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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A23L 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A23L |
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管理番号 | 1394006 |
総通号数 | 14 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2023-02-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2022-02-16 |
確定日 | 2022-11-21 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6923467号発明「レトルト容器詰調味用組成物及びその使用」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6923467号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−7〕について訂正することを認める。 特許第6923467号の請求項2ないし7に係る特許を維持する。 特許第6923467号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6923467号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成30年2月27日を出願日とする特許出願であって、令和3年8月2日にその特許権の設定登録(請求項の数7)がされ、同年同月18日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許に対し、令和4年2月16日に特許異議申立人 角田 朗(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされ、同年6月23日付けで取消理由が通知され、同年8月19日に特許権者 キッコーマン株式会社(以下、「特許権者」という。)より訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされるとともに意見書の提出がされ、同年同月26日付けで特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知を行ったところ、特許異議申立人より何ら応答がなかったものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである。(下線は、訂正箇所について合議体が付したものである。) (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に、 「前記組成物は、照焼食品を調理するための組成物である、請求項1に記載の組成物。」 と記載されているのを、 「醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを含有し、かつ、該醤油の含有量は該ターメリックの含有量よりも多い量である、レトルト容器詰調味用組成物であって、 前記ターメリックは、ショウガ科ウコン属の多年草(Curcuma longa)の根茎を乾燥した粉末である、照焼食品を調理するための前記組成物。」 に訂正する。 (請求項2の記載を直接又は間接的に引用して特定する請求項3ないし7も同様に訂正する。) (3) 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載の組成物。」と記載されているのを、[請求項2に記載の組成物。」に訂正する。 (請求項3の記載を直接又は間接的に引用して特定する請求項4ないし7も同様に訂正する。) (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。」と記載されているのを、「請求項2〜3のいずれか1項に記載の組成物。」に訂正する。 (請求項4の記載を引用して特定する請求項5ないし7も同様に訂正する。) (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを原料として含む、照焼食品。」と記載されているのを、「請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを原料として含む、照焼食品。」に訂正する。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を含む、照焼食品の製造方法。」と記載されているのを、「請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を含む、照焼食品の製造方法。」に訂正する。 (7) 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7に「請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理する工程を含む、照焼食品の風味を改善する方法。」と記載されているのを、「請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理する工程を含む、照焼食品の風味を改善する方法。」に訂正する。 (8) 一群の請求項について 訂正前の請求項1ないし7について、請求項2ないし7は請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであるので、訂正前の請求項1ないし7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1) 訂正事項1について 訂正事項1に係る請求項1の訂正は、請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1に係る請求項1の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 (2) 訂正事項2について 訂正事項2に係る請求項2の訂正は、訂正事項1に係る請求項1の訂正により請求項1が削除されたことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項に改めるものである。 そして、訂正事項2に係る請求項2の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 請求項2の記載を直接又は間接的に引用して特定する請求項3ないし7についても同様である。 (3) 訂正事項3 訂正事項3に係る請求項3の訂正は、引用先の請求項から請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項3に係る請求項3の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 請求項3の記載を直接又は間接的に引用して特定する請求項4ないし7についても同様である。 (4) 訂正事項4 訂正事項4に係る請求項4の訂正は、引用先の請求項から請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項4に係る請求項4の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 請求項4の記載を引用して特定する請求項5ないし7についても同様である。 (5) 訂正事項5 訂正事項5に係る請求項5の訂正は、引用先の請求項から請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項5に係る請求項5の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 (6) 訂正事項6 訂正事項6に係る請求項6の訂正は、引用先の請求項から請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項6に係る請求項6の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 (7) 訂正事項7 訂正事項7に係る請求項7の訂正は、引用先の請求項から請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項7に係る請求項7の訂正が、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことも明らかである。 3 訂正についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−7〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2のとおり、訂正後の請求項〔1−7〕について訂正することを認めるので、本件特許の請求項1ないし7に係る発明(以下、「本件特許発明1」ないし「本件特許発明7」という。また、総称して「本件特許発明」という。)は、令和4年8月19日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】(削除) 【請求項2】 醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを含有し、かつ、該醤油の含有量は該ターメリックの含有量よりも多い量である、レトルト容器詰調味用組成物であって、 前記ターメリックは、ショウガ科ウコン属の多年草(Curcuma longa)の根茎を乾燥した粉末である、照焼食品を調理するための前記組成物。 【請求項3】 前記組成物は、0.01wt%以上0.12wt%未満のターメリックを含有する、及び/又は、0.1wt%以上のチキンエキスを含有する組成物である、請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 前記組成物は、1.0wt%以上の醤油を含有する、請求項2〜3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを原料として含む、照焼食品。 【請求項6】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を含む、照焼食品の製造方法。 【請求項7】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理する工程を含む、照焼食品の風味を改善する方法。」 第4 特許異議申立理由の概要 特許異議申立人が申し立てた請求項1ないし7に係る特許に対する特許異議申立理由の要旨(下記(1)及び(2))は、次のとおりである。 (1) 申立理由1(甲第1号証を根拠とする新規性) 本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、その特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 (2) 申立理由2(甲第1号証を主たる根拠とする進歩性) 本件特許の請求項2ないし7に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 (3) 証拠方法 ・甲第1号証:「楽団長のレトルトカレー図鑑 土佐はちきん地鶏『カレーうどんの素』(高知県/2011)」、2016年7月22日、https://ameblo.jp/gakudancrescent/entry-12183018380.html ・甲第2号証:「タンドリーチキン」、2017年8月26日、https://cookpad.com/recipe/4233336 ・甲第3号証:「カレーパウダー 商品カタログトップ ハウス食品」、https://housefoods.jp/products/catalog/cd_l,085425,spice,curpd,house.htm1 ・甲第4号証:「カレー 37g 赤缶カレー粉 S&Bエスビー食品株式会社」 https://www.sbfoods.co.jp/products/detail/86219.html ・甲第5号証:「ターメリック/うこん/Turmeric スパイス&ハーブ検索 S&Bエスビー食品株式会社」 https://www.sbfoods.co.jp/sbsoken/jiten/search/detail/00031.html ・甲第6号証:特開2003−169644号公報 ・甲第7号証:特開平6−339364号公報 なお、証拠の表記については、おおむね特許異議申立書の記載にしたがった。 第5 令和4年6月23日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の概要 請求項1、3及び4に係る特許に対して、当審が令和4年6月23日付け取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。なお、取消理由には、申立理由1及び申立理由2のうち請求項3及び4に係る部分が包含される。 (1) 取消理由1(甲第1号証を根拠とする新規性) 本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、その特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 (2) 取消理由2(甲第1号証を主たる根拠とする進歩性) 本件特許の請求項1、3及び4に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 第6 当審の判断 1 令和4年6月23日付け取消理由通知で通知した取消理由について 上記第2のとおり、令和4年8月19日に提出された訂正請求書による訂正により、取消理由に係る請求項のうち請求項1は削除され、また、請求項3及び4はいずれも、取消理由のない請求項2を直接又は間接的に引用するものに減縮された。 よって、取消理由1、2はいずれも解消された。 2 令和4年6月23日付け取消理由通知で採用しなかった特許異議申立理由について 令和4年6月23日付け取消理由通知で採用しなかった特許異議申立理由は、申立理由2のうち請求項2、請求項2を直接又は間接的に引用する請求項3ないし7に係る部分である。 以下、検討する。 (1) 甲第1号証の記載事項 甲第1号証には、商品名「土佐はちきん地鶏 カレーうどんの素」と称するカレーソースの画像が開示され、併せて、その原材料などについて下記の記載がある。 「原材料名 野菜(玉葱、人参、ソテーオニオン、生姜、にんにく)、平茸、乳成分を主要原料とする食品、鶏肉、トマトケチャップ、チャツネ、しょうゆ、でん粉、植物油脂、生クリーム、砂糖、チキンエキス、醸造調味料、食塩、風味原料(鰹節、雑節、いわし節、昆布、さば節、そうだ鰹節)、カレー粉、コーンスターチ…」 「◎この商品はレトルトパウチ食品です。」 (2) 甲第1号証に記載された発明 上記(1)の記載をまとめると、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 「しょうゆと、カレー粉と、チキンエキスを含有するレトルトパウチ食品である、カレーソース。」 (3) 対比・判断 ア 本件特許発明2について 本件特許発明2と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「カレーソース」は、レトルト容器に詰められたものであって、カレーうどんの素、即ち調味用組成物であるから、本件特許発明2の「レトルト容器詰調味用組成物」に相当する。 すると、両者は、 「醤油と、チキンエキスとを含有するレトルト容器詰調味用組成物」 で一致し、次の点で相違する。 (相違点1) レトルト容器詰調味用組成物に関し、本件特許発明2は「ターメリック」を含有するものであって、「ターメリックは、ショウガ科ウコン属の多年草(Curcuma longa)の根茎を乾燥した粉末である」と特定するのに対し、甲1発明はそのような特定がない点。 (相違点2) レトルト容器詰調味用組成物に関し、本件特許発明2は「該醤油の含有量は該ターメリックの含有量よりも多い量である」と特定するのに対し、甲1発明はそのような特定がない点。 (相違点3) レトルト容器詰調味用組成物に関し、本件特許発明2は「照焼食品を調理するための前記組成物」と特定されるのに対し、甲1発明はそのような特定がない点。 事案に鑑み、まず相違点3について検討する。 甲1発明は甲第1号証に記載されているとおり、「土佐はちきん地鶏 カレーうどんの素」と称する商品としてのカレーソースである。 つまりカレーうどんとするためのカレーソースであることからみても、甲1発明を、相違点3に係る本件特許発明2に特定するような「照焼食品を調理する」用途に用いる動機がない。また、全ての証拠の記載をみても、カレーソースを照焼食品に適用することが通常行われていると伺わせる記載もない。 そして、本件特許発明2は、その特定事項を満たすことにより、「醤油を含有しつつも、レトルト臭が低減されたレトルト容器詰調味用組成物を提供する」との格別の効果を奏するものである。 なお、特許異議申立人は、甲第2号証をあげつつ、カレーうどんスープをタンドリーチキン(照焼食品)の調理に用いることは知られているから、甲第1号証に記載された「カレーうどんの素」を用いて、甲第2号証にあるように、タンドリーチキン、即ち照焼食品の調理に適用する動機付けがある旨主張(特許異議申立書第11ないし12頁)する。 しかしながら、甲第2号証の「材料」の欄にあるように、甲第2号証で用いることが想定されているのは、「カレーうどんスープ(カレー粉)」であって、甲1発明のようなカレーソースではない。 そして、甲1発明は、甲第1号証に 「調理方法 ●袋の封を切らずに、袋のまま沸騰したお湯の中で約5〜6分温めてください。 ・・・(略)・・・ ●あたたかいうどんにかけてお召し上がりください。」 と、専ら、カレーソースを温め、そのまま、温めたうどんにかけることが想定されるものであることからみても、甲1発明のカレーソースを、照焼食品の調理に適用する動機付けがあるとはいえない。 よって、特許異議申立人の上記主張は採用しない。 してみれば、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件特許発明3ないし7について 本件特許発明3ないし7はいずれも、請求項2の記載を直接又は間接的に引用して特定するものである。 そして、上記アで検討のとおり、本件特許発明2は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許発明2の全ての特定事項を含む本件特許発明3ないし7も同様に、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4) 申立理由2についてのまとめ 上記(3)のとおりであるから、申立理由2はその理由がない。 第7 結語 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項2ないし7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項2ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 請求項1に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項1に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(削除) 【請求項2】 醤油と、ターメリックと、チキンエキスとを含有し、かつ、該醤油の含有量は該ターメリックの含有量よりも多い量である、レトルト容器詰調味用組成物であって、 前記ターメリックは、ショウガ科ウコン属の多年草(Curcuma lona)の根茎を乾燥した粉末である、照焼食品を調理するための前記組成物。 【請求項3】 前記組成物は、0.01wt%以上0.12wt%未満のターメリックを含有する、及び/又は、0.1wt%以上のチキンエキスを含有する組成物である、請求項2に記載の組成物。 【請求項4】 前記組成物は、1.0wt%以上の醤油を含有する、請求項2〜3のいずれか1項に記載の組成物。 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを原料として含む、照焼食品。 【請求項6】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理することにより、照焼食品を得る工程を含む、照焼食品の製造方法。 【請求項7】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物と照焼食品の食材とを混合したものを、加熱調理する工程を含む、照焼食品の風味を改善する方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2022-11-04 |
出願番号 | P2018-033642 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YAA
(A23L)
P 1 651・ 121- YAA (A23L) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
平塚 政宏 |
特許庁審判官 |
植前 充司 三上 晶子 |
登録日 | 2021-08-02 |
登録番号 | 6923467 |
権利者 | キッコーマン株式会社 |
発明の名称 | レトルト容器詰調味用組成物及びその使用 |
代理人 | 森本 敏明 |
代理人 | 森本 敏明 |