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審決分類 |
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1393927 |
総通号数 | 14 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2023-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-07-15 |
確定日 | 2023-01-24 |
事件の表示 | 特願2019−514738「ユーザインタフェース提供のためのタッチ入力方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月31日国際公開、WO2018/097460、令和 1年11月14日国内公表、特表2019−533234、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)9月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年11月24日、韓国)を国際出願日とする出願であって、令和2年5月18日付けで拒絶理由が通知され、令和2年8月25日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和2年12月24日付けで拒絶理由が通知され、令和3年4月2日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和3年7月27日付けで拒絶理由(最後)が通知され、令和3年10月21日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和4年3月10日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和4年7月15日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、令和4年8月15日付けで前置報告がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(令和4年3月10日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 理由1(進歩性) 本願請求項1、3に係る発明は、以下の引用文献1−4に基づいて、本願請求項2、4に係る発明は、以下の引用文献1−5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2005−352924号公報 2.特開2014−134867号公報 3.特開2002−132420号公報 4.特開2006−126002号公報 5.特開2008−305174号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 1.特許法17条の2第3項について 審判請求時の補正によって請求項1の「前記第2タッチ時間情報は、前記第1領域に前記タッチが前記第1時間よりも長い時間である第2時間以上維持されたことを示す情報である」を、 「前記第2タッチ時間情報は、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度が変更された後に、前記第1領域に前記タッチが第2時間以上維持されたことを示す情報であり、」(以下、「補正1」という。)、 「前記第1領域が、前記少なくとも1つのアイコンの縁の内部に位置する第1部分と、該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの内側において所定の距離だけ隔てた内縁と該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの外側において所定の距離だけ隔てた外縁とによって囲まれる第2部分と、を含み、」(以下、「補正2」という。)、 「前記プロセッサは、 前記第1部分に対するタッチ入力が、前記第2部分に対するタッチ入力により行われる動作とは異なる動作に対応する、制御を行うように構成され、 前記第1部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第1部分に入力されるタッチの前記第1タッチ時間情報に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度を変更する、制御を行うように構成され、 前記第2部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第2部分に入力されるタッチの第3タッチ時間情報に応答して、前記第1領域の該第2部分に対応する動作を実行する、制御を行うように構成され、 前記第3タッチ時間情報は、前記第1領域の前記第2部分にタッチが入力された後、該第2部分に該タッチが第3時間維持されたことを示す情報である、」(以下、「補正3」という。)、とする補正を行っている。 補正1に関して、願書に最初に添付された明細書、図面、特許請求の範囲(以下、「当初明細書等」という。)の【図8】(特に、ステップS804、S806、S807)、段落【0146】−【0147】には、タッチの圧力を用いる実施例が記載されており、さらに、当初明細書等の段落【0129】には、「本発明の場合、第1タッチ情報及び/又は第2タッチ情報として圧力を主な例示として記述したが、面積、時間に対しても同一/類似するように適用することができる。」と記載されるとともに、段落【0133】には、「タッチ圧力の大きさは同一に維持し、タッチ面積(or時間)を変更する場合にも同一/類似するように適用されてもよい。すなわち、任意のタッチ入力操作を加える場合にも、形状(shape)が変更されないタッチ客体(ex/ペン)を用いてタッチ入力の操作を加える場合、同一のタッチ圧力の大きさが維持される状態において、タッチ面積(or時間)を拡張/増加または縮小/減少させることにより、これによるアイコンの状態情報の変更及び/又はアイコンに該当する命令が実行されるように制御することができる。例えば、第1時間タッチ情報でアイコンの状態情報が変更され、第2時間タッチ情報でアイコンに該当する命令が実行されるように制御することができる。ここで、第2時間タッチ情報は第1時間タッチ情報に比べてさらに増加した時間情報であってもよい。」と記載されるから、形状が一定の「ペン」等でタッチ操作する場合等を想定して、圧力に替えて、「第1タッチ時間」に応じてアイコンの状態情報を変更し、その後、「第2タッチ時間」に応じてアイコンに対応する命令を実行することが記載されている。 さらに、アイコンの状態情報の変更について、当初明細書等の段落【0136】には、第1領域のアイコンのサイズと、第2領域のアイコンの配列状態とを、同時に変更できることが記載され、段落【0140】には、アイコンの「透明度」を変更できることが記載されている。 よって、第1領域のアイコンのサイズと、第2領域のアイコンの透明度とを、同時に変更できることは、当初明細書等の記載から自明な事項であって、新たな技術的事項を追加するものではないから、補正1は新規事項を追加するものではない。 補正2に関して、当初明細書等の【図9b】、段落【0125】には、第1領域のアイコンを、アイコンの縁の内部の「部分(a)」、アイコンの縁の両側に隣接した「部分(b)」等に分割することが記載されており、新たな技術的事項を追加するものではないから、補正2は新規事項を追加するものではない。 補正3に関して、当初明細書等の【図9b】、段落【0126】−【0127】には、アイコンの縁の内部の「部分(a)」と、アイコンの縁の両側に隣接した「部分(b)」とで、タッチに応じた動作を相違させることが記載されている。 また、上記「補正1」で述べたように、第1領域のアイコンのサイズと、第2領域のアイコンの透明度とを、同時に変更できることは、当初明細書等の記載から自明な事項である。 さらに、アイコンの縁の内部の「部分(a)」について、形状が一定の「ペン」等によるタッチ操作を想定して、圧力に替えて、「第1タッチ時間」、「第2タッチ時間」に応じてアイコンを操作する場合、アイコンの縁の両側に隣接した「部分(b)」についても、同様に、「タッチ時間」に応じて、動作を実行すべきことは、当初明細書等の記載に接した当業者に明らかな事項である。 そして、「部分(b)」についての「タッチ時間」を、「部分(a)」についての「第1タッチ時間」や「第2タッチ時間」と区別するために、「第3タッチ時間」と称することは任意である。 よって、当初明細書等の記載から自明な事項であって、新たな技術的事項を追加するものではないから、補正3は新規事項を追加するものではない。 請求項3についても同様である。 よって、審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項の規定を満たす ものであると認められる。 2.特許法17条の2第4項及び同条第5項について 補正1は、「第2タッチ時間情報」について下位概念に変更する補正であり、補正2、補正3は、「第1領域」について下位概念に変更する補正であるから、審判請求時の補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると認められる。 そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の発明特定事項をすべて含み、補正1−3により減縮した発明であるから、この補正は、発明の特別な技術的特徴を変更するものではない。 請求項3についても同様である。 したがって、審判請求時の補正は、特許法第17条の2第4項及び同条第5項の規定を満たしていると認められる。 3.特許法第17条の2第6項について 「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1ないし4に係る発明は、独立して特許を受けることができるものである。 第4 本願発明 本願請求項1−4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明4」という。)は、令和4年7月15日提出の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−4に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 タッチ入力装置において、 タッチスクリーンと、 前記タッチスクリーン上の少なくとも1つのアイコンを含む第1領域に入力されるタッチの第1タッチ時間情報に応答して前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズが変更されるように制御し、前記タッチスクリーン上の前記第1領域を除いた残りの領域である第2領域に含まれる少なくとも1つのアイコンの透明度が変更されるよう制御し、 前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンが変更された後、前記第1領域に連続的に入力される第2タッチ時間情報に応答して前記第1領域に含まれた前記少なくとも1つのアイコンが前記第2タッチ時間情報に対応する動作を実行するように制御するプロセッサと、 を含み、 前記第1タッチ時間情報は、前記第1領域に前記タッチが第1時間以上維持されたことを示す情報であり、 前記第2タッチ時間情報は、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度が変更された後に、前記第1領域に前記タッチが第2時間以上維持されたことを示す情報であり、 前記第1領域が、前記少なくとも1つのアイコンの縁の内部に位置する第1部分と、該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの内側において所定の距離だけ隔てた内縁と該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの外側において所定の距離だけ隔てた外縁とによって囲まれる第2部分と、を含み、 前記プロセッサは、 前記第1部分に対するタッチ入力が、前記第2部分に対するタッチ入力により行われる動作とは異なる動作に対応する、制御を行うように構成され、 前記第1部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第1部分に入力されるタッチの前記第1タッチ時間情報に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度を変更する、制御を行うように構成され、 前記第2部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第2部分に入力されるタッチの第3タッチ時間情報に応答して、前記第1領域の該第2部分に対応する動作を実行する、制御を行うように構成され、 前記第3タッチ時間情報は、前記第1領域の前記第2部分にタッチが入力された後、該第2部分に該タッチが第3時間維持されたことを示す情報である、 タッチ入力装置。」 なお、本願発明2−4の概要は以下のとおりである。 本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。 本願発明3は、本願発明1に対応するタッチ入力方法の発明である。 本願発明4は、本願発明3を減縮した発明である。 第5 引用文献、引用発明等 1 引用文献1及び引用発明 (1) 引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。 ア 段落【0037】−【0047】 「【0037】 次に、本実施の形態における動作について図4に示した画面表示例の遷移図を用いて説明する。 【0038】 図4(a)に示したように、液晶画面3のユーザ操作領域には“A”から“L”までの文字入力ボタンが表示されている。ここで、ユーザは、“B”を入力することを選択したとする。そこで、ユーザは、液晶画面3に表示された“B”ボタンを入力するために、“B”ボタンに指先を合わせて液晶画面3のタッチパネル5に接触する。第1操作検出部13は、この指先の接触を検出し、またこれと同時に位置特定部12はユーザ操作領域内の接触位置を特定する。制御部15は、位置特定部12により特定されたユーザ接触位置に基づいて、ユーザが操作しようとするボタンを次のようにして特定する。 【0039】 制御部15は、ユーザ操作領域に表示するための表示データを表示制御部11から取得することで、ユーザ操作領域内における各ボタンの表示領域を位置座標データとして把握する。そして、ユーザ操作領域と同じ大きさを持つ別途用意した領域上に各ボタンの表示領域を投影する。これにより、ユーザ接触位置と比較照合するための領域情報を生成する。このユーザが操作した位置と比較照合するための領域情報を「反応領域」と称することにする。反応領域は、ボタン毎に生成され、ユーザが操作したボタンを特定するために制御部15によって用いられる座標データである。この点で表示制御部11が表示のために用いる表示データとは異なる。反応領域は、座標データにより範囲指定されるが、制御部15は、位置特定部12により特定されたユーザ接触位置に基づき得られる位置座標データと、表示されている各ボタンに対応した反応領域とを比較することでユーザ接触位置がどの反応領域に含まれるかを特定する。そして、特定した反応領域に対応するボタンがユーザにより操作されたボタンであると判定する。この制御部15における処理によって、図4に示した例によると、“B”ボタンが操作されたと特定することができる。 【0040】 ところで、ボタンには、通常、図4(a)に示したように各ボタンの内容を示す情報、この例の場合は“A”〜“L”という文字がボタン上に表示される。携帯電話1などの小型機器の場合は特にボタンを指で操作すると、ボタン上に表示される文字が指先で覆われ視認できなくなってしまう。そこで、本実施の形態においては、上記のように第1のユーザアクセスで“B”ボタンが操作されたと制御部15により特定されると、表示制御部11は、図4(b)に示したように該当する“B”ボタンを拡大表示する。図4(b)では、“A”ボタンが隠れる大きさに拡大しているが、“A”ボタンは選択されていないため隠れても問題ないと考えられる。そして、表示制御部11は、拡大表示した“B”ボタン上であって指先からずれた位置に文字“B”を表示する。これにより、ユーザは、操作したボタンが“B”ボタンであることを容易に視認することができる。 【0041】 ボタンの拡大サイズ又は拡大率は、固定値として予め設定しておいてもよいが、ユーザの指先の位置は特定できるので、その位置と推測した操作部位(この例では指先)の大きさとから文字“B”の表示位置を計算により求めることができる。従って、文字“B”の表示位置が含まれるような大きさに“B”ボタンを拡大表示すればよい。これにより、ユーザは、文字“B”を常に視認することができる。 【0042】 更に、小型機器の場合はボタン自体が小さいためにボタン上に表示される文字も小さい。従って、図4(b)に例示したように文字自体もボタンと共に拡大表示することがユーザにとっては好適である。なお、文字とボタンの拡大倍率は、同じでも別でもよい。 【0043】 ユーザがタッチパネル5に接触操作すると、上記のようにして図4(b)が画面表示されることになる。ユーザは、入力しようとする“B”ボタンを操作できていることが確認できると、“B”ボタンを押下する。この押下操作をスイッチ7、すなわち第2操作検出部14が検出すると、制御部15は、この“B”ボタンに対する押下操作をユーザによる確定操作と判定する。なお、図4(c)における“Pi!”は、押下操作により確定されたことをユーザに聴覚にて知らせるための音を示している。他の図においても同様である。 【0044】 以上のように、本実施の形態によれば、ユーザ操作領域に対する接触操作(第1のユーザアクセス)によりボタンを拡大表示するなどしてどのボタンが操作されているのかをユーザに確認させ、更にその接触操作に続いて行われるユーザ操作領域に対する押下操作(第2のユーザアクセス)により入力確定させる。ユーザからしてみれば、押下により入力を確定させる前にボタンに接触した時点で押下しようとしているボタンが拡大表示されるので、誤入力を防止することができる。仮に、ボタンを押下する前に、すなわちユーザ操作領域に接触した時点で誤ったボタンを操作しようとしていることを視認した場合には、操作をやり直せばよい。この際に指先が液晶画面3から離れたとしても、この操作を入力確定操作とみなされることはない。 【0045】 本実施の形態は、上記説明したとおり、ボタンの拡大表示等によるボタンの確認と、入力確定のために二段操作(二度押し操作)によるユーザインタフェースを提供するものである。しかし、二段階の操作をユーザに強要するものではない。すなわち、ユーザが確定のために押下操作をする際には、その押下操作より前に接触操作は常に行われることになるので、ユーザは、この二段階の操作を意識的に実行する必要はない。ユーザからしてみれば、一連の操作を行えばよく、本実施の形態におけるインタフェース装置が前述した内部処理にて二段階の操作として処理することになる。もちろん、ユーザは、意識的に接触操作をした時点で更なる押し込み操作をしないようにしてもよく、この場合は、ボタンの拡大表示が維持された状態になる。 【0046】 図5は、図4の変形例に相当する画面表示例の遷移図である。上記説明では、図4に示したようにユーザ操作領域が形成された液晶画面3の表示範囲内でボタンを拡大表示させていた。これに対し、図5は、ガイド表示領域が形成された液晶画面2まで拡大してボタンを表示させるようにした。このように、ユーザ操作領域に限定されずにボタンを拡大表示してもよい。 【0047】 図6乃至図9は、更に異なる画面表示例を示した遷移図である。図4では、接触操作されたときにその操作されたボタンの表示形態を操作前と異ならせて表示するようにした。しかし、操作されたボタン以外のボタンの表示形態を変更するようにして操作されたボタンか否かを識別できるようにしてもよい。図6には、操作された“B”ボタン以外のボタンを淡く表示するようにした例が示されている。このように、操作されていないボタンの表示を淡くしたり、消去したり、あるいは色を変更するなどすることで操作されたボタンを目立たせることができ、これにより誤入力の防止効果を向上させることができる。」 イ 【図4】、【図6】 「 」 (2) 引用発明 よって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。 「液晶画面3のユーザ操作領域には“A”から“L”までの文字入力ボタンが表示され、ユーザは、液晶画面3に表示された“B”ボタンを入力するために、“B”ボタンに指先を合わせて液晶画面3のタッチパネル5に接触し、第1操作検出部13は、この指先の接触を検出し、またこれと同時に位置特定部12はユーザ操作領域内の接触位置を特定し、 反応領域は、ボタン毎に生成され、ユーザが操作したボタンを特定するために制御部15によって用いられる座標データであり、 制御部15は、位置特定部12により特定されたユーザ接触位置に基づき得られる位置座標データと、表示されている各ボタンに対応した反応領域とを比較することでユーザ接触位置がどの反応領域に含まれるかを特定し、そして、特定した反応領域に対応するボタンがユーザにより操作されたボタンであると判定し、第1のユーザアクセスで“B”ボタンが操作されたと制御部15により特定されると、表示制御部11は、該当する“B”ボタンを拡大表示し、 ユーザは、入力しようとする“B”ボタンを操作できていることが確認できると、“B”ボタンを押下し、この押下操作をスイッチ7、すなわち第2操作検出部14が検出すると、制御部15は、この“B”ボタンに対する押下操作をユーザによる確定操作と判定し、 接触操作されたときにその操作されたボタンの表示形態を操作前と異ならせて表示するようにしたが、操作されたボタン以外のボタンの表示形態を変更するようにして操作されたボタンか否かを識別できるようにしてもよく、操作されていないボタンの表示を淡くしたり、消去したり、あるいは色を変更するなどすることで操作されたボタンを目立たせることができ、これにより誤入力の防止効果を向上させることができる、 小型機器。」 2 引用文献2 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに、次の事項が記載されている。 (1) 段落【0026】−【0030】 「【0026】 図4を参照して、ユーザがディスプレイ3上の1のアイコンに対応する位置を上記閾値より小さい圧力であって、タッチパネルにおいてタッチを検出できる最低の圧力以上の圧力でタッチすると、情報処理端末1は、当該アイコンの拡大を開始する。タッチパネルは、ユーザの指10等の導電体によるタッチを検出する。「アイコンに対応する位置」とは、たとえば、アイコンが表示されている領域内の位置である。この例では、アイコン35が、タッチされたアイコンである。メモリ5は、アイコン35をどの大きさまで拡大させるかを特定する情報(最大サイズ)を記憶する。 【0027】 図5は、拡大表示が完了したと判断されるアイコン35の大きさを示す。なお、本明細書では、これ以降、「閾値より小さい圧力」との記載は、「閾値より小さい圧力であって、タッチパネルにおいてタッチを検出できる最低の圧力以上の圧力」を意味する。 【0028】 情報処理端末1は、アイコン35に対応する範囲内でのタッチ操作が継続される間、アイコン35の表示の拡大制御を継続する。これにより、アイコン35の表示は、段階的に(徐々に)拡大する。アイコン35に対応する範囲は、図3に示されるように、拡大制御が開始される前にアイコン35が表示されていた領域に限定されても良い。また、当該範囲は、図4等に示されるようなアイコン35の拡大に従って、拡大されたアイコン35と同じ範囲まで拡大されても良い。 【0029】 コントローラ7は、アイコン35に対応する範囲内でのタッチ操作が継続していることを条件として、アイコン35の拡大を継続する。そして、コントローラ7は、アイコン35の拡大を完了すると、当該アイコン35が上記閾値以上の圧力でタッチされたときに受け付けるのと同じ情報の入力を受け付ける。 【0030】 たとえば、コントローラ7は、メールアプリの実行中にアイコン35を上記閾値以上の圧力でタッチされると、文字「E」の入力を受け付ける。コントローラ7は、また、アイコン35を上記閾値未満の圧力でタッチされた場合、アイコン35の拡大を開始する。コントローラ7は、当該タッチが、図5に示されるようにアイコン35の拡大が完了するまで継続された場合には、文字「E」の入力を受け付けた後、ディスプレイ3の表示を図3に示すように戻す。なお、コントローラ7は、アイコン35の拡大表示が完了する前に当該タッチが解除された場合には、文字「E」の入力を受け付けることなく、ディスプレイ3の表示を図3に示すように戻す。」 3 引用文献3 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに、次の事項が記載されている。 (1) 段落【0059】 「【0059】なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、操作可能な操作キーと操作不可能な操作キーとを識別可能とするために、操作不可能な操作キーを非表示状態に設定していたが、両者を識別可能とする方法はこれに限定されるものではなく、他にも種々の方法が考えられる。例えば、操作可能な操作キーを強調表示することにより両者を識別可能としてもよく、また、操作不可能な操作キーを半透明表示にしたり、暗めな表示色に変更するなどの方法で目立ちにくくして、両者を識別可能としてもよい。」 4 引用文献4 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、図面とともに、次の事項が記載されている。 (1) 段落【0035】−【0036】 「【0035】 本実施形態では、上述したように、3層のレイヤを用い、上位側レイヤに描画される画面データが優先的に表示されるようにして、表示画面を形成している。この場合、上位側レイヤ(レイヤ1及びレイヤ2)に描画されるアイコンやスイッチ形状に対してαブレンド値(透過率)を設定することにより、その背景画面にかかわらず、ユーザには、下位のレイヤ3に描画される画面データが透けて見えるようになる。なお、αブレンドとは、画像処理の分野において公知の技術であり、上位側の画面の表示色を係数(透過率)を使って背景画面と混合して、半透明となるように合成することをいう。ただし、係数によっては、上位側の画面を完全な透明(無色)から、完全な不透明(背景の色をまったく通さない)まで変化させることができる。 【0036】 従って、各操作スイッチの操作頻度に応じた透過率を設定することにより、背景画面が固定であろうと、変化するものであろうと、操作頻度に応じた透過度で操作スイッチが表示できる。例えば、相対的に操作頻度が高い場合には、透過率を低く(ゼロを含む)設定することにより、操作スイッチを明瞭に表示することができる。一方、相対的に操作頻度が低い場合には、透過率を高く(100%を含む)設定することにより、背景画面に溶け込ませて目立たせなくすることができる。従って、何ら背景画面の制限を受けることなく、操作頻度に応じた認識のしやすさを持つ態様で各操作スイッチを表示することができるのである。」 5 引用文献5 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5には、図面とともに、次の事項が記載されている。 (1) 段落【0040】−【0044】 「【0040】 ここで、図6Aに示すように、圧力を加えず入力装置1の操作面5に指を接触させた段階において、中央のバーチャルボタンB1の右下部分に指が接触している場合(図16Aと同じ状態)を考える。 このとき、指の接触位置が中央のバーチャルボタンB1に対応しているので、このバーチャルボタンB1が選択されている。このとき、指との接触面11は小さく、この接触面11及び解釈された指の位置12が、いずれも初期値のバーチャルボタンB1(図4参照)の内部にある。 【0041】 なお、図6Aに示すように、指の操作面5への接触だけで圧力が弱い状態においては、指を操作面5上で動かすことにより、選択されるバーチャルボタンを変えたり、表示装置の表示画面をスクロールさせたりすることが可能である。 【0042】 次に、指によって少し圧力を加えた場合には、選択されているバーチャルボタンB1も、圧力に合わせて拡張される。具体的には、図6Bに示すように、バーチャルボタンB1の境界線L1,L2,L3,L4を上下左右に広げることによって、バーチャルボタンB1を拡張している。これにより、図5Bに示すように、指との接触面11が少し広がって、解釈された指の位置12が下に少し移動しても、指との接触面11及び解釈された指の位置12が、いずれもバーチャルボタンB1の内部にある。選択されているボタンB1が拡張される代わりに、下に隣接するバーチャルボタンB2等、周囲のバーチャルボタンは縮小される。 【0043】 次に、指により強い圧力を加えた場合には、図6Cに示すように、指との接触面11がさらに広がり、解釈された指の位置12もさらに下に少し移動するが、選択されているバーチャルボタンB1も圧力に合わせて大きく拡張されるので、指との接触面11及び解釈された指の位置12が、いずれもバーチャルボタンB1の内部にある。 【0044】 図6B及び図6Cに示したように、バーチャルボタンB1が拡張される際には、図4Bのボタン群20の中央のボタンB11の大きさを拡張するようにボタン21の境界線L11,L12,L13,L14を移動させる処理を行う。この処理に連動して、入力装置1の操作面5の中央のバーチャルボタンB1も拡張される。このとき、圧力検出回路42で検出した圧力の大きさと、予め設定されている、圧力に対するバーチャルボタンの大きさの変化のさせ方とに基づいて、処理が行われる。」 (2) 【図6】 「 」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1) 対比 本願発明1と、引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 ア 引用発明の「小型機器」は、「ユーザは、液晶画面3に表示された“B”ボタンを入力するために、“B”ボタンに指先を合わせて液晶画面3のタッチパネル5に接触」するから、本願発明1の「タッチ入力装置」に相当する。 イ 引用発明の「タッチパネル5」は、本願発明1の「タッチスクリーン」に相当する。 ウ 引用発明の「“A”から“L”までの文字入力ボタン」は、本願発明1の「アイコン」に相当する。 引用発明の「反応領域」は、「ボタン毎に生成され、ユーザが操作したボタンを特定するために制御部15によって用いられる座標データであ」るから、本願発明1の「前記タッチスクリーン上の少なくとも1つのアイコンを含む第1領域」に相当する。 よって、引用発明の「第1のユーザアクセスで“B”ボタンが操作されたと制御部15により特定されると、表示制御部11は、該当する“B”ボタンを拡大表示し」、「接触操作されたときにその操作されたボタンの表示形態を操作前と異ならせて表示するようにしたが、操作されたボタン以外のボタンの表示形態を変更するようにして操作されたボタンか否かを識別できるようにしてもよく、操作されていないボタンの表示を淡くしたり、消去したり、あるいは色を変更するなどすること」は、本願発明1の「前記タッチスクリーン上の少なくとも1つのアイコンを含む第1領域に入力されるタッチの第1タッチ時間情報に応答して前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズが変更されるように制御し、前記タッチスクリーン上の前記第1領域を除いた残りの領域である第2領域に含まれる少なくとも1つのアイコンの透明度が変更されるよう制御」することと、「前記タッチスクリーン上の少なくとも1つのアイコンを含む第1領域に入力されるタッチの第1の操作に応答して前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズが変更されるように制御し、前記タッチスクリーン上の前記第1領域を除いた残りの領域である第2領域に含まれる少なくとも1つのアイコンの表示形態が変更されるよう制御し」である点で共通するといえる。 エ 引用発明の「制御部15」は、本願発明1の「プロセッサ」に相当する。 よって、上記「ウ」を踏まえると、引用発明の「制御部15」が、「表示制御部11は、該当する“B”ボタンを拡大表示し、ユーザは、入力しようとする“B”ボタンを操作できていることが確認できると、“B”ボタンを押下し、この押下操作をスイッチ7、すなわち第2操作検出部14が検出すると、制御部15は、この“B”ボタンに対する押下操作をユーザによる確定操作と判定」することは、本願発明1の「前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンが変更された後、前記第1領域に連続的に入力される第2タッチ時間情報に応答して前記第1領域に含まれた前記少なくとも1つのアイコンが前記第2タッチ時間情報に対応する動作を実行するように制御するプロセッサ」と、「前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンが変更された後、前記第1領域に連続的に入力される第2の操作に応答して前記第1領域に含まれた前記少なくとも1つのアイコンが前記第2の操作に対応する動作を実行するように制御するプロセッサ」である点で共通するといえる。 オ 上記「ウ」を踏まえると、引用発明の「第1のユーザアクセスで“B”ボタンが操作されたと制御部15により特定されると、表示制御部11は、該当する“B”ボタンを拡大表示し」、「接触操作されたときにその操作されたボタンの表示形態を操作前と異ならせて表示するようにしたが、操作されたボタン以外のボタンの表示形態を変更するようにして操作されたボタンか否かを識別できるようにしてもよく、操作されていないボタンの表示を淡くしたり、消去したり、あるいは色を変更するなどすること」は、本願発明1の「前記プロセッサは」、「前記第1部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第1部分に入力されるタッチの前記第1タッチ時間情報に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度を変更する、制御を行うように構成され」ることと、「前記第1領域にタッチが入力されたときに、前記第1領域に入力されるタッチの前記第1の操作に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの表示形態を変更する、制御を行うように構成され」る点で共通するといえる。 (2) よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。 [一致点] 「タッチ入力装置において、 タッチスクリーンと、 前記タッチスクリーン上の少なくとも1つのアイコンを含む第1領域に入力されるタッチの第1の操作に応答して前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズが変更されるように制御し、前記タッチスクリーン上の前記第1領域を除いた残りの領域である第2領域に含まれる少なくとも1つのアイコンの表示形態が変更されるよう制御し、 前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンが変更された後、前記第1領域に連続的に入力される第2の操作に応答して前記第1領域に含まれた前記少なくとも1つのアイコンが前記第2の操作に対応する動作を実行するように制御するプロセッサと、 を含み、 前記プロセッサは、 前記第1領域にタッチが入力されたときに、前記第1領域に入力されるタッチの前記第1の操作に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの表示形態を変更する、制御を行うように構成された、 タッチ入力装置。」 [相違点1] 本願発明1では、「前記タッチスクリーン上の少なくとも1つのアイコンを含む第1領域に入力されるタッチの第1タッチ時間情報に応答して前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズが変更されるように制御し、前記タッチスクリーン上の前記第1領域を除いた残りの領域である第2領域に含まれる少なくとも1つのアイコンの透明度が変更されるよう制御」するのに対して、引用発明では、タッチの「第1タッチ時間情報」に応答して、アイコンの「透明度」を変更していない点。 [相違点2] 本願発明1では、「前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンが変更された後、前記第1領域に連続的に入力される第2タッチ時間情報に応答して前記第1領域に含まれた前記少なくとも1つのアイコンが前記第2タッチ時間情報に対応する動作を実行するように制御する」のに対して、引用発明では、「第2タッチ時間情報」に応答して、アイコンに対応する動作を実行していない点。 [相違点3] 本願発明1では、「前記第1タッチ時間情報は、前記第1領域に前記タッチが第1時間以上維持されたことを示す情報であり」、「前記第2タッチ時間情報は、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズおよび前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度が変更された後に、前記第1領域に前記タッチが第2時間以上維持されたことを示す情報であ」るのに対して、引用発明では、「第1タッチ時間情報」、「第2タッチ時間情報」を用いない点。 [相違点4] 本願発明1では、「前記第1領域が、前記少なくとも1つのアイコンの縁の内部に位置する第1部分と、該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの内側において所定の距離だけ隔てた内縁と該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの外側において所定の距離だけ隔てた外縁とによって囲まれる第2部分と、を含み、 前記プロセッサは、 前記第1部分に対するタッチ入力が、前記第2部分に対するタッチ入力により行われる動作とは異なる動作に対応する、制御を行うように構成され、 前記第1部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第1部分に入力されるタッチの前記第1タッチ時間情報に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度を変更する、制御を行うように構成され、 前記第2部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第2部分に入力されるタッチの第3タッチ時間情報に応答して、前記第1領域の該第2部分に対応する動作を実行する、制御を行うように構成され、 前記第3タッチ時間情報は、前記第1領域の前記第2部分にタッチが入力された後、該第2部分に該タッチが第3時間維持されたことを示す情報である」のに対して、引用発明では、第1領域が、第1部分と第2部分とを含まず、また、第2部分にタッチが第3時間維持されたことに応答して、第2部分に対応する動作を行わない点。 (3) 当審の判断 事案に鑑みて、上記[相違点4]について、先に検討する。 本願発明1の上記[相違点4]に係る、「前記第1領域が、前記少なくとも1つのアイコンの縁の内部に位置する第1部分と、該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの内側において所定の距離だけ隔てた内縁と該少なくとも1つのアイコンの該縁から該少なくとも1つのアイコンの外側において所定の距離だけ隔てた外縁とによって囲まれる第2部分と、を含み、 前記プロセッサは、 前記第1部分に対するタッチ入力が、前記第2部分に対するタッチ入力により行われる動作とは異なる動作に対応する、制御を行うように構成され、 前記第1部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第1部分に入力されるタッチの前記第1タッチ時間情報に応答して、前記第1領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンのサイズを変更し、前記第2領域に含まれる前記少なくとも1つのアイコンの透明度を変更する、制御を行うように構成され、 前記第2部分にタッチが入力されたときに、前記第1領域の該第2部分に入力されるタッチの第3タッチ時間情報に応答して、前記第1領域の該第2部分に対応する動作を実行する、制御を行うように構成され、 前記第3タッチ時間情報は、前記第1領域の前記第2部分にタッチが入力された後、該第2部分に該タッチが第3時間維持されたことを示す情報である」構成は、上記引用文献1−5には記載されておらず、周知技術であるともいえない。 引用文献2(上記第5の2参照。)には、タッチ操作の継続に応じて、アイコンを段階的に(徐々に)拡大し、拡大が完了すると、文字入力を実行することが開示されており、引用文献3、引用文献4(上記第5の3、4参照。)には、特定のアイコンを目立たせるために、他のアイコンの透明度を変更する周知技術が開示されており、引用文献5には、特定のアイコンを拡大した場合に、他のアイコンの形状を縮小する変形を行う周知技術が開示されているものの、本願発明1の上記[相違点4]の構成は開示していない。 したがって、[相違点1]−[相違点3]について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2−5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2−4について 本願発明2−4も、本願発明1の上記[相違点4]の構成と、(実質的に)同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2−5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明1−4は、当業者が引用発明及び引用文献2−5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2023-01-06 |
出願番号 | P2019-514738 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
P 1 8・ 55- WY (G06F) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
▲吉▼田 耕一 |
特許庁審判官 |
石井 則之 稲葉 和生 |
発明の名称 | ユーザインタフェース提供のためのタッチ入力方法及び装置 |
代理人 | 安藤 健司 |
代理人 | 市川 祐輔 |
代理人 | 金山 賢教 |
代理人 | 城山 康文 |
代理人 | 櫻田 芳恵 |
代理人 | 川嵜 洋祐 |
代理人 | 飯野 陽一 |
代理人 | 坪倉 道明 |
代理人 | 市川 英彦 |
代理人 | 重森 一輝 |
代理人 | 岩瀬 吉和 |
代理人 | 小野 誠 |