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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05B
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 H05B
管理番号 1393002
総通号数 13 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-06-06 
確定日 2023-01-17 
事件の表示 特願2017−214878「被加熱体の加熱領域制御方法、化学反応方法、及びマイクロ波照射システム」拒絶査定不服審判事件〔令和1年6月6日出願公開、特開2019−87411、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月7日の出願であって、令和3年5月20日付けで拒絶理由が通知され、令和3年9月9日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和3年12月20日付けで最後の拒絶理由が通知され、令和4年2月18日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和4年3月14日付けで令和4年2月18日にした手続補正が却下されるとともに拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、令和4年6月6日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和4年3月14日付けの補正の却下の決定及び原査定の概要
1.令和4年3月14日付けの補正の却下の決定の概要は以下のとおりである。
令和4年2月18日にした補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるが、当該補正後の本願請求項1−10に係る発明は、引用文献1−10に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであり、独立特許要件を満たさないから、令和4年2月18日にした補正は、却下すべきものである。

引用文献等一覧
1.特開2017−002785号公報
2.特開2010−097884号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2013−073710号公報(周知技術を示す文献)
4.特許第4995351号公報(周知技術を示す文献)
5.特開2010−207735号公報(周知技術を示す文献)
6.特開平9−330786号公報(新たに引用した文献)
7.特開2008−66292号公報(新たに引用した文献;周知技術を示す文献)
8.国際公開第2011/070721号(新たに引用した文献;周知技術を示す文献)
9.特開2014−032766号公報(新たに引用した文献;周知技術を示す文献)
10.特開2016−129141号公報(新たに引用した文献;周知技術を示す文献)

2.原査定(令和4年3月14日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術、引用文献2、5に記載の周知技術に基いて、当業者が容易に発明できたものである。
また、請求項2、3に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術、引用文献2、5に記載の周知技術に加え、引用文献3、4に記載の周知技術に基づいて、請求項4ないし6に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術、引用文献2、5に記載の周知技術、引用文献3、4に記載の周知技術に加え、引用文献1に記載の事項に基づいて、請求項7ないし10に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術、引用文献2、5に記載の周知技術、引用文献3、4に記載の周知技術に加え、引用文献1に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものである。
よって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第3 本願発明
本願請求項1−10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」等という。)は、令和4年6月6日にした手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1−10に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
内部に被加熱体を配した空胴共振器に対し、該空胴共振器内に定在波を形成できる周波数のマイクロ波を、該空胴共振器に設けられた2つ以上のマイクロ波供給口から、該マイクロ波供給口に設けられたアンテナにマイクロ波を印加することにより同時にかつ位相を調整して供給し、該空胴共振器内に定在波を形成することを含む、被加熱体の加熱領域制御方法であって、
前記の2つ以上のマイクロ波供給口を、供給するマイクロ波の周波数に応じて次の(a)〜(h)の通りに設置する、被加熱体の加熱領域制御方法。
(a)空胴共振器内にTM110モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が90°となるようにする。
(b)空胴共振器内にTM210モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が45°又は60°となるようにする。
(c)空胴共振器内にTM310モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が30°となるようにする。
(d)空胴共振器内にTM410モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が30°となるようにする。
(e)空胴共振器内にTM120モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が90°となるようにする。
(f)空胴共振器内にTM220モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が45°となるようにする。
(g)空胴共振器内にTE102モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が90°となるようにする。
(h)空胴共振器内にTM110モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を3箇所設け、互いに隣接する供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が120°となるようにする。
【請求項2】
前記空胴共振器内に形成した定在波による前記被加熱体の加熱中に、各マイクロ波供給口から供給している各マイクロ波のうち、少なくとも1つのマイクロ波供給口から供給しているマイクロ波の位相を切り替え、この位相の切り替えにより前記空胴共振器内に形成される定在波の電界強度分布を変化させて被加熱体の加熱領域を切り替える、請求項1記載の被加熱体の加熱領域制御方法。
【請求項3】
前記空胴共振器内に、該空胴共振器の中心軸方向に沿って電界強度分布が一定の、ドーナツ状に電界集中領域を形成することを含む、請求項1又は2記載の被加熱体の加熱領域制御方法。
【請求項4】
前記被加熱体がハニカム構造体である、請求項1〜3のいずれか1項記載の被加熱体の加熱領域制御方法。
【請求項5】
前記被加熱体が触媒である、請求項1〜4のいずれか1項記載の被加熱体の加熱領域制御方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の被加熱体の加熱領域制御方法により該被加熱体を加熱し、この加熱により化学反応を生じさせることを含む、化学反応方法。
【請求項7】
マイクロ波供給口を2つ以上有する空胴共振器と、
該空胴共振器に対し、該空胴共振器内に定在波を形成できる周波数のマイクロ波を、前記の各マイクロ波供給口から、該マイクロ波供給口に設けられたアンテナにマイクロ波を印加することにより位相を調整して供給するマイクロ波供給手段と
を有するマイクロ波照射システムであって、
前記の2つ以上のマイクロ波供給口を、供給するマイクロ波の周波数に応じて次の(a)〜(h)の通りに設置する、マイクロ波照射システム。
(a)空胴共振器内にTM110モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が90°となるようにする。
(b)空胴共振器内にTM210モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が45°又は60°となるようにする。
(c)空胴共振器内にTM310モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が30°となるようにする。
(d)空胴共振器内にTM410モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が30°となるようにする。
(e)空胴共振器内にTM120モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が90°となるようにする。
(f)空胴共振器内にTM220モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が45°となるようにする。
(g)空胴共振器内にTE102モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を2箇所設け、各供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が90°となるようにする。
(h)空胴共振器内にTM110モードの定在波を形成できる周波数のマイクロ波を供給する場合には、空胴共振器の中心軸と平行な壁面又はその近傍にマイクロ波供給口を3箇所設け、互いに隣接する供給口と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度が120°となるようにする。
【請求項8】
前記マイクロ波照射システムが、前記空胴共振器内に配された被加熱体を、該空胴共振器内に形成した定在波により加熱するマイクロ波加熱システムである、請求項7記載のマイクロ波照射システム。
【請求項9】
前記マイクロ波照射システムが、前記空胴共振器内に配された被加熱体を、該空胴共振器内に形成した定在波により加熱し、この加熱により化学反応を生じさせるマイクロ波化学反応システムである、請求項8記載のマイクロ波照射システム。
【請求項10】
前記被加熱体が触媒である、請求項8又は9記載のマイクロ波照射システム。」

第4 引用文献、引用発明等
1.主たる引用文献、引用発明
原査定の拒絶の理由に主たる引用発明として引用された引用文献6には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は強調のため、当審にて付加した。以下同じ。)

「【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の装置では、環状導波管の大きさに比べて被加熱物の大きさが比肩するような大きさの物を加熱する場合は、たとえ複数の位置に配設したマイクロ波放射部を可動制御しても、それぞれのマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波エネルギー量を最適に制御することが困難であるために、被加熱物を均一に効率よく加熱することが困難であるという課題を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、環状導波管を構成する内板にはそれぞれのマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の位相または放射量を規定した複数のマイクロ波放射部を設け、規定したマイクロ波放射分布でもってマイクロ波を放射させるものである。
【0006】上記発明によれば、環状導波管近辺のマイクロ波放射分布を被加熱物の影響を受けることなく規定でき、この放射分布に基づき被加熱物の加熱状態が容易に判別できるとともにその加熱制御を安定に行うことができる。」

「【0013】また、円筒状の外板と、前記外板と略同心状に設けた内板と、前記外板と内板とを導波管の対向壁面として構成した環状導波管と、前記環状導波管の内板に設けそれぞれの放射部から放射されるマイクロ波の位相または放射量を規定した複数のマイクロ波放射部と、前記環状導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、前記マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波を実質的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間内に配設し前記内板の内側において回転可動するとともに被加熱物を収納する回転収納部とを有するものである。」

「【0039】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
(実施例1)図1は、本発明の第1実施例を示す図である。図1において、環状導波管10は略同心状に設けた外板11と内板12とを導波管の対向するH面として構成している。外板11には、矩形導波管13を接続し、この矩形導波管13の他端にはマイクロ波を発生するマイクロ波発生手段14(たとえば、マグネトロン)を接続している。外板11と内板12とは、環状導波管10のE面を構成する部材としての側面板15、16とで電気的かつ機械的に接続している。
【0040】内板12にはマイクロ波放射部17、18を配設している。これらのマイクロ波放射部17、18は、内板12を所定寸法に切り抜いた構成や内板を二つの部材12a、12bにて構成しマイクロ波放射部17、18に相当する所定の開孔寸法を形成する構成にて組み立てている。
【0041】開孔寸法は、環状導波管10内のマイクロ波の伝搬方向の寸法を15mm程度以上としている。この構成により、環状導波管内を伝搬したマイクロ波のほとんどがマイクロ波放射部を構成する開孔より放射される。
【0042】なお、図1は、内板に配設したマイクロ波放射部が2つの場合を示しているが、放射部の数はさらに増加させてもよい。この場合、後続のマイクロ波放射部から所定量のマイクロ波放射を可能にするために、マイクロ波伝搬方向の前側に存在するマイクロ波放射部の開孔寸法を10mm程度以下の適当な寸法に選定してそのマイクロ波放射部から放射されるマイクロ波と後続のマイクロ波放射部側に伝送させるマイクロ波とを形成させることができる。
【0043】また、これらのマイクロ波放射部17、18は、環状導波管10において略対向配設している。L1、L2はそれぞれ、外板11に接続した矩形導波管13のE面略中央と環状導波管10の中心軸とを結ぶ線Lを基点として、環状導波管10のE面略中央部を通って各マイクロ波放射部の略中央部に至る周方向の長さである。L1とL2とは略同一長さにするか異なる長さにするかが選択できる。矩形導波管13を伝送してきたマイクロ波は環状導波管10の外板への接続部において環状導波管10内を時計回りする波と反時計回りする波に分配される。これら2つのマイクロ波は、エネルギー的には2分配され、位相的には逆相になる。
【0044】L1とL2とを同一の長さに選択した場合、それぞれのマイクロ波放射部17、18から環状導波管10の外に放射されるマイクロ波はエネルギー的には同一であり、位相的には逆相のマイクロ波となる。一方、L1とL2との長さの差を環状導波管10内を伝搬するマイクロ波の波長の略2分の1の波長に相当する長さに選択するように環状導波管の各構成寸法を決定することができる。この場合、マイクロ波放射部17、18から環状導波管10の外に放射されるマイクロ波はエネルギー的には同一であり、位相的には同相のマイクロ波とすることができる。
【0045】円筒共振器内に生じるマイクロ波分布モードについては、例えば、マイクロ波およびミリ波回路;丸善、に詳しく記述されているのでここでの詳細な説明は省略する。上記した本発明の構成によれば、マイクロ波放射部17、18から放射されるマイクロ波が逆相の場合にはマイクロ波分布モードとして、TE<01P>、TE<21P>、TE<41P>などを得ることができる。一方、放射されるマイクロ波を同相に構成した場合には、TE<11P>、TE<31P>、TE<12P>などのマイクロ波分布モードを得ることができる。なお、各モードの添字は<>内で記している。添字Pは円筒共振器の円筒軸方向の定在波の山の数であり、自然数である。
【0046】上記した構成により、逆相のマイクロ波放射分布を得ることに対して、環状導波管の構成寸法を自由に選択することができる。また、環状導波管近辺に生じる温度変化、汚染などの環境影響に対して環状導波管からマイクロ波発生手段を遠ざけた構成により、マイクロ波発生手段の性能を保証する場所にマイクロ波発生手段を配設することができる。」

「【図1】



上記【0044】の「マイクロ波放射部17、18から環状導波管10の外に放射されるマイクロ波は」とされた「環状導波管10の外」とは、上記【図1】の環状導波管10の構造を参照すると、該環状導波管10で囲まれた円柱状の空間となることが理解できるため、環状導波管10が囲む外部空間が、被加熱体が置かれる加熱空間になると認められる。

したがって、上記引用文献6には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「外板11と内板12とを略同心円状に対向して設けた環状導波管10と、該外板11に接続される矩形導波管13と、該矩形導波管13の他端に接続されるマイクロ波発生手段14とを備える装置を用いた被加熱物の加熱方法であって、
該内板12に複数の開口を設けて、当該開口からマイクロ波が環状導波管10が囲む外部空間である加熱空間に放射されるマイクロ波放射部17、18が配設され、
前記内板12へのマイクロ波放射部17、18の設置場所を、前記矩形導波管13の接続位置から等距離に選ぶことで、該マイクロ波放射部17、18が放射するマイクロ波の位相が逆位相になる、TE<01P>、TE<21P>、TE<41P>などの定在波のマイクロ波分布モードの放射に設定したり、
前記内板12へのマイクロ波放射部17、18の設置場所を、前記矩形導波管13の接続位置から互いの距離差をマイクロ波の波長の略2分の1に選ぶことで、該マイクロ波放射部17、18が放射するマイクロ波の位相が同相になる、TE<11P>、TE<31P>、TE<12P>などの定在波のマイクロ波分布モードの放射に設定したりする
非加熱物の加熱方法。」

2.従たる引用文献、その記載事項
原査定及び補正の却下の決定で、請求項1に係る発明に対し従たる引用文献とされた、引用文献7−10、2、5及び3−4には、それぞれ以下の事項が記載されている。
(1)引用文献7の記載事項
「【0051】
[1] 第1の実施の形態
(1−1) 電子レンジの構成および動作の概略
図1は、第1の実施の形態に係る電子レンジの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る電子レンジ1は、マイクロ波発生装置100および筐体501を含む。筐体501内には、3個のアンテナA1,A2,A3が設けられる。
【0052】
本実施の形態において、筐体501内の3個のアンテナA1,A2,A3のうち2個のアンテナA1,A2は、水平方向において互いに対向するように配置される。
【0053】
マイクロ波発生装置100は、電圧供給部200、マイクロ波発生部300、電力分配器350、同一の構成を有する3個の位相可変器351a,351b,351c、同一の構成を有する3個のマイクロ波増幅部400,410,420、同一の構成を有する3個の反射電力検出装置600,610,620およびマイクロコンピュータ700を備える。マイクロ波発生装置100は、電源プラグ10を介して商用電源に接続される。
【0054】
マイクロ波発生装置100において、電圧供給部200は、商用電源から供給される交流電圧を可変電圧および直流電圧に変換し、可変電圧をマイクロ波発生部300に与え、直流電圧をマイクロ波増幅部400,410,420に与える。
【0055】
マイクロ波発生部300は、電圧供給部200から与えられる可変電圧に基づいてマイクロ波を発生する。電力分配器350は、マイクロ波発生部300により発生されるマイクロ波を位相可変器351a,351b,351cに略等分配する。電力分配器350は、例えば位相可変器351aへ入力するマイクロ波の位相を基準とした場合に、位相可変器351bへ入力するマイクロ波の位相を180度遅らせ、位相可変器351cへ入力するマイクロ波の位相を90度遅らせる。」

「【図1】



「【0187】
図12は、図1のアンテナA1,A2の他の配置例を示す図である。図12(a)の例では、アンテナA1が筐体501の一側面の上部で水平に配置され、アンテナA2が筐体501の他側面の略中央部で水平に配置されている。
【0188】
図12(b)の例では、アンテナA1が筐体501の一側面の上部で筐体501の下面略中央部に向かうように配置され、アンテナA2が筐体501の他側面の略中央部で水平に配置されている。
【0189】
図12(c)の例では、アンテナA1が筐体501の下面の略中央部で筐体501の他側面側へ傾くように配置され、アンテナA2が筐体501の他側面の略中央部で水平に配置されている。
【0190】
これらの場合においても、アンテナA1,A2からマイクロ波が放射されることにより、両方のマイクロ波間で相互干渉が発生する。その結果、両方のマイクロ波の位相差を変化させることにより、筐体501内の電磁波分布が変化する。」

「【図12】



以上により引用文献7には、「電子レンジの加熱部である筐体501内に、マイクロ波を放射する2本のアンテナA1、A2を、互いに水平に対向しかつ高さ位置を違えるパターンや、アンテナA1が筐体501の一側面の上部で筐体501の下面略中央部に向かうように配置され、アンテナA2が筐体501の他側面の略中央部で水平に配置するパターンや、アンテナA1が筐体501の下面の略中央部で筐体501の他側面側へ傾くように配置され、アンテナA2が筐体501の他側面の略中央部で水平に配置するパターンをとることで、両方のマイクロ波間で相互干渉が発生し、その結果、両方のマイクロ波の位相差を変化させることにより、筐体501内の電磁波分布が変化すること。」(以下、「引用文献7記載事項」という。)が記載されている。

(2)引用文献8の記載事項
「[0087] 図6Aは、アンテナの中心間距離が90mmの高周波加熱装置100の構成を模式的に示す斜視図である。

[0088] 同図に示す高周波加熱装置100において、直径64.6mmの円形パッチで構成された2個のアンテナ104aとアンテナ104bとは、加熱室101の底面の同一面上に中心間距離が90mmの間隔で配置されている。なお、加熱室101の幅(y寸法)は410mm、奥行き(x寸法)は314mm、高さ(z寸法)は230mmであり、アンテナ104a及び104bから放射される高周波電力の周波数は2450MHzである。

[0089] 図6Bは、図6Aに示した高周波加熱装置100において、高周波電力が同相モードで放射された場合の加熱室101内の定在波による電磁界強度の分布を示す図である。具体的には、アンテナ104a及び104bから周波数2450MHzの高周波電力が放射されたと想定した場合の加熱室101内の電磁界強度の分布のシミュレーション結果を示す図であり、色が濃いほど強い電磁界が発生していることを表す。電磁界が強い箇所は定在波の腹に相当する箇所であり、電磁界が弱い箇所は定在波の節に相当する箇所である。

[0090] 図6Bの(a)は、垂直面(yz面)における定在波による電磁界強度の分布を示し、それぞれ、加熱室101の奥行き方向(x)に前面(x=0)より36mm,106mm,156mm,206mm,286mmの位置における、垂直面(yz面)の定在波による電磁界強度の分布を示している。また、図6Bの(b)は、水平面(xy面)における定在波による電磁界強度の分布を示し、それぞれ、加熱室101の高さ方向(z)に底面(z=0)より45mm,75mm,105mm,135mm,165mmの位置における、水平面(xy面)の定在波による電磁界強度の分布を示している。

[0091] 図7Aは、アンテナの中心間距離が105mmの高周波加熱装置100の構成を模式的に示す斜視図である。図7Bは、図7Aに示した高周波加熱装置100において、同相モードにおける加熱室101内の定在波による電磁界強度の分布を示す図である。

[0092] 図8Aは、アンテナの中心間距離が120mmの高周波加熱装置100の構成を模式的に示す斜視図である。図8Bは、図8Aに示した高周波加熱装置100において、同相モードにおける加熱室101内の定在波による電磁界強度の分布を示す図である。

[0093] 図9Aは、アンテナの数を4個とし、隣り合うアンテナ同士の中心間距離が90mmの高周波加熱装置100の構成を模式的に示す斜視図である。同図に示す高周波加熱装置100は、同相モードにおいて、全てのアンテナから放射される高周波電力の位相が同相である。図9Bは、図9Aに示した高周波加熱装置100において、同相モードにおける加熱室101内の定在波による電磁界強度の分布を示す図である。

[0094] なお、図7B、図8B及び図9Bの(a)及び(b)のそれぞれは、図6Bの(a)及び(b)のそれぞれと同じ位置の平面における定在波による電磁界強度の分布である。

[0095] 図6B、図7B、図8B及び図9Bのいずれにおいても、加熱室101内の定在波による電磁界強度の分布は、水平方向に広がりを持ち、垂直方向に層を成している様子が見て取れる。正確には、アンテナ104a及び104bからそれぞれ放射される高周波電力の位相差が同相モードである場合には、加熱室101内の定在波による電磁界強度の分布は、アンテナ104a及び104bが設けられている面に対して、水平方向に広がりを持ち、垂直方向に層を成していると言える。つまり、電磁界強度の強い箇所及び弱い箇所が水平方向に広がりを持ち、垂直方向に層を成している。これは、それぞれのアンテナ104aと104bから放射される高周波電力の位相が同相であるので、それぞれのアンテナ104aと104bから照射される高周波電力が交わる際に、互いに強め合うことによる。」












以上により引用文献8には、「高周波加熱装置100の直方体形状の加熱室101の底面の同一面上に間隔をおいて2個のアンテナ104aとアンテナ104bとを配置し、これらに同相のマイクロ波を印加すると、定在波が形成されること。」(以下、「引用文献8記載事項」という。)が記載されている。

(3)引用文献9の記載事項
「【0051】
(マイクロ波導入ポートの第1の配置例)
図8はマイクロ波導入ポートの第1の配置例を示す天壁11の底面図である。図8に示すように、4つのマイクロ波導入ポート10は、天壁11に嵌め込まれた上部シャワー機構52の本体61に設けられている。なお、本体61には、多数のガス孔が設けられているが、ここでは省略している。また、4つのマイクロ波導入ポート10は、隣接するマイクロ波導入ポート10の長手方向が直交するように90°ずつ角度をずらして均等に配置されている。そして、対向するマイクロ波導入ポート10の長手方向の軸が重ならないように配置されている。各マイクロ波導入ポート10の大きさや、L1/L2は、マイクロ波導入ポート10毎に異なっていてもよいが、ウエハWに対する加熱処理の均一性を高めるとともに制御性をよくする観点から、4つのマイクロ波導入ポート10のすべてが同じ大きさおよび形状であることが好ましい。このように、マイクロ波導入ポート10のL1/L2の値を大きくし、隣接するマイクロ波導入ポート10が90度ずつ角度をずらして配置するとともに、対向するマイクロ波導入ポート10の長手方向の軸が重ならないように配置することにより、一つのマイクロ波導入ポート10から導入されたマイクロ波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することを極力防止して電力の損失を抑制するようになっている。
【0052】
また、4つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれ、その長辺と短辺が、4つの側壁12の内壁面と平行になるように設けられている。このため、1つのマイクロ波導入ポート10から放射されるマイクロ波は、大部分がその長辺に対して垂直な2方向へ進行し、伝播していき、2つの側壁12によってそれぞれ反射された際に、生成する反射波の指向性(電磁界ベクトルの方向)は、進行波の指向性(電磁界ベクトルの方向)とは180度逆向きになって、他のマイクロ波導入ポート10へ向かう方向へ散乱することはほとんどない。これによっても、一つのマイクロ波導入ポート10から導入されたマイクロ波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することが防止され電力の損失を抑制している。
【0053】
図8の例では、4つのマイクロ波導入ポート10が均等配置されているため、処理容器1内のウエハW存在領域に比較的均一な電界が形成することができる。
【0054】
(マイクロ波導入ポートの第2の配置例)
図9はマイクロ波導入ポートの第2の配置例を示す天壁11の底面図である。図8の第の配置例では、マイクロ波導入ポート10を均等に配置しているが、本例では、天壁11のウエハWに対応する部分(上部シャワー機構52の本体61)をウエハWの中央部に対応する内側領域11AとウエハWの外側部に対応する外側領域11Bとに分け、4つのマイクロ波導入ポート10の形状や向きを配置例1と同様にしたままで、これらマイクロ波導入ポート10の内、隣接しないものの組の一つを内側領域11Aに配置し、他を外側領域11Bに配置するようにしている。
【0055】
図9の例では、内側領域11Aに形成されたマイクロ波導入ポート10から導入するマイクロ波パワーと、外側領域11Bに形成されたマイクロ波導入ポート10から導入するマイクロ波パワーとを独立して調整することにより、ウエハWの電界分布を制御することができる。
【0056】
(マイクロ波導入ポートの第3の配置例)
図10はマイクロ波導入ポートの第3の配置例を示す天壁11の底面図である。本例では、4つのマイクロ波導入ポート10の形状や向きを第1の配置例1と同様にしたままで4つのマイクロ波導入ポート10の位置を適宜ずらした任意の配置であり、4つのマイクロ波導入ポート10にそれぞれ対応するマイクロ波ユニット30のマイクロ波パワーを独立して調整できるようにしている。これにより、ウエハWの電界分布をより高精度で制御することができる。」

「【図8】

【図9】

【図10】



以上により引用文献9には、「天壁11に嵌め込まれた上部シャワー機構52の本体61に、4つのマイクロ波導入ポート10を、隣接するマイクロ波導入ポート10の長手方向が直交するように90°ずつ角度をずらして均等に配置したり、マイクロ波導入ポート10の内、隣接しないものの組の一つを内側領域11Aに配置し、他を外側領域11Bに配置したりして、ウエハWの電界分布を制御すること。」(以下、「引用文献9記載事項」という。)が記載されている。

(4)引用文献10の記載事項
「【0012】
一部の実施形態を、変調空間(MS)および/または変調空間要素(MSE)の概念を用いて以下に説明する。用語「変調空間」または「MS」は、エネルギ印加区域内のフィールドパターンに影響を及ぼす可能性があるあらゆるパラメータ、およびその全ての組合せを集合的に指すために使用する。そのようなパラメータの例には、エネルギ印加区域に加えられる電磁波の周波数、エネルギ印加区域を画定する特定の壁に関するそのような波の位相、および複数の放射素子を使用する場合、放射素子のそれぞれからエネルギが発せられる相対振幅が含まれ得る。用語「変調空間要素」または「MSE」は、変調空間内の変数パラメータの1組の特定の値を指すことができ、例えば900MHzの周波数および30°の位相を有する波の組み合わせられた特徴は、MSEを形成することができる。用語MSおよびMSEについては以下でより詳しく論じる。」

「【0020】
同様に、例示目的で、本開示は加熱に使用される電磁エネルギのいくつかの例を含む。この場合もやはり、それらの説明は本開示の例示的原理を示すために行う。説明し、特許請求の範囲に記載する開示の諸実施形態は、エネルギを加えることが温度上昇を招くかどうかに関係なく、エネルギを加えることを伴う様々な製品、ならびに工業プロセス、商業プロセス、および消費者プロセスに利益をもたらすことができる。本明細書で論じるエネルギ印加の核となる発明原理は、加熱以外の、または加熱を含む様々な目的で応用できることを当業者なら理解されよう。例えば、電磁エネルギは、加熱、燃焼、解凍、除霜、調理、乾燥、反応の加速、膨張、蒸発、融合、生物学的プロセスの誘発もしくは変更、治療、凍結もしくは冷却防止、対象物を所望の温度範囲内に保つこと、またはエネルギを加えることが望ましい他の任意の用途のために対象物に加えることができる。
・・・
【0023】
エネルギ印加区域は、オーブン、チャンバ、槽、乾燥機、解凍装置、脱水機、炉、キャビネット、反応器、エンジン、化学処理装置や生物学的処理装置、焼却炉、物質造形装置や物質成形装置、コンベヤ、燃焼域、またはエネルギを加えることが望ましい場合がある任意のエリア内に位置することができる。したがって、一部の実施形態に合致して、電磁エネルギ印加区域は(空洞共振器、共振空洞、または単純に略して「空洞」としても知られる)電磁共振器とすることができる。対象物またはその一部がエネルギ印加区域内に位置する場合、電磁エネルギを対象物に加えることができる。
【0024】
エネルギ印加区域は、その形状の物理的側面がエネルギ印加時に分かっている限り、さもなければ決定可能な、所定の形状を有することができる。
【0025】
エネルギ印加区域は、エネルギ印加区域内での電磁波の伝搬を可能にするいかなる形状を呈してもよい。例えば、エネルギ印加区域の全てまたは一部が、球形、半球形、矩形、ドーナツ形、円形、三角形、長円形、五角形、六角形、八角形、楕円形、または他の任意の形状もしくは形状の組合せである断面を有することができる。エネルギ印加区域は、閉ざされている、すなわち導体材料によって完全に密閉されている、少なくとも部分的に閉ざされている、または開いている、すなわち閉ざされていない開口部を有し得ることも考えられる。本発明の一般手法は、エネルギ印加区域のある特定の空洞形状、構成、または閉鎖度に限定されないが、一部の応用例では高度の閉鎖が好ましい場合もある。
【0026】
例として、空洞20などのエネルギ印加区域を図1に概略的に示し、図1では対象物50が空洞20の中に位置する。対象物50は、エネルギ印加区域の中に完全に位置しなくてもよいことを理解すべきである。つまり、対象物50の少なくとも一部がエネルギ印加区域の中に位置する場合、対象物50はエネルギ印加区域の「中にある」とみなされる。
【0027】
一部の実施形態によれば、エネルギ印加区域は、少なくとも1つの共振波長をサポートすることができる(例えば少なくとも1つの波長の電磁波が、エネルギ印加区域内で共振することができる)。例えば、空洞20は、所定の周波数範囲(例えばUHFまたはマイクロ波の周波数範囲、例えば300MHzから3GHz、または100MHzから1GHZ)内で空洞20を共振可能にする寸法を用いて設計することができる。対象とする用途に応じて、空洞20の寸法は、電磁スペクトル内の他の周波数範囲内の共振を可能にするように設計することもできる。用語「共振する」または「共振」は、電磁波がエネルギ印加区域内で、ある周波数(「共振周波数」として知られる)において他の周波数よりも大きい振幅で振動する傾向を指す。特定の共振周波数において共振する電磁波は、共振周波数に反比例する、λ=c/fによって求められる対応する「共振波長」を有することができ、ただしλは共振波長であり、fは共振周波数であり、cはエネルギ印加区域内での電磁波の伝搬速度である。伝搬速度は、波が伝搬する媒体に応じて変わり得る。したがって、エネルギ印加区域が複数の物質を含む場合、cを一意に定めることはできない。それでもなお、共振波長は、例えば主成分のcに基づく推定または種々の成分のcの平均に基づく推定を使用することや、当技術分野で知られている他の任意の技法を使用することが含まれる、僅かに異なる関係を使用して一意に求めることができる。」

「【0098】
図6A−図6Eは、周波数変調、位相変調、および振幅変調を変えるための回路を示すが、一部の実施形態によれば、複数のMSE変動要素の制御を可能にするために、これらの回路のコンポーネントを組み合わせることができる。さらに、多くの放射素子(例えば3?50個の放射素子)を使用することができ、回路は、放射素子を選択的に使用することにより、MSEの組合せを選ぶことができる。専ら例として、3つの放射素子A、B、およびCを有する装置では、振幅変調を放射素子AおよびBを使って行うことができ、位相変調を放射素子BおよびCを使って行うことができ、周波数変調を放射素子AおよびCを使って行うことができる。オプションで、振幅を一定に保つことができ、放射素子の1つまたは複数をオン・オフすることにより場の変化を引き起こすことができる。さらに、アンテナ32および34は、これらのアンテナの位置または向きを変えさせ、それによりフィールドパターンの変化をもたらす装置を含むことができる。当業者なら、組合せは事実上無限にあり、本発明は、ある特定の制御の組合せに限定されず、むしろ1つまたは複数のMSEを変えることでフィールドパターンを変えることができるという考えを反映することを理解されよう。」





以上により引用文献10には、「対象物50を収納し加熱する空洞20が、空洞共振器とされ、空洞20内の特定の壁にアンテナ32、34を2本設置し、各アンテナ32、34にこれらのアンテナの位置または向きを変えさせ、それによりフィールドパターンの変化をもたらす装置を含ませると、変調空間要素(MSE)が変化すること。」(以下、「引用文献10記載事項」という。)が記載されている。

(5)引用文献2の記載事項
「【0032】
本発明では、図1もしくは3の同軸型空胴共振器において、導波管2からマイクロ波が導入され、空胴共振器の内部に、例えば、TE010モード、TM010モード、あるいは、TE0nsモードで励起され、これにより、マイクロ波加熱が行われる。ここで、半径方向ないし中心軸方向に対し、変化する次数である前記n、ないしsは、整数を表す。この場合、前記TE010モードでは、電界は円周と同軸的に分布し、また、TM010モードでは、電界は、軸方向に向かい、軸方向に対し大きさが変化しない。」

以上により引用文献2には、「特定構造の同軸型空洞共振器にマイクロ波を導入すると、TE010モード、TM010モード、あるいは、TE0nsモードの励起が形成されること。」(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。

(6)引用文献5の記載事項
「【0021】
本発明では、シングルモードキャビティの空胴共振器として、例えば、TM010シングルモードキャビティの他に、TM110モードキャビティ、TM210モードキャビティ、TM020モードキャビティなどが用いられる。また、流通管しては、内径2.9mm以下のミリメートルサイズの流通管、例えば、1.5mm以上2mm以下、1mm以上1.5mm以下、0.5mm以上1mm以下の流通管が用いられる。」

「【実施例2】
【0058】
本実施例では、TM110モードとなるキャビティを用いた他は、実施例1と同様にして、実験を行った。図9に、本実施例は、電磁波の照射手段として用いたTM110モードとなるキャビティ、及びその電界強度分布を示す。この場合、電界強度が極大となる場所が2か所あり、その部分に2本の反応管を配置することで、同時に2本の反応管による合成反応を実施した。
【0059】
その結果、電磁波の照射手段としては、本実施例に示す形態でも、同様の結果を得ることができること、片側の反応管の出口を、もう一つの反応管の入口に接続することで、反応管を流通する反応溶液に対し、2倍の時間で電磁波を照射することができ、反応溶液の滞留時間を2倍にすることができることが分かった。
【実施例3】
【0060】
本実施例では、TM210モードとなるキャビティを用いた他は、実施例1と同様にして、実験を行った。図10に、本実施例は、電磁波の照射手段として用いたTM210モードとなるキャビティ、及びその電界強度分布を示す。この場合、電界強度が極大となる場所は、4か所あり、4本の反応管に同時に電磁波を照射することができること、また、反応管の接続方法を工夫すれば、反応溶液の滞留時間を4倍とすることもできることが分かった。」

以上により引用文献5には、「シングルモードキャビティの空胴共振器として、例えば、TM010シングルモードキャビティの他に、TM110モードキャビティ、TM210モードキャビティ、TM020モードキャビティなどがあること。」(以下、「引用文献5記載事項」という。)が記載されている。

(7)引用文献3の記載事項
「【0028】
なお、本実施の形態1で示す様に、放射部12を複数(本実施の形態1では2個)設けることにより、各々の発振周波数や相互の位相差を変えることにより、キャビティ10内の定在波分布を自在に可変できるため、集中加熱したり局所加熱したりということが自在に電波攪拌機構なしに実現できるため加熱性能は向上する。」

「【図1】



以上により引用文献3には、「放射部12をキャビティ10の対向する側壁に2個設けることにより、各々の発振周波数や相互の位相差を変えることにより、キャビティ10内の定在波分布を自在に可変できること。」(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

(8)引用文献4の記載事項
「【0074】
以上のように、本実施の形態に係る高周波加熱装置100は、加熱室101に収納された被加熱物150を加熱する高周波加熱装置であって、高周波電力を発生する高周波電力発生部110と、高周波電力発生部110で発生された高周波電力の位相を変化させる位相可変部103a及び103bと、加熱室101内の同一面に配置され、位相可変部103a及び103bで位相が変化されたことにより所定の位相差を有する複数の高周波電力を被加熱物150に放射する複数のアンテナ104a及び104bと、被加熱物150の形状を示す形状情報を取得する形状情報取得部120と、第1モードにおいて複数の高周波電力が同相となるように位相可変部103a及び103bを制御し、第2モードにおいて複数の高周波電力が逆相となるように位相可変部103a及び103bを制御する制御部130とを備え、制御部130は、形状情報取得部120で取得された形状情報に基づいて、第1モードと第2モードとを切換える。」

以上により引用文献4には、「直方体形状の加熱室101内の同一面に配置され、位相可変部103a及び103bで位相が変化されたことにより所定の位相差を有する複数の高周波電力を被加熱物150に放射する複数のアンテナ104a及び104bを設け、被加熱物150の形状に応じて、各アンテナ104a及び104bから放射する高周波の位相を同相としたり逆相としたり、切り替えること。」(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア 本願発明1の加熱に関する技術的事項の整理
本願発明1の加熱方法は、「内部に被加熱体を配した空胴共振器」を用い、該「空洞共振器」に「設けられた2つ以上のマイクロ波供給口」に「設けられたアンテナにマイクロ波を印加」をすることで、「内部」に「配した」「被加熱体」へマイクロ波が「供給」されることで「被加熱体の加熱」を制御する方法であるとし、
その制御は、請求項1に記載された(a)〜(h)の通りに、「2つ以上のマイクロ波供給口」の「設置」を、「供給するマイクロ波の周波数に応じて」行うこととし、
マイクロ波の被加熱体への供給は、2つ以上のマイクロ波供給口から、「同時にかつ位相を調整」して行われることで、該「空洞共振器内に定在波」の「形成」がなされて、「被加熱体の加熱領域」の制御に至るとするものである。

イ 引用発明の加熱に関する技術的事項の整理
引用発明の加熱方法は、「環状導波管10」が用いられ、該導波管10内のマイクロ波が、該導波管10の「内板12」に設けられた「複数の開口」である「マイクロ波放射部17、18」から放射され、放射されたマイクロ波が、環状導波管10に囲まれた外部空間に置かれた被加熱物に当たることで、被加熱物が加熱される方法であって、
該マイクロ波放射部17,18が設けられる開口の位置は、2通りが示され、矩形導波管13が環状導波管10へ接続される位置から、マイクロ波放射部17、18を(ア)等距離の位置に選んだ場合と、(イ)長さに差を持たせ、差がマイクロ波の波長の略2分の1波長に相当する長さに選んだ場合とが開示され、(ア)ではマイクロ波放射部17と18との放射されるマイクロ波の位相は逆位相になり、(イ)では同位相になる。

ウ 本願発明1の被加熱体/引用発明の被加熱物に当たるマイクロ波について
引用発明の「被加熱物」は、本願発明1でいう「空洞共振器」の内部に配されていない。また、その結果として、本願発明1で列挙される(a)〜(h)の「空洞共振器内に」「モードの定在波を形成できる」状態に、被加熱対象は置かれていないことが明らかである。よって、この点は相違点となる。

エ 最終的に被加熱対象へ与えられる「マイクロ波」の「供給」について
引用発明の「マイクロ波」の「供給」は、「環状導波管10」に設けた「複数の開口」から直接マイクロ波が「同時」に「放射」される形態であり、「複数の開口」を設ける位置を、上記イで(ア)、(イ)で示した2通りの位置のいずれかとすることで、開口から放射されるマイクロ波の位相が、(ア)では互いに逆相とされ、(イ)では互いに同相とされるものである。
これに対し、本願発明1の「マイクロ波」の「供給」は、図1の図示及び【0013】〜【0018】に記載のとおり、「空洞共振器」が有する「2つ以上」の「マイクロ波供給口」(【0013】)に「アンテナを設け」(【0014】)て、当該アンテナに供給されるマイクロ波の「位相」は、位相器、ケーブルの長さ、ケーブルの誘電率の調整、ケーブルの導体径の調整、導波管の長さの調整、等によって2つ以上のマイクロ波供給口の各々に供給されるマイクロ波の位相が調整されるものである。
さらに、「空洞共振器」内で定在波を形成するために、かかる定在波のモードに応じて、マイクロ波供給口は2個とし、各供給口と空洞共振器の中心軸とを結ぶ2つの直線のなす角度が90°になるようにしたり(請求項1の(a)、(e)、(g))、2個のマイクロ波供給口同士のなす角度は、45°または60°(同(b))にされたり、30°(同(c)、(d))にされたり、45°(同(f))とされる。また、マイクロ波供給口の個数が3個とした場合には、120°(同(h))とされる。

そうすると、マイクロ波の供給において、本願発明1は「アンテナ」を要するのに対し、引用発明はアンテナを用いない点で両者は相違する。
また、マイクロ波の供給に際し、本願発明1のマイクロ波供給口に至る前に、事前に各供給口に至るマイクロ波の位相が調整済みとされる点と、引用発明の「環状導波管10」と「複数の開口」との長さを調整するとしている点とは、位相が調整される、とした限りにおいて一致する。
さらに、被加熱対象へ「マイクロ波」が「供給」されることに関して、両者は、2箇所からマイクロ波が同時に供給される点に限り、一致する。
最後に、被加熱対象へ向けて放射されるマイクロ波の放射位置についてみると、本願発明1では、「空洞共振器」の内部に形成される定在波のモードの周波数に合わせて、アンテナを設ける位置を、空洞共振器の中心軸と各アンテナとを結ぶ直線のなす角度で定めているのに対して、引用発明ではマイクロ波の位相を同相とするか逆相とするかに合わせて、上記イに示したとおり、矩形導波管13が環状導波管10へ接続される位置から、マイクロ波放射部17、18を(ア)等距離の位置に選んだ場合と、(イ)長さに差を持たせ、差がマイクロ波の波長の略2分の1波長に相当する長さに選んだ場合の2とおりとしており、マイクロ波の供給・放射位置の定め方については、両者は相違する。

以上、ウ及びエをまとめると、本願発明1と引用発明とは、「複数の場所から位相を調整したマイクロ波を被加熱体に同時に供給し、被加熱体を加熱する方法。」、とした点で一致し、次の諸点で相違する。

(相違点1)本願発明1の「空洞共振器」は、「内部に被加熱体を配した」ものであるのに対し、引用発明の「外板11と内板12とを略同心円状に対向して設けた環状導波管10」は、「マイクロ波放射部17、18」とされる「開口」の外側である「環状導波管10」が囲む外部空間に被加熱体が配されるため、空洞共振器を用いていない点。
(相違点2)本願発明1は、「マイクロ波供給口に設けられたアンテナにマイクロ波を印加することにより」「同時にかつ位相を調整して」「マイクロ波」を「供給」し「該空胴共振器内に定在波を形成する」としているのに対し、引用発明では、アンテナを有さず、「開口」から単にマイクロ波が被加熱物に向けて「放射」されるとし、放射の結果マイクロ波は被加熱物の周囲に定在波が形成されるものとはされていない点。
(相違点3)本願発明1では、「2つ以上のマイクロ波供給口を、供給するマイクロ波の周波数に応じて次の(a)〜(h)の通りに設置する」(注:(a)〜(h)は表記を略した)としているのに対し、引用発明は、供給する周波数とマイクロ波放射部の配置の組み合わせとはせず、マイクロ波の位相を同相とするか逆相とするかに合わせて、矩形導波管13が環状導波管10へ接続される位置から、マイクロ波放射部17、18を(ア)等距離の位置に選んだ場合と、(イ)長さに差を持たせ、差がマイクロ波の波長の略2分の1波長に相当する長さに選んだ場合の2とおりとしている点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1ないし3は、被加熱体が配される環境と、マイクロ波の放射供給に関する装置設計の点で密接に関係すると考えられることから、まず相違点1から順に検討する。
まず、相違点1を検討すると、引用発明の「外板11と内板12とを略同心円状に対向して設けた環状導波管10」それ自体は、マイクロ波が内部に伝播した場合、定在波が形成されるものであるため、一種の空洞共振器として設計された部材である。しかしながら、その内部に被加熱体が配されることを予定しておらず、被加熱体は環状導波管10の外部に置かれ、内板12に設けられた2つの開口から被加熱体に向けてそのまま放射される形をとる。そうすると、上記相違点1は、被加熱体が置かれる環境では、定在波自体が形成されることがないと見られ、空洞共振器として設計された環境に被加熱体が置かれていない点で、両者は実質的に相違する。
加えて、相違点2及び3で挙げた両者の相違を検討すると、本願発明1が採用した「アンテナ」への「マイクロ波」の「印加」は、2つのアンテナに別々のマイクロ波を導くことができる形式であり、一例では本願に添付した図面の図1に図示された基準アンテナ2、補助アンテナ3に別個に接続された配線4、5に看て取れる。
これに対し、引用発明で採用した装置構成では、マイクロ波放射部17、18へ至るマイクロ波は、強度と周波数が固定の1つのマイクロ波として、マイクロ波発生手段14から矩形導波管13を経て環状導波管10に至るとされ、別個の位相が調整された2つのマイクロ波を準備するものではない。わずかにマイクロ波放射部17、18が互いに位相が異なる結果とされる形態を含むために、環状導波管10での放射部までの長さL1、L2を調整するようにされているものの、かかる構成は、本願の明細書の【0014】に記載された「導波管の長さを調整したりすること」に該当すると理解され、導波管であれば空洞共振器の外部に用いられることになり、両者が実質的に一致した構成になるとは到底いえない。これは、上記相違点3で挙げた本願発明1が採り得るマイクロ波供給口の設置に関する供給口相互の角度が、いずれも引用発明の採用した配置の規則と一致していないことにも通じる。
以上のことから上記相違点1ないし3は、いずれも、加熱制御に際して用いる装置の構成で大きく異なる、実質的な相違である。

次に、係る相違点1ないし3が、公知ないし周知技術により本願発明1が採用した発明の構成を容易に想到できたかについて検討する。

まず、原査定で示された、引用文献7−10に記載の周知技術について見ると、引用文献7では、被加熱体が置かれる場所を直方体形状の筐体501内とし、当該筐体501内にアンテナを高さ方向及びアンテナの向きを違えるなどして複数本設ける技術である。そうすると、上記相違点1〜3のうち、特に相違点2に係る相違である、引用発明が開口から直接マイクロ波を放射するとしたものに替えて、アンテナを有する構造への変更を明示するところや、示唆するところはなく、相違点3に係るアンテナの設置角度や、相違点1に係る空洞共振器の採用の明示も示唆もない。すなわち、引用文献7の記載事項は、引用発明で採用したマイクロ波の供給・放射と放射を司る部材の外形形状が相違することに加え、放射手段の配置条件も異なるから、上記相違点1ないし3に関して検討した本願発明1が採用した装置構成には当業者が想到し得ないというべきであり、相違点1ないし3に係る構成とする技術的事項の適用が困難である組み合わせであるといえる。
引き続き引用文献8−10を見ても、上記第4の2.(2)、(3)、(4)にそれぞれ記した記載事項のとおり、引用発明のマイクロ波の供給・放射と放射を司る部材の外形形状と引用文献8−10に記載の事項との間で一致するところはなく、放射手段の配置にしても引用発明や本願発明1と共通した記載はないため、引用発明の装置構成の改変に資する事項は見当たらない。また、引用文献7−10の内、被加熱部を収納する空間を空洞共振器として設計したことを開示するものは引用文献10に限られ、引用文献7−9にかかる開示はない。
次に原査定で示された、引用文献2、5に記載の周知技術とは、上記第4の2.(5)、(6)にそれぞれ記した技術的事項のとおりであり、空洞共振器の使用を前提とし、該空洞共振器内に単一のマイクロ波を導入すると、定在波の形成を得ることができるとした内容のものである。
そうすると、かかる周知技術を知る当業者が、引用発明に対し空洞共振器を採用することができたとしても、相違点2及び3を容易想到とは扱えない。
引用文献3、4に記載された技術的事項は、上記第4の2.(7)、(8)にそれぞれ記したとおりであり、引用文献3は、マイクロ波の放射部にアンテナを採用し、アンテナをキャビティの対向面にそれぞれ設置し、それぞれ放射するマイクロ波の位相を変えることでキャビティ内の定在波分布を変更し得ることが記載され、引用文献4では、空洞共振器の内壁内の同一面に配置され、位相可変部103a及び103bで位相が変化されたことにより所定の位相差を有する複数の高周波電力を被加熱物150に放射する複数のアンテナ104a及び104bを設け、被加熱物150の形状に応じて、各アンテナ104a及び104bから放射する高周波の位相を同相としたり逆相としたり、切り替えることが開示されているにすぎず、特に、相違点3に係る本願発明1で特定する、(a)〜(h)にて特定された、2箇所のマイクロ波供給口の各々と中心軸とを結ぶ2つの直線がなす角度を90°や45°、60°、30°、120°に選ぶとした事項は、引用発明、引用文献7−10、2、5及び3−4のいずれにも開示がなく、当業者の技術常識ともいえない。

これらの事情を総合すると、加熱用の装置構成が互いに異なる引用発明の技術思想と、従たる周知技術のものとを当業者が見たとしても、本願発明1の方法に使用できる装置への想到は、困難であると認められる。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献7−10、2、5及び3−4に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明2〜10について
本願発明2〜6も、本願発明1の加熱制御で用いる装置と同一の装置を用いることを前提としたものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献7−10、2、5及び3−4に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえず、さらに、引用文献1に記載の事項を考慮しても当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明7は、本願発明1の方法の実施の前提として用いる、空洞共振器、マイクロ波供給口、アンテナ等をシステムとして備えるものであり、本願発明8〜10は、本願発明7と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献7−10、2、5及び3−4に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえず、さらに引用文献1に記載の事項を考慮しても当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1−10は、「アンテナ」に係るマイクロ波の供給の事項を有するものとなっており、「同時にかつ位相を調整して供給」される「マイクロ波」が2つ以上個別に用意されることが限定された。
よって、本願請求項1に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術 、引用文献2、5に記載の周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、請求項2、3に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術、引用文献2、5に記載の周知技術に加え、引用文献3、4に記載の周知技術に基づいて、請求項4ないし6に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知技術、引用文献2、5に記載の周知技術、引用文献3、4に記載の周知技術に加え、引用文献1に記載の事項に基づいて、請求項7ないし10に係る発明は、上記引用文献6及び引用文献7−10に記載の周知事項、引用文献2、5に記載の周知事項、引用文献3、4に記載の周知事項に加え、引用文献1に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2023-01-05 
出願番号 P2017-214878
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H05B)
P 1 8・ 575- WY (H05B)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 西村 泰英
マキロイ 寛済
発明の名称 被加熱体の加熱領域制御方法、化学反応方法、及びマイクロ波照射システム  
代理人 飯田 敏三  
代理人 赤羽 修一  
代理人 弁理士法人イイダアンドパートナーズ  

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