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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H02M
管理番号 1397122
総通号数 17 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-05-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2022-09-12 
確定日 2023-01-30 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第7127223号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第7127223号の明細書、特許請求の範囲を令和4年12月1日に提出の手続補正書により補正された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7127223号(以下「本件特許」という。)は、令和1年5月9日の出願(特願2021−566578号)であって、令和4年8月19日にその特許権の設定登録がなされ、令和4年9月21日に本件訂正審判の請求がなされ、同年10月31日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年12月1日に意見書が提出されるとともに審判請求書、訂正明細書及び訂正特許請求の範囲を補正する手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。

第2 本件補正について
1 補正の内容
本件補正は、審判請求書の「請求の理由」に記載された訂正事項1−2及び訂正事項2−2を削除するとともに、該訂正事項の削除に整合するように訂正明細書及び訂正特許請求の範囲を補正するものである。

2 補正の認否
本件補正は、審判請求書に記載された「請求の趣旨」の要旨を変更するものではなく、特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、これを認める。
なお、本件補正により、訂正拒絶理由通知において、特許法第126条第5項の規定に適合しないと指摘した訂正事項1−2及び訂正事項2−2は削除されたから、訂正拒絶理由も解消している。

第3 請求の趣旨
上記のとおり、本件補正は認められるから、本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7127223号の明細書、特許請求の範囲を、令和4年12月1日に提出の手続補正書により補正された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである(以下、訂正前の「明細書」及び「特許請求の範囲」を、それぞれ「本件明細書」及び「本件特許請求の範囲」という。)。

第4 訂正の内容
本件訂正審判の請求による訂正の内容は、次のとおりのものである(下線部は訂正箇所を示す。)。

1 訂正事項1
(1)訂正事項1−1
特許請求の範囲の請求項1に「S1、S−1, S2、S−2, S3、T1、T−1, T2、T−2は、半導体スイッチであり、」と記載されているのを、「S1、S−1,S2、S−2, T1、T−1, T2、T−2は、半導体スイッチであり、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2乃至請求項4も同様に訂正する)。

2 訂正事項2
(1)訂正事項2−1
明細書の段落【0014】に「S1、S−1, S2、S−2, S3、T1、T−1, T2、T−2は、半導体スイッチであり、」と記載されているのを、「S1、S−1,S2、S−2, T1、T−1, T2、T−2は、半導体スイッチであり、」に訂正する。

第5 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正事項1−1
ア 訂正の目的について
訂正事項1−1による訂正は、本件特許請求の範囲の請求項1において「S3」が「半導体スイッチであ」るという記載と、「S3」が「双方向半導体スイッチであ」るという記載とがあって、「S3」に関する記載が重複しており、不明瞭な記載となっていたものを解消するための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、訂正事項1−1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件明細書の段落0013には、「双方向半導体スイッチS3」とあり、「S3」が「双方向半導体スイッチ」であることが記載されている。
よって、訂正事項1−1は、本件明細書の記載から導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1−1は、「S3」が「半導体スイッチであり」という記載を削除するものであるが、「S3」が「双方向半導体スイッチ」であるという記載は残されており、「双方向半導体スイッチ」は「半導体スイッチ」の一種であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1−1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

エ 小括
以上のとおり、訂正事項1−1による特許請求の範囲の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(2)訂正事項2−1
ア 訂正の目的について
訂正事項2−1による訂正は、本件明細書の段落0014において「S3」が「半導体スイッチであ」るという記載と、「S3」が「双方向半導体スイッチであ」るという記載とがあって、「S3」に関する記載が重複しており、不明瞭な記載となっていたものを解消するための訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、訂正事項2−1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件明細書の段落0013には、「双方向半導体スイッチS3」とあり、「S3」が「双方向半導体スイッチ」であることが記載されている。
よって、訂正事項2−1は、本件明細書の記載から導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2−1は、「S3」が「半導体スイッチであり」という記載を削除するものであるが、「S3」が「双方向半導体スイッチ」であるという記載は残されており、「双方向半導体スイッチ」は「半導体スイッチ」の一種であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項2−1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

エ 小括
以上のとおり、訂正事項2−1による特許請求の範囲の訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第6項の規定に適合する。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判請求は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第6項に規定される要件に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】マルチレベル電力変換回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワー・エレクトロニクスおよび非線形制御の分野に関し、より詳細には、カスケードブリッジ型のマルチレベル電力回路に関する。
【背景技術】
【0002】
パワー・エレクトロニクス技術の進展により、電力変換器の用途はますます広がっている。マルチレベル変換器は、低い高調波電圧および出力電流並びにスイッチの低い逆電圧に起因して、クリーンエネルギーの生成に加えて、速度の調整および中高電圧の用途で広く使用されている。
【0003】
マルチレベル・インバータ(MLI)は、産業用途において選ばれる主要な電力変換装置である。これらの用途は、主に、全電圧および電力範囲用のモータ・ユニットを含む。マルチレベル・インバータは、また、数ある中でも、ネットワークに接続されたシステム、無停電電源システム(UPS)、電気自動車およびFACTSにおいて応用されている。
【0004】
当該技術分野では、マルチレベル・インバータのための種々のトポロジーの先例が存在する。例えば、文献CN2768303は、多段階カスケード・インバータを提供する実用新案を説明し、これは、使用される部品の数を減少させ、その構造を簡略化し、高電圧および高電力のイベントを制御し、従来のカスケード・インバータと同一レベルを生成することを目的している。実用新案のマルチレベル・カスケード・インバータは、マルチレベルのインバータを形成するようにカスケードされた基本モジュールから構成される。
【0005】
一方、文献CN105450063は、カスケード・ハーフブリッジ型のマルチレベル・インバータおよびその制御方法を提供し、その目的は、制御ストラテジーおよび既存のマルチレベルトのカスケード・ポロジーの欠点を克服することである。制御ストラテジーは、サイクルの制御モードおよび出力レベルの重ね合わせを採用して、マルチレベル出力を生成する。
【0006】
しかしながら、一般的には、電力変換回路は、複雑な構成を有し、多数の構成要素を備える。したがって、上記トポロジーを最適化し、最小の可能な構成要素を用いて所望のレベル数を達成することができる、新規な構成が求められている。
【0007】
結果として、必要なレベル数を達成し、簡略化された構成を有し、かつ、使用されるコンポーネントの数を低減する、電力変換回路のための新規構造が求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、図10に示す回路構成を有する機能ブロックを含む電力変換器の新規な構成を提供する:
ここで、V1,V2,V3、V4,V5は、DC電圧源であり、
S1、S−1、(上付きバーが付されたS1を表す。以下同様である。),S2、S−2,S3、T1、T−1、,T2、T−2は、半導体スイッチであり、
D1およびD2は、2つの半導体ダイオードである。
【0009】
好ましい実施形態では、回路は、スイッチS1、S−1、およびS2,S−2が互いに相補的なデバイスであることを特徴とする。
【0010】
他の好適な実施形態では、回路は、スイッチS3が双方向スイッチに対応することを特徴とする。
【0011】
他の好適な実施形態では、回路は、直列に接続された複数の機能ブロックをさらに含み、機能ブロックの各々が、図10に示す回路の構成を有することを特徴とする。さらに他の好適な実施形態では、回路は、直列に接続された2つの機能ブロック含み、機能ブロックの出力が、互いに非対称であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 図1は、本発明の対象である電力変換回路の電圧出力レベルに対し機能ブロックのすべてのスイッチの状態を含む一般的な真理値表を示す。
【図2】 図2は、本発明の対象である電力変換回路の機能ブロックについての出力電圧を示すグラフを示す。
【図3】 図3は、本発明の対象である電力変換回路の機能ブロックのカスケード配置を示す。
【図4】 図4は、本発明の対象である電力変換回路の実施形態の一例を示す。
【図5】 図5は、本実施形態の一例における第1の機能ブロックの出力電圧を示すグラフを示す。
【図6】 図6は、本実施形態の一例における第2の機能ブロックの出力電圧を示すグラフを示す。
【図7】 図7は、本実施形態の一例における回路の出力電圧を示すグラフを示す。
【図8】 図8は、本実施形態の一例における回路の出力電流を示すグラフを示す。
【図9】 図9は、電力変換回路の機能ブロックにおけるメッシュの区分を示す。
【図10】 図10は、本発明の対象である電力変換器の機能ブロックの回路構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本質的に、本発明は、5つのDC電圧源(V1,V2,V3、V4,V5)、8つの単方向半導体スイッチ(S1、S−1,S2、S−2,T1、T−1,T2、T−2)、双方向半導体スイッチS3と、2つの半導体ダイオード(D1およびD2)とを備える、マルチレベル電力変換器の新規な構成を提供する。
【0014】 本発明は、分散コンポーネントを有するマルチレベルの変換ブロックを含む回路構成(図10に示されるような)を有する機能ブロックを含む新奇なマルチレベル電力変換回路を提供し:
V1,V2,V3、V4,V5は、DC電圧源であり、
S1、S−1,S2、S−2,T1、T−1,T2、T−2は、半導体スイッチであり、
S3は、双方向半導体スイッチであり、
D1およびD2は、2つの誘電体ダイオードであり、かつ
前記マルチレベルのコンバータブロックのターミナルX及びX_で連続的な入力電圧であり、
前記負側入力ターミナルXが、スイッチS2及びS−2の直列となった接続の中間に接続され、
前記正側ターミナルX_がスイッチS1及びS−1の直列となった接続の中間に接続され
第1の並列回路が、ダイオードD1の前記アノードに直列に接続されたスイッチT−2を含み、両方がスイッチT2及び電圧源V5の負電位の直列となった接続に並列に接続され、
第2の並列回路は、ダイオードD2の前記カソードに直列に接続されたスイッチT−1を含み、両方がスイッチT1、及び電圧源V4の正電位の直列となった接続に並列に接続され、
前記第1及び第2の並列回路が電圧源V3の手段により互いに接続されており、前記第1の並列回路がダイオードD1の前記カソード及び正電位V5で前記電圧源V3の前記負電位に接続され、前記第2の並列回路が、前記負電位V4の手段及びD2のアノードによりV3の前記正電位へと接続され、
前記第1及び第2の並列回路が、直列に接続された電圧源V1及びV2の手段により互いに接続され、前記第1の並列回路が、スイッチT2及びT−2の手段により前記電圧源V1の前記正電位に接続され、前記第2の並列回路がスイッチT1及びT−1の手段により前記電圧源V2の前記負電位に接続されており、
前記電圧源V3が、スイッチS2でその負電位に接続され、かつスイッチS−2でその正電位に接続され、
前記電圧源V1の正電位が、スイッチS1に接続され、前記電圧源V2の前記負電位がスイッチS−1に接続され、
前記双方向スイッチS3が前記電圧源V1及びV2の間の前記中間点の1つのターミナルで接続し、かつ他のターミナルがスイッチ1及びS−1の間の前記中間で接続する。
【0015】
スイッチS1、S−1およびS2,S−2は、互いに相補的なスイッチである。つまり、一方がオープンの場合、他は、必ずクローズされる。この目的は、それぞれ電圧源V1,V2およびV3が短絡するのを回避することである。
【0016】
スイッチS3は、双方向スイッチであり、これは、双方向への電流の通過を可能とする。
【0017】
より良い理解のために、しかしながら、本発明の範囲を限定することなく、上記機能ブロックの説明が以下に示される。上記機能ブロックは、7つのメッシュに分割されるが、これは、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲を限定することなく、各メッシュのコンポーネントの説明が時計回りに行われる。
【0018】
メッシュIは、別の双方向スイッチS3に接続されるスイッチS1を含み、双方向スイッチS3は、次いで、その後に上記スイッチS1に接続される電圧源V1に接続される。
【0019】
メッシュIIは、電圧源V2に接続されるスイッチS−1を含み、電圧源V2は、次いで、その後にスイッチS−1に接続される双方向スイッチS3に接続される。
【0020】
メッシュIIIは、電圧源V5に接続されるスイッチT2を含み、電圧源V5は、次いでダイオードD1に接続される。上記ダイオードD1は、次いで、スイッチT−2に接続され、スイッチT−2は、次いで上記スイッチT2に接続される。
【0021】
メッシュIVは、電圧源V2に接続された電圧源V1を含み、電圧源V2は、次いでスイッチT1に接続される。上記スイッチT1は、次いで、別の電圧源V3に接続される電圧源V4に接続され、次いで、追加の電圧源V5に接続される。上記電圧源V5は、次いで、スイッチT2に接続され、スイッチT2は、電圧源V1に接続される。
【0022】
メッシュVは、ダイオードD2とともにスイッチT−1を含み、ダイオードD2は、電圧源V4に接続する。上記電圧源V4は、ついで、スイッチT1に接続され、スイッチT1は、次いでスイッチT−1に接続される。
【0023】
メッシュVIは、スイッチS−2に接続される電圧源V3を含み、スイッチS−2は、次いで、別のスイッチS2に接続される。上記スイッチS2は、次いで、上記電圧源V3に接続される。
【0024】
メッシュVII(外部)は、スイッチS−1に接続されるスイッチS1を含む。上記スイッチS−1は、スイッチT−1に接続される。そして、上記スイッチT−1は、ダイオードD2に接続され、ダイオードD2は、次いで、スイッチS−2に接続される。スイッチS−2は、ついでスイッチS2に接続され、スイッチS2は、次いで、ダイオードD1に接続される。ダイオードD1は、スイッチT−2に接続され、スイッチT−2は、最終的にスイッチS1に接続される。
【0025】
出力電圧は、スイッチS1,S−1およびS3の間に位置する第1ノードと、スイッチS2およびS−2の間に位置する第2ノードとの2つのノード間に生成される電圧差から決定される。
【0026】
電源の電圧値および回路のコンポーネントの本質の両方が、本発明の範囲を限定するものではなく、例えば電力変換器が意図する用途に依存するであろう。
【0027】
一方、機能ブロックの出力電圧は、本発明の範囲を限定するものではない。好ましい実施形態においては、0[V]および1200[V]の間の範囲にある。
【0028】
加えて、機能ブロックの出力電流は、本発明の範囲を限定するものではない。好ましい実施形態においては、0[A]および8[A]の範囲である。にもかかわらず、より高い出力電流が、本発明の範囲を限定することなく用いられてもよい。
【0029】
結果として、機能ブロックの出力電力は、本発明の範囲を限定するものでもない。好ましい実施形態においては、これは、0[kW]および10[kW]の範囲にある。
【0030】
本発明の文脈において、要求される保護の範囲を制限することなく、ダイオードは、一方だけ電流を通過することを許可し、反対方向の電流の通過を抑制する2電極電子バルブとして理解されるであろう。
【0031】
本発明の文脈において、要求される保護の範囲を制限することなく、半導体スイッチは、電子半導体バルブを備え、その目的が回路において電流の通過をオープンまたはクローズすることである電子パワー・デバイスとして理解されるであろう。
【0032】
本発明の文脈において、要求される保護の範囲を制限することなく、機能ブロックは、アセンブリが特定の機能を満たすようなやり方で相互接続された電気的および/または電子的要素のセットとして理解されるであろう。
【0033】
本発明の文脈において、要求される保護の範囲を制限することなく、非対称な出力は、その主要なブロックが異なるレベルの出力電圧を生成する構成として理解されるであろう。
【0034】
本発明の文脈において、要求される保護の範囲を制限することなく、直接接続は、デバイスが連続的に接続される接続構成として理解されるであろう。
【0035】
図1は、スイッチの状態が23レベルの回路の出力電圧に関連付けて見られる一般的な真理値表を示す。上記出力電圧レベルは、以下に詳細を示す。
【0036】
第1の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S2,T1がクローズされており、スイッチS−1,S−2,S3,T−1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V1+V2+V3+V4)である。
【0037】
第2の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,S3,T1がクローズされており、スイッチS1,S−2,T−1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V2+V3+V4)である。
【0038】
第3の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,T1がクローズされており、スイッチS1,S−2,S3,T−1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V3+V4)である。
【0039】
第4の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S−2,T1がクローズされており、スイッチS−1,S2,S3,T−1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V1+V2+V4)である。
【0040】
第5の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,S3,T1がクローズされており、スイッチS1,S2,T−1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V2+V4)である。
【0041】
第6の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,T1がクローズされており、スイッチS1,S2,S3,T−1,T2,T−2,がオープンされており、電圧出力は、(V4)である。
【0042】
第7の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S2,T−1がクローズされており、スイッチS−1,S−2,S3,T−1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V1+V2+V3)である。
【0043】
第8の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,S3,T−1がクローズされており、スイッチS1,S−2,T1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V2+V3)である。
【0044】
第9の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,T−1がクローズされており、スイッチS1,S−2,S3,T1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V3)である。
【0045】
第10の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S−2,T1がクローズされており、スイッチS−1,S2,S3,T1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V1+V2)である。
【0046】
第11の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,S3,Tー1がクローズされており、スイッチS1,S2,S3,T1,T2,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V2)である。
【0047】
第12の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S2,T−2がクローズされており、スイッチS−1,S−2,S3,T1,T−1,T2がオープンされており、電圧出力は、(0)である。
【0048】
第13の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,S3,T−2がクローズされており、スイッチS1,S−2,T1,T−1,T2がオープンされており、電圧出力は、(−V2)である。
【0049】
第14の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,T−2がクローズされており、スイッチS1,S−2,S3,T1,T−1,T2がオープンされており、電圧出力は、(−V1−V2)である。
【0050】
第15の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S−2,T−2がクローズされており、スイッチS−1,S2,S3,T1,T−1,T2がオープンされており、電圧出力は、(−V3)である。
【0051】
第16の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,S3,T−2がクローズされており、スイッチS1,S2,T1,T−1,T2がオープンされており、電圧出力は、(−V2−V3)である。
【0052】
第17の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,T−2がクローズされており、スイッチS1,S2,S3,T1,T−1,T2がオープンされており、電圧出力は、(−V1−V2−V3)である。
【0053】
第18の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S2,T2がクローズされており、スイッチS−1,S−2,S3,T1,T−1,T−2がオープンされており、電圧出力は、(−V3)である。
【0054】
第19の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,S3,T2がクローズされており、スイッチS1,S−2,T1,T−1,T−2がオープンされており、電圧出力は、(−V2−V5)である。
【0055】
第20の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S2,T2がクローズされており、スイッチS1,S−2,S3,T1,T−1,T−2がオープンされており、電圧出力は、(−V1−V2−V5)である。
【0056】
第21の電圧レベルにおいては、スイッチS1,S−2,T2がクローズされており、スイッチS−1,S2,S3,T1,T−1,T−2がオープンされており、電圧出力は、(−V3−V5)である。
【0057】
第22の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,S3,T2がクローズされており、スイッチS1,S2,T1,T−1,T−2がオープンされており、電圧出力は、(−V2−V3−V5)である。
【0058】
第23の電圧レベルにおいては、スイッチS−1,S−2,T2がクローズされており、スイッチS1,S2,S3,T1,T−1,T−2がオープンされており、電圧出力は、(V1+V2+V3+V5)である。
【0059】
図2は、機能ブロックの特定の実施形態における経時的な出力電圧を示すグラフを示す。上記グラフにおいては、電圧値が−550Vおよび550Vの間の範囲にあることが観測される。
【0060】
図3は、互いに直列に接続され、決定された出力電圧の多数のレベルの提供を実現するよう構成された複数の機能ブロックの包括的なカスケード配置を示す図である。各機能ブロックが生成することができるレベルの数は、図1の真理値表において詳細に説明されている。
【0061】
図4は、本発明の対象である電力変換回路の実施形態の一例を示す。上記実施形態の一例においては、要求される保護の範囲を制限することなく、45電圧レベルを生成する、出力相の電力変換器の回路が示されている。図4は、直列に接続された2つの機能ブロックを有する提案構造を示す。
【0062】
より好ましい実施形態では、本発明の範囲を制限することなく、図4に示す上記DC電圧源についての値は、以下の通りである:
V1,1=V2,1=V1,2=V2,2=50V
V3,1=V3,2=150V
V4,1=V5,2=300V
【0063】
ピーク出力電圧は、1100Vであり、50Hzの出力周波数で50Vのステップ電圧を有し、ピーク電流は7.3Aである。
【0064】
図5は、上記実施形態の一例における第1の機能ブロックの出力電圧を示すグラフである。上記第1の機能ブロックの出力電圧は、−550Vおよび550Vの間の範囲のステップ関数を描く。
【0065】
図6は、上記実施形態の一例における第2の機能ブロックの出力電圧を示すグラフである。上記第2の機能ブロックの出力電圧は、ゼロでステップを有する、−550Vおよび550Vの間で振動する正弦波関数を描く。
【0066】
図7には、上記実施形態の一例における回路の出力電圧を示すグラフを示す。上記回路の出力電圧は、−1100Vおよび1100Vの間で振動する正弦波関数を描き、これは、第1の機能ブロックの出力電圧と、第2の機能ブロックの出力電圧との合計である。
【0067】
図8は、上記実施形態の一例における回路の出力電流を示すグラフを示す。上記回路の出力電流は、−7.3Aおよび7.3Aの間で振動する正弦波関数を描く。
【0068】
図9は、電力変換回路の機能ブロックを形成するメッシュの列挙を示す。上記図面においては、本発明の詳細な説明に説明された各メッシュを参照する列挙が示されている。上記列挙は、本発明のより良い理解を与えるために提供されてり、しかしながら、適用される保護の範囲を限定するものではない。
【0069】
以上詳細を説明した発明に従えば、23レベルの電力変換回路を得ることが可能であり、この電力変換回路は、簡略化された構成を有し、使用されるコンポーネントの数を削減する。
【0070】
本発明の範囲を限定することなく、当該技術分野において標準的な知識を有する者によって想定される任意のやり方で本発明の技術的特徴の異なる選択肢が組み合わせられてもよいことを理解されたい。
【0071】
次に、本発明の実施形態の実施例が以下提示される。上記実施例の目的は、本発明のより良い理解を与えることであるが、その範囲を限定するものではないことを理解されたい。加えて、異なる実施例で示される技術的特徴は、本発明の範囲を限定することなく、当該技術分野において標準的な知識を有する者によって想定される任意のやり方で、互いに組み合わせられてもよいし、または前述した他の技術的特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例】
【0072】
実施例1:本発明の対象である電力変換器の回路の実現
【0073】
図4は、45の電圧レベルを生成する単相電力増幅器の回路を示す。図4は、提案構造が、直列に接続された2つの機能ブロックを含むことを示す。
【0074】
上記回路の構成が、期待される出力を得ることが可能であることを検証するために、回路のシミュレーションを実施した。上記シミュレーションにおいては、スイッチおよびダイオードなどの半導体デバイスのセットが理想的であるとしている。DC電圧源について選択された値は、以下の通りである。
V1,1=V2,1=V1,2=V2,2=50V
V3,1=V3,2=150V
V4,1=V5,2=300V
【0075】
ピーク出力電圧は、1100Vであり、50Hzの出力周波数で50Vのステップ電圧を有し、ピーク電流は7.3Aである。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散されたコンポーネントを有するマルチレベルの変換ブロックを含む回路構成を有する機能ブロックを含むことを特徴とするマルチレベル電力変換回路であって、
V1,V2,V3、V4,V5は、DC電圧源であり、
S1、S−1,S2、S−2,T1、T−1,T2、T−2は、半導体スイッチであり、
S3は、双方向半導体スイッチであり、
D1およびD2は、2つの誘電体ダイオードであり、かつ
前記マルチレベルのコンバータブロックのターミナルX及びX_で連続的な入力電圧であり、
前記負側入力ターミナルXが、スイッチS2及びS−2の直列となった接続の中間に接続され、
前記正側入力ターミナルX_が、スイッチS1及びS−1の直列となった接続の中間に接続され、
第1の並列回路が、ダイオードD1の前記アノードに直列に接続された前記スイッチT−2を含み、両方がスイッチT2及び前記電圧源V5の前記負電位の直列となった接続に並列に接続され、
第2の並列回路は、ダイオードD2の前記カソードに直列に接続された前記スイッチT−1を含み、両方がスイッチT1及び前記電圧源V4の前記正電位の直列となった接続に並列に接続され、
前記第1及び第2の並列回路が電圧源V3の手段により互いに接続されており、前記第1の並列回路がダイオードD1の前記カソード及びV5の前記正電位で前記電圧源V3の前記負電位に接続され、前記第2の並列回路が、V4の前記負電位の手段及びD2の前記アノードによりV3の前記正電位へと接続され、
前記第1及び第2の並列回路が、直列に接続された前記電圧源V1及びV2の手段により互いに接続され、前記第1の並列回路が、スイッチT2及びT−2の手段により前記電圧源V1の前記正電位に接続され、前記第2の並列回路がスイッチT1及びT−1の手段により前記電圧源V2の前記負電位に接続されており、
前記電圧源V3が、スイッチS2でその負電位に接続され、かつスイッチS−2でその正電位に接続され、
前記電圧源V1の前記正電位が、スイッチS1に接続され、前記電圧源V2の前記負電位がスイッチS−1に接続され、
前記双方向スイッチS3が前記電圧源V1及びV2の間の前記中間点の1つのターミナルで接続し、かつ他のターミナルが前記スイッチS1及びS−1の間の前記中間で接続する、
マルチレベル電力変換回路。
【請求項2】
スイッチS1、S−1およびS2,S−2は、互いに相補的なデバイスであることを特徴とする、請求項1に記載のマルチレベル電力変換回路。
【請求項3】
直列に接続された複数の機能ブロックを含み、前記機能ブロックの各々は、請求項1に記載の前記回路構成を有することを特徴とする、請求項1に記載のマルチレベル電力変換回路。
【請求項4】
直列に接続された2つの機能ブロックを含み、前記機能ブロックの出力は、互いに非対称であることを特徴とする、請求項3に記載のマルチレベル電力変換回路。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2022-12-28 
結審通知日 2023-01-06 
審決日 2023-01-20 
出願番号 P2021-566578
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H02M)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 須田 勝巳
特許庁審判官 児玉 崇晶
山澤 宏
登録日 2022-08-19 
登録番号 7127223
発明の名称 マルチレベル電力変換回路  
代理人 中尾 洋之  
代理人 舛谷 威志  
代理人 中尾 洋之  
代理人 舛谷 威志  

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