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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1392872
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-02-02 
確定日 2022-12-22 
事件の表示 特願2021− 70138「外観検査装置およびパレタイズシステム」拒絶査定不服審判事件〔〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和3年4月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 6月28日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年11月 5日付け:拒絶査定
令和4年 2月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和4年2月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年2月2日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「板状のブランク材を撮影することで取得した外観画像の画像認識により、ブランク材の外観の検査を実施する外観検査装置であって、
前記ブランク材を搬送する第1ベルトコンベアと、
前記第1ベルトコンベアに、隙間を介して連続して配置され、前記第1ベルトコンベアで搬送されてきた前記ブランク材を搬送する第2ベルトコンベアと、
前記第1ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の表面を撮像して前記ブランク材の表面の外観画像を取得する第1カメラと、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1カメラで前記ブランク材の表面を撮像するための第1照明と、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の裏面を、前記隙間から撮像して前記ブランク材の裏面の外観画像を取得する第2カメラと、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第2カメラで前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明と、
を備え、
前記ブランク材は、前記隙間の箇所で上方が開放された状態で搬送され、
前記第1カメラの撮像箇所は、前記隙間の上方から搬送方向の上流側にずれた箇所に配置され、
前記第2カメラは、リニアイメージセンサから構成されている
ことを特徴とする外観検査装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正前の、令和3年9月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「板状のブランク材を撮影することで取得した外観画像の画像認識により、ブランク材の外観の検査を実施する外観検査装置であって、
前記ブランク材を搬送する第1ベルトコンベアと、
前記第1ベルトコンベアに、隙間を介して連続して配置され、前記第1ベルトコンベアで搬送されてきた前記ブランク材を搬送する第2ベルトコンベアと、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の表面を撮像して前記ブランク材の表面の外観画像を取得する第1カメラと、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1カメラで前記ブランク材の表面を撮像するための第1照明と、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の裏面を、前記隙間から撮像して前記ブランク材の裏面の外観画像を取得する第2カメラと、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第2カメラで前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明と
を備え、
前記ブランク材は、前記隙間の箇所で上方が開放された状態で搬送され、
前記第1カメラの撮像箇所は、前記隙間の上方から搬送方向にずれた箇所に配置されている
ことを特徴とする外観検査装置。」

2.補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1カメラ」について、「第2ベルトコンベア」の上側ではなく「第1ベルトコンベア」の上側に配置されること、「第2ベルトコンベア」ではなく「第1ベルトコンベア」で搬送されているブランク材の表面を撮像して前記ブランク材の表面の外観画像を取得すること、第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアとの「隙間」の上方から搬送方向の「下流側」ではなく「上流側」にずれた箇所に配置されることを特定するとともに、「第2カメラ」について、「リニアイメージセンサから構成され」ていることを特定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア.引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開2021−16932号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線は、当審で付した。以下、同じ。)
a.「【0001】
この発明は、段ボールシート、厚紙、フィルム等の平盤状部材から、カートンブランク等の製品シートを打抜く平盤打抜き装置に関し、特に、製品シートを撮影検査する検査部を備える平盤打抜き装置に関する。」
b.「【0020】
・・・平盤打抜き装置1は、図1に示すように、フィーダー部2と、プレス部3と、ストリップ部4と、ノックオフ部5と、検査部6と、不良品除去部7と、デリバリー部8と、搬送手段9とを備えている。図1では、右側が被打抜き材Aの搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という。)を、左側が搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という。)を示している。また、以下、被打抜き材Aの搬送方向を単に、「搬送方向」という。
・・・
【0029】
検査部6は、図2に示すように、搬送方向(図2の左右方向)に間隔66を開けて並ぶ第1サクションコンベア61、及び第2サクションコンベア62と、間隔66の上方において、第1サクションコンベア61と第2サクションコンベア62を掛け渡すように設けられる第3サクションコンベア63と、下側から製品シートBを撮影する下面撮影用カメラ64、及び上側から製品シートBを撮影する上面撮影用カメラ65と、それぞれ下側、及び上側らから製品シートを照らすLEDライト69,69とを備えている。
【0030】
各サクションコンベア61,62,63は、図3に示すように、それぞれ幅方向に複数本が並列されるサクションベルト67,67,…と、製品シートBを吸引するための負圧を供給するサクションボックス68(図2参照)とを備えている。・・・第1、及び第2サクションコンベア61,62は負圧供給スリット68aが上側に設けられ、上面で製品シートを下方へ吸引するよう構成され、第3サクションコンベア63は、負圧供給スリット68aが下側に設けられ、下面で製品シートBを上方へ吸引するよう設けられている。・・・
【0031】
下面撮影用カメラ64は、図2に示すように、第3サクションコンベア63により上方へ吸引されながら間隙66の上方を通過する製品シートBの下面を、下側から直接的に、又はミラー等を介して間接的に撮影するよう構成されている。
【0032】
上面撮影用カメラ65は、第3サクションコンベア63を通過したのち、第2サクションコンベア62により下方へ吸引されながら搬送される製品シートBの上面を、第3サクションコンベア63の下流側の端部よりやや後方において、上側から直接的、又は間接的に撮影するよう構成されている。
【0033】
検査部6は、下面撮影用カメラ64、及び上面撮影用カメラ65から送付された製品シートBの状態に関する情報に基づいて、製品シートBの良否を判断し、後述する不良品除去部7に不良品を除去するよう指示する制御部(図示せず)を備えている。」
c.「【0041】
こうして、ノックオフ部5で、撓み、水平方向の位置ずれ、及び搬送のタイミングを矯正された製品シートBは、図2に示すように、第1サクションコンベアにより、下面を吸引されながら検査部6へ搬送される。製品シートBは、第3サクションコンベア63に達すると、第1サクションコンベア61、及び/又は、第2サクションコンベア62と、第3サクションコンベア63により挟まれながら搬送され、この間、下面撮影用カメラ64により印刷のある下面が撮影される。製品シートBの第3サクションコンベア63を通過した部分は、上面撮影用カメラ65によって上面を撮影される。
【0042】
このように、本発明の平盤打抜き装置1は、製品シートBの後端部分をブラシ部532、及び下敷き532で挟持することで、製品シートBの撓みと搬送のタイミング(搬送方向の位置ずれ)を矯正し、サイドガイド部55で、製品シートBの幅方向、及び水平面内での回転ずれを矯正し、より正しい姿勢で、製品シートBを検査部6へ搬送するので、より鮮明に製品シートBを撮影することができる。
【0043】
また、本発明の平盤打抜き装置1は、検査部6をノックオフ部5の下流側に設け、製品シートBが、グリッパーバー91Cから分離された状態で、検査部6における第1、及び第2サクションコンベア61,62と、第3サクションコンベア63の間を通過するようにしたので、グリッパーバー91の厚みによる製品シートBの上下動を解消でき、これによっても、鮮明に製品シートBを撮影することができる。
【0044】
また、検査部6をノックオフ部5の下流側に設けたことにより、検査部6がプレス部3やストリップ部4から遠くなったため、プレス部3やストリップ部4で発生した紙片くずが検査部に飛散することを抑制できる。
【0045】
さらに、検査部6では、製品シートBを、第1サクションコンベア61から第2サクションコンベア62へ、間隙66を介して受け渡すため、この受け渡しの際に製品シートbに付着した紙片くずを払い落とすことができる。加えて、検査部6では、第3サクションコンベア63を有し、製品シートBを、第1サクションコンベア61から第3サクションコンベア63へ受け渡すことによっても、第3サクションコンベア63から第2サクションコンベア62へ受け渡すことによっても、製品シートBから紙片くずを払い落とすことができる。このように、紙片くずの飛散や製品シートBへの付着を抑制することで、撮影画像に紙片くずが映り込むことによる誤判定を抑制できる。
・・・
【0047】
本発明の平盤打抜き装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、例えば、第3サクションコンベアは、備えなくともよい。また、第3サクションコンベアの上流側で製品シートの上面を撮影するようにしてもよい。ブラシ装置や下敷き、サイドガイド、仕切り板は、備えなくともよい。」
d.図1及び図2は、以下のものである。
「【図1】

【図2】


e.上記dの【図2】からは、下面撮影用カメラ64が第1サクションコンベア61と第2サクションコンベア62よりも低い位置に配置されていることが看て取れる。

(イ)上記(ア)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
【引用発明】
「カートンブランク等の製品シートを撮影検査する検査部であり、下面撮影用カメラ64、及び上面撮影用カメラ65から送付された製品シートBの状態に関する情報に基づいて、製品シートBの良否を判断する検査部6であって、
検査部6は、搬送方向に間隔66を開けて並ぶ第1サクションコンベア61、及び第2サクションコンベア62と、間隔66の上方において、第1サクションコンベア61と第2サクションコンベア62を掛け渡すように設けられる第3サクションコンベア63と、第3サクションコンベアは備えなくともよく、
下側から製品シートBを撮影する下面撮影用カメラ64、及び上側から製品シートBを撮影する上面撮影用カメラ65と、
それぞれ下側、及び上側から製品シートを照らすLEDライト69,69とを備え、
製品シートBを、第1サクションコンベア61から第2サクションコンベア62へ、間隙66を介して受け渡し、
下面撮影用カメラ64は、第1サクションコンベア61と第2サクションコンベア62よりも低い位置に配置され、間隙66の上方を通過する製品シートBの下面を、下側から撮影するよう構成されており、
上面撮影用カメラ65は、第2サクションコンベア62により搬送される製品シートBの上面を、第3サクションコンベア63の下流側の端部よりやや後方において、上側から撮影するよう構成されている、
検査部6。」

イ.引用文献2
(ア)原査定に引用された本願出願前に頒布された刊行物である特開2008−127029号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「【0023】
本願発明に係る製函装置1は、図1に示すように、給紙部13に積層された複数のブランク4,…,4が、取り出しベルト7によって最下部に位置するブランク4が一枚ずつ取り出される。取り出されたブランク4は取り出しベルト7上を搬送されているときに、その上面を撮像手段5aによって撮像される。そして、ブランク4が吸着ベルト8まで搬送されると吸着ベルト8によってその上面が吸着され、ブランク4の下面側を撮像手段5bによって撮像され、搬送ベルト9に搬送される。そして搬送ベルト9によって一枚ずつ搬送されたブランク4は、既存の製函装置18によって、折りぐせ付け、糊付け、糊接着、底部の折込等を行うとともに、区分手段10によって良品と不良品とを区分けさせ、集積部12まで搬送される。
・・・
【0025】
図1に示すように、ブランク4の上面は、取り出しベルト7の上方に設けられた撮像手段5aによって撮像される。また、撮像手段5aの撮影領域を照明する照明手段6aも取り出しベルト7の上方に設けられている。
【0026】
前記取り出しベルト7の上方に設けられる撮像手段5aは、給紙部13のスライダ11と、ブランク4の上方に配設される搬送手段(図1では吸着ベルト8)との間の領域を上面側の撮像領域とし、この撮像領域を単又は複数の照明手段6によって照明されたブランク4の上面を撮像しているが、ブランク4の上方に配設された搬送ベルト・・・と搬送ベルト・・・との隙間を撮像領域とすることもできる。しかし、図1に示すように、スライダ11と吸着ベルト8(搬送ベルト)との間の領域を撮像領域とすることによりスライダ11を通過した直後のブランク4の上面を撮像することができるので、スライダ11との接触によって生じるキズを検出できるだけでなく、検査ユニット17の搬送路長を短くすることも可能となる。・・・
【0027】
また、図1に示すように、ブランク4の下面は、ブランク4上面を吸着する吸着ベルト8の下方に設けられる撮像手段5bによって撮像される。また、撮像手段5bの撮影領域を照明する照明手段6bも吸着ベルト8の下方に設けられる。
【0028】
前記吸着ベルト8の下方に設けられる撮像手段5bは、ブランクの下面に接して搬送する搬送手段(図1では取り出しベルト7)と搬送手段(図1では搬送ベルト9)との間の領域を撮像領域とし、この撮像領域を単又は複数の照明手段6によって照明されたブランク4の下面を撮像している。・・・
【0029】
前記撮像手段5は、ブランクの幅方向に所定間隔をおいた単又は複数のCCDラインセンサ等の撮像カメラが設けられている。ブランク4の下方に配設される撮像手段5は、図8,9に示すように、撮像カメラ51と反射板52とを備え、撮像カメラ51のほぼ水平方向に延びた光軸を反射板52によって斜め上方に光軸の方向を変えている。このように、反射板により撮影カメラ51の光軸の向きを変えることにより、例えば搬送手段と床面との距離が短い搬送部2であっても、撮像カメラ51と撮像領域間の光学的距離を得ることができ、撮像カメラ51の撮像領域を広くすることが可能となる。」
「【図1】


(イ)上記(ア)から、引用文献2には、次の技術が記載されていると認められる。
「搬送ベルトの上方及び下方にそれぞれ配置された撮像手段を用いて、前記搬送ベルト上を搬送されるブランクの上面及び前記搬送ベルト間の隙間を通過する前記ブランクの下面を撮像し、良品と不良品とを判別する検査ユニットにおいて、撮像手段としてCCDラインセンサを用いること」

ウ.引用文献3
(ア)本願出願前に頒布された刊行物であり、本願明細書において従来技術として挙げられた特開2017−150992号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「【0012】
検査装置100は、送り機構に相当するコンベア装置50によって搬送される検査対象の外観検査を行う。コンベア装置50は、複数のコンベアが連続して配置されている。図1では、これらの複数のコンベアのうち、第1コンベア50aと第2コンベア50bとが描かれている。・・・
【0013】
本実施形態における検査対象は、鉄塔等の立体構造物に使用される鉄骨部材60である。鉄骨部材60は、表面601と、この表面601の反対側の面となる裏面602とを備える。表面601は第1面に相当し、裏面602は第2面に相当する。鉄骨部材60は、裏面602が第1コンベア50aや第2コンベア50bの上面に接するようにコンベア装置50に搭載されて搬送される。鉄骨部材60は、表面601と裏面602との間を貫通する貫通穴62を備える。貫通穴62には、鉄骨部材60が構造物に使用される際に、他の部材や締結用のボルト等が挿し込まれたりする。鉄骨部材60の表面601や裏面602等の外観面には、傷70が形成されている場合がある。鉄骨部材60の表面にこのような傷70が形成されていると、鉄骨部材60の耐久性が低下することがある。このため、検査装置100は、このような傷70の有無を検査する。検査結果は、鉄骨部材60が使用可能であるか否かの判断に利用される。検査装置100は、表面601と裏面602とを裏返すことなく検査することができる。
【0014】
検査装置100は、検査対象の不良を検出する検出部として機能するCPU(central processing unit)1を備える。ここで、検査対象の不良とは、検査対象の外観に表れる傷70の存在や、貫通穴62の位置ずれ及び寸法違いである。CPU1には、記憶部2、通信制御部3及び画像処理部4が電気的に接続されている。画像処理部4には、撮像部5が電気的に接続されている。撮像部5には、ロータリーエンコーダ6が電気的に接続されている。記憶部2には、検査対象となる鉄骨部材60の寸法、形状に関するデータが格納されている。このデータには、鉄骨部材60に設けられているザグリ部61や貫通穴62の位置、寸法に関するデータが含まれる。CPU1は、これらのデータと、撮像部5によって生成され、画像処理部4によって画像処理された画像データとを比較することで、鉄骨部材60の外観を検査する。記憶部2には、鉄骨部材60の検査結果が格納される。
・・・
【0020】表面撮像部10は、第1コンベア50aや第2コンベア50bの上方に配置されている。表面撮像部10は、第1照明11を備える。第1照明11は、第1ハーフミラー15を介して表面601を照射する。第1ハーフミラー15は、第1照明11が照射した光線を屈折させ、垂直に表面601を照射するように配置されている。・・・
・・・
【0022】
表面撮像部10は、表面601を撮像する第1ラインセンサ13を備える。第1ラインセンサ13は、第1撮像センサに相当する。第1ラインセンサ13は、光軸AXを有する。第1ラインセンサ13は、光軸AXが第1コンベア50aと第2コンベア50bとの間形成された隙間51を通過するように、また、光軸AXが鉄骨部材60に垂直となるように設置されている。第1ラインセンサ13は、撮像部5及び画像処理部4と電気的に接続されている。撮像部5は、第1ラインセンサ13により取得された情報に基づいて表面601全体の画像データを生成する。画像処理部4は、撮像部5で生成された画像データからノイズを除去する等の処理を行う。画像処理部4で画像処理が行われた画像データは、検出部として機能するCPU1によって実行される、表面601における不良の有無の判定に供される。
・・・
【0024】
裏面撮像部20は、第1コンベア50aや第2コンベア50bの下方に配置されている。裏面撮像部20は、第2照明21を備える。第2照明21は、第2ハーフミラー25を介して裏面602を照射する。第2ハーフミラー25は、第2照明21が照射した光線を屈折させ、垂直に裏面602を照射するように配置されている。・・・
・・・
【0026】
裏面撮像部20は、裏面602を撮像する第2ラインセンサ23を備える。第2ラインセンサ23は、第2撮像センサに相当する。第2ラインセンサ23は、第1ラインセンサ13とともに上下同軸となるように、第1ラインセンサ13の光軸AXと共通する光軸AXを有する。すなわち、第2ラインセンサ23はコンベア装置50を隔てて、第1ラインセンサ13と対向配置されている。これにより、表面601の撮像と裏面602の撮像を同時に行うことができる。第2ラインセンサ23は、撮像部5及び画像処理部4と電気的に接続されている。撮像部5は、第2ラインセンサ23により取得された情報に基づいて裏面602全体の画像データを生成する。画像処理部4は、撮像部5で生成された画像データからノイズを除去する等の処理を行う。画像処理部4で画像処理が行われた画像データは、検出部として機能するCPU1によって実行される、裏面602における不良の有無の判定に供される。」
「【図1】


(イ)上記(ア)から、引用文献3には、次の技術が記載されていると認められる。
「コンベアの上方及び下方にそれぞれ配置された撮像部を用いて、前記コンベア上を搬送される検査対象の表面及び前記コンベア間の隙間を通過する前記検査対象の裏面を撮像し、検査する検査装置において、前記撮像部としてラインセンサを用いること」

(3)引用発明との対比
ア.本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明における「製品シートB」は、「カートンブランク等の製品シート」であり、本件補正発明における『板状のブランク材』に相当する。
引用発明における「検査部6」は、「下面撮影用カメラ64、及び上面撮影用カメラ65から送付された製品シートBの状態に関する情報に基づいて、製品シートBの良否を判断する」ものであるところ、「下面撮影用カメラ64、及び上面撮影用カメラ65」は、製品シートBを撮影することで外観画像を取得するものであることが明らかである。
以上を踏まえれば、引用発明における「検査部6」は、下面撮影用カメラ64、及び上面撮影用カメラ65により取得した製品シートBの外観画像により、「製品シートBの良否を判断」しているから、引用発明における「検査部6」は、本件補正発明における『板状のブランク材を撮影することで取得した外観画像の画像認識により、ブランク材の外観の検査を実施する外観検査装置』に相当する。
(イ)引用発明の「搬送方向に間隔66を開けて並ぶ第1サクションコンベア61、及び第2サクションコンベア62」における「第1サクションコンベア61」は、製品シートBを搬送するものであるから、本件補正発明における『前記ブランク材を搬送する第1ベルトコンベア』に相当する。
(ウ)引用発明の「搬送方向に間隔66を開けて並ぶ第1サクションコンベア61、及び第2サクションコンベア62」における「第2サクションコンベア62」は、「第1サクションコンベア61から」「間隙66を介して受け渡」された製品シートBを搬送するものであるから、本件補正発明における『前記第1ベルトコンベアに、隙間を介して連続して配置され、前記第1ベルトコンベアで搬送されてきた前記ブランク材を搬送する第2ベルトコンベア』に相当する。
(エ)引用発明における「上面撮影用カメラ65」は、「第2サクションコンベア62により搬送される製品シートBの上面を、第3サクションコンベア63の下流側の端部よりやや後方において、上側から撮影するよう構成されている」から、本件補正発明における『前記第1ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の表面を撮像して前記ブランク材の表面の外観画像を取得する第1カメラ』とは、「ベルトコンベアの上側に配置され、前記ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の表面を撮像して前記ブランク材の表面の外観画像を取得する第1カメラ」である点で共通する。
(オ)本件補正発明の『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1カメラで前記ブランク材の表面を撮像するための第1照明』における『第1ベルトコンベアおよび第2ベルトコンベアの上側に配置され』とは、発明の詳細な説明の記載(段落【0023】)及び図面(【図1】)の記載を踏まえると、第1照明が、上方で第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアとに跨がって配置されるというのでなく、第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアよりも高い位置に配置されることを意味すると解するのが合理的である。
そうすると、引用発明における「上側から製品シートを照らすLEDライト69」は、「搬送方向に間隔66を開けて並ぶ第1サクションコンベア61、及び第2サクションコンベア62」により搬送される製品シートを上側から照らすから、引用発明における「LEDライト69」は、「第1サクションコンベア61、及び第2サクションコンベア62」よりも高い位置に配置されているといえ、本件補正発明における『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1カメラで前記ブランク材の表面を撮像するための第1照明』に相当する。
(カ)本件補正発明の『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の裏面を、前記隙間から撮像して前記ブランク材の裏面の外観画像を取得する第2カメラ』における『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され』は、発明の詳細な説明の記載(段落【0024】)及び図面(【図1】)の記載を踏まえると、第2カメラが、下方で第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアとに跨がって配置されるというのでなく、第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアよりも低い位置に配置されることを意味すると解するのが合理的である。
そうすると、引用発明における「下面撮影用カメラ64」は、「第1サクションコンベア61と第2サクションコンベア62よりも低い位置に配置され、間隙66の上方を通過する製品シートBの下面を、下側から撮影するよう構成され」ており、「製品シートB」は、「第1サクションコンベア61から第2サクションコンベア62へ、間隙66を介して受け渡」されることを踏まえると、本件補正発明における『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の裏面を、前記隙間から撮像して前記ブランク材の裏面の外観画像を取得する第2カメラ』に相当する。
(キ)本件補正発明の『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第2カメラで前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明』における『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され』は、発明の詳細な説明の記載(段落【0026】)及び図面(【図1】)の記載を踏まえると、第2照明が、第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアよりも低い位置に配置されることを意味すると解するのが合理的である。
そうすると、引用発明における「下側」「から製品シートを照らす」「LEDライト69」は、本件補正発明における『前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第2カメラで前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明』とは、「前記第2カメラで前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明」である点で共通する。
(ク)引用発明における「上面撮影用カメラ65」は、「第2サクションコンベア62により搬送される製品シートBの上面を、第3サクションコンベア63の下流側の端部よりやや後方において、上側から撮影するよう構成されている」から、本件補正発明における『前記第1カメラの撮像箇所は、前記隙間の上方から搬送方向の上流側にずれた箇所に配置され』ることとは、「前記第1カメラの撮像箇所は、前記隙間の上方から搬送方向にずれた箇所に配置され」る点で共通する。

イ.以上によれば、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
(一致点)
「板状のブランク材を撮影することで取得した外観画像の画像認識により、ブランク材の外観の検査を実施する外観検査装置であって、
前記ブランク材を搬送する第1ベルトコンベアと、
前記第1ベルトコンベアに、隙間を介して連続して配置され、前記第1ベルトコンベアで搬送されてきた前記ブランク材を搬送する第2ベルトコンベアと、
ベルトコンベアの上側に配置され、前記ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の表面を撮像して前記ブランク材の表面の外観画像を取得する第1カメラと、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの上側に配置され、前記第1カメラで前記ブランク材の表面を撮像するための第1照明と、
前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置され、前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の裏面を、前記隙間から撮像して前記ブランク材の裏面の外観画像を取得する第2カメラと、
前記第2カメラで前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明と、
を備える外観検査装置。」

【相違点1】
「第1カメラ」について、本件補正発明では、「第1ベルトコンベア」の上側に配置され、「前記第1ベルトコンベア」で搬送されている前記ブランク材の表面を撮像し、撮像箇所が、隙間の上方から搬送方向の「上流側」にずれているのに対し、引用発明では、「上面撮影用カメラ65」は、「第2サクションコンベア62(第2ベルトコンベア)」により搬送される製品シートBの上面を上側から撮影し、撮像箇所が搬送方向の「下流側」にずれている点。
【相違点2】
ブランク材が隙間の箇所において搬送される際に、本件補正発明では、「上方が開放された状態」なのに対し、引用発明では、「隙間66」の上方に「第3サクションコンベア」が配置されている点。
【相違点3】
「第2カメラ」について、本件補正発明では、「リニアイメージセンサから構成されている」のに対し、引用発明では、かかる構成について特定されていない点。
【相違点4】
「第2照明」について、本件補正発明では、「前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置」されるのに対し、引用発明では、かかる構成について特定されていない点。

(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア.相違点1について
引用発明における「上面撮影用カメラ65」について、引用文献1の段落【0047】には、第3サクションコンベアの上流側で製品シートの上面を撮影するようにしてもよいことが記載されているから、引用発明における「上面撮影用カメラ65」を「第2サクションコンベア62」の上側ではなく、「第1サクションコンベア61」の上側に配置し、「第1サクションコンベア61」で搬送されているブランク材の表面を撮像し、「上面撮影用カメラ65」による撮像箇所を、隙間66の上方から搬送方向の「上流側」にずれた箇所とすることで相違点1に係る構成とすることは、当業者が適宜になし得ることである。

請求人は、審判請求書の3.(4)において、「第2ベルトコンベアに到達する前にブランク材の表面に発生した不良を検出することが可能となり、早期に不良の発生が検出でき、ブランク材の製造を早期に停止することができ、不良が製造される数を少なくすることが可能となる」という本願発明の特徴的な作用効果は、引用発明からは得られない旨主張するが、上記のとおり、引用文献1の段落【0047】の記載より、引用発明における「上面撮影用カメラ65」による撮像箇所を、隙間66の上方から搬送方向の「上流側」にずれた箇所とすることは当業者が適宜になし得ることであり、請求人が特徴的であると主張する上記作用効果は、搬送経路のより上流側に検査領域を配置することによって発揮される作用効果として自明なものにすぎない。

イ.相違点2について
引用発明における「第3サクションコベア」は「備えなくともよ」いものであり、引用発明には、第3サクションコンベアを備えていない態様も含まれると解されるところ、その場合、引用発明においてもブランク材が隙間の箇所において搬送される際に「上方が開放された状態」となるから、相違点2は実質的な相違点ではない。
仮にそうでないとしても、引用文献1の段落【0047】の「第3サクションコンベアは、備えなくともよい」との記載にしたがい、引用発明における「第3サクションコベア」を備えないこととし、隙間66の箇所の上方を開放された状態とすることで相違点2に係る構成とすることは、当業者が適宜になし得ることである。

請求人は、審判請求書の3.(4)において、「第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアとの隙間を狭くすることが可能となる」、「設備をコンパクトにできる」という本願発明の特徴的な作用効果は、引用発明からは得られない旨主張するが、「第1ベルトコンベアと第2ベルトコンベアとの隙間を狭くすること」は、ベルトコンベア間の隙間の上方に吸着ベルトを配置しないようにした場合にベルトコンベア間の受渡しを確実に実施するために必要な構成にすぎず、請求人が主張する「設備をコンパクトにできる」という作用効果は当該構成から自明なものにすぎない。

ウ.相違点3について
撮像手段をラインイメージセンサにより構成することは周知慣用の技術的事項であり、撮像手段を用いて搬送ベルト上を搬送される検査対象を撮像することで検査対象を検査する検査装置においても、撮像手段をラインイメージセンサにより構成することは、本願出願前に周知の技術的事項である(必要であれば、引用文献2(上記(2)イ)や引用文献3(上記(2)ウ)を参照)。
そうすると、サクションコンベア上を搬送される製品シートBを撮像することで製品シートBを検査する検査部を備える引用発明において、上記周知の技術的事項を採用し、引用発明における「第2カメラ」をラインイメージセンサにより構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。

エ.相違点4について
本件補正発明における「前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアの下側に配置」されることの意義について、検査対象であるブランク材を搬送する際に接するベルト部分よりも下方に配置されることを意味するのか、検査対象を搬送する際に接するベルト部分を含むベルトコンベア装置全体のもっとも下側の部分よりも下方に配置されることを意味するのか請求項の記載からは必ずしも明らかではないが、「前記第1ベルトコンベアおよび前記第2ベルトコンベアで搬送されている前記ブランク材の裏面を、前記隙間から撮像して前記ブランク材の裏面の外観画像を取得する第2カメラ」により「前記ブランク材の裏面を撮像するための第2照明」の配置箇所について特定するものであることも踏まえると、前者のように解するのが合理的であると認められる。
そうすると、引用発明において、製品シートBを下側から照らすLEDライト69は、第1サクションコンベア61および第2サクションコンベア62において検査対象を搬送する際に接するベルト部分よりも下方に配置されているから、相違点4は、実質的な相違点ではない。
仮に後者のように解したとしても、被照射対象物における照明範囲は、照明装置と被照射対象物との距離に応じて変化するものであり、当該照明装置と被照射対象物との距離をいかなるものとするかは所望の照明範囲に応じて当業者が適宜に定め得る事項にすぎず(必要であれば、引用文献2の図1(上記(2)イ)や引用文献3の図1(上記(2)ウ)を参照)、引用発明の「製品シートBを下側から照らすLEDライト69」を所望の照明範囲を得るべく当該LEDライト69の位置を選択し、第1サクションコンベア61および第2サクションコンベア62を構成する装置の下側の部分よりも下方に配置することは、当業者が容易に想到し得たことである。

オ.小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1.本願発明
令和4年2月2日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年9月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし3に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、この出願の請求項1ないし6に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2021−016932号公報

3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「第1カメラ」及び「第2カメラ」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とを対比すると、前記第2の[理由]2(3)に記載した相違点のうちの相違点2及び4で相違することとなり、相違点2及び4は前記第2の[理由]2(4)イ及びエで検討したとおり、引用発明から当業者が容易に想到できたものであるから、本願発明も、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-10-03 
結審通知日 2022-10-11 
審決日 2022-10-31 
出願番号 P2021-070138
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 井上 香緒梨
長井 真一
発明の名称 外観検査装置およびパレタイズシステム  
代理人 山川 茂樹  
代理人 山川 茂樹  

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