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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1396031 |
総通号数 | 16 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2023-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-04-20 |
確定日 | 2023-03-23 |
事件の表示 | 特願2018− 77908「画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月24日出願公開、特開2019−185566〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成30年4月13日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和3年10月26日付け:拒絶理由通知書 令和3年12月14日: 意見書、手続補正書の提出 令和4年 2月25日付け:拒絶査定 令和4年 4月20日: 審判請求書、手続補正書の提出 令和4年10月 4日付け:拒絶理由通知書(以下、「当審拒絶理由」と いう。) 令和4年11月25日: 意見書、手続補正書の提出 2 本願発明 本願の請求項1ないし6に係る発明は、令和4年11月25日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「表示領域を備えた表示部と、 前記表示領域に対するタッチ操作を受け付ける操作部と、 複数の画像と、前記複数の画像それぞれに操作者により設定された所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納する格納部と、 前記格納部に格納されている画像番号のうち、先頭の画像番号が一端に配置され、最終の画像番号が他端に配置された画像番号表示エリアと、前記格納部に格納されている画像を表示する画像表示エリアとを含む表示画面を前記表示領域に表示する表示制御部と、を備え、 前記表示制御部は、前記画像番号表示エリアへのタッチ操作が行われると、前記格納部に格納されている画像番号の中から、前記画像番号表示エリアにおける前記一端から前記他端に向かう方向における前記タッチ操作によるタッチ位置と、前記最終の画像番号とに基づいて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定し、該特定した画像番号に対応付けて前記格納部に格納されている画像を前記画像表示エリアに表示し、 前記画像番号表示エリアは、所定方向に延在し、 前記表示制御部は、前記所定方向に延在し、前記画像番号表示エリアの一端を原点とする座標系における、前記画像番号表示エリアの一端から前記タッチ位置までの距離と、前記画像番号表示エリアの一端から他端までの距離との比に、前記最終の画像番号を乗算し、計算結果が小数点以下の数値を含む場合には小数点以下を切り上げて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定することを特徴とする画像表示装置。」 3 拒絶の理由 令和4年10月4日付けで当審が通知した拒絶理由の理由1(進歩性)は、次のとおりのものである。 この出願の請求項1−6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1: 特開2013−222334号公報 引用文献2: 特開平9−198224号公報(周知技術を示す文献) 4 引用文献の記載及び引用発明 (1) 引用文献1の記載 当審拒絶理由で引用された、引用文献1には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 ア 【図2】 「 ![]() 」 イ 段落【0051】−【0056】 「【0051】 図2は、文書閲覧装置10の電気系概略構成を示している。文書閲覧装置10は、当該文書閲覧装置10の動作を統括制御する制御部としてのCPU11に、表示部17が配下に接続された表示コントローラ12と、操作部13と、通信部14と、メモリ15と、ROM(Read Only Memory)16とを接続して構成される。また、文書閲覧装置10の各部に電源を供給する電池18を備えている。 【0052】 表示部17は、前述したメモリ表示デバイスで構成される。表示コントローラ12は、各種の制御信号や表示データを表示部17に与えてその表示内容の書き換え等を制御する。実際の表示内容となる画面はCPU11が作成する。操作部13は、表示部17の表示面S上に設けられ、指やペンなどによって押下された位置を検出するタッチパネルのほか、文書閲覧装置10の表示面Sの周囲の縁部等に配置された操作スイッチなどで構成される。 【0053】 文書閲覧装置10では、タッチパネルを通じてユーザの手書きによる文字、図形などの手書きオブジェクトの入力を受けることができる。タッチパネルの検知方式は、静電容量、アナログ/デジタル抵抗膜、赤外線、超音波、電磁誘導等、任意でよい。 【0054】 通信部14は、無線通信によりネットワークと接続し、情報処理装置5や印刷装置7などの外部装置と通信する機能を果たす。 【0055】 ROM16には、各種プログラムやデータが格納され、これらのプログラムに従ってCPU11が各種の処理を実行することで文書閲覧装置10としての各機能が実現される。メモリ15はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや表示データを一時記憶するメモリとして使用される。 【0056】 文書閲覧装置10は、情報処理装置5などの外部装置から受信した文書を表示対象の文書としてメモリ15に登録する。何らかの文書が表示対象に登録された状態でさらに別の文書を受信すると、その文書も表示対象の文書として追加登録される。文書閲覧装置10は、このようにして表示対象として登録された1または複数の文書の中から選択された任意の1ページを表示し、このページに対して手書きの書き込みや修正を受け付けるようになっている。」 ウ 【図3】 「 ![]() 」 エ 段落【0057】−【0069】 「【0057】 図3は、文書閲覧装置10の表示部17に表示される標準画面20の構成を示している。標準画面20には、その左上の隅に寄せて、該標準画面20の約8割の面積を占める文書表示領域21が配置されている。文書表示領域21には、表示対象の文書の任意の1ページが表示される。 【0058】 文書表示領域21の下方には、表示対象として登録されている文書の数やページ数、現在表示中のページのページ位置などを表示するほか、ページの選択操作などを受けるための探索情報表示領域22が設けられている。 【0059】 探索情報表示領域22には、表示対象にされた各文書に対応するページ指定オブジェクトが表示される。ページ指定オブジェクトは、1つの文書の中で任意のページの指定操作を受けるためのオブジェクトである。ここでは、ページ指定オブジェクトを、棒状の文書バーとする。文書バーは、その全長が1つの文書の全体に対応し、全長の中の位置がその文書の中のページ位置を表している。文書バーの左端が先頭ページに、右端が最終ページに対応するものとする。たとえば、ある文書バーが30ページの文書に対応している場合、この文書バーの全長は当該30ページの文書全体に対応しており、左端から3分の1の位置は、文書の先頭から10ページ目のページ位置に対応する。 【0060】 図3の例では、表示対象にされた複数の文書の文書バー(ページ指定オブジェクト)を連結した連結ページ指定オブジェクトとして、シークバー23が表示されている。シークバー23は、全長が固定長の真っ直ぐな棒形状をなしており、表示対象にされている複数の文書全体を表している。表示対象の文書が複数ある場合、固定長のシークバー23は、文書の数と同数の複数の区間に区分される。各区間は前述した1つの文書バー(1つのページ指定オブジェクト)に相当する。各区間の長さの比率は、表示対象の複数の文書のページ数の比率に対応する。 【0061】 図3の例は、表示対象の文書として、第1文書(30ページ)、第2文書(17ページ)、第3文書(15ページ)の3つが登録されている場合を示している。シークバー23は、左端から、第1文書に対応する文書バーとしての区間23a、第2文書に対応する文書バーとしての区間23b、第3文書に対応する文書バーとしての区間23cの3つに区分されている。区間23aと区間23bと区間23cの長さの比は、ページ数の比率に従って、30:17:15になっている。この3つの文書のトータルページ数は62ページであり、シークバー23の全長を固定長Lとした場合、区間23aの長さLaは、La=L×30÷62、区間23bの長さLbはLb=L×17÷62、区間23cの長さLcは、Lc=L×15÷62、にされる。 【0062】 一般式で表す。シークバー23の固定長(全長)をL、任意の区間nに対応する文書のページ数Pn、トータルページ数Gとすれば、区間nの長さLnは、 Ln=L×Pn÷G …(1)式 となる。 【0063】 なお、シークバー23の中での文書(区間)の並びは、先に登録された文書ほど左端寄りになるようになっている。 【0064】 シークバー23上のインジケータ24は、現在表示中のページの位置を示している。 【0065】 シークバー23の右端の右隣には、当該シークバー23が表している表示対象の文書全体のトータルページ数25が表示される。 【0066】 表示対象の文書のうち、表示中のページを含む文書については、その区間の右端部下方に、表示中のページの当該文書中のページ位置と当該文書のページ数とを、ページ数を分母とする分数形式で表した、詳細文書情報26が表示される。表示対象の文書のうち、表示中のページを含む文書以外の文書については、その文書のページ数を示すページ数情報27が表示される。 【0067】 さらに、手書きの行われたページに対応するシークバー23上の箇所にはマーカ28が表示される。 【0068】 探索情報表示領域22の右横には、表示中のページを1ページ進めるための進む釦31、および1ページ戻すための戻る釦32が表示されている。 【0069】 文書表示領域21の右側の領域には、削除釦33、移動釦34、送信釦35、メモ追加釦36などが縦に配列されている。」 オ 【図4】 「 ![]() 」 カ 段落【0070】−【0077】 「【0070】 次に、探索情報表示領域22における表示内容の遷移等について説明する。 【0071】 図4は、表示対象の文書が何もない初期状態から、表示対象の文書を順次追加した場合におけるシークバー23等の変遷を示している。 【0072】 図4(a)は、表示対象の文書が何も登録されていない初期状態における探索情報表示領域22の表示状態を示している。シークバー23は区分されない、1本の横棒として表示され、トータルページ数25は「0」になっている。インジケータ24、詳細文書情報26、ページ数情報27、マーカ28は表示されない。 【0073】 図4(b)は、初期状態から1個目の表示対象の文書(第1文書:30ページとする)を登録した直後の状態を示している。シークバー23は区分されず1本の棒状のままである。トータルページ数25は「P30」と表示される。登録直後は、この文書の1ページ目が文書表示領域21に表示される。そのため、インジケータ24はシークバー23の右端(当審注:「左端」の誤記と認める。)に位置し、詳細文書情報26は「1/30」となる。 【0074】 図4(c)は、その後、図3に示した進む釦31を押下して、2ページ目を表示させた状態を示している。インジケータ24が1ページ分、右に移動し、詳細文書情報26は「2/30」になっている。 ・・・(中略)・・・ 【0077】 このように、シークバー23の任意の箇所をタッチするだけで、そのタッチ位置を含む区間に対応する文書、およびその文書の中の、該タッチ位置に対応するページを指定して、表示中のページを変更することができる。すなわち、表示対象の文書が複数ある場合でも、まず文書を選択し、次にその文書の中のページを選択する、といった2段階の選択操作を行う必要がなく、1度の操作で、所望の文書の所望のページを選択することができる。」 キ 【図10】 「 ![]() 」 ク 【図11】 「 ![]() 」 ケ 段落【0102】−【0115】 「【0102】 次に、表示対象に登録されている文書やページを移動させて並び順を変更する手順について説明する。 【0103】 前述したように、文書は外部装置から受信した順(登録順)にリスト化された一連の文書群として扱われ、リストの先頭の文書から順に、シークバー23の左端から右方向に配列される。文書閲覧装置10では、登録順にリスト化された文書やページの並び順を、文書単位もしくはページ単位に移動させて変更することができる。 【0104】 図10は、表示対象に登録されている文書またはページを移動する場合のユーザ手順および探索情報表示領域22の表示状態の遷移を示している。まず、ユーザは移動釦34を押下操作し(図10(a))、次に、シークバー23上の、移動したい文書またはページに対応する位置をタッチする(図10(b))。 【0105】 この操作を行うと、 「このドキュメントを移動しますか? Yes/No このページを移動しますか? Yes/No」 といった確認メッセージが表示される(図10(c))。この問い合わせに対してユーザはドキュメント移動に対応する「Yes」またはページ移動に対応する「Yes」を選択する。 【0106】 次に、ユーザは、シークバー23上で移動先に対応する位置をタッチする(図10(d))。ここで、先ほどの確認メッセージに対してドキュメント移動に対応する「Yes」が押下されていた場合は、区間の境界位置(シークバー23の左右の端部も含む)の中でこのタッチ位置に最も近い境界位置が移動先に設定され、その移動先を指して「このドキュメント間に挿入しますか? Yes/No」といったメッセージが表示される(図10(e))。ここで、ユーザが「Yes」を選択すると、移動対象の文書が、移動先に対応する文書間(もしくは先頭または末尾)に移動される(図10(f))。図10は、文書を移動させる場合を示しており、移動対象の文書に対応する区間に斜線を施してある。 【0107】 図11は、文書閲覧装置10による移動処理の流れを示している。文書閲覧装置10は、移動釦34の押下を検出すると(ステップS401)、移動対象を指示するためのタッチ操作を受ける(ステップS402)。具体的には、シークバー23の該当箇所へのタッチ操作を受ける。 【0108】 次に、移動対象が文書かページかをユーザに問い合わせる(ステップS403)。 【0109】 文書を移動する旨の操作を受けた場合は(ステップS404;Yes)、シークバー23へのタッチによる移動先の指定を受け付け、区間の境界位置(シークバー23の左右の端部も含む)の中でこのタッチ位置に最も近い境界位置を移動先に設定する(ステップS405)。 【0110】 次に、この設定した移動先を指して、この位置に文書を移動するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS406)。この問い合わせに対して「No」の選択を受けると(ステップS406;No)、本処理を終了する。この問い合わせに対して「Yes」の選択を受けた場合は(ステップS406;Yes)、シークバー23上において、移動対象の文書を移動先の文書間等に挿入するように移動対象の文書に対応する区間を移動させる(ステップS407)。また、これに従うように、メモリ上にリスト化されて登録されている文書の並び順を変更して(ステップS408)、処理を終了する。 【0111】 ページを移動する旨の操作を受けた場合は(ステップS404;No)、S409;Yes)、シークバー23へのタッチによる移動先の指定を受け付け、そのタッチ位置に最も近いページの境界位置を移動先に設定する(ステップS410)。 【0112】 次に、この設定した移動先を指して、この位置にページを移動するか否かをユーザに問い合わせる(ステップS411)。この問い合わせに対して「No」の選択を受けると(ステップS411;No)、本処理を終了する。この問い合わせに対して「Yes」の選択を受けた場合は(ステップS411;Yes)、シークバー23上において、移動対象のページを移動先のページ間に挿入するように表示を変更する(ステップS412)。 【0113】 具体的には、移動先が移動前と同じ文書内であれば、区間の移動はない。移動によってインジケータ24の位置を移動させる必要があれば、インジケータ24の位置を変更する。一方、ページを別の文書内に移動させる場合、移動元の文書に対応する区間の長さを1ページ分短くし、移動先の文書に対応する区間を1ページ分長くするように変更する。また、必要に応じてインジケータ24の表示位置や詳細文書情報26等を変更する。 【0114】 その後、メモリ上に登録されている文書内のページの並び順を変更して(ステップS413)、処理を終了する。 【0115】 このように、シークバー23の任意の箇所をタッチするだけで、そのタッチした箇所に対応する文書やページを移動対象に選択したり、移動先の位置を指定することができるので、表示対象の文書が複数ある場合でも、まず文書を選択し、次にその文書の中のページを選択する、といった2段階の選択操作を行うことなく、所望の文書の所望のページを移動対象に選択したり、移動先を指定したりすることができる。」 (2) 引用発明 よって、上記各記載事項を関連図面に照らし、下線部に着目すれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「文書閲覧装置10は、当該文書閲覧装置10の動作を統括制御する制御部としてのCPU11に、表示部17が配下に接続された表示コントローラ12と、操作部13と、通信部14と、メモリ15と、ROM(Read Only Memory)16とを接続して構成され、 操作部13は、表示部17の表示面S上に設けられ、指やペンなどによって押下された位置を検出するタッチパネルのほか、文書閲覧装置10の表示面Sの周囲の縁部等に配置された操作スイッチなどで構成され、 文書閲覧装置10は、情報処理装置5などの外部装置から受信した文書を表示対象の文書としてメモリ15に登録し、 文書閲覧装置10は、表示対象として登録された1または複数の文書の中から選択された任意の1ページを表示し、このページに対して手書きの書き込みや修正を受け付けるようになっており、 文書閲覧装置10の表示部17に表示される標準画面20には、その左上の隅に寄せて、該標準画面20の約8割の面積を占める文書表示領域21が配置され、文書表示領域21には、表示対象の文書の任意の1ページが表示され、 文書表示領域21の下方には、表示対象として登録されている文書の数やページ数、現在表示中のページのページ位置などを表示するほか、ページの選択操作などを受けるための探索情報表示領域22が設けられ、 探索情報表示領域22には、表示対象にされた各文書に対応するページ指定オブジェクトが表示され、ここでは、ページ指定オブジェクトを、棒状の文書バーとし、文書バーは、その全長が1つの文書の全体に対応し、全長の中の位置がその文書の中のページ位置を表しており、文書バーの左端が先頭ページに、右端が最終ページに対応し、たとえば、ある文書バーが30ページの文書に対応している場合、この文書バーの全長は当該30ページの文書全体に対応しており、左端から3分の1の位置は、文書の先頭から10ページ目のページ位置に対応し、 シークバー23の右端の右隣には、当該シークバー23が表している表示対象の文書全体のトータルページ数25が表示され、 表示対象の文書のうち、表示中のページを含む文書については、その区間の右端部下方に、表示中のページの当該文書中のページ位置と当該文書のページ数とを、ページ数を分母とする分数形式で表した、詳細文書情報26が表示され、 文書表示領域21の右側の領域には、削除釦33、移動釦34などが縦に配列され、 初期状態から1個目の表示対象の文書(第1文書:30ページとする)を登録した直後の状態では、シークバー23は区分されず1本の棒状のままであり、トータルページ数25は「P30」と表示され、登録直後は、この文書の1ページ目が文書表示領域21に表示され、そのため、インジケータ24はシークバー23の左端に位置し、詳細文書情報26は「1/30」となり、 シークバー23の任意の箇所をタッチするだけで、その文書の中の、該タッチ位置に対応するページを指定して、表示中のページを変更することができ、 文書閲覧装置10では、登録順にリスト化された文書やページの並び順を、文書単位もしくはページ単位に移動させて変更することができ、 表示対象に登録されている文書またはページを移動する場合、 まず、ユーザは移動釦34を押下操作し、 次に、シークバー23上の、移動したい文書またはページに対応する位置をタッチし、 次に、ユーザは、シークバー23上で移動先に対応する位置をタッチし、 シークバー23上において、移動対象のページを移動先のページ間に挿入するように表示を変更し、必要に応じてインジケータ24の表示位置や詳細文書情報26等を変更し、 その後、メモリ上に登録されている文書内のページの並び順を変更して(ステップS413)、処理を終了する、 文書閲覧装置10。」 (3) 引用文献2の記載 当審拒絶理由で引用された、引用文献2には、図面とともに、下記の記載がある。 ア 段落【0022】 「【0022】ここで図2に移ると、図2には、範囲スライダ・バー構成要素およびサブレンジ・スライダ・バー構成要素が図示されており、これは、本発明によって図1の表示装置38に表示されるグラフィック・ユーザ・インターフェースの一部を形成する。図示の範囲スライダ・バー42とサブレンジ・スライダ・バー44は、当技術分野で既知のスライダ・バーに類似の特性を有し、たとえば、図1のマウス26またはキーボード24の矢印キーを含む他の適当なポインティング装置を用いて、スライダ・バーの軸に沿ってアイコンを直線的に移動して、ユーザ・インターフェース内の変化を引き起こすことができる。具体的に言うと、3つの範囲スライダの組を、範囲スライダ・バー42に対して上下に移動することができ、副次的なサブレンジ・スライダ58を、サブレンジ・スライダ・バー44に沿って垂直に移動することができる。この図では、スライダ・バーのそれぞれに2つの別々の範囲が関連することに留意されたい。具体的に言うと、0ないし3000の範囲が、範囲スライダ・バー42に関連し、サブレンジ1691ないし171が、サブレンジ・スライダ・バー44に関連する。範囲スライダ・バーの最小範囲値は最小範囲値ウィンドウ54に、最大範囲値は最大範囲値ウィンドウ56に表示される。同様に、サブレンジの最小値および最大値は、サブレンジ・スライダ・バー44の両端に表示され、サブレンジ最小値はサブレンジ最小値ウィンドウ60に、サブレンジ最大値はサブレンジ最大値ウィンドウ62に表示される。」 イ 【図2】 「 ![]() 」 5 対比 本願発明と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。 (1) 引用発明の「標準画面20」が表示される「表示部17」は、本願発明の「表示領域を備えた表示部」に相当する。 (2) 引用発明の「表示部17の表示面S上に設けられ、指やペンなどによって押下された位置を検出するタッチパネル」などで構成される「操作部13」は、本願発明の「前記表示領域に対するタッチ操作を受け付ける操作部」に相当する。 (3) 引用発明の「標準画面20」の「文書表示領域21」に表示される「表示対象の文書の任意の1ページ」と、その「ページ数」とは、ここで、文章や図表などを含む「文書」は、一般に、表示部で「画像」として表示されるから、本願発明の「画像」と、その「画像番号」とに相当する。 ここで、引用発明では、「情報処理装置5などの外部装置から受信した文書を表示対象の文書としてメモリ15に登録し」、「シークバー23の任意の箇所をタッチするだけで、その文書の中の、該タッチ位置に対応するページを指定して、表示中のページを変更することができ」るから、「メモリ15」において、「文書」の各「ページ」と、その「ページ数」とが、何らかの手段で互いに「対応づけて」記憶されていることは明らかであるといえる。 よって、引用発明の「メモリ15」は、本願発明の「複数の画像と、前記複数の画像それぞれに操作者により設定された所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納する格納部」と、「複数の画像と、前記複数の画像それぞれに所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納する格納部」である点で、少なくとも共通するといえる。 (4) 引用発明の「当該文書閲覧装置10の動作を統括制御する制御部としてのCPU11」、及び、「表示部17が配下に接続された表示コントローラ12」は、全体として、本願発明の「表示制御部」に相当する。 引用発明の「標準画面20」において、「文書表示領域21の下方に」ある「表示対象として登録されている文書の数やページ数、現在表示中のページのページ位置などを表示するほか、ページの選択操作などを受けるための探索情報表示領域22」、及び、「左上の隅に寄せて」あり「該標準画面20の約8割の面積を占める文書表示領域21」は、それぞれ、本願発明の「画像番号表示エリア」、及び、「画像表示エリア」に相当する。 よって、引用発明の「文書閲覧装置10の表示部17に表示される標準画面20には、その左上の隅に寄せて、該標準画面20の約8割の面積を占める文書表示領域21が配置され、文書表示領域21には、表示対象の文書の任意の1ページが表示され、 文書表示領域21の下方には、表示対象として登録されている文書の数やページ数、現在表示中のページのページ位置などを表示するほか、ページの選択操作などを受けるための探索情報表示領域22が設けられ、 探索情報表示領域22には、表示対象にされた各文書に対応するページ指定オブジェクトが表示され、ここでは、ページ指定オブジェクトを、棒状の文書バーとし、文書バーは、その全長が1つの文書の全体に対応し、全長の中の位置がその文書の中のページ位置を表しており、文書バーの左端が先頭ページに、右端が最終ページに対応し、たとえば、ある文書バーが30ページの文書に対応している場合、この文書バーの全長は当該30ページの文書全体に対応しており、左端から3分の1の位置は、文書の先頭から10ページ目のページ位置に対応し、 シークバー23の右端の右隣には、当該シークバー23が表している表示対象の文書全体のトータルページ数25が表示され、 表示対象の文書のうち、表示中のページを含む文書については、その区間の右端部下方に、表示中のページの当該文書中のページ位置と当該文書のページ数とを、ページ数を分母とする分数形式で表した、詳細文書情報26が表示され」ることは、本願発明の「前記格納部に格納されている画像番号のうち、先頭の画像番号が一端に配置され、最終の画像番号が他端に配置された画像番号表示エリアと、前記格納部に格納されている画像を表示する画像表示エリアとを含む表示画面を前記表示領域に表示する表示制御部」と、「前記格納部に格納されている画像番号のうち、最終の画像番号が他端に配置された画像番号表示エリアと、前記格納部に格納されている画像を表示する画像表示エリアとを含む表示画面を前記表示領域に表示する表示制御部」である点で共通するといえる。 (5) 引用発明の「探索情報表示領域22には、表示対象にされた各文書に対応するページ指定オブジェクトが表示され、ここでは、ページ指定オブジェクトを、棒状の文書バーとし、文書バーは、その全長が1つの文書の全体に対応し、全長の中の位置がその文書の中のページ位置を表しており、文書バーの左端が先頭ページに、右端が最終ページに対応し、たとえば、ある文書バーが30ページの文書に対応している場合、この文書バーの全長は当該30ページの文書全体に対応しており、左端から3分の1の位置は、文書の先頭から10ページ目のページ位置に対応し、 シークバー23の右端の右隣には、当該シークバー23が表している表示対象の文書全体のトータルページ数25が表示され、 表示対象の文書のうち、表示中のページを含む文書については、その区間の右端部下方に、表示中のページの当該文書中のページ位置と当該文書のページ数とを、ページ数を分母とする分数形式で表した、詳細文書情報26が表示され、 文書表示領域21の右側の領域には、削除釦33、移動釦34などが縦に配列され、 初期状態から1個目の表示対象の文書(第1文書:30ページとする)を登録した直後の状態では、シークバー23は区分されず1本の棒状のままであり、トータルページ数25は「P30」と表示され、登録直後は、この文書の1ページ目が文書表示領域21に表示され、そのため、インジケータ24はシークバー23の左端に位置し、詳細文書情報26は「1/30」となり、 シークバー23の任意の箇所をタッチするだけで、その文書の中の、該タッチ位置に対応するページを指定して、表示中のページを変更することができ」ることは、本願発明の「前記表示制御部は、前記画像番号表示エリアへのタッチ操作が行われると、前記格納部に格納されている画像番号の中から、前記画像番号表示エリアにおける前記一端から前記他端に向かう方向における前記タッチ操作によるタッチ位置と、前記最終の画像番号とに基づいて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定し、該特定した画像番号に対応付けて前記格納部に格納されている画像を前記画像表示エリアに表示し」ていることと、「前記表示制御部は、前記画像番号表示エリアへのタッチ操作が行われると、前記格納部に格納されている画像番号の中から、前記画像番号表示エリアにおける前記一端から前記他端に向かう方向における前記タッチ操作によるタッチ位置に基づいて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定し、該特定した画像番号に対応付けて前記格納部に格納されている画像を前記画像表示エリアに表示し」ている点で共通するといえる。 (6) 引用発明の「探索情報表示領域22には、表示対象にされた各文書に対応するページ指定オブジェクトが表示され、ここでは、ページ指定オブジェクトを、棒状の文書バーとし、文書バーは、その全長が1つの文書の全体に対応し、全長の中の位置がその文書の中のページ位置を表しており、文書バーの左端が先頭ページに、右端が最終ページに対応し」ていることは、本願発明の「前記画像番号表示エリアは、所定方向に延在し」ていることに相当する。 (7) 引用発明の「文書閲覧装置10」は、本願発明の「画像表示装置」に相当する。 (8) したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点・相違点があるといえる。 [一致点] 「表示領域を備えた表示部と、 前記表示領域に対するタッチ操作を受け付ける操作部と、 複数の画像と、前記複数の画像それぞれに所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納する格納部と、 前記格納部に格納されている画像番号のうち、最終の画像番号が他端に配置された画像番号表示エリアと、前記格納部に格納されている画像を表示する画像表示エリアとを含む表示画面を前記表示領域に表示する表示制御部と、を備え、 前記表示制御部は、前記画像番号表示エリアへのタッチ操作が行われると、前記格納部に格納されている画像番号の中から、前記画像番号表示エリアにおける前記一端から前記他端に向かう方向における前記タッチ操作によるタッチ位置に基づいて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定し、該特定した画像番号に対応付けて前記格納部に格納されている画像を前記画像表示エリアに表示し、 前記画像番号表示エリアは、所定方向に延在する、 ことを特徴とする画像表示装置。」 [相違点1] 「格納部」において、本願発明では、「複数の画像と、前記複数の画像それぞれに操作者により設定された所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納する」のに対して、引用発明では、画像番号が「操作者により設定された」ものであることが明確には特定されていない点。 [相違点2] 「画像番号表示エリア」において、本願発明では、「前記格納部に格納されている画像番号のうち、先頭の画像番号が一端に配置され、最終の画像番号が他端に配置され」るのに対して、引用発明では、「先頭の画像番号が一端に配置され」ていない点。 [相違点3] 本願発明では、「タッチ位置と、前記最終の画像番号とに基づいて」、タッチ位置に応じた画像番号を特定するのに対して、引用発明では、「最終の画像番号」に基づくことが特定されていない点。 [相違点4] 本願発明では、さらに、「前記表示制御部は、前記所定方向に延在し、前記画像番号表示エリアの一端を原点とする座標系における、前記画像番号表示エリアの一端から前記タッチ位置までの距離と、前記画像番号表示エリアの一端から他端までの距離との比に、前記最終の画像番号を乗算し、計算結果が小数点以下の数値を含む場合には小数点以下を切り上げて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定する」のに対して、引用発明では、距離の比と最終の画像番号の乗算の小数点以下を切り上げて、画像番号を特定していない点。 6 当審の判断 (1) [相違点1]について 一般に、文書等を、必要に応じてユーザがページ単位で編集することは、例えば、プレゼン資料作成アプリやワープロなど各種のアプリケーションが通常備える機能であって、文献を挙げるまでもない、周知技術である。 よって、引用発明における「情報処理装置5などの外部装置から受信した文書を表示対象の文書としてメモリ15に登録」される「文書」として、必要に応じて、ユーザがページ単位で編集する周知技術を適用した「文書」を用いることによって、画像番号が「操作者により設定された」ものである、上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。 また、引用発明に上記周知技術を適用するまでもなく、引用発明は、「移動釦34」を備えて、「文書閲覧装置10では、登録順にリスト化された文書やページの並び順を、文書単位もしくはページ単位に移動させて変更することができ、 表示対象に登録されている文書またはページを移動する場合、 まず、ユーザは移動釦34を押下操作し、 次に、シークバー23上の、移動したい文書またはページに対応する位置をタッチし、 次に、ユーザは、シークバー23上で移動先に対応する位置をタッチし、 シークバー23上において、移動対象のページを移動先のページ間に挿入するように表示を変更し、必要に応じてインジケータ24の表示位置や詳細文書情報26等を変更し、 その後、メモリ上に登録されている文書内のページの並び順を変更して(ステップS413)、処理を終了する」機能を備えている(図10−図11を参照。)。 よって、引用発明が有している上記機能を実行して、「メモリ上に登録されている文書内のページの並び順を変更」することによって、画像番号が「操作者により設定された」ものである、上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。 (2) [相違点2]について 一般に、スライダーバー、シークバー、スクロールバー等の各種のバー表示において、バーの両端に対応する数値を表示することは、引用文献2の段落【0022】、図2(特に、「最小範囲値ウィンドウ54」、「最大範囲値ウィンドウ56」、「サブレンジ最小値ウィンドウ60」、「サブレンジ最大値ウィンドウ62」を参照。)に記載されるように周知技術である。 したがって、引用発明において、表示されるスライダーバー、シークバー、スクロールバー等のバーの両端に対応する数値を表示する周知技術を採用することによって、上記[相違点2]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。 (3) [相違点3]について 引用発明は、「たとえば、ある文書バーが30ページの文書に対応している場合、この文書バーの全長は当該30ページの文書全体に対応しており、左端から3分の1の位置は、文書の先頭から10ページ目のページ位置に対応し」、「シークバー23の任意の箇所をタッチするだけで、その文書の中の、該タッチ位置に対応するページを指定して、表示中のページを変更することができ」るものであるから、引用発明は、「文書バーの全長」に対する、文書バーの左端からのタッチ位置までの距離の比(例えば、「3分の1」)と同じ比率となるように、文書全体のページ数(例えば、「30ページ」)に対する、文書の先頭からのページ数(例えば、「文書の先頭から10ページ目」)のページを表示するものである。 よって、引用発明のものも、上記比率を計算する際に、実質的に、文書全体のページ数(本願発明の「最終の画像番号」に対応する。)を用いているといえる。 したがって、上記[相違点3]は、実質的な相違点ではない。 (4) [相違点4]について 上記[相違点3]について述べたとおり、引用発明は、「文書バーの全長」に対する、文書バーの左端からのタッチ位置までの距離の比(例えば、「3分の1」)と同じ比率となるように、文書全体のページ数(例えば、「30ページ」)に対する、文書の先頭からのページ数(例えば、「文書の先頭から10ページ目」)のページを表示するものである ここで、上記の比率によって、表示するページを計算することは、「前記画像番号表示エリアの一端を原点とする座標系における、前記画像番号表示エリアの一端から前記タッチ位置までの距離と、前記画像番号表示エリアの一端から他端までの距離との比に、前記最終の画像番号を乗算し」ていることにほかならない。 また、「ページ数」は「整数」であるから、表示するページの計算の結果が小数点以下の値を含む場合、小数点以下の丸め処理が必要なことは明らかであって、文献を挙げるまでもない周知技術である「切り上げ」処理を行うことによって、「前記表示制御部は、前記所定方向に延在し、前記画像番号表示エリアの一端を原点とする座標系における、前記画像番号表示エリアの一端から前記タッチ位置までの距離と、前記画像番号表示エリアの一端から他端までの距離との比に、前記最終の画像番号を乗算し、計算結果が小数点以下の数値を含む場合には小数点以下を切り上げて、前記タッチ位置に応じた画像番号を特定する」,上記[相違点4]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。 (5) さらに、本願発明の効果も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が予測し得る範囲内のものである。 (6) よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (7) 請求人の主張について ア 請求人は、意見書において、以下のように述べ、本願発明は、引用文献1−2に記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、進歩性を有する旨主張している。 「つまり、引用文献1では、審判長殿もご認識の通り、「文書」の各「ページ」と、その「ページ数」とが、何らかの手段で対応付けられていることは推認されますが、引用文献1には、本願発明のように、複数の画像と、複数の画像それぞれに操作者により設定された所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納することは記載されていません。 本願の当初明細書の段落0025に記載されているように、画像表示装置が表示する画像としては、例えば、測定器の測定結果を示す画像があります。測定器が電力測定器である場合を例とすると、測定器の測定結果を示す画像としては、例えば、測定器による電力、電圧、電流など測定値を示す画像(図9A)、電流、電圧の波形表示を示す画像(図9B)、ベクトル表示を示す画像(図9C)、バーグラフ表示を示す画像(図9D)、トレンド表示を示す画像(図9E)、表示領域を二分割し、各分割領域に上述した異なる態様で測定結果を示す画像など、種々の態様の画像があります。 本願発明においては、このような種々の態様の複数の画像と、複数の画像それぞれに操作者により設定された所定の順番で割り当てられた画像番号とを対応付けて格納することで、操作者は、操作者が予め設定しておいた所望の画像番号に対応する画像を速やかに表示させるための操作を行うことができるという顕著な効果を奏します。「文書」の各「ページ」とその「ページ数」とを対応付けて格納するにすぎない引用文献1に基づくだけでは、このような効果を得ることはできません。 このように、本願発明は、引用文献1−2には開示も示唆も無い構成を有し、本構成を有することにより、引用文献1−2に記載の発明を組み合わせたとしても得ることのできない顕著な効果を奏するものであります。」 イ しかしながら、上記「6 当審の判断」「(1) [相違点1]について」で述べたとおり、引用発明における「メモリ15に登録」される「文書」として、必要に応じて、ユーザがページ単位で編集する周知技術を適用した「文書」を用いることによって、画像番号が「操作者により設定された」ものである、上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。 ウ また、上記「6 当審の判断」「(1) [相違点1]について」で述べたとおり、引用発明に上記周知技術を適用するまでもなく、引用発明において、引用発明が備えている「メモリ上に登録されている文書内のページの並び順を変更」する機能を実行することによって、画像番号が「操作者により設定された」ものである、上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が容易に推考し得ることである。 エ 請求人の主張における「操作者は、操作者が予め設定しておいた所望の画像番号に対応する画像を速やかに表示させるための操作を行うことができる」という効果は、「メモリ上に登録されている文書内のページの並び順を変更」する機能を備える引用発明、及び、ユーザがページ単位で文書を編集する周知技術において奏する効果から予想し得る範囲内のものである。 オ したがって、請求人の上記主張は採用できない。 7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 |
審理終結日 | 2023-01-23 |
結審通知日 | 2023-01-24 |
審決日 | 2023-02-06 |
出願番号 | P2018-077908 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G06F)
|
最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
中野 裕二 |
特許庁審判官 |
富澤 哲生 稲葉 和生 |
発明の名称 | 画像表示装置、画像表示方法および画像表示プログラム |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 杉村 憲司 |