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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61F 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 A61F |
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管理番号 | 1396049 |
総通号数 | 16 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2023-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-04-27 |
確定日 | 2023-03-08 |
事件の表示 | 特願2019−505198「カセット圧力の非侵襲的測定のためのシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月 8日国際公開、WO2018/042366、令和 1年 9月19日国内公表、特表2019−526314〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)8月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年(平成28年)9月1日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和 3年 6月14日付け:拒絶理由通知書 令和 3年 9月17日 :意見書及び手続補正書の提出 令和 3年12月21日付け:拒絶査定 令和 4年 4月27日 :審判請求書及び同時に手続補正書の提出 令和 4年 9月 7日 :上申書の提出 第2 令和4年4月27日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年4月27日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、以下のとおりである(下線は、補正箇所であり、当審が付与したものである。)。 「【請求項1】 物質を患者と交換するためのカセットであって、壁及び反射器を含み、前記壁は、正圧と負圧の両方を含む非周囲カセット内圧に応答して偏向を受けるように構成される、カセットと、 前記カセットと結合されるコンソールと、 正圧と負圧の両方を決定し、前記コンソールと結合される干渉計型圧力検知システムであって、光源及び検出器を含み、前記光源は、前記反射器で反射される光の第1の部分及び前記反射器を迂回する光の第2の部分を提供し、前記第1の部分及び前記第2の部分は、再結合して干渉パターンを形成し、前記偏向は、前記検出器によって検出可能な前記干渉パターンのシフトに対応する、干渉計型圧力検知システムと を含む外科システム。」 (2)本件補正前の、令和3年9月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、以下のとおりである。 「【請求項1】 物質を患者と交換するためのカセットであって、壁及び反射器を含み、前記壁は、正圧と負圧の両方を含む非周囲カセット内圧に応答して偏向を受けるように構成される、カセットと、 前記カセットと結合されるコンソールと、 前記コンソールと結合される干渉計型圧力検知システムであって、光源及び検出器を含み、前記光源は、前記反射器で反射される光の第1の部分及び前記反射器を迂回する光の第2の部分を提供し、前記第1の部分及び前記第2の部分は、再結合して干渉パターンを形成し、前記偏向は、前記検出器によって検出可能な前記干渉パターンのシフトに対応する、干渉計型圧力検知システムと を含む外科システム。」 2 補正の適否について 本件補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「干渉計型圧力検知システム」について、「正圧と負圧の両方を決定し、」と特定するものであって、補正前の請求項1に係る発明と本件補正発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また、本件補正は、同条第3項及び第4項の規定に違反するものではない。 そこで、本件補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)のとおりである。 (2)引用文献、引用発明及び周知の技術 (2−1)原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特表2016−502877号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審が付与したものである。以下同様。)。 ア「【0017】 本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法は、外科用コンソールに交換式カセットを一定および安全に取り付ける。いくつかの例示的な態様では、カセット間で比較的少ないずれでカセットを定位置に安全に保持するように、それらが設置される。開示される実施形態では、このことは、吸引および灌注圧力センサが、白内障の手術中の流体ポンプおよびバルブの作動中に、正確な圧力測定値を得ることを可能にし得る。」 イ「【0020】 図1は、概して100と指定された、例示的な乳化外科用コンソールを示す。コンソール100は、コンピュータユニット103を有する基部ハウジング102を含み、関連表示画面104は、乳化外科的手法中のシステム動作および実行に関するデータを示す。コンソール100は、共に使用されて乳化外科的手法を実行する多数のシステムも含む。例えば、システムは、例えば、フットペダル108、柔軟な管材114を通って眼の灌注および吸引のいずれも行う単一の流量制御ポンプを持つ流体カセット112を含む流体システム110、および角針付きの超音波発振ハンドピース118を含む超音波ジェネレータシステムを含む、フットペダルシステム106を含む。これらのシステムは並行し協同して白内障外科的手法の様々な態様を実行する。 【0021】 図2は、流体システム110の一部を形成するカセットクランプシステム150を示し、図3は、部分的に分解された状態のカセットクランプシステム150を示す。カセットクランプシステム150は、手術部位にまたはそこから灌注流体および吸引流体を運搬するように使用される流体カセットを収容し固定するように構成される。」 ウ「【0038】 中央表面230は、流体カセットの形体を収容するように構成される陥凹した部分を含み、流体カセットがモータおよびポンプアセンブリ158の形体と係合することを可能にする。例えば、中央表面230は、バルブ駆動陥凹234およびポンプヘッド陥凹または通路236を含む。流体カセットは、バルブ駆動陥凹234中に突出する突出形体を有するように成形される。次いで、それは、係合し、モータおよびポンプアセンブリ158から突出するバルブ駆動238によって駆動され得る。バルブ駆動陥凹234は、光開口部240も含み、側方に延在している開口部としてここでは示される。光開口部240を通って、例えば、光圧力センサ等のカメラは、流体カセット上の隔壁移動を検出して圧力および/または流体カセットを通る流量を監視する。加えて、いくつかの実施形態では、光開口部240は、レーザ検出を使用して、流体カセットがカセットクランプシステム150に固定されたときを判定するように構成される。光開口部240を通って検出される流体カセットがない場合、モータおよびポンプアセンブリ158は、ポンプ作動するコマンドが、コンソール100での入力によって提供される場合であってもそのように動作しない。」 エ「 ![]() 」 これらの事項ア〜エを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「外科用コンソール100に流体カセット112を一定および安全に取り付けてなり、 流体カセット112を定位置に安全に保持することで、吸引および灌注圧力センサが、正確な圧力測定値を得ることを可能にし得るものであり、 外科用コンソール100は、柔軟な管材114を通って眼の灌注および吸引のいずれも行う単一の流量制御ポンプを持ち、手術部位にまたはそこから灌注流体および吸引流体を運搬するように使用される流体カセット112を含む、流体システム110を含み、 光圧力センサ等のカメラは、流体カセット112上の隔壁移動を検出して圧力を監視する、 システム。」 (2−2)本願の優先権主張の日前における周知技術の例として示す特開平5−172738号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。 「【0016】一方、測定装置部2の構成は以下のようになっている。すなわち、この測定装置部2では、上記可撓性膜16の膨出量を測定することにより、試料11から発せられる疎密波に伴う気体の圧力変動を測定するもので、まず、可撓性膜16が取り付けられた側の容器本体3の外壁の周縁に、さらに外方に向けて突出する筒状の側壁部20が一体に延出形成されており、その側壁部20の先端開口部20aに平板状のガラス板21が固着されている。そして、これら容器本体3の可撓性膜16が取付けられた外壁面,側壁部20並びにガラス板21にて空間22が画成されている。 【0017】また、ガラス板21の外側には、二光束干渉計たるマイケルソン干渉計25を配置している。すなわち、光源26から出射される光束が、可撓性膜16の中央部に対し直交状態で照射されるような位置に係る光源26を配設し、さらに係る光束上にコリメータレンズ27並びにビームスプリッタ28を配置している。なお、本例では光源26として、単色光を発するレーザダイオードを用いている。 【0018】また、ビームスプリッタ28を基準として上記光源26から出射された光束に直交する一方側には、固定鏡29が配設され、また、他方側には、集光レンズ30並びに光電検出器32が略同一線上に配設されている。 【0019】係る構成をとることにより、本例における光学系では、光源26から出射した単色光がコリメータレンズ27を介して平行光線にされた後、マイケルソン干渉計25を構成するビームスプリッタ28に入射される。すると、入射された光が分割されその一部はビームスプリッタ28にて反射され、その光路が90度変更され固定鏡29に至り、そこにおいて再度反射され、同一光路を経てビームスプリッタ28に戻る。 【0020】また、上記入射された光の内の残部はビームスプリッタ28を透過してそのまま直進し、可撓性膜16の外側表面に形成された反射鏡16aに当接した後、反射されてビームスプリッタ28に戻る。そして、上記固定鏡29並びに可撓性膜16の反射鏡16aにて反射されて戻ってきた両光がビームスプリッタ28にて干渉し、その干渉光33がビームスプリッタ28より出射され、その出射された干渉光33を集光レンズ30を介して光電検出器32に集光させ、干渉光33の強度を測定するようになっている。」 「【0028】そして、本発明では、上記した可撓性膜16の膨出量を測定装置部2を用いて検出するのであるが、まず、図2に基づいて測定装置部2の要部をなすマイケルソン干渉計25の動作原理を説明する。上述したごとく光源26から出射された光束は、ビームスプリッタ28にて二光束に分割され、それぞれが固定鏡29並びに反射鏡(移動鏡)16aにて反射された後ビームスプリッタ28に戻り、そこにおいて両光が合成されて干渉波形を生じる。 【0029】そして、得られる干渉波形は、ビームスプリッタ28の中心Oから固定鏡29までの光学的距離aと、中心Oから反射鏡16aまでの光学的距離bとが等しい場合に最も明るい干渉状態となり、係る時に光電検出器32の出力も最大となる。そして、反射鏡(移動鏡)16aが移動すると、上記両者の光学的距離が異なり、本例のごとく干渉しあう光の波長、すなわち、光源26から出射される光の波長が1つ(単色光)の場合には、かかる等距離の位置を原点として左右に波長に応じた周期を持つ余弦関数となる(同図(B)参照)。そして、波長が大きいほど周期も大きくなる。 【0030】ところで、試料11からの熱拡散にともない可撓性膜16が膨出すると、図中想像線で示すようにその可撓性膜16の外側表面に設けられた反射鏡16aがビームスプリッター28側に近付くことになり、ビームスプリッタ28からの距離aが短くなる。これにより、固定鏡29までの距離bとの相対関係から、干渉状態が変動し、光電検出器32の出力電圧が変動する。すなわち、仮に、電磁波の入射がないとき(可撓性膜16が平坦)にビームスプリッタ28から両鏡16a,29までの距離a,bを等しく設定しておけば、光電検出器32から得られる出力電圧は、入射がないときに最大値となり、電磁波のエネルギーが大きくなるにつれて出力電圧値が減少する。また、逆に最大エネルギーの時の可撓性膜16の膨出位置のときに上記両距離を等ししたり、あるいは、入射がないときに出力が零となるような位置に設定することにより、試料11の熱拡散にともなう疎密波(密閉空間9内の圧力変動)が大きくなるにつれて出力電圧値も大きくすることができる。その結果、光電検出器32の出力電圧を検出することにより、可撓性膜16の膨出量、すなわち、試料11の特性(性質)を測定することができる。」 「【0078】また、光源としてレーザーを用いた場合には、発熱が少く(消費エネルギーが少い)、指向性並びにエネルギー密度の高い光束を用いて干渉を生じさせるため、干渉性の高い明瞭な干渉縞を得ることができ、高いS/N比が得られる。」 「 ![]() 」 (2−3)上記(2−2)の記載を踏まえると、内部で圧力の変動が生じることによる容器の外壁の移動量の計測手段として干渉計型検知システムを用いる次の技術事項は、本願の優先権主張の日前に周知の技術といえる。 「容器内の圧力の変動を、当該容器の外壁に設けた板状部材の膨出量を測定することによって検知する技術であって、当該板状部材に設けた反射鏡と、マイケルソン干渉計とを用い、光源から出射されビームスプリッタを経由して、二方向に分割されてそれぞれ進行する光束のうち、当該反射鏡を経由せず、再度ビームスプリッタを経由して検出器に至るまでの光路長が変化しない第1の光束と、当該反射鏡での反射を経て、上記の膨出によって、再度ビームスプリッタを経由して検出器に至るまでの光路長が変化する第2の光束とが、ビームスプリッタにおいて干渉し、その干渉光により検出器において得られる干渉縞の変化から上記膨出量を測定することによる技術。」 (3)対比・判断 本件補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「流体カセット112」は、その機能及び構造からみて、本件補正発明の「カセット」に相当し、また、「外科用コンソール100」は「コンソール」に相当する。そして、引用発明の「流体カセット112を」「取り付けてな」る「外科用コンソール100」は、本件補正発明の「前記カセットと結合されるコンソール」に相当する。 引用発明の「手術部位にまたはそこから灌注流体および吸引流体を運搬するように使用される流体カセット112」は、手術部位が手術を受ける患者のそれであることを踏まえれば、本件補正発明の「物質を患者と交換するためのカセット」に相当する。 引用発明は、「灌注流体および吸引流体を運搬するように使用される流体カセット112」内の圧力の変動に応答して生じる「隔壁移動を検出して圧力を監視する」ものであるから、灌注する場合の流体の正圧と、吸引する場合の負圧とを測定の対象としていることが明らかである。 そして、引用発明の「流体カセット112上の隔壁」は、本件補正発明の「カセット」が含む「壁」に相当し、引用発明の、「隔壁移動を検出して圧力を監視」する「流体カセット112」は、流体カセット112内の圧力に応答してその隔壁が移動、すなわち偏向するものであるから、本件補正発明の「前記壁は、正圧及び負圧の両方を含む非周囲カセット内圧に応答して偏向を受けるように構成される、カセット」に相当する。 また、引用発明の「灌注流体および吸引流体を運搬するように使用される流体カセット112」「上の隔壁移動を検出して圧力を監視する」態様は、流体カセット112内の正圧と負圧の両方を検知するシステムと表現できるものであるから、本件補正発明の「前記壁は、」「正圧と負圧の両方を決定」する「圧力検知システム」に相当する。 そして、引用発明の「システム」は、本件補正発明の「外科システム」に相当する。 そうすると、両者は、 「物質を患者と交換するためのカセットであって、壁を含み、前記壁は、正圧と負圧の両方を含む非周囲カセット内圧に応答して偏向を受けるように構成される、カセットと、 前記カセットと結合されるコンソールと、 正圧と負圧の両方を決定する圧力検知システムと を含む外科システム。」 である点で一致し、次の各点で相違する。 [相違点1] 本件補正発明では、カセットは「反射器を含」むのに対し、引用発明では、流体カセット112はそのように特定されない点。 [相違点2] 圧力検知システムにおいて、本件補正発明では、「前記コンソールと結合される干渉計型圧力検知システムであって、光源及び検出器を含み、前記光源は、前記反射器で反射される光の第1の部分及び前記反射器を迂回する光の第2の部分を提供し、前記第1の部分及び前記第2の部分は、再結合して干渉パターンを形成し、前記偏向は、前記検出器によって検出可能な前記干渉パターンのシフトに対応する、干渉計型圧力検知システム」であるのに対し、引用発明では、「光圧力センサ等のカメラ」である点。 上記相違点1、2について検討する。 引用発明は、流体カセット112内の圧力を測定する手段として、「流体カセット112上の隔壁移動を検出して圧力を監視する」「光圧力センサ等のカメラ」が用いられるところ、光圧力センサにおける、隔壁の移動を検出するための具体構成については特定されていない。 ここで、上記(2−3)に記載した技術は周知の技術であるところ、当該技術と、上記相違点2に係る本件補正発明の構成との対応関係をみると、前者の「反射鏡」は後者の「反射器」に相当し、以下同様に、「当該反射鏡での反射を経て、上記の膨出によって、再度ビームスプリッタを経由して検出器に至るまでの光路長が変化する第2の光束」は「前記反射器で反射される光の第1の部分」に、「当該反射鏡を経由せず、再度ビームスプリッタを経由して検出器に至るまでの光路長が変化しない第1の光束」は「前記反射器を迂回する光の第2の成分」に、「ビームスプリッタにおいて干渉し、その干渉光により検出器において得られる干渉縞」は「再結合して干渉パターンを形成し」に、「干渉光により検出器において得られる干渉縞の変化から上記膨出量を測定する」は「前記偏向は、前記検出器によって検出可能な前記干渉パターンのシフトに対応する」に、それぞれ相当する。 そうすると、上記周知の技術は、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成である干渉計型圧力検知システムであるといえる。 そして、引用発明において、圧力を監視するための流体カセット112上の隔壁移動の検出手段として、「光圧力センサ等のカメラ」に代えて上記周知の技術を用い、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項であるといえる。 (4)効果の検討 そして、本件補正発明の奏する効果は、引用発明及び上記周知の技術の奏する効果から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (5)小活 よって、本件補正発明は、引用発明及び上記周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しない。したがって、本件補正は、同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2の[理由]1の(2)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定における拒絶の理由は、本願発明は、引用発明、及び上記引用文献2に例示される周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。 3 引用文献、引用発明及び周知の技術 前記第2の[理由]2の(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「正圧と負圧の両方を決定し、」との特定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2の(3)に記載したとおり、引用発明及び上記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び上記周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび したがって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 審判長 内藤 真徳 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。 |
審理終結日 | 2022-10-04 |
結審通知日 | 2022-10-11 |
審決日 | 2022-10-25 |
出願番号 | P2019-505198 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A61F)
P 1 8・ 55- Z (A61F) |
最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
内藤 真徳 |
特許庁審判官 |
井上 哲男 栗山 卓也 |
発明の名称 | カセット圧力の非侵襲的測定のためのシステム及び方法 |
代理人 | 胡田 尚則 |
代理人 | 三橋 真二 |
代理人 | 渡辺 陽一 |
代理人 | 南山 知広 |
代理人 | 鶴田 準一 |
代理人 | 青木 篤 |