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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 G01N 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 G01N 審判 全部申し立て 2項進歩性 G01N |
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管理番号 | 1393072 |
総通号数 | 13 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2023-01-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-11-01 |
確定日 | 2022-10-17 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6881653号発明「検知装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6881653号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−4〕について訂正することを認める。 特許第6881653号の請求項1、4に係る特許を維持する。 特許第6881653号の請求項2及び3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6881653号の請求項1−4に係る特許についての出願は、平成29年9月22日に出願された特願2017−182096号の一部を令和2年5月11日に新たに出願したものであって、令和3年5月10日にその特許権の設定登録がされ、同年6月2日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、同年11月1日に特許異議申立人 平賀 博(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和4年3月23日付け(同年3月29日送付)で取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である同年5月27日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、その訂正の請求に対して、申立人は、同年6月21日に意見書を提出した。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 (1)訂正事項1(下線は訂正箇所を示す。) 特許請求の範囲の請求項1の記載を、 「食品へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記食品を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記食品に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、 前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mm を満し、 前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、 −5゜≦θ≦45° を満たす、検知装置。」 に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4の記載を、 「農作物または錠剤の被照射体へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記被照射体を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記被照射体の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記被照射体を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記被照射体との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、 前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦l50mm を満し、 前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、 −5゜≦θ≦45° を満たす、検知装置。」 に訂正する。 (5)訂正事項5 願書に添付した明細書の段落【0006】の記載を、 「実施形態に係る検知装置は、食品へ照射光を照射するための単一の光源と、前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と、前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記食品を撮像するための撮像部と、前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記食品に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と、前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と、前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と、を具備する。前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、Y1<Y2、Y1≦50mm、50mm≦Y2≦150mm、50mm≦X≦150mm、を満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5゜≦θ≦45゜を満たす。」 に訂正する。 なお、訂正事項1〜4に係る訂正前の請求項1〜4は、訂正前の請求項2〜4が、訂正前の請求項1を引用しているものであるから、これら請求項に対応する訂正後の請求項1〜4は一群の請求項である。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)請求項1に係る訂正について 請求項1に係る訂正である訂正事項1は、以下の訂正事項1−1〜1−3を含んでいる。 訂正事項1−1 訂正前の請求項1に係る発明の「被照射体」を「食品」とする訂正。 訂正事項1−2 「窓部」を、「前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部」とする訂正。 訂正事項1−3 「光源」「撮像部」及び「窓部」位置関係が、訂正前は「鉛直方向において、前記光源と前記窓部との離間距離をY1、前記撮像部と前記窓部との離間距離をY2としたときに、Y1<Y2を満たす」ものであったものを、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦l50mmを満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5゜≦θ≦45°を満たす」ものとする訂正。 ア 訂正事項1−1について 訂正事項1−1は、訂正前の請求項1に係る発明の「被照射体」を「食品」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。そして、該訂正は訂正前の「被照射体」を「食品」に減縮するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 また、訂正前の請求項4に、「前記被照射体は、食品、農作物、錠剤のいずれか1つである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の検知装置。」と記載され、段落【0022】に、 「【0022】 被照射体80は、例えば、食品、錠剤、農作物等である。被照射体80は、容器に収容されている若しくは包装資材により包装されていてもよい。また、対象物90は、例えば、被照射体80の製造工程において被照射体80に混入または付着する可能性がある異物である。」 と記載されていることから、訂正事項1−1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 イ 訂正事項1−2について 訂正事項1−2は、「窓部」が「前記筐体の端面に沿って設けられ」るものであって、「平板状」である旨限定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。そして、該訂正は「窓部」の配置及び形状を減縮するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 また、段落【0020】に、 「【0020】 さらに、筐体2には、光源10および撮像部20が、搬送機構70側へ落下することを防止するため、光源10および撮像部20の搬送機構70側に、可視光透過性を有する窓部2aを備える。窓部2aは、例えば樹脂製のパネルである。」 と記載されていることから、訂正事項1−2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 ウ 訂正事項1−3について 訂正事項1−3は、「光源」「撮像部」及び「窓部」位置関係を、訂正前は「鉛直方向において、前記光源と前記窓部との離間距離をY1、前記撮像部と前記窓部との離間距離をY2としたときに、Y1<Y2を満たす」ものであったものを、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦l50mmを満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5゜≦θ≦45°を満たす」とさらに限定を加えたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。そして、該訂正は「光源」「撮像部」及び「窓部」位置関係を減縮するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 また、段落【0037】〜【0045】に、 「【0037】 (第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の詳細) 次に、第2の実施形態において、検知装置1Aが有する光源10と窓部2aとの鉛直方向の距離Y1を50mm以下である根拠について説明する。図6は、第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の詳細の一例を説明するための図である。図7は、第2の実施形態に係る検知装置の光源の傾き角度の一例を説明するための図である。 【0038】 なお、図6に示すXは、検知装置1Aが有する光源10と撮像部20との水平方向の距離を示す。また、図6に示すY1は、検知装置1Aが有する光源10と窓部2aとの鉛直方向の距離を示す。また、図6に示すY2は、検知装置1Aが有する撮像部20と窓部2aとの鉛直方向の距離を示す。また、図7に示すθは、検知装置1Aが有する光源10の鉛直方向下向きに対する反時計回りの傾き角度を示す。 【0039】 ここで、Y1およびY2は、次の条件1および条件2の各条件を満たす。条件1は、条件2よりも優先される条件である。 【0040】 条件1:Y1<Y2・・・(1) Y1≧Y2であると、光源10から照射される光が窓部2aで反射してハレーションが発生する場合を示すことから、ハレーションが発生しない条件として、上記(1)式とする。 【0041】 条件2:50mm≦X≦150mm・・・(2) 50mm≦Y2≦150mm・・・(3) −5°≦θ≦45°・・・(4) ただし、検知装置1Aが有する撮像部20の鉛直方向下向きに対する反時計回りの傾き角度は、0°で固定とする。 【0042】 ここで、上記(1)式の条件のもと、上記(2)式について検討する。X<50mmのとき、光源10が、撮像部20の撮像範囲に入り、撮像部20の影になる。また、上記(1)式の条件のもと、150mm<Xのとき、光源10の照射エリア外も照明され、撮像部20が窓部2aによる光源10の反射光を検知してしまう。 【0043】 また、上記(1)式の条件のもと、上記(3)式について検討する。Y2<50mmのとき、撮像部20が、光源10の照射範囲に入り、撮像部20が光源10の影になる。また、150mm<Y2のとき、撮像部20に光源10が映り込み、誤検知のおそれがある。 【0044】 また、上記(1)式の条件のもと、上記(4)式について検討する。θ<−5°のとき、光源10が照射エリア外を照明することとなる。また、45°<θのときも、光源10が照射エリア外を照明することとなる。 【0045】 以上から、次の(5)式が、光源10から照射される光が窓部2aで反射せず、ハレーションが発生しないY1の条件となる。 Y1≦50mm・・・(5) 他方、Y1>50mmであると、光源10から照射される光が窓部2aで反射し、ハレーションが発生する。」 と記載されていることから、訂正事項1−3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 エ 上記ア〜ウより、訂正事項1−1〜1−3は、いずれも、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえるから、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (2)請求項2及び3に係る訂正について 訂正事項2は、請求項2を、訂正事項3は、請求項3をいずれも削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、これらの訂正事項は、請求項2及び3を削除する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものであることは明らかである。 (3)請求項4に係る訂正について 請求項4に係る訂正事項4についての訂正は、訂正前の請求項1に従属する請求項4を、独立形式するとともに、訂正前の請求項4に係る発明の「被照射体」が「前記被照射体は、食品、農作物、錠剤のいずれか1つであ」ったものを、「農作物または錠剤の被照射体」とする訂正及び請求項1に係る訂正事項1の訂正事項1−2及び1−3と同様の訂正を行うものである。 訂正前の請求項4に係る発明の「被照射体」が「前記被照射体は、食品、農作物、錠剤のいずれか1つであ」ったものを、「農作物または錠剤の被照射体」とする訂正は、訂正前の請求項4に係る発明の「被照射体」を減縮するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲を減縮を目的とするものであり、該訂正は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものであって、訂正前の請求項4及び段落【0022】には、「被照射体」が「農作物または錠剤」である旨記載されていることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。そして、上記訂正事項1−2及び1−3と同様の訂正は、上記(1)イ及びウで検討したとおり、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。 そうすると、請求項4に係る訂正事項4についての訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)段落【0006】の訂正について 訂正事項5は、段落【0006】の記載を、上記請求項1に係る訂正事項1の訂正に伴い訂正した明細書の訂正である。そうすると、上記訂正事項5についての訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−4〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1〜4に係る発明(以下「本件発明1〜4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 食品へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記食品を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記食品に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、 前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mm を満し、 前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、 −5゜≦θ≦45° を満たす、検知装置。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 農作物または錠剤の被照射体へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記被照射体を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記被照射体の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記被照射体を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記被照射体との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、 前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦l50mm を満し、 前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、 −5゜≦θ≦45° を満たす、検知装置。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1〜4に係る特許に対して、当審が令和4年3月23日に特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (1)請求項1〜4に係る発明は、引用文献1に記載された発明または引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。よって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 引用文献1:特表2001−521168号公報(甲1号証) 引用文献2:特開2009−103487号公報(甲2号証) 引用文献3:特開2001−033390号公報(甲3号証 周知技術を示す文献) 引用文献4:特開2004−317188号公報(甲4号証 周知技術を示す文献) (2)請求項1〜4に係る発明は、明細書又は特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たさないものであって、さらに、発明の詳細な説明の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 2 当審の判断 (1)サポート要件、明確性及び実施可能要件について 当審は、令和4年3月23日付け取消理由通知において、訂正前の請求項1〜4に係る発明に関し、本件発明は、「被照射体に含まれる対象物の検知精度を高める」という課題において、「光源10から被照射体80へ照射される光が窓部2aで反射して、撮像部20の撮像素子による撮像画像においてハレーションが発生する」ことを防止するという課題を解決するためのものであるが、訂正前の請求項1〜4に係る発明は、該課題を解決できない構成を含んでいるので、訂正前の請求項1〜4に係る発明は発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえないから特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨通知し、また、訂正前の請求項2に係る発明の「前記搬送方向における前記光源の前記光軸と前記撮像部の光軸との離間距離をXとしたとき、50mm≦X≦150mm」旨の特定は、「前記照射光の光軸が、鉛直方向に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置」されている場合であって、少なくとも「光源の光軸」と「撮像部の光軸」とが平行でない場合も含まれると考えられ、この「光源の光軸」と「撮像部の光軸」とが平行でない場合に、「X」は、例えば光源のレンズの主点と撮像部のレンズの主点の距離や、それぞれの光軸の最短距離等の距離が考えられるため、どこの距離をもって「離間距離」とするものなのかが不明であって、この点に関し、本件明細書の発明の詳細な説明には、どこの距離をもって「離間距離」とするものなのか、また、「傾斜角θ」以外の「搬送方向」の角度、「窓部」の角度及び「撮像部の光軸」の角度はどのように設定されるのかに関し何ら記載されていないから、訂正前の請求項2〜4に係る発明は、明確であるといえず、そして、本件明細書の発明の詳細な説明は、これらの発明について、当業者が実施可能な程度に明確かつ十分に記載されているとはいえない旨通知した。 これに対し、本件訂正により、訂正前の請求項1及び4の「光源」「撮像部」及び「窓部」の位置関係は、訂正前は「鉛直方向において、前記光源と前記窓部との離間距離をY1、前記撮像部と前記窓部との離間距離をY2としたときに、Y1<Y2を満たす」ものであったものを、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦l50mmを満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5゜≦θ≦45°を満たす」ものと訂正され、訂正前の請求項2及び3は削除されたことから、上記理由は解消した。 (2)進歩性について ア 引用文献の記載 (ア)引用文献1に記載された事項 引用文献1には、以下の事項が記載されている。(下線は当審にて付した。以下同様である。) (引1a)「 【0018】 監視装置20は、繊維のサンプル12を監視し、繊維のサンプル12が持つある特性を判定する。これらの特性は、繊維のサンプル12を分類するのに使用する。基本的な概念は、繊維のサンプル12のある特性は、繊維のサンプル12から反射する光34を調べることによって判定できるということである。繊維のサンプル12をサンプルウィンドウ14の前に載置する。繊維のサンプル12は様々な方法で監視装置20のサンプルウィンドウ14を通過させることができるということは明白である。監視装置20をダクトの底部に位置させ、繊維のサンプル12を打ち延ばし状態、スライバ状態、あるいは塊の状態の繊維でサンプルウィンドウ14を摺動して通過させることもできる。あるいは、繊維のサンプル12を空気の流れ10の中に連行された状態で監視装置20のサンプルウィンドウ14を通過させることもできる。また、繊維のサンプル12は、空気の流れ10から採取し、線21によって処理手段30に接続されているパドル22のような装置によってサンプルウィンドウ14の上に載置することもできる。寸法が約3.5インチ×3.5インチ(8.89cm×8.89cm)のサンプルウィンドウ14を使用するのが好ましいが、より大きいウィンドウ14でも可能である。サンプルウィンドウ14は、後に詳しく説明するような、ある光の波長に対して比較的透過性のある材料からなるのが好ましい。例えば、サンプルウィンドウ14は、ガラス、石英、サファイア、あるいは適した熱可塑性樹脂などから形成されていてもよく、好ましくは透明なパイレックスで形成されているのが好ましい。 【0019】 繊維のサンプル12を監視装置20に搬送する方法とは関係なく、繊維のサンプル12がサンプルウィンドウ14を通過するとき、電球18は閃光を発して光のパルス16を生成する。図1では、わかりやすいように電球18を一つだけ示している。しかし、好ましい実施形態では、電球18は、二つ使用しており、サンプルウィンドウ14の両側に電球18を、サンプルウィンドウ14に対して45°の角度で設置している。この配置により、繊維のサンプル12により均一に照射できる。 【0020】 下に説明するように、好ましい実施形態では、その性質と特徴、およびそこから発せられる光が望ましいことから、キセノンランプ18を使用している。好ましいキセノンランプは、ニューヨーク、ピークスキリーのショウカイ・ファー・イースト社製造の型番SFT−4044Tである。好ましい電球18は、最大出力が300ボルトで45ジュールである。このガス電球は、発火したときの抵抗が約0.1オームである。閃光は、約1マイクロ秒のパルス持続時間の約4キロボルトから約10キロボルトの電圧パルスで発せられる。ランプの電圧は、約150から約300ボルトまで調整することができ、好ましい電圧は約175ボルトである。」 (引1b)「 【0023】 キセノンランプ18によって生成される光のパルス16は、光導体26によって第1の感光性ダイオード28まで伝わる。好ましい第1の感光性ダイオード28は、カリフォルニア州カマリロのアドバンスド・フォトニクス社製造、型番SD290−12−22−241の青強調シリコンダイオードである。また、光のパルス16は、サンプルウィンドウ14を通過し、繊維のサンプル12で反射する。これにより、反射光のパルス34が生成される。光導体26の機能は、第1の感光性ダイオード28が受取った光の輝度を、繊維サンプル12が反射光のパルス16の角度に左右されないようにすることである。光導体26は、電球18からの光を直接第1の感光性ダイオード28に伝える。よって、第1の感光性ダイオード28が光導体26から直接受取った光のパルスの輝度はそこに反射して戻ってくる光のパルス34の輝度より大きい傾向にある。従って、第1の感光性ダイオード28の出力は、反射された光のパルス34の輝度による影響は受けない。第1の感光性ダイオード28をキセノンランプ18とともに光導体26に設置しないと、光のパルス34の輝度によって大きく影響されるであろう。例えば、繊維のサンプル12が非常に白く反射しやすい綿であり、第1の感光性ダイオード28が光導体26に設置されていないとする。白い繊維のサンプル12は、暗い色の繊維サンプル12より反射が強い傾向にある。反射する光34が強いので、第1の感光性ダイオード28が受取る光の輝度は、白い繊維のサンプル12の方が、繊維のサンプル12が暗く、反射が強くない場合に比べて大きくなる傾向にある。よって、光導体26は、反射光のパルス34を第1の感光性ダイオード28の出力に大きく影響しないように阻止する傾向にある。」 (引1c)「 【0033】 反射光のパルス34は、第2の感光性ダイオード32と第3の感光性ダイオード36が受取るだけでなく、電荷結合素子などのようなカメラ38も受取る。好ましいカメラ38は、マーシェル製造の型番V−1208である。電荷素子カメラ38は、感光画素の配列を使用して繊維のサンプル12の画像を生成する。画像は、希望の値より低い輝度の反射光のパルス34を受取る画素を暗い画素として指定し、希望のレベルより高い輝度の反射光のパルス34を受取る画素を明るいが祖として指定することによって生成される明るい画素と暗い画素の配列からなる。ある画素を明るい画素と認証する、電荷結合素子カメラ38が受取る光の輝度は、上下に調整できるのが好ましい。よって、例えば、ごみや葉などのような比較的反射性の低い繊維のサンプル12の部分が画像に暗い画素を生成し、白い綿の繊維のような比較的反射性の強い繊維のサンプル12の部分が明るい画素を生成する。」 (引1d)「 【0038】 カメラ38で生成された画像の中で検出された欠陥の色、あいまい性、形状および寸法を検査することによって、処理手段30は繊維サンプル12の中の不純物や欠陥のタイプを判断するのが好ましい。例えば、ネップが白く現れている、あるいはある波長においてより強い反射性を示している場合もあり、一方、樹皮片が暗い色または茶色に現れており、ある波長では反射性が低い場合もある。さらに、葉の一片が緑色に現れており、その色に伴う反射特性を有している場合もある。よって、カメラ38が受取る色情報、または言い換えればスペクトル情報を処理手段30が使って繊維のサンプル12の中の異なるタイプのゴミを分類することができる。」 (引1e)「【図1】 」 (イ)引用文献1に記載された発明 a 上記(引1e)より、引用文献1の「繊維のサンプル12」が「サンプルウィンドウ14」を一方向に通過している点、「サンプルウィンドウ14」が平板状であって「電球18」及び「カメラ38」と「繊維のサンプル12」との間に位置している点、「電球18」が単一の光源である点及び鉛直方向における、「電球18」と「サンプルウィンドウ14」との離間距離は、「カメラ38」と「サンプルウィンドウ14」との離間距離よりも小さい点が見て取れる。 b aを踏まえると、上記(引1a)〜(引1e)より、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 「繊維のサンプル12を監視し、繊維のサンプル12を分類するのに使用する繊維のサンプル12が持つある特性を判定する監視装置20において、 繊維のサンプル12は様々な方法で監視装置20のサンプルウィンドウ14を一方向に通過し、 単一の光源である電球18は閃光を発して光のパルス16を生成するキセノンランプ18を使用し、 電球18は、二つ使用され、サンプルウィンドウ14の両側に電球18を、サンプルウィンドウ14に対して45°の角度で設置することにより、繊維のサンプル12をより均一に照射し、 キセノンランプ18によって生成される光のパルス16は、 サンプルウィンドウ14を通過し、繊維のサンプル12で反射することにより、反射光のパルス34が生成され、 繊維のサンプル12が非常に白く反射しやすい綿であり 反射光のパルス34は、カメラ38が受取り、 カメラ38は、感光画素の配列を使用して繊維のサンプル12の画像を生成し、 サンプルウィンドウ14は、平板状であって、電球18及びカメラ38と繊維のサンプル12との間に位置し、 電球18とサンプルウィンドウ14との離間距離は、カメラ38とサンプルウィンドウ14との離間距離よりも小さく、 カメラ38で生成された画像の中で検出された欠陥の色、あいまい性、形状および寸法を検査することによって、処理手段30は繊維サンプル12の中の不純物や欠陥のタイプを判断する 監視装置20。」 (ウ)引用文献2に記載された事項 引用文献2には、以下の事項が記載されている。 (引2a)「【0038】 検査装置31は、包装用フィルム2及び錠剤4に対して光を照射するための一対の照射手段32a,32bと、当該光の照射された包装用フィルム2及び錠剤4を撮像するための撮像手段としてのCCDカメラ33と、当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて、錠剤4の有無を判別するための画像処理手段34(図2参照)とを備えている。」 (引2b)「【0041】 CCDカメラ33は、搬送される包装用フィルム2の鉛直上方に配設されており、包装用フィルム2をその幅方向に一次元撮像するものである。これにより、包装用フィルム2の幅方向に沿って並ぶ一列のポケット部3に充填された各錠剤4が撮像されることとなる。CCDカメラ33によって撮像された一次元イメージデータは輝度値に関する輝度データであり、画像処理手段34に対して順次伝送されるようになっている。」 (引2c)「【0046】 また、本実施形態において、前記検査装置31は、飛出し防止手段としての飛出し防止カバー35を備えている。当該飛出し防止カバー35は、ポケット部3の開口部を塞ぐようにして、包装用フィルム2の長手方向に沿って延びるとともに、包装用フィルム2の幅と略同じ幅を有する板状部材である。当該飛出し防止カバー35は、少なくともCCDカメラ33の撮像範囲に対応する部位から前記シール装置41までの間にわたって設けられている(本実施形態では、CCDカメラ33の撮像範囲に対応する部位の上流からシール装置41までの間にわたって設けられている)。 【0047】 加えて、飛出し防止カバー35は、光透過性を有する材料(例えば、ガラスや透明樹脂等)によって形成された透明体36と、所定の金属で形成された金属板37とから構成されている。金属板37は、前記透明体36を挟むようにして設けられており、当該金属板37のうち、少なくとも加熱ローラ43に最も近い部位は、加熱ローラ43の熱に対して十分な耐久性を有する材料によって構成されている。勿論、金属板37に代えて、樹脂板、セラミック板等を用いてもよい。 【0048】 透明体36は、前記CCDカメラ33の鉛直下方及びその近傍に位置するように設けられている。すなわち、当該透明体36は、CCDカメラ33による撮像範囲(換言すれば、検査装置31による検査が行われる範囲)に対応する部位に設けられている。これにより、上述した照射手段32a,32bによる包装用フィルム2等に対する光の照射や、CCDカメラ33による包装用フィルム2等の撮像は、透明体36を介して行われるようになっている。」 (引2d)「【0057】 (c)上記実施形態では、検査装置31において、錠剤4の有無の検査のみが行われているが、錠剤4の欠け等を判別する外観検査や異物混入の有無の検査等を併せて行うこととしてもよい。このとき、外観検査や異物混入検査は、例えば、次のように行うこととしてもよい(例えば、特開2001−33390号公報等参照)。すなわち、一般的に錠剤の欠け(剥離)部分の輝度値は、錠剤表面の輝度値と比較して大きなものとなるため、上記実施形態における所定の閾値より大きな数値である第1の閾値を用いて前記撮像データの二値化処理を行うことで、欠け部分を検出することができる。また、一般的に異物の輝度値は、錠剤表面の輝度値と比較して小さなものとなるため、上記実施形態における所定の閾値より小さな数値である第2の閾値を用いて、前記撮像データの二値化処理を行うことで、異物を検出することができる。尚、検査精度をより向上させるために、欠け部分の連結成分や異物の連結成分を特定する処理を行い、連結成分の面積が所定値以下である場合には、ノイズによる影響と判定し、良品判定とする処理を行うこととしてもよい。」 (引2e)「【図2】 」 (エ)引用文献2に記載された発明 a 上記(引2e)より、「CCDカメラ33」は「照射手段32a」に対して「錠剤4」の搬送方向における下流側に配置されている点、「透明体36」は平板状である点及び鉛直方向において「照射手段32a,32b」と「透明体36」との離間距離は、「CCDカメラ33」と「透明体36」との離間距離より短い点が見て取れる。 b aを踏まえると、上記(引2a)〜(引2e)より引用文献2には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「包装用フィルム2及び錠剤4に対して光を照射するための一対の照射手段32a,32bと、 当該光の照射された包装用フィルム2及び錠剤4を撮像するための撮像手段としてのCCDカメラ33と、 当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて、錠剤4の有無を判別するための画像処理手段34と を備えた検査装置31において、 CCDカメラ33は、 搬送される包装用フィルム2の鉛直上方に配設され、 照射手段32aに対して錠剤4の搬送方向における下流側に配置され、 包装用フィルム2をその幅方向に一次元撮像するものであって、包装用フィルム2の幅方向に沿って並ぶ一列のポケット部3に充填された各錠剤4を撮像し、 前記検査装置31は、飛出し防止手段としての飛出し防止カバー35を備え、 飛出し防止カバー35は、 光透過性を有する材料によって形成された平板状の透明体36と、 所定の金属で形成された金属板37とから構成され、 透明体36は、 前記CCDカメラ33の鉛直下方及びその近傍に位置するように設けられ、 照射手段32a,32bによる包装用フィルム2等に対する光の照射や、CCDカメラ33による包装用フィルム2等の撮像は、透明体36を介して行われ、 鉛直方向において照射手段32a,32bと透明体36との離間距離は、CCDカメラ33と透明体36との離間距離より短い、 錠剤4の欠け等を判別する外観検査や異物混入の有無の検査等を併せて行う検査装置31。」 (オ)引用文献3に記載された事項 引用文献3には、以下の事項が記載されている。 (引3a)「【0040】この実施の形態では、図2に示すように、PTPシートに包装される錠剤の外観検査装置をPTP包装機30に装備することによって、PTP包装機30内で錠剤の外観検査を実施している。」 (引3b)「【0044】次に、錠剤の外観検査装置について、図4のブロック図を中心に説明する。外観検査装置は、撮像装置であるCCDカメラ11a,11b、表示装置であるモニタ25、照明装置である照明12a,12b(図3参照)、画像処理装置10などから構成される。なお、CCDカメラ11a,11bと照明12a,12bは、図2及び図3ではPTP包装機30内に記載されているが、外観検査装置を構成するものの一つである。」 (引3c)「【図2】 」 (カ)引用文献4に記載された事項 引用文献4には、以下の事項が記載されている。 (引4a)「【0051】 この実施の形態では、図1に示すように、PTPシートの外観検査装置K1をPTP包装機P1に装備することによって、PTP包装機P1内でPTPシートの検査を実施している。 【0052】 まず、PTPシートの外観検査が実施されるPTP包装機P1について簡単に説明する。PTP包装機P1は、錠剤をPTPシートに自動的に包装するものである。具体的には、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの光透過性を有するフィルム3が、フィルム送りロール3aとテンションロール3b、3cとによって、加熱板4a及び成形板4bに送り込まれ、ポケット部2a(図2参照)がフィルム3に成形される。このようにフィルム3に、成形板4bに対応したポケット部2aが形成される場合に、ポケット部2a間に平らな非ポケット部2bが形成される。そのため、フィルム3の長手方向に沿った断面は非ポケット部2bとポケット部2aとが所定間隔で交互に形成される格好となる。そのフィルム3の非ポケット部2bには、例えば製品説明(例えば「AB50」)などの文字、数字、記号、模様などの識別情報2c(図6参照)が黒色インクで印刷されている。そして、ポケット部2aが成形されたフィルム3が、錠剤投入手段たる錠剤投入シャッター6の下にまで送られてくると、錠剤投入シャッター6により各ポケット部2aに錠剤5が自動的に充填される。 【0053】 さらに、各ポケット部2aに錠剤5が充填されたフィルム3上に、アルミ製の密封用フィルム7がテンションロール7a、7bを介して送り込まれ、シール手段たる一対のシールロール8、9で固着させられる。これによって、錠剤5が各ポケット部2aに充填されたフィルム状のPTPシート10が製造される(図4参照)。かかるフィルム状のPTPシート10はシート状に裁断された後に、図示しない不良シート排出機構やPTPシート集積機構などへ順に送られる。 【0054】 次に、ポケット部2aに錠剤5が充填されたPTPシート10の外観検査装置K1について、図3のブロック図を中心に説明する。外観検査装置K1は、照明手段11(図1、3参照)、撮像手段であるCCDカメラ12、画像データ処理手段としての画像処理装置13などから構成される。 【0055】 照明手段11は、設定された照明条件に基づき、設定した光量で照明する光量調整機能を有するLED(図示せず)を具備している。この場合、照明手段11の照明光量は、露光制御手段としてのCPU20の制御の下に、複数段階のいずれかに設定される。 【0056】 画像処理装置13は、図3に示すように、シェーディング補正手段14、画像メモリ16、シェーディング補正テーブル18、CPU20、判定用メモリ22、入出力インターフェース23、外観検査結果及び統計データメモリ24、カメラタイミング制御手段26などから構成される。 【0057】 CCDカメラ12は、図6に示すように、一定エリア内L1、L2及びL3の反射光を受光して二次元的に撮像するが、撮像した二次元イメージデータを、一画素毎にアナログ信号からデジタル信号に変換して出力するものである。画像メモリ16は、デジタル化された二次元イメージデータを順次記憶して、二次元イメージデータとして記憶するものである。ここで、CPU20によって二次元イメージデータが、画像メモリ16に記憶される前に、シェーディング補正テーブル18のデータに従って、シェーディング補正手段14がシェーディング補正している。このシェーディング補正は、PTPシート10の全体を照明手段11の照明光で一様に照らすことは技術的に限界があることから、かかる位置の相違による光の明暗により生じる映像データの明度のばらつきを補正するために行われるものである。」 (引4b)「【図1】 」 イ 対比・判断 (ア)本件発明1について a 引用発明1との対比 (a)引用発明1の「監視装置20」、「単一の光源である電球18」、「カメラ38」、「処理手段30」及び「サンプルウィンドウ14」が、それぞれ、本件発明1の「検知装置」、「単一の光源」、「撮像部」、「検知部」及び「窓部」に相当する。 (b)引用発明1の「繊維のサンプル12」と、本件発明1の「食品」とは、いずれも光源からの光を照射されるものであるから、「被照射体」である点で共通する。そうすると、引用発明1の「繊維のサンプル12をより均一に照射」する「単一の光源である電球18」と、本件発明1の「食品へ照射光を照射するための単一の光源」とは、「被照射体へ照射光を照射するための単一の光源」である点で共通する。 (c)引用発明1の「繊維のサンプル12」を「一方向に通過させる」ための手段と、本件発明1の「前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構」とは、「前記被照射体を、一方向に搬送する搬送機構」である点で共通する。 (d)引用発明1の「カメラ38」は、「キセノンランプ18によって生成される光のパルス16」が、「サンプルウィンドウ14を通過し、繊維のサンプル12で反射することにより」生成された「反射光のパルス34」を受け取るものであるから、引用発明1の「キセノンランプ18によって生成される光のパルス16」が、「サンプルウィンドウ14を通過し、繊維のサンプル12で反射することにより」生成された「反射光のパルス34」を受け取る「カメラ38」と、本件発明1の「前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記念品を撮像するための撮像部」とは、「前記光源から照射された照射光を用いて前記被照射体を撮像するための撮像部」である点で共通する。 e 引用発明1の「処理手段30」は、「カメラ38」で「生成」した「繊維のサンプル12の画像」「の中で検出された欠陥の色、あいまい性、形状および寸法を検査することによって」、「繊維サンプル12の中の不純物や欠陥のタイプを判断する」から、引用発明1の「カメラ38」で「生成」した「繊維のサンプル12の画像」「の中で検出された欠陥の色、あいまい性、形状および寸法を検査することによって」、「繊維サンプル12の中の不純物や欠陥のタイプを判断する」「処理手段30」は、本件発明1の「前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記食品に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部」に相当する。 f 引用発明1には、「電球18」、「カメラ38」及び「処理手段」を収容し「サンプルウィンドウ14」が設けた筐体が有ることは明らかであるから、該筐体は、本件発明1の「前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体」に相当する。そして、引用発明1の筐体に設けられた「サンプルウィンドウ14は、平板状であって、電球18及びカメラ38と繊維のサンプル12との間に位置し」、「キセノンランプ18によって生成される光のパルス16」通過させているから、本件発明1の「前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部」とは、「前記筐体に設けられ、前記光源および前記撮像部と前記被照射体との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部」である点で共通する。 g 引用発明1の「電球18とサンプルウィンドウ14との離間距離」及び「カメラ38とサンプルウィンドウ14との離間距離」は、それぞれ、本件発明1の「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1」及び「前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2」に相当する。そして、引用発明1の「電球18とサンプルウィンドウ14との離間距離は、カメラ38とサンプルウィンドウ14との離間距離よりも小さ」い点と、本件発明1の「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mmを満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5゜≦θ≦45°を満たす」点とは、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2としたときに、Y1<Y2を満たす」点で共通する。 h 以上そうすると、本件発明1と引用発明1との間には、次の一致点及び相違点がある。 (一致点)「被照射体へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記被照射体を一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源から照射された照射光を用いて前記被照射体を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体に設けられ、前記光源および前記撮像部と前記被照射体との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 鉛前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2としたときに、 Y1<Y2 を満たす、検知装置。」 (相違点1)被照射体が、本件発明1は、「食品」であるのに対し、引用発明1は、「繊維のサンプル12」である点。 (相違点2)搬送手段が、本件発明1は、「前記被照射体を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する」ものであるのに対し、引用文献1には、「繊維のサンプル12を空気の流れ10の中に連行された状態で監視装置20のサンプルウィンドウ14を通過させることもできる」旨例示されているものの、「前記被照射体を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する」旨の特定はない点。 (相違点3)撮像部が、本件発明1は、「前記光源に対して前記被照射体の搬送方向における下流側に配置され」、「直下の前記被照射体を撮像する」ものであるのに対し、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点4)窓部が、本件発明1は、「前記筐体の端面に沿って設けら」ているのに対し、引用発明1は、そのような特定がない点。 (相違点5)前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離であるY1と、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離であるY2と、前記第2の点と前記第4の点との離間距離であるXと、前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置された前記光源の光軸と前記第1の垂線とのなす角度である傾斜角θが、本件発明1は、「Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mm −5゜≦θ≦45°」であるのに対し、引用発明1は、電球18とサンプルウィンドウ14との離間距離は、カメラ38とサンプルウィンドウ14との離間距離よりも小さいものであるが、その他の特定はない点。 b 引用発明2との対比 (a)引用発明2の「光」及び「照射手段32a,32b」は、それぞれ、本件発明1の「被照射体」、「照射光」及び「光源」に相当する。そして、引用発明2の「錠剤4」と本件発明1の「食品」とは、「被照射体」である点で共通する。また、引用発明2の「錠剤4に対して光を照射するための一対の照射手段32a,32b」と、本件発明1の「食品へ照射光を照射するための単一の光源」とは、「被照射体へ照射光を照射するための光源」である点で共通する。 b 引用発明2の「包装用フィルム2」は、「錠剤4」を載置し搬送しているといえるから、本件発明1の「前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構」とは、「前記被照射体を載置し、一方向に搬送する搬送機構」である点で共通する。 c 引用発明2の「CCDカメラ33」は、本件発明1の「撮像部」に相当する。引用発明2の「CCDカメラ33」は「照射手段32aに対して錠剤4の搬送方向における下流側に配置され」ている。そして、引用発明2の「CCDカメラ33」は、「一対の照射手段32a,32b」による「当該光の照射された包装用フィルム2及び錠剤4を撮像するための撮像手段」であって、「搬送される包装用フィルム2の鉛直上方に配設され、包装用フィルム2をその幅方向に一次元撮像する」ことにより「前記CCDカメラ33の鉛直下方及びその近傍に位置するように設けられ」た「透明体36を介して」「包装用フィルム2等の撮像」を行うことにより「各錠剤4を撮像」するものであるから、引用発明2の、「CCDカメラ33」は、「一対の照射手段32a,32b」から照射された「当該光」を用いて「鉛直下方」に配設された「錠剤4を撮像するための撮像手段」であるといえる。 そうすると、引用発明2の「照射手段32aに対して錠剤4の搬送方向における下流側に配置され」、「一対の照射手段32a,32b」から照射された「当該光」を用いて鉛直下方に配設された「錠剤4を撮像するための」「CCDカメラ33」と、本件発明1の「前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記食品を撮像するための撮像部」とは、「前記光源に対して前記被照射体の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記被照射体を撮像するための撮像部」である点で共通する。 d 引用発明2の「画像処理手段34」は、「当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて、錠剤4の有無を判別する」とともに「錠剤表面の輝度値と比較することにより」「異物混入の有無の検査等を併せて行う」ものであるから、引用発明2の「当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて」「錠剤表面の輝度値と比較することにより」「異物混入の有無の検査」を行う「画像処理手段34」と、本件発明1の「前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部」とは、「前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する情報により前記異物を検知するための検知部」である点で共通する。 e 引用発明2の「検査装置31」は、「照射手段32a,32b」、「CCDカメラ33」及び「画像処理手段34」を内部に収容し、「光透過性を有する材料によって形成された透明体36と、所定の金属で形成された金属板37とから構成され」た「飛出し防止カバー35」を有する筐体を有していることは明らかであって、該筐体は、本件発明1の「前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体」に相当する。 そして、引用発明2の「照射手段32a,32bによる包装用フィルム2等に対する光の照射や、CCDカメラ33による包装用フィルム2等の撮像は、透明体36を介して行われ」るから、引用発明2の「透明体36」は、「照射手段32a,32b」及び「CCDカメラ33」と「包装用フィルム2」にある「錠剤4」との間に位置する照射された光を透過させるための透光性を有するものであるといえる。 そうすると、引用発明2の「照射手段32a,32b」及び「CCDカメラ33」と「包装用フィルム2」にある「錠剤4」との間に位置する照射された光を透過させるための透光性を有する前記筐体にある「飛出し防止カバー35」を構成する「平板状の透明体36」と、本件発明1の「前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部」とは、「前記筐体に設けられ、前記光源および前記撮像部と前記被照射体との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部」である点で共通する。 f 引用発明2の「照射手段32a,32bと透明体36との離間距離」及び「CCDカメラ33と透明体36との離間距離」は、それぞれ本件発明1の「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1」及び「前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2」に相当するから、引用発明2の「照射手段32a,32bと透明体36との離間距離は、CCDカメラ33と透明体36との離間距離より短い」点と、本件発明1の「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mmを満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5゜≦θ≦45°を満たす」点とは、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2としたときに、 Y1<Y2を満たす」点で共通する。 g 以上a〜fより、本件発明1と引用発明2との間には、以下の一致点及び相違点がある。 (一致点)「被照射体へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記被照射体を載置し、一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記被照射体の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記被照射体を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する情報により前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体に設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2としたときに、 Y1<Y2 を満たす、検知装置。」 (相違点6)被照射体が、本件発明1は、「食品」であるのに対し、引用発明2は、「錠剤4」である点。 (相違点7)光源が、本件発明1は「単一の光源」であるのに対し、引用発明2は、「照射手段32a,32b」であって単一ではない点。 (相違点8)搬送機構が、本件発明1は、「前記被照射体を載置する搬送ベルト」であるのに対し、引用発明2は、「包装用フィルム2」である点。 (相違点9)検知部による異物の検知が、本件発明1は、「前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより」検知するのに対し、引用発明2は、「当該CCDカメラ33によって撮像された撮像データに基づいて」、「錠剤表面の輝度値と比較することにより」検知している点。 (相違点10)窓部が、本件発明1は、「前記筐体の端面に沿って設けられ」ているのに対し、引用発明2は、そのような特定がない点。 (相違点11)前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離であるY1と、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離であるY2と、前記第2の点と前記第4の点との離間距離であるXと、前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置された前記光源の光軸と前記第1の垂線とのなす角度である傾斜角θが、本件発明1は、「Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mm −5゜≦θ≦45°」であるのに対し、引用発明2は、鉛直方向において照射手段32a,32bと透明体36との離間距離は、CCDカメラ33と透明体36との離間距離より短いが、その他の特定はない点。 c 判断 事案に鑑み、相違点5及び11について検討する。 本件発明1と引用発明1との相違点である相違点5と、本件発明1と引用発明2との相違点である相違点11とは、引用発明1及び2のいずれの発明にも、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離であるY1」、「前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離であるY2」、「前記第2の点と前記第4の点との離間距離であるX」及び「前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置された前記光源の光軸と前記第1の垂線とのなす角度である傾斜角θ」に関し「Y1≦50mm」、「50mm≦Y2≦150mm」、「50mm≦X≦150mm」及び「−5゜≦θ≦45°」とする旨の技術事項がないというものであって、該技術事項は引用文献3及び4にも記載されていないし、当該技術分野において周知であるともいえない。そうすると相違点5及び11に係る本件発明1における前記技術事項は、引用発明1及び2や引用文献3及び4に記載された事項に基づいて、当業者が、容易に想到できたものであるとはいえない。 そうすると、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用文献1及び2に記載された発明や、引用文献3及び4に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。 (イ)本件発明4について 本件発明4は、本件発明1と同様の構成において、被照射体を、「食品」から「農作物または錠剤」に変更したものである。そして、引用発明1の被照射体である「繊維のサンプル12」は「非常に白く反射しやすい綿」であって、綿は農作物であり、また、引用発明2の被照射体は「錠剤4」であるから、本件発明1と、引用発明1との間の相違点1、及び、本件発明1と引用発明2との間の相違点6は、いずれも本件発明4との間では相違点とはならず、本件発明4と引用発明1との相違点は、上記相違点2〜5であり、また、本件発明4と引用発明2との相違点は、相違点7〜11となる。 そうすると、上記(ア)a及びbで検討した相違点5及び11は、本件発明4においても相違点であるから、上記(ア)cと同様の理由により、本件発明4は、引用文献1及び2に記載された発明や、引用文献3及び4に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。 3 申立人の意見について 令和4年6月21日に提出した意見書において、申立人は、本件訂正により、本件発明1及び4は、「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離であるY1」、「前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離であるY2」、「前記第2の点と前記第4の点との離間距離であるX」及び「前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置された前記光源の光軸と前記第1の垂線とのなす角度である傾斜角θ」に関して、「Y1<Y2」、「Y1≦50mm」、「50mm≦Y2≦150mm」、「50mm≦X≦150mm」及び「−5゜≦θ≦45°」とする旨特定しているが、これら特定が加わったとしても、本件発明1及び4には、依然として、本件発明の課題である「光源10から被照射体80へ照射される光が窓部2aで反射して、撮像部20の撮像素子による撮像画像においてハレーションが発生する」ことを防止し、「被照射体に含まれる対象物の検知精度を高める」という課題を解決できない構成を含んでいるといえるから、サポート要件違反に関する取消理由は依然として解消されていない旨主張する。 確かに、「Y1<Y2」、「Y1≦50mm」、「50mm≦Y2≦150mm」、「50mm≦X≦150mm」及び「−5゜≦θ≦45°」とする旨の特定では、「光源10から被照射体80へ照射される光が窓部2aで反射して、撮像部20の撮像素子による撮像画像においてハレーションが発生する」構成を一部含んでいるものの、該特定によって、「光源10から被照射体80へ照射される光が窓部2aで反射して、撮像部20の撮像素子による撮像画像においてハレーションが発生」することを防止できる構成を有していることも十分理解できるものであって、「被照射体に含まれる対象物の検知精度を高める」という課題を解決するための上記特定を含む本件発明1及び4が、「光源10から被照射体80へ照射される光」の「窓部2a」での反射によって、「撮像部20の撮像素子」における「撮像画像」の「ハレーション」が発生しない構成であって、該特定によって実現できるものであることが十分に理解できるから、本件発明1及び4が、発明の詳細な説明に記載したものでないとまではいえない。 また、同意見書において申立人は、本件発明1及び4には、「前記光源の前記入射面側の端面」及び「前記撮像部の前記入射面側の端面」と、「光源」及び「撮像部」の「端面」を規定しているが、「光源」及び「撮像部」には、レンズやフィルター、拡散版、ケーシング、リフレクターなど多くの光学部材が付属しているものであって、これらの「端面」がどこになるのか不明確である旨主張しているが、「光源」及び「撮像部」として認識できるデバイスの端面は、通常理解できるものであって、この通常理解されるこれら端面によって、本件発明1及び4の発明特定事項は十分に理解できるものであるから、本件発明1及び4の「前記光源の前記入射面側の端面」及び「前記撮像部の前記入射面側の端面」が不明確であるとまではいえない。 さらに、同意見書において申立人は、本件訂正により「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに」と「Y1」、「Y2」及び「X」を、「第1の点」「第2の点」「第3の点」及び「第4の点」で定義しているが、これらの点は、出願当初の特許請求の範囲、明細書及び図面には記載されていないから新規事項である旨主張しているが、訂正前の「Y1」は、「鉛直方向において、前記光源と前記窓部との離間距離」であって、「鉛直方向において、前記光源と前記窓部との離間距離」は、通常「前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離」であるから、訂正後において「Y1」を定義するための「第1の点」「第2の点」は新規事項であるとはいえないし、同様に「第3の点」及び「第4の点」も新規事項であるとはいえない。 以上のとおりであるから、上記意見書における申立人の主張は採用されない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1及び4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1及び4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項2及び3に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項2及び3に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】検知装置 【技術分野】 【0001】 本発明の実施形態は、検知装置に関する。 【背景技術】 【0002】 光源からの光が照射された被照射体としての物品を撮像することで物品に含まれる異物などの対象物の有無を検知する検知装置が知られている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】国際公開第2007/096953号 【特許文献2】特開2016−45194号公報 【特許文献3】特許4353766号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、検知装置においては、被照射体に含まれる対象物の検知精度を高めることが求められる。 【0005】 本発明が解決しようとする課題は、被照射体に含まれる対象物の検知精度を高めることができる検知装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 実施形態に係る検知装置は、食品へ照射光を照射するための単一の光源と、前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と、前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記食品を撮像するための撮像部と、前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記食品に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と、前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と、前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と、を具備する。前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、Y1<Y2、Y1≦50mm、50mm≦Y2≦150mm、50mm≦X≦150mm、を満し、前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、−5°≦θ≦45°を満たす。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、被照射体に含まれる対象物の検知精度を高めることができる。 【図面の簡単な説明】 【0008】 【図1】第1の実施形態に係る検知装置の構成を示す図である。 【図2】第1の実施形態に係る検知装置における各部の冷却の態様の一例を示す図である。 【図3】従来技術に係る検知装置における各部の冷却の態様の一例を示す図である。 【図4】第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の一例を示す図である。 【図5】従来技術に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の一例を示す図である。 【図6】第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の詳細の一例を説明するための図である。 【図7】第2の実施形態に係る検知装置の光源の傾き角度の一例を説明するための図である。 【図8】第2の実施形態に係る光源の分光分布の一例を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0009】 以下に説明する実施形態に係る検知装置は、光源と、撮像部と、検知部と、筐体と、冷却部とを具備する。光源は、被照射体へ照射光を照射する。撮像部は、光源から照射された照射光を用いて被照射体を撮像する。検知部は、撮像部により撮像された被照射体の撮像画像から、対象物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより対象物を検知する。筐体は、光源と撮像部と検知部とを内部に収容する。冷却部は、光源と撮像部と検知部とを冷却する。 【0010】 また、以下に説明する実施形態に係る検知装置は、筐体に設けられ、光源および撮像部と被照射体との間に位置する、照射光を透過させるための透光性を有する窓部をさらに具備する。 【0011】 また、以下に説明する実施形態に係る検知装置は、光源と光源から照射された光が反射する窓部の表面との鉛直方向の距離は、50mm以下である。 【0012】 [第1の実施形態] (第1の実施形態に係る検知装置の構成) 図1は、第1の実施形態に係る検知装置の構成を示す図である。検知装置1は、光源10、撮像部20、検知部30、電源部40、冷却部50を有する。検知装置1は、検知装置1の鉛直下方に配置された搬送機構70上を移動する、光源10からの光が照射された被照射体80を鉛直上方側から撮像することで、被照射体80に含まれる若しくは被照射体80に付着した対象物90の有無を検知する検知装置である。 【0013】 光源10は、電源部40から供給された電力により、光源10の下方に配置された搬送機構70上を移動する被照射体80および対象物90へ、例えば350〜780nmの波長域の光を照射するLED(Light Emitting Diode)を含む可視光照射ユニットである。 【0014】 撮像部20は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するカメラである。撮像部20は、光源10により照射された被照射体80を撮像する。撮像部20の撮像素子の画素数は、例えば500万画素である。ただし、被照射体80および対象物90の大きさや要求される検知精度に応じて、撮像部20の撮像素子の画素数は適宜変更してもよい。 【0015】 そして、撮像部20は、撮像した被照射体80の画像を検知部30へ出力する。なお、撮像部20は、光源10により照射された被照射体80を撮像することができる位置であればどのように配置されてもよい。例えば、図1に示す例において、撮像部20は、光源10の上方や側方に配置されてもよい。 【0016】 検知部30は、撮像部20からの入力画像を画像処理した結果から、被照射体80に含まれる、または被照射体80に付着した対象物90の有無を検知する画像認識処理装置である。例えば、検知部30は、撮像部20からの入力画像から、対象物90に対応する色を抽出し、抽出した色を有す画像領域を抽出することにより対象物90の有無を検知する。 【0017】 電源部40は、光源10、撮像部20および検知部30に対して駆動電力を供給する。 【0018】 また、検知装置1は、光源10、撮像部20、検知部30、電源部40を収容する筐体2を有する。筐体2は、外光を遮断する素材で形成されている。筐体2は、例えば、外部から内部へ水などの洗浄液が進入することを防止するための密閉構造とすることができる。また、筐体2には、光源10、撮像部20、検知部30、電源部40を収容する空間を区画する区画板2bを有してもよい。図1に示す例では、筐体2内の空間は、区画板2bにより、光源10および撮像部20を収容する第1の空間2b−1と、検知部30および電源部40を収容する第2の空間2b−2との2つの収容空間へ区画されている。 【0019】 なお、筐体2は、区画板2bを有さず、光源10、撮像部20、検知部30および電源部40を1つの収容空間に収容するように構成してもよい。 【0020】 さらに、筐体2には、光源10および撮像部20が、搬送機構70側へ落下することを防止するため、光源10および撮像部20の搬送機構70側に、可視光透過性を有する窓部2aを備える。窓部2aは、例えば樹脂製のパネルである。 【0021】 また、検知装置1は、筐体2の外部に冷却部50を有する。冷却部50は、防水性を有する屋外盤用クーラーなどのための冷却機構である。例えば、図1に示すように、冷却部50は、筐体2の外側の1つの面、例えば側面に取り付けられ、筐体2内部の排熱、除湿および冷却を伴う筐体2内部の換気を行う。 【0022】 被照射体80は、例えば、食品、錠剤、農作物等である。被照射体80は、容器に収容されている若しくは包装資材により包装されていてもよい。また、対象物90は、例えば、被照射体80の製造工程において被照射体80に混入または付着する可能性がある異物である。 【0023】 対象物90を含む被照射体80は、例えば、水平方向に移動可能に構成されたコンベアなどの搬送機構70に載置される。搬送機構70は、例えば、複数の被照射体80を並置させることにより、複数の被照射体80を連続的に光源10および撮像部20の下方に移動させることが可能となるように構成してもよい。 【0024】 なお、検知装置1は、図1において図示を省略しているが、検知装置1の動作状況等の各種情報を出力するための出力部、検知装置1の動作指示等の各種指示を入力するための入力部、対象物90に対応する色の範囲に関する情報や、検知装置1の各部の動作を制御するプログラムやパラメータを記憶する記憶部を有する。記憶部は、RAM(Random Access Memory)等の内部記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Disk)等の外部記憶装置を含む。 【0025】 (検知装置における各部の冷却の態様) 図2は、第1の実施形態に係る検知装置における各部の冷却の態様の一例を示す図である。図3は、従来技術に係る検知装置における各部の冷却の態様の一例を示す図である。図2および図3を参照して、第1の実施形態およびに従来技術に係る検知装置の各部の冷却の態様を比較説明する。 【0026】 図2に示すように、第1の実施形態において、検知装置1の筐体2の側面に設けられた冷却部50により外部から取り込まれて冷却された空気が、筐体2内部を循環する。また、冷却部50により、筐体2内部の空気が、筐体2の内部から外部へと排出される。 【0027】 一方、図3に示すように、従来技術において、検知装置1Zの筐体2Zの一方の側面に設けられた給気口2cを通して、外気が筐体2Z内部へ取り込まれる。また、検知装置1Zの筐体2Zの他方の側面に設けられた排気口2dを通して、筐体2Z内部の空気が筐体2Z外部へ排出される。給気口2cおよび排気口2dは、空気の流れを促すプロペラファンを有する。 【0028】 ここで、図3に示すような従来技術においては、検知装置1Zの筐体2Z内部の空気の温度は、光源10、撮像部20、検知部30、電源部40の駆動による上昇の影響のみならず、外気の温度変動にも依存することになるため、光源10の照度が変動して所定範囲に収まらず、安定しない。このため、光源10により照射された被照射体80を撮像部20により撮像した撮像画像も明度および色度が安定せず、その結果、検知部30による対象物90の検出精度が低下する。 【0029】 すなわち、第1の実施形態に係る検知装置1と、従来技術に係る検知装置1Zとを比較すると、検知装置1Zは、給気口2cおよび排気口2dを有することから、筐体2Zを密閉構造とできず、検知装置1Zの外表面を洗浄する際に水が筐体2Z内部へ侵入し、収容機器類の故障が発生する場合がある。また、検知装置1Zは、検知装置1Zの外気の高湿により、光源10が有するLED内のAgがイオン化してマイグレーションし、短絡する場合がある。また、検知装置1Zは、検知装置1Zの外気温度の変動に伴い、外気の温度変動に依存して光源10の照度が安定せず、対象物90の検出精度が低下する。 【0030】 一方、第1の実施形態に係る検知装置1は、光源10と、撮像部20と、検知部30と、筐体2と、冷却部50とを具備する。光源10は、対象物90を含む被照射体80へ照射光を照射する。撮像部20は、光源10から照射された照射光を用いて被照射体80を撮像する。検知部30は、撮像部20により撮像された被照射体80の撮像画像から、対象物90に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより対象物90を検知する。筐体2は、光源10と撮像部20と検知部30とを内部に収容する。冷却部50は、光源10と撮像部20と検知部30とを冷却する。第1の実施形態に係る検知装置1は、給気口2cおよび排気口2dを設けず、冷却部50により筐体2内部の温度および湿度の管理を行うことから筐体2を密閉構造とでき、検知装置1の外表面を洗浄する際に水が筐体2内部へ侵入することを防止できる。また、検知装置1は、冷却部50により筐体2内部の温度および湿度の管理を行うため、検知装置1の外気の温度や湿度に起因する光源10の故障を回避するとともに、外気の温度変動に関わらず光源10の照度を安定化でき、対象物90の検出精度の低下を抑制し、安定化を図ることができる。 【0031】 なお、上記した第1の実施形態では、検知部30による対象物90の検知は可視光の色抽出に基づくものとしたが、これに限定されず、例えば、紫外光や赤外光の検知に基づいて対象物90を検知するように構成してもよい。 【0032】 また、例えば、上記した第1の実施形態では、筐体2内部に、光源10、撮像部20、検知部30、電源部40が収容されるとしたが、これに限定されず、筐体2内部には少なくとも光源10および撮像部20が収容され、検知部30、電源部40およびその他の機器は、筐体2の外部に配置され、ケーブルを介して、光源10および撮像部20と接続されるように構成してもよい。 【0033】 [第2の実施形態] (検知装置の光源と撮像部との位置関係) 光源10から被照射体80へ照射される光が窓部2aで反射して、撮像部20の撮像素子による撮像画像においてハレーションが発生する場合がある。ハレーションにより、被照射体80を撮像部20により撮像した撮像画像の明度および色度が変化し、その結果、検知部30による対象物90の誤検知が発生する等の検出精度が低下する場合がある。第2の実施形態に係る検知装置1Aは、このハレーションを発生させず、検知部30による対象物90の検出精度の低下を抑制する検知装置である。 【0034】 以下の第2の実施形態の説明では、第1の実施形態と同一の構成および処理については、図示および説明を省略する。図4は、第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の一例を示す図である。図5は、従来技術に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の一例を示す図である。 【0035】 図4に示すように、第2の実施形態に係る検知装置1Aが有する光源10は、光源10と窓部2aとの鉛直方向の距離がY1となるように、窓部2aに対して鉛直方向により接近して配置される。Y1は、例えば50mm以下である。このため、図4に示すように、光源10が照射した光が窓部2aの表面で正反射した反射光が撮像部20に至らず、撮像部20により撮像された撮像画像にハレーションは発生しない。 【0036】 これに対し、図5に示すように、従来技術に係る検知装置1Zが有する光源10は、光源10と窓部2aとの鉛直方向の距離がYである。このため、図5に示すように、光源10が照射した光が窓部2aの表面で正反射した反射光が撮像部20に至り、撮像部20により撮像された撮像画像にハレーションが発生する。なお、Yは、前述のY1との間に、Y1<Yの大小関係を有する。 【0037】 (第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の詳細) 次に、第2の実施形態において、検知装置1Aが有する光源10と窓部2aとの鉛直方向の距離Y1を50mm以下である根拠について説明する。図6は、第2の実施形態に係る検知装置の光源と撮像部との位置関係の詳細の一例を説明するための図である。図7は、第2の実施形態に係る検知装置の光源の傾き角度の一例を説明するための図である。 【0038】 なお、図6に示すXは、検知装置1Aが有する光源10と撮像部20との水平方向の距離を示す。また、図6に示すY1は、検知装置1Aが有する光源10と窓部2aとの鉛直方向の距離を示す。また、図6に示すY2は、検知装置1Aが有する撮像部20と窓部2aとの鉛直方向の距離を示す。また、図7に示すθは、検知装置1Aが有する光源10の鉛直方向下向きに対する反時計回りの傾き角度を示す。 【0039】 ここで、Y1およびY2は、次の条件1および条件2の各条件を満たす。条件1は、条件2よりも優先される条件である。 【0040】 条件1:Y1<Y2・・・(1) Y1≧Y2であると、光源10から照射される光が窓部2aで反射してハレーションが発生する場合を示すことから、ハレーションが発生しない条件として、上記(1)式とする。 【0041】 条件2:50mm≦X≦150mm・・・(2) 50mm≦Y2≦150mm・・・(3) −5°≦θ≦45°・・・(4) ただし、検知装置1Aが有する撮像部20の鉛直方向下向きに対する反時計回りの傾き角度は、0°で固定とする。 【0042】 ここで、上記(1)式の条件のもと、上記(2)式について検討する。X<50mmのとき、光源10が、撮像部20の撮像範囲に入り、撮像部20の影になる。また、上記(1)式の条件のもと、150mm<Xのとき、光源10の照射エリア外も照明され、撮像部20が窓部2aによる光源10の反射光を検知してしまう。 【0043】 また、上記(1)式の条件のもと、上記(3)式について検討する。Y2<50mmのとき、撮像部20が、光源10の照射範囲に入り、撮像部20が光源10の影になる。また、150mm<Y2のとき、撮像部20に光源10が映り込み、誤検知のおそれがある。 【0044】 また、上記(1)式の条件のもと、上記(4)式について検討する。θ<−5°のとき、光源10が照射エリア外を照明することとなる。また、45°<θのときも、光源10が照射エリア外を照明することとなる。 【0045】 以上から、次の(5)式が、光源10から照射される光が窓部2aで反射せず、ハレーションが発生しないY1の条件となる。 Y1≦50mm・・・(5) 他方、Y1>50mmであると、光源10から照射される光が窓部2aで反射し、ハレーションが発生する。 【0046】 (光源および窓部における反射光の分光分布) 図8を用いて、第2の実施形態に係る検知装置1Aの光源10から照射された光および光源10から照射された光が窓部2aにおいて反射した反射光の分光分布について説明する。図8は、第2の実施形態に係る光源の分光分布の一例を示す図である。 【0047】 図8に示すように、光源10は、例えば波長450nm付近に第1のピーク波長を有し、波長540nm付近に第2のピークを有する、約430nm〜800nmの波長域の光を照射する。すなわち、撮像部20は、被照射体80の表面で反射した反射光を受光することとなる。 【0048】 ところが、従来技術に係る検知装置1Zは、同じ分光分布を有する光源10を用いた場合、光源10の光が、窓部2aの表面で反射した反射光と混合されることにより、可視光の概ね全波長領域で反射光の影響を受けて、撮像部20により被照射体80を撮像する際にハレーションが発生することになる。ハレーションが発生した被照射体80の撮像画像を異物検知に用いると、対象物90の誤検知につながる。 【0049】 一方、第2の実施形態に係る検知装置1Aは、光源10と、撮像部20と、検知部30と、筐体2と、窓部2aとを具備する。窓部2aは、筐体2に設けられ、光源10および撮像部20と被照射体80との間に位置し、照射光を透過させるための透光性を有する。第2の実施形態に係る検知装置1Aでは、光源10と窓部2aとの距離を50mm以下とするため、撮像部20が被照射体80を撮像した撮像画像にハレーションが発生せず、対象物90を誤検知せず、安定した異物検知ができる。よって、第2の実施形態に係る検知装置1Aによれば、対象物90の検知精度を高めることができる。 【0050】 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。 【符号の説明】 【0051】 1,1A,1Z 検知装置 2,2Z 筐体 2a 窓部 2b 区画板 2b−1 第1の空間 2b−2 第2の空間 2c 給気口 2d 排気口 10 光源 20 撮像部 30 検知部 40 電源部 50 冷却部 70 搬送機構 80 被照射体 90 対象物 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 食品へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記食品を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記食品の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記食品を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記食品の撮像画像から、前記食品に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記食品との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、 前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mm を満し、 前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、 −5°≦θ≦45° を満たす、検知装置。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 農作物または錠剤の被照射体へ照射光を照射するための単一の光源と; 前記被照射体を載置する搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを一方向に搬送する搬送機構と; 前記光源に対して前記被照射体の搬送方向における下流側に配置され、前記光源から照射された照射光を用いて直下の前記被照射体を撮像するための撮像部と; 前記撮像部により撮像された前記被照射体の撮像画像から、前記被照射体に混入または付着する異物に対応する色を抽出し、抽出した色を有する画像領域を抽出することにより前記異物を検知するための検知部と; 前記光源と前記撮像部と前記検知部とを内部に収容するための筐体と; 前記筐体の端面に沿って設けられ、前記光源および前記撮像部と前記搬送ベルト上の前記被照射体との間に位置する、前記照射光を透過させるための透光性を有する平板状の窓部と; を具備し、 前記光源からの照射光が入射する前記窓部の入射面に対して、前記光源の前記入射面側の端面と前記光源の光軸とが交差する第1の点から第1の垂線を引いた場合に、前記第1の垂線と前記入射面とが交差する第2の点と、前記第1の点との離間距離をY1とし、 前記入射面に対して、前記撮像部の前記入射面側の端面と前記撮像部の光軸とが交差する第3の点から第2の垂線を引いた場合に、前記第2の垂線と前記入射面とが交差する第4の点と、前記第3の点との離間距離をY2とし、 前記第2の点と前記第4の点との離間距離をXとしたときに、 Y1<Y2 Y1≦50mm 50mm≦Y2≦150mm 50mm≦X≦150mm を満し、 前記光源の光軸は、前記第1の垂線に対して傾斜角θをなすように前記搬送方向の下流側に向かって傾斜して配置され、 −5°≦θ≦45° を満たす、検知装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-10-03 |
出願番号 | P2020-083482 |
審決分類 |
P
1
651・
536-
YAA
(G01N)
P 1 651・ 121- YAA (G01N) P 1 651・ 537- YAA (G01N) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
石井 哲 |
特許庁審判官 |
福島 浩司 伊藤 幸仙 |
登録日 | 2021-05-10 |
登録番号 | 6881653 |
権利者 | 東芝ライテック株式会社 |
発明の名称 | 検知装置 |
代理人 | 弁理士法人酒井国際特許事務所 |
代理人 | 弁理士法人酒井国際特許事務所 |