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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1401532
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-01-30 
確定日 2023-09-07 
事件の表示 特願2021−169090「プログラム、情報処理装置、および方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 4月26日出願公開、特開2023− 59143、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和3年10月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 2月 4日付け:拒絶理由通知書
令和4年 4月11日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 6月 1日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
令和4年 7月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年10月26日付け:令和4年7月29日の手続補正についての
補正の却下の決定、拒絶査定
令和5年 1月30日 :審判請求書、手続補正書(以下、この手続
補正書による手続補正を「本件補正」とい
う。)の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和4年10月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1−3、11−14に係る発明は、以下の引用文献1−2に記載された発明に基づいて、本願請求項4に係る発明は、以下の引用文献1−3に記載された発明に基づいて、本願請求項5−6に係る発明は、以下の引用文献1−4に記載された発明に基づいて、本願請求項7−8に係る発明は、以下の引用文献1−5に記載された発明に基づいて、本願請求項9−10に係る発明は、以下の引用文献1−6に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2017−49622号公報
2.特開2018−124614号公報
3.特開2013−218609号公報
4.特開2017−97776号公報(周知技術を示す文献)
5.特開2021−149847号公報(周知技術を示す文献)
6.特開2020−92748号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願請求項1−14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」−「本願発明14」という。)は、本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1−14に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1−14は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータに、イベントに関する特典を管理させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記イベントに参加したユーザに特典を受け取る権利を、所定の取引の履歴を照合する前に付与するステップと、
前記権利を付与した後に、前記ユーザによる前記取引における購入の下限額を、前記受け取る権利を付与した特典の価額に基づいて算出するステップと、
前記ユーザによる前記取引における購入額が前記下限額以上の場合に、前記特典の払い渡しを承認するステップを実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記ユーザの前記取引における購入履歴を照合するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記照合するステップにおいて、前記購入履歴が前記下限額以上の場合に、前記承認するステップを実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記照合するステップにおいて、前記購入履歴が前記下限額未満の場合に、前記ユーザに前記下限額との差額の購入を促すための通知を行うステップを実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記照合するステップにおいて、前記購入履歴の中に特定の商品または役務が含まれる場合に、前記承認するステップを実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記照合するステップにおいて、前記購入履歴の中に特定の商品または役務が含まれない場合に、前記ユーザに当該商品または役務の購入を促すための通知を行うステップを実行させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記プログラムは、前記ユーザが使用する端末装置に識別情報を表示させ、
前記ユーザが取引を行う店舗に設置された端末装置に、前記識別情報を読み取らせる、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プログラムは、前記イベント参加時に、
前記ユーザの前記取引における識別情報を照合する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、
前記ユーザが取引を行う店舗に設置された端末装置に、前記取引の証拠となる識別情報を表示させ、
前記ユーザが使用する端末装置に、前記識別情報を読み取らせ、当該識別情報を前記承認するステップを実行するサーバに送信させる、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記プログラムは、前記ユーザが使用する端末装置に、
前記取引の証拠となる書面を撮影させ、
前記撮影された画像を前記承認するステップを実行するサーバに送信させる、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記特典は金銭、または金銭と一方向または双方向に変換可能な価値を有する指標である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記特典は、金銭的な価値を有する物品である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
プロセッサを備えるコンピュータに、イベントに関する特典を管理させる方法であって、
前記方法では、前記プロセッサに、
前記イベントに参加したユーザに特典を受け取る権利を、所定の取引の履歴を照合する前に付与するステップと、
前記権利を付与した後に、前記ユーザによる前記取引における購入の下限額を、前記受け取る権利を付与した特典の価額に基づいて算出するステップと、
前記ユーザによる前記取引における購入額が前記下限額以上の場合に、前記特典の払い渡しを承認するステップを実行させる、方法。
【請求項14】
プロセッサを備え、イベントに関する特典を管理する情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
前記イベントに参加したユーザに特典を受け取る権利を、所定の取引の履歴を照合する前に付与するステップと、
前記権利を付与した後に、前記ユーザによる前記取引における購入の下限額を、前記受け取る権利を付与した特典の価額に基づいて算出するステップと、
前記ユーザによる前記取引における購入額が前記下限額以上の場合に、前記特典の払い渡しを承認するステップを実行する、情報処理装置。」

第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1、引用発明
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項の記載がある(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、クーポンを含む施設情報を運転者の携帯端末に送信する。そのため、クーポンを利用した運転者に対して特典を付与することは容易である。しかし、例えば、クーポン利用者を含む複数人のグループの全員に対して特典を付与する等、グループ向けの特典付与サービスを提供する場合、他の乗員については人数や所在等を把握できないため、特典を付与することは困難である。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、グループ向けの特典付与サービスを提供するのに好適な特典付与システムを提供することを目的としている。」

「【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、グループ化した利用者識別情報に対応する利用者のグループ向けの特典付与の対象となるサービスの利用状況が、予め設定した特典付与条件を満足したか否かを判定する。そして、特典付与条件を満足したと判定すると、特典付与条件を満足した利用状況に対応する利用者の利用者識別情報に対応する獲得特典情報と、この利用者識別情報の属するグループの他の利用者識別情報に対応する獲得特典情報とに対して特典情報を付与する。
これにより、店舗等において、グループ構成員の全員の利用者識別情報を取得する等の煩わしい作業をすることなく、簡易に、グループ向けの特典付与サービスを提供することが可能となる。」

【図1】「



「【0008】
(第1実施形態)
(構成)
まず、第1実施形態の特典付与システム1の構成について説明する。
ここで、特典付与システム1は、利用者に対して、グループ向け特典付与サービスを提供するシステムである。
また、第1実施形態のグループ向け特典付与サービスは、グループ向け特典付与の対象となるサービスを提供する施設(店舗)において、利用者がこのサービスを利用した場合に、この利用者と、この利用者の所属するグループの他のメンバー全員とに対して特典を付与するサービスである。
特典付与システム1は、図1(a)及び(b)に示すように、携帯機10A〜10Dと、車両Vに搭載された車載機20と、特典付与サービス提供サーバ30と、店舗端末40とを含んで構成される。
第1実施形態において、携帯機10A〜10Dは、携帯電話機能を有する通信端末から構成される。また、携帯機10A〜10Dは、それぞれ利用者A〜Dに携帯される端末である。
以下、携帯機10A〜10Dは、区別する必要が無い場合に「携帯機10」と称す。
【0009】
なお、図1(a)及び(b)では、説明の便宜上、1台の車両Vを例示しており、かつ、携帯機10A〜10Dの4台の携帯機を例示しているが、この構成に限らない。システムの実施時には、利用者の人数に応じて、車両Vの台数は、複数台で構成され、各車両V内に存在する携帯機10の台数も、4台に限らず3台以下や5台以上で構成される。また、携帯機10が車両V内に存在する場合を例示しているが、携帯機10は、利用者が携帯して移動することによって、車両Vの内外へと移動するものである。
また、携帯機10と、特典付与サービス提供サーバ30とは、基地局50及びネットワーク60を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
【0010】
車載機20は、当該車載機20に固有の識別情報である車載機IDが記憶された記憶媒体を含んで構成される。第1実施形態において、車載機20は、NFC(Near Field Communication)タグから構成される。
なお、車載機20は、NFCタグに限らず、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等から構成してもよい。また、タグに限らず、赤外線の送受信機を備える機器、無線LANの送受信機を備える機器、Bluetooth(登録商標)の送受信機を備える機器等、携帯機10が無線通信可能な機能を備える機器から構成してもよい。
【0011】
特典付与サービス提供サーバ30は、上述したグループ向け特典付与サービスを提供するサーバである。第1実施形態の特典付与サービス提供サーバ30は、利用者の個人情報を登録する処理、利用者をグループ化する処理、利用者にクーポン情報を付与する処理、利用者に対して特典を付与する処理、グループ化を解除する処理等を行う。
店舗端末40は、利用者に対して、グループ向け特典付与サービスの対象となるサービスを提供する店舗に設置された端末である。第1実施形態の店舗では、例えば、グループ向け特典付与サービスの付与対象となる品物を販売している。そして、利用者が、この品物を購入する際に、店舗が発行するクーポンを利用することで、グループ向け特典が付与される。
【0012】
また、特典付与サービス提供サーバ30と、店舗端末40とは、ネットワーク60を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
基地局50は、第3世代移動通信システム、第4世代移動通信システム等の移動通信システムに対応する携帯電話の基地局である。なお、図1(b)には、基地局50を1局のみ表示しているが、実際には、複数の基地局が存在する。
ネットワーク60は、携帯機10が利用可能な第3世代移動通信システム、第4世代移動通信システム等の移動通信システムのコアネットワーク、インターネット、その他のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含む複合的なネットワークである。各ネットワークは、インターネットを介して相互にデータ通信可能に接続されている。」

【図6】「



「【0036】
(サーバ30の機能構成)
次に、図6に基づき、サーバ30のCPU30bにおいて専用のプログラムを実行することで実現される機能について説明する。
サーバ30の機能構成は、図6に示すように、グループ化部300と、クーポン情報送信部301と、グループ人数情報送信部302と、特典付与部303と、グループ化解除部304と、個人情報登録部305とを含んで構成される。
グループ化部300は、携帯機10からのグループ化要求に応じて、受信したグループ化要求に含まれる車載機ID及び利用者IDと、利用者IDを登録時の時刻情報とを対応付けてなる利用者ID情報をグループ化情報管理部30cに記憶する。
【0037】
ここで、登録時の時刻情報は、登録時の日付(年月日)の情報でもよいし、登録時の日付に加えて、時・分・秒のいずれかまでの情報でもよい。
また、利用者IDを登録時の時刻情報は、例えば、グループ化要求を受信時の時刻情報でもよいし、利用者IDをグループ化情報管理部30cに記憶時(登録時)の時刻情報でもよい。
第1実施形態では、グループ化要求を受信時の日付(年月日)の情報を登録時の時刻情報とする。
加えて、グループ化部300は、グループ化情報管理部30cに記憶された利用者ID情報のうち、共通の車載機ID及び共通の日付情報を有する複数の利用者ID情報をグループ化する。
ここで、グループ化は、例えば、各グループに固有のグループIDを生成し、該グループIDを、該グループIDに対応するグループに属する利用者ID情報に付加することで行う。
【0038】
クーポン情報送信部301は、携帯機10からのクーポン取得要求を、通信部30aを介して受信する。そして、クーポン取得要求を受信すると、クーポン情報管理部30fに記憶されたクーポン情報の中から、受信したクーポン取得要求に含まれる利用者IDの属するグループ人数及び現在位置情報に対応するクーポン情報を選定する。クーポン情報送信部301は、選定したクーポン情報を、通信部30aを介して、取得要求元の携帯機10に送信する。
グループ人数情報送信部302は、店舗端末40からのGr人数取得要求(後述)を、通信部30aを介して受信すると、グループ化情報管理部30cから、受信したGr人数情報取得要求に含まれる利用者IDの属するグループのグループ人数を取得する。そして、取得したグループ人数の情報を、通信部30aを介して、要求元の店舗端末40に送信する。
【0039】
特典付与部303は、店舗端末40からのクーポン利用者に対する特典付与要求(以下、「利用者付与要求」と称す)を、通信部30aを介して受信する。特典付与部303は、利用者付与要求を受信すると、受信した利用者付与要求に含まれる利用者ID及び特典情報に基づき、該利用者IDに対応するポイント情報のうち特典情報で指定されたポイントIDのポイントに対して、特典情報で指定されたポイントを付与する処理を実施する。
ここで、特典情報は、ポイントIDと、このポイントIDのポイントに付与するポイント(以下、「付与ポイント」と称す)とを含んでなる情報である。
【0040】
加えて、特典付与部303は、店舗端末40からの、クーポン利用者の利用者IDが属するグループの他の利用者IDに対する特典付与要求(以下、「グループ付与要求」と称す)を、通信部30aを介して受信する。
特典付与部303は、グループ付与要求を受信すると、受信したグループ付与要求に含まれる利用者ID及び特典情報に基づき、利用者IDの属するグループの他の利用者IDに対応するポイント情報のうち特典情報で指定されたポイントIDのポイントに対して、特典情報で指定されたポイントを付与する。
特典付与部303は、グループに属する利用者IDの全てに対してポイント付与が完了すると、これら全ての利用者IDに対応する利用者の携帯機10に対して、通信部30aを介して特典取得通知を送信する。
【0041】
グループ化解除部304は、予め設定した一定周期毎に、RTC30gから現在時刻情報を取得する。そして、取得した現在時刻情報と、グループ化情報管理部30cに記憶されたグループIDの付加された利用者ID情報の登録時刻情報とを比較し、登録時刻からの経過時間が予め設定した設定時間以上である場合に、その利用者ID情報を削除する。これにより、同じグループIDの付加された利用者ID情報が削除され、グループ化が解除される。
個人情報登録部305は、利用者の個人情報を登録するためのWebページを提供すると共に、Webページを介して送信されてきた個人情報を、ポイント情報管理部30dに登録する。加えて、個人情報登録部305は、個人情報を登録した利用者の利用者IDを生成し、生成した利用者IDを、通信部30aを介して携帯機10に送信する。」

【図7】「



「【0042】
(店舗端末40の機能構成)
次に、図7に基づき、店舗端末40のCPU40bにおいて専用のプログラムを実行することで実現される機能について説明する。
店舗端末40の機能構成は、図7に示すように、クーポンID取得部400と、人数情報取得要求送信部401と、利用状況判定部402と、特典付与要求送信部403と、支払い金額算出部404とを含んで構成される。
クーポンID取得部400は、不図示の操作部を介した利用者ID及びクーポンIDの取得指示に応じて、利用者ID認証部40cに利用者ID及びクーポンIDの読取指令を入力する。そして、利用者ID認証部40cを介して携帯機10から利用者ID及びクーポンIDを取得する。
【0043】
ここで、クーポンには、その種類毎に利用条件(特典付与条件)が設定されている。この利用条件として、第1実施形態では、特典付与の対象人数と、特典付与の対象となる購入金額と、クーポンの有効期限とが設定されている。
クーポンID取得部400は、取得した利用者ID及びクーポンIDを、人数情報取得要求送信部401に入力する。
人数情報取得要求送信部401は、クーポンID取得部400からの利用者ID及びクーポンIDが入力されると、入力された利用者IDを含むグループのグループ人数取得要求(以下、「Gr人数取得要求」と称す)を、通信部40aを介してサーバ30に送信する。一方、人数情報取得要求送信部401は、サーバ30からのグループ人数を示す人数情報を、通信部40aを介して受信すると、受信した人数情報と、入力された利用者ID及びクーポンIDとを利用状況判定部402に入力する。
【0044】
利用状況判定部402は、人数情報取得要求送信部401から、人数情報、利用者ID及びクーポンIDが入力されると、クーポン情報記憶部40dから、入力されたクーポンIDに対応する対象人数の情報を取得する。
そして、利用状況判定部402は、取得した対象人数と、入力された人数情報の示すグループ人数とを比較し、グループ人数が対象人数以下であるか否かを判定する。
加えて、利用状況判定部402は、支払い金額算出部404から支払い合計金額の情報を取得し、不図示のRTCから現在の時刻情報(例えば、年月日時分秒)を取得する。そして、これら取得した情報が、予め設定した利用条件を満たすか否かを判定する。
【0045】
利用状況判定部402は、グループ人数が対象人数以下であると判定し、かつ、支払い合計金額及び現在時刻情報が条件を満足すると判定した場合に、クーポンの利用条件を満足したと判定する。そして、入力された利用者ID及びクーポンIDを特典付与要求送信部403に入力する。
一方、利用状況判定部402は、グループ人数が対象人数以下では無いと判定したり、支払い合計金額及び現在時刻情報が条件を満足していないと判定したりした場合に、クーポンの利用条件を満足していないと判定する。そして、クーポンの利用条件を満足していない旨のメッセージを表示部40fに表示する。
【0046】
特典付与要求送信部403は、利用状況判定部402から、利用者ID及びクーポンIDが入力されると、これら利用者ID及びクーポンIDを含む該利用者IDに対応する利用者への特典付与要求(利用者付与要求)を、通信部40aを介してサーバ30に送信する。引き続き、特典付与要求送信部403は、入力された利用者ID及びクーポンIDを含む、該利用者IDに対応するグループの他の構成員への特典付与要求(グループ付与要求)を、通信部40aを介してサーバ30に送信する。
支払い金額算出部404は、商品コード読取部40gから商品コードが入力される毎に、商品情報管理部40hから、入力された商品コードに対応する商品の価格情報を取得し、取得した価格を1つ前の計算結果に順次足し合わせて、支払い金額を計算する。支払い金額算出部404は、計算結果を、表示部40fに表示する。」

【図23】「



「【0104】
具体的に、クーポン情報送信部301は、携帯機10Aからの詳細情報取得要求を受信すると(ステップS610のYes)、クーポン情報管理部30fから、受信した詳細情報取得要求に含まれるクーポンIDに対応するクーポン情報及び店舗情報を取得する(ステップS612)。更に、取得したクーポン情報及び店舗情報の全てからなるクーポン情報(詳細版)を生成する。そして、生成したクーポン情報(詳細版)を含む詳細情報取得応答を生成し、生成した詳細情報取得応答を、通信部30aを介して携帯機10Aに送信する(ステップS614)。
携帯機10Aは、サーバ30からの詳細情報取得応答を受信すると、クーポン取得部101において、該当クーポンの詳細を表示する(ステップS2218)。
具体的に、クーポン取得部101は、サーバ30からの詳細情報取得応答を受信すると(ステップS514のYes)、受信した詳細情報取得応答に含まれるクーポン情報(詳細版)を、タッチパネル10gに表示する(ステップS516)。」

【図25】「



【図26】「



「【0105】
次に、店舗端末40が携帯機10Aから利用者ID及びクーポンIDを取得してから、利用者Aの利用者IDの属するグループを構成する全ての利用者IDに対応する利用者に対して特典が付与されるまでの動作を説明する。
図25に示すように、店舗端末40は、クーポンの利用を告げた利用者Aの携帯機10Aから、利用者ID及びクーポンIDを取得する(ステップS2300)。
具体的に、店舗において、利用者Aが、クーポンの利用をレジの店員に告げると、店員は、店舗端末40を操作して、利用者ID認証部40cをID読取モードに移行する。利用者ID認証部40cは、ID読取モードへ移行すると、利用者ID及びクーポンIDの取得要求を乗せた電波をループアンテナから放射する。
【0106】
その後、利用者Aが携帯機10Aを利用者ID認証部40cに近づける又は接触させることで、携帯機10Aは、利用者ID記憶部10dにおいて、利用者ID認証部40cからの取得要求を受信する。これにより、利用者ID記憶部10dは、NFCタグLSI13において、記憶している利用者ID「U00000001」と取得要求で指定されたクーポンID「Q00000003」とを読み出し、これら利用者IDとクーポンIDとを含む取得応答を生成する。そして、生成した取得応答を乗せた電波を、ループアンテナ14から放射する。
【0107】
これにより、利用者ID認証部40cは、ループアンテナ14から放射された取得応答を含む電波を受信して、取得応答に含まれる利用者Aの利用者ID「U00000001」及びクーポンID「Q00000003」を取得する(ステップS700のYes)。
引き続き、店舗端末40は、人数情報取得要求送信部401において、グループ人数取得要求(Gr人数取得要求)をサーバ30に送信する(ステップS2302)。
具体的に、人数情報取得要求送信部401は、取得した利用者ID「U00000001」を含むGr人数取得要求を生成し、生成したGr人数取得要求を、通信部40aを介してサーバ30に送信する(ステップS702)。」

「【0111】
一方、図26(a)に示すように、クーポンID「Q00000003」に対応するクーポンは、対象人数の他に、購入金額の条件と、有効期限の条件とを有している。
従って、利用状況判定部402は、クーポン情報データベースから、設定購入金額の情報「10,000円」と有効期限の情報「20121129_0800〜20121231_1700」とを取得する。なお、有効期限の情報は、2012年11月29日の8:00〜2012年12月31日の17:00の期間を意味する。
更に、利用状況判定部402は、支払い金額算出部404から支払い合計金額の情報を取得し、不図示のRTCから現在時刻情報(年月日時分秒)を取得する。
ここでは、支払い合計金額の情報「12,500円」と、現在時刻情報「2012年12月15日の12:30」とを取得したとする。
【0112】
なお、支払い金額算出部404は、レジの店員が商品コード読取部40gを用いて、利用者Aの購入する各商品に付されたバーコードを読み取ることで、商品コードを取得する。そして、支払い金額算出部404は、商品情報管理部40hから、取得した商品コードに対応する商品の単価情報を取得し、取得した単価情報の示す単価を現在までの計算結果(初期値は「0」)に加算する。
商品情報管理部40hは、例えば、図26(b)に示すように、商品「AAA」等の店舗で取り扱っている商品の商品情報を有している。
【0113】
従って、支払い金額算出部404は、商品コード「490000100001」を取得した場合に、図26(b)に示す、商品「AAA」の単価「9,800円」を取得し、これを現在までの計算結果に加算する。
利用状況判定部402は、取得した情報に基づき、グループ人数「4人」が対象人数「4人」以下であり、支払い合計金額「12,500円」が設定購入金額「10,000円」以上であると判定する。加えて、現在時刻「2012年12月15日の12:30」が、有効期限「2012年11月29日の8:00〜2012年12月31日の17:00」の期間内であると判定する。
【0114】
以上の判定結果から、利用状況判定部402は、利用者Aの利用するクーポンが、クーポンの利用条件(特典付与の条件)を満足していると判定する。そして、利用者ID「U00000001」及びクーポンID「Q00000003」を、特典付与要求送信部403に入力する。
特典付与要求送信部403は、利用者ID及びクーポンIDが入力されると、利用者Aに対する特典付与要求である利用者付与要求をサーバ30に送信する(ステップS2308)。
【0115】
具体的に、特典付与要求送信部403は、クーポン情報データベースから、入力されたクーポンID「Q00000003」に対応するポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を取得する。
更に、特典付与要求送信部403は、入力された利用者ID「U00000001」と、ポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を含んでなる特典情報とを含む、利用者Aに対する特典付与要求である利用者付与要求を生成する。そして、生成した利用者付与要求を、通信部40aを介してサーバ30に送信する(ステップS710)。
【0116】
サーバ30は、店舗端末40からの利用者付与要求を受信すると、特典付与部303において、受信した利用者付与要求に含まれる利用者ID「U00000001」及び特典情報に基づき特典を付与する。そして、特典付与応答を店舗端末40に送信する(ステップS2310)。
具体的に、特典付与部303は、ポイント管理データベースの利用者ID「U00000001」に対応するポイント情報における、クーポンID「P00000001」のポイントに65ポイントを加算する。これにより、クーポンを利用した利用者Aに対して特典を付与する(ステップS752)。」

ここで、引用文献1に記載されている事項について検討する。

ア 上記【図6】の記載、上記【0036】の「次に、図6に基づき、サーバ30のCPU30bにおいて専用のプログラムを実行することで実現される機能について説明する。」、「サーバ30の機能構成は、図6に示すように、グループ化部300と、クーポン情報送信部301と、グループ人数情報送信部302と、特典付与部303と、グループ化解除部304と、個人情報登録部305とを含んで構成される。」との記載、上記【図23】の記載、上記【0104】の「具体的に、クーポン情報送信部301は、携帯機10Aからの詳細情報取得要求を受信すると(ステップS610のYes)、クーポン情報管理部30fから、受信した詳細情報取得要求に含まれるクーポンIDに対応するクーポン情報及び店舗情報を取得する(ステップS612)。更に、取得したクーポン情報及び店舗情報の全てからなるクーポン情報(詳細版)を生成する。そして、生成したクーポン情報(詳細版)を含む詳細情報取得応答を生成し、生成した詳細情報取得応答を、通信部30aを介して携帯機10Aに送信する(ステップS614)。」との記載、上記【図25】の記載、上記【図26】の記載及び上記【0116】の「サーバ30は、店舗端末40からの利用者付与要求を受信すると、特典付与部303において、受信した利用者付与要求に含まれる利用者ID「U00000001」及び特典情報に基づき特典を付与する。そして、特典付与応答を店舗端末40に送信する(ステップS2310)。」、「具体的に、特典付与部303は、ポイント管理データベースの利用者ID「U00000001」に対応するポイント情報における、クーポンID「P00000001」のポイントに65ポイントを加算する。これにより、クーポンを利用した利用者Aに対して特典を付与する(ステップS752)。」との記載から、引用文献1には、「CPU30bを備えるサーバ30に、クーポンを管理させるプログラムであって、
プログラムは、CPU30bに、
クーポン情報送信部301は、携帯機10Aからの詳細情報取得要求を受信すると、クーポン情報管理部30fから、受信した詳細情報取得要求に含まれるクーポンIDに対応するクーポン情報及び店舗情報を取得し、取得したクーポン情報及び店舗情報の全てからなるクーポン情報(詳細版)を生成し、生成したクーポン情報(詳細版)を含む詳細情報取得応答を生成し、生成した詳細情報取得応答を、通信部30aを介して携帯機10Aに送信し、サーバ30は、店舗端末40からの利用者付与要求を受信すると、特典付与部303は、ポイント管理データベースの利用者ID「U00000001」に対応するポイント情報における、クーポンID「P00000001」のポイントに65ポイントを加算し、これにより、クーポンを利用した利用者Aに対して特典を付与するステップを実行させる、プログラム。」が記載されていると認められる。

イ 上記【図7】の記載、上記【0042】の「次に、図7に基づき、店舗端末40のCPU40bにおいて専用のプログラムを実行することで実現される機能について説明する。」、「舗端末40の機能構成は、図7に示すように、クーポンID取得部400と、人数情報取得要求送信部401と、利用状況判定部402と、特典付与要求送信部403と、支払い金額算出部404とを含んで構成される。」との記載、上記【図25】の記載、上記【図26】の記載、上記【0105】の「店舗において、利用者Aが、クーポンの利用をレジの店員に告げると、店員は、店舗端末40を操作して、利用者ID認証部40cをID読取モードに移行する。」との記載、上記【0107】の「これにより、利用者ID認証部40cは、ループアンテナ14から放射された取得応答を含む電波を受信して、取得応答に含まれる利用者Aの利用者ID「U00000001」及びクーポンID「Q00000003」を取得する(ステップS700のYes)。」との記載、上記【0111】の「一方、図26(a)に示すように、クーポンID「Q00000003」に対応するクーポンは、対象人数の他に、購入金額の条件と、有効期限の条件とを有している。」、「従って、利用状況判定部402は、クーポン情報データベースから、設定購入金額の情報「10,000円」と有効期限の情報「20121129_0800〜20121231_1700」とを取得する。」、「更に、利用状況判定部402は、支払い金額算出部404から支払い合計金額の情報を取得し、不図示のRTCから現在時刻情報(年月日時分秒)を取得する。」、「ここでは、支払い合計金額の情報「12,500円」と、現在時刻情報「2012年12月15日の12:30」とを取得したとする。」との記載、上記【0112】の「なお、支払い金額算出部404は、レジの店員が商品コード読取部40gを用いて、利用者Aの購入する各商品に付されたバーコードを読み取ることで、商品コードを取得する。そして、支払い金額算出部404は、商品情報管理部40hから、取得した商品コードに対応する商品の単価情報を取得し、取得した単価情報の示す単価を現在までの計算結果(初期値は「0」)に加算する。」との記載、上記【0113】の「利用状況判定部402は、取得した情報に基づき、グループ人数「4人」が対象人数「4人」以下であり、支払い合計金額「12,500円」が設定購入金額「10,000円」以上であると判定する。」との記載、上記【0114】の「以上の判定結果から、利用状況判定部402は、利用者Aの利用するクーポンが、クーポンの利用条件(特典付与の条件)を満足していると判定する。」との記載及び上記【0115】の「具体的に、特典付与要求送信部403は、クーポン情報データベースから、入力されたクーポンID「Q00000003」に対応するポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を取得する。」、「更に、特典付与要求送信部403は、入力された利用者ID「U00000001」と、ポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を含んでなる特典情報とを含む、利用者Aに対する特典付与要求である利用者付与要求を生成する。そして、生成した利用者付与要求を、通信部40aを介してサーバ30に送信する(ステップS710)。」との記載から、引用文献1には、「CPU40bを備える店舗端末40に、クーポンを管理させるプログラムであって、
プログラムは、CPU40bに、
店舗において、利用者Aが、クーポンの利用をレジの店員に告げると、店員は、店舗端末40を操作して、利用者ID認証部40cをID読取モードに移行し、利用者ID認証部40cは、利用者Aの利用者ID「U00000001」及びクーポンID「Q00000003」を取得し、クーポンID「Q00000003」に対応するクーポンは、購入金額の条件を有しており、利用状況判定部402は、クーポン情報データベースから、設定購入金額の情報「10,000円」を取得し、利用状況判定部402は、支払い金額算出部404から支払い合計金額の情報を取得し、ここでは、支払い合計金額の情報「12,500円」を取得したとし、支払い金額算出部404は、レジの店員が商品コード読取部40gを用いて、利用者Aの購入する各商品に付されたバーコードを読み取ることで、商品コードを取得し、支払い金額算出部404は、商品情報管理部40hから、取得した商品コードに対応する商品の単価情報を取得し、取得した単価情報の示す単価を現在までの計算結果(初期値は「0」)に加算し、利用状況判定部402は、取得した情報に基づき、支払い合計金額「12,500円」が設定購入金額「10,000円」以上であると判定し、以上の判定結果から、利用状況判定部402は、利用者Aの利用するクーポンが、クーポンの利用条件(特典付与の条件)を満足していると判定し、特典付与要求送信部403は、クーポン情報データベースから、入力されたクーポンID「Q00000003」に対応するポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を取得し、特典付与要求送信部403は、入力された利用者ID「U00000001」と、ポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を含んでなる特典情報とを含む、利用者Aに対する特典付与要求である利用者付与要求を生成し、生成した利用者付与要求を、通信部40aを介してサーバ30に送信するステップを実行させる、プログラム。」が記載されていると認められる。

(2)引用発明
上記(1)から、特に下線部に着目すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「特典付与システム1は、携帯機10Aと、特典付与サービス提供サーバ30と、店舗端末40とを含んで構成され、
携帯機10Aは、利用者Aに携帯される端末であり、
サーバ30の機能構成は、クーポン情報送信部301と、特典付与部303とを含んで構成され、
店舗端末40の機能構成は、クーポンID取得部400と、利用状況判定部402と、特典付与要求送信部403と、支払い金額算出部404とを含んで構成され、
CPU30bを備えるサーバ30に、特典を管理させるプログラムであって、
プログラムは、CPU30bに、
クーポン情報送信部301は、携帯機10Aからの詳細情報取得要求を受信すると、クーポン情報管理部30fから、受信した詳細情報取得要求に含まれるクーポンIDに対応するクーポン情報及び店舗情報を取得し、取得したクーポン情報及び店舗情報の全てからなるクーポン情報(詳細版)を生成し、生成したクーポン情報(詳細版)を含む詳細情報取得応答を生成し、生成した詳細情報取得応答を、通信部30aを介して携帯機10Aに送信し、サーバ30は、店舗端末40からの利用者付与要求を受信すると、特典付与部303は、ポイント管理データベースの利用者ID「U00000001」に対応するポイント情報における、クーポンID「P00000001」のポイントに65ポイントを加算し、これにより、クーポンを利用した利用者Aに対して特典を付与するステップを実行させる、プログラムと、
CPU40bを備える店舗端末40に、特典を管理させるプログラムであって、
プログラムは、CPU40bに、
店舗において、利用者Aが、クーポンの利用をレジの店員に告げると、店員は、店舗端末40を操作して、利用者ID認証部40cをID読取モードに移行し、利用者ID認証部40cは、利用者Aの利用者ID「U00000001」及びクーポンID「Q00000003」を取得し、クーポンID「Q00000003」に対応するクーポンは、購入金額の条件を有しており、利用状況判定部402は、クーポン情報データベースから、設定購入金額の情報「10,000円」を取得し、利用状況判定部402は、支払い金額算出部404から支払い合計金額の情報を取得し、ここでは、支払い合計金額の情報「12,500円」を取得したとし、支払い金額算出部404は、レジの店員が商品コード読取部40gを用いて、利用者Aの購入する各商品に付されたバーコードを読み取ることで、商品コードを取得し、支払い金額算出部404は、商品情報管理部40hから、取得した商品コードに対応する商品の単価情報を取得し、取得した単価情報の示す単価を現在までの計算結果(初期値は「0」)に加算し、利用状況判定部402は、取得した情報に基づき、支払い合計金額「12,500円」が設定購入金額「10,000円」以上であると判定し、以上の判定結果から、利用状況判定部402は、利用者Aの利用するクーポンが、クーポンの利用条件(特典付与の条件)を満足していると判定し、特典付与要求送信部403は、クーポン情報データベースから、入力されたクーポンID「Q00000003」に対応するポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を取得し、特典付与要求送信部403は、入力された利用者ID「U00000001」と、ポイントID「P00000001」及び付与ポイント数「65」を含んでなる特典情報とを含む、利用者Aに対する特典付与要求である利用者付与要求を生成し、生成した利用者付与要求を、通信部40aを介してサーバ30に送信するステップを実行させる、プログラム。」

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項の記載がある。

「【0028】
[発明の原理]
一般に、利用者が物品やサービスを購入する際、利用者を誘引する手段としてその取引に付随して、景品、特典、ポイントなどの景品類が提供される場合がある。景品表示法では、景品類により質の良くないものや価格の高いものを買わされて、利用者が不利益を受けることを避けることを目的として、このような景品類の価額に対する最高額が規定されている。特に、物品やサービスの取引金額に対して一定の付与率で付与されるポイントは、景品表示法の「総付景品」というカテゴリに含まれ、取引金額が1000円以上の場合には、取引金額の2/10(=20%)が景品類すなわちポイント価額の最高額と定められている。この2/10が本発明でいう制約比率の具体的な一例に相当する。」

3 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項の記載がある。

「【0022】
ポイント計算部4は、精算処理部9から精算処理中のポイント計算対象金額を取得し、このポイント計算対象金額に対して発生するポイントを計算する。ポイントは、ポイント計算対象金額をポイント付与単位金額で除算し、小数点以下を切り捨てることによって計算される。ここでのポイント付与単位金額とは、ポイントを付与するときの最小金額である。
【0023】
不足金額計算部5は、追加ポイントの付与(ポイントアップ)に必要な不足金額を計算する。不足金額は、ポイント計算対象金額またはポイント計算対象補正金額からポイント計算部4で計算されたポイントとポイント付与単位金額との積を差し引いた金額に対し、ポイント付与単位金額との差を計算することで求められる。このようにして計算された不足金額は、不足金額表示部10に表示され、買物客に、不足金額分の額面のポイント補充金券を購入することで追加ポイントが付与されることを案内する。なお、計算された不足金額がゼロの場合、つまり、ポイント計算対象金額またはポイント計算対象補正金額がポイント付与単位金額の整数倍であるときには、不足金額表示部10による表示をすることなく、精算処理部9に通知される。」

4 引用文献4
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項の記載がある。

「【0041】
判定部112はポイント付与要求で示される1以上の購入商品と対象商品データベース22内のリストとを比較し、購入商品の中にポイント付与商品が含まれているか否かを判定する。もし、どの購入商品もポイント付与商品でないならば、判定部112はこの時点で処理を終了する。この場合には、ポイント管理サーバ10における後続処理(算出部113、通知部114、および登録部115の処理)は実行されず、したがって、受信したポイント付与要求に対応するポイントは発生しない。一方、ポイント付与要求で示される1以上の購入商品がポイント付与商品を含む場合には、判定部112は特定したポイント付与商品およびその購入金額のリストをユーザIDと共に算出部113に出力する。」

5 引用文献5
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5には、図面とともに次の事項の記載がある。

「【0048】
読取部25は、後述するように利用者端末装置1から提示された利用者IDを読み取るリーダとして機能してもよい。この場合、読取部25はバーコードリーダ、カメラ、又は近距離無線通信モジュールであり、サービス又は商品の顧客である利用者の利用者IDを含む情報を取得する。読取部25は読み取った情報を制御部20へ通知する。提供者端末装置2は位置情報取得部を備えてもよい。
【0049】
提供者端末装置2は、サービスがタクシー事業であればタクシーメータ、飲食店であればレジ端末、宿泊業であればチェックインチェックアウトシステムから料金を取得できるようにしてあれば汎用コンピュータに提供者用のチケットアプリ2Pをインストールし、提供者IDを対応付けることで構成される。」

6 引用文献6
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6には、図面とともに次の事項の記載がある。

「【0018】
また、店舗端末52は、購入情報を参加者へ渡すレシート等に出力してもよい。この場合、購入情報は、ユーザ端末56が備えるカメラで読み取り可能なバーコードやQRコード(登録商標)とすることができる。また、レシート以外にも、店舗端末52が備える、又は店舗端末52と連携したディスプレイ等に、購入情報を示すバーコードやQRコード(登録商標)を表示してもよい。
【0019】
ビーコン54は、そのビーコン54が設置されている店舗50の店舗IDを含むビーコン信号を発信する。
【0020】
ユーザ端末56は、ネットワークを介して情報処理装置10と通信可能であり、ゲームの参加者が使用する情報処理端末である。ユーザ端末56は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等で実現される。双六ゲームのアプリケーションは、ユーザ端末56に搭載されたウェブブラウザを介して、又は、ユーザ端末56にインストールされて提供される。
【0021】
また、ユーザ端末56は、ユーザ端末56を保持したゲームの参加者が店舗50に来店した際に、ビーコン54から発信されるビーコン信号を受信する。ユーザ端末56は、ビーコン信号の受信日時、受信したビーコン信号に含まれる店舗ID、及びアプリケーションに登録済みの参加者IDを、来店情報として情報処理装置10へ送信する。
【0022】
また、ユーザ端末56は、カメラ等の読取部を備え、店舗端末52から出力されたレシート等に出力されたバーコードやQRコード(登録商標)などを読取部により読み取って購入情報を取得する。ユーザ端末56は、取得した購入情報に参加者IDを付加して、情報処理装置10へ送信する。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「CPU30b」及び「CPU40b」は、いずれも、本願発明1の「プロセッサ」に相当する。また、引用発明の「サーバ30」及び「店舗端末40」は、いずれも、本願発明1の「コンピュータ」に相当する。
したがって、引用発明の「CPU30bを備えるサーバ30に、特典を管理させるプログラム」及び「CPU40bを備える店舗端末40に、特典を管理させるプログラム」は、いずれも、本願発明1の「プロセッサを備えるコンピュータに、イベントに関する特典を管理させるプログラム」と、「プロセッサを備えるコンピュータに、特典を管理させるプログラム」である点で共通する。

イ 引用発明の「利用者A」は、「ユーザ」に相当する。また、引用発明において、「携帯機10Aは、利用者Aに携帯される端末であり」、「クーポン情報送信部301は、携帯機10Aからの詳細情報取得要求を受信すると、クーポン情報管理部30fから、受信した詳細情報取得要求に含まれるクーポンIDに対応するクーポン情報及び店舗情報を取得し、取得したクーポン情報及び店舗情報の全てからなるクーポン情報(詳細版)を生成し、生成したクーポン情報(詳細版)を含む詳細情報取得応答を生成し、生成した詳細情報取得応答を、通信部30aを介して携帯機10Aに送信し、サーバ30は、店舗端末40からの利用者付与要求を受信すると、特典付与部303は、ポイント管理データベースの利用者ID「U00000001」に対応するポイント情報における、クーポンID「P00000001」のポイントに65ポイントを加算し、これにより、クーポンを利用した利用者Aに対して特典を付与する」ことから、引用発明は、利用者Aに特典を受け取る権利を、付与するステップを実行させているといえる。
したがって、引用発明は、本願発明1の「前記イベントに参加したユーザに特典を受け取る権利を、所定の取引の履歴を照合する前に付与するステップ」を実行させる構成と、「ユーザに特典を受け取る権利を、付与するステップ」を実行させる構成である点で共通するといえる。

ウ 引用発明の「支払い合計金額」は、「レジの店員が商品コード読取部40gを用いて、利用者Aの購入する各商品に付されたバーコードを読み取ることで、商品コードを取得し」、「取得した商品コードに対応する商品の単価情報を取得し、取得した単価情報の示す単価を現在までの計算結果(初期値は「0」)に加算」されて算出されるから、上記イを踏まえると、本願発明1の「ユーザによる」「取引における購入額」に相当する。また、引用発明の「設定購入金額」は、「支払い合計金額「12,500円」が設定購入金額「10,000円」以上であると判定」していることから、本願発明1の「下限額」に相当する。さらに、引用発明において、「利用状況判定部402は、クーポン情報データベースから、設定購入金額の情報「10,000円」を取得し、利用状況判定部402は、支払い金額算出部404から支払い合計金額の情報を取得し、ここでは、支払い合計金額の情報「12,500円」を取得したとし」、「利用状況判定部402は、取得した情報に基づき、支払い合計金額「12,500円」が設定購入金額「10,000円」以上であると判定し、以上の判定結果から、利用状況判定部402は、利用者Aの利用するクーポンが、クーポンの利用条件(特典付与の条件)を満足していると判定」し、「サーバ30は、店舗端末40からの利用者付与要求を受信すると、特典付与部303は、ポイント管理データベースの利用者ID「U00000001」に対応するポイント情報における、クーポンID「P00000001」のポイントに65ポイントを加算し、これにより、クーポンを利用した利用者Aに対して特典を付与する」ことから、引用発明は、支払い合計金額が設定購入金額以上の場合に、特典の払い渡しを承認するステップを実行させているといえる。
したがって、上記イを踏まえると、引用発明は、本願発明1の「前記ユーザによる前記取引における購入額が前記下限額以上の場合に、前記特典の払い渡しを承認するステップ」を実行させる構成と、「ユーザによる取引における購入額が下限額以上の場合に、前記特典の払い渡しを承認するステップ」を実行させる構成である点で共通するといえる。

以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「プロセッサを備えるコンピュータに、特典を管理させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザに特典を受け取る権利を、付与するステップと、
前記ユーザによる取引における購入額が下限額以上の場合に、前記特典の払い渡しを承認するステップを実行させる、プログラム。」

(相違点1)
「特典」が、本願発明1では、「イベントに関する」ものであるのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(相違点2)
ユーザが、本願発明1では、「前記イベントに参加した」者であるのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(相違点3)
ユーザに特典を受け取る権利を付与するタイミングが、本願発明1では、「所定の取引の履歴を照合する前」であるのに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(相違点4)
本願発明1では、「前記権利を付与した後に、前記ユーザによる前記取引における購入の下限額を、前記受け取る権利を付与した特典の価額に基づいて算出する」のに対し、引用発明では、このような構成について特定されていない点。

(相違点5)
ユーザによる取引における購入額との比較対象が、本願発明1では、「前記下限額」であるのに対し、引用発明では、「設定購入金額」である点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点4について先に検討する。
引用文献2−6には、上記相違点4に係る本願発明1の構成について記載も示唆もなく、また、このような構成が本願の出願前において周知技術であったともいえない。
さらに、上記第4の2の記載から、「景品表示法に従って合法的に特典の払い渡しをすることが義務であること」は、本願の出願前において周知事項であったと認められる。
加えて、販売促進分野の技術常識に照らすと、「購入額に応じた価額の特典を付与すること」は、本願の出願前において周知技術であったと認められる。
しかしながら、引用発明に上記周知事項及び上記周知技術を適用しても、「ユーザに特典を受け取る権利を付与した後に、前記ユーザによる取引における購入の下限額を、前記受け取る権利を付与した特典の価額に基づいて算出する」との構成には至らない。
したがって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2−6に記載された技術的事項から、上記相違点4に係る本願発明1の構成を容易に想到することはできない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2−6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2−12について
本願発明2−12は、本願発明1を減縮した発明である。したがって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2−6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明13、14について
本願発明13、14は、それぞれ、本願発明1に対応する「方法」、「情報処理装置」の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。したがって、本願発明13、14は、本願発明1の構成に対応する構成を実質的に備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2−6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 原査定について
本件補正により補正された請求項1、13、14は、それぞれ「前記権利を付与した後に、前記ユーザによる前記取引における購入の下限額を、前記受け取る権利を付与した特典の価額に基づいて算出する」という事項を有するものとなっており、上記第5で説示したとおり、本願発明1−14は、当業者が引用発明及び引用文献2−6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2023-08-28 
出願番号 P2021-169090
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 山澤 宏
特許庁審判官 野崎 大進
中野 裕二
発明の名称 プログラム、情報処理装置、および方法  
代理人 IPTech弁理士法人  

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