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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04Q
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04Q
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 H04Q
管理番号 1393455
総通号数 14 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-01-04 
確定日 2023-02-06 
事件の表示 特願2019− 65980「SPDデバイス及びホームオートメーションのための制御システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月29日出願公開、特開2019−146214、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)2月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年2月27日、米国、2016年2月26日、米国)を国際出願日とする特願2017−545248号の一部を、平成31年3月29日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 1月27日付け:拒絶理由通知書
令和2年 8月 3日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年 8月26日付け:拒絶査定
令和3年 1月 4日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和3年 2月22日 :手続補正書(方式)の提出
令和3年11月30日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 8月24日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和4年11月29日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和2年8月26日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。

理由1(進歩性
この出願の請求項1〜10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献A〜Fに記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

A.特開2005−297716号公報
B.国際公開第2013/189796号
C.特表2013−509620号公報
D.特開2009−241807号公報
E.特開2005−170063号公報
F.特開2012−128734号公報

第3 当審拒絶理由の概要
1 当審拒絶理由(1)
当審において令和3年11月30日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由(1)」という。)の概要は、次のとおりである。

理由1(新規事項)
令和3年1月4日付け手続補正書でした補正は、下記の点で外国語書面の翻訳文(又は誤訳訂正書による補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

令和3年1月4日付け手続補正書による補正後の請求項1の「前記データプロセッサデバイスによって提供される前記情報は、事故表示情報であり、」について、「前記データプロセッサデバイス」が「他の自動車におけるデータプロセッサ」であることを考慮すると、「事故表示情報」は、他の自動車におけるデータプロセッサデバイスによって提供される情報であるといえる。
しかしながら、翻訳文には、事故に関する情報が、他の自動車におけるデータプロセッサデバイスから提供されるという事項は開示されていないから、請求項1の「前記データプロセッサデバイスによって提供される前記情報は、事故表示情報であり」との事項は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内でない。
また、前記補正後の請求項1の「前記SPDガラスは、前記事故表示情報に従って制御され、」という事項について、「前記事故表示情報」は、「前記データプロセッサデバイスによって提供される前記情報は、事故表示情報であり」を参照するものである。そして、「前記データプロセッサデバイスによって提供される前記情報は、事故表示情報であり」との事項は、前記のとおり、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内でないから、当該「事故表示情報」を参照している「前記SPDガラスは、前記事故表示情報に従って制御され、」との事項も、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内でない。
したがって、請求項1についての補正は、外国語書面の翻訳文に記載した事項の範囲内においてしたものでない。
請求項2及び3に係る発明は、請求項1を引用しているから、請求項1についての補正と同様である。

理由2(サポート要件)
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

請求項3の「前記SPDガラスに隣接して配置されてそこに電力を提供する補助電源」との事項について、発明の詳細な説明には、「補助電源」がSPDガラスに隣接し
て配置されている旨は記載されていない。
したがって、請求項3に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

理由3(明確性
この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

請求項1の「前記制御デバイスは、前記位置情報に従って前記SPDガラスの作動を制御する」との記載の「前記位置情報」が、「前記自動車の位置を示す位置情報」と「該他の自動車の位置に関連する位置情報」のどちらに対応するものか不明確である。
また、請求項1の「該ガラスの色調を増大又は低減」との記載の「該ガラス」は、如何なる「ガラス」を指し示すのか不明確である。
さらに、請求項3の「そこに電力を提供する」との記載の「そこ」が、何を指すのか不明確である。

2 当審拒絶理由(2)
当審において令和4年8月24日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由(2)」という。)の概要は、次のとおりである。

理由1(進歩性
この出願の請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1〜3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2005−297716号公報(原査定の引用文献A)
2.特表2014−518837号公報
3.特開2009−241807号公報(原査定の引用文献D)

第4 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和4年11月29日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
自動車内の、懸濁粒子デバイス(SPD)ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイスを制御するための制御システムであって、
前記1又は2以上のデバイスと通信する制御デバイスと、
前記制御デバイスに情報を提供するように構成された他の自動車におけるデータプロセッサデバイスと、を備え、
前記制御デバイスは、前記データプロセッサデバイスから受信した情報に基づいて、前記SPDガラスの作動を含む前記1又は2以上のデバイスの作動を制御するように構成され、
前記SPDガラスを備える前記デバイスは、前記制御デバイスに接続され、かつ前記データプロセッサデバイスからの情報に基づいて前記SPDガラスの色調を増大又は低減するように調節可能な窓であり、
前記SPDガラスは、前記自動車のために決定される事故表示情報に従って制御され、
前記制御システムは、前記自動車の位置を示す位置情報を提供するように構成されたGPSシステムを更に備え、前記制御デバイスは、前記自動車の位置に基づいて前記1又は2以上のデバイスの作動を制御し、
前記制御システムは、前記他の自動車と情報を送信かつ受信するように構成された送受信機を更に備え、前記データプロセッサデバイスからの情報は、前記他の自動車の位置に関連する位置情報を含み、前記制御デバイスは、前記他の自動車の位置に関連する位置情報に従って前記SPDガラスの作動を制御し、
前記制御システムは、前記SPDガラスに隣接して配置されて前記SPDガラスに電力を提供する補助電源を更に備える、
制御システム。」

なお、本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明について
当審拒絶理由(2)の理由1に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は強調のため当審にて付与。以下同様。)。

「【0004】
そこで、本発明は、乗員の眩しさの低減と視認性の確保の両立を効果的に図ることができる車両用窓ガラス透光率可変装置の提供を目的とする。」

「【0011】
図1は、本発明による車両用窓ガラス透光率可変装置の一実施例を示すシステム構成図である。本実施例の車両用窓ガラス透光率可変装置は、車両に搭載される電子制御装置10(以下、「ECU10」という)を中心に構成されている。ECU10は、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。ROMには、CPUが実行するプログラム等が格納されている。
【0012】
ECU10は、窓ガラス40の光の透過率(透光率)を制御する。窓ガラス40は、車両の前後に取り付けられるフロントガラス41及びリアガラス42であってよい。窓ガラス40は、液晶シャッターを用いて透光率が可変とされるものであってよい。窓ガラス40は、好ましくは、図2に示すように、複数のセル43に分割され、各セル43毎に透光率が制御される。
【0013】
図3は、本実施例のECU10の機能ブロック図である。ECU10は、光源情報取得部12と、走行情報取得手段14と、眩惑事象予測部16と、ガラス透光率制御部18とを備える。光源情報取得部12は、車両外部の光源に関する光源情報を取得する。車両外部の光源には、太陽のみならず、他車(対向車や後続車)の照明が含まれる。このため、本実施例の光源情報取得部12は、太陽位置算出部12aと、他車走行状態検出部12bとを含む。
【0014】
太陽位置算出部12aは、例えば所定のマップを用いて、現在時刻と車両の現在位置に基づいて太陽位置(方位を含む)を算出する。他車走行状態検出部12bは、車載レーダーセンサや画像センサ等に基づいて、他車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)を検出する。更に、他車走行状態検出部12bは、車載レーダーセンサや画像センサ等に基づいて、他車のヘッドライトの位置やヘッドライトの点灯の有無を検出してもよい。尚、他車走行状態検出部12bは、車車間通信によりこれらの情報を取得してもよい。
【0015】
走行情報取得手段14は、自車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)を検出する。例えば、走行情報取得手段14は、車輪速センサ、加速度センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ等のセンサ類と、GPS(Global Positioning System)受信機を備える。GPS受信機は、衛星からの衛星信号や他の基準局からの情報に基づいて車両の位置及び方位を計測する。尚、車両の位置の測位手法としては、単独測位や干渉測位(キネマティック法(RTK−GPS測位アルゴリズム))に基づくものであってよい。」

「【実施例2】
【0026】
第2実施例に係る光路算出部16aは、上述の第1実施例と同様、光源からの乗員の視点に向かう各光路X,Y,Z(図4参照)を算出する。尚、視点位置検出部17が存在しない場合、光路算出部16aは、標準的な乗員を想定した場合の乗員頭部の位置と光源の位置とに基づいて各光路X,Y,Zを算出してよい。本実施例の光路算出部16aは、光源情報取得部12及び走行情報取得手段14から各種情報に基づいて、現時点以後の光源の位置と車両位置との相対関係を予測し、当該予測相対関係に基づいて、現時点以後に確立されうる各光路X,Y,Zを予測・算出する。尚、この際、移動する光源(典型的には、他車)に対しては、光源情報取得部12の他車走行状態検出部12bからの情報が利用される。以下、光路算出部16aにより予測・算出される今後の光路を「予測光路」という。」

「【0029】
本実施例の眩しさ判断部16bは、光路算出部16aが算出した今後の各予測光路X,Y,Zに基づいて、今後の車両走行過程において眩惑事象が発生するか否かを予測し、眩惑事象が発生する場合にはその時刻(若しくは地点)を予測する。
【0030】
ガラス透光率制御部18は、眩しさ判断部16bにより眩惑事象の発生が予測された場合、当該眩惑事象の発生時点(若しくは発生地点)より前に、窓ガラス40の透光率を予め低下させておく(例えば、窓ガラス40の液晶シャッターを駆動する電極に駆動電流を印加しておく)。従って、本実施例によれば、眩惑事象が発生する前に窓ガラス40の透光率が前もって低下されるので、実際にその眩惑事象が生じた際の乗員が感じる眩しさを低減することができる。」

「【図3】



【図3】は、「ECU10」の機能ブロック図であって、【0013】、【0026】及び【0029】の記載を参照すると、ECU10の眩惑事象予測部16は、光路算出部16aと眩しさ判断部16bを備えることが見て取れる。

したがって、引用文献1には、第2実施例に着目すると、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「車両用窓ガラス透光率可変装置であって(【0011】)、
車両に搭載される電子制御装置10(以下、「ECU10」という)を中心に構成され(【0011】)、
ECU10は、窓ガラス40の光の透過率(透光率)を制御し、窓ガラス40は、車両の前後に取り付けられるフロントガラス41及びリアガラス42であって、液晶シャッターを用いて透光率が可変とされるものであり(【0012】)、
ECU10は、光源情報取得部12と、走行情報取得手段14と、眩惑事象予測部16と、ガラス透光率制御部18とを備え(【0013】)、
光源情報取得部12は、太陽位置算出部12aと、他車走行状態検出部12bとを含み、車両外部の光源に関する光源情報を取得し、車両外部の光源には、太陽のみならず、他車(対向車や後続車)の照明が含まれ(【0013】)、
太陽位置算出部12aは、例えば所定のマップを用いて、現在時刻と車両の現在位置に基づいて太陽位置(方位を含む)を算出し(【0014】)、
他車走行状態検出部12bは、車載レーダーセンサや画像センサ等に基づいて、他車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)を検出し、更に、車載レーダーセンサや画像センサ等に基づいて、他車のヘッドライトの位置やヘッドライトの点灯の有無を検出し、車車間通信によりこれらの情報を取得してもよく(【0014】)、
走行情報取得手段14は、車輪速センサ、加速度センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ等のセンサ類と、GPS(Global Positioning System)受信機を備え、自車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)を検出し(【0015】)、
眩惑事象予測部16は、光路算出部16aと眩しさ判断部16bを備え(【図3】)、
光路算出部16aは、光源情報取得部12及び走行情報取得手段14から各種情報に基づいて、現時点以後の光源の位置と車両位置との相対関係を予測し、当該予測相対関係に基づいて、現時点以後に確立されうる各光路X,Y,Zを予測・算出し、この際、移動する光源(典型的には、他車)に対しては、光源情報取得部12の他車走行状態検出部12bからの情報が利用され(【0026】)、
眩しさ判断部16bは、光路算出部16aが算出した今後の各予測光路X,Y,Zに基づいて、今後の車両走行過程において眩惑事象が発生するか否かを予測し、眩惑事象が発生する場合にはその時刻(若しくは地点)を予測し(【0029】)、
ガラス透光率制御部18は、眩しさ判断部16bにより眩惑事象の発生が予測された場合、当該眩惑事象の発生時点(若しくは発生地点)より前に、窓ガラス40の液晶シャッターを駆動する電極に駆動電流を印加しておき、窓ガラス40の透光率を予め低下させる(【0030】)
車両用窓ガラス透光率可変装置」

2 引用文献2
当審拒絶理由(2)の理由1に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。

「【背景技術】
【0002】
合わせガラスパネルの色又は透過率を変化させて制御するための多数の技術が存在する。エレクトロクロミクスは、自動車用途で時々使用される技術の1つである。その他の技術に基づく切換え可能フィルムを用いてもよい。エレクトロクロミクスは、エマルジョン又はフィルムに電流又は電位をかけることによって誘引される可逆的反応(化学的又は物理的)に関するものである。特定のエレクトロクロミック装置に於いては、懸濁粒子デバイス(「SPD」)エマルジョン又は高分子分散液晶(「PDLC」)フィルムが、2枚の透明基板プレートの間に閉じ込められている。SPDフィルムの場合、基板プレートは、透明な導電性の塗布されたポリエチレンテレフタレート(「PET」)から形成することが出来る。例えば、PETの上の導電性塗布膜に交流電圧を加えるなどによって、電圧をフィルムにかけると、エマルジョンの色又は光透過率の変化が起こる。
【0003】
懸濁粒子デバイス(「SPD」)フィルム又は高分子分散液晶(「PDLC」)フィルムは、時々、「スマートガラス」技術と呼ばれることがある。自動車などの用途の窓に使われるように、フィルムに印加される電圧を制御することによって光透過率の制御を可能とする「切換え可能な合わせガラス」に組み込まれる。」

したがって、引用文献2には、「電圧をかけると、エマルジョンの色又は光透過率の変化が起こる懸濁粒子デバイス(「SPD」)フィルムを、自動車の窓に使う」技術が記載されていると認められる。

3 引用文献3
当審拒絶理由(2)の理由1に引用された引用文献3には、次の事項が記載されている。

「【0029】
本実施の形態の車載調光装置を図1〜図4を用いて説明する。図1は、車載調光装置の構成を説明するためのブロック図である。図1に示すように、車載調光装置1は、車両の窓部に取り付けられた透過率可変ガラス2の透過率を変化させる機能を有する透過率制御部3を備えている。透過率可変ガラス2としては、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどを用いた公知の透過率可変ガラス2が使用され、透過率制御部3は、例えば電圧制御を行うことにより光の透過率を変えることができるように構成されている。」

「【0032】
また、図1に示すように、車載調光装置1は、車両に関する情報を取得する情報取得部6と、その情報に基づいて車両に関連する異常状態を検知する異常検知部7を備えており、透過率制御部3は、異常状態が検知されたときにユーザの接触制御より優先して透過率を変化させる優先制御を行う優先制御部8を備えている。
【0033】
ここで、異常状態の検出と優先制御の内容について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、情報取得部6と異常検知部7の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報取得部6は、車両自体の状態を示す車両情報(燃料残量の情報、車両の速度や加速度の情報、エンジン状態の情報、タイヤ状態の情報など)を取得する車両センサ9を含んでいる。また、異常検知部7は、これらの車両情報に基づいて、車両自体の異常状態(燃料切れ、衝突事故、オーバーヒートやエンスト、タイヤバーストなど)を検知する車両異常検知部10を含んでいる。優先制御部8は、このような車両自体の異常状態が検知されたときには、ユーザの接触制御より優先して透過率可変ガラス2の透過率を変化させる優先制御を行う。」

「【0035】
さらに、情報取得部6は、車両周辺の運転環境に関する周辺情報(地震情報、事故情報など)を取得する周辺情報取得部13を含んでいる。また、異常検知部7は、これらの周辺情報に基づいて、車外の周辺環境の異常状態(地震発生、事故発生など)を検知する車外異常検知部14を含んでいる。優先制御部8は、このような車外の周辺環境の異常状態が検知されたときには、ユーザの接触制御より優先して透過率可変ガラス2の透過率を変化させる優先制御を行う。」

「【図1】



したがって、引用文献3には、以下の技術が記載されていると認められる。

「車載調光装置1は、車両の窓部に取り付けられた透過率可変ガラス2の透過率を変化させる機能を有する透過率制御部3、車両に関する情報を取得する情報取得部6と、その情報に基づいて車両に関連する異常状態を検知する異常検知部7を備え、
透過率制御部3は、異常状態が検知されたときにユーザの接触制御より優先して透過率を変化させる優先制御を行う優先制御部8を備え、
情報取得部6は、車両自体の状態を示す車両情報(車両の速度や加速度の情報など)を取得する車両センサ9、車両周辺の運転環境に関する周辺情報(事故情報など)を取得する周辺情報取得部13を含み、
異常検知部7は、車両情報に基づいて、車両自体の異常状態(衝突事故など)を検知する車両異常検知部10、周辺情報に基づいて、車外の周辺環境の異常状態(事故発生など)を検知する車外異常検知部14を含み、
優先制御部8は、このような車両自体の異常状態、または、このような車外の周辺環境の異常状態が検知されたときには、ユーザの接触制御より優先して透過率可変ガラス2の透過率を変化させる優先制御を行う」技術

第6 当審拒絶理由(2)についての判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 「自動車内の、懸濁粒子デバイス(SPD)ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイスを制御するための制御システムであって、」について

(ア)引用発明の「車両」は、本願発明1の「自動車」に相当する。
(イ)引用発明の「窓ガラス40」は、「車両の前後に取り付けられるフロントガラス41及びリアガラス42」であり、「液晶シャッターを用いて透光率が可変」に制御される「デバイス」といえるものである。そうすると、引用発明の「窓ガラス40」と本願発明1の「自動車内の、懸濁粒子デバイス(SPD)ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイス」は、「自動車内の、ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイス」である点で共通する。
(ウ)引用発明の「車両用窓ガラス透光率可変装置」は、「ECU10」により「窓ガラス40」の透光率を制御するものであって、ある種のシステムといえる。そうすると、引用発明の「車両用窓ガラス透光率可変装置」は、後述する相違点を除き、本願発明1の「制御システム」に相当する。
(エ)したがって、引用発明は、「自動車内の、懸濁粒子デバイス(SPD)ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイスを制御するための制御システム」である本願発明1とは、「自動車内の、ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイスを制御するための制御システム」である点で共通する。

イ 「前記1又は2以上のデバイスと通信する制御デバイスと、」について

(ア)引用発明の「ECU10」は、前記ア(ウ)のとおり、「窓ガラス40」の透光率を制御するものであるから、本願発明1の「制御デバイス」に相当する。
(イ)引用発明の「ECU10」による「窓ガラス40」の透光率の制御は、具体的には、「ECU10」の「ガラス透光率制御部18」が、「窓ガラス40」の「液晶シャッター」の電極に駆動電流を印加するように制御するものである。そして、ECUが車両の各種デバイスと信号を送受信して該デバイスを制御することは技術常識であるから、「ECU10」の「ガラス透光率制御部18」は、「窓ガラス40」に対して、「液晶シャッター」の電極に駆動電流を印加するための制御信号を送信していると認められる。
(ウ)したがって、本願発明1と引用発明は、「前記1又は2以上のデバイスと通信する制御デバイス」を備える点で共通する。

ウ 「前記制御デバイスに情報を提供するように構成された他の自動車におけるデータプロセッサデバイスと、を備え、」について

(ア)引用発明の「他車」は、本願発明1の「他の自動車」に相当する。
(イ)引用発明の「ECU10」の「他車走行状態検出部12b」は、「車車間通信」により、「他車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)」や「他車のヘッドライトの位置やヘッドライトの点灯の有無」の情報を取得するから、「他車」は、車車間通信でこれらの情報を送信(提供)するためのプロセッサを当然に備えていると認められる。そうすると、引用発明の「他車」の前記プロセッサは、本願発明1の「前記制御デバイスに情報を提供するように構成された他の自動車におけるデータプロセッサデバイス」に相当する。
(ウ)他方で、引用発明の「他車」の前記プロセッサは、「車両用窓ガラス透光率可変装置」に備わったものではない。

エ 「前記制御デバイスは、前記データプロセッサデバイスから受信した情報に基づいて、前記SPDガラスの作動を含む前記1又は2以上のデバイスの作動を制御するように構成され、」について

(ア)引用発明の「窓ガラス40」の「液晶シャッター」の駆動電流の印加による駆動は、「窓ガラス40」の作動といえるものである。そして、前記イ(イ)のとおり、該「液晶シャッター」の駆動の制御は、「ECU18」の「ガラス透光率制御部18」が行うものである。
(イ)引用発明の前記「ガラス透光率制御部18」は、「ECU10」の「眩しさ判断部16b」により眩惑事象の発生が予測された場合に、前記(ア)の制御を行っており、「眩しさ判断部16b」は、該予測に「ECU10」の「光路算出部16a」が算出した今後の「各予測光路X,Y,Z」を用いる。
(ウ)引用発明の前記「光路算出部16a」は、前記「各予測光路X,Y,Z」を、「ECU10」の「光源情報取得部12」及び「走行情報取得手段14」からの各種情報に基づいて、現時点以後の光源の位置と車両位置との相対関係を予測することで算出する。その際、「光源情報取得部12」の「他車走行状態検出部12b」からの情報を利用するが、該「他車走行状態検出部12b」からの情報は、前記ウ(イ)のとおり、車車間通信で「他車」のプロセッサから取得される情報である。
(エ)前記(イ)及び(ウ)を踏まえると、引用発明の「ECU18」の「ガラス透光率制御部18」による前記「液晶シャッター」の駆動の制御、すなわち、「ECU18」による「窓ガラス40」の作動の制御は、「他車」のプロセッサから取得した情報に基づくものといえる。
(オ)したがって、引用発明は、「前記制御デバイスは、前記データプロセッサデバイスから受信した情報に基づいて、前記SPDガラスの作動を含む前記1又は2以上のデバイスの作動を制御するように構成され」た本願発明1とは、「前記制御デバイスは、前記データプロセッサデバイスから受信した情報に基づいて、前記ガラスの作動を含む前記1又は2以上のデバイスの作動を制御するように構成され」ている点で共通する。

オ 「前記SPDガラスを備える前記デバイスは、前記制御デバイスに接続され、かつ前記データプロセッサデバイスからの情報に基づいて前記SPDガラスの色調を増大又は低減するように調節可能な窓であり、」について

(ア)前記イ(イ)のとおり、「窓ガラス40」は、「ECU10」の「ガラス透光率制御部18」との間で、「液晶シャッター」の駆動電流にかかる制御信号を送受信するものであるから、「窓ガラス40」は、「ECU10」と有線または無線で接続されているといえる。そうすると、引用発明の「窓ガラス40」と本願発明1の「前記SPDガラスを備える前記デバイス」とは、「前記制御デバイスに接続され」る点で共通する。
(イ)引用発明の「窓ガラス40」は、「液晶シャッター40」を用いて透光率が可変に制御されるから、ガラスの透光率を調節可能な窓といえる。そうすると、引用発明の「窓ガラス40」と本願発明1の「前記SPDガラスの色調を増大又は低減するように調節可能な窓」である「前記SPDガラスを備える前記デバイス」とは、「ガラスを調節可能な窓」である点で共通する。
(ウ)前記エ(エ)のとおり、引用発明の「窓ガラス40」の「液晶シャッター40」の駆動の制御は、「他車」のプロセッサから取得した情報に基づくものである。
(エ)したがって、前記ア(イ)も踏まえると、引用発明は、「前記SPDガラスを備える前記デバイスは、前記制御デバイスに接続され、かつ前記データプロセッサデバイスからの情報に基づいて前記SPDガラスの色調を増大又は低減するように調節可能な窓」である本願発明1とは、「前記ガラスを備える前記デバイスは、前記制御デバイスに接続され、かつ前記データプロセッサデバイスからの情報に基づいて前記ガラスを調節可能な窓」である点で共通する。

カ 「前記SPDガラスは、前記自動車のために決定される事故表示情報に従って制御され、」について

引用発明は、「窓ガラス40」が、自動車のために決定される事故表示情報に従って制御されることは特定されていない。

キ 「前記制御システムは、前記自動車の位置を示す位置情報を提供するように構成されたGPSシステムを更に備え、前記制御デバイスは、前記自動車の位置に基づいて前記1又は2以上のデバイスの作動を制御し、」について

(ア)引用発明の「GPS(Global Positioning System)受信機」は、本願発明1の「GPSシステム」に相当する。
(イ)引用発明の「GPS(Global Positioning System)受信機」は、「自車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)を検出」する「ECU10」の「走行情報取得手段14」に備えられるものであり、検出される「自車」の「現在位置」の情報は、本願発明1の「前記自動車の位置を示す位置情報」に相当し、該「自車」の「現在位置」の情報が、「GPS(Global Positioning System)受信機」から提供されることは明らかである。
(ウ)前記エ(ア)〜(ウ)に示したように、引用発明の「窓ガラス40」の「液晶シャッター」の駆動の制御は、「ECU10」の「眩しさ判断部16b」による眩惑事象の発生予測に基づき行われ、該予測に用いられる「各予測光路X,Y,Z」は、「ECU10」の「光源情報取得部12」及び「走行情報取得手段14」からの各種情報に基づいて、現時点以後の光源の位置と「車両位置」との相対関係を予測することで算出される。そして、前記(イ)を踏まえると、前記「車両位置」が、「走行情報取得手段14」に備えられた「GPS(Global Positioning System)受信機」で検出される「自車」の「現在位置」に基づくものであることは明らかである。そうすると、「ECU10」による「窓ガラス40」の「液晶シャッター」の駆動の制御は、「GPS(Global Positioning System)受信機」で検出される「自車」の「現在位置」に基づくものといえる。
(エ)したがって、本願発明1と引用発明は、「前記制御システムは、前記自動車の位置を示す位置情報を提供するように構成されたGPSシステムを更に備え、前記制御デバイスは、前記自動車の位置に基づいて前記1又は2以上のデバイスの作動を制御」する点で共通する。

ク 「前記制御システムは、前記他の自動車と情報を送信かつ受信するように構成された送受信機を更に備え、前記データプロセッサデバイスからの情報は、前記他の自動車の位置に関連する位置情報を含み、前記制御デバイスは、前記他の自動車の位置に関連する位置情報に従って前記SPDガラスの作動を制御し、」について

(ア)前記ウのとおり、引用発明の「ECU10」は、「車車間通信」により「他車の走行状態(現在位置、車速や走行方向を含む)」等の情報を取得(受信)している。同じように、該「ECU10」は、「車車間通信」により、他車に、自車の走行状態等の情報を「他車の走行状態」の情報として提供(送信)しているものと解するのが自然である。そのため、引用発明の「車両用窓ガラス透光率可変装置」は、他車と前記情報を送受信するためのアンテナ等の送受信機を当然備えていると認められ、引用発明と本願発明1は、「前記他の自動車と情報を送信かつ受信するように構成された送受信機を更に備え」る点で共通するといえる。
(イ)前記ウのとおり、引用発明の「他車」のプロセッサから取得される「他車の走行状態」は、他車の「現在位置」を含むものである。
(ウ)前記エ(エ)のとおり、引用発明の「ECU18」による「窓ガラス40」の作動の制御は、「他車」のプロセッサから取得した情報、すなわち、他車の「現在位置」を含む「他車の走行状態」の情報に基づくものである。
(エ)したがって、引用発明は、「前記制御システムは、前記他の自動車と情報を送信かつ受信するように構成された送受信機を更に備え、前記データプロセッサデバイスからの情報は、前記他の自動車の位置に関連する位置情報を含み、前記制御デバイスは、前記他の自動車の位置に関連する位置情報に従って前記SPDガラスの作動を制御」する構成の本願発明1とは、「前記制御システムは、前記他の自動車と情報を送信かつ受信するように構成された送受信機を更に備え、前記データプロセッサデバイスからの情報は、前記他の自動車の位置に関連する位置情報を含み、前記制御デバイスは、前記他の自動車の位置に関連する位置情報に従って前記ガラスの作動を制御」する点で共通する。

ケ 「前記制御システムは、前記SPDガラスに隣接して配置されて前記SPDガラスに電力を提供する補助電源を更に備える、」について

引用発明は、「窓ガラス40」の電極に駆動電流を印加するための「補助電源」を備えることは特定されていない。

コ 前記ア〜ケによれば、本願発明1と引用発明は、以下の点において一致及び相違する。

<一致点>
自動車内の、ガラスを備えるデバイスを含む1又は2以上のデバイスを制御するための制御システムであって
前記1又は2以上のデバイスと通信する制御デバイス、を備え、
前記制御デバイスは、前記データプロセッサデバイスから受信した情報に基づいて、前記ガラスの作動を含む前記1又は2以上のデバイスの作動を制御するように構成され、
前記ガラスを備える前記デバイスは、前記制御デバイスに接続され、かつ前記データプロセッサデバイスからの情報に基づいて前記ガラスを調節可能な窓であり、
前記制御システムは、前記自動車の位置を示す位置情報を提供するように構成されたGPSシステムを更に備え、前記制御デバイスは、前記自動車の位置に基づいて前記1又は2以上のデバイスの作動を制御し、
前記制御システムは、前記他の自動車と情報を送信かつ受信するように構成された送受信機を更に備え、前記データプロセッサデバイスからの情報は、前記他の自動車の位置に関連する位置情報を含み、前記制御デバイスは、前記他の自動車の位置に関連する位置情報に従って前記ガラスの作動を制御する
制御システム。

<相違点>
[相違点1]
制御の対象が、本願発明1は、「懸濁粒子デバイス(SPD)ガラスを備えるデバイス」であって、「SPDガラスの色調を増大又は低減するように調節可能な窓」であるのに対し、引用発明の「窓ガラス40」は、透光率を調整可能な窓であるが、「色調を増大又は低減するように調節」されるSPDガラスを備えるものではない点。

[相違点2]
本願発明1の「制御システム」は、「制御デバイスに情報を提供するように構成された他の自動車におけるデータプロセッサデバイス」を「備える」ものであるのに対し、引用発明の「車両用窓ガラス透光率可変装置」は、車車間通信を行う「他車」のプロセッサを「備える」ものではない点。

[相違点3]
本願発明1は、「自動車のために決定される事故表示情報」に従って「SPDガラス」が制御されるのに対し、引用発明は、「自動車のために決定される事故表示情報」に従って「窓ガラス」が制御されることは特定されていない点。

[相違点4]
本願発明1は、「SPDガラスに隣接して配置されて前記SPDガラスに電力を提供する補助電源」を備えるのに対し、引用発明は、そのような補助電源を備えることは特定されていない点。

(2)相違点についての検討
事案に鑑み、相違点4について検討する。

引用発明は、「窓ガラス40」の電極に駆動電流を印加するための「補助電源」を備えていない。また、引用文献1には、「車両用窓ガラス透光率可変装置」がそのような「補助電源」を備えることについて、記載も示唆もない。
さらに、相違点4に係る本願発明1の「補助電源」の構成は、引用文献2及び3にも記載も示唆もされておらず、本願の優先日前における周知技術であるともいえない。
そして、本願発明1は、相違点4に係る構成を備えることにより、「補助電源」を「窓が事故の際に自動車の電力系統から切り離されている場合に、窓201の色調を取り除くのに使用することができる」(【0046】)という顕著な効果を奏するものであるから、相違点4に係る本願発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たものではない。

したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者といえども、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明であり、相違点4に係る本願発明1の構成と同一の構成を備えるから、本願発明1と同様の理由により、当業者といえども、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 当審拒絶理由(1)についての判断
1 理由1(新規事項)について
令和4年11月29日にされた手続補正による補正後の請求項1及び2は、「事故表示情報」が「前記データプロセッサデバイスによって提供される」との特定事項を有しないから、理由1は解消された。

2 理由2(サポート要件)について
令和4年6月1日にされた手続補正により、外国語書面の翻訳文の特許請求の範囲の【請求項40】の記載に基づき、明細書【0048】に「補助電源」がSPD窓に隣接して配置されるものである旨の記載が追加された。それにより、本願発明1及び2は、発明の詳細な説明に記載したものとなっているから、理由2は解消された。

3 理由3(明確性)について
令和4年11月29日にされた手続補正による補正後の請求項1は、「位置情報に従って前記SPDガラスの作動を制御する」における「位置情報」が、「前記他の自動車の位置に関連する」位置情報であると特定されている。
また、前記補正後の請求項1は、「ガラスの色調を増大又は低減」における「ガラス」が、「前記SPDガラス」であると特定されている。
さらに、前記補正後の請求項1は、「電力を提供する補助電源」における電力の提供先が「前記SPDガラス」であると特定されている。
したがって、補正後の請求項1及び2に係る発明は明確であり、理由3は解消された。

第8 原査定についての判断
本願発明1及び2が備える前記相違点4に係る補助電源の構成は、原査定における引用文献A及びD(当審拒絶理由(2)の引用文献1及び3)にも、引用文献B、C、E及びFにも記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもない。
よって、本願発明1及び2は、当業者といえども、原査定における引用文献A〜Fに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2023-01-25 
出願番号 P2019-065980
審決分類 P 1 8・ 55- WY (H04Q)
P 1 8・ 537- WY (H04Q)
P 1 8・ 121- WY (H04Q)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 角田 慎治
特許庁審判官 寺谷 大亮
土居 仁士
発明の名称 SPDデバイス及びホームオートメーションのための制御システム  
代理人 西島 孝喜  
代理人 鎌田 慎也  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 那須 威夫  
代理人 大塚 文昭  
代理人 ▲吉▼田 和彦  
代理人 須田 洋之  
代理人 上杉 浩  
代理人 近藤 直樹  

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