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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1399849
総通号数 20 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-13 
確定日 2023-07-25 
事件の表示 特願2021− 19636「情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年12月13日出願公開、特開2021−190092、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和2年6月3日になされた特許出願(特願2020−96691号)の一部を同3年2月10日に新たな特許出願としたものであって、同年4月20日付けで拒絶理由が通知され、同年6月24日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、同年7月9日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年10月13日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、さらに、同年11月25日に手続補正(拒絶査定不服審判の請求がされると同時にされた手続補正に対するもの。)がされた。
その後、当審において、令和5年3月2日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)を通知し、同年5月1日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願請求項1−8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明8」という。)は、令和5年5月1日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
情報処理装置が、
スタンプラリーを構成するための複数の選択肢を、当該スタンプラリーに参加するユーザが利用する情報処理端末に提示させる処理と、
前記複数の選択肢のうち、前記ユーザが前記スタンプラリーを開始する以前に前記ユーザによって2つ以上の選択肢を前記スタンプラリーの選択肢に含めると決定され、当該決定された2つ以上の選択肢を含むユーザ用のスタンプシートを作成し、前記スタンプシートを前記ユーザが利用する情報処理端末に出力する処理と、を実行する、
情報処理方法。」

なお、本願発明2−8の概要は以下のとおりである。
本願発明2−6は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明7及び本願発明8は、それぞれ本願発明1の方法発明に対応する装置発明及びプログラム発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1−8に係る発明は、引用文献1及び引用文献2記載の発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1 特開2004−185234号公報
引用文献2 特開2007−293534号公報

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)当審拒絶理由における引用文献1(特開2004−185234号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審において付した。)

「【0002】
【従来の技術】
従来より、観光協会や商店街等による集客目的のイベントとして、スタンプラリーがあり、各種のスタンプラリーが頻繁に行われている。このスタンプラリーとは、複数の中間地点にそれぞれ固有のスタンプを準備しておき、これらの中間地点を巡って、それぞれのスタンプを用紙等に印すというものである。参加者は、すべての中間地点に立ち寄って、すべてのスタンプを集めることにより主催者から景品等が与えられる。
【0003】
このスタンプラリーは、各中間地点で、スタンプだけでなく、他の道具やスタンプを押すためのスペースや用紙が必要となり、スタンプラリーの実施には、充分な準備が必要であり、手間がかかっていた。
【0004】
このような問題は、オリエンテーリングにも共通して生ずる問題でもあり、従来のオリエンテーリングにおいては、各中間地点(以下、チェックポイントとする。)に監視員を配置する等の手間を要していた。
【0005】
そこで、以上のような問題を解決するべく、インターネット等のネットワーク上に送受信可能な移動体端末を用いたオリエンテーリング(スタンプラリー)の実施方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
この移動体端末を用いたオリエンテーリングの実施方法は、予め設定されたシナリオ(コース)上の複数のチェックポイントに利用者が到達したか否かを判定するための構成として、GPS(Global Positioning System)等の位置検出手段により前記利用者が用いる移動体端末の位置を特定する構成を採用している。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−132610号公報(段落〔0029〕−〔0033〕、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような位置検出手段及び移動体通信端末を用いたオリエンテーリングにおいては、出発地(基点)、チェックポイント及び終点が予め設定されており、開催される地域の規模も限定されるため、利用者の参加機会が制限されていた。
【0009】
また、インターネット等の通信回線を介して移動体端末を用いているのにも関わらず、チェックポイントは単なる有体物であればよく、コースの設定は主催者の独断で行われているため、利用者の参加意欲を低下させていた。
【0010】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、2つ以上の目的地を要する利用者に対して連続的かつ効率的にそれらの目的地に関する情報を提供することができ、目的地を含む地域の活性化に役立てることができる目的地情報提供サーバ、それを用いた目的地情報提供システム、目的地情報提供方法及び目的地情報提供プログラム並びに目的地情報提供プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。」

「【0137】
図7〜図12は、本発明に係る目的地情報提供方法を行った場合の利用者端末Aの表示画面に表示される内容を示す図である。以下、前述した本発明に係る目的地情報提供方法におけるシーケンス図(図2〜図4)と併せて説明する。尚、本実施形態における表示内容には、利用者に対して「オリエンテーリング」、「コース」及び「チェックポイント」といった語を使用するが、これらは実施時に便宜上そのように呼称するものであって、本願における「目的地情報の提供」及び「目的地」を限定するものではない。
【0138】
図7に示すように、インターネット等のネットワークを介してサーバ1を運用する主催者のホームページにアクセスした利用者端末Aの表示画面には、トップページ100が表示される(図2−S2)。このトップページ100には、本願発明に係る目的地情報の提供の説明を表示する「ルール」ボタン101と本願発明に係る目的地情報の提供を利用者が受け得る「参加申込」ボタン102とが表示されている。
【0139】
前記「参加申込」ボタン102を利用者端末Aの入力手段によって選択する(図2−S3)と、図7(b)に示すように、利用者の登録を行う「ユーザ登録」ボタン111と、目的地情報の提供を要求する「プレイ開始」ボタン112とが表示された参加申込画面110が利用者端末Aの表示画面に表示される(図2−S4)。この画面で、利用者が「ユーザ登録」ボタンを選択する(図2−S5)と、図7(c)に示すユーザ登録画面120が表示される(図2−S6−S7)。このユーザ登録画面120には、「氏名」項目121、「住所」項目122、「電話番号」項目123、「性別」コンボボックス124、「生年月日」項目125及び「送信」ボタン126が表示される。これらの表示それぞれについて利用者が利用者端末Aの入力手段を用いて入力し、前記送信ボタン126を選択する(図2−S8)ことによって、その入力内容に係る情報は利用者情報の一部(利用者登録情報)としてサーバ1に送信される。そしてこの利用者登録情報は、データベース2内の利用者情報に蓄積される(図2−S9)。
【0140】
その後、利用者登録後にプレイを開始するか否かを問う画面が表示され(図2−S10)、プレイを開始する場合(図2−S11−Yes)には以下に説明する「プレイ開始」ボタン112を選択した場合と同様のプロセスが行われ、プレイを開始しない場合(図2−S11−No)には、図8(c)に示すような終了画面140が利用者端末Aの表示画面に表示される。この終了画面140には、「ポイント間の所要時間」項目141、「本日の得点」項目142、「本日のボーナス」項目143及び「現在の得点合計」項目144といった前記データベース2に蓄積される利用者情報及び利用者履歴情報が表示される。
【0141】
ここで、前記「ボーナス」や「得点」は、利用者が提供された目的地に到達した場合に利用者に対して与えられるインセンティヴであり、目的地の態様(例えば店舗等)にあわせて適宜用途が設定される。
【0142】
一方、図7(b)に示す参加申込画面110の「プレイ開始」ボタン112を利用者が選択した場合(図2―S6−プレイ開始)には、図8(a)に示すコースプランニング画面130が表示される(図3−S13)。このコースプランニング画面130には、「現在の天気」コンボボックス131、目的地を設定する「カテゴリ」コンボボックス132、「コースの決め方」コンボボックス133、ゴール(終点)の条件として以下「ゴール」コンボボックス134、「目標地域」コンボボックス135、「終了日時」コンボボックス136、「クリア数」コンボボックス137及び「送信」ボタン138が表示される。
【0143】
この「コースプランニング」画面130の各コンボボックスを利用者が入力手段を用いて選択し、「送信」ボタン138を選択することにより、目的地設定のための条件に係る情報がサーバ1に送信され(図3−S14)、図9(a)に示すような利用者に提供する目的地を示す「チェックポイント情報」画面150が表示される(図3−S16)。この「チェックポイント情報」画面150には、目的地の名称を示す項目151、その目的地に到達するヒントを示す項目152及び利用者が目的地に到達した場合にサーバ1にその旨を送信する契機となる項目153が表示され、この項目153は、主に利用者が真に目的地に到達したか否かを判断する画面を表示するURL等が表示される。
【0144】
ここで、利用者に予め目的地の目処がついている場合には、前記「コースの決め方」コンボボックス133において、「自分で決める」を選択する。これを選択することにより、図8(b)に示すような「コース選択」画面190が利用者端末Aの表示画面に表示される。この「コース選択」画面190には、利用者の現在地に基づいて候補となりうる施設等を列挙し、選択可能とした項目191と、係る項目191に挙げられた施設等を目的地として利用者が決定する場合に選択する「送信」ボタン192とからなる。
【0145】
利用者が利用者端末Aの入力手段を用いて前記項目191から目的地を選択し、「送信」ボタン192を選択する(図4−S33−Yes)と、その選択された内容に係る情報がサーバ1に送信され、その情報に基づきサーバ1内の目的地設定手段13が目的地を設定し、前記「チェックポイント情報」画面150に当該目的地に関する情報を表示する。
【0146】
利用者が目的地に到達すると、前記チェックポイント情報画面150に表示された項目153を利用者が利用者端末Aの入力手段を用いて選択する(図3−S17)と、図9(b)に示す判定画面である「キーワード入力」画面160が表示される。この「キーワード入力」画面160には、目的地を特定できる問題(目的地情報における「出題方法」情報)を示す項目161と、その答えを利用者が利用者端末Aの入力手段を用いて入力する項目162と、「送信」ボタン163とが表示され、利用者が前記項目162を入力し、「送信」ボタン163を選択することによって、その情報がサーバ1に送信される。送信された情報は、前記判定手段14によって図6(a)に示す利用者履歴情報における目的地情報の内容と照合、判定され(図3−S18)る。
【0147】
尚、利用者が提供された目的地に到達したか否かを判定する方法については、このようなキーワード入力の他にGPS等を用いて自動的に判定する手段を用いた画面を用意してもよい。
【0148】
その送信された情報が正解であり、利用者が真に目的地に到達したと見なされた場合には、図10(a)に示す正解画面170を表示する。この正解画面170には、ポイント等インセンティヴを表示する項目171が表示され、第2の目的地以降を提供する過程においては、プレイを続行するか否かを問う「続ける」ボタン172及び「やめる」ボタン173も同画面に表示される(図3−S23)。
【0149】
ここで、「続ける」ボタン172を利用者が選択した場合(図3−S25−S26)には、再び前述の目的地設定画面130又はサーバ1が前回と同じ条件で検索して設定した目的地情報を示す「チェックポイント情報」画面150を示してプレイを続行する(図3−S27−継続)。
【0150】
また、前記正解画面170の「やめる」ボタン173を選択した場合には、前述の図8(c)に示すような終了画面140が利用者端末Aの表示画面に表示される。この終了画面140には、「ポイント間の所要時間」項目141、「本日の得点」項目142、「本日のボーナス」項目143及び「本日の得点合計」項目144といった前記データベース2に蓄積される利用者情報及び利用者履歴情報が表示されて終了する。
【0151】
さらに、図9(b)に示す判定画面である「キーワード入力」画面160の項目162に入力した情報が誤りであると判定手段14が判定した場合(図3−S18−No)、図10(b)に示すような不正解を表す画面180を利用者端末Aの表示画面に表示する。この画面180には、不正解である旨を示す項目181と、「続ける」ボタン182及び「やめる」ボタン183とが表示される。利用者が「続ける」ボタン182を選択した場合には、再び目的地情報を利用者端末Aに送信するなどして項目162が正解と判定されるまで判定を繰り返す。また、利用者が「やめる」ボタン182を選択した場合には、前述の図8(c)に示すような終了画面140が利用者端末Aの表示画面に表示される。この終了画面140には、「ポイント間の所要時間」項目141、「本日の得点」項目142、「本日のボーナス」項目143及び「本日の得点合計」項目144といった前記データベース2に蓄積される利用者情報及び利用者履歴情報が表示されて終了する。」

(2)上記(1)の記載のうち、段落【0149】の「目的地設定画面130」とは、段落【0142】の「コースプランニング画面130」であることが明らかである。

してみると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
インターネット等のネットワークを介してサーバにアクセスした利用者端末の表示画面として、
「参加申込」ボタンが表示されるトップページ、
「参加申込」ボタンの選択により表示されて「プレイ開始」ボタンが表示される参加申込画面、
「プレイ開始」ボタンの選択により表示されて目的地を設定する「カテゴリ」コンボボックスや「コースの決め方」コンボボックス、「目標地域」コンボボックス、「送信」ボタン等が表示されるコースプランニング画面、
「コースの決め方」コンボボックスにおいて「自分で決める」の選択により表示されて利用者の現在地に基づいて候補となりうる施設等を列挙し、選択可能とした項目等を表示する「コース選択」画面、
該項目から選択される内容に係る情報に基づき設定される目的地に関する情報を表示する「チェックポイント情報」画面、
該「チェックポイント情報」画面に表示された項目の選択により表示される判定画面であり目的地を特定できる問題の答えを利用者が入力する項目を表示する「キーワード入力」画面、該項目に入力された情報を目的地情報の内容と照合して判定した結果、正解である場合に表示されプレイを続行するか否かを問う「続ける」ボタンを表示する正解画面等を、表示し、
「続ける」ボタンを利用者が選択した場合には、再びコースプランニング画面(目的地設定画面)又は前回と同じ条件で検索して設定した目的値情報を示す「チェックポイント情報」画面を表示する、
サーバで実行される情報処理方法。

2 引用文献2について
当審拒絶理由における引用文献2(特開2007−293534号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0005】
しかし,上述した従来のスタンプラリーでは,チェックポイントとなる場所に,予めスタンプ等の設置をしたり,合言葉を掲示しなければならず,スタンプラリーを実施するには大掛かりな準備が必要であった。このため,容易にスタンプラリーを構築することは困難であった。
【0006】
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,容易に構成することができ,かつ巡回情報を柔軟に生成・変更することの可能な,新規かつ改良された巡回認証システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,ユーザが所定の場所に設置された1または2以上のチェックポイントを巡回するための巡回情報を提供し,ユーザがチェックポイントを巡回したことを認証する巡回認証システムが提供される。巡回認証システムは,巡回情報を提供する巡回認証サーバと,巡回認証サーバから巡回情報を受信する少なくとも1つの利用者端末とを含んでなる。巡回認証サーバは,チェックポイントを示すチェックポイント情報を,各チェックポイントに付与されたチェックポイントIDと関連付けて記憶するチェックポイント情報記憶部と,チェックポイント情報記憶部に記憶されたチェックポイント情報を選択し,巡回情報を利用者端末ごとに生成する巡回情報生成部と,生成された巡回情報を利用者端末へ送信する巡回情報送信部とを備える。また,利用者端末は,巡回認証サーバから巡回情報を受信する巡回情報受信部を備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば,巡回認証サーバから利用者端末に提供される巡回情報は,利用者端末ごとに,チェックポイント情報記憶部に記憶されたチェックポイント情報を選択して生成される。これにより,巡回情報をユーザに応じて柔軟に作成したり,変更したりすることが可能となる。」

「【0033】
巡回情報生成部220は,チェックポイントデータベース270に記憶されたチェックポイントから,1または2以上のチェックポイントを選択し,ユーザが巡回すべきチェックポイントを示す巡回情報を生成する機能部である。巡回情報は,本実施形態において,スタンプラリーのスタンプカードに相当する情報である。巡回すべきチェックポイントの選択は,任意の数だけ,ランダムあるいはスタンプラリー主催者によって行うことができる。また,巡回情報生成部220は,生成された巡回情報を巡回情報データベース260に記憶する。」

「【0037】
巡回情報データベース260は,巡回情報生成部220にて作成された巡回情報を,スタンプラリーに参加するユーザのユーザIDと関連付けて記憶する記憶部であり,例えばRAMやハードディスク等のメモリを含んで構成される。巡回情報データベース260は,例えば,図3に示すように,ユーザID261,各チェックポイントに付与された,特定の場所を表すユニークなチェックポイントID262,各チェックポイントを巡回したか否かを示す巡回状況263等の巡回情報を記憶している。」

「【0048】
さらに,巡回認証サーバ200は,チェックポイントデータベース270に記憶されたチェックポイント情報から,ユーザを巡回させるチェックポイントを選択して巡回情報を生成し,利用者端末300に送信する(S105)。上述したように,巡回情報は,例えばチェックポイントデータベース270に記憶されたチェックポイント情報をランダムに,所定の数だけ選択することにより生成することができる。あるいは,スタンプラリー主催者に,ユーザを巡回させたいチェックポイントを任意の数だけ選択させるようにしてもよい。このように,チェックポイント情報を組み合わせることにより,巡回認証を生成することができる。
【0049】
例えば,チェックポイントデータベース270の中から,第1チェックポイントに展望台,第2チェックポイントにライオン舎,第3チェックポイントに鳥類舎を選択したとする。このとき,スタンプラリーのスタンプカードに相当する巡回情報は,第1〜第3の3つのチェックポイントを巡回することを示す情報となる。そして,生成された巡回情報は,巡回情報データベース260にユーザIDと関連付けて記憶されるとともに,利用者端末300へ送信される。
【0050】
その後,巡回情報を受信した利用者端末300は,例えば利用者端末300の表示部331に巡回情報を表示する(S107)。巡回情報は,例えば図6(a)に示すように表示部331に表示され,3つのチェックポイントを巡回することがユーザに提示される。このとき,表示部331に,例えば各チェックポイントの映像を表示させてもよい。」

「【0059】
ステップS119において,チェックポイント情報に到達したと認証された場合,巡回認証サーバ200は,チェックポイントに到達したとの内容を巡回情報データベース260に反映する(S121)。すなわち,図3に示す巡回情報データベース260の巡回状況263を,認証されたチェックポイントについては「未」から「済」に更新する処理を行う。これにより,巡回情報は,スタンプが押されたスタンプカードに相当する状態となる。」

「【0061】
以上,第1の実施形態にかかる巡回認証システムの構成と,これを用いた巡回認証処理について説明した。かかる構成により,予めチェックポイントを設置せずとも,常時設置されたカメラやマイク等の情報収集装置からチェックポイント情報を取得して,スタンプラリーシステムを構築し,実施することができる。また,従来のスタンプラリーでは,チェックポイントの変更・増減や,ユーザによってチェックポイントを変更させることは困難であるが,本実施形態によれば,これらを自由に設定することが可能である。さらに,従来のスタンプラリーでは,チェックポイントに関する情報はスタンプカードに文字で明示されているだけであり,チェックポイントを探す楽しみが薄い。しかし,第1の実施形態によれば,映像や音声をヒントにして場所を探すという楽しみを付加することができる。」

図6(a)


(2)ア 以上の記載からみて、上記引用文献2には、ランダム又はスタンプラリーの主催者において任意の数だけ選択されたチェックポイントを巡回するための巡回情報を利用者端末に送信して図6(a)に示すようにスタンプラリーのチェックポイントとして表示する技術事項が記載されており、当該技術事項を踏まえると「スタンプラリーのチェックポイントを利用者端末に表示する表示情報としてスタンプシートを用いること」は、周知技術であるといえる。

3 後記「第6」の「1 原査定の理由」の引用文献について
(1)引用文献A(特開2007−293534号公報:上記2の引用文献2と同じ。)
引用文献Aに記載されている事項については、上記2のとおり。

(2)引用文献B(特開2017−219881号公報)
引用文献Bには、次の事項が記載されている。

「【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一般のユーザは主催者が決めた訪問先を訪問するという限られた形態でしかスタンプラリーに関与することができない。ユーザの中には、自身のお勧めの飲食店、観光名所などの独自のスタンプラリーを作成して、積極的に公開をしたいという要望を持つユーザがいる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、このようなユーザの希望に応えることはできない。」

「【0033】
<登録処理のフローチャート>
図7は、スタンプラリーを登録する処理の一例を示すフローチャートである。以下、ユーザ端末とスタンプラリー支援装置との間の処理を並行して説明する。ここでは、図5に示す画面がユーザ端末に表示されているものとして以降の処理を説明する。
【0034】
ステップS701において、ユーザ端末100は、ユーザによって図5のボタン502が選択されると、スタンプラリーの起案要求をスタンプラリー支援装置に送信する。この要求を受信部202で受信すると、ステップS751においてスタンプラリー支援装置150の表示用データ提供部205は、表示用データを送信部201を介してユーザ端末100に送信する。
【0035】
ステップS702においてユーザ端末は、図6に示すような登録用の画面を表示する。その後、ユーザによって各種の項目が入力される。ユーザが各種の項目の入力を終了して登録ボタン605がユーザによって選択されると、ステップS704に進む。ステップS704においてユーザ端末100は、入力された各種の情報を含む策定データをスタンプラリー支援装置150に送信する。
【0036】
ステップS752において、スタンプラリー支援装置150の策定データ登録部203は、受信した策定データを、ログインしているユーザが作成した策定データとして、必要に応じて適宜修正して登録する。適宜修正するとは、例えばユーザAとユーザBとで同じラリーポイントに対して違う名称や場所を入力する場合があり、これらを同一のラリーポイントとして管理するためにラリーポイントIDを同一のものに修正するような処理が挙げられる。つまり、ラリーポイントとして「ラーメンショップCCC」と店舗名を入力するユーザもいれば、「CCCラーメン」と店舗名を入力するユーザもいる。単に名称だけでは、これらは別々のラリーポイントとして認識されてしまうことになるが、例えば場所の情報やその他の情報から同じラリーポイントを示していると判定できる場合には、ラリーポイントIDとしては共通の番号を付与するように処理をする。このように処理することで、後述する実施形態2で説明するようなラリーポイントを紹介するガイドページや評価点の算出などにおいて、別々のラリーポイントとして分散してしまうことを防止することができる。このようにして登録された策定データが図3で示したような策定データとなる。
【0037】
本実施形態では、簡易な方法で自由にユーザは策定データを登録することが可能であるので、独自のスタンプラリーを自由に作成して登録することができる。」

「【0057】
このように、本実施形態によれば、ユーザは、独自に自由にスタンプラリーを起案して策定することができる。また、このようにして策定されたスタンプラリーは、広く公開することができるので、興味を持ったユーザは気軽にスタンプラリーに参加することができる。また、スタンプラリーに参加する側のユーザは、訪問先において自由なスタンプを付加することができるので、ラリーを完遂したスタンプ成果物は個々のユーザ毎に異なるものとなる。つまり、ラリー完遂時の成果物が、カスタマイズされた記念アルバムのような体裁となるので、参加者の完遂率やリピート率の向上が期待できる。」

以上の記載によれば、引用文献Bには、独自のスタンプラリーを作成して積極的に公開をしたいという要望を持つユーザが、独自に自由にスタンプラリーを起案して策定し、このようにして策定されたスタンプラリーを広く公開することを可能とする技術が記載されている。

(3)引用文献C(特開2016−143192号公報)
引用文献Cの段落【0072】〜【0082】、図3(摘記省略)には、旅行プランを作成する際の画面において、複数の施設情報をカテゴリ別に利用者に提示することが記載されている。

(4)引用文献D(特開2011−053956号公報)
引用文献Dの段落【0014】、【0033】〜【0048】、【0053】、【0054】(摘記省略)には、スタンプラリーユーザの属性及び電子タグの読取り履歴によって、ユーザの趣味・嗜好に沿ったスタンプラリーのルートを動的に設定すること、登録されたユーザの属性に合致したスタンプラリーのルートを計算し、複数ある場合にはユーザに選択させて、いずれかのルートを決定し、決定したルートを登録すること、ルート設定にあたって、同一カテゴリを選択した他のユーザが過去に読み取った電子タグ情報の統計情報からもルート設定することが可能であること、等が記載されている。

第5 当審拒絶理由についての判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 引用発明の「サーバ」、「利用者端末」は、それぞれ、本願発明1の「情報処理装置」、「ユーザが利用する情報処理端末」に相当する。
イ 引用発明の「コース選択画面」の「利用者の現在地に基づいて候補となりうる施設等を列挙し、選択可能とした項目」は、本願発明1の「複数の選択肢」に対応しており、本願発明1と引用発明とは、いずれも、情報処理装置が「複数の選択肢を、ユーザが利用する情報処理端末に提示される処理」を実行している。
ウ 本願発明1の「ユーザ用のスタンプシート」と、引用発明の利用者(ユーザ)が選択した目的地に関する情報を表示する「チェックポイント情報」画面は、複数の選択肢のうち、ユーザによって選択肢に含めると決定された選択肢を含む表示情報である点で共通するといえ、このデータがユーザが利用する情報処理端末に出力されて表示されるものである。このことから、本願発明1と引用発明とは、いずれも情報処理装置が「前記複数の選択肢のうち、前記ユーザによって含めると決定された選択肢を含む、当該ユーザ用の表示情報を作成し、この表示情報のデータを前記ユーザが利用する情報処理端末に出力する処理を実行する。」という点で共通している。
エ してみると、本願発明1と引用発明は、次の点で一致する。
<一致点>
情報処理装置が、
複数の選択肢を、ユーザが利用する情報処理端末に提示させる処理と、
前記複数の選択肢のうち、前記ユーザによって含めると決定された選択肢を含む、当該ユーザ用の表示情報を作成し、前記表示情報のデータを前記ユーザが利用する情報処理端末に出力する処理と、を実行する、情報処理方法。

オ そして、次の点で相違する。
<相違点>
本願発明1では、選択肢は「スタンプラリーを構成するための」ものであり、ユーザは「当該スタンプラリーに参加する」ユーザであり、ユーザが利用する情報処理端末に出力するために作成されるもの(データ)は「前記ユーザが前記スタンプラリーを開始する以前に前記ユーザによって2つ以上の選択肢を前記スタンプラリーの選択肢に含めると決定され、当該決定された2つ以上の選択肢を含むユーザ用のスタンプシート(のデータ)」であるのに対し、引用発明では、選択肢及びユーザが「スタンプラリー」についてのものである旨が明示されておらず、データがスタンプラリーを開始する以前にユーザにより決定された2つ以上の選択肢を含むユーザ用のスタンプシートのものでない点。

(2)相違点についての判断
ア スタンプラリーのチェックポイントを利用者端末に提示する表示情報として2つ以上のチェックポイントを示すスタンプシートを用いることは、「第4」の「2」の「(2)」で言及したように引用文献2の記載事項から把握できる周知技術である。
イ 引用発明の「チェックポイント情報」画面は、利用者(ユーザ)が選択した目的地に関する情報を表示するものであって、複数の選択肢のうち、ユーザによって選択肢に含めると決定された選択肢を含む表示情報といえる。
しかしながら、引用発明は、「2つ以上の目的地を要する利用者」に対し「連続的かつ効率的」に「それらの目的地に関する情報を提供」するためのものであり(引用文献1の段落【0010】)、そのために、利用者が入力した目的地を特定できる問題の答えの入力項目を表示する「キーワード入力」画面や該項目に入力された情報が正解であると判定された場合にプレイを続行するか否かを問う「続ける」ボタンを表示する正解画面を表示した上で、「続ける」ボタンを利用者が選択した場合に、再びコースプランニング画面(目的地設定画面)又は前回と同じ条件で検索して設定した目的値情報を示す「チェックポイント情報」画面を表示するものとなっている。
このことを踏まえれば、引用発明において、「2つ以上の目的地を要する利用者」に対して表示される「チェックポイント情報」画面を、スタンプラリーを開始する以前に2つ以上の選択肢を決定したものを含むように変更することは、「2つ以上の目的地を要する利用者」に対して「2つ以上の目的地」についての情報を「連続的」に提供する機会を失わせることから、引用発明において動機づけられるとはいえず、むしろ、このような変更は阻害されるものである。
よって、アの周知技術を前提としても、引用発明において作成されるもの(データ)を本願発明1のように、「前記ユーザが前記スタンプラリーを開始する以前に前記ユーザによって2つ以上の選択肢を前記スタンプラリーの選択肢に含めると決定され、当該決定された2つ以上の選択肢を含むユーザ用のスタンプシート(のデータ)」とするように変更することは、当業者が容易になし得たことではない。
ウ したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2−6について
本願発明2−6も、本願発明1と同様、ユーザが利用する情報処理端末に出力するために作成されるもの(データ)が「前記ユーザが前記スタンプラリーを開始する以前に前記ユーザによって2つ以上の選択肢を前記スタンプラリーの選択肢に含めると決定され、当該決定された2つ以上の選択肢を含むユーザ用のスタンプシート(のデータ)」である旨の発明特定事項を含むから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明7及び本願発明8について
本願発明7及び本願発明8は、それぞれ本願発明1の方法発明に対応する装置発明及びプログラム発明であり、上記2に示した発明特定事項に対応する発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものではない。

4 小括
以上のとおり、本願発明1−8について当審拒絶理由は解消している。

第6 原査定の理由及び原査定についての判断
1 原査定の理由
原査定の理由の概要は、上記「第4」「3」に示した引用文献A−Dを引用し、本願請求項1−8に係る発明は、引用文献A−D記載の発明等に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

2 原査定についての判断
令和5年5月1日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1−8は、いずれも、「前記ユーザが前記スタンプラリーを開始する以前に前記ユーザによって2つ以上の選択肢を前記スタンプラリーの選択肢に含めると決定され、当該決定された2つ以上の選択肢を含むユーザ用のスタンプシート」がユーザが利用する情報処理端末に出力するために作成されたものである旨を示す発明特定事項を有するものである。
引用文献A−Dの記載内容は、上記「第4」の「3」に示したとおりである。
このうち、引用文献Aは、上記「第5」「1」「(2)」で示した引用文献2と同じであり、ランダム又はスタンプラリーの主催者において任意の数だけ選択されたチェックポイントを巡回するための巡回情報を利用者端末に送信してスタンプラリーのチェックポイントとして表示するものであって、ユーザがスタンプラリーの選択肢を決定するものではない。
また、引用文献Bには、独自のスタンプラリーを作成して積極的に公開をしたいという要望を持つユーザが、独自に自由にスタンプラリーを起案して策定し、このようにして策定されたスタンプラリーを広く公開することを可能とする技術が記載されているものの、作成されるスタンプラリーは「公開」されるものであり「ユーザ用の」ものではない。
また、引用文献Cは、スタンプラリーに関するものでない。
また、引用文献Dは、スタンプラリーユーザの属性、同ユーザや他のユーザの電子タグの読取り履歴ルートに基づいてスタンプラリーの選択肢を決定するものであって、ユーザがスタンプラリーの選択肢を決定するものではない。
以上のとおり、引用文献A−Dは、いずれも上記発明特定事項を開示するものでない。
よって、本願発明1−8は、当業者であっても、引用文献A−D記載の発明等に基づいて容易に発明をすることができたものではなく、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2023-07-06 
出願番号 P2021-019636
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 相崎 裕恒
古川 哲也
発明の名称 情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム  
代理人 扇田 尚紀  
代理人 萩原 康司  
代理人 齊藤 隆史  
代理人 金本 哲男  
代理人 三根 卓也  

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