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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09J
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09J
管理番号 1398261
総通号数 18 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2023-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-06-13 
確定日 2023-03-28 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6981581号発明「接着剤組成物、ならびに接着シート、積層体およびプリント配線板」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6981581号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜6〕について訂正することを認める。 特許第6981581号の請求項1〜6の特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6981581号の請求項1〜6の特許についての出願は、令和3年3月26日(優先権主張 令和2年3月30日 日本国)を国際出願日とするものであって、令和3年11月22日にその特許権の設定登録がなされ、同年12月15日にその特許掲載公報が発行され、その請求項1〜6の発明の特許に対し、令和4年6月13日に特許異議申立人(以下、「申立人」ともいう。)である北岡弘章によって、特許異議の申立てがなされたものである。
特許異議の申立て後の手続の経緯は次のとおりである。

令和4年12月5日付け 取消理由通知
令和5年 1月24日 意見書・訂正請求書の提出(特許権者)
同年 同月31日付け 訂正請求があった旨の通知
同年 2月22日 意見書の提出(申立人)

第2 訂正の適否
1 本件訂正請求の内容
令和5年1月24日にされた訂正請求の「請求の趣旨」は、「特許第6981581号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜6について訂正することを求める。」というものである。また、本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」ともいう。)の内容は、以下の訂正事項1〜5からなるものである。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「接着剤組成物」(2カ所)と記載されているのを、いずれも、「熱硬化性接着剤組成物」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2〜6も同様に訂正する)。

訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「接着剤組成物。」と記載されているのを、「熱硬化性接着剤組成物。」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3〜6も同様に訂正する)。

訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「接着剤組成物。」と記載されているのを、「熱硬化性接着剤組成物。」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4〜6も同様に訂正する)。

訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「接着剤組成物」と記載されているのを、「熱硬化性接着剤組成物」に訂正する。

訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「接着剤組成物」と記載されているのを、「熱硬化性接着剤組成物」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する)。

2 検討
(1) 一群の請求項などについて
訂正事項1の本件訂正前の請求項1について、請求項2〜6は請求項1を直接又は間接的に引用するものであるから、本件訂正前の請求項1〜6に対応する本件訂正後の請求項1〜6は特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項である。
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項ごとになされたものである。

(2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、訂正前の請求項1における「接着剤組成物」を、「熱硬化性接着剤組成物」に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」ともいう。)の発明の詳細な説明の段落【0084】、【0086】、【0087】には、それぞれ、「比誘電率及び誘電正接」、「ピール強度(接着性)」、及び、「耐熱性」を評価するための評価用サンプルを得るために、本件発明の接着剤組成物を「170℃で3時間熱処理して硬化」させたことが記載されているから、本件発明の接着剤組成物の具体的な態様として熱硬化性接着剤組成物が含まれていたことは明らかである。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5、6項に適合するものである。
また、訂正事項2〜5は、いずれも、「接着剤組成物」を、「熱硬化性接着剤組成物」に訂正するものであるから、訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5、6項に適合するものである。

(3) 特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであること
本件訂正においては、訂正前の全ての請求項である請求項1〜6に対して特許異議の申立てがされているので、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の規定は課されない。

3 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5、6項の規定に適合するものである。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜6〕について訂正することを認める。

第3 本件発明
本件訂正が上記のとおり認められたので、特許第6981581号の請求項1〜6の発明(以下、請求項の項番により「本件発明1」などといい、まとめて、「本件発明」ともいう。)は、その特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
ポリエステルおよび硬化剤を含有する熱硬化性接着剤組成物であって、前記ポリエステルは、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を構造単位として有し、多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有し、多価アルコール成分として、ダイマージオール成分を含有する、熱硬化性接着剤組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルのガラス転移温度が−30℃以上である請求項1に記載の熱硬化性接着剤組成物。
【請求項3】
10GHzにおける比誘電率(εc)が3.0以下、誘電正接(tanδ)が0.008以下である請求項1または2に記載の熱硬化性接着剤組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性接着剤組成物により形成される層を有する接着シート。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性接着剤組成物により形成される層を有する積層体。
【請求項6】
請求項5に記載の積層体を構成要素として含むプリント配線板。」

第4 申立の理由及び証拠方法
申立人は、全請求項(請求項1〜6)の特許を取り消すべきであると主張し、その理由として、以下の申立理由を主張し、また、以下の証拠方法を提出している(特に、特許異議申立書28頁11行〜36頁11行)。
また、申立理由1は、主たる刊行物等として甲第1号証を引用するものであり、申立理由2は、主たる刊行物等として甲第1号証又は甲第5号証を引用するものである。

<申立理由>
申立理由1
本件特許の請求項1〜4の発明は、その出願前日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
申立理由2
本件特許の請求項1〜6の発明は、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、その出願前日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

<証拠方法>
甲第1号証 特開平6−128363号公報(以下、「甲1」ともいう。)
甲第2号証 特開平1−161045号公報(以下、「甲2」ともいう。)
甲第3号証 特開2015−187271号公報(以下、「甲3」ともいう。)
甲第4号証 特開2019−52303号公報(以下、「甲4」ともいう。)
甲第5号証 特開2017−31301号公報(以下、「甲5」ともいう。)
甲第6号証 特開2017−179127号公報(以下、「甲6」ともいう。)
甲第7号証 国際公開第2014/061450号(以下、「甲7ともいう。)

第5 当審の判断
1 証拠の記載事項
(1) 甲1の記載事項
甲1には、以下の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 酸成分が芳香族ジカルボン酸を主体としてなり、グリコール成分が、全グリコール成分に対して1〜60モル%のダイマージオールを含有してなる共重合ポリエステルであって、還元粘度が0.5〜3.0であることを特徴とする熱可塑性ポリエステルエラストマー。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム弾性を有する熱可塑性ポリエステルエラストマーに関する。更に詳しくは成形性、耐水性、耐候性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマー、特にギヤ、チューブ、シート等の成形材料に適した新規な共重合ポリエスエル樹脂に関する。」

「【0014】この様にして得られた樹脂には他の樹脂或いは低分子化合物、無機物等を配合、ブレンド、もしくはアロイ化して用いてもよい。例えばエポキシ化合物、イソシアネート化合物、顔料、補強剤、添加剤、安定剤等が挙げられる。」

「【0016】実施例 1
ジメチルテレフタレート6.95kg、1,4−ブタンジオール6.06kg、ダイマージオール2.51kgを100Lのオートクレーブに仕込み、次いでチタンブトキサイド6.10g、アイオノックス−330 20gを仕込み、120℃から230℃まで2時間かけて昇温しエステル交換反応を行った。次いで缶内を徐々に減圧すると共に更に昇温し、1時間かけて255℃、1torrにして初期重合を行った。更に255℃、1torr以下の状態で42分重合反応を行った後、ポリマーをペレット状に取り出した。得られたポリマーの組成はNMR等の測定よりテレフタル酸//1,4−ブタンジオール/ダイマージオールのモル比が100//87.5/12.5で還元粘度が1.02、カラーbが2.1であった。得られた共重合ポリエステルに関し、所定の試験を行った。それらの結果を表1に示す。機械特性の引張強度は370kg/cm2 、引張伸度は600%、表面硬度は63、融点204℃、結晶化温度165℃、耐候性88%、耐水性91%、耐油性81%の優れたエラストマーであった。」

「【0018】実施例 3
実施例1と同様にして樹脂組成が表1で示される共重合ポリエステルを重合し、還元粘度が0.88、カラーが3.1の共重合ポリエステルを得た。所定の試験結果は表1に示す。」

「【0020】
【表1】


「【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の共重合ポリエステルは機械特性に優れ、且つ結晶化温度が高いため、優れた成形性を有する熱可塑性エラストマーである。さらに従来のポリエステル系エラストマーより耐候性、耐水性、耐油性に優れており、各種成形材料に広範囲に用いることが可能である。また本発明の熱可塑性エラストマーはホットメルト接着材としても用いることができる。」

(2) 甲2の記載事項
甲2には、以下の事項が記載されている。
「2.特許請求の範囲
1.プラスチックフィルムが下記組成の接着剤を用いてなる難燃性カバーレイフィルム。
イ)酸価70〜150のポリエステル樹脂 100重量部
ロ)A)エポキシ樹脂10〜90重量%と
B)フェノール樹脂90〜10重量%との
樹脂混合物 20〜100重量部
ハ)微粒子状無機質粉末 2〜20重量部
ニ)難燃剤 10〜70重量部
および
ホ)硬化促進剤 0.5〜10重量部」
「(発明の目的)
本発明は、前記問題点を解消して、接着性、半田耐熱性、吸湿時の半田耐熱性、難燃性にすぐれたフレキシブルプリント回路用の保護カバーレイフィルムを提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段)
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を行ってきた結果、後述する特定のポリエステル樹脂とフェノール樹脂、エポキシ樹脂、微粒子無機粉末、難燃剤等を併用することにより、著しく接着性が高く、かつ、難燃性、半田耐熱性、吸湿時の半田耐熱性等が改良された接着剤が得られ、それにより、上記目的を達成するフレキシブルプリント回路用保護カバーレイフィルムが得られることを見い出し本発明に至った。」(2頁右上欄3行〜17行)

(3) 甲3の記載事項
甲3には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
熱可塑性樹脂(A)、無機充填材(B)、溶剤(C)、エポキシ樹脂(D)を含有する接着剤用樹脂組成物であって、
該熱可塑性樹脂(A)の酸価(単位:当量/106g)が100以上1000以下であり 該熱可塑性樹脂(A)の数平均分子量が5.0×103以上1.0×105以下であり、
該熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル系樹脂(但し、フェノール性水酸基を150当量/106g以上有するポリエステル樹脂を除く)であり、
該エポキシ樹脂(D)がジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂であり、
該熱可塑性樹脂(A)と該無機充填材(B)を該接着剤用樹脂組成物における含有比率で合計25質量部含み、メチルエチルケトン52質量部とトルエン23質量部からなる混合溶剤(但し、該熱可塑性樹脂(A)が前記濃度で前記混合溶剤に25℃において溶解しない場合は、前記混合溶剤に変えてジメチルアセトアミド52質量部とトルエン23質量部からなる混合溶剤を用いる)を分散媒とする分散液(α)の揺変度(TI値)を測定したとき、液温25℃における揺変度(TI値)が3以上6以下であり、
該熱可塑性樹脂(A)の酸価AV(β)(単位:当量/106g)と配合量AW(β)(単位:質量部)、エポキシ樹脂(D)のエポキシ価EV(γ)(単位:当量/106g)と配合量EW(γ)(単位:質量部)が以下に示す式(1)、
0.7≦{EV(γ)×EW(γ)}/{AV(β)×AW(β)}≦4.0 (1)
を満たす接着剤用樹脂組成物。」
「【請求項8】
請求項1〜7いずれかに記載の接着剤用樹脂組成物を含有する接着剤。
【請求項9】
請求項1〜7いずれかに記載の接着剤用樹脂組成物に含有される前記熱可塑性樹脂(A)、前記無機充填材(B)、前記エポキシ樹脂(D)およびこれらに由来する反応生成物を含有する接着シート。
【請求項10】
請求項8に記載の接着剤または請求項9に記載の接着剤シートを用いてなる接着層を含むプリント配線板。」

(4) 甲4の記載事項
甲4には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
ハロゲンフリー樹脂組成物であって、
60乃至100重量部のカルボキシル基含有ポリエステル樹脂;
5乃至30重量部の多官能エポキシ樹脂;
0.5乃至10重量部の含窒素エポキシ化合物;
10乃至40重量部の難燃剤;及び
40乃至100重量部の溶媒を含む、ハロゲンフリー樹脂組成物。」
「【請求項20】
ポリイミド層と、
上記ポリイミド層の上に積層された、請求項1〜17のいずれか一項に記載のハロゲンフリー樹脂組成物からなる接着層と、
上記接着層の上に積層された離型紙とを含む、カバーフィルム。」
「【請求項22】
ポリイミド層と、
上記ポリイミド層の上に積層された、請求項1〜17のいずれか一項に記載のハロゲンフリー樹脂組成物からなる接着層と、
上記接着層の上に積層された銅箔とを含む、銅張板。」
「【0002】
接着フィルム、カバーフィルム及び銅張板は、フレキシブルプリント回路板を製造するための基礎材料である。電子情報技術の開発の発展につれて、その性能、特に耐熱性、老化防止性、難燃性及び接着性への市場要求がより高くなっている。よく見られる接着フィルム、カバーフィルム及び3層法によるフレキシブル銅張板に用いられる接着剤は、エポキシ樹脂/ニトリルゴムを主成分とし且つ硬化剤、難燃剤及びその他の助剤成分を配合したものであり、その剥離強度が一般的に低く、耐熱性及び老化防止性も劣っている。耐熱性を改善するため、中国特許CN101323773B及び中国特許出願公開CN102199413Aには、ビスマレイミドプレポリマーでエポキシ樹脂/ニトリルゴム系を変性すること、中国特許出願公開CN104531030Aには、ニトリルゴムを使用せず、フェノール樹脂でフレキシブルエポキシ系を変性すること、及び中国特許CN103834343Bには、フレキシブル硬化剤で多官能エポキシ樹脂を硬化させることが記載されている。上記した方法は、何れも銅張板製品の耐熱性を向上させることができるが、製品のフレキシブル性能には大きな損失が生じることがある。」

(5) 甲5の記載事項
甲5には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
下記条件(1)〜(8)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シート。
(1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を含む。
(2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官能基を有する。
(3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有し得る。
(4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有する樹脂(A2)を含み得る。
(5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれをも有しない樹脂(A3)を含み得る。
(6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0.01mmol以上、9mmol以下である。
(7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくもと一種である。
(8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molである。
・・・
【請求項5】
樹脂(A1)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜4いずれか1項に記載の熱硬化性接着シート。
・・・
【請求項10】
請求項1〜9いずれか1項に記載の熱硬化性接着シートと、前記熱硬化性接着シートの両面を覆う2つのシート状基材とを有する、シート状基材付き熱硬化性接着シート。
・・・
【請求項13】
請求項1〜9いずれか1項に記載の熱硬化性接着シートを熱硬化してなる、周波数5GHzにおける誘電正接が0.0001〜0.01であるシート状硬化物。
【請求項14】
請求項13記載のシート状硬化物を介して、導電性回路を有するプリント配線板の前記回路面が、シート状基材で保護されてなる、保護シート付きプリント配線板。」
「【0001】
本発明は、低極性樹脂、有機金属化合物及びエポキシ基含有化合物を含有する熱硬化性接着シートに関する。本発明の熱硬化性接着シートは、プリント配線板の回路面の保護に好適に用いられる。」
「【0028】
本発明は、硬化時の寸法安定性に優れ、硬化後の接着性、耐熱性(特に加湿後)、屈曲性、電気絶縁性、低誘電率および低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。硬化時の寸法安定性と硬化後の耐熱性(特に加湿後)、接着性と低誘電正接は両立が難しい。そこで、本発明は、特にこれらを両立できる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明者らは前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る反応性官能基と、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が0.01mmol/g以上、9mmol/g以下の樹脂(A)、有機金属化合物(B)、および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)とを含む熱硬化性組成物を用いることにより本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記条件(1)〜(8)の全てを満たす熱硬化性組成物から形成されてなる熱硬化性接着シートに関する。
(1)樹脂(A1)、有機金属化合物(B)および3官能以上のエポキシ基含有化合物(C)を含む。
(2)樹脂(A1)は、エポキシ基を有さず、前記有機金属化合物(B)または前記エポキシ基含有化合物(C)の少なくともいずれか一方と反応し得る、反応性官能基(以下、単に反応性官能基とも略す)を有する。
(3)樹脂(A1)は、前記反応性官能基以外の官能基であって、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基(以下、樹脂(A1)の有するその他官能基または単にその他官能基とも略す)を有し得る。
(4)前記反応性官能基を有せず、ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基を有する樹脂(A2)を含み得る。
(5)前記反応性官能基およびハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基のいずれをも有しない樹脂(A3)を含み得る。
(6)樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の合計1gに含まれる前記反応性官能基と前記ハロゲン以外のヘテロ原子を有する官能基との合計量が、0.01mmol以上、9mmol以下である。
なお、樹脂(A1)、樹脂(A2)および樹脂(A3)の3種を合わせて、以下樹脂(A)と略することもある。
(7)前記有機金属化合物(B)は、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、アルミニウムアシレート化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタンアシレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物およびジルコニウムアシレート化合物からなる群より選ばれる少なくもと一種である。
(8)前記樹脂(A1)の反応性官能基1molに対し、前記有機金属化合物(B)中の金属が0.03〜3molである。
【0030】
前記反応性官能基は、カルボキシル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基および酸無水物基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0031】
前記樹脂(A1)の有する極性官能基中のへテロ原子は、O、N、SおよびPからなる群より選ばれる少なくも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)の有する極性官能基は、エステル基、アミド基、イミド基、ウレタン基、ウレア基、エーテル基、カーボネート基、アクリロイル基およびメタクリロイル基からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
【0032】
前記樹脂(A1)は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂およびシリコーン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記樹脂(A1)1gの反応性官能基価の合計は、水酸化カリウム換算で1〜80mgであることが好ましい。」
「【0112】
[合成例4]
<ポリエステル樹脂の合成例>
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、セバシン酸57.6g、トリメシン酸3.2g、シクロへキサンジメタノール27.5g、1.6−ヘキサンジオール9.7g、テトラブチルチタネート0.012gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、温度が安定したのを確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下し、ポリエステル樹脂を得た。質量平均分子量は3.2万、酸価は39.8mgKOH/gであった。
【0113】
ここで、2官能の分子量202のセバシン酸57.6gは0.285molなので、セバシン酸57.6g中にはカルボキシル基が0.57mol含まれる。
以下、同様に、分子量210の3官能のトリメシン酸3.2g中にはカルボキシル基が0.045mol含まれ、
分子量144のシクロヘキサンジメタノール27.5g中には、アルコール性水酸基が0.382mol含まれ、
1.6−ヘキサンジオール9.7g中には、アルコール性水酸基が0.164mol含まれる。
つまり、カルボキシル基を0.615mol、アルコール性水酸基を0.546mol含むモノマーを反応させているため、樹脂中のエステル基量は0.546molであり、反応性官能基として残存するアルコール性水酸基は0.069molである。
仕込んだモノマーの合計量は97.9gであることから、樹脂1g中の官能基を計算すると、反応性官能基量は(0.069/97.9)×1000=0.7mmol/g、その他官能基量は(0.546/97.9)×1000=5.6mmol/g、トータル官能基量は、6.3mmol/gとなる。
【0114】
[合成例5〜10]、[比較合成例3]
合成例4と同様の方法で、表2の組成に従って合成を行い、ポリエステル系樹脂を得た。」
「【0147】
【表2】


「【0157】
以下、表1〜11において共通
BMA:n−ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
LMA:ラウリルメタクリレート
TDMA:トリデシルメタクリレート
LMA/TDMA=1/1混合品
tBA:ter−ブチルアクリレート
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキエチルメタクリレート
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
プリポール2033:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージオール(OH価:207mgKOH/g)
プリポール1009:クローダジャパン(株)製、C36ダイマー酸(酸価:195.0mgKOH/g)
TDI:トリレンジイソシアネート
TMA:無水トリメリット酸
プリアミン1074:クローダジャパン(株)製、C36ダイマージアミン(アミン価:210mgKOH/g)
NBDA:ノルボルナンジアミン
ビスアニリンM:三井化学ファイン(株)製、1,3−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン
IPDIヌレート:イソホロンジイソシアネートのヌレート体
ワンダミンHM:新日本理化(株)製、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン
KF−8010:信越シリコーン(株)製、両末端アミノ変性シリコーンオイル(アミン価:430mgKOH/g)
HAB:4,4'−ジアミノ−3,3'−ジヒドロキシビフェニル
1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
2,6−DMP:2,6−ジメチルフェノール
BXF:2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン
n−BuLi:ノルマルブチルリチウム
THF:テトラヒドロフラン
【0158】
(実施例1)
合成例1で得られた極性官能基のトータル官能基量が0.01mmol/g以上、9.0mmol/g以下の樹脂(A)の固形分100gに対して、有機金属化合物(B)として、Alキレート化合物「AlキレートA」(川研ファインケミカル株式会社製)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対して有機金属化合物(B)中の金属が0.3モルとなる量添加し、エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031S(三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対してエポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基が2モルとなる量添加し、シクロヘキサノン溶剤で固形分濃度が25%になるように溶解して熱硬化性組成物を調整した。
この熱硬化性組成物を剥離処理されたポリエステルフィルム上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように均一に塗工して乾燥させ、接着シートを設けた。次に、剥離処理された別のポリエステルフィルムを前記接着シート上にラミネートし、両面保護フィルム付きの接着シートを得た。
【0159】
[実施例2〜3]
表21に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに合成例2、3で得られたアクリル系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。」
「【0163】
[実施例4〜10]、[比較例5]
表22に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例4〜10、比較合成例3で得られたポリエステル系樹脂、を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
・・・
【0169】
[実施例15〜17]、[比較例14]
表25に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに合成例15〜17、比較合成例6で得られたポリアミド系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。
・・・
【0173】
[実施例24〜25]、[比較例20]
表27に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例24〜25、比較合成例8で得られたポリカーボネート系樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。」
「【0189】
以下、表21〜52において共通。
jER1031S:三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物
jER604:三菱化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
jER630:三菱化学(株)製、3官能グリシジルアミン化合物
TETRAD−C:三菱ガス化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
TETRAD−X:三菱ガス化学(株)製、4官能グリシジルアミン化合物
jER306:三菱化学(株)製、ビスフェノールF型エポキシ化合物
BL3175:住化バイエルウレタン(株)製、イソシアヌレート型ブロックイソシアネート
V−07:日清紡(株)製、ポリカルボジイミド化合物
V−03:日清紡(株)製、ポリカルボジイミド化合物
アルミキレートA:川研ファインケミカル(株)製、Alキレート化合物
ASBD:川研ファインケミカル(株)製、Alアルコキシド化合物
TC401:マツモトファインケミカル(株)製、Tiキレート化合物
TA−30:マツモトファインケミカル(株)製、Tiアルコキシド化合物
ZC700:マツモトファインケミカル(株)製、Zrキレート化合物
TC800:マツモトファインケミカル(株)製、Tiアシレート化合物
ケミタイトPZ: (株)日本触媒製、多官能アジリジン化合物
DICY:ジシアンジアミド
CABRUS2:(株)ダイソー製、ポリスルフィド系シランカップリング剤
KBM803:信越シリコーン(株)製、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
ノクセラーTOT−N:大内新興化学工業株式会社(株)製、チウラムジスルフィド化合物
ノクセラーDM:大内新興化学工業株式会社(株)製、チアゾリルジスルフィド化合物」
「【0196】
(6)誘電率
実施例及び比較例で作成した両面保護フィルム付き接着シートの片側の保護フィルムを除去し、160℃、1.0MPaの条件で1時間熱硬化させ後、両側の保護フィルムを除去し、評価用試験片を作製した。この試験片について、(株)エー・イー・ティー製誘電率測定装置を用い、空洞共振器法により、測定温度23℃、測定周波数5GHzにおける誘電率および誘電正接を求めた。
A・・・誘電率が2.6以下である
B・・・誘電率が2.6より大きく2.8以下である
C・・・誘電率が2.8より大きく3.0以下である
D・・・誘電率が3.0より大きく3.2以下である
E・・・誘電率が3.2より大きい
【0197】
(7)誘電正接
A・・・誘電正接が0.001以下である
B・・・誘電正接が0.001より大きく0.002以下である
C・・・誘電正接が0.002より大きく0.01以下である
D・・・誘電正接が0.01より大きく0.05以下である
E・・・誘電正接が0.05より大きい」
「【0198】
【表21】

【0199】
【表22】

・・・
【0202】
【表25】

・・・
【0204】
【表27】




2 取消理由通知に記載した取消理由について
取消理由通知に記載した取消理由は、申立理由2のうち甲1を主たる刊行物等として引用するものである。

(1) 甲1に記載された発明
甲1に記載された事項について、実施例3に着目して整理すると、甲1には、以下の発明
(以下、「甲1発明」ともいう。)されていると認められる。

<甲1発明>
「ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ブタンジオール、ダイマージオールを100Lのオートクレーブに仕込み、次いでチタンブトキサイド、アイオノックス−330を仕込み、120℃から230℃まで2時間かけて昇温しエステル交換反応を行い、次いで缶内を徐々に減圧すると共に更に昇温し、1時間かけて255℃、1torrにして初期重合を行い、更に255℃、1torr以下の状態で42分重合反応を行った後、ポリマーをペレット状に取り出し、得られたポリマーの組成がNMR等の測定より、酸成分が、ナフタレンジカルボン酸80モル%、シクロヘキサンジカルボン酸20モル%から構成され、グリコール成分が、1,4−ブタンジオール80モル%、ダイマージオール(KX−501)20モル%から構成される共重合ポリエステルであり、還元粘度が0.89、カラーが3.1、機械特性の引張強度は390kg/cm2、引張伸度は510%、表面硬度(シヨアD)は58、融点220℃、結晶化温度187℃、耐候性75%、耐水性92%、耐油性71%である熱可塑性ポリエステルエラストマー。」

(2) 本件発明1と甲1発明の対比
甲1発明の「熱可塑性ポリエステルエラストマー」は、「酸成分が、ナフタレンジカルボン酸80モル%、シクロヘキサンジカルボン酸20モル%から構成され、グリコール成分が、1,4−ブタンジオール80モル%、ダイマージオール(KX−501)20モル%から構成される共重合ポリエステル」であるから、本件発明1の「ポリエステル」、及び、「前記ポリエステルは、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を構造単位として有し」に相当する。
甲1発明の「ナフタレンジカルボン酸」、及び、「酸成分が、ナフタレンジカルボン酸80モル%」は、本件発明1の「多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有し」に相当する。
甲1発明の「グリコール成分が、1,4−ブタンジオール80モル%、ダイマージオール(KX−501)20モル%から構成される」は、本件発明1の「多価アルコール成分として、ダイマージオール成分を含有する」に相当する。
甲1発明の「エラストマー」は、本件発明1の「接着剤組成物」と「物質」である点で共通する。
そうすると、本件発明1と甲1発明の一致点、相違点は、以下のとおりである。

<一致点>
ポリエステルを含有する物質であって、前記ポリエステルは、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を構造単位として有し、多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有し、多価アルコール成分として、ダイマージオール成分を含有する、物質。

<相違点1>
本件発明1は「硬化剤」を含有する「熱硬化性接着剤組成物」と特定されているのに対して、甲1発明では「硬化剤」を含有しない「熱可塑性ポリエステルエラストマー」である点

(3) 相違点1についての検討
ア 甲1の段落【0021】には、「本発明の熱可塑性エラストマーはホットメルト接着材としても用いることができる。」(下線は、当審が付した。以下、同様。)と記載されているが、熱硬化性接着剤組成物にも用いることができることについては記載がない。
また、ホットメルト接着材と熱硬化性接着剤組成物は、接着剤が固まる原理が異なっており、前者は、その主な材料である熱可塑性樹脂が、室温では固体であるが、加熱すると流動性になるという、物理的な性質(現象)を利用した接着材であるのに対し、後者は、その主な材料と硬化剤とが、加熱すると化学反応を起こして固化(熱硬化)するという、化学的な性質を利用するものである。
したがって、ホットメルト接着材と熱硬化性接着剤組成物は、接着材(接着剤)という類似した名称が付されているものの、その主な材料が備えているべき性質が大きく異なり、ホットメルト接着材に用いることができることと、熱硬化性接着剤組成物に用いることができることとは全く関係がないから、甲1の上記記載は、「ホットメルト接着材」として用いることができることのみを述べるに留まるものである。

イ 本件発明1の「硬化剤」について、本件特許の願書に添付された明細書(以下、「本件特許明細書」ともいう。)には「<硬化剤> 本発明の接着剤組成物はポリエステルと硬化剤を含む。硬化剤としては、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート、ポリカルボジイミド等を用いることができる。これらの硬化剤で架橋することによって、樹脂の凝集力を高め、耐熱性を向上させることができる。中でも、耐熱性と誘電特性への影響が少ないことから、ポリイソシアネートが好ましい。」(【0033】)、「<エポキシ樹脂> 本発明で用いるエポキシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を有するものであれば、特に限定されない」(【0034】)、「<ポリイソシアネート> 本発明に用いるポリイソシアネートは、ポリエステルと反応し、硬化するイソシアネート化合物であれば、特に限定されない。」(【0038】)と説明されているところ、甲1の段落【0014】には、「この様にして得られた樹脂には他の樹脂或いは低分子化合物、無機物等を配合、ブレンド、もしくはアロイ化して用いてもよい。例えばエポキシ化合物、イソシアネート化合物、顔料、補強剤、添加剤、安定剤等が挙げられる。」と記載されている。
しかし、甲1の段落【0001】には、「本発明はゴム弾性を有する熱可塑性ポリエステルエラストマーに関する。更に詳しくは成形性、耐水性、耐候性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマー、特にギヤ、チューブ、シート等の成形材料に適した新規な共重合ポリエスエル樹脂に関する。」と記載されているから、甲1発明は、熱可塑性の成形材料の発明に関するものである。
そして、熱可塑性の成形材料は、室温では固体であるが、加熱すると流動性になるという、物理的な性質(現象)を利用して成形を行う材料であるところ、そのような材料に硬化剤を配合したら、加熱した際に固化してしまうので流動性にならず、成形することができなくなってしまう(熱可塑性の成形材料とはいえないものになってしまう)から、熱可塑性の成形材料に硬化剤を添加することはありえない。
そうすると、甲1の段落【0014】に、甲1発明の熱可塑性ポリエステルエラストマーに「配合、ブレンド、もしくはアロイ化」して用いることができる「他の樹脂或いは低分子化合物、無機物等」の具体例として、「エポキシ化合物、イソシアネート化合物」が記載されているとしても、これらの化合物を硬化剤として「配合、ブレンド、もしくはアロイ化」して用いることはありえない(これらの化合物は、硬化剤以外の目的で添加されるものである)と認められる。

ウ また、他に、甲1に、硬化剤を含む熱硬化性接着剤組成物とすることに関する記載や示唆は見当たらないし、甲2〜4にもそのような記載や示唆はない。
そうすると、当業者といえども、甲1発明において、「硬化剤」を含有する「熱硬化性接着剤組成物」に変更することを容易になし得たとは認められない。

(4) 効果について
本件発明1は、「硬化剤を含有する熱硬化性接着剤組成物」であるという、相違点1に係る構成を備えることとあいまって、「溶剤溶解性、耐熱性、接着強度に優れ、かつ誘電特性に優れ、高周波領域のFPC用接着剤、接着シート、積層体およびプリント配線板に好適である。」(本件特許明細書の段落【0015】)という効果を奏するものである。

(5) 申立人の主張について
ア 申立人は、甲1の【0014】の「この様にして得られた樹脂には他の樹脂或いは低分子化合物、無機物等を配合、ブレンド、もしくはアロイ化して用いてもよい。例えばエポキシ化合物、イソシアネート化合物、顔料、補強剤、添加剤、安定剤等が挙げられる。」や【0021】の「本発明の熱可塑性エラストマーはホットメルト接着材としても用いることができる」という記載等を指摘して、甲1には、以下の発明が記載されていると主張する(特許異議申立書の特に11頁1〜11行)とともに、当該発明の「エポキシ化合物、イソシアネート化合物」は、本件発明1の「硬化剤」に相当すると主張する(特許異議申立書の28頁13〜21行、令和5年2月22日提出の意見書の2頁20行〜3頁10行)。
<申立人が主張する発明>
「A’:共重合ポリエステルとエポキシ化合物、イソシアネート化合物を含有する接着材であって、
B’:前記共重合ポリエステルは、酸成分として芳香族ジカルボン酸と、グリコール成分を構造単位として有し、
C’:酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸を80モル%含有し、
D’:グリコール成分として、ダイマージオールを含有する、接着材。
G’:前記接着材から成形されるシート。」

イ しかしながら、仮に甲1に申立人が主張する発明が記載されているといえるとしても、上記(3)イで述べたとおり、「エポキシ化合物」、及び、「イソシアネート化合物」が、硬化剤として添加されているということはありえないから、申立人が主張する発明は、「硬化剤を含有」していない点で本件発明1と相違しているし、「接着材」が「熱硬化性接着剤組成物」に特定されていない点でも(すなわち、上記相違点1で)相違している。
また、相違点1については、上記(3)で検討したとおりである。

ウ 申立人は、令和5年2月22日提出の意見書において、「甲1発明は、「ゴム弾性」を必要とする用途に用いることに特定されるものではない。・・・硬化して元の「エラストマー」の状態には戻らないとしても、何ら甲1発明の技術思想が破壊されるものではない。・・・甲第1号証における「エポキシ化合物」、「イソシアネート化合物」は、「硬化剤」として記載されているものと理解するのが通常である。・・・訂正発明1の「熱硬化性」は、実質的な差異とはならない。」と主張するが、上記(3)イのとおり、甲1発明は、熱可塑性の成形材料に関するものであって、硬化剤を添加して、もはや熱可塑性の成形材料とはいえないもの(熱硬化性接着剤組成物)に変更することについては想定されていないというべきであり、申立人の主張は、要するに本件発明1を見た後にいう後知恵にすぎない。

エ したがって、申立人の主張は、いずれも採用できない。

(6) 本件発明1についてのまとめ
したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲1〜4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められない。

(7) 本件発明2〜6について
本件発明2〜6は、いずれも、本件発明1を直接または間接的に引用し、さらに限定した発明であるところ、上記(6)のとおり、本件発明1は、甲1発明及び甲1〜4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められないものである。
そうすると、さらに検討するまでもなく、本件発明2〜6も、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲1〜4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められない。


3 取消理由通知で採用しなかった申立理由について
取消理由通知に記載しなかった申立理由は、申立理由1、及び、申立理由2のうち、甲5を主たる刊行物等として引用するものである。

申立理由1について
上記2(2)のとおり、本件発明1と甲1発明を対比すると、相違点1がある。そうすると、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとは認められない。
また、本件発明2〜4は、いずれも、本件発明1を直接または間接的に引用し、さらに限定した発明であるところ、上記のとおり、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとは認められないものである。
そうすると、さらに検討するまでもなく、本件発明2〜4も、本件発明1と同様の理由により、甲1に記載された発明であるとは認められない。

(2) 申立理由2のうち、甲5を主たる刊行物等として引用するものについて
ア 甲5に記載された発明
甲5には、上記1(5)のとおりの事項が記載されており、その実施例9及び実施例9に関連する記載に着目すると、以下の事項が記載されている。
「 [実施例4〜10]、[比較例5]
表22に示した組成で、合成例1で得られたアクリル系樹脂の代わりに、合成例4〜10、比較合成例3で得られたポリエステル系樹脂、を用いた以外は、実施例1と同様にして、両面保護フィルム付きの接着シートを作成した。」(【0163】)、
「(実施例1)
合成例1で得られた極性官能基のトータル官能基量が0.01mmol/g以上、9.0mmol/g以下の樹脂(A)の固形分100gに対して、有機金属化合物(B)として、Alキレート化合物「AlキレートA」(川研ファインケミカル株式会社製)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対して有機金属化合物(B)中の金属が0.3モルとなる量添加し、エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031S(三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対してエポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基が2モルとなる量添加し、シクロヘキサノン溶剤で固形分濃度が25%になるように溶解して熱硬化性組成物を調整した。」(【0158】)

また、【表22】を見ると、実施例9は、合成例9で得られたポリエステル系樹脂を用いるものであり、当該合成例9で得られたポリエステル系樹脂は、「合成例4と同様の方法で、表2の組成に従って合成を行い、ポリエステル系樹脂を得た。」(【0114】)というものである。
また、合成例4で得られたポリエステル系樹脂は、「撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、セバシン酸57.6g、トリメシン酸3.2g、シクロへキサンジメタノール27.5g、1.6−ヘキサンジオール9.7g、テトラブチルチタネート0.012gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、温度が安定したのを確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下し、ポリエステル樹脂を得た。質量平均分子量は3.2万、酸価は39.8mgKOH/gであった。」(【0112】)というものである。

そうすると、甲5には、【表2】、【表22】の記載も勘案すると、実施例9の熱硬化性組成物として、以下の発明が記載されていると認められる。

<甲5発明>
「撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、導入管、温度計を備えた4口フラスコに、プリポール1009を168.3g、トリメシン酸1.9g、プリポール2033を146.4g、1.6−ヘキサンジオール1.7g、テトラブチルチタネート0.012gを仕込み、発熱の温度が一定になるまで撹拌した。温度が安定したら110℃まで昇温し、温度が安定したのを確認してから、30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分ごとに10℃ずつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が230℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、約2KPaの真空下で、1時間保持した。その後、温度を低下して得た、質量平均分子量は66.9万、酸価は6.6mgKOH/gであり、トータル官能基量が1.9mmol/gである、合成例9のポリエステル樹脂(A)の固形分100gに対して、有機金属化合物(B)として、Alキレート化合物「AlキレートA」(川研ファインケミカル株式会社製)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対して有機金属化合物(B)中の金属が0.3モルとなる量添加し、エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031S(三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物)を、前記樹脂(A)中の反応性官能基1モルに対してエポキシ基含有化合物(C)中のエポキシ基が2モルとなる量添加し、シクロヘキサノン溶剤で固形分濃度が25%になるように溶解して得た熱硬化性組成物」

イ 本件発明1について
(ア) 本件発明1と甲5発明の対比
甲5発明の「合成例9のポリエステル樹脂(A)」、「エポキシ基含有化合物(C)として、jER1031S(三菱化学(株)製、4官能テトラキスフェノール型エポキシ化合物)」は、それぞれ、本件発明1の「ポリエステル」、「硬化剤」に相当する。
甲5発明の「プリポール2033」は、「クローダジャパン(株)製、C36ダイマージオール(OH価:207mgKOH/g)」(【0157】)であるから、甲5発明は、本件発明1の「多価アルコール成分として、ダイマージオール成分を含有する」を充足する。
甲5発明の「合成例9のポリエステル樹脂(A)」は、本件発明1の「多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を構造単位として有し」を充足する。

<一致点>
「ポリエステルおよび硬化剤を含有する組成物であって、前記ポリエステルは、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を構造単位として有し、多価アルコール成分として、ダイマージオール成分を含有する、組成物。」

<相違点2>
本件発明1の「ポリエステル」は、「多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有」するものに特定されているのに対し、甲5発明は、そのような特定を備えていない点

<相違点3>
本件発明1の「組成物」は、「接着剤」と特定されているのに対し、甲5発明の「組成物」は、「熱硬化性」と特定されている点

(イ) 相違点の検討
a 相違点2について検討する。
甲5発明は、甲5の実施例9の記載に基づいて認定した発明であるところ、甲5には、「本発明は、硬化時の寸法安定性に優れ、硬化後の接着性、耐熱性(特に加湿後)、屈曲性、電気絶縁性、低誘電率および低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。硬化時の寸法安定性と硬化後の耐熱性(特に加湿後)、接着性と低誘電正接は両立が難しい。そこで、本発明は、特にこれらを両立できる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。」(【0028】)と記載されている。

b また、実施例において、「(1)寸法安定性」、「(2)接着性」、「(3)耐熱性」、「(4)屈曲性」、「(5)電気絶縁性」、「(6)誘電率」、「(7)誘電正接」の評価がなされ、そのいずれについてもEとなるものがないのに対し、比較例では、そのいずれかがEとなっていることから、「硬化時の寸法安定性と硬化後の耐熱性(特に加湿後)、接着性と低誘電正接は両立」とは、具体的には、「(1)寸法安定性」、「(2)接着性」、「(3)耐熱性」、「(4)屈曲性」、「(5)電気絶縁性」、「(6)誘電率」、「(7)誘電正接」の評価のいずれについても「E」がないことであるが、いずれの評価項目においても、好ましくは「D」もないことであり、より好ましくは「C」もないことであり、さらに好ましくは「B」もないことであり、最も好ましいのは全ての評価項目において「A」であると理解できる。

c また、甲5発明を認定した根拠である実施例9の「誘電率」の評価は、「A」であり、「誘電正接」の評価も「A」であるのに対し、「接着性」の評価は「D」である。

d そうすると、当業者は、「誘電率」や「誘電正接」よりも「接着性」の評価を向上しようと動機付けられて、実施例9と同じく【表22】に記載されている実施例4や実施例10において、「接着性」の評価が「B」であることに基づき、甲5発明において、「合成例9のポリエステル樹脂(A)」に代えて、「合成例4のポリエステル樹脂(A)」あるいは「合成例10のポリエステル樹脂(A)」を用いることを着想し得るとはいえる。
しかしながら、これらは、いずれも、「多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有」するものに該当しない(【表2】を参照。)。
また、甲5には、他に、甲5発明の「合成例9のポリエステル樹脂(A)」を「多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有」するもの変更することを動機付けるような記載や示唆もない。

e 申立人は、甲3発明(甲5発明の誤記であると認めた)の目的は、低誘電率及び低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートの提供であり、ポリエステルにナフチル基を含有させることにより、比誘電率や誘電正接が低下することが周知技術であるから、これを甲5発明に適用することは容易に想到し得ると主張する(異議申立書の特に33頁9〜末行)。
しかし、上記aのとおり、甲5には、「本発明は、硬化時の寸法安定性に優れ、硬化後の接着性、耐熱性(特に加湿後)、屈曲性、電気絶縁性、低誘電率および低誘電正接に優れる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。硬化時の寸法安定性と硬化後の耐熱性(特に加湿後)、接着性と低誘電正接は両立が難しい。そこで、本発明は、特にこれらを両立できる熱硬化性接着シートを提供することを目的とする。」と明確に記載されているのであるから、仮に、ポリエステルにナフチル基を含有させることにより、比誘電率や誘電正接が低下することが周知技術であるとしても、単に、比誘電率や誘電正接が低下することを期待できるだけであって、その際、硬化時の寸法安定性や、硬化後の接着性等がどうなるかが不明な技術を適用しようと動機づけられることはない。
したがって、申立人の主張は採用できない。

(ウ) 効果について
本件発明1は、「溶剤溶解性、耐熱性、接着強度に優れ、かつ誘電特性に優れ、高周波領域のFPC用接着剤、接着シート、積層体およびプリント配線板に好適である。」(【0015】)という効果を奏するものである。

(エ) 本件発明1についての小括
以上のとおりであるから、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1を取消理由2によって取り消すべきものとすることはできない。

ウ 本件発明2〜6について
本件発明2〜6は、いずれも、本件発明1を直接または間接的に引用し、さらに限定した発明であるところ、上記イのとおり、本件発明1は、甲5発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められないものである。
そうすると、さらに検討するまでもなく、本件発明2〜6も、本件発明1と同様の理由により、甲5発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められない。


第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1〜6の特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1〜6の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルおよび硬化剤を含有する熱硬化性接着剤組成物であって、前記ポリエステルは、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を構造単位として有し、多価カルボン酸成分を100モル%としたときに、ナフタレンジカルボン酸成分を50モル%以上含有し、多価アルコール成分として、ダイマージオール成分を含有する、熱硬化性接着剤組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルのガラス転移温度が−30℃以上である請求項1に記載の熱硬化性接着剤組成物。
【請求項3】
10GHzにおける比誘電率(εc)が3.0以下、誘電正接(tanδ)が0.008以下である請求項1または2に記載の熱硬化性接着剤組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性接着剤組成物により形成される層を有する接着シート。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性接着剤組成物により形成される層を有する積層体。
【請求項6】
請求項5に記載の積層体を構成要素として含むプリント配線板。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2023-03-22 
出願番号 P2021-538821
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C09J)
P 1 651・ 121- YAA (C09J)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 門前 浩一
特許庁審判官 亀ヶ谷 明久
蔵野 雅昭
登録日 2021-11-22 
登録番号 6981581
権利者 東洋紡株式会社
発明の名称 接着剤組成物、ならびに接着シート、積層体およびプリント配線板  
代理人 風早 信昭  
代理人 風早 信昭  
代理人 浅野 典子  
代理人 浅野 典子  

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