ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
---|---|
管理番号 | 1398017 |
総通号数 | 18 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2023-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-07-12 |
確定日 | 2023-06-13 |
事件の表示 | 特願2018−234770「生成装置、生成方法および生成プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 6月18日出願公開、特開2020− 95615、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成30年12月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 8月30日付け:拒絶理由通知書 令和3年11月 5日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 4月 4日付け:拒絶査定 令和4年 7月12日 :審判請求書、手続補正書の提出 令和5年 1月24日付け:拒絶理由(当審拒絶理由)通知書 令和5年 4月 3日 :意見書、手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和4年4月4日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 1 請求項1には、入力情報として「利用者の行動履歴を示す履歴情報」を受け付け、「利用者の行動履歴を示す履歴情報」に「対応するオブジェクトの名称」を特定すると記載されているが、「利用者の行動履歴を示す履歴情報」には利用者の行動履歴を示すような任意の情報が想定されるところ、そのような履歴情報と「オブジェクト」との間に、オブジェクトの名称を特定できるような関連性は一般に認められないことから、上記記載から「利用者の行動履歴を示す履歴情報に対応するオブジェクトの名称」を特定する、特定部が実行する具体的な情報処理が明確であるとはいえない。 また、「特定部により特定されたオブジェクトの名称に基づいて、当該名称に係る所定の制約を満たす形式の文章を生成する生成部」と記載されているが、オブジェクトの名称と所定の制約を満たす形式の文章との間に、特定の関連性は一般に認められず、「オブジェクトの名称」に基づくことが規定されるのみでは、当該名称に係る所定の制約を満たす形式の文章を生成するための具体的な情報処理が明確であるとはいえない。 したがって、請求項1に記載された発明は明確でない。 従属する請求項2−19にもこの点を明確にする事項の記載はないので、請求項2−19に記載された発明についても同様に明確でない。 2 請求項5に記載された「予め定められた単語であって、所定のリストに格納されている」のは、「季節を示す単語である季語」と「オブジェクトを示す単語」と一応解されるものの、これらの単語と「所定の品詞とを、所定の関連性を有するものとして抽出」するために、「単語」と「所定の品詞」との所定の関連性を判定する具体的な情報処理は依然として不明である。仮に、「所定のリストに格納されている」のが、季語とオブジェクトを示す単語と所定の品詞の組み合わせであるとしても、これらを組み合わせて文章を生成するための「所定の条件」がどのように特定されたどのような情報(条件)か不明であり、文章を生成するための具体的な情報処理は依然として不明である。 したがって、請求項5に記載された発明は明確でない。従属する請求項6−8に記載された発明についても同様である。 3 請求項20、21には「特定されたオブジェクトに基づいて、所定の制約を満たす形式の文章を生成する」と記載されているが、特定されたオブジェクトに基づくと記載するのみでは、「オブジェクト」に関するどのような情報をどのように使用したどのような情報処理によって「所定の制約を満たす形式の文章」が生成されるのか何ら規定されておらず、オブジェクトに基づいて所定の文章を生成するという機能が規定されたのみでは、そのような機能を実現するための処理内容等が具体的にどのようなものであるかを理解することは困難であることが出願時の常識である。 したがって、請求項20、21に記載された発明は技術的に十分に特定されていないことが明らかであり、明細書及び図面の記載を考慮しても、請求項20、21の記載から発明を明確に把握することができない。 第3 当審拒絶理由の概要 当審が令和5年1月24日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。 1 理由1(明確性)について この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 請求項10には「前記生成部により生成された文章であって、利用者が所定の文章に沿って生成した入力情報から生成された文章」と記載されているが、請求項10が引用する請求項1−7、9における「入力情報として受付けられた利用者の位置の履歴」と「利用者が所定の文章に沿って生成した入力情報」との関連が不明である。また、生成された文章を所定の文章と比較することで入力情報を判定することの技術的意味が不明である。 したがって、請求項10に記載された発明は明確でない。 2 理由2(進歩性)について 本願請求項1−5、11、12に係る発明は、以下の引用文献1、3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項6に係る発明は、以下の引用文献1、3、4に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2004−133721号公報 2.(欠番) 3.特開2013−131234号公報 4.特開2017−156799号公報 第4 本願発明 本願請求項1−11に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明11」という。)は、令和5年4月3日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1−11に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 入力情報として受付けられた利用者の位置の履歴から当該利用者が訪問した場所の名称をオブジェクトの名称として特定する特定部と、 特定部により特定されたオブジェクトの名称を含む文章であって、所定の制約を満たす形式の文章を生成する生成部と、 前記生成部がそれぞれ異なる利用者から受付けた入力情報ごとに生成した複数の文章を公開する公開部と、 前記公開部により公開された文章に対する評価を受付ける受付部と を有することを特徴とする生成装置。」 また、本願発明2−9は、本願発明1を減縮した発明である。 さらに、本願発明10は、本願発明1に対応する「生成方法」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。 加えて、本願発明11は、本願発明1に対応する「生成プログラム」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。 第5 引用文献、引用発明 1 引用文献3、引用発明 当審拒絶理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、この従来技術では、入力されるのは自然語文すなわちテキストであり、テキストデータ以外のデータ(マルチメディアデータ)から文を生成することができなかった。一方、株式市場の株価変動をテキストで表現したり、天気図から気象概況文を生成したりするように、マルチメディア情報からテキストを生成する研究が進められているが、他の方法で表現された内容をテキストに変換するに過ぎず、画像 (映像)のようなマルチメディア情報から異なる新しい内容のテキストを生成するようなシステムや装置は存在しなかった。 【0005】 それゆえに、この発明の主たる目的は、画像に基づいて俳句を生成できる、新規な俳句生成システムおよび俳句生成装置を提供することである。」 「【0012】 以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 図1は、本発明の一実施形態に係る文書自動作成装置を含む文書自動作成システムの構成を示す図である。図1に示す文書自動作成システムは、デジタルカメラ100と、サーバ200と、PC300及び400とを有している。デジタルカメラ100は例えばUSB等を用いてPC300にデータ通信可能に接続され、また、サーバ200、PC300、400はネットワーク500を介して互いにデータ通信可能に接続されている。」 「【0020】 文書自動作成装置としての機能を有するサーバ200は、制御部201と、通信部202と、記録部203とを有している。 制御部201は、所定のプログラムに従ってサーバ200の各部の動作を制御する。また、デジタルカメラ100から画像を示す画像データが送信されてきた場合には、送信されてきた画像データの内容に関する文書を自動的に作成する。 【0021】 通信部202はPC300から送信された画像データを受信するとともに、サーバ200において自動的に作成される画像付き文書をPC400に送信する。 【0022】 記録部203は、画像記録部203a、参照情報記録部203b、及び文書記録部203cを有している。画像記録部203aはデジタルカメラ100から送信されてきた画像データを、撮影日時情報、撮影位置情報、撮影時の被写体距離情報等の撮影情報と関連付けて記録する。参照情報記録部203bは、制御部201による自動文章データ作成処理において用いられる各種の参照情報を記録する。この参照情報としては、例えば、画像記録部203aに記録された画像データに写っている被写体が何であるかを識別するための植物、動物、人物、風景、料理等の各種画像データや、撮影位置情報からデジタルカメラ100の所在地を特定するための地図データ等の画像の撮影時以外に取得される情報が含まれる。なお、図1においては、記録部203内に3つの記録部を持たせているが、これらはそれぞれ別の記録部で構成しても良いし、単一の記録部として構成しても良い。」 「【0024】 以下、図1に示す文書作成システムの動作について説明する。デジタルカメラ100によって得られた画像データは、撮影日時や撮影位置等の撮影情報と関連付けられてサーバ200の画像記録部203aに記録されていく。サーバ200の制御部201は、日々記録される画像データにおける変化から、現在、ユーザがどのようなことに関心があるかを分析し、それを文章化し、作成した文章をPC300を介して送信されてきた画像と関連付けて記録する。そして、PC400からのアクセスがあれば、画像付き文書602をPC400に表示させる。この画像付き文書602はPC300から送信されてきた画像600とこの画像600から作成された文章601とから構成されている。 【0025】 例えば、図1に示す画像データ600から文章601を作成する場合、その画像に写っている被写体が「イチョウ」であることは、参照情報記録部203bに記録されている植物の画像データとの比較によって判別することができる。また、同じような構図で撮影された複数のイチョウの木の画像がサーバ200に送信されている場合には、新たに送信されてきた画像と過去に記録されている画像との比較を行うことにより、それらの画像を同じイチョウの木の画像であると判別し、その画像に写っている被写体の変化を判別してそのことを文章として記述することが可能である。例えば、同じイチョウの木の葉の色が「黄色」に変化したことを検出することで、「イチョウ」という文章に葉の色が「黄色くなりました」という文章を付加することができる。さらに、同じイチョウの木の画像データが定期的にサーバ200に送信されてくる場合には、「いつもの」等の修飾語を付加することもできる。」 「【0029】 以下、図1に示す自動文書作成システムの動作についてさらに詳しく説明する。 図4は、図1に示す自動文書作成システムにおけるデジタルカメラ100の処理について示すフローチャートである。図4において、デジタルカメラ100の制御部101は、ユーザによる画像の撮影操作がなされたか否かを判定している(ステップS11)。 【0030】 ステップS11の判定において、撮影操作がなされた場合に、制御部101は各部を制御して撮影動作を実行する(ステップS12)。撮影動作の終了後、制御部101は、位置計測部106によって撮影時におけるデジタルカメラ100の位置情報が取得されているか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定において、撮影時の位置情報が取得されていた場合に、制御部101は画像処理後の画像データに、撮影位置情報、撮影時刻情報、被写体距離情報、撮影モード設定情報等の撮影情報を付加して記録部107に記録する(ステップS14)。一方、撮影時の位置情報が取得されていない場合に、制御部101は画像処理後の画像データに、撮影位置情報以外の撮影情報を画像データに付加して記録部107に記録する(ステップS15)。」 「【0032】 また、ステップS16の判定において、再生操作がなされていない場合、制御部101は、ユーザによる画像データの送信操作がなされたか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、画像データの送信操作がなされた場合に制御部101は、ユーザによって選択された画像データを撮影情報とともにPC300或いはサーバ200に送信するとともに、ユーザの行動履歴情報のうちで、まだPC300或いはサーバ200に送信していないものを送信する(ステップS19)。 【0033】 ここで、ユーザの行動履歴情報とは、ユーザの撮影時以外の行動を示す情報である。より具体的には、ユーザが何時、どこにいるかを逐次検出して記録部107に記録しておいた情報である。このような情報を記録部107に記録し、サーバ200に送ることで、サーバ200においてさらに多様な文章を作成することが可能となる。ユーザの行動履歴情報をサーバ200に送ることにより、例えば、画像の撮影から今まで、どこからどこに移動したかをサーバ200側で識別できるので、例えば、「○○に△時に到着して撮影」等の文章を作成することが可能である。しかしながら、撮影時以外のユーザの行動を全て送信していると膨大なデータ量になるので、ユーザが定期的に画像データの送信(サーバ200へのアップロード)をしている場合には、逐次、行動履歴情報もアップロードされているとして、未送信のデータのみを送信するようにする。例えば、前日に大阪に出張したときに画像を送信し、また別の日の別の画像を送信する場合には前日に大阪にいったことを示すデータを別の日の画像の送信時に送る必要はない。ただし、サーバ200において作成する文章については、前日の行動履歴情報を参照して、例えば、「昨日は、大阪に行きましたが、今日はいつものイチョウです」といった文章を作成するようにしても良い。 【0034】 画像データの送信を行った後、若しくは画像データの送信を行わなかった場合であっても、制御部101は、位置計測部106によって画像の送信時におけるデジタルカメラ100の位置情報を取得するとともに、時計部によって現在の時刻情報を取得し、これら取得した位置情報及び時刻情報をユーザの行動履歴情報として記録部107に記録する(ステップS20)。このようにして行動履歴情報を記録しておくことにより、ステップS19の画像出力時に、ユーザの行動履歴情報を画像データと一緒に送信することができ、サーバ200において図3のような表を作成することが可能である。 【0035】 図5は、図1に示す自動文書作成システムにおけるサーバ200の処理について示すフローチャートである。 【0036】 まず、サーバ200の制御部201は、デジタルカメラ100から直接、或いはPC300から画像データを受信したか否かを判定している(ステップS21)。ステップS21の判定において、画像データが受信されると、制御部201は、受信した画像データを撮影情報とともに記録部203の画像記録部203aに記録させるとともに、画像データとともに受信されるユーザの行動履歴情報を参照情報記録部203bに記録させる(ステップS22)。 【0037】 次に、制御部201は、画像データに撮影位置情報が付加されているか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定において、画像データに撮影位置情報が付加されている場合に、制御部201は、送信されてきた画像データと、この画像データに関連付けられた撮影日時情報及び撮影位置情報とから文章を作成する(ステップS24)。一方、ステップS23の判定において、画像データに撮影位置情報が付加されていない場合に、制御部201は、撮影位置情報を考慮せず、画像データと撮影日時情報とから文章を作成する(ステップS25)。ステップS24及びステップS25の文章作成の処理については後述する。」 「【0043】 図6は、図5のステップS24の処理の詳細について示すフローチャートである。まず、制御部201は、参照情報記録部203bから、ユーザの行動履歴情報を読み出す(ステップS41)。このような記録から、画像の位置づけ(その画像がどこからどこに行く途中の撮影で得られたものか、いつも通っているところでの撮影で得られたものか、たまに来た場所での撮影で得られたものか等)を判断することができる。この判断を行うために、制御部201は、送信されてきた画像データの撮影日時情報Aを検出する(ステップS42)。さらに、制御部201は、送信されてきた画像データの撮影位置情報を検出する(ステップS43)。そして、制御部201は、撮影位置情報とステップS41において読み出した行動履歴情報とを比較し、送信されてきた画像データが長距離の移動をした後の撮影によって得られたものであるか否かを判定する(ステップS44)。これは送信されてきた画像の撮影位置情報とこの画像の撮影日時の前の時点の位置情報(行動履歴情報から取得)との差が所定距離よりも大きいか否かによって判定することができる。 【0044】 ステップS44の判定において、画像が長距離の移動した後の撮影によって得られたものである場合には、特別な場所での撮影がなされたと判定する。そこで、制御部201は、画像の撮影位置を参照情報記録部203bに記録されている地図データと照合して、画像の撮影位置に対応する地名Bを判別する(ステップS45)。次に、制御部201は、撮影時間情報と移動開始時間の差から移動時間Cを計算し(ステップS46)、この移動時間Cを織り込む形で地名Bを表記するような文章(図6参照)を作成する(ステップS47)。その後に図6の処理を終了する。ここで、図6のステップS47の例では移動時間を文章中に含めるようにしているが、移動距離そのものを含めるようにしてもよい。」 【図1】「 ![]() 」 【図3】「 ![]() 」 【図4】「 ![]() 」 【図5】「 ![]() 」 【図6】「 ![]() 」 したがって、引用文献3には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「文書自動作成装置としての機能を有するサーバ200は、制御部201と、通信部202と、記録部203とを有し、 制御部201は、所定のプログラムに従ってサーバ200の各部の動作を制御し、デジタルカメラ100から画像を示す画像データが送信されてきた場合には、送信されてきた画像データの内容に関する文書を自動的に作成し、 通信部202はPC300から送信された画像データを受信するとともに、サーバ200において自動的に作成される画像付き文書をPC400に送信し、 記録部203は、画像記録部203a、参照情報記録部203b、及び文書記録部203cを有し、 画像記録部203aはデジタルカメラ100から送信されてきた画像データを、撮影日時情報、撮影位置情報、撮影時の被写体距離情報等の撮影情報と関連付けて記録し、 参照情報記録部203bは、制御部201による自動文章データ作成処理において用いられる各種の参照情報を記録し、この参照情報としては、例えば、画像記録部203aに記録された画像データに写っている被写体が何であるかを識別するための植物、動物、人物、風景、料理等の各種画像データや、撮影位置情報からデジタルカメラ100の所在地を特定するための地図データ等の画像の撮影時以外に取得される情報が含まれ、 ユーザの行動履歴情報とは、ユーザの撮影時以外の行動を示す情報であり、より具体的には、ユーザが何時、どこにいるかを逐次検出して記録しておいた情報であり、ユーザの行動履歴情報をサーバ200に送ることにより、例えば、画像の撮影から今まで、どこからどこに移動したかをサーバ200側で識別できるので、例えば、「○○に△時に到着して撮影」等の文章を作成することが可能であり、サーバ200において作成する文章については、前日の行動履歴情報を参照して、例えば、「昨日は、大阪に行きましたが、今日はいつものイチョウです」といった文章を作成するようにしても良く、 画像データが受信されると、制御部201は、受信した画像データを撮影情報とともに記録部203の画像記録部203aに記録させるとともに、画像データとともに受信されるユーザの行動履歴情報を参照情報記録部203bに記録させ、 制御部201は、参照情報記録部203bから、ユーザの行動履歴情報を読み出し、 制御部201は、送信されてきた画像データの撮影位置情報を検出し、 制御部201は、画像の撮影位置を参照情報記録部203bに記録されている地図データと照合して、画像の撮影位置に対応する地名Bを判別し、 制御部201は、地名Bを表記するような文章を作成する ことを特徴とするサーバ200。」 2 引用文献1 当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、この従来技術では、入力されるのは自然語文すなわちテキストであり、テキストデータ以外のデータ(マルチメディアデータ)から文を生成することができなかった。一方、株式市場の株価変動をテキストで表現したり、天気図から気象概況文を生成したりするように、マルチメディア情報からテキストを生成する研究が進められているが、他の方法で表現された内容をテキストに変換するに過ぎず、画像 (映像)のようなマルチメディア情報から異なる新しい内容のテキストを生成するようなシステムや装置は存在しなかった。 【0005】 それゆえに、この発明の主たる目的は、画像に基づいて俳句を生成できる、新規な俳句生成システムおよび俳句生成装置を提供することである。」 「【0017】 【発明の効果】 この発明によれば、画像の特徴や撮影情報に基づいて取得される俳句素材を取り出して俳句を生成するので、画像に基づいて俳句を生成することができる。つまり、画像のようなマルチメディア情報から異なる内容を表現するテキストを生成することができる。」 「【0025】 また、画像DB36には、複数の画像データが記録され、各画像データはカテゴリ分類されている。具体的には、画像データの明るさ(輝度)、色相(彩度)および構図(自然風景,人物+自然風景(背景),人物,人工物)等に基づいてカテゴリが分類されるが、この実施例では、各画像データに輝度情報、色情報、構図情報および対象物情報のラベル(付加情報)が付加される。つまり、図2(B)に示すように、画像DB36には、ラベルが付加された画像データのファイル(画像ファイル)が複数記録される。 【0026】 たとえば、画像データは、輝度値や色情報を特徴空間へ写像するなどして得られるz画素情報から輝度分布および彩度分布のような画像の特徴を抽出することができる。このような画像の特徴を抽出する方法としては、たとえば、情報処理学会「人文科学とコンピュータ」研究会,’94 Vol.24,pp.9−16 の「絵画における感性情報の抽出−背景色と主要色の抽出−」や情報処理学会論文誌 ’99 Vol.40,No.03,pp.886−898の「感性語による画像検索とその精度評価」に開示される方法を適用することができる。 【0027】 また、構図情報や対象物情報は、画像DB36の作成者や開発者等が付加する情報である。つまり、作成者等は、構図すなわち自然風景,人物+自然風景,人物,人工物の別を記述するとともに、構図に含まれる自然風景や人工物のような対象物の別を記述する。この実施例では、対象物としては、たとえば、“山”,“川”,“海”、“街”および“寺社”などが該当し、比較的大まかに分類される。 【0028】 知識DB38には、歴史情報および観光情報が登録される。この歴史情報および観光情報は、地名、風景および寺社等の代表的な事物の名称であり、季語に関連してそれらを特定することができる。つまり、図3(A)に示すように、代表的な事物の名称と後述する俳句DB40に記録される季語(季語データ)とが対応して知識DB38に記述される。 【0029】 また、知識DB38には、自立語および感性語(印象語)に相当する複数の語句のデータが記録される。ここで、自立語とは、名詞、動詞、形容詞等の中身(意味)のある語をいい、接続詞、助詞や助動詞等の語を除く。たとえば、自立語としては、“○○寺院”,“△△草原”,“雷”,“空”,“聞”,“鳴”,“明るい”,“暗い”などの語が該当する。この自立語には、上述したような事物の名称も含まれる。また、感性語とは、感覚によってよび起され、それに支配される人間の体験内容を表す語をいい、たとえば、形容詞や副詞に相当する語がこれに該当する。たとえば、感性語(印象語)としては、“広い”,“狭い”,“大きい”,“大きな”,“小さい”,“小さな”,“きれい”,“きれいな”,“醜い”などの語が該当する。 【0030】 この自立語および感性語のそれぞれには、図3(A)に示すように、上述したような画像の特徴(輝度情報、色情報)および後述する撮影環境(撮影対象、撮影場所、撮影対象、撮影時の季節および天候)のラベルが付加されており、画像の特徴および撮影環境に基づいて特定することができる。」 「【0055】 次いで、ステップS7で、撮影情報データを取得する。つまり、シスコン78に撮影情報の取得を指示する。すると、上述したように、シスコン78は、GPS80、方位センサ82、傾きセンサ84、温度センサ88、湿度センサ90および時計回路92の出力を検出し、その検出結果から位置情報(経度、緯度)、カメラ12(レンズ50)の方位情報、カメラ12(レンズ50)の傾き情報、気温、湿度および日時を取得する。そして、ステップS9では、取得した撮影情報データを、撮影画像の圧縮画像データに関連づけてEEPROM68に記録して処理を終了する。」 「【0058】 ステップS17で“NO”であれば、つまり転送ボタンがオンされなければ、そのままステップS17に戻って、転送ボタンがオンされるまで待機する。一方、ステップS17で“YES”であれば、つまり転送ボタンがオンされれば、ステップS19で、選択された画像に対応する圧縮画像データをフラッシュメモリ76から読み出すとともに、当該圧縮画像データに関連づけて記録される撮影情報データをEEPROM68から読み出して、先に入力されたユーザIDと一緒にネットワーク16を介して俳句生成装置30に転送して処理を終了する。つまり、転送データがコンピュータ32に転送される。」 「【0060】 一方、俳句生成装置30に含まれるコンピュータ32は、図6および図7に示すフロー図に従って俳句生成処理を実行する。図6に示すように、コンピュータ32は、俳句生成処理を開始すると、ステップS31でデータすなわち転送データ(ユーザID、圧縮画像データおよび撮影情報データ)を受信したかどうかを判断する。ステップS31で“NO”であれば、つまり転送データを受信していなければ、そのまま同じステップS31に戻る。 【0061】 一方、ステップS31で“YES”であれば、つまり転送データを受信すれば、ステップS33でユーザ情報を読み出す。具体的には、転送データに含まれるユーザIDを参照して、ユーザ情報DB34に記録されるユーザ情報を読み出す。続くステップS35では、受信した画像データを解析する。つまり、受信した圧縮画像データをJPEGフォーマットに従って伸長して、画像(撮影画像)の輝度分布および彩度分布を解析する。 【0062】 そして、ステップS37で、画像の特徴を抽出する。つまり、撮影画像の解析結果(輝度分布、彩度分布)から、画像DB36に記録される画像データとの類似度を算出して、算出結果から一致または最も近似する画像データを特定し、特定した画像データのラベルに記述される構図情報および対象物情報を取得する。 【0063】 続いて、ステップS39では、撮影情報データから撮影環境を作成する。ここで、撮影環境とは、撮影場所、撮影対象、撮影時の季節および天候(気温、湿度を含む。)をいう。具体的には、まず、撮影情報データに含まれる位置情報(緯度および経度)を地図DB42に入力し、カメラ12の位置(撮影場所)を特定する。次いで、撮影情報データに含まれる方位情報および傾き情報が地図DB42に入力されると、先に特定した撮影場所、方位情報および傾き情報に基づいて地図上の対象物(撮影対象)が推定される。次に、撮影情報データに含まれる日時情報および特定した撮影場所から季節を推定する。さらに、撮影情報データに含まれる温度情報や湿度情報から季節を確定する。このとき、確定した季節に応じた季語が俳句DB40から取得される。」 「【0067】 続くステップS43では、ユーザ情報、画像の特徴および撮影環境に基づいて自立語および感性語を選択する。つまり、画像の特徴および撮影環境に基づいて知識DB38から自立語および感性語を選択し、選択された自立語および感性語の中からユーザ情報に基づいてユーザの性別、年齢、好みの俳句タイプ等に合う自立語および感性語が選別される。 【0068】 なお、このとき、撮影環境から取得された季語に基づいて、観光情報および歴史情報に含まれる事物の名称(自立語)も取得される。」 「【0071】 続いて、ステップS47では、後で詳細に説明する手順に従って、俳句構成上の制約を満たす俳句テキストを生成する。簡単に言うと、5,7,5のパターンに従うとともに、いずれか1つの句に季語を含むように、ステップS45において取得した句を組み合わせて俳句のテキストデータ(俳句テキスト)を作成する。」 「【0087】 この実施例によれば、画像の特徴および撮影情報に基づいて俳句に使用する季語や語句を選択し、当該季語や語句を含む句を用いて俳句を作成するので、撮影した画像に基づいて俳句を生成することができる。つまり、画像のようなマルチメディア情報から、当該情報が示す内容とは異なる内容のテキストを生成することができる。」 【図1】「 ![]() 」 【図2】「 ![]() 」 【図3】「 ![]() 」 【図6】「 ![]() 」 【図7】「 ![]() 」 3 引用文献2 令和3年8月30日付け拒絶理由通知書の拒絶理由に引用された特開2008−205650号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0118】 次いで、優先順位算出部102は、ステップS22における計算結果に基づいて、画面全体に対する顔のサイズ比から想定される重要度を示す顔のサイズ重要度因子Wsizeを、各検出顔について計算する(ステップS23)。顔のサイズ重要度因子Wsizeは、例えば、顔の割合r_sizeの大きさに応じて以下の式(1)〜(2)により計算される。なお、Rfb1,Rfb2はそれぞれ閾値であり、Rfb1<Rfb2である。 【0119】 r_size>Rfb2のとき: Wsize=100[%] …(1) Rfb1≦r_size≦Rfb2のとき: Wsize=(r_size−Rfb1)/(Rfb2−Rfb1) …(2) r_size<Rfb1のとき: Wsize=0 ……(3) 【0120】 図6には、顔の割合r_sizeと顔のサイズ重要度因子Wsizeとの対応を表したグラフを示している。上記の式(1)〜(3)、及び図6によれば、画面に対する顔の割合r_sizeが一定の閾値Rfb2を超えている場合には、撮影者がその顔を意図的に撮像対象としたものと判断して、顔のサイズ重要度因子Wsizeを最大値の100%としている。逆に、顔の割合r_sizeが一定のしきい値Rfb1未満の場合には、その顔が撮像対象ではなく、他の顔や背景などが撮像対象になっていると判断して、顔のサイズ重要度因子Wsizeを0としている。また、顔の割合r_sizeがある範囲(Rfb1〜Rfb2)の場合には、その顔が撮像対象であるか否かについて明確な判断ができないため、その割合に応じてサイズ重要度因子Wsizeを連続的に変化させている。すなわち、顔の割合r_sizeが大きいほど、撮像対象である確率が高く、重要度が高いと判断する。」 【図6】「 ![]() 」 4 引用文献4 当審拒絶理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0013】 また、上記一側面に係る台本自動作成装置の別の形態として、前記行動履歴取得部は、前記ユーザの行動履歴情報として、前記ユーザの感情を示す感情情報を取得してもよく、前記台本作成部は、取得した前記感情情報から抽出される前記ユーザの感情を表す感情名を、感情に関する会話文の前記会話テンプレート内の所定の位置に挿入してもよい。当該構成によれば、当該構成によれば、作成される台本では、行動履歴から特定されるユーザの感情を内容に含んだ対話が構成される。そのため、自身が体験した感情をユーザに想起させることで、当該ユーザの共感をあおり、当該ユーザの関心のひきやすい対話の台本を作成することができる。なお、ユーザの感情を表す感情名は、上記「行動キーワード」に相当する。 【0014】 また、上記一側面に係る台本自動作成装置の別の形態として、前記行動履歴取得部は、前記ユーザの行動履歴情報として、前記ユーザの感情を示す感情情報を取得してもよく、前記台本作成部は、取得した前記基礎文章内の各文のうち、取得した前記感情情報から抽出される前記ユーザの感情とは反対の感情を示す反対感情語句であって、前記基礎文章内でその感情の感情値が最も高い反対感情語句を含む対象の文において、当該反対感情語句を、当該反対感情語句に対応する感情語句であって、前記ユーザの感情に適合する感情語句に置き換え、感情の間違いに対応した会話文の会話テンプレートと当該置き換えを行った対象の文とを組み合わせてもよい。当該構成によれば、作成される台本では、行動履歴から特定されるユーザの感情に対応した感情の誤りを含んだ対話が構成される。そのため、自身が体験した感情をユーザに想起させることにより当該ユーザの関心のひきやすく、かつ、感情の誤りにより当該ユーザに笑いを起こさせる対話の台本を作成することができる。なお、反対感情語句は、上記「行動キーワードに対応する対象ワード」に相当し、感情語句は、上記「関連キーワード」に相当する。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「ユーザ」は、本願発明1の「利用者」に相当する。 イ 引用発明の「画像の撮影位置」又は「画像データの撮影位置」は、ユーザの撮影した位置であるといえるから、上記アを踏まえると、本願発明1の「利用者の位置」に相当する。また、引用発明において、「制御部201は、送信されてきた画像データの撮影位置情報を検出」することから、「撮影位置」は、入力情報として受け付けられていることは明らかである。 ウ 引用発明の「画像の撮影位置」又は「画像データの撮影位置」は、ユーザが訪問した場所であることは明らかであるから、上記アを踏まえると、本願発明1の「当該利用者が訪問した場所」に相当する。また、引用発明の「地名」は、本願発明1の「場所の名称」に相当する。さらに、引用発明の「制御部201」は、「画像の撮影位置を参照情報記録部203bに記録されている地図データと照合して、画像の撮影位置に対応する地名Bを判別」することから、「画像の撮影位置」又は「画像データの撮影位置」から「地名B」を「オブジェクトの名称として特定する」「特定部」に相当する構成であるといえる。 エ 上記ア−ウを踏まえると、引用発明の「制御部201」は、本願発明1の「入力情報として受付けられた利用者の位置の履歴から当該利用者が訪問した場所の名称をオブジェクトの名称として特定する特定部」と、「入力情報として受付けられた利用者の位置から当該利用者が訪問した場所の名称をオブジェクトの名称として特定する特定部」である点で共通するといえる。 オ 引用発明の「作成」は、本願発明1の「生成」に相当する。また、引用発明の「制御部201」は、「地名Bを表記するような文章を作成する」ことから、上記ウを踏まえると、本願発明1の「特定部により特定されたオブジェクトの名称を含む文章であって、所定の制約を満たす形式の文章を生成する生成部」と、「特定部により特定されたオブジェクトの名称を含む文章を生成する生成部」である点で共通するといえる。 カ 引用発明の「サーバ200」は、「文書自動作成装置としての機能を有する」から、上記オを踏まえると、本願発明1の「生成装置」に相当する。また、引用発明の「サーバ200」は、「制御部201」を有しているから、上記エ、オを踏まえると、本願発明1の「特定部」と「生成部」とを有しているといえる。 キ なお、参考として、引用発明の「ユーザの行動履歴情報」について以下付記する。 引用発明の「ユーザの行動履歴情報」は、「ユーザの撮影時以外の行動を示す情報であり、より具体的には、ユーザが何時、どこにいるかを逐次検出して記録しておいた情報であ」ることから、本願発明1の「利用者の位置の履歴」に相当する。また、引用発明の「ユーザの行動履歴情報」は、「画像データが受信されると、制御部201は、受信した画像データを撮影情報とともに記録部203の画像記録部203aに記録させるとともに、画像データとともに受信されるユーザの行動履歴情報を参照情報記録部203bに記録させ」ることから、入力情報として受け付けられることは明らかである。したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「ユーザの行動履歴情報」は、本願発明1の「入力情報として受付けられた」「利用者の位置の履歴」に相当する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「入力情報として受付けられた利用者の位置から当該利用者が訪問した場所の名称をオブジェクトの名称として特定する特定部と、 特定部により特定されたオブジェクトの名称を含む文章を生成する生成部と を有することを特徴とする生成装置。」 (相違点1) 当該利用者が訪問した場所の名称をオブジェクトの名称として特定することにおいて、本願発明1では、「利用者の位置の履歴」から特定するのに対し、引用発明では、「画像の撮影位置」又は「画像データの撮影位置」から特定する点。 (相違点2) 本願発明1では、「所定の制約を満たす形式の文章を生成する」のに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。 (相違点3) 本願発明1では、「前記生成部がそれぞれ異なる利用者から受付けた入力情報ごとに生成した複数の文章を公開する公開部」を有するのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。 (相違点4) 本願発明1では、「前記公開部により公開された文章に対する評価を受付ける受付部」を有するのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、「文章の公開」に関するものである点で互いに関連している上記相違点3−4について、まとめて先に検討する。 引用文献1−2、4には、上記相違点3−4に係る本願発明1の構成について記載も示唆もなく、また、このような構成が本願の出願前において周知技術であったともいえない。 したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献1−2、4に記載された技術的事項から、上記相違点3−4に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。 よって、上記相違点1−2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献1−2、4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2 本願発明2−9について 本願発明2−9は、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1−2、4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 3 本願発明10−11について 本願発明10−11は、本願発明1の構成に対応する構成を実質的に備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献1−2、4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第7 原査定についての判断 1 上記第2の1、3については、令和5年4月3日にされた手続補正において、請求項1の記載が「入力情報として受付けられた利用者の位置の履歴から当該利用者が訪問した場所の名称をオブジェクトの名称として特定する特定部」及び「特定部により特定されたオブジェクトの名称を含む文章であって、所定の制約を満たす形式の文章を生成する生成部」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 2 上記第2の2については、令和5年4月3日にされた手続補正において、原査定時の請求項5が削除された結果、この拒絶の理由は解消した。 第8 当審拒絶理由の理由1についての判断 令和5年4月3日にされた手続補正において、補正前の請求項10の記載が「前記生成部により生成された文章であって、利用者が所定の文章に沿って撮影した動画像から生成された文章と、当該所定の文章とを比較する比較部」及び「複数の利用者が前記所定の文章に沿って撮影した動画像のうち、前記生成部により生成された文章が、前記所定の文章に最も類似する動画像を判定する判定部」と補正されて新たな請求項9とされた結果、この拒絶の理由は解消した。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2023-05-22 |
出願番号 | P2018-234770 |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
▲吉▼田 耕一 |
特許庁審判官 |
富澤 哲生 中野 裕二 |
発明の名称 | 生成装置、生成方法および生成プログラム |
代理人 | 弁理士法人酒井国際特許事務所 |