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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H05K
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05K
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H05K
管理番号 1401324
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-09-06 
確定日 2023-09-05 
事件の表示 特願2020−158097「機器」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 1月21日出願公開、特開2021− 7159、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年10月25日に出願した特願2016−208392号の一部を令和2年9月23日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年10月21日 :手続補正書の提出
令和3年11月16日付け:拒絶理由通知書
令和4年 1月24日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 6月 2日付け:拒絶査定
令和4年 9月 6日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和5年 3月31日付け:拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由(1)」という。)
令和5年 6月 5日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 6月26日付け:拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由(2)」という。)
令和5年 7月 4日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和4年6月2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

理由1(新規性) 本願の請求項1−2、4−5に係る発明は、下記の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

理由2(進歩性) 本願の請求項1−5に係る発明は、下記の引用文献Aに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.米国特許出願公開第2007/0091626号明細書

第3 当審拒絶理由の概要
1 当審拒絶理由(1)の概要
本願請求項1−2に係る発明は、引用文献1−3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2010−105530号公報(当審において新たに引用した文献)
2.米国特許出願公開第2007/0091626号明細書(拒絶査定時の引用文献A)
3.特開2013−112314号公報(当審において新たに引用した文献)

2 当審拒絶理由(2)の概要
理由1(サポート要件) 本願の請求項1−2の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本願請求項1−2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明2」という。)は、令和5年7月4日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1−2に記載された事項により特定される発明であって、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
車載機器であって、
車両の取付面に取り付けられる略円筒の形状の筐体と、
前記筐体に設けられたカメラと、
前記筐体から引き出された配線を覆うカバー部材と、
前記筐体に装着されて前記筐体を前記取付面に固定させるための取付部であって、前記円筒の軸を中心に回転することにより前記筐体の姿勢を変更可能に構成されている取付部と、
を有し、
前記カバー部材は、前記車両のルーフヘッドライニングの内側に少なくとも一部が挿入される挿入部を有し、
前記カバー部材は、前記取付面に取り付けられた前記筐体を側面の方向から見た場合に前記取付面に沿って延びている部分を有し、
前記側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であり、
前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている、
車載機器。」

なお、本願発明2は、本願発明1を減縮した発明である。

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1及び引用発明
(1) 引用文献1
当審拒絶理由(1)の理由1、2において引用した引用文献1には、以下の記載がある(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。

ア 【図1】




イ 段落【0029】−【0036】
「【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係るドライブレコーダの好適な一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。まず、本実施形態のドライブレコーダは、円筒形状の本体10を備え、その本体10の軸方向の一方端部側に、取付用ブラケット30を装着した構成を採る。
【0030】
本体10は、前後で2分割(半割)された第1ケース11と第2ケース12とを突き合わせることで構成される。図2から図4等に示すように、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aは、その外形寸法が一回り小さく形成され、その一方端部11a,12aと本体の軸方向の中央部位との間には段差が形成される。この段差を生じた壁面に三角波状(鋸刃状)の歯部17が形成されている。さらに、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの先端側外周面には、雄ねじ18が形成されている。
【0031】
取付用ブラケット30は、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの外径に略一致(若干大きい)する内径を有するリング部31と、リング部31の外周面に起立された連結柱部32と、その連結柱部32の先端に設けられた取付板33と、を備えている。図5に示すように、取付板33は、リング部31の直径方向に対して、所定角度に斜め傾斜状に配置している。
【0032】
また、リング部31の片面(本体10に対向する面)には、その全周に渡って歯部34が形成されている。この歯部34は、本体10に形成した歯部17と符合し合うように、同一寸法形状に設定される。さらに、図6に示すように、リング部31の幅Dは、第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aの平坦部分(雄ねじ18の未形成領域)の幅D1とほぼ同じにしている。もちろん、D1よりも幅広(D1<D)に設定してもよいが、その場合には、雄ねじ18を含めた先端までの幅D2よりは短く設定するようにする(D1<D<D2)。そして、雄ねじ18には、ナット部材40が装着される。ナット部材40は、扁平な円盤状のキャップ形態からなり、その内周面41に雄ねじ18に符合する雌ねじが形成されている。また、ナット部材40の中央部には円形の貫通孔42が形成されている。この貫通孔42から本体の小半円状の凸部11d,12d(小さい円形状の凸部)が外部に露出し、この凸部の露出部分にボリュームダイヤル23、DCジャック15等のユーザの操作対象のものが設けられている。係る構成を採ることで、限られた本体10のスペースに操作対象を設置することができるとともに、操作時にユーザの注意をひきつけられる結果、ナット部材40に緩みがないか確認することを容易にできる。
【0033】
これにより、リング部31を第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに装着すると、リング部31はその中心軸を回転中心として第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに対して相対的に正逆回転させることができる。そして、本体10に設けた歯部17と、リング部31に設けた歯部34とを噛み合わせることで、回転が抑止される。
【0034】
一方、リング部31を上記のように第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに装着した状態では、雄ねじ18は、リング部31よりも外側に突出する。そこで、その突出した雄ねじ18に対してナット部材40を装着する。そして、ナット部材40の雌ねじと、本体10の雄ねじ18とをしっかりと締結することで、ナット部材40と、本体10の歯部17を形成した段差部分までの間隔を狭くし、本体10とナット部材40との間でリング部31を所定の力で挟み付けることができる。このようにしっかりと締結した状態では、歯部17,34同士が噛み合ってリング部31ひいては取付用ブラケット30の回転が抑止され、ナット部材40をゆるめた状態では、当該回転が許容される。よって、本体10と取付用ブラケット30との相対角度位置関係を任意の位置に設定(調整)すると共に、その位置で固定することができる。つまり、第1ケース11と第2ケース12の接合面と平行な面(方向)を本体10の基本の上下方向とした場合、その上下方向と取付用ブラケット30の取付板33とのなす角を変更することができる。
【0035】
取付板33の上面には、両面テープ(図示省略)その他の接着部材が取り付けられ、その両面テープを用いて車両のフロントガラスに接着して固定する。よって、本実施形態のドライブレコーダは、各種フロントガラスの角度(25〜75度)に合わせて調整可能となる。つまり、取付板33はフロントガラスの角度と平行になるが、上述のように、取付板33(取付用ブラケット30)に対する本体10の相対角度を調整できるので、取付板33(フロントガラス)の角度に関係なく、本体10を基本の上下方向をたとえば垂直面(地面に対する)と平行にすることができる。もちろん、本体10を基本の上下方向と、地面に対する垂直面とのなす角を適宜の角度に設定することもできる。従って、1つのドライブレコーダにて、異なる種類の車両に実装することができる。
【0036】
さらに、ナット部材40をしっかりと締結することで、本体10の歯部17と取付用ブラケット30の歯部34同士がしっかりと噛み合ってその回転が確実に阻止されるので、仮に事故等によりドライレコーダに衝撃が加わったとしても、本体10の向き・姿勢は、ドライブレコーダをフロントガラスに取り付けたときの基本姿勢を維持し(取付板33がフロントガラスから剥がれ落ちない限り)、しっかり固定することができる。」

ウ 段落【0042】
「【0042】
図7,図8等に示すように、DCジャック15は、本体10の軸方向と平行に配置するとともに、本体10の一方端部側に露出するようにしている。つまり、図1等に示すように、第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)の所定位置に窓孔11cが形成され、DCジャック15は、その窓孔11cを介して外部に露出する。このDCジャック15には、たとえばシガーソケットに接続する電源ケーブルの一端に取り付けたDCプラグ(図示せず)を装着することで、本実施形態のドライブレコーダは、車両のバッテリーからの電源供給を可能とする。このように、電源ケーブルの引き出しを本体10の側面から行なうようにしたので、ルームミラーの横或いは近傍にドライブレコーダを取り付けることで、ルームミラーに電源ケーブルを隠すことができ、見た目にも美しくすることができる。」

エ 【図11】




オ 段落【0045】−【0046】
「【0045】
さらに第1ケース11と第2ケース12は、図11に示すように、接合面と反対側の表面が接合面と平行な平坦面11e,12eとなる。よって、その両平坦面11e,12eは、平行に設定される(図12参照)。そして、CCDカメラ13は、第1ケース11の平坦面11eから外部に露出する(円形の開口部11bは、この平坦面11eに形成する)とともに、そのCCDカメラ13の視野の方向が、平坦面11eと直交する方向になるように設定されている。
【0046】
一方、第2ケース12の平坦面12eには、スイッチ部20並びに表示部21が配置される。そして、ドライブレコーダをフロントガラスに取り付ける際には、第1ケース11(CCDカメラ13)が車両の前面を向き、第2ケース12が車内を向くように設置する。従って、車内にいる運転者等のユーザは、CCDカメラ13の向きを直接確認することはしにくい。しかし、本実施形態では、第1ケース11の平坦面11eと第2ケース12の平坦面12eとが平行になるように設定されているので、車内を向いている第2ケース12の平坦面12eの向きが、そのまま第1ケース11の平坦面11eひいてはCCDカメラ13の向きとなるので、スイッチ部20,表示部21の向き(平坦面12e)の向きを見ればCCDカメラ13の向きを推定することができ、CCDカメラ13の向きの調整が容易に行える。」

(2) 引用発明
よって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

「ドライブレコーダは、円筒形状の本体10を備え、その本体10の軸方向の一方端部側に、取付用ブラケット30を装着した構成を採り、
本体10は、前後で2分割(半割)された第1ケース11と第2ケース12とを突き合わせることで構成され、
取付用ブラケット30は、リング部31と、リング部31の外周面に起立された連結柱部32と、その連結柱部32の先端に設けられた取付板33と、を備え、
リング部31を第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに装着すると、リング部31はその中心軸を回転中心として第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに対して相対的に正逆回転させることができ、
取付板33の上面には、両面テープその他の接着部材が取り付けられ、その両面テープを用いて車両のフロントガラスに接着して固定し、
DCジャック15は、本体10の軸方向と平行に配置するとともに、本体10の一方端部側に露出するようにしており、つまり、第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)の所定位置に窓孔11cが形成され、DCジャック15は、その窓孔11cを介して外部に露出し、
このDCジャック15には、たとえばシガーソケットに接続する電源ケーブルの一端に取り付けたDCプラグを装着することで、ドライブレコーダは、車両のバッテリーからの電源供給を可能とし、このように、電源ケーブルの引き出しを本体10の側面から行なうようにしたので、ルームミラーの横或いは近傍にドライブレコーダを取り付けることで、ルームミラーに電源ケーブルを隠すことができ、見た目にも美しくすることができ、
さらに第1ケース11と第2ケース12は、接合面と反対側の表面が接合面と平行な平坦面11e,12eとなり、
CCDカメラ13は、第1ケース11の平坦面11eから外部に露出するとともに、そのCCDカメラ13の視野の方向が、平坦面11eと直交する方向になるように設定されており、
一方、第2ケース12の平坦面12eには、スイッチ部20並びに表示部21が配置される、
ドライブレコーダ。」

2 引用文献2−3、周知技術
(1) 引用文献2
当審拒絶理由(1)において引用した引用文献2には、図面とともに、以下の記載がある。

ア [図1]−[図2]





イ 段落[0024]−[0025]
「[0024] Referring now to the drawings and the illustrative embodiments depicted therein, an interior rearview mirror assembly 10 of a vehicle is pivotally or adjustably mounted to an interior portion of a vehicle, such as via a double ball mounting arrangement or assembly 12 (FIGS. 1, 2 and 6-11). Mirror assembly 10 includes a reflective element 17 (FIG. 11) and a polymeric-material housing or casing 18. The mounting or assembly 12 includes a support arm 22 and a mounting or base portion or channel mount 24, and adjustably mounts the mirror casing 18 and/or the reflective element 17 to an interior portion of the vehicle, such as to an interior surface of a windshield of the vehicle or the like. Mirror assembly 10 includes an electronic accessory or display or circuitry or circuit element 23 (FIG. 11) and an electrical wire or cable 26 (such as a multi-wire cable or ribbon cable or other suitable electrical conductor or link or the like) that extends from circuit element 23 (such as a printed circuit board or flexible circuit element or the like) and extends from a rear portion of mirror casing 18 for electrical connection with a vehicle wiring harness or cable 28 that is generally at or extends from the headliner 30 of the vehicle, as discussed below. A wire routing or wire cover or wire management assembly or system 32 functions to substantially conceal and retain and guide the wire or cables 26, 28 as they are routed between casing 18 and the headliner 30, as also discussed below.
[0025] The wire routing or wire cover assembly or system functions to substantially conceal the wire or cable 26 from where the cable exits the rear of the mirror casing to where the cable enters the vehicle headliner at the upper region of the windshield. Optionally, the mirror wire or cable may be sufficiently long enough to extend along the support arm 22 of the mounting assembly 12 and curve along or above the mounting base 24 and along the windshield all or substantially all the way up to a vehicle wire harness at the headliner of the vehicle, whereby the wire management system of the present invention substantially conceals the mirror wire between the mirror casing and the headliner, as discussed below. Optionally, the mirror wire or cable may be sized so as to end generally at and above the mirror mounting base 24, and may have an electrical connector at an end of the wire or cable, whereby the wire management system of the present invention may secure and/or conceal the connector to facilitate electrical connection between the mirror wire or cable and a vehicle wire harness (and connector) extending down from the vehicle headliner, as also discussed below. The term "wire" or "wire harness" or "cable" or other similar terms as used herein is/are intended to encompass any suitable wire or link (of the vehicle or of the mirror) and may comprise or encompass a single electrical wire, a cable of wires, such as twisted wires or the like, a ribbon cable, a wire harness, a fiber optic cable or link and/or any other suitable wiring or electrical link, while remaining within the spirit and scope of the present invention.」
(訳:
[0024] 図面、及び、そこに図示される説明的な実施形態を参照すると、車両のルームミラーアセンブリ10は、例えば、二重ボールマウントまたはアセンブリ12(図1、2、及び、図6−11)などを介して、旋回可能または調節可能に車両の内部に設置される。ミラーアセンブリ10は、反射エレメント17(図11)、及び、ポリマー材料のハウジングまたはケーシング18を有する。マウントまたはアセンブリ12は、支持アーム22、及び、マウントまたはベース部またはチャネルマウント24を有しており、ミラーのケーシング18、及び/または、反射エレメント17を、例えば、車両のフロントガラスの内側などである、車両の内部に、調節可能に設置する。後述するように、ミラーアセンブリ10は、電子アクセサリまたは電子ディスプレイまたは回路または回路素子23(図11)を有しているとともに、一般に、車両の天井内張30における、または、そこから伸びている、車両用ワイヤハーネスまたはケーブル28との電気的接続のために、回路素子23(例えば、プリント回路基板またはフレキシブル回路素子等)から伸びている、また、ミラーのケーシング18の後方部から延びている、電線またはケーブル26(例えば、多線ケーブルや、リボンケーブル、その他の適切な導電体またはリンク等)を有している。これも後述するように、電線配索(wire routing)または電線カバーまたは電線取扱いアセンブリまたはシステム32は、ケーシング18と天井内張30との間において配線される、電線またはケーブル26、28を、実質的に隠して、保持して、ガイドするように機能する。
[0025] 電線配索または電線カバーアセンブリまたはシステムは、電線またはケーブル26を、ケーブルがミラーのハウジング後部から出るところから、ケーブルがフロントガラス上部の領域で車両の天井内張に入るところまでを、実質的に隠すように機能する。任意選択的に、後述するように、ミラーの電線またはケーブルは、マウントアセンブリ12の支持アーム22に沿って、マウント用ベース24に沿ってまたはベースの上でカーブして、フロントガラスに沿って、車両の天井内張における車両用ワイヤハーネスまですべて、または、ほぼすべてに、延びるのに十分な長さにすることができ、それによって、本発明の電線取扱機構は、ミラーのケーシングと天井内張との間で、ミラーの電線を実質的に隠す。任意選択的に、これも後述するように、一般的に、ミラーの電線またはケーブルは、ミラーのマウント用ベース24において、その上で終わるサイズとされて、電線またはケーブルの端部に電気的コネクタを備えており、それによって、本発明の電線取扱機構は、車両の天井内張から下に延びる車両用ワイヤハーネス(及びコネクタ)と、ミラーの電線またはケーブルとの間の電気的な接続の実現を容易にするためのコネクタを、固定および/または隠すことができる。本明細書において使用される、“電線(wire)”または“ワイヤハーネス”または“ケーブル”または他の類似の用語は、(車両またはミラーの)任意の適切な電線またはリンクを包含することが意図されており、1本の電線、例えば、撚り線など、複数の電線からなるケーブル、リボンケーブル、ワイヤハーネス、光ファイバケーブルまたはリンク、および/または、任意の他の適切な配線または電気的リンクを、含むまたは包含するものであって、本発明の精神および範囲内にある。)

ウ [図5]




エ 段落[0039]
「[0039] In the illustrated embodiment, the upper channel member 38 includes a pair of tabs or arms 38b extending from its upper or opposite end for attaching or connecting upper channel member 38 to the headliner 30 of the vehicle. As shown in FIGS. 1 and 2, tabs 38b may extend between the headliner 30 and the interior surface of the windshield, and may engage or attach to a lip 30a of the headliner to limit movement of the upper channel member 38 relative to the headliner 30. As can be seen in FIG. 2, a notch or groove 30b may be formed in the lip 30a of headliner 30 to facilitate routing of wire 28 from the ceiling region of the headliner to the windshield region below the headliner. Although shown and described as being connectable to a headliner at a ceiling portion of a vehicle, the channel member may otherwise connect to a console or other header or the like at an upper region of the vehicle windshield, without affecting the scope of the present invention. Optionally, the channel member may utilize aspects of the wire covers described in U.S. Pat. No. 4,930,742, which is hereby incorporated herein by reference in its entirety.」
(当審訳:
[0039] 図示の実施形態では、上部チャネル部材38は、車両のヘッドライニング30に上部チャネル部材38を取り付けまたは接続するための、上端部すなわち反対側の端部から延びる、1対のタブ部または腕部38bを有している。図1及び図2に示すように、タブ部38bは、天井内張30とフロントガラスの室内側の表面との間に延びることができ、天井内張30に対する上部チャネル部材38の移動を制限するために天井内張のリップ部30aに係合または取り付けることができる。図2に示されるように、ノッチまたは溝部30bを内張30のリップ部30aに形成することによって、内張の天井領域から天井内張の下のフロントガラス領域への電線28の配線の実現を容易にすることができる。車両の天井部分で天井内張に接続可能であるように図示されて説明されているが、本発明の範囲に影響することなく、チャネル部材は、車両のフロントガラス上側の領域で、コンソールまたは他のヘッダ装置などに接続することができる。必要に応じて、チャネル部材は、米国特許第4930742号明細書に記載される電線カバーの側面を用いることが可能であり、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。)

(2) 引用文献3
当審拒絶理由(1)において引用した引用文献3には、以下の記載がある。

ア 【図1】−【図2】





イ 段落【0026】−【0027】
「【0026】
テーパープレート11をフロントレール2に所望の方向に向けて固定するための方法として、図2に示すように、長手方向に沿う溝部20を設けても良い。図2のような溝部20と同形状の突起をフロントレール2にも設け、溝部と突起を嵌合させることで取り付け位置を精度よく固定することができる。また、ステレオカメラ6とテーパープレート11とを所望の方向に向けて固定する方法として、前記の溝部と突起とを用いても良い。テーパープレート11の中央に長手方向に沿う溝部20を設けることで、テーパープレート11の強度を向上させることができる。
【0027】
近年では、ルームミラー5には前方や後方の照度を計測する照度センサなどを有するものが多く、それらは電源を配線する必要がある。ルームミラー5に設置されたセンサ等の機器に電源を供給する配線類を、テーパープレート11の溝部20を通してフロントレール2側へ出すことにより、配線類の引き回しが容易となり、配線カバーの類が必要なくなる。」

(3) 周知技術
上記引用文献2−3の記載から、一般に、美観の向上や、配線の保護などの目的のために、車両用のルームミラー(引用文献2の「ミラーアセンブリ10」、引用文献3の「ルームミラー5」)などの車載機器への各種配線を覆う「カバー部材」を設けることは、周知技術であると認められる。

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「ドライブレコーダ」は、本願発明1の「車載機器」に相当する。

イ 引用発明の「円筒形状の本体10」は、「取付用ブラケット30」の「取付板33」により「両面テープを用いて車両のフロントガラスに接着して固定」されるから、本願発明1の「車両の取付面に取り付けられる略円筒の形状の筐体」に相当する。

ウ 引用発明の「CCDカメラ13は、第1ケース11の平坦面11eから外部に露出」しているから、本願発明1の「前記筐体に設けられたカメラ」に相当する。

エ 引用発明の「取付用ブラケット30」は、「リング部31と、リング部31の外周面に起立された連結柱部32と、その連結柱部32の先端に設けられた取付板33と、を備え、
リング部31を第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに装着すると、リング部31はその中心軸を回転中心として第1ケース11,第2ケース12の一方端部11a,12aに対して相対的に正逆回転させることができ、
取付板33の上面には、両面テープその他の接着部材が取り付けられ、その両面テープを用いて車両のフロントガラスに接着して固定し」ているから、本願発明1の「前記筐体に装着されて前記筐体を前記取付面に固定させるための取付部であって、前記円筒の軸を中心に回転することにより前記筐体の姿勢を変更可能に構成されている取付部」に相当する。

オ 引用発明の「DCジャック15は、本体10の軸方向と平行に配置するとともに、本体10の一方端部側に露出するようにしており、つまり、第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)の所定位置に窓孔11cが形成され、DCジャック15は、その窓孔11cを介して外部に露出」するものにおける「第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)」は、引用発明1の「筐体」の「側面」に相当する。
よって、引用発明において、「DCジャック15は、本体10の軸方向と平行に配置するとともに、本体10の一方端部側に露出するようにしており、つまり、第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)の所定位置に窓孔11cが形成され、DCジャック15は、その窓孔11cを介して外部に露出し」ているとともに、「さらに第1ケース11と第2ケース12は、接合面と反対側の表面が接合面と平行な平坦面11e,12eとなり、
CCDカメラ13は、第1ケース11の平坦面11eから外部に露出するとともに、そのCCDカメラ13の視野の方向が、平坦面11eと直交する方向になるように設定されて」いることは、本願発明1の「前記側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面である」ことと、「側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であ」る点で共通するといえる。

カ 引用発明の「DCジャック15は、本体10の軸方向と平行に配置するとともに、本体10の一方端部側に露出するようにしており、つまり、第1ケース11の一方端部11aの端面(軸方向に直交する側面)の所定位置に窓孔11cが形成され、DCジャック15は、その窓孔11cを介して外部に露出し、
このDCジャック15には、たとえばシガーソケットに接続する電源ケーブルの一端に取り付けたDCプラグを装着することで、ドライブレコーダは、車両のバッテリーからの電源供給を可能とし、このように、電源ケーブルの引き出しを本体10の側面から行なうようにしたので、ルームミラーの横或いは近傍にドライブレコーダを取り付けることで、ルームミラーに電源ケーブルを隠すことができ、見た目にも美しくすることができ」ることは、本願発明1の「前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている」ことと、「前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて、いる」点で共通するといえる。

よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。

[一致点]
「車載機器であって、
車両の取付面に取り付けられる略円筒の形状の筐体と、
前記筐体に設けられたカメラと、
前記筐体に装着されて前記筐体を前記取付面に固定させるための取付部であって、前記円筒の軸を中心に回転することにより前記筐体の姿勢を変更可能に構成されている取付部と、
を有し、
側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であり、
前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて、いる、
車載機器。」

[相違点1]
「カバー部材」に関して、本願発明1では、「前記筐体から引き出された配線を覆うカバー部材」を備え、「前記カバー部材は、前記車両のルーフヘッドライニングの内側に少なくとも一部が挿入される挿入部を有し」、「前記カバー部材は、前記取付面に取り付けられた前記筐体を側面の方向から見た場合に前記取付面に沿って延びている部分を有し」、「前記」側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であるのに対して、引用発明では、「ルームミラーの横或いは近傍にドライブレコーダを取り付けることで、ルームミラーに電源ケーブルを隠すことができ」るものであって、「カバー部材」を有していない点。

[相違点2]
「配線」について、本願発明1では、前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて「前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている」のに対して、引用発明では、引き出された「電源ケーブル」について、「前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている」ことが特定されていない点。

(2) 当審の判断
「カバー部材」と、それによって覆われる「配線」に関して、相互に関連する、上記[相違点1]、[相違点2]について、まとめて検討する。
引用文献2−3には、美観の向上や、配線の保護などの目的のために、車両用のルームミラー(引用文献2の「ミラーアセンブリ10」、引用文献3の「ルームミラー5」)などの車載機器への各種配線を覆う「カバー部材」を設ける周知技術が開示されているが、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点2]に係る、「前記筐体から引き出された配線を覆うカバー部材」を備え、「前記カバー部材は、前記車両のルーフヘッドライニングの内側に少なくとも一部が挿入される挿入部を有し」、「前記カバー部材は、前記取付面に取り付けられた前記筐体を側面の方向から見た場合に前記取付面に沿って延びている部分を有し」、「前記」側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であり、前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて「前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている」ことについては、上記引用文献1−3には記載されておらず、周知技術であるともいえない。
よって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2−3に記載された技術的事項から、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点2]に係る構成を容易に想到することはできない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2−3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 請求項2について
本願発明2も、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点2]に係る、「前記筐体から引き出された配線を覆うカバー部材」を備え、「前記カバー部材は、前記車両のルーフヘッドライニングの内側に少なくとも一部が挿入される挿入部を有し」、「前記カバー部材は、前記取付面に取り付けられた前記筐体を側面の方向から見た場合に前記取付面に沿って延びている部分を有し」、「前記」側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であり、前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて「前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている」ことと、同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2−3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 当審拒絶理由(2)の理由1(サポート要件)について
令和5年7月4日提出の補正により、補正後の請求項1−2は、「前記カバー部材は、前記車両のルーフヘッドライニングの内側に少なくとも一部が挿入される挿入部を有し」ているという技術的事項を有するものとなった。したがって、請求項1の、「前記筐体から引き出された配線を覆うカバー部材」の構成について、発明の詳細な説明において発明の課題を解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものであることに基づく、当審拒絶理由(2)の理由1(サポート要件)は解消した。

第8 原査定についての判断
令和5年7月4日提出の補正により、補正後の請求項1−2は、本願発明1の上記[相違点1]、[相違点2]に係る、「前記筐体から引き出された配線を覆うカバー部材」を備え、「前記カバー部材は、前記車両のルーフヘッドライニングの内側に少なくとも一部が挿入される挿入部を有し」、「前記カバー部材は、前記取付面に取り付けられた前記筐体を側面の方向から見た場合に前記取付面に沿って延びている部分を有し」、「前記」側面は、前記カメラが撮影する方向とは交差する方向を向く面であり、前記配線は、前記筐体の前記側面の中心部からずれた位置に設けられた引出口から引き出されて「前記側面の中心部を挟んだ反対側に引き回され、さらに前記取付板側に引き出されて前記取付面に沿った方向に曲げられている」という技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献Aには記載されておらず、周知技術でもないので、本願発明1−2は、原査定における引用文献Aに記載された発明ではなく、また、当業者であっても、原査定における引用文献Aに基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2023-08-21 
出願番号 P2020-158097
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H05K)
P 1 8・ 537- WY (H05K)
P 1 8・ 113- WY (H05K)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 中野 裕二
特許庁審判官 野崎 大進
山澤 宏
発明の名称 機器  

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