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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 E05B 審判 全部申し立て 1項2号公然実施 E05B 審判 全部申し立て 2項進歩性 E05B |
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管理番号 | 1398208 |
総通号数 | 18 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2023-06-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-03-08 |
確定日 | 2023-03-01 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第6751805号発明「ドア用ハンドルの取付け構造およびドア用ハンドルの取付け構造を有するドア」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6751805号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜17〕について訂正することを認める。 特許第6751805号の請求項1〜17に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6751805号の請求項1〜17に係る特許についての出願は、令和1年8月22日に出願され、令和2年8月19日にその特許権の設定登録がされ、同年9月9日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和3年3月8日に特許異議申立人 藤田 幸三郎(以下「申立人」という。)により全請求項に対して特許異議の申立てがされたところ、その後の経緯は以下のとおりである。 令和3年 6月 4日付け:取消理由通知 同年 8月 5日 :意見書の提出及び訂正の請求(特許権者) 同年12月10日付け:訂正拒絶理由通知 令和4年 1月14日 :意見書の提出(特許権者) 同年 3月31日付け:取消理由通知(決定の予告) 同年 5月30日 :意見書の提出及び訂正の請求(特許権者) 同年 6月 8日 :訂正請求があった旨の通知 同年 7月14日 :意見書の提出(申立人) 同年 8月25日付け:取消理由通知(決定の予告) 同年10月26日 :意見書の提出及び訂正の請求(特許権者) なお、令和4年10月26日に訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされたので、令和3年8月5日及び令和4年5月30日にされた先の訂正の請求は、特許法120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 また、本件訂正請求は、申立人に意見を聴くまでもないことが明らかであるから(先の令和4年5月30日にされた訂正の請求による訂正後の請求項1、16、17に係る発明に対して申立人により同年7月14日付け意見書に添付して新たに提出された証拠に基づく同年8月25日付け取消理由通知(決定の予告)に対応して、上記意見書において申立ての対象とされておらず、上記証拠に記載のない請求項2に記載の発明特定事項を上記請求項に追加するものである。)、申立人に意見書を提出する機会は与えない。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を、「ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造において、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造。」に訂正する。(請求項1を引用する請求項2〜15、17も同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を、「前記ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部の凹部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の 側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けた請求項1記載のドア用ハンドルの取付け構造。」に訂正する。(請求項2を引用する請求項3〜15、17も同様に訂正する。) (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を、「一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。」に訂正する。(請求項3を引用する請求項17も同様に訂正する。) (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項15を、「前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔内に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介しロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。」に訂正する。(請求項15を引用する請求項17も同様に訂正する。) (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項16を、「ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造を有するドア。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項17を、「前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するドア。」に訂正する。 (7)訂正事項7 明細書の段落【0010】を、「請求項1の発明は、ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造において、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置し、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にするようにしている。 請求項2の発明は、ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部の凹部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設け、一対のハンドル取付座を簡便に接続可能にしている。 請求項3の発明は、一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にして、圧入シャフトとパイプシャフトの経年劣化による修復作業の煩雑を回避し、他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをパイプシャフトにねじ込んで接続し、一対のハンドル取付座の接続を長期に亘って維持可能にしている。 請求項4の発明は、レバーハンドルの取付け基部の内側に前記座盤を収容可能な凹部を形成し、該凹部内に前記座盤を密接して配置し、レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座の端部を確実に収容して隠蔽するようにしている。」に訂正する。 (8)訂正事項8 明細書の段落【0013】の請求項15の発明に係る記載を、「請求項15の発明は、前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介してロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置し、横長矩形の座盤に対応してハンドル取付座のパイプシャフトまたは圧入シャフトを合理的に配置するとともに、一対のレバーハンドル間に配置した角芯棒を他方のレバーハンドルに簡便に連結可能にしている。」に訂正する。 (9)訂正事項9 明細書の段落【0014】を、「請求項16の発明は、ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置し、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にするドアを提供し得るようにしている。 請求項17の発明は、前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有し、内外にハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられるドアを提供し得るようにしている。」に訂正する。 (10)訂正事項10 明細書の段落【0015】を、「請求項1の発明は、凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したから、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にすることができる。 請求項2の発明は、前記ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部の凹部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けたから、一対のハンドル取付座を簡便に接続することができる。 請求項3の発明は、一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にしたから、圧入シャフトとパイプシャフトの経年劣化による修復作業の煩雑を回避し、他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをパイプシャフトにねじ込んで接続し、一対のハンドル取付座の接続を長期に亘って維持することができる。 請求項4の発明は、レバーハンドルの取付け基部の内側に前記座盤を収容可能な凹部を形成し、該凹部内に前記座盤を密接して配置したから、レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座の端部を確実に隠蔽することができる。」に訂正する。 (11)訂正事項11 明細書の段落【0018】の請求項15の発明に係る記載を、「請求項15の発明は、前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔内に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介してロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置したから、横長矩形の座盤に対応してハンドル取付座のパイプシャフトまたは圧入シャフトを合理的に配置するとともに、一対のレバーハンドル間に配置した角芯棒を他方のレバーハンドルに簡便に連結することができる。」に訂正する。」に訂正する。 (12)訂正事項12 明細書の段落【0019】を、「請求項16の発明は、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したから、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にするドアを提供することができる。 請求項17の発明は、ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するから、内外にハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられ、その端部を隠蔽できるドアを提供することができる。」に訂正する。 (13)訂正事項13 明細書の段落【0011】の請求項5の発明に係る記載を、「請求項5の発明は、張出部の厚さを凹部の深さ以上に形成し、レバーハンドルの取付け時、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間に微小な隙間を形成可能にし、張出部の厚さ以下の微小な隙間を合理的に形成し、ハンドル取付座の端部の隠蔽を促し、レバーハンドルの取付け基部周辺の体裁を向上するようにしている。」に訂正する。 (14)訂正事項14 明細書の段落【0016】の請求項6の発明に係る記載を、「請求項6の発明は、張出部の厚さを、凹部の深さに前記隙間の寸法を相加した寸法に形成したから、張出部の厚さを凹部の深さに前記隙間の寸法を加味した具体的な寸法に設定し、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間の微小な隙間を合理的に形成することができる。」に訂正する。 (15)一群の請求項 訂正前の請求項2〜15、17は、これらの請求項が直接又は間接的に引用する請求項1の記載を訂正する訂正事項1によって連動して訂正され、訂正前の請求項17は、同請求項が直接引用する請求項16の記載を訂正する訂正事項5によって連動して訂正されるから、請求項〔1〜15、17〕及び請求項〔16、17〕は、それぞれ特許法134条の2第3項に規定する一群の請求項である。そして、これらの一群の請求項は、請求項17を共通して有しているから、組み合わされて一つの一群の請求項〔1〜17〕となる。 したがって、本件訂正は、一群の請求項〔1〜17〕についてするものである。 2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び新規事項の有無 以下、上記各訂正事項について、訂正の適否について検討する。なお、すべての請求項について特許異議申立ての対象とされているので、すべての訂正事項について特許法120条の5第9項において読み替えて準用する特許法126条7項の独立特許要件は課されない。 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1において、「ドア用ハンドルの取付け構造において、」の後で「レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部」を配置することを特定していたのを、「ドア用ハンドルの取付け構造において、」の前で特定することとするとともに、訂正前に記載の「レバーハンドルの取付け基部」について、「レバーハンドルの端部周縁に突設し」たものであること、訂正前に記載の「凹部」について、その「正面形状」が「横長の略台形形状に形成」されたものであること、訂正前に記載の「ハンドル取付座」について、その「横長の座盤」が「凹部内に」配置されることをそれぞれ特定するものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものか 訂正事項1は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の請求項1に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 訂正事項1における「レバーハンドルの取付け基部」について、「レバーハンドルの端部周縁に突設」することは、願書に添付した明細書(以下「本件明細書」といい、特許請求の範囲及び図面と併せて「本件明細書等」という。)の段落【0035】に「取付け基部」が「26a,27a」、「凹部」が「31,32」の符号で示されることが記載されていることを踏まえて図8をみると、本件明細書等に記載されているといえる。 訂正事項1における「レバーハンドルの取付け基部の内側」に形成した「凹部」について、その「正面形状」が「横長の略台形形状に形成」されたものであることは、本件明細書の段落【0029】の「前記取付け基部26a,27aの正面形状は・・・横長の略等脚台形形状に形成され」及び段落【0035】の「前記凹部31,32は、取付け基部26a,27aの内側に略同形の横長の略台形形状に形成され」との記載に基づくものといえる。 訂正事項1における「ハンドル取付座」について、その「横長の座盤」が「凹部内に」配置されることについて、本件明細書の段落【0028】の「前記ハンドル取付座14,15は横長矩形の座盤16,17を備え」及び【0029】の「座盤16,17の端部は後述の凹部内に位置し」との記載に基づくものといえる。 したがって、訂正事項1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものといえる。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項1は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2は、訂正前の請求項2に記載の「ハンドル取付座」が備える「座盤」について、「横長矩形」であることを特定するとともに、訂正前に記載の「座盤の後方の側面を区画する側壁部」について、その「側方に前記張出部を突設し、該側壁部の」両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを突設するものであることを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものか 訂正事項2は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の請求項2に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 訂正事項2における「ハンドル取付座」が備える「座盤」について、「横長矩形」であることは、本件明細書の段落【0028】の「前記ハンドル取付座14,15は横長矩形の座盤16,17を備え」との記載に基づくものといえる。 訂正事項2における「座盤の後方の側面を区画する側壁部」について、その「側方に前記張出部を突設し、該側壁部の」両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを突設することは、本件明細書の段落【0033】の「前記張出部18,19に隣接する後部周面に、段部を介して側壁20,21が座盤16,17の正面形状と略相似形状に形成され、」、段落【0039】の「前記筒状シリンダ24の後方開口部の両側に合成樹脂製のパイプシャフト45が突出成形され、」、段落【0042】の「前記ハンドル取付座15の筒状シリンダ25の前方開口部の両側に、合成樹脂製の前記圧入シャフト50が突設され、該圧入シャフト50の長さはパイプシャフト45と同長に形成されている。」との記載、及び、図6、図7等から「前記筒状シリンダ24の後方開口部の両側」は「側壁20,21」の両側でもあることが看取できることに基づくものといえる。 したがって、訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものといえる。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項2は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 訂正事項3は、訂正前の請求項3に「一対のハンドル取付座を接続可能に可能にした」との記載を「一対のハンドル取付座を接続可能にした」とするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものか 訂正事項3は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正前の請求項3に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 訂正事項3に係る訂正が、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかである。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項3は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項15に記載の「ハンドル取付座」の「座盤」について、「横長矩形」であることを特定するとともに、訂正前に記載の「一方の筒状シリンダ」に挿入可能に設けた「一方のレバーハンドルに突設した軸筒部」について、その「両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置」すること、訂正前に記載の「他方の筒状シリンダ」に「軸筒部を挿入可能に設け」た「凹孔を有するシャフトホルダ」について、その「両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置」することをそれぞれ特定するものであるから、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものか 訂正事項4は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の請求項15に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 訂正事項4における「ハンドル取付座」の「座盤」が「横長矩形」であることは、本件明細書の段落【0028】の「前記ハンドル取付座14,15は横長矩形の座盤16,17を備え」との記載に基づくものといえる。 訂正事項4における「一方の筒状シリンダ」に挿入可能に設けた「一方のレバーハンドルに突設した軸筒部」について、その「両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置」すること、及び、「他方の筒状シリンダ」に「軸筒部を挿入可能に設け」た「凹孔を有するシャフトホルダ」について、その「両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置」することは、本件明細書の段落【0055】に「前記筒状シリンダ24(「一方の筒状シリンダ」に相当)の後方開口部の両側にパイプシャフト45を突出成形」し、段落【0058】に「前記ハンドル取付座15の筒状シリンダ25(「他方の筒状シリンダ」に相当)の前方開口部の両側に、前記圧入シャフト50を突設」することが記載されていること、「パイプシャフト45」、「圧入シャフト50」が、それぞれ「筒状シリンダ24」、「筒状シリンダ25」のいずれに設けられてもよいことがその機能からみて明らかであることを踏まえると、本件明細書等に記載されているといえる。 したがって、訂正事項4は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項4は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 訂正事項5は、訂正前の請求項16に記載の「内外」について、「ドアの内外」であることを明確にし、訂正前に前記がされていないのに「前記レバーハンドルの取付け基部」と記載されていたことから「前記」との記載を削除し、訂正前に「ドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、」の後で「レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置」することを特定していたのを、「ドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、」の前で特定することとするとともに、訂正前に記載の「レバーハンドルの取付け基部」について、「端部周縁に突設し」たものであること、訂正前に記載の「凹部」について、その「正面形状」が「横長の略台形形状に形成」されたものであること、訂正前に記載の「ハンドル取付座」について、その「横長の座盤」が「凹部内に」配置されることをそれぞれ特定するものであるから、訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的とするとともに特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものか 訂正事項5は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするとともに特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正前の請求項16に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 訂正事項1について上記(1)ウで検討したのと同様の理由により、訂正事項5は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項5は、特許法120条の5第2項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的 訂正事項6は、訂正前の請求項17に記載の「前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造を有する請求項16記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するドア」を、「前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するドア」とし、「を有する請求項16記載」なる記載を削除することで、訂正前の請求項17が同じ特定事項を有する請求項1と請求項16とを重複して引用していたのを解消するものであるから、訂正事項6は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものか 訂正事項6は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正前の請求項17に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項の追加の有無 訂正事項6は、上記アのとおり、同じ特定事項を有する請求項1と請求項16とを重複して引用していたのを解消するものであり、訂正前の請求項17に記載されていたものである。 したがって、訂正事項6は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項6は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (7)訂正事項7について 訂正事項7は、訂正事項1〜3により、請求項1〜3の記載が訂正されたのに伴い、明細書の段落【0010】の記載をこれに整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項7は、訂正事項1〜3について上記(1)ウ〜(3)ウで検討したのと同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項7は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (8)訂正事項8について 訂正事項8は、訂正事項4により、請求項15の記載が訂正されたのに伴い、明細書の段落【0013】の記載をこれに整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項8は、訂正事項4について上記(4)ウで検討したのと同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項8は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (9)訂正事項9について 訂正事項9は、訂正事項5、6により、請求項16、17の記載が訂正されたのに伴い、明細書の段落【0014】の記載をこれに整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項9は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項9は、訂正事項5、6について上記(5)ウ、(6)ウで検討したのと同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項9は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (10)訂正事項10について 訂正事項10は、訂正事項1、2により、請求項1、2の記載が訂正されたのに伴い、明細書の段落【0015】の記載をこれに整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項10は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項10は、訂正事項1、2について上記(1)ウ、(2)ウで検討したのと同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項9は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (11)訂正事項11について 訂正事項11は、訂正事項4により、請求項15の記載が訂正されたのに伴い、明細書の段落【0018】の記載をこれに整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項11は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項11は、訂正事項4について上記(4)ウで検討したのと同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項11は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (12)訂正事項12について 訂正事項12は、訂正事項5、6により、請求項16、17の記載が訂正されたのに伴い、明細書の段落【0019】をこれに整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項12は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項12は、訂正事項5、6について上記(5)ウ、(6)ウで検討したのと同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項12は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (13)訂正事項13について 訂正事項13は、明細書の段落【0011】における請求項5についての記載を特許請求の範囲の請求項5の記載に整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項13は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項5に記載された事項であり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項13は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 (14)訂正事項14について 訂正事項14は、明細書の段落【0016】における請求項6についての記載を特許請求の範囲の請求項6の記載に整合させようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 そうすると、訂正事項13は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更しないものであることは明らかである。 そして、訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項5に記載された事項であり、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 以上のとおりであるから、訂正事項13は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 3 まとめ 以上のとおり、本件訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号又は3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同法120条の5第9項において準用する同法126条5項又は6項の規定に適合するので、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−17〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2で示したとおり、本件訂正請求による訂正後の請求項〔1〜17〕について訂正が認められるから、本件特許の請求項1〜17に係る発明(以下「本件発明1」などととい、まとめて「本件発明」という。)は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1〜17に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造において、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項2】 前記ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部の凹部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けた請求項1記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項3】 一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項4】 前記レバーハンドルの取付け基部の内側に前記座盤を収容可能な凹部を形成し、該凹部内に前記座盤を密接して配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項5】 前記張出部の厚さを凹部の深さ以上に形成し、レバーハンドルの取付け時、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間に微小な隙間を形成可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項6】 前記張出部の厚さを、凹部の深さに前記隙間の寸法を相加した寸法に形成した請求項5記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項7】 前記側壁部に複数の突起を形成し、該突起をハンドル取付座を配置する取付孔の内壁に係合可能に配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項8】 前記側壁部の内部に空隙部を形成し、前記側壁部に弾性を付与可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項9】 一方のハンドル取付座の座盤の後方に肉厚の偏肉部を形成した一対のパイプシャフトを突設し、他方のハンドル取付座の座盤の後方に、前記パイプシャフトに挿入可能な一対の圧入シャフトを突設し、前記パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項10】 前記パイプシャフトの偏肉部と反対側の周面にスリットを形成した請求項9記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項11】 前記一方のハンドル取付座の座盤にパイプシャフトに連通する連通孔を形成し、該連通孔に棒状の工具を挿入可能に設け、該工具を介しパイプシャフトに係合した圧入シャフトを押し出し可能にした請求項9記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項12】 前記他方のハンドル取付座の座盤に一対の凹部を形成し、該凹部の底部に圧入シャフトと同軸位置にビス孔を形成した請求項11記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項13】 前記圧入シャフトの基部を切断可能に設け、該切断後、前記ビス孔にタッピングスクリュを挿入し、該タッピングスクリュを対応するパイプシャフトにねじ込み可能にした請求項12記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項14】 一方のハンドル取付座の座盤に開口した連通孔の近接位置に矢視形状の指標を設け、連通孔の位置を表示可能にした請求項11記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項15】 前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔内に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介しロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項16】 ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造を有するドア。 【請求項17】 前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するドア。」 第4 令和4年8月25日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 当審より令和4年8月25日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 請求項1に係る発明は、検甲第2号証により示される永大産業株式会社製レバーハンドル(TDB−CK12SM1)(以下「公然実施発明2」という。)と同一である。 請求項1、16、17に係る発明は、公然実施発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 公然実施発明2について (1)甲第8号証の1〜4、甲第9号証の記載 ア 甲第8号証の1(楽天市場「お家王国」からの電子メールのプリントアウト(写し)。以下「甲8の1」という。)によれば、2022年6月29日に、楽天市場「お家王国」より、受注番号「305164-20220629-0590407923」として同日に受け付けた注文について当該注文を受理した旨を注文者に通知したこと(1枚目)、注文した商品は「永大産業株式会社製レバーハンドル[12SM型・定鍵・シルバー色]丸座一体型デザインオプション部材(TDB−CK12SM1)」(1個)であること(2枚目)、同商品を同日出荷した旨の案内を同日中に通知したこと(4枚目)が理解できる。 イ 甲第8号証の2(注文した商品の外箱と内容物の写真(写し)。以下「甲8の2」という。)の写真22−1ないし3によれば、同商品(TDB−CK12SM1)が段ボールに梱包されて出荷されたこと、写真22−5によれば、同商品とともに施工説明書が梱包されていたことが理解できる。 「 ![]() 」 「 ![]() 」 ウ 甲第8号証の3(注文した商品に付属していた施工説明書、及びその拡大図(写し)。以下「甲8の3」という。)には、次の図示がある。 「 ![]() 」 エ 甲第8号証の4(注文した商品のドアへの取付構造の写真(写し)。以下「甲8の4」という。)には、次の写真がある。 「 ![]() 」 「 ![]() 」 オ 甲第9号証(カタログ「Skism Brand Catalogue」、永大産業株式会社、2018年8月、第1版。以下「甲9」という。)の第102頁には、以下の写真がある。 「 ![]() 」 カ 上記ア〜エによれば、検甲2の永大産業株式会社製レバーハンドル(TDB−CK12SM1)(以下「公然実施発明2」という。)は、検甲2の各部品の写真(甲8の4)、同梱されていた施工説明書(甲8の3)の記載を踏まえると、以下の構成を備えるものと認められる。なお、公然実施発明2における部品の名称については施工取付説明書(甲8の3)にその名称の記載があることから、これに従った。 【公然実施発明2】 (ア)レバーハンドルA及びレバーハンドルBを有しており、 (ア−1)レバーハンドルAは、円形状の端部を有し、当該円形状の端部の内側には、軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成され、当該凹部の中央には、軸方向に延びる四角柱状の角芯が設けられた円柱状の突起が形成されており、 (ア−2)レバーハンドルBは、円形状の端部を有し、当該円形状の端部の内側には、軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成され、当該凹部の中央には、軸方向に断面四角形状の孔が延びるように設けられた円柱状の突起が形成されており、 (イ)レバーハンドルA及びレバーハンドルBは、それぞれの上記凹部に配置される化粧台座を有しており、 (イ−1)レバーハンドルA側の化粧台座は、軸方向に縮径する断面円形状を有する部材からなり、周辺にはネジ柱が貫通する2つの貫通孔が形成され、中央にはレバーハンドルAに設けられた上記四角柱状の角芯が貫通する貫通孔が形成されており、 (イ−2)レバーハンドルB側の化粧台座は、軸方向に縮径する断面円形状を有する部材からなり、周辺には座取付ネジが貫通する2つの貫通孔が形成され、中央にはレバーハンドルAに設けられた上記四角柱状の角芯が貫通する円形の貫通孔が形成されており、 (ウ)レバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの端部の凹部にそれぞれの縮径方向が一致するように化粧台座を配置するとともに、化粧台座のそれぞれの周辺に形成された2つの貫通孔が対向するように配置することで、レバーハンドルB側の化粧台座の周辺に形成された2つの貫通孔を貫通するそれぞれの座取付ネジがレバーハンドルA側の化粧台座の周辺に形成された2つの貫通孔を貫通するネジ柱にそれぞれ挿入するこができ、レバーハンドルAの凹部の中央に設けられた上記四角柱状の角芯がそれぞれの化粧台座の中央に形成した貫通孔を貫通し、レバーハンドルBの凹部の中央に設けられた円柱状の突起に形成した断面四角形状の孔に挿入することができる、 レバーハンドル。 3 当審の判断 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と公然実施発明2と対比する。 (ア)公然実施発明2におけるレバーハンドルAの凹部の中央に設けられた四角柱状の角芯は、レバーハンドルBの凹部の中央に設けられた円柱状の突起に形成した断面四角形状の孔に挿入されることを踏まえると、公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBは、本件発明1における『ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置』されることに相当する。 (イ)公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの円形状の端部の内側に軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成されるところ、レバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの円形状の端部は、本件発明1における『レバーハンドルの取付け基部』に相当するから、上記アでみたように、レバーハンドルAの凹部の中央に設けられた四角柱状の角芯が、レバーハンドルBの凹部の中央に設けられた円柱状の突起に形成した断面四角形状の孔に挿入されることを踏まえると、公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの円形状の端部は、本件発明1における『(前記レバーハンドルの取付け基部を)相対して配置』するものであることに相当する。 (ウ)公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの円形状の端部(取付け基部)の内側に形成された「軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部」は、それぞれの凹部に化粧台座(ハンドル取付座)が配置されるから、本件発明1における『該レバーハンドルの取付け基部の内側に』『形成』された『ハンドル取付座を収容可能な凹部』に相当する。 そうすると、公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの円形状の端部(取付け基部)の内側に形成された「軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部」に、それぞれ化粧台座(ハンドル取付座)が配置されることは、本件発明1における『該凹部内にハンドル取付座の端部を配置』することに相当する。 また、公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれの円形状の端部(取付け基部)の内側に形成された「軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部」に、それぞれ化粧台座(ハンドル取付座)が配置されることは、本件発明1における『該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置したドア用ハンドルの取付け構造』に相当することも明らかである。 (エ)公然実施発明2におけるレバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれ円形状の端部(取付け基部)の内側には、軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成されているから、レバーハンドルA及びレバーハンドルBのそれぞれ円形状の端部(取付け基部)の周縁に部材が形成されることとなることは、本件発明1における『レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設した』ことに相当する。 以上によれば、本件発明1と公然実施発明2とは、以下の一致点及び相違点を有する。 (一致点) ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置したドア用ハンドルの取付け構造において、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造。 【相違点】 本件発明1では、「前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置した」のに対し、 公然実施発明2では、レバーハンドルA及びBの端部の内側に軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成され、当該凹部に軸方向に縮径する断面円形状を有する部材からなる化粧台座が配置される点。 上記相違点について検討する。 公然実施発明2は、レバーハンドルA及びBの端部の内側に軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部を形成し、当該凹部に軸方向に縮径する断面円形状を有する部材からなる化粧台座を配置するようにしたものであるところ、公然実施発明2における「軸方向に縮径する断面円形状」有する凹部及び化粧台座について、それぞれ「正面形状を横長の略台形形状」、「横長」の形状とする動機付けはないし、かかる形状とすることが周知技術であるとか設計的事項であるとは、申立人が特許異議申立書に添付して提出したいずれの証拠を参酌しても認められない。 イ 小括 したがって、本件発明1は、公然実施発明2と同一ではない。 また、本件発明1は、公然実施発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明16、17について 本件発明16、17は、本件発明1の構成を含んでいるから、本件発明1について検討したのと同様の理由により、公然実施発明2と同一のものとはいえないし、公然実施発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 第5 令和4年8月25日付け取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許異議申立書において主張された申立理由 申立人が、特許異議申立書において主張した申立理由の概要及び同申立書に添付して提出した証拠は、以下のとおりである。 【理由1】請求項1、16、17に係る発明は、検甲第1号証の「オルガニコ」として本件特許に係る出願前に公然実施されていた(以下「公然実施発明1」という。)ものであって、特許法第29条第1項第2号の規定に該当するから、請求項1、16、17に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 【理由2】請求項1〜6、15〜17に係る発明は、公然実施発明1及び甲第4号証〜甲第6号証に記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1〜6、15〜17に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 【理由3】請求項2〜15、17の記載が不明確であり、特許を受けようとする発明が明確でないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 <引用文献等一覧> 検甲第1号証 :株式会社サンワカンパニー製のドア用レバーハンドル 「オルガニコ」(品番DH07009) 甲第1号証の1:電子メール「Subject: ご入金確認完了のお知らせ」の プリントアウト、送信者:株式会社サンワカンパニー (送信日:2021年1月16日) 甲第1号証の2:検甲第1号証の「オルガニコ」の外箱と内容物の写真 (撮影日:令和3年2月26日、撮影者:藤田幸三郎) 甲第1号証の3:検甲第1号証の「オルガニコ」付属の取付説明書と取扱 説明書、並びに、分解斜視図の拡大図 甲第1号証の4:検甲第1号証の「オルガニコ」の各部品の写真 (撮影日、撮影者は、甲第1号証の2と同じ) 甲第1号証の5:検甲第1号証の「オルガニコ」のドアヘの取付構造の 写真(撮影日、撮影者は、甲第1号証の2と同じ) 甲第2号証 :カタログ「Best selection2015, Vol.22,sanwacompany」 株式会社サンワカンパニー、2015年発行 甲第3号証 :株式会社サンワカンパニーの糴川康次郎の陳述書 甲第4号証 :特開2006−257705号公報 甲第5号証 :特開平7−310465号公報 甲第6号証 :特開2003−97103号公報 甲第8号証の1:楽天市場「お家王国」からの電子メールのプリントアウ ト 甲第8号証の2:注文した商品の外箱と内容物の写真 甲第8号証の3:注文した商品に付属していた施工説明書及びその拡大図 甲第8号証の4:注文した商品のドアへの取付構造の写真 甲第9号証 :カタログ「Skism Brand Catalogu e」、永大産業株式会社、2018年8月、第1版 2 各甲号証について (1)甲第1号証の1〜5、甲第2、3号証の記載 申立人は、株式会社サンワカンパニー製のドア用レバーハンドル「オルガニコ」(品番DH07009)の現物を検甲第1号証(以下「検甲1」という。)として提出しているところ、これに関連する証拠として提出した甲第1号証の1〜5(以下「甲1の1」などという。)並びに甲第2号証及び甲第3号証(以下「甲2」、「甲3」という。)には、以下の記載、図又は写真がある。 ア 甲1の1(電子メール「Subject:ご入金確認完了のお知らせ」のプリントアウト、送信者:株式会社サンワカンパニー、送信日:2021年1月16日)(以下、黒塗りされた記載箇所を「(黒塗り)」、摘記を省略した記載箇所を「(略)」と記す。) (ア)1枚目 ・「Subject:ご入金確認完了のお知らせ」、「From:サンワカンパニー(customer@sanwacompany.co.jp)」、「To:(黒塗り)」、「Date:2021/1/16,Sat.09:15」 ・「このたびはご注文いただき、誠にありがとうございます。下記の注文について、審査が完了いたしましたのでご案内いたします。現在、出荷および生産の手配をしております。完了しましたら納品予定日をお知らせいたします。」 ・「■ご注文内容」、「受付番号:(略)」、「ご注文受付日時:2021年01月16日08:45:48」、「会社名:」、「ご注文者:(黒塗り)様」 ・「品番:DH07009」、「商品名:オルガニコ」、「販売価格:5,300円/セット 数量:1セット 合計:5,300円」 ・「■お買上金額」、「商品代金小計:5,300円」、「運賃:890円」、「クーポンご利用額:0円」、「お支払い合計金額:6,190円」、「※すべて税込価格です。」 ・「■お支払い方法」、「お支払方法:請求書後払い」 (イ)2〜3枚目 ・「■お届け先情報」、「会社名:」、「氏名:(黒塗り)様」、「〒(黒塗り)」、「電話番号:(黒塗り)」、「お届け方法:混載便」 ・「建材・建築資材の通販ならサンワカンパニー」、「〒(略)」、「電話番号:(略)」、「MAIL:(略)」、「URL: https://www.sanwacompany.co.jp/shop/」、「担当者:お問合せ担当者」 ・「不明な点はお気軽にお問合せください。」 イ 甲1の2(検甲1の「オルガニコ」の外箱と内容物の写真(撮影日:令和3年2月26日、撮影者:藤田幸三郎)) (ア)1枚目 「 ![]() 」 (イ)4枚目 「 ![]() 」 ウ 甲1の3(検甲1の「オルガニコ」付属の取付説明書と取扱説明書、並びに、分解斜視図の拡大図) (ア)1枚目 「 ![]() 」 エ 甲1の4(検甲1の「オルガニコ」の各部品の写真(撮影日、撮影者は、甲1の2と同じ)) (ア)1枚目 「 ![]() ![]() 」 (イ)3〜4枚目 「 ![]() ![]() 」 (ウ)5〜7枚目 「 ![]() ![]() ![]() ![]() 」 (エ)8〜10枚目 「 ![]() ![]() ![]() ![]() 」 オ 甲1の5(検甲1の「オルガニコ」のドアヘの取付構造の写真(撮影日、撮影者は、甲1の2と同じ)) (ア)1枚目 「 ![]() 」 (イ)7枚目 「 ![]() 」 (ウ)9枚目 「 ![]() 」 カ 甲2(カタログ「Best selection2015,Vol.22,sanwacompany」、株式会社サンワカンパニー、2015年発行、表紙、第3〜5、341頁、裏表紙) (ア)表紙 「 ![]() 」 (イ)341頁 「 ![]() ![]() 」 キ 甲3(株式会社サンワカンパニーの糴川康次郎の陳述書) (ア)1枚目 「陳述書」 「当社は、遅くとも2015年から現在に至るまで、「オルガニコ」(品番:DH07009)という商品名のレバーハンドルを販売しております。 当社のカタログ「Best selection 2015,Vol.22,sanwacompany」は2015年に発行されたものです。このカタログの第341頁に、当時販売していたオルガニコの写真、価格(¥5,200/セット)、及びサイズ(W153×H52.5×D68.5mm)が記載されております。 私が知る限り、2015年から現在に至るまで、オルガニコの仕様は変更されておりません。したがって、2015年に販売されていたオルガニコの構造は、現在市販されているオルガニコの構造と同じであると思います。」 「2021年1月27日 大阪府大阪市北区・・・ 株式会社サンワカンパニー マーケティング部企画デザイン課 マネージャー 糴川康次郎」 ク 公然実施発明1 (ア)上記甲1の1〜5、甲2、3の記載によれば、現物として提出された検甲1の「オルガニコ」は、甲1の1の電子メールにより、2021年1月16日に株式会社サンワカンパニーに注文され、甲1の2(写真2−2参照)により、同月20日に納品されたものと認められる。そして、同注文の基とされたとされる甲2のカタログの341頁における「オルガニコ」「DH07009」、「¥5,200/セット」、「W153×H52.5×D68.5mm」との記載は、甲1の1の電子メールにおける「品番:DH07009」、「商品名:オルガニコ」、「販売価格:5,300円/セット」との記載と符合しており(価格の違いは消費税率の違いに起因すると解される。)、甲2のカタログが公知となったと認められる「2015年」から「オルガニコ」の譲渡の申出の用に供されていたと認められること、甲3の陳述書における「遅くとも2015年から・・・「オルガニコ」(品番:DH07009)という商品名のレバーハンドルを販売しております。」との陳述、及び、「2015年から現在に至るまで、オルガニコの仕様は変更されておりません」との陳述に照らすと、検甲1の「オルガニコ」と少なくとも同仕様のものが、遅くとも本件特許出願前に販売されていたと認められる。 (イ)検甲1の「オルガニコ」と同仕様のもの(以下「公然実施発明1」という。)は、検甲1の「オルガニコ」の各部品の写真(甲1の4)、同梱されていた取付説明書(甲1の3)の記載を踏まえると、以下の構成を備えるものと認められる。なお、公然実施発明1における「内部レバーハンドル」、「外部レバーハンドル」、「内部化粧座」、「外部化粧座」、「化粧座取付ネジ」との名称は、上記各部品の写真(甲1の4)における部品について取付説明書(甲1の3)にその名称の記載があることから、これに従った。 【公然実施発明1】 (ア)内部レバーハンドル及び外部レバーハンドルを有しており、 (ア−1)内部レバーハンドルは、断面四角形状を有する肉厚の部位を端部に有しており、当該部位の内側には、軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成され、当該凹部の中央には、軸方向に孔が形成された円柱状の突起が形成されており、 (ア−2)外部レバーハンドルには、断面四角形状を有する肉厚の部位を端部に有しており、当該部位の内側には、軸方向に縮径する断面円形を有する凹部が形成され、当該凹部の中央には、軸方向に延びる四角柱状の部位が形成された円柱状の突起が形成されており、 (イ)内部化粧座及び外部化粧座を有しており、 (イ−1)内部化粧座は、軸方向に縮径する断面円形状を有する部材からなり、周辺には4つの貫通孔が等間隔に形成され、当該4つの貫通孔の内側には円形の貫通孔が形成されており、 (イ−2)外部化粧座は、軸方向に縮径する断面円形状を有する部材からなり、周辺には2つの貫通孔及び2つの円柱状の中空突起部が等間隔に交互に形成され、当該2つの貫通孔及び2つの円柱状の中空突起部の内側には円形の貫通孔が形成されており、 (イ−3)内部化粧座と外部化粧座とは、内部化粧座の周辺に等間隔に形成された上記4つの貫通孔と外部化粧座の周辺に等間隔に交互に形成された上記2つの貫通孔及び2つの円柱状の中空突起部とが対向するように配置され、2つの円柱状の中空突起部と対向して位置する内部化粧座の2つの貫通孔から外部化粧座の2つの円柱状の中空突起部の中空部に化粧座取付ネジを挿入するものであり、 (ウ−1)内部レバーハンドルの軸方向に縮径する断面円形状を有する上記凹部に、内部化粧座の軸方向に縮径する断面円形状を有する上記部材を、縮径方向が一致し、内部化粧座の上記円形の貫通孔を内部レバーハンドルの上記円柱状の突起が貫通するように配置し、 (ウ−2)外部レバーハンドルの軸方向に縮径する断面円形状を有する上記凹部に、外部化粧座の軸方向に縮径する断面円形状を有する上記部材を、縮径方向が一致し、外部化粧座の上記円形の貫通孔に外部レバーハンドルの上記軸方向に延びる四角柱状の部位が形成された円柱状の突起が貫通するように配置し、 (エ)内部レバーハンドルと外部レバーハンドルは、ドアを挟んで両側に、両レバーハンドルの延びる方向が一致し、かつ、両者の端部に形成された断面四角形状を有する肉厚の部位が対向するように配置され、内部レバーハンドルの凹部の中央に形成した円柱状の突起の軸方向に形成された孔に外部レバーハンドルの凹部の中央に形成された円柱状の突起から軸方向に延びる四角柱状の部位が挿入される、 レバーハンドル。 (2)甲第4号証の記載 本件特許出願前に頒布された甲第4号証(特開2006−257705号公報。以下「甲4」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【0008】 ・・・ このドアハンドルの取付構造は、図1に示すように、ドアDの内面及び外面に、内周円形状の筒部30と当該筒部30の外周側に張り出す薄板部31とから構成された座板3を固定し、前記筒部30にハンドルHのボス部2を樹脂製リング4を介して回動自在に挿入すると共に前記ハンドルHのボス部2,2相互を角芯8により相対回動不能に連結して構成されている。・・・ ・・・ 【0011】 上記薄板部31は、図3や図4に示すように、平面視長方形状に形成された厚みが3.5mm程度のものであり、筒部30を挟んで二個のビス挿通孔32を設けてある。なお、図1に示すハンドルHのドアDへの取付状態では、薄板部31の一部はドアD内に挿入されており、ドアD面から突出する薄板部31部分の寸法は1.5mm程度となっている。」 イ 図1、図3 「【図1】 ![]() 【図3】 ![]() 」 上記アの記載を踏まえると、上記イの【図1】、【図3】からは、ドアハンドルの取付に用いられる座板において、ドアの内面又は外面に載置される面からドアの内部にまで伸びる部分が看取できる。 (3)甲第5号証の記載 本件特許出願前に頒布された甲第5号証(特開平7−310465号公報。以下「甲5」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「【0010】ハンドル取付座30,32は実施例の場合、機械的および熱的性質に優れる合成樹脂、例えばABS樹脂で構成され、このうちハンドル取付座30は、図3,4のように円板形に形成され、その内側中央にパイプカラー34が突設されていて、該カラー34の内部に、ドアハンドル28の小径軸部28aが収容されている。 【0011】ハンドル取付座30の内側面には、パイプカラー34を中心に複数の補強リブ35が放射状に突設され、上記カラー34を挟む補強リブ35,35の対称位置に、パイプシャフト31,31が突設されている。パイプシャフト31,31は円筒形の略直管状に形成され、その基部は若干大径かつ肉厚に形成されていて、それらのピッチは芯出しガイド孔27,27のピッチと同ピッチに設定され、かつ上記取付座30の内側面からの長さLは、上記カラー34の長さの略2倍に形成され、その内部に内径Dの円形内空断面の嵌合孔36,36が形成されている。パイプシャフト31,31の互いに反対側周面には、その基部上端より先端に亙って、嵌合孔36,36に連通するスリット37,37が軸方向に形成され、インサートシャフト33,33の挿入時に拡開可能にされている。 ・・・ 【0013】一方、ハンドル取付座32は図5,6のように円板形に形成され、その内側中央にパイプカラー40が突設され、該カラー40の内部にドアハンドル41の小径軸部41aが収容されている。」 【0014】ハンドル取付座32の内側面には、パイプカラー40を中心に複数の補強リブ42が放射状に突設され、上記カラー40を挟む補強リブ42,42の対称位置に、インサートシャフト33,33が突設されている。・・・」 イ 図1 「 ![]() 」 上記アの記載を踏まえると、上記イの【図1】からは、ハンドル取付座において、ドアの内面又は外面に載置される面からドアの内部にまで伸びるカラーが看取できる。 (4)甲第6号証の記載 本件特許出願前に頒布された甲第6号証(特開2003−97103号公報。以下「甲6」という。)には、以下の記載がある。 ア 「【0032】一対のレバーハンドル4は、芯部材13を有する一方のレバーハンドル10、凹孔18を有する他方のレバーハンドル12、係止板55、筒体42及びばね40から成る。一方のレバーハンドル10は、第1の実施の形態と同じである。他方のレバーハンドル12は、第1の実施の形態と比べて、凹孔41の形状が異なる。すなわち、凹孔41は、軸方向に2段階に形状が異なっており、入り口側は円形の孔18aであり、奥側は角孔6aとほぼ同じ形状の角孔18bである。また、円形の孔18aに側部からの貫通する孔である開口窓18fが設けられている。 【0033】前記凹孔18には、係止板55、筒体42及びばね40が挿入される。係止板55は、図4(a)のように中央に正方形の孔21が有するほぼ円盤状であり、周外部には凸状の外側凸部23を有している。・・・ ・・・ 【0035】・・・そして、この状態で、係止板55は再びばね40によって角孔部42bと丸孔部42cの境界面に押しつけられ、斜状となり、芯部材13の角部と係止板55が接触して固定される。このとき、接触している部分は芯部材13の角であり引き抜き強度が大きい。・・・」 イ 図8 「 ![]() 」 上記アの記載及び上記イの【図8】の記載を踏まえると、甲6には、以下の技術的事項が記載されている。 【甲6記載技術的事項】 「筒体42をレバーハンドル12の円形の孔18a内に固定し、筒体42の内部にテーパ面Cを形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有する係止板55を収容し、係止板55と円形の孔18aの奥部との間にばね40を挿入し、ばね40によって係止板55がテーパ面Cに押しつけられて斜状となる一方、筒体42の入り口側の円形の孔18aと奥側の角孔18bとに亘って芯部材13を配置し、係止板55の正方形の孔21の開口縁を芯部材13の周面に接触させて固定することにより、芯部材13を有する一方のレバーハンドル10と凹孔18を有する他方のレバーハンドル12とを一体化する技術。」 3 当審の判断 (1)理由1及び理由2について ア 本件発明1について (ア)対比・判断 本件発明1と公然実施発明1とを対比する。 a 公然実施発明1において、「ドアを挟んで両側に」「内部レバーハンドルと外部レバーハンドル」が「配置され」ること(構成(エ))は、本件発明1において、『ドアの内外に』『レバーハンドル』が『配置』されることに相当する。 公然実施発明1の「内部レバーハンドルと外部レバーハンドル」が『回動』可能であることは、レバーハンドルの機能からみて明らかである。 公然実施発明1の「内部レバーハンドルと外部レバーハンドル」は、「内部レバーハンドルの凹部の中央に形成した円柱状の突起の軸方向に形成された孔」に「外部レバーハンドルの凹部の中央に形成された円柱状の突起から軸方向に延びる四角柱状の部位」が「挿入される」(構成(エ))ものであり、ドアを挟んだレバーハンドル相互を角芯により相対回動しないように連結することが技術常識であることを踏まえると、『同動可能』であることも当然である。 したがって、公然実施発明1は、本件発明1の『ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置』するに相当する構成を有している。 b 公然実施発明1の「内部レバーハンドルと外部レバーハンドル」が「両者の端部に形成された断面四角形状を有する肉厚の部位が対向するように配置され」ること(構成(エ))は、当該「両者の端部に形成された断面四角形状を有する肉厚の部位」が本件発明1の『レバーハンドルの取付け基部』に相当することから、本件発明1において、『前記レバーハンドルの取付け基部』が『相対して配置』されることに相当する。 したがって、公然実施発明1は、本件発明1の『前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置』するに相当する構成を有している。 c 公然実施発明1における「内部(及び外部)レバーハンドル」の「軸方向に縮径する断面円形状を有する上記凹部」に、「内部(及び外部)化粧座」を構成する「軸方向に縮径する断面円形状を有する上記部材」を「配置」すること(構成(ウ−1)、(ウ−2))は、「上記凹部」が「内部(及び外部)レバーハンドル」の「端部に形成された断面四角形状を有する肉厚の部位(『取付け基部』)」に形成されていること(構成(ア−1、ア−2))、「内部(及び外部)化粧座」が本件発明1の『ハンドル取付座』に相当することから、本件発明1において、『該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置』することに相当する。 したがって、公然実施発明1は、本件発明1の『該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置』するに相当する構成を有している。 d 公然実施発明1において、「内部(及び外部)レバーハンドル」の「軸方向に縮径する断面円形状を有する上記凹部」に、「内部(及び外部)化粧座」を構成する「軸方向に縮径する断面円形状を有する上記部材」を、「縮径方向が一致」するように「配置」すること(構成(ウ−1)、(ウ−2))は、上記ウで述べたとおり、「上記凹部」が「内部(及び外部)レバーハンドル」の『取付け基部』に形成されており、本件発明1の『レバーハンドルの取付け基部の内側に』『形成し』た『凹部』に相当すること、そして、「内部(外部)化粧座」が本件発明1の『ハンドル取付座』に相当することから、本件発明1において、『ハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し』たことに相当する。 したがって、公然実施発明1は、本件発明1における『レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置した』に相当する構成を有しており、そのような構成を有している以上、本件発明1の『該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置した』に相当する構成を有している。 e 上記a〜dによれば、公然実施発明1の「レバーハンドル」の発明からは、『ドア用ハンドル』の『取付け構造』も把握できる。 以上によれば、本件発明1と公然実施発明1とは、以下の一致点及び相違点を有する。 (一致点) ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置したドア用ハンドルの取付け構造。 【相違点1】 本件発明1では、「レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設した」のに対し、 公然実施発明1では、内部及び外部レバーハンドルの端部は、断面四角形状を有する肉厚の部位であり、当該部位の内側には、軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部が形成されている点。 【相違点2】 本件発明1では、「前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置した」のに対し、 公然実施発明1では、内部及び外部レバーハンドルの軸方向に縮径する断面円形状を有する凹部に、内部及び外部化粧座の軸方向に縮径する断面円形状を有する部材を配置する点。 上記相違点1について検討する。 公然実施発明1において、内部レバーハンドル及び外部レバーハンドルの断面四角形状を有する端部において肉厚の部位が生じているのは、当該端部に、軸方向に縮径する断面円形状を有するように凹部を形成し、当該凹部の形状に対応する軸方向に縮径する断面円形状を有する内部化粧座及び外部化粧座を配置するためであるから、公然実施発明1において内部レバーハンドル及び外部レバーハンドルの断面四角形状を有する端部において肉厚の部位が生じないように構成する動機付けはない。 この判断は、甲4〜甲6、その他申立人が提出したいずれの証拠を勘案しても左右されるものではない。 したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、公然実施発明1と同一にものとはいえないし、公然実施発明1及び甲4〜甲6に記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2〜6、15〜17について 本件発明2〜6、15〜17は、本件発明1の構成を含んでいるから、本件発明1について検討したのと同様の理由により、公然実施発明1と同一のものとはいえないし、公然実施発明1及び甲4〜甲6に記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)理由3について ア 理由3についての具体的主張(特許異議申立書41頁5行〜42頁3行)は、請求項2の「該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けた」との記載における「圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に」の圧入シャフトが、「一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し」の圧入シャフトが同じものが別のものかが明確でないというものであるが、後者の圧入シャフトは、前者の圧入シャフトに挿入可能なものであるから、両者が別のものであることは明らかである。 また、請求項2には「該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、」との記載に続いて「前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けた」との記載があるところ、前者で「圧入シャフト」を選択した場合、後者の「前記パイプシャフト」が存在しないこととなるとも主張するが、後者の記載は前者の記載において「パイプシャフト」を選択した場合について特に特定するものであるから、その記載が不明確であるとはいえない。 請求項3に「一対のハンドル取付座を接続可能に可能にした」との記載が不明確であるとも主張するが、本件訂正により「一対のハンドル取付座を接続可能にした」と記載が訂正された。 イ したがって、理由3に係るいずれの主張にも理由がない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、請求項1〜17に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)及び特許異議申立書に記載した理由及び証拠によっては取り消すことができない。 また、他に請求項1〜17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】ドア用ハンドルの取付け構造およびドア用ハンドルの取付け構造を有するドア 【技術分野】 【0001】 本発明は、ハンドル取付座を小形化し、これをレバーハンドルの取付け基部内に隠蔽して配置し、レバーハンドルの取付け基部とドア周辺の体裁を簡潔化して改善するとともに、各種取付け部材の小形軽量化と取付け作業の容易化を図れ、またハンドル取付座を配置する取付孔を可及的に小形化し、ハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられる、ドア用ハンドルの取付け構造およびドア用ハンドルの取付け構造を有するドアに関する。 【背景技術】 【0002】 ドア用ハンドルの取付け構造として、ドアの片側端部に錠前を収容する錠前収納孔と、該収納孔に連通するハンドル取付孔を内外に形成し、該ハンドル取付孔の開口部に円板状のハンドル取付座を配置し、ハンドル取付孔の開口部の体裁を向上するとともに、内外のハンドル取付座に複数のパイプシャフトと、該パイプシャフトに嵌合可能な圧入シャフトを設け、前記パイプシャフトを錠前に設けたガイド孔に挿入し、一方のドア用ハンドルに突設した角芯棒を錠前に設けた角芯棒挿入孔に挿入し、角芯棒の先端を他方のドア用ハンドルの角孔に挿入し、これをビス止めして取付けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 しかし、このドア用ハンドルの取付け構造は、ドアの内外面のハンドル取付基部に大形のハンドル取付座が表出し、ドアの内外面の体裁を損なうとともに、ドアに大形のハンドル取付孔の形成と大形のハンドル取付座の製作を要して、ハンドル取付孔の形成が大掛かりになる上に、ハンドル取付座の製作に費用が嵩み、またその取付けが煩雑になる問題があった。 【0004】 また、他のドア用ハンドルの取付け構造として、ドアの片側端部に大形の貫通孔を形成し、該貫通孔の開口部に円板状の第1および第2台座を配置し、貫通孔の開口部の体裁を向上するとともに、第1台座および第2台座に錠前の取付け孔に挿入可能な複数のガイド筒部とネジ用ボスを突設し、ガイド筒部に固定ネジを挿入可能に設けるとともに、ネジ用ボスを第2台座に回動可能に取付け、その内側のネジ部に前記固定ネジをネジ込み可能にし、第1台座のガイド筒部を錠前の取付け孔に挿入し、ネジ用ボスを第2台座から錠前の取付け孔に挿入し、ガイド筒部に固定ネジを挿入し、この固定ネジをネジ用ボスにねじ込んで第1および第2台座をドアの内外面に固定し、一方のハンドルに突設したハンドル支軸を錠前の角芯孔に挿入し、これを他方のハンドルの角孔に嵌合して取付けるようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。 【0005】 しかし、前記ドア用ハンドルの取付け構造は、ドアの内外面のハンドル取付基部に大形のハンドル取付座が表出し、ドアの内外面の体裁を損なうとともに、ドアに大形の貫通孔の形成と大形の第1および第2台座の製作を要し、また固定ネジを長尺に構成するとともに、ネジ用ボスを特殊構造に構成し、しかも第1および第2台座の表面に薄肉のカバーの装着を要するため、部品点数が増え、第1および第2台座の製作に費用が嵩み、またその取付けが煩雑になる問題があった。 【0006】 このような問題を解決するものとして、ドアの片側端部に錠前を収容する錠前収納孔と、該収納孔に連通する大形のハンドル取付孔を形成し、該ハンドル取付孔の開口部に円板状の第1および第2台座を配置し、ハンドル取付孔の開口部の体裁を向上するとともに、第1台座の内側に複数のネジパイプを突設し、第2台座に可撓性を有する合成樹脂製の複数の雄ネジ貫通孔を形成し、該雄ネジ貫通孔に雄ネジを挿入し、その螺軸をネジパイプの雌ネジにねじ込んでドアハンドルを取付け、雄ネジを締め過ぎると先端の螺軸がネジパイプの雌ネジから撓んで螺合を解除し空回りさせて、ネジの過度の締め付けを防止するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。 【0007】 しかし、前記ドア用ハンドルの取付け構造は、ドアの内外面のハンドル取付基部に依然として大形のハンドル取付座が表出し、ドアの内外面の体裁を損なうとともに、ドアに大形のハンドル取付孔の形成と大形の第1および第2台座の製作を要し、第1および第2台座の製作に費用が嵩み、またその取付けが煩雑になる問題があった。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0008】 【特許文献1】特許第2683324号公報 【特許文献2】特開2016−53244号公報 【特許文献3】特許第6431358号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明はこのような問題を解決し、ハンドル取付座を小形化し、これをレバーハンドルの取付け基部内に隠蔽して配置し、レバーハンドルの取付け基部とドア周辺の体裁を簡潔化して改善するとともに、各種取付け部材の小形軽量化と取付け作業の容易化を図れ、またハンドル取付座を配置する取付孔を可及的に小形化し、ハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられる、ドア用ハンドルの取付け構造およびドア用ハンドルの取付け構造を有するドアを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 請求項1の発明は、ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造において、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取座の横長の座盤を配置し、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にするようにしている。 請求項2の発明は、ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設け、一対のハンドル取付座を簡便に接続可能にしている。 請求項3の発明は、一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にして、圧入シャフトとパイプシャフトの経年劣化による修復作業の煩雑を回避し、他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをパイプシャフトにねじ込んで接続し、一対のハンドル取付座の接続を長期に亘って維持可能にしている。 請求項4の発明は、レバーハンドルの取付け基部の内側に前記座盤を収容可能な凹部を形成し、該凹部内に前記座盤を密接して配置し、レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座の端部を確実に収容して隠蔽するようにしている。 【0011】 請求項5の発明は、張出部の厚さを凹部の深さ以上に形成し、レバーハンドルの取付け時、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間に微小な隙間を形成可能にし、張出部の厚さ以下の微小な隙間を合理的に形成し、ハンドル取付座の端部の隠蔽を促し、レバーハンドルの取付け基部周辺の体裁を向上するようにしている。 請求項6の発明は、張出部の厚さを、凹部の深さに前記隙間の寸法を相加した寸法に形成し、張出部の厚さを凹部の深さに隙間の寸法を加味した具体的な寸法に設定し、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間の微小な隙間を合理的に形成するようにしている。 請求項7の発明は、側壁部に複数の突起を形成し、該突起をハンドル取付座を配置する取付孔の内壁に係合可能に配置し、ハンドル取付座の簡便な取付けと抜け止めを行なえるようにしている。 請求項8の発明は、側壁部の内部に空隙部を形成し、前記側壁部に弾性を付与可能にし、前記取付孔に側壁部を挿入する作業を容易かつ円滑に行なえるようにしている。 請求項9の発明は、一方のハンドル取付座の座盤の後方に肉厚の偏肉部を形成した一対のパイプシャフトを突設し、他方のハンドル取付座の座盤の後方に、前記パイプシャフトに挿入可能な一対の圧入シャフトを突設し、前記パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、パイプシャフトの強度を補強するとともに、パイプシャフトと圧入シャフトによるハンドル取付座の連結を実現するようにしている。 【0012】 請求項10の発明は、パイプシャフトの偏肉部と反対側の周面にスリットを形成し、パイプシャフトの強度を補強するとともに、スリットの拡開機能を維持し、圧入シャフトの係合を円滑に行なうようにしている。 請求項11の発明は、一方のハンドル取付座の座盤にパイプシャフトに連通する連通孔を形成し、該連通孔に棒状の工具を挿入可能に設け、該工具を介しパイプシャフトに係合した圧入シャフトを押し出し可能にし、ハンドル取付座の長年の使用によって、パイプシャフトと圧入シャフトとの嵌合機能が低下した際、パイプシャフトに係合した圧入シャフトを押し出し、パイプシャフトと圧入シャフトとの連結を速やかに復旧し、ハンドル取付座の機能を回復可能にしている。 請求項12の発明は、他方のハンドル取付座の座盤に一対の凹部を形成し、該凹部の底部に圧入シャフトと同軸位置にビス孔を形成し、ビス孔にビスを挿入してねじ込み、ハンドル取付座の機能を回復可能にするとともに、凹部にビスの頭部を収容して周辺部材との干渉を回避するようにしている。 【0013】 請求項13の発明は、圧入シャフトの基部を切断可能に設け、該切断後、前記ビス孔にタッピングスクリュを挿入し、該タッピングスクリュを対応するパイプシャフトにねじ込み可能にし、パイプシャフトと圧入シャフトとの嵌合機能が低下した際、圧入シャフトを切断し、座盤側からビス孔にタッピングスクリュを挿入してパイプシャフトにねじ込み、パイプシャフトと圧入シャフトとの連結を速やかに復旧し、ハンドル取付座の機能を回復可能にしている。 請求項14の発明は、一方のハンドル取付座の座盤に開口した連通孔の近接位置に矢視形状の指標を設け、前記連通孔の位置を表示可能にして、ハンドル取付座の修復時、レバーハンドルを取外した際、ハンドル取付座の連通孔の位置を指示し、該連通孔に棒状の適宜な工具を挿入して、パイプシャフトに嵌合した圧入シャフトを容易に押し出し可能にしている。 請求項15の発明は、前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔内に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介しロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置し、横長矩形の座盤に対応してハンドル取付座のパイプシャフトまたは圧入シャフトを合理的に配置するとともに、一対のレバーハンドル間に配置した角芯棒を他方のレバーハンドルに簡便に連結可能にしている。 【0014】 請求項16の発明は、ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置し、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にするドアを提供し得るようにしている。 請求項17の発明は、前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有し、内外にハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられるドアを提供し得るようにしている。 【発明の効果】 【0015】 請求項1の発明は、凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したから、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にすることができる。 請求項2の発明は、前記ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部の凹部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する横長矩形の張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けたから、一対のハンドル取付座を簡便に接続することができる。 請求項3の発明は、一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にしたから、圧入シャフトとパイプシャフトの経年劣化による修復作業の煩雑を回避し、他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込んで接続し、一対のハンドル取付座の接続を長期に亘って維持することができる。 請求項4の発明は、レバーハンドルの取付け基部の内側に前記座盤を収容可能な凹部を形成し、該凹部内に前記座盤を密接して配置したから、レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座の端部を確実に隠蔽することができる。 【0016】 請求項5の発明は、張出部の厚さを凹部の深さ以上に形成し、レバーハンドルの取付け時、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間に微小な隙間を形成可能にしたから、張出部の厚さ以下の微小な隙間を合理的に形成し、ハンドル取付座の端部の隠蔽を促し、レバーハンドルの取付け基部周辺の体裁を向上することができる。 請求項6の発明は、張出部の厚さを、凹部の深さに前記隙間の寸法を相加した寸法に形成したから、張出部の厚さを凹部の深さに前記隙間の寸法を加味した具体的な寸法に設定し、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間の微小な隙間を合理的に形成することができる。 請求項7の発明は、側壁部に複数の突起を形成し、該突起をハンドル取付座を配置する取付孔の内壁に係合可能に配置したから、ハンドル取付座の簡便な取付けと抜け止めを行なうことができる。 請求項8の発明は、側壁部の内部に空隙部を形成し、前記側壁部に弾性を付与可能にしたから、前記取付孔に側壁部を挿入する作業を容易かつ円滑に行なうことができる。 請求項9の発明は、一方のハンドル取付座の座盤の後方に肉厚の偏肉部を形成した一対のパイプシャフトを突設し、他方のハンドル取付座の座盤の後方に、前記パイプシャフトに挿入可能な一対の圧入シャフトを突設し、前記パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成したから、パイプシャフトの強度を補強するとともに、パイプシャフトと圧入シャフトによるハンドル取付座の連結を実現することができる。 【0017】 請求項10の発明は、パイプシャフトの偏肉部と反対側の周面にスリットを形成したから、パイプシャフトの強度を補強するとともに、スリットの拡開機能を維持し、圧入シャフトの係合を円滑に行なうことができる。 請求項11の発明は、一方のハンドル取付座の座盤にパイプシャフトに連通する連通孔を形成し、該連通孔に棒状の工具を挿入可能に設け、該工具を介しパイプシャフトに係合した圧入シャフトを押し出し可能にしたから、ハンドル取付座の長年の使用によって、パイプシャフトと圧入シャフトとの嵌合機能が低下した際、パイプシャフトに係合した圧入シャフトを押し出し、パイプシャフトと圧入シャフトとの連結を速やかに復旧し、ハンドル取付座の機能を回復することができる。 請求項12の発明は、他方のハンドル取付座の座盤に一対の凹部を形成し、該凹部の底部に圧入シャフトと同軸位置にビス孔を形成したから、ビス孔にビスを挿入してねじ込み、ハンドル取付座の機能を回復可能にするとともに、凹部にビスの頭部を収容して周辺部材との干渉を回避することができる。 【0018】 請求項13の発明は、圧入シャフトの基部を切断可能に設け、該切断後、前記ビス孔にタッピングスクリュを挿入し、該タッピングスクリュを対応するパイプシャフトにねじ込み可能にしたから、パイプシャフトと圧入シャフトとの嵌合機能が低下した際、圧入シャフトを切断し、座盤側からビス孔にタッピングスクリュを挿入してパイプシャフトにねじ込み、パイプシャフトと圧入シャフトとの連結を速やかに復旧し、ハンドル取付座の機能を回復することができる。 請求項14の発明は、一方のハンドル取付座の座盤に開口した連通孔の近接位置に矢視形状の指標を設け、前記連通孔の位置を表示可能にしたから、ハンドル取付座の修復時、レバーハンドルを取外した際、ハンドル取付座の連通孔の位置を指示し、該連通孔に棒状の適宜な工具を挿入して、パイプシャフトに嵌合した圧入シャフトを容易に押し出すことができる。 請求項15の発明は、前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔内に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介しロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置したから、横長矩形の座盤に対応してハンドル取付座のパイプシャフトまたは圧入シャフトを合理的に配置するとともに、一対のレバーハンドル間に配置した角芯棒を他方のレバーハンドルに簡便に連結することができる。 【0019】 請求項16の発明は、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したから、レバーハンドルの内側の凹部の視界の遮りを図るとともに、凹部と異形のハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部の内側に確実に隠蔽し、レバーハンドルの取付け部の体裁を簡潔にするドアを提供することができる。 請求項17の発明は、ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するから、内外にハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられ、その端部を隠蔽できるドアを提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】本発明を適用したレバーハンドルを本発明のドアに取付けた状況を示す斜視図である。 【図2】本発明の要部を分解して示す斜視図である。 【図3】図1の左側面図で、ドアの内外面にレバーハンドルを取付けた状況を示している。 【図4】図3のA−A線に沿う拡大断面図である。 【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。 【0021】 【図6】本発明に適用した一対のハンドル取付け座を示す斜視図である。 【図7】本発明に適用した一対のハンドル取付け座を示す斜視図で、図6の後方から俯瞰して示している。 【図8】本発明に適用した一方のハンドル取付け座の座盤を示す正面図で、レバーハンドルの取付け基部を付記している。 【図9】(a)図8のC−C線に沿う断面図である。(b)図9(a)の○部の拡大断面図である。 【0022】 【図10】(a)図8に示すハンドル取付け座の背面図である。(b)(a)のパイプシャフトの要部の拡大図で、ドア錠のガイド孔に挿入し、内部に圧入シャフトを嵌合して示している。 【図11】図10(a)のD−D線に沿う断面図である。 【図12】図10(a)のE−E線に沿う断面図である。 【図13】本発明に適用した他方のハンドル取付け座の座盤を示す正面図で、レバーハンドルの取付け基部を付記している。 【図14】(a)図13のF−F線に沿う断面図である。(b)図13(a)の○部の拡大断面図である。 【0023】 【図15】(a)図13に示すハンドル取付け座の背面図である。(b)(a)のパイプシャフトの要部の拡大図である。 【図16】図15(a)のG−G線に沿う断面図で、圧入シャフトの基部に切断線を付記している。 【図17】図15(a)のG−G線に沿う断面図である。 【図18】本発明に適用したハンドル取付け座の機能低下を修復した後の状況を示す断面図で、圧入シャフトの基部を切断し、その基部側からビスをパイプシャフトにねじ込み、二つのハンドル取付け座を連結している。 【発明を実施するための形態】 【0024】 以下、本発明を図示の実施形態について説明すると、図1乃至図18において1はドアで、蝶番(図示略)を介して吊元側の縦枠(図示略)に内外方向へ開閉可能に取付けられている。 前記ドア1の吊元側と反対側端部に縦長矩形の切欠溝2が形成され、該切欠溝2にフロント板3がビス4を介して取付けられている。 【0025】 前記切欠溝2の中央に錠収容穴5が形成され、該収容穴5に箱形のドア錠6が収容されている。前記ドア錠6の中間部の側面に、後述するラッチボルトの出没動作に連係する回動カム7が回動可能に取付けられ、該回動カム7の角孔8に、後述するレバーハンドルと同動可能な角芯棒が係合可能に取付けられている。 【0026】 図中、9は回動カム7の両側に設けた略達磨形のガイド孔で、該ガイド孔9に後述するパイプシャフトが挿入されている。前記ドア錠6の前端部にフロント板3と同形の端板10が取付けられ、該端板10の中間位置にラッチボルト11が出没可能に配置されている 図中、12はフロント板3の中間位置に形成したラッチボルト11の出没孔である。 【0027】 前記ドア1の内外面に、錠収容穴5に連通する長円形の取付孔13が形成され、該取付孔13の内外の開口部から合成樹脂製のハンドル取付座14,15が挿入され、その前後端部の座盤16,17を、取付孔13の開口部の外側に突出して配置している。 前記取付孔13の長径は、後述する左右一対のパイプシャフトの外周よりも若干幅広に形成され、取付孔13の短径は、後述する側壁の上下の外周面距離と略同一に形成され、その長短径はレバーハンドルの取付け基部の端面形状より小さく、その内側に隠蔽されている。この状況は図4,5,13のようである。 【0028】 前記ハンドル取付座14,15は横長矩形の座盤16,17を備え、その外周を区画する張出部18,19を、後述する取付け基部の内側端部に配置している。 前記張出部18,19の厚さW、Zは、後述する側壁の長さの略1/2以下、厳密には4割弱に形成されている。 【0029】 前記座盤16,17と張出部18,19の形状は図6乃至17のようで、これがレバーハンドル26,27の取付け基部26a,27aの内側端面に配置されている。 すなわち、前記取付け基部26a,27aの正面形状は図2、8および図13のように、横長の略等脚台形形状に形成され、その略中央位置に座盤16,17と張出部18,19が配置されている。 このうち、張出部18,19はドア1の内外面と取付け基部26a,27aとの空隙に位置し、座盤16,17の端部は後述の凹部内に位置して、全体的にレバーハンドル26,27の取付け基部26a,27aに隠蔽されている。 【0030】 前記座盤16の横寸法Uは、前記取付け基部26aの横寸法の略1/2に形成され、また座盤16の縦寸法Vは、前記取付け基部26aの縦寸法の略1/2に形成されている。 前記座盤17の横寸法Xは、前記取付け基部27aの横寸法の略1/2に形成され、座盤17の縦寸法Yは、前記取付け基部26aの縦寸法の略1/2に形成されている。これらの状況は図8および図13のようである。 【0031】 一方、座盤16の上下部の張出部18は、レバーハンドル26の取付け時、取付け基部26aの前記凹部内に収容され、その厚さ寸法Wは、前記凹部の深さと隙間e1の相加寸法に相当し、レバーハンドル26の取付け時、張出部18の一部が前記隙間e1に表出している。 【0032】 また、座盤17の上下の張出部19は、レバーハンドル27の取付け時に取付け基部27aの前記凹部内に収容され、その厚さ寸法Zは、前記凹部の深さと隙間e2の相加寸法に相当し、レバーハンドル27の取付け時に張出部19の一部が前記隙間e2に表出している。 したがって、ハンドル取付座14,15の座盤16,17と張出部18,19は、レバーハンドル26,27の取付け後、取付け基部26a,27aに略隠蔽されて配置されている。 【0033】 前記張出部18,19に隣接する後部周面に、段部を介して側壁20,21が座盤16,17の正面形状と略相似形状に形成され、該側壁20,21の横部周面の対応位置に複数の突起22,23が形成されている。 そして、ハンドル取付座14,15を取付孔13に装着する際、前記突起22,23を取付孔13の内壁に食い込ませて抜け止め可能にしている。 図中、20a,21aは側壁20,21の内部に形成した空隙部で、側壁20,21に弾性を付与し、取付孔13に側壁20,21を容易かつ円滑に装着可能にしている。 【0034】 前記座盤16,17の中央に大径の筒状シリンダ24,25が形成され、該シリンダ24,25に取付け基部26a,27aに突設した軸筒部28,30が挿入されている。 このうち、軸筒部30は取付け基部27aと別個に、後述するシャフトホルダ29の端部に一体に成形されている。 【0035】 前記レバーハンドル26,27はアルミニウム合金ダイカストまたは亜鉛合金ダイカストによって、ドア1の内外面方向に緩やかに湾曲する平面視象牙形状に成形され、その取付け基部26a,27aに前述の凹部31,32が形成されている。 前記凹部31,32は、取付け基部26a,27aの内側に略同形の横長の略台形形状に形成され、このうち凹部31の中間部に軸筒部28が一体に突出成形され、他方の凹部32の中間部に、前記軸筒部30が突出して配置されている。 【0036】 前記シャフトホルダ29は、亜鉛合金ダイカストによって筒状に成形され、これがレバーハンドル27の基部内のホルダ収容孔33に挿入され、その周面にレバーハンドル27の基部周面から、ピン34が圧入されて固定されている。 前記シャフトホルダ29の内側端部に凹孔35が形成され、該凹孔35の底部はテーパ状に形成され、このテーパ面36に鋼板製のロックワッシャ37が揺動可能に収容されている。 【0037】 前記凹孔35内にコイルバネ38が収容され、該コイルバネ38がホルダ収容孔33の底部とロックワッシャ37との間に圧縮されて配置され、その弾性をロックワッシャ37に作用して、該ロックワッシャ37を常時はテーパ面36側に付勢し、その中央に形成した通孔39の開口縁を角芯棒40に圧接して、角芯棒40に係合している。 【0038】 前記角芯棒40は鋼製の角柱状の棒材を所定寸法に切断し、その一端をレバーハンドル26の基部内の軸孔41に挿入し、その軸端にレバーハンドル26の外側からピン42が圧入されて固定されている。 前記角芯棒40の他端は筒状シリンダ24,25を貫通して、シャフトホルダ29の角孔43に挿入され、その先端部をホルダ収容孔33の奥部の軸孔44に挿入かつ係合している。 図中、40aは角芯棒40の上下端面に形成した多数の凹凸溝からなる係止溝で、前記ロックワッシャ37の通孔39の開口縁と係合可能に配置されている。 【0039】 前記筒状シリンダ24の後方開口部の両側に合成樹脂製のパイプシャフト45が突出成形され、該パイプシャフト45の正面形状は略達磨形に形成され、前記ガイド孔9に挿入可能にされている。 前記パイプシャフト45は肉厚の偏肉部45aを内側方向に張出形成し、その内部に円形断面の嵌合スペース46を形成し、該嵌合スペース46に後述する圧入シャフトを挿入可能にしている。 前記パイプシャフト45の偏肉部45aと反対側周面に、スリット47が軸方向に沿って形成され、後述する圧入シャフトの挿入に伴って嵌合スペース46を拡開可能にしている。 【0040】 前記嵌合スペース46は、パイプシャフト45の基部で縮径された連通孔48を形成し、該連通孔48が座盤16の端面に開口している。前記連通孔48の開口部の近接位置に矢視形状の指標49が突出成形され、前記連通孔48の位置を表示可能にしている。 【0041】 前記連通孔48の位置は、レバーハンドル26,27の取外し時、ハンドル取付座14の表面に指標49で指示され、この連通孔48に棒状の適宜な工具(図示略)を挿入し、パイプシャフト45に嵌合した後述の圧入シャフトを押し出して、ハンドル取付座14,15を取り外し可能にしている。 【0042】 前記ハンドル取付座15の筒状シリンダ25の前方開口部の両側に、合成樹脂製の前記圧入シャフト50が突設され、該圧入シャフト50の長さはパイプシャフト45と同長に形成されている。 前記圧入シャフト50の横断面は円形に形成され、その周面の等角度位置に複数の突起51が軸方向に沿って形成され、該突起51をパイプシャフト45の嵌合スペース46の内面に圧入可能にしている。 【0043】 前記ハンドル取付座15の筒状シリンダ25を挟む両側に、正面略半円形の凹部52が形成され、該凹部52の底部中央の圧入シャフト50と同軸位置にビス孔53が開口され、その奥部を円錐状に形成している。 【0044】 図中、54は圧入シャフト50の基部側に設けた切断線で、座盤17と平行に形成され、パイプシャフト45と圧入シャフト50の嵌合状態が低下ないし劣化してガタを生じ、ハンドル取付座14,15の機能が低下ないし劣化した際、その修復手段として、圧入シャフト50の基部を前記切断線54に沿って切断し、凹部52側からテーパ状のビス孔53ヘビス55(タッピングスクリュ)を挿入し、その螺軸をパイプシャフト45の内部へねじ込んで、パイプシャフト45に連結可能にしている。 【0045】 この場合、ビス55の長さはスリット47の長さよりも長く、ビス55を圧入シャフト50よりも奥部へねじ込み、ハンドル取付座14,15の連結を圧入シャフト50の連結よりも確実かつ強固に行ない、前記修復を確実に行なうようにしている。この状況は図18のようである。 【0046】 このように圧入シャフト50の代わりに、ビス55を使用することによって、パイプシャフト45と圧入シャフト50のガタを容易かつ速やかに修復でき、その後のガタつきを防止し得る。 その際、圧入シャフト50の基部の切断を要するが、レバーハンドル26,27およびハンドル取付座14,15の取外し後の作業は簡単であるから、この作業を容易かつ速やかに行なえる。 【0047】 したがって、ハンドル取付座14,15の連結をパイプシャフト45と圧入シャフト50に代わって、当初からビス55とパイプシャフト45とで連結することも可能である。 なお、前述の実施形態では、ドア錠6として箱形の錠前を使用しているが、チューブラ形の錠前を使用することも可能である。 【0048】 この他、図中、56はレバーハンドル27の基部周面に形成した係入孔で、前記凹孔35内に連通し、該係入孔56から適宜工具を挿入し、ロックワッシャ37を介しコイルバネ38を押し縮めて、ロックワッシャ37の通孔39の開口縁と角芯棒40との係合を解除し、角芯棒40を引き抜き可能にしている。 【0049】 このように構成した本発明のドア用ハンドルの取付け構造は、新たなハンドル取付座14,15の製作を要する。 前記ハンドル取付座14,15は合成樹脂によって各部を一体成形し、座盤16,17の形状を図6乃至17の通りに形成する。 すなわち、座盤16の横寸法Uを、取付け基部26aの横寸法の略1/2に形成し、座盤16の縦寸法Vを、取付け基部26aの縦寸法の略1/2に形成する。 【0050】 また、座盤17の横寸法Xを、取付け基部27aの横寸法の略1/2に形成し、座盤17の縦寸法Yを、前記取付け基部26aの縦寸法の略1/2に形成する。これらの状況は図8および図13のようである。 【0051】 一方、座盤16の上下部の張出部18を、レバーハンドル26の取付け時に取付け基部26aの凹部31内に収容可能にし、その厚さ寸法Wを、前記凹部31の深さと隙間e1の相加寸法に形成し、レバーハンドル26の取付け時、張出部18の一部を前記隙間e1に表出可能にする。 【0052】 また、座盤17の上下部の張出部19を、レバーハンドル27の取付け時に取付け基部27aの前記凹部32内に収容し、その厚さ寸法Zを、前記凹部の深さと隙間e2の相加寸法に形成し、レバーハンドル27の取付け時、張出部19の一部を前記隙間e2に表出可能にする。 したがって、ハンドル取付座14,15の座盤16,17と張出部18,19は、レバーハンドル26,27の取付け後は、取付け基部26a,27aに略隠蔽されて配置される。 【0053】 前記張出部18,19に隣接する周面に、段部を隔てて側壁20,21を座盤16,17の正面形状と略相似形状に形成し、該側壁20,21の横部側面の中央に複数の突起22,23を形成する。前記突起22,23は、ハンドル取付座14,15を取付孔13に装着する際、取付孔13の内壁に係合させて抜け止め可能にする。 【0054】 前記座盤16,17の中央に大径の筒状シリンダ24,25を形成し、該シリンダ24にレバーハンドル26の取付基部26aに突設した軸筒部28を挿入可能にし、また筒状シリンダ25に、シャフトホルダ29の軸筒部30を挿入可能にする。 【0055】 前記筒状シリンダ24の後方開口部の両側にパイプシャフト45を突出成形し、該パイプシャフト45の正面形状を略達磨形に形成し、その内側に肉厚の偏肉部45aを張出形成し、その内部に円形断面の嵌合スペース46を形成し、該嵌合スペース46に圧入シャフト50を挿入可能にする。 【0056】 前記パイプシャフト45は、真円形断面の片側半部に瘤状の偏肉部45aを張出形成し、ガイド孔9と相似形状の略達磨形状を比較的容易に形成し、パイプシャフト45の強度を強化する。 その際、偏肉部45aをスリット47側の形成する場合は、スリット47の拡開機能が低下し、圧入シャフト50の挿入の円滑性が低下する。したがって、パイプシャフト45は強度強化とスリット47の拡開機能の維持向上を図れる。 前記パイプシャフト45の偏肉部45aと反対側周面に、スリット47を軸方向に沿って形成し、圧入シャフト50の挿入に伴って嵌合スペース46を拡開可能にする。 【0057】 前記嵌合スペース46は、中間部から前方に亘って縮径されて押し出し孔48を形成し、該押し出し孔48を座盤16の前端面に開口する。 前記押し出し孔48は、レバーハンドル26,27の取外し時、ハンドル取付座14に表出し、その位置を矢視形状の指標49で指示され、この押し出し孔48に棒状の適宜な工具(図示略)を挿入し、パイプシャフト45に嵌合した圧入シャフト50を押し出し、該圧入シャフト50との嵌合を解除して、ハンドル取付座14,15を取り外し可能にする。 【0058】 前記ハンドル取付座15の筒状シリンダ25の前方開口部の両側に、前記圧入シャフト50を突設し、該圧入シャフト50の長さをパイプシャフト45と同長に形成する。 前記圧入シャフト50の横断面を円形に形成し、その周面の等角度位置に複数の突起51を軸方向に沿って形成し、該突起51をパイプシャフト45の嵌合スペース46の内面に圧入可能にする。 【0059】 前記ハンドル取付座15の筒状シリンダ25を挟む両側に、略半円形の凹部52を形成し、該凹部52の中央の圧入シャフト50と同軸位置にビス孔53を開口し、その奥部を円錐状のテーパ孔に形成する。 前記ビス孔53は、パイプシャフト45と圧入シャフト50の嵌合状態が低下ないし劣化してガタを生じた際、その修復処置として、圧入シャフト50の基部を前記切断線54に沿って切断し、凹部52側からビス孔53にビス55(タッピングスクリュ)を挿入し、その螺軸をパイプシャフト45の内部へねじ込んで連結可能にする。 【0060】 このように圧入シャフト50の代わりに、ビス55を使用することによって、パイプシャフト45と圧入シャフト50のガタを容易かつ速やかに修復でき、その後のガタつきを防止し得る。 その際、圧入シャフト50の基部の切断を要するが、レバーハンドル26,27およびハンドル取付座14,15の取外し後の作業は作業性が良く簡単であるから、この作業を容易かつ速やかに行える。 【0061】 一方、レバーハンドル26,27を、アルミニウム合金ダイカストまたは亜鉛合金ダイカストによって、ドア1の内外面方向に緩やかに湾曲する平面視象牙形状に成形し、それらの取付け基部26a,27aの正面形状を横長の略等脚台形形状に成形し、その略中央位置に座盤16,17を配置し、その外周に側壁20,21の長さの略1/2以下、厳密には4割弱の厚さの張出部18,19を形成する。 【0062】 前記張出部18,19は、ドア1の内外面と取付け基部26a,27aとの空隙に位置し、座盤16,17の端部が凹部31,32内に位置し、全体的にレバーハンドル26,27の取付け基部26a,27aに隠蔽される。 前記レバーハンドル26の取付け基部26aの正面中央に軸筒部28を突設し、その中央に軸孔41を形成し、これを奥部に延設する。 【0063】 一方、レバーハンドル26の取付け基部26aの正面中央にホルダ収容孔33を形成し、その奥部に軸孔44を軸孔41と同軸位置に形成する。 次に、鋼板をプレス成形して錠ケースと錠カバーを製作し、これらを組付けて箱形のドア錠6を製作する。 前記錠ケースの内部に回動カム7を回動可能に組付け、その先端部にラッチボルト11を取付け、これらを連動機構(図示略)を介して連係させる。 【0064】 また、シャフトホルダ29を亜鉛合金ダイカストによって筒状に成形し、その一端に軸筒部30を突設し、他端部に凹孔35を形成し、その底部にテーパ面36を形成する。 更に、鋼板をプレス成形してロックワッシャ37を製作し、また鋼製の角柱状の棒材を所定寸法に切断して角芯棒40を製作し、その一端に係止溝40aを形成する。 【0065】 そして、一方のレバーハンドル26の基部内に角芯棒40を挿入し、その軸端にレバーハンドル26の基部の外側から、ピン42を圧入して固定する。 また、他方のレバーハンドル27の基部のホルダ収容孔33内にシャフトホルダ29を挿入し、その凹孔35とホルダ収容孔33の奥部との間に、ロックワッシャ37とコイルバネ38を収容し、該コイルバネ38を圧縮してロックワッシャ37を凹孔35の底部側に斜状に付勢する。 この状態でレバーハンドル27の基部の外側からピン34をシャフトホルダ29の内部へ圧入し、コイルバネ38とロックワッシャ37の付勢状態を保持する。 【0066】 こうして製作した構成部材を用いてドア1にレバーハンドル26,27を取付ける場合は、ドア1の端面に縦長矩形の切欠溝2を形成し、該切欠溝2の中間部に錠収容穴5を形成し、またドア1の内外面の端部位置に長円形の取付孔13を形成し、該取付孔13を前記錠収容穴5に連通させる。 【0067】 この後、錠収容穴5にドア錠6を挿入し、取付孔13の中間位置に角孔8とガイド孔9,9を位置付け、ドア錠6と一体の端板10にフロント板3を重合し、これらをビス4,4を介してドア1に固定する。 この場合、ドア1は従来と実質的に同形かつ同一に構成され、その端部の中高位置に取付孔13を前述のようにコンパクトに形成する。したがって、従来のドアに簡単な加工を施して容易に活用し得る。 【0068】 次に、一方のハンドル取付座14を保持し、そのパイプシャフト45,45をドア錠6のガイド孔9,9に挿入して内側へ押し込み、また座盤16と一体の側壁20を取付孔13に押し込み、突起22,22を取付孔13の内壁に食い込ませて抜け止めする。 その際、側壁20内に設けた空隙部20aの弾性によって、側壁20を取付孔13に円滑かつ容易に装着し得る。 また、座盤16の外周の張出部18の内側端面を取付孔13の開口縁に係合して、張出部18を取付孔13の開口縁に位置付ける。この状況は図5のようである。 【0069】 次に、他方のハンドル取付座15を保持し、その圧入シャフト50,50をパイプシャフト45,45の先端部に挿入する。このようにすると、パイプシャフト45,45が圧入シャフト50,50の挿入によって、スリット47が拡開されて圧入シャフト50,50の圧入を促す。 【0070】 また、座盤17と一体の側壁21を取付孔13に押し込み、突起23,23を取付孔13の内壁に食い込ませて抜け止めする。 その際、側壁21内に設けた空隙部21aの弾性によって、側壁21を取付孔13に円滑かつ容易に装着し得る。 そして、座盤17の外周の張出部19の内側端面を取付孔13の開口縁に係合し、張出部19を取付孔13の開口縁に位置付ける。この状況は図5のようである。 【0071】 こうしてドア1の内外面にハンドル取付座14,15を取付け後、ハンドル取付座14の筒状シリンダ24にレバーハンドル26の軸筒部28を挿入し、該レバーハンドル26に一端を連結した角芯棒40を回動カム7の角孔8に挿入し、これをレバーハンドル27側のシャフトホルダ29の角孔43へ押し込む。 【0072】 このようにすると角芯棒40の先端部が角孔8の奥部へ移動し、ロックワッシャ37の通孔39に係入後、軸孔44へ移動して係合する。したがって、レバーハンドル26,27を角芯棒40を介して容易かつ速やかに連結し得る。 そして、レバーハンドル26の凹部31が座盤16の前端面に係合したところで、レバーハンドル26および角芯棒40の挿入が停止され、この停止位置を保持する。 【0073】 こうして取付けられたレバーハンドル26,27の状況は図4,5のようで、その取付け基部26a,27aがドア1の内外面から微小なe1,e2分離間し、その隙間の奥部に張出部18,19の一部が表出しているが、張出部18,19の正面は図1のように取付け基部26a,27aに隠蔽されている。 【0074】 また、前記取付け基部26a,27aの内側に、ハンドル取付座14,15の座盤16,17とその外周の張出部18,19が位置し、前記取付け基部26a,27aにハンドル取付座14,15は表出していない。 したがって、ドア1の内外面の外観が簡潔になり、従来のようなハンドル取付座14,15の表出による猥雑感を解消し得る。 【0075】 このようにして取付けたドア錠6を使用する場合は、ドア1の外側または内側からレバーハンドル26,27を回動操作し、例えばレバーハンドル26の回動力を内部に固定した角芯棒40に伝えて回動させ、該角芯棒40に係合する回動カム7を回動させて、ラッチボルト11をドア1の端面から後退させ、開扉可能にする。 また、ドア1の内側からレバーハンドル27を回動操作し、レバーハンドル27の回動力を内部に係合した角芯棒40に伝えて回動させ、該角芯棒40に係合する回動カム7を回動させて、ラッチボルト11をドア1の端面から後退させ、開扉可能にする。 【0076】 一方、ドア錠6は長年の使用によって、パイプシャフト45,45や圧入シャフト50,50がガタつき、それらの嵌合ないし連結強度が低下ないし劣化して、レバーハンドル26,27の操作の円滑性が低下する。 その場合は、パイプシャフト45,45と圧入シャフト50,50の嵌合ないし連結強度を修復する必要があり、その際は例えばドア1からレバーハンドル26,27を取り外し、ドア1の内外面にハンドル取付座14,15の座盤16,17の表面を表出させる必要がある。 【0077】 先ず、ドア1からレバーハンドル26,27を取り外す場合は、レバーハンドル27の外側から適宜工具を係入孔56に挿入し、コイルバネ38の弾性に抗してロックワッシャ37を垂直に起立させ、その通孔39の開口縁と角芯棒40の係止溝40aとの係合を解除する。 そして、この係合解除状況を保持しながら、レバーハンドル26を外側へ引っ張り、ロックワッシャ37の通孔39、シャフトホルダ29の角孔43、回動カム7の角孔8から角芯棒40を引き抜く。 【0078】 この後、レバーハンドル26,27をドア1の外側へ引っ張り、ハンドル取付座14,15を残して、レバーハンドル26,27をドア1ないし筒状シリンダ24,25から取り外す。 前記ドア1に残置したハンドル取付座14,15には、ドア1の内外面に連通孔48と凹部52が表出する。この場合、ハンドル取付座14,15は、突起22,23が取付孔13の内壁に食い込んで、取付孔13内に残置する。 【0079】 次に、適当な棒状の工具を連通孔48に挿入し、その先端を圧入シャフト50の軸端に係合して、前記工具の外端部を木ハンマ等で殴打し、圧入シャフト50をハンドル取付座15と一緒に、ドア1の他側に押し出して取り外す。 この後、取り外した圧入シャフト50を保持し、その座盤17の後端部を切断線54に沿って切断し、圧入シャフト50の軸部を除去し、切断後の座盤17の後端部にビス孔53を開口させる。 【0080】 この場合、パイプシャフト45が長年の使用によってスリット47が拡開し、また嵌合スペース46が大径に変形している場合は、ハンドル取付座14を新規なものに取り替えることが望ましい。 その場合は、ドア1の外側から棒状の工具を嵌合スペース46に挿入し、その先端を連通孔48の段部に係合し、前記工具の外端部を木ハンマ等で殴打して、ハンドル取付座14をドア1の他側に押し出して取り外し、新規なハンドル取付座14に取り替える。 【0081】 こうして圧入シャフト50の基部を切断したハンドル取付座15を取付孔13内に差し込み、その内面に突起23を食込ませて密着させ、また張出部19の後端部を取付孔13の開口縁に密着かつ係合させる。 この後、ビス55(タッピングスクリュ)をビス孔53に挿入し、これをパイプシャフト45の嵌合スペース46内にねじ込み、その先端を連通孔48にねじ込んで、ハンドル取付座14,15を連結する。 【0082】 その際、ビス55の頭部は座盤17の凹部52に収容され、その後のレバーハンドル27の組付けや隣接部材との干渉を回避させる。 この後、ハンドル取付座14の筒状シリンダ24にレバーハンドル26の軸筒部28を挿入し、該レバーハンドル26に一端を連結した角芯棒40を回動カム7の角孔8に挿入し、これをレバーハンドル27側のシャフトホルダ29の角孔43へ押し込む。 【0083】 そして、前述と同様に角芯棒40の先端部を角孔8の奥部へ移動し、ロックワッシャ37の通孔39に係入後、軸孔44へ移動して係合し、レバーハンドル26,27を角芯棒40を介して連結する。この状況は図18のようである。 このようなハンドル取付座14の不具合の修復は、パイプシャフト45と圧入シャフト50の圧入による連結に比べ、ビス55のネジ山による係合ないし噛み込みによって達成されるから、確実かつ強固に連結され、経年的な使用に伴う機能低下を抑制し得る。 【0084】 この場合、圧入シャフト50の代わりに、当初からビス55をパイプシャフト45にねじ込んでハンドル取付座14,15を連結することも可能であり、そのようにすることで経年的な使用による機能低下を抑制し得る。 【産業上の利用可能性】 【0085】 このように本発明のドア用ハンドルの取付け構造およびドア用ハンドルの取付け構造を有するドアは、ハンドル取付座を小形化し、これをレバーハンドルの取付け基部内に隠蔽して配置し、レバーハンドルの取付け基部とドア周辺の体裁を簡潔化して改善するとともに、各種取付け部材の小形軽量化と取付け作業の容易化を図れ、またハンドル取付座を配置する取付孔を可及的に小形化し、ハンドル取付座を容易かつコンパクトに取付けられるようにしたものである。 【符号の説明】 【0086】 1 ドア 6 ドア錠 13 取付孔 14 ハンドル取付座 15 ハンドル取付座 16 座盤 17 座盤 18 張出部 19 張出部 【0087】 20,21 側壁部 20a,21a 空隙部 22,23 突起 26 レバーハンドル 27 レバーハンドル 26a,27a レバーハンドルの取付け基部 31,32 凹部 45 パイプシャフト 【0088】 47 スリット 48 連通孔 50 圧入シャフト 45a 偏肉部 52 凹部 53 ビス孔 55 ビス(タッピングスクリュ) e1,e2 隙間 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、前記レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造において、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項2】 前記ハンドル取付座は、レバーハンドルの取付け基部の凹部内に配置可能な横長矩形の座盤と、該座盤の外周を区画する張出部と、座盤の後方の側面を区画する側壁部とを備え、該側壁部の側方に前記張出部を突設し、該側壁部の両側に一対の圧入シャフトまたはパイプシャフトを後方に突設し、前記パイプシャフトに圧入シャフトまたはタッピングスクリュを挿入可能に設けた請求項1記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項3】 一方のハンドル取付座の側壁部の両側に一対のパイプシャフトを突設し、該パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成し、該パイプシャフトに他方のハンドル取付座からタッピングスクリュをねじ込み、一対のハンドル取付座を接続可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項4】 前記レバーハンドルの取付け基部の内側に前記座盤を収容可能な凹部を形成し、該凹部内に前記座盤を密接して配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項5】 前記張出部の厚さを凹部の深さ以上に形成し、レバーハンドルの取付け時、レバーハンドルの取付け基部とドアの内外面との間に微小な隙間を形成可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項6】 前記張出部の厚さを、凹部の深さに前記隙間の寸法を相加した寸法に形成した請求項5記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項7】 前記側壁部に複数の突起を形成し、該突起をハンドル取付座を配置する取付孔の内壁に係合可能に配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項8】 前記側壁部の内部に空隙部を形成し、前記側壁部に弾性を付与可能にした請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項9】 一方のハンドル取付座の座盤の後方に肉厚の偏肉部を形成した一対のパイプシャフトを突設し、他方のハンドル取付座の座盤の後方に、前記パイプシャフトに挿入可能な一対の圧入シャフトを突設し、前記パイプシャフトにスリットを軸方向に沿って形成した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項10】 前記パイプシャフトの偏肉部と反対側の周面にスリットを形成した請求項9記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項11】 前記一方のハンドル取付座の座盤にパイプシャフトに連通する連通孔を形成し、該連通孔に棒状の工具を挿入可能に設け、該工具を介しパイプシャフトに係合した圧入シャフトを押し出し可能にした請求項9記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項12】 前記他方のハンドル取付座の座盤に一対の凹部を形成し、該凹部の底部に圧入シャフトと同軸位置にビス孔を形成した請求項11記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項13】 前記圧入シャフトの基部を切断可能に設け、該切断後、前記ビス孔にタッピングスクリュを挿入し、該タッピングスクリュを対応するパイプシャフトにねじ込み可能にした請求項12記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項14】 一方のハンドル取付座の座盤に開口した連通孔の近接位置に矢視形状の指標を設け、連通孔の位置を表示可能にした請求項11記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項15】 前記ハンドル取付座の横長矩形の座盤の中央に筒状シリンダを形成し、一方の筒状シリンダに一方のレバーハンドルに突設した軸筒部を挿入可能に設け、該軸筒部の両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、他方の筒状シリンダに凹孔を有するシャフトホルダの軸筒部を挿入可能に設け、該シャフトホルダの両側に前記横長方向に沿って前記パイプシャフトまたは圧入シャフトを配置し、該シャフトホルダを他方のレバーハンドルのホルダ収容孔内に固定し、前記シャフトホルダの内部にテーパ面を形成した凹孔を形成し、該凹孔内に通孔を有するロックワッシャを揺動可能に収容し、該ロックワッシャとホルダ収容孔の奥部との間にコイルバネを介挿し、該コイルバネの弾性を介しロックワッシャをテーパ面側へ付勢する一方、軸筒部の軸孔と角孔とに亘って角芯棒を配置し、前記ロックワッシャの通孔の開口縁を角芯棒の周面に係合可能に配置した請求項2記載のドア用ハンドルの取付け構造。 【請求項16】 ドアの内外にレバーハンドルを回動かつ同動可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部を相対して配置し、該レバーハンドルの取付け基部にハンドル取付座を配置し、該レバーハンドルの取付け基部の内側にハンドル取付座を収容可能な凹部を形成し、該凹部内にハンドル取付座の端部を配置し、該ハンドル取付座の端部をレバーハンドルの取付け基部に隠蔽可能に配置し、レバーハンドルの取付け基部をレバーハンドルの端部周縁に突設したドア用ハンドルの取付け構造を有するドアにおいて、前記凹部の正面形状を横長の略台形形状に形成し、該凹部内にハンドル取付座の横長の座盤を配置したことを特徴とするドア用ハンドルの取付け構造を有するドア。 【請求項17】 前記ドア用ハンドルの取付け構造は請求項1乃至15記載のドア用ハンドルの取付け構造のうち何れか1項記載のドア用ハンドルの取付け構造を有するドア。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2023-02-16 |
出願番号 | P2019-151662 |
審決分類 |
P
1
651・
112-
YAA
(E05B)
P 1 651・ 537- YAA (E05B) P 1 651・ 121- YAA (E05B) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
居島 一仁 |
特許庁審判官 |
長井 真一 住田 秀弘 |
登録日 | 2020-08-19 |
登録番号 | 6751805 |
権利者 | 株式会社長沢製作所 大建工業株式会社 |
発明の名称 | ドア用ハンドルの取付け構造およびドア用ハンドルの取付け構造を有するドア |
代理人 | 千明 武 |
代理人 | 千明 武 |
代理人 | 千明 武 |
代理人 | 千明 武 |