ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する C07D 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C07D 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C07D 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C07D |
---|---|
管理番号 | 1393034 |
総通号数 | 13 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2023-01-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2022-07-29 |
確定日 | 2022-10-18 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第7078555号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第7078555号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項16、17について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第7078555号は、2017年6月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年6月23日 米国(US))を国際出願日とする特願2018−566834号の請求項1〜23に係る発明について、令和4年5月23日に特許権の設定登録がなされ、その後、同年7月29日に本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7078555号の特許請求の範囲を本審判請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項16及び17について請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、以下の訂正事項1及び2のとおりである。 なお、訂正前の請求項16又は17を直接的又は間接的に引用する請求項はないことから、訂正事項1又は2に連動して訂正される請求項はない。したがって、訂正前の請求項16及び17のそれぞれに対応する訂正後の請求項16及び17のそれぞれについて、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項を構成する請求項はない。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項16について、訂正前の「請求項14に記載の化合物」との記載を、「請求項11に記載の化合物」に訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項17の「請求項15に記載の化合物、」との記載を、「請求項11に記載の化合物、」に訂正する。 第4 当審の判断 1 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正前の請求項16の記載をみると、「R5が、ハロゲン、−NO2、SO2NH2、及びSO2CH3から選択される」と記載されているが、訂正前の請求項16が引用する請求項14には、「R5が、CNである」と記載されており、訂正前の請求項16の記載は引用する請求項14の記載との間で不合理が生じている。 一方で、請求項14が引用する請求項12は、さらに請求項11を引用しているところ、請求項11には、「R5が、CN、ハロゲン、−NO2、SO2NH2、及びSO2CH3から選択される」と記載されており、請求項16の上記記載と整合する記載が存在する。 そうすると、訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項16とそれが引用する請求項14との間で記載の不合理を正すべく、引用する請求項を本来の意味である請求項11にするものであるといえる。 したがって、上記訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて 訂正事項1による訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項16における不明瞭な記載を正すべく、引用する請求項を請求項14から請求項11にするものであるところ、請求項16の記載は請求項11における「R5」を「ハロゲン、−NO2、SO2NH2、及びSO2CH3から選択される」ものに選択肢を限定するものであるので、訂正後の請求項16は請求項11に記載した事項の範囲内であり、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載された技術的事項からみて、新たな技術的事項を導入しているとはいえない。 したがって、上記訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項1による訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項16における不明瞭な記載を正すべく、引用する請求項を請求項14から請求項11にするものであるので、発明のカテゴリーや対象を変更するものではなく、特許請求の範囲を、実質上拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。 2 訂正事項2について (1)訂正の目的について 訂正前の請求項17の記載をみると、「前記化合物が、 【化16】 から選択される、請求項15に記載の化合物、」と記載されているところ、請求項15には「R5が、−Clである」と記載され、また、請求項15が引用する請求項13には「Ar3が、 【化15】 である、」と記載されている。してみると、請求項17の引用する請求項15は、請求項11において「Ar3が、 【化15】 であ」って、「R5が、−Clである」ものに特定しているが、請求項17に記載された上記4つの化合物は、請求項11に係る化合物においてそのようなAr3を有するものではないことから、訂正前の請求項17の記載は引用する請求項15の記載との間で不合理が生じている。 一方で、請求項15が引用する請求項13がさらに引用する請求項11には、「Ar3が、 【化14】 から選択される構造であり; R5が、存在するとき、CN、ハロゲン、−NO2、SO2NH2、及びSO2CH3から選択される、」と記載されており、請求項17に記載された上記4つの化合物と整合する記載が存在する。 そうすると、訂正事項2による訂正は、訂正前の請求項17とそれが引用する請求項15との間で記載の不合理を正すべく、引用する請求項を本来の意味である請求項11にするものであるといえる。 したがって、上記訂正事項2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて 訂正事項2による訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項17における不明瞭な記載を正すべく、引用する請求項を請求項15から請求項11にしたものであるところ、請求項17に記載された4つの化合物は願書に添付した明細書の【0653】における【化404】、【表1−11】における番号117及び番号119、並びに、【表1−12】における番号128の化合物として記載されたものであることから、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載された技術的事項からみて、新たな技術的事項を導入しているとはいえない。 したがって、上記訂正事項2による訂正は、願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 訂正事項2による訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の請求項17における不明瞭な記載を正すべく、引用する請求項を請求項15から請求項11にするものであるので、発明のカテゴリーや対象を変更するものではなく、特許請求の範囲を、実質上拡張し、又は変更するものではないので、特許法第126条第6項の規定に適合するといえる。 3 独立特許要件について 訂正事項1及び2による訂正は、上記1(1)及び2(1)のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであることから、特許法第126条第7項に規定された特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとする要件(独立特許要件)は検討を要しない。 第5 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 式: 【化1】 によって示される構造を有する化合物であって、 式中、Aが、CH2であり; Q1が、CHであり、R2が、−SCH3、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、C1−C8アルコキシハロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンから選択され、前記シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンが、−OH、C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシから独立して選択される1つ、2つ、もしくは3つの基で、任意選択で置換され;または Q1が、Nであり、R2が、ハロゲン、−SCH3、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、C1−C8アルコキシハロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンから選択され、前記シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンが、−OH、C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシから独立して選択される1つ、2つ、もしくは3つの基で、任意選択で置換され; Q2が、 【化2】 から選択される構造であり; R3a及びR3bがそれぞれ、水素、ハロゲン、−OH、C1−C4アルコキシ、及びC1−C4アルキルから独立して選択され; R4が、水素、ハロゲン、−CN、SO2NH2、SO2CH3、SO2CF3、及びNO2から選択される、前記化合物、またはその医薬的に許容される塩。 【請求項2】 Q1が、CHであり、R2が、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、及びシクロプロピルから選択され、またはQ1が、Nであり、R2が、ハロゲン、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、及びシクロプロピルから選択され、Q2が、 【化3】 から選択される構造である、請求項1に記載の化合物。 【請求項3】 Q2が、 【化4】 から選択される構造である、請求項1に記載の化合物。 【請求項4】 Q2が、 【化5】 から選択される構造である、請求項1に記載の化合物。 【請求項5】 前記化合物が、式: 【化6】 によって示される構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。 【請求項6】 前記化合物が、式: 【化7】 によって示される構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。 【請求項7】 前記化合物が、 【化8】 である、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。 【請求項8】 前記化合物が、 【化9】 から選択される、請求項1に記載の化合物。 【請求項9】 前記化合物が、 【化10】 である、請求項1に記載の化合物。 【請求項10】 前記化合物が、 【化11】 である、請求項1に記載の化合物。 【請求項11】 式: 【化12】 によって示される構造を有する化合物であって、 式中、Q2が、 【化13】 から選択される構造であり; Zが、CH2COであり、該化合物は式:Ar1−CH2CO−Q2−Ar3によって示され; Ar1が、フェニル及び5員〜6員のヘテロアリールから選択され、ハロゲン、−NO2、−CN、−OH、−SH、−NH2、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8ヒドロキシアルキル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8モノハロアルコキシ、C1−C8ポリハロアルコキシ、C1−C8非環式アルキルアミノ、(C1−C8)(C1−C8)ジアルキルアミノ、−CO(C1−C8非環式アルキル)、及びシクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基で置換され、前記シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンが、−OH、C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基で任意選択で置換され、 Ar3が、 【化14】 から選択される構造であり; R5が、CN、ハロゲン、−NO2、SO2NH2、及びSO2CH3から選択される、前記化合物、またはその医薬的に許容される塩。 【請求項12】 Ar1が、フェニル及び5員〜6員のヘテロアリールから選択され、ハロゲン、−NO2、−CN、−OH、−SH、−NH2、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8ヒドロキシアルキル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8モノハロアルコキシ、C1−C8ポリハロアルコキシ、C1−C8非環式アルキルアミノ、(C1−C8)(C1−C8)ジアルキルアミノ、−CO(C1−C8非環式アルキル)、及びシクロプロピルから独立して選択される1つ、2つ、または3つの基で置換される、請求項11に記載の化合物。 【請求項13】 Ar3が、 【化15】 である、請求項11に記載の化合物。 【請求項14】 R5が、CNである、請求項12に記載の化合物。 【請求項15】 R5が、−Clである、請求項13に記載の化合物。 【請求項16】 R5が、ハロゲン、−NO2、SO2NH2、及びSO2CH3から選択される、請求項11に記載の化合物。 【請求項17】 前記化合物が、 【化16】 から選択される、請求項11に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。 【請求項18】 対象におけるパントテン酸キナーゼ活性と関連する障害の治療のための医薬組成物であって、前記医薬組成物が、式: 【化17】 によって示される構造を有する少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩を有効量で含み、前記組成物が対象に投与され、 式中、Aが、CH2であり; Q1が、CHであり;R2が、−SCH3、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、C1−C8アルコキシハロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンから選択され、前記シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンが、−OH、C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシから独立して選択される1つ、2つ、もしくは3つの基で、任意選択で置換され、または Q1が、Nであり、R2が、ハロゲン、−SCH3、C1−C8非環式アルキル、C2−C8非環式アルケニル、C1−C8モノハロアルキル、C1−C8ポリハロアルキル、C1−C8アルコキシハロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンから選択され、前記シクロプロピル、シクロブチル、及びオキセタンが、−OH、C1−C4アルキル、及びC1−C4アルコキシから独立して選択される1つ、2つ、もしくは3つの基で、任意選択で置換され; Q2が、 【化18】 から選択される構造であり; R3a及びR3bがそれぞれ、水素、ハロゲン、−OH、C1−C4アルコキシ、及びC1−C4アルキルから独立して選択され; R4が、水素、ハロゲン、−CN、SO2NH2、SO2CH3、SO2CF3、及びNO2から選択される、前記医薬組成物。 【請求項19】 パントテン酸キナーゼ活性と関連する前記障害が、補酵素Aの制御異常及び/または上昇と関連しており、結果として高血糖が生じるものである、請求項18に記載の医薬組成物。 【請求項20】 パントテン酸キナーゼ活性と関連する前記障害が、パントテン酸キナーゼまたは補酵素Aの欠損と関連しており、結果として神経変性が生じるものである、請求項18に記載の医薬組成物。 【請求項21】 パントテン酸キナーゼ活性と関連する前記障害が、PKAN及び糖尿病から選択される、請求項18に記載の医薬組成物。 【請求項22】 前記化合物が、 【化19】 である、請求項18に記載の医薬組成物。 【請求項23】 前記化合物が、 【化20】 である、請求項18に記載の医薬組成物。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2022-09-16 |
結審通知日 | 2022-09-22 |
審決日 | 2022-10-07 |
出願番号 | P2018-566834 |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(C07D)
P 1 41・ 841- Y (C07D) P 1 41・ 854- Y (C07D) P 1 41・ 853- Y (C07D) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
阪野 誠司 |
特許庁審判官 |
関 美祝 伊藤 佑一 |
登録日 | 2022-05-23 |
登録番号 | 7078555 |
発明の名称 | パントテン酸キナーゼの小分子調節剤 |
代理人 | 三橋 真二 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 三橋 真二 |
代理人 | 武居 良太郎 |
代理人 | 渡辺 陽一 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 武居 良太郎 |
代理人 | 中島 勝 |
代理人 | 中島 勝 |
代理人 | 渡辺 陽一 |