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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1396140
総通号数 16 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-06-20 
確定日 2023-04-11 
事件の表示 特願2018− 25752「下水処理システムの運転状態判別装置及び運転状態判別方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月29日出願公開、特開2019−144631、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年2月16日の出願であって、令和3年8月30日付けで拒絶理由が通知され、令和3年11月8日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和4年3月30日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和4年6月20日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和4年3月30日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1 (明確性)請求項1−8に係る発明は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(1) 「運転状態判別結果データ」について
出願人は、令和3年11月8日付補正書にて、運転状態判別結果データが、水質分析結果データに基づいた下水処理システムの運転状態が、標準活性汚泥法で除去できない各物質の除去を積極的に行う各運転状態または省エネ運転状態かのいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータであるとしているが、「標準活性汚泥法で除去できない各物質の除去を積極的に行う各運転状態」が具体的にどのような運転状態を指すのか依然として不明である。
例えば、「各」運転状態との記載の通り、複数の運転状態が存在するものと読み取れるが、それらについて具体的に記載されていないし、「積極的に行う」という表現は発明を不明確にするものである。
また、以下に付記するとおり、「標準活性汚泥法で除去できない各物質」という記載についても、出願当初の明細書の記載の範囲内でなされているものとは認められない。

(2) 「下水処理場トレンドデータ」について
出願人は、同補正書にて、下水処理場トレンドデータは、下水処理システムが収集するデータのうち、水質分析結果データ以外のデータであるとしているが、当該記載では、下水処理場トレンドデータを具体的に特定しているとは認められない。
例えば、「下水処理システムが収集するデータのうち、水質分析結果データ以外のデータ」と言っても、前提となる「下水処理システムが収集するデータ」が、具体的にどのようなデータ群であるか不明なため、当該データから水質分析結果データを除いたデータが何であるかも不明となる。そのため、下水処理場トレンドデータによって、どのようにして学習入力データを生成するのか特定できない。
(少なくとも、「下水処理システムが収集するデータ」の内容がすべて明記されていなければ、「水質分析結果データ以外のデータ」が具体的に何であるか特定できないと思料する。)。

以上より、請求項1−8に係る発明は、依然として明確でない。

第3 本願発明
本願請求項1−8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明8」という。)は、令和4年6月20日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−8に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
下水処理システムの運転状態判別装置であって、
水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)、及び、前記判別結果ラベルの付与されていないラベルなし下水処理場トレンドデータを蓄積するデータ蓄積部と、
前記運転状態判別結果データ、及び、前記ラベルなし下水処理場トレンドデータから運転状態判別モデルの学習モデルパラメータの生成に必要な学習入力データを生成する学習入力データ生成部と、
前記学習入力データから、半教師あり機械学習を用いて、前記学習モデルパラメータを生成する学習モデルパラメータ生成部と、
前記学習モデルパラメータを記憶する学習モデルパラメータ記憶部と、
前記データ蓄積部に蓄積されている前記学習入力データの生成に使用されていない下水処理場トレンドデータから運転状態の判別に必要な判別入力データを生成する判別入力データ生成部と、
前記判別入力データと前記学習モデルパラメータとを使用して、前記下水処理システムの運転状態を判別する運転状態判別部と、
を備え、
前記水質分析結果データは、下水中のアンモニア、リン酸、及び/又は、硝酸の濃度を示すデータであり、
前記下水処理場トレンドデータは、最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽の溶存酸素量、反応槽の浮遊物質濃度、反応槽への送風量、ばっ気調整バルブの弁開度、最終沈殿池の汚泥濃度、最終沈殿池の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプの回転数、余剰汚泥濃度、及び/又は、余剰汚泥引抜量を示すデータであること、を特徴とする下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項2】
前記運転状態判別部は、前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを判別すること、を特徴とする請求項1に記載の下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項3】
前記学習モデルパラメータ生成部は、新しい運転状態判別結果データ、及び/又は、新しい下水処理場トレンドデータが所定の数だけ蓄積されると、再度、学習モデルパラメータを生成し、古い学習モデルパラメータを更新すること、を特徴とする請求項1または2に記載の下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項4】
前記下水処理場トレンドデータの数は、前記運転状態判別結果データの数より多いこと、を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項5】
学習モデルパラメータ生成部は、Transdutive SVMを用いて、前記学習モデルパラメータを生成すること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項6】
学習モデルパラメータ生成部は、Graph−based半教師あり学習を用いて、前記学習モデルパラメータを生成すること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項7】
学習モデルパラメータ生成部は、Self−Trainingを用いて、前記学習モデルパラメータを生成すること、を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の下水処理システムの運転状態判別装置。
【請求項8】
運転状態判別装置による下水処理システムの運転状態判別方法であって、
水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)、及び、前記判別結果ラベルの付与されていないラベルなし下水処理場トレンドデータを蓄積し、
前記運転状態判別結果データ、及び、前記ラベルなし下水処理場トレンドデータから運転状態判別モデルの学習モデルパラメータの生成に必要な学習入力データを生成し、
前記学習入力データから、半教師あり機械学習を用いて、前記学習モデルパラメータを生成し、
前記学習モデルパラメータを記憶し、
前記学習入力データの生成に使用されていない下水処理場トレンドデータから運転状態の判別に必要な判別入力データを生成し、
前記判別入力データと前記学習モデルパラメータとを使用して、前記下水処理システムの運転状態を判別すること、
を含み、
前記水質分析結果データは、下水中のアンモニア、リン酸、及び/又は、硝酸の濃度を示すデータであり、
前記下水処理場トレンドデータは、最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽の溶存酸素量、反応槽の浮遊物質濃度、反応槽への送風量、ばっ気調整バルブの弁開度、最終沈殿池の汚泥濃度、最終沈殿池の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプの回転数、余剰汚泥濃度、及び/又は、余剰汚泥引抜量を示すデータであること、を特徴とする運転状態判別装置による下水処理システムの運転状態判別方法。」

第4 当審の判断
明確性要件(特許法第36条第2項)について
一般に「法36条6項2号は、特許請求の範囲の記載に関し、特許を受けようとする発明が明確でなければならない旨規定する。同号がこのように規定した趣旨は、仮に、特許請求の範囲に記載された発明が明確でない場合には、特許の付与された発明の技術的範囲が不明確となり、第三者に不測の不利益を及ぼすことがあり得るので、そのような不都合な結果を防止することにある。そして、特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術的常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきことはいうまでもない。」とされている〔知財高裁、平成21年(行ケ)第10434号判決(平成22年8月31日判決言渡)参照。〕。

2 当審の判断
上記原査定の理由1で指摘された不備について検討する。

(1) 「運転状態判別結果データ」について
拒絶査定では、請求項1及び8並びにその従属項で用いられる「運転状態判別結果データ」という用語は、具体的ではなく、記載が不明確である旨の拒絶の理由を通知している。
ここで、「運転状態判別結果データ」という用語については、令和4年6月20日付けの補正(以下「本件補正」という。)において、補正前は、「水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、標準活性汚泥法で除去できない各物質の除去を積極的に行う各運転状態または省エネ運転状態かのいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)」であったものが、本件補正により、「水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)」であると補正された。
そして、補正後の請求項1及び8並びにその従属項で用いられている、「水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)」という発明特定事項の用語は、その記載どおりの意味であって、「運転状態」として「硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転」の3つを具体的に列挙した上で、「硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転」のいずれかであるかを示す「判別結果ラベル」が付与されている「下水処理場トレンドデータ」として、「運転状態判別結果データ(教師データ)」が特定されていることを明確に理解することができる。

上記のように、「運転状態判別結果データ」という用語は、特許請求の範囲の記載から明確に理解することができるものであるが、念のため、さらに、本願明細書を参照すると、段落【0029】、【0045】、【0152】には、以下の記載がある。

「【0029】
(運転状態判別装置)
運転状態判別装置15は、水質分析結果データに基づいた「硝化促進運転」及び「省エネ運転」の運転状態判別結果データと、下水処理システム1の各構成要素から送信された下水処理場トレンドデータとから、現在の下水処理システム1の運転状態が、「硝化促進運転」と「省エネ運転」のいずれかであるかを判別する。なお、水質分析結果データとは、アンモニアセンサ等の水質センサを用いて測定した、下水中のアンモニア、リン酸、硝酸等の濃度を示すデータである。」

「 【0045】
(Transdutive SVM)
Transdutive SVMは、データ蓄積部21に蓄積される、水質分析により「硝化促進運転」、又は、「省エネ運転」の判別結果ラベルの付与されている少数の下水処理トレンドデータ(ラベル付きデータ)と、判別結果の分からない大量の下水処理トレンドデータ(ラベルなしデータ)に対して行われる。」

「【0152】
なお、第1〜第3の実施の形態では、運転状態判別装置は、下水処理システムの運転状態が、「硝化促進運転」と「省エネ運転」のいずれかを判別しているが、これに限られない。例えば、水質分析結果データが、下水中のりん濃度を示すデータである場合、下水処理システムの運転状態が、「硝化促進運転」、「省エネ運転」以外に「りん除去調整運転」を含めた多値分類の判別することも可能である。」

これらの本願明細書の「運転状態判別結果データ」についての記載からも、「水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)」という発明特定事項の用語は、その記載どおりの意味であると理解することができる。

よって、本件特許の請求項1及び8並びにその従属項で用いられている「運転状態判別結果データ」という発明特定事項の用語が、「第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である」とはいえない。

(なお、本願明細書には、段落【0029】の「なお、水質分析結果データとは、アンモニアセンサ等の水質センサを用いて測定した、下水中のアンモニア、リン酸、硝酸等の濃度を示すデータである。」との記載において、「水質分析結果データ」が、「リン酸」等の濃度を示すデータを含むことは明記があるものの、元素としての「リン」それ自体の濃度を示すデータを含むことは文言上記載されていない。
しかしながら、本願明細書の段落【0006】に、「しかしながら、特許文献1の下水処理場運転支援装置では、各モデルパラメータを最適化するため、アンモニア性窒素、硝酸性窒素、リン酸性リン等の水質データを測定する必要があり、そのための水質センサを設置する必要がある。」と記載されるように、水質分析結果データには、「リン酸性リン」等の濃度を示すデータとして、元素としての「リン」の濃度を示すデータが含まれ得ることは、本願明細書の記載に接した当業者には明らかであると認められる。
また、本願明細書の段落【0029】の「水質分析結果データとは、アンモニアセンサ等の水質センサを用いて測定した、下水中のアンモニア、リン酸、硝酸等の濃度を示すデータである。」との記載から、本願発明における「水質分析結果データ」は、「水質センサ」を用いて実際に測定した、(元素としての「リン」に関する)「リン酸」や、(元素としての「窒素」に関する)「硝酸」の濃度を示すデータであるから、本願発明における「水質分析結果データ」を観測することによって、(「リン」成分の除去のための)「りん除去調整運転」や、(「窒素」成分の除去のための)「硝化促進運転」等の運転状態を判別した「運転状態判別結果データ」を取得できることも、本願明細書の記載に接した当業者には明らかであると認められる。)

(2) 「下水処理場トレンドデータ」について
拒絶査定では、請求項1及び8並びにその従属項で用いられる「下水処理場トレンドデータ」という用語は、具体的ではなく、記載が不明確である旨の拒絶の理由を通知している。
ここで、「下水処理場トレンドデータ」という用語については、補正前は、「前記下水処理場トレンドデータは、前記下水処理システムが収集するデータのうち、前記水質分析結果データ以外のデータであ」ったものが、本件補正により、「前記下水処理場トレンドデータは、最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽の溶存酸素量、反応槽の浮遊物質濃度、反応槽への送風量、ばっ気調整バルブの弁開度、最終沈殿池の汚泥濃度、最終沈殿池の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプの回転数、余剰汚泥濃度、及び/又は、余剰汚泥引抜量を示すデータである」と補正された。
そして、補正後の請求項1及び8並びにその従属項で用いられている、「下水処理場トレンドデータ」という発明特定事項の用語は、その記載どおりの意味であって、「最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽の溶存酸素量、反応槽の浮遊物質濃度、反応槽への送風量、ばっ気調整バルブの弁開度、最終沈殿池の汚泥濃度、最終沈殿池の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプの回転数、余剰汚泥濃度、及び/又は、余剰汚泥引抜量を示すデータである」として、「下水処理場トレンドデータ」が特定されていることを明確に理解することができる。

上記のように、「下水処理場トレンドデータ」という用語は、特許請求の範囲の記載から明確に理解することができるものであるが、念のため、さらに、本願明細書を参照すると、段落【0028】には、以下の記載がある。

「 【0028】
なお、運転状態判別装置15へ送信される、最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽4のDO、反応槽4のMLSS、反応槽4への送風量、ばっ気調整バルブ9の弁開度、最終沈殿池6の汚泥濃度、最終沈殿池6の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプ11の回転数、余剰汚泥濃度、及び、余剰汚泥引抜量は、以後、下水処理場トレンドデータと称する。」

上記の本願明細書の「下水処理場トレンドデータ」についての記載からも、「前記下水処理場トレンドデータは、最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽の溶存酸素量、反応槽の浮遊物質濃度、反応槽への送風量、ばっ気調整バルブの弁開度、最終沈殿池の汚泥濃度、最終沈殿池の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプの回転数、余剰汚泥濃度、及び/又は、余剰汚泥引抜量を示すデータである」という発明特定事項の用語は、その記載どおりの意味であると理解することができる。

よって、本件特許の請求項1及び8並びにその従属項で用いられている「下水処理場トレンドデータ」という発明特定事項の用語が、「第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である」とはいえない。

(3) まとめ
上記(1)、(2)で検討したとおり、本件特許の請求項1及び8並びにその従属項で用いられている、(1) 「運転状態判別結果データ」という用語については、「水質分析結果データに基づいた前記下水処理システムの運転状態が、硝化促進運転、省エネ運転、又は、りん除去調整運転のいずれかであるかを示す判別結果ラベルの付与されている下水処理場トレンドデータである運転状態判別結果データ(教師データ)」であると補正され、(2)「下水処理場トレンドデータ」という用語については、「前記下水処理場トレンドデータは、最初沈殿池の原水流量、最初沈殿池の原水流入濃度、反応槽の溶存酸素量、反応槽の浮遊物質濃度、反応槽への送風量、ばっ気調整バルブの弁開度、最終沈殿池の汚泥濃度、最終沈殿池の汚泥界面、返送汚泥濃度、返送汚泥流量、返送汚泥ポンプの回転数、余剰汚泥濃度、及び/又は、余剰汚泥引抜量を示すデータである」と補正された結果、本願の特許請求の範囲の請求項1−8の記載が、明確性要件に違反するということはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2023-03-28 
出願番号 P2018-025752
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06Q)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 野崎 大進
稲葉 和生
発明の名称 下水処理システムの運転状態判別装置及び運転状態判別方法  
代理人 園田・小林弁理士法人  

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