用して特定するものであって、請求項9に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明9と同様に、本件発明10ないし13は、甲2に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。

(6)まとめ
よって、申立理由2には理由がない。

3 申立理由3(甲3に基づく進歩性)について
(1)甲3に記載された事項等
ア 甲3に記載された事項
甲3には、「電子レンジ調理用容器詰液状調味料及びこれを用いた加熱料理の製造方法」に関して、おおむね次の事項が記載されている。
・「【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状調味料が容器に充填密封後レトルト処理されてなり、容器内に具材を投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにする電子レンジ調理用容器詰液状調味料であって、
液状調味料が、凝固点0℃以上の食用油脂を配合した油相部と、エキス類及び澱粉を配合した粘度400〜10000mPa・sの水相部とからなる分離型の液状調味料であることを特徴とする電子レンジ調理用容器詰液状調味料。
・・・
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の電子レンジ調理用容器詰液状調味料を開封し、具材を容器内に投入して電子レンジで加熱調理することを特徴とする加熱料理の製造方法。」
・「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
実際に、特許文献1の調理用バッグの技術を炒め料理などに適用するため、例えば、容器に、野菜や肉などの食材、炒め油、更に、半固形状の合わせ味噌等を充填して電子レンジ調理を行った場合、フライパンによる高温加熱と異なり野菜や肉などからの水分の流出も少なく、また、食材と調味料等が撹拌もされない。そのため、電子レンジ調理では旨みのある調味液が野菜や肉に絡んだ状態で仕上げられるような炒め風味の美味しい料理が期待できない。そこで、撹拌されない電子レンジ調理であっても食材に濃厚な旨みを有する調味液が絡んだ状態となるように、エキス類などの旨み成分を充分に配合した流動性のある液状の調味料を調理する食材とともに容器に入れて電子レンジ加熱調理することが考えられるが、そうすると、液状調味料が電子レンジ加熱の沸騰により沸き上がり、容器内に泡が充満して容器の蒸気抜きのための開口部から液状調味料がふきこぼれるという問題が生じた。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決しようとするものであり、炒め料理風味の美味しい加熱料理を電子レンジを利用して家庭で手軽に作れるようにする電子レンジ調理用容器詰液状調味料であって、エキス類などを配合したレトルト処理済みの液状調味料が充填された容器内に、具材を加えて電子レンジ加熱調理を行った際に液状調味料が蒸気抜きのための容器の開口部からふきこぼれることのない電子レンジ調理用容器詰液状調味料を提供することを目的とする。」
・「【0015】
図1は、本発明の一実施態様の電子レンジ調理用容器詰液状調味料1の斜視図である。この電子レンジ調理用容器詰液状調味料1は、電子レンジ対応のフィルム材料からなる容器(以下、パウチともいう)10に液状調味料30を充填密封してレトルト処理したものであって、これを食するときに所定の具材を容器10内に投入し、電子レンジで加熱調理するようにしたものである。」
・「【0055】
[実施例1](タラの加熱料理)
(1)投入する具材
パウチ内に後に加える具材をタラ(厚みが2cmの切り身2切れ)約200gとした。
【0056】
(2)液状調味料、電子レンジ調理用容器詰液状調味料
表1に示す配合原料を用意した。次に、加熱した二重釜に、大豆油(凝固温度−7℃)、ラード(凝固温度25℃)、ジンジャーペーストを投入し撹拌しながら炒めた後、砂糖、食塩、加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉)、ポークエキス粉末、チキンエキス粉末、エビエキス粉末及びオニオンエキス粉末を清水に加えた混合液を二重釜に更に加え、撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱することにより液状調味料を調製した。
【0057】
続いて、得られた液状調味料200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有する図1のジッパー付きスタンドパウチ(パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大密封充填可能容量:820mL)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間)し、パウチ内に液状調味料(200mL)が充填されている電子レンジ調理用容器詰液状調味料を得た。液状調味料の充填量は、パウチの最大密封充填可能容積の24%であった。また、液状調味料の食塩濃度は1%、液状調味料の水相部の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は440mPa・sであり、パウチ厚は1cmであった。
【0058】
【表1】

【0059】
(3)電子レンジによる加熱調理
(2)の電子レンジ調理用容器詰液状調味料のジッパーを開封し、(1)のタラ(冷凍品を解凍したもの)200gを入れ、再度ジッパーを閉じた。次に、電子レンジ内にタラ投入後の電子レンジ調理用容器詰液状調味料を蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。これを電子レンジで加熱調理(600W×5分間)をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。なお、電子レンジ加熱中の液状調味料は、沸騰しても液面上に泡が沸き上がらなかった。
【0060】
得られたタラの加熱料理は、タラ特有の軟らかく好ましい食感があり、また、旨みのある好ましい炒め(ソテー)風味があって味付けにムラがなく、大変美味しいものであった。」
・「



イ 甲3に記載された発明
甲3の上記アの記載から、実施例1として記載されている液状調味料として、以下の発明が記載されているといえる。

<甲3液状調味料発明>
「液状調味料が容器に充填密封後レトルト処理されてなり、容器内に具材であるタラ(厚みが2cmの切り身2切れ)約200gを投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにする電子レンジ調理用容器詰液状調味料であって、
加熱した二重釜に、大豆油(凝固温度−7℃)5部、ラード(凝固温度25℃)5部、ジンジャーペースト5部を投入し撹拌しながら炒めた後、砂糖3部、食塩1部、加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉)0.5部、ポークエキス粉末2部、チキンエキス粉末2部、エビエキス粉末2部及びオニオンエキス粉末2部を清水72.5部に加えた混合液を二重釜に更に加え、撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱することにより液状調味料を調製し、続いて、得られた液状調味料200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有するジッパー付きスタンドパウチ(パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大密封充填可能容量:820mL)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間)し、パウチ内に液状調味料(200mL)が充填されている電子レンジ調理用容器詰液状調味料液状調味料が得られるものであり、
液状調味料の食塩濃度は1%、液状調味料の水相部の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は440mPa・sであり、
電子レンジ調理用容器詰液状調味料のジッパーを開封し、具材であるタラ(冷凍品を解凍したもの)200gを入れ、再度ジッパーを閉じ、次に、電子レンジ内にタラ投入後の電子レンジ調理用容器詰液状調味料を蒸気抜き機構が上面になるように平置きして電子レンジで加熱調理するものである、
電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料。」

また、甲3液状調味料発明を利用した電子レンジ加熱料理方法として、以下の発明が記載されているといえる。

<甲3調理方法発明>
「液状調味料が容器に充填密封後レトルト処理されてなり、容器内に具材であるタラ(厚みが2cmの切り身2切れ)約200gを投入し、電子レンジで加熱調理することにより加熱料理を得られるようにする電子レンジ加熱調理方法であって、
加熱した二重釜に、大豆油(凝固温度−7℃)5部、ラード(凝固温度25℃)5部、ジンジャーペースト5部を投入し撹拌しながら炒めた後、砂糖3部、食塩1部、加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉)0.5部、ポークエキス粉末2部、チキンエキス粉末2部、エビエキス粉末2部及びオニオンエキス粉末2部を清水72.5部に加えた混合液を二重釜に更に加え、撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱することにより液状調味料を調製し、続いて、得られた液状調味料200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有するジッパー付きスタンドパウチ(パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大密封充填可能容量:820mL)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間)し、パウチ内に液状調味料(200mL)が充填されているものであり、
液状調味料の食塩濃度は1%、液状調味料の水相部の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は440mPa・sであり、
電子レンジ調理用容器詰液状調味料のジッパーを開封し、具材であるタラ(冷凍品を解凍したもの)200gを入れ、再度ジッパーを閉じ、次に、電子レンジ内にタラ投入後の電子レンジ調理用容器詰液状調味料を蒸気抜き機構が上面になるように平置きして電子レンジで加熱調理するものである、
電子レンジにより加熱調理する方法。」

(2)本件発明1について
本件発明1と甲3液状調味料発明とを対比する。
甲3液状調味料発明の「スタンディングパウチ」、「具材であるタラ」は、それぞれ、本件発明1の「加熱用容器」、「主固形具材」に相当する。
甲3液状調味料発明の「電子レンジ調理用のスタンディングパウチ入り液状調味料」は、本件発明1の「電子レンジによる加熱調理用液状調味料」に相当する。
甲3液状調味料発明においても、「具材であるタラ(厚みが2cmの切り身2切れ)約200gを」「液状調味料200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有するジッパー付きスタンドパウチ(パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大密封充填可能容量:820mL)に充填密封後」しており、図2及び3の形状からみて、甲3液状調味料発明においても、「電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われる」といえる。

そうすると、本件発明1と甲3液状調味料発明は、
「電子レンジによる加熱調理用液状調味料であって、電子レンジによる加熱調理が、加熱用容器底面から液状調味料の液面の高さが、加熱用容器底面から主固形具材の高さの0.5倍以上になるように加熱用容器内に主固形具材が投入された状態で行われる液状調味料。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点3−1>
液状調味料に関し、本件発明1は「(1)25℃における粘度が100〜9000cpであり、(2)水分活性が0.66〜0.96であり、かつ、(3)食塩および4重量%以上の糖類を含み」と特定するのに対し、甲3液状調味料発明は、「大豆油(凝固温度−7℃)5部、ラード(凝固温度25℃)5部、ジンジャーペースト5部を投入し撹拌しながら炒めた後、砂糖3部、食塩1部、加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉)0.5部、ポークエキス粉末2部、チキンエキス粉末2部、エビエキス粉末2部及びオニオンエキス粉末2部を清水72.5部に加えた混合液を二重釜に更に加え、撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱」して得た「液状調味料」であって、「液状調味料の食塩濃度は1%、液状調味料の水相部の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は440mPa・s」である点

以下、相違点3−1について検討する。
甲3液状調味料発明の液状調味料は、食塩濃度は1%であるから、本件発明1の「(3)食塩を含み」を満足しているといえるが、粘度については、液状調味料の水相部の粘度が440mPa・sであることのみが明らかなだけで、液状調味料としての粘度は不明であり、甲3液状調味料発明の水分活性についても、甲3には記載されていないし、どのような値であるかを推認する証拠はなく、不明である。
そして、甲3において、液状調味料の水分活性を0.66〜0.96の範囲とすること、25℃における粘度が100〜9000cpとすること、糖類を4重量%以上含有することを動機づける記載はなく、異議申立人が提出したその他の証拠にもない。
そうすると、甲3液状調味料発明において、本件発明1の(3)における塩分の含有量を満たすとともに、さらに、(3)の糖類の含有量の条件、(2)の水分活性条件及び(1)の粘度条件を満たすようにすること、言い換えると、相違点3−1に係る本件発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
そして、本件発明1の奏する「美味しく作るのに技術を要し手間がかかる炒め料理や照焼き料理を、電子レンジを利用して家庭で簡単に短時間で美味しく作ることができる」という効果は、甲3液状調味料発明並びに甲3及び他の証拠に記載された事項から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものである。

よって、本件発明1は、甲3液状調味料発明、すなわち、甲3に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件発明2ないし8について
本件発明2ないし8は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであって、請求項1に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2ないし8は、甲3に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。

(4)本件発明9について
本件発明9と甲3調理方法発明とを対比すると、上記(2)と同様な相当関係が成り立つ。
そうすると、本件発明9と甲3調理方法発明は、
「液状調味料による主固形具材の電子レンジ加熱調理方法であって、加熱用容器に主固形具材を投入し、加熱用容器底面から該液状調味料の液面の高さが、投入された主固形具材の上面の高さの0.5倍以上となる状態で、電子レンジにより加熱調理する方法。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

<相違点3−2>
液状調味料に関し、本件発明9は、「25℃における粘度が100〜9000cp、水分活性が0.66〜0.96で、かつ、食塩および4重量%以上の糖類を含み」と特定するのに対し、甲3調理方法発明は、「大豆油(凝固温度−7℃)5部、ラード(凝固温度25℃)5部、ジンジャーペースト5部を投入し撹拌しながら炒めた後、砂糖3部、食塩1部、加工澱粉(アセチル化アジピン酸架橋澱粉)0.5部、ポークエキス粉末2部、チキンエキス粉末2部、エビエキス粉末2部及びオニオンエキス粉末2部を清水72.5部に加えた混合液を二重釜に更に加え、撹拌混合しながら品温90℃になるまで加熱」して得た「液状調味料」であって、「液状調味料の食塩濃度は1%、液状調味料の水相部の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は440mPa・s」である点

上記相違点3−2について検討するに、上記相違点3−2は、上記(2)の相違点3−1と実質的に同じであるから、上記(2)における相違点3−1と同様に判断される。
よって、本件発明9は、甲3調理方法発明、すなわち、甲3に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいても容易に発明をすることができたものとはいえない。

(5)本件発明10ないし13について
本件発明10ないし13は、請求項9を直接又は間接的に引用して特定するものであって、請求項9に記載された発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明9と同様に、本件発明10ないし13は、甲3に記載された発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることできたものではない。

(6)まとめ
よって、申立理由3には理由がない。

第5 むすび
上記第4のとおり、本件特許の請求項1ないし13に係る特許は、特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。



 
異議決定日 2022-11-17 
出願番号 P2021-013519
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A23L)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 ▲吉▼澤 英一
特許庁審判官 大島 祥吾
平塚 政宏
登録日 2021-12-27 
登録番号 7000607
権利者 キッコーマン株式会社
発明の名称 電子レンジ加熱調理用液状調味料  
代理人 須藤 阿佐子  
代理人 鈴木 恵理子  
代理人 須藤 晃伸  
代理人 榛葉 貴宏  

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