• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A62C
管理番号 1401541
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-02-07 
確定日 2023-09-19 
事件の表示 特願2018−76700「負圧式スプリンクラーを用いた消火システム」拒絶査定不服審判事件〔令和元年10月24日出願公開、特開2019−180924、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年4月12日に出願された特願2018−76700号であり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和 4年 4月25日付け:拒絶理由通知書
令和 4年 7月 7日提出:意見書、手続補正書
令和 4年10月31日付け:拒絶査定(原査定)
令和 5年 2月 7日提出:審判請求書、手続補正書

第2 原査定の概要
原査定(令和4年10月31日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3にみられる技術常識に基いて、本願の請求項2に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明並びに引用文献2、3にみられる技術常識及び引用文献4に記載された周知技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2018−8062号公報
2.特開2003−260148号公報
3.特開平5−137811号公報
4.国際公開第00/61238号

第3 本願発明
本願請求項1及び2に係る発明(以下、「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、令和5年2月7日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
原子力発電所内に設けられる負圧式スプリンクラーの配管と、
前記配管に負圧を供給する負圧装置と、
前記原子力発電所内の廃棄物を貯留する廃棄物貯留室を備え、
前記負圧装置と前記廃棄物貯留室とは別の階に設けられ、
前記負圧装置は負圧ポンプである、負圧式スプリンクラーを用いた消火システム。
【請求項2】
常態で前記配管内の絶対圧力が0.05MPa以下である、請求項1に記載の負圧式スプリンクラーを用いた消火システム。」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。
ア 「【0014】
(実施の形態1)
(病院の消火システムの構成)
図1は、実施の形態1に従った病院の消火システムの模式図である。図1で示すように、病院の消火システム1は、病院の建物10に設けられる。建物10は、下層階である第一区画11と、上層階である第二区画とを有する。
【0015】
負圧スプリンクラーシステム100は、一次配管101と、一次配管101に接続された二次配管102と、二次配管102に設けられたスプリンクラーヘッド103と、一次配管101と二次配管102との境界に設けられたバルブ105と一次配管101に水を送るための水ポンプ106とを有する。
【0016】
一次配管101には水が充填されている。この水は、水ポンプ106により加圧されている。水ポンプ106には消火水槽(図示せず)から水が供給される。建物10の最上階の高架水槽から水ポンプ106に水が供給されてもよい。
【0017】
一次配管101は、水ポンプ106から建物10の最上部まで垂直に立ち上がり、各階で分岐されている。この実施の形態では2階建ての建物10を記載しているが、建物10の階は2階に限定されない。
【0018】
一次配管101の水は、バルブ105で止められており、バルブ105が開くことで一次配管101の水が二次配管102へ送られる。バルブ105の開閉は、コンピューター302により制御される。
【0019】
二次配管102はバルブ105に接続されている。二次配管102は第二区画12に配置されている。なお、この実施の形態ではバルブ105が第二区画12に配置されている例を示しているが、バルブ105が第一区画11に配置されていてもよい。
【0020】
二次配管102は第二区画12の天井に配置されている。二次配管102には複数のスプリンクラーヘッド103が設けられている。スプリンクラーヘッド103の数は、第二区画12の広さによって決定される。
【0021】
この実施の形態では、第二区画12にスプリンクラーヘッド103が設けられる例を示しているが、第一区画11に二次配管102およびスプリンクラーヘッド103が配置されていてもよい。
【0022】
スプリンクラーヘッド103は、閉鎖型のスプリンクラーヘッドであり、水を放出する孔が複数設けられている。スプリンクラーヘッド103は感熱機構(可溶金属片)を有する。常態では、水を放出する孔と、一次配管101との間はスプリンクラーヘッド103内で遮蔽されている。感熱機構が火災時の火炎により溶融すると遮断が開放されて一次配管101を経由して水がスプリンクラーヘッド103の孔から放出される。
【0023】
負圧システム200は、負圧用配管201と、負圧用配管201内を負圧にする負圧ポンプ204と、負圧用配管201に接続されるアウトレット203と、負圧用配管201と二次配管102とを接続する接続管205とを有する。
【0024】
負圧ポンプ204は第一区画11に設けられて負圧を発生させる。負圧ポンプ204は真空ポンプにより構成される。この実施の形態では、水ポンプ106および負圧ポンプ204は同じ第一区画11に設置されているが、これらが互いに異なる区画に設けられてもよい。」

イ 「【0030】
負圧用配管201と二次配管102とは接続管205により接続されている。接続管205と二次配管102とは接続点202で接続されている。これにより、常態において、二次配管102内は負圧とされている。
【0031】
常態では、二次配管102内が負圧とされ、水が存在しない。負圧とすることで、二次配管102内に水が滞留することを防止できる。仮に二次配管102内に水が滞留したとしても、負圧下では、水の沸点は低くなる。そのため、二次配管102内の水が沸騰して接続管205を介して負圧ポンプ204で吸引される。
【0032】
検知システム300は、火災検知器301およびコンピューター302を有する。第二区画12内で火災が発生すると、その熱または煙を火災検知器301が検知する。コンピューター302とバルブ105とが信号線311により接続されている。コンピューター302と水ポンプ106とが信号線312により接続されている。」

ウ 「【0034】
(病院の消火システムの動作)
第二区画12で火災が発生すると、火災による熱または煙を火災検知器301が検知する。検知された情報は火災検知器301からコンピューター302に送られる。コンピューター302はバルブ105を開くようにバルブ105に信号を与える。コンピューター302は水ポンプ106を駆動させるか、水ポンプ106の駆動力を増大させる。これにより、常態では水が存在せず負圧状態であった二次配管102内に水が充填される。
【0035】
火災による熱は、スプリンクラーヘッド103の感熱機構を溶融させる。これにより、スプリンクラーヘッド103の水放出用の孔と二次配管102とが接続される。スプリンクラーヘッド103の水放出用の孔からは水が放出されて消火することができる。」

エ 「【図1】



(2)引用発明
したがって、上記引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「下層階である第一区画11と、上層階である第二区画12とを有する病院の建物10に設けられる負圧スプリンクラーシステム100の一次配管101、二次配管102、負圧用配管201及び接続管205と、
前記負圧用配管201内を負圧にする負圧ポンプ204と、
前記負圧ポンプ204は第一区画11に設けられる、負圧スプリンクラーシステム100を用いた消火システム。」

2 引用文献2について
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。
ア 「【0024】[実施の形態3]図3は本発明の実施の形態3に係る消火設備の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略又は簡略化する。図において、Dは防護区画である例えば立体駐車場である。25は窒素ガス等の消火剤(以下、消火ガス)が加圧充填されたガスボンベで、消火配管12に接続されている。26は消火配管12に設けた手動(又は自動)の常閉の開閉弁で、この開閉弁26とガスボンベ25との間の消火配管12内には、消火ガスが導入されている。なお、この起動用の開閉弁26は、直接ガスボンベ25に設けてもよい。14は開閉弁26の下流側において消火配管12に設けられた回転駆動装置、27は防護区画D内に配置され、回転駆動装置14の下流側において消火配管12に接続されて消火ガスを放出する開放型の消火ヘッドである。」

イ 「【0027】図4は本実施の形態の他の例を示す説明図である。なお、図3の例と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本例における防護区画Dは、例えば、有害物質を含む薬品庫、遺伝子操作等を行う研究施設、原子力関連施設、伝染性病原菌を取扱う施設等であって、防護区画D内の空気が外部に漏れてはならない施設である。また、大気(宇宙空間)に排気すると、その影響により船体の姿勢を維持できなくなるような宇宙ステーションなども対象となる。
【0028】本例は、上記のような施設等に対処するために、吸込み口29が防護区画D内に開口した排気ダクト28の排気口側に、排気を回収する回収ボンベ31を設けたものである。また、排気手段として排煙機21の代わりに、コンプレッサ32を使用したものである。すなわち、火災時において、消火配管に消火ガスが流れると、タービンなどで構成される回転駆動装置14が発電して、コンプレッサ32の駆動電力として用いられる。こうして起動したコンプレッサ32により吸込み口29から排気ダクト28に吸引された防護区画D内の有害物を含む空気は、回収ボンベ31に回収されて、外部に排出されることはない。なお、上記の説明では、開閉弁26を手動で開放する場合を示したが、例えば防護区画D内に火災感知器を設置し、この火災検知器が検知した火災信号により開閉弁26を開放するようにしてもよい。
【0029】本実施の形態によれば、防護区画D内に消火ガスを放出すると共に、排気手段により防護区画D内の空気を強制的に排出するようにしたので、消火ガスと防護区画D内の空気との置換時間を短縮することができ、消火効率を高めることができる。また、防護区画D内の内圧上昇を抑制できるため、密閉室内においても消火ガスを放出することができる。さらに、防護区画D内に有害物が存在するような場合は、防護区画Dから排出した空気を回収ボンベに回収するようにしたので、外部に排出されることはない。」

ウ 「【図4】



(2)引用文献2記載の技術
したがって、上記引用文献2には以下の技術が記載されていると認められる。

「原子力関連施設の防護区画Dに消火ガスを放出する消火設備。」

3 引用文献3について
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明はたとえば原子力発電所等、溢水対策を考慮する必要の有る室内の扉外に設置するスプリンクラーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等のプラントに於いて、建屋間を接続する連絡通路には、その接続する建屋相互を消防法規上の別棟の防火対象物とするために消防用設備のうちのスプリンクラー設備を設置している。スプリンクラーシステム設備には種々のタイプが有るが、本発明が対象とするタイプのスプリンクラーシステムについて説明する。
【0003】スプリンクラー設備は、消火水源と、この消火水源からの消火用水を加圧送水する消火ポンプを有している。この消火ポンプ吐出側に自動作動弁が設置され、消火水源と消火ポンプと自動作動弁とを満水状態の消火配管で接続している。消火用水を放水する閉鎖型スプリンクラーヘッドと、常時閉鎖の自動作動弁と閉鎖型スプリンクラーヘッドとを空気封入状態の消火配管で接続する。空気封入状態の配管内を一定の圧力とするための空気加圧装置と、空気封入状態の消火配管内の圧力スイッチを設けている。」

(2)引用文献3記載の技術
したがって、上記引用文献3には以下の技術が記載されていると認められる。

「原子力発電所等のプラントに於いて、建屋間を接続する連絡通路に設置されたスプリンクラー設備の消火配管を有した、スプリンクラーシステム。」

4 引用文献4について
(1)記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、次の事項が記載されている。
ア 「以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における湿式スプリンクラ一システム10の概略を示している。図示のように湿式スプリンクラーシステム10は、消火水槽16、送水ポンプ14、送水配管20及びスプリンクラ一へッド12の各基本構成を備えている。」(6頁2行〜5行)

イ 「送水配管20は、一次側配管22と弁部26と二次側配管24とから構成され、送水ポンプ14からスプリンクラーへッド12までの水供給路を形成している。一次側配管22は上記送水ポンプ14からビルディング等の最上階まで、概ね鉛直に立ち上がり、各階で分岐される送水管であり、送水ポンプ14の大吐出量に応じた大径のパイプが選定されている。」(6頁11行〜15行)

ウ 「そして、本発明の特徴的構成である「吸引手段」は、本実施の形態では図1からも理解されるように、吸引ポンプ50,吸引管52、吸引用電磁弁54を備えている。具体的には、その一端が二次側配管24の最上部に上方に立ち上げて形成された立上がり分岐管24aに連通し略水平に延在して更に所定の長さ垂下して延在する吸引管52と、この吸引管52の上記略水平部に設けられた吸引用電磁弁54と、吸引管52の下端部に設けられた吸引ポンプ50とから構成されている。
吸引ポンプ50は、ビルディングの下層等に設置され、水等の液体や空気等の気体を吸引でき、かつ各階の二次側配管24内の水を予め定めた負圧状態に維持するに必要な能力を有するものであればいずれでも良い。吸引用電磁弁54は、制御盤30の出力部からの制御信号により、開閉制御される。」(7頁25行〜8頁6行)

エ 「負圧状態の確保後、作業者は水位検出器56の信号状態を観察し、電極棒56a付近の位置、すなわち通電状態を最高水位として水が停留しているのを確認して、吸引ポンプ50の駆動を停止させる。そして、吸引用電磁弁54は開いたままとされ、以後、吸引ポンプ50は、吸引管52に設けられた真空スイッチ80により、所定の負圧状態例えばマイナス0.4kgf/cm2からマイナス0.5kgf/cm2を維持するよう自動的に運転制御される。すなわち、ポンプ制御部82は、真空スィッチ80からの信号により、吸引ポンプ50の駆動制御を行うための制御信号CS4を送出する。この一連の動作により初期状態が形成され火災監視状態に移行する。
こうして、二次側配管24内は、十分に負圧水で満たされることから、防錆性が高まり、従来立ち下げ配管24bの空気に触れる部分に頻発した錆に起因する穴あき等も防止することができる。」(9頁8行〜19行)

オ 「第1図



(2)引用文献4記載の技術
したがって、上記引用文献4には以下の技術が記載されていると認められる。

「ビルディング等に設けられる湿式スプリンクラ一システム10の送水配管20及び吸引管52と、
吸引ポンプ50を備え、
前記吸引ポンプ50はビルディングの下層等に設置される吸引手段を用いた湿式スプリンクラ一システム10。」

第5 本願発明と引用発明の対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
引用発明の「負圧スプリンクラーシステム100」は本願発明1の「負圧式スプリンクラー」に相当し、以下同様に、「負圧スプリンクラーシステム100の一次配管101、二次配管102、負圧用配管201及び接続管205」は「負圧式スプリンクラーの配管」に、「前記負圧用配管201内を負圧にする」という態様は「前記配管に負圧を供給する」という態様に、「負圧ポンプ204」は「負圧装置」及び「負圧ポンプ」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の「下層階である第一区画11と、上層階である第二区画12とを有する病院の建物10に設けられる負圧スプリンクラーシステム100の一次配管101、二次配管102、負圧用配管201及び接続管205」と本願発明1の「原子力発電所内に設けられる負圧式スプリンクラーの配管」とは、「建物内に設けられる負圧式スプリンクラーの配管」という限りにおいて一致する。
よって、両者は、

「建物内に設けられる負圧式スプリンクラーの配管と、
前記配管に負圧を供給する負圧装置と、
前記負圧装置は負圧ポンプである、負圧式スプリンクラーを用いた消火システム。」

という点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
建物に関し、本願発明1は、「原子力発電所」であるのに対し、引用発明は、下層階である第一区画11と、上層階である第二区画12とを有する病院の建物10である点。

[相違点2]
本願発明1は、「原子力発電所内の廃棄物を貯留する廃棄物貯留室を備え、前記負圧装置と前記廃棄物貯留室とは別の階に設けられ」ているのに対し、引用発明は、そのように構成されていない点。

(2)判断
事案を考慮して、上記相違点2について検討する。
引用文献2ないし4記載の技術は、いずれも、原子力発電所内の廃棄物を貯留する廃棄物貯留室を備え、負圧式スプリンクラーの負圧装置と前記廃棄物貯留室とを別の階に設けらるものではない。
また、本願発明1は、「配管内に錆が発生することを効果的に抑制できる負圧式スプリンクラーを用いた消火システムを提供すること」を解決しようとする課題とし(【0006】)、「負圧式スプリンクラーを用いた消火システムの配管内はほぼ真空(乾式)または水分が存在もの(湿式)であるため酸素は大気中と比較して大幅に減少しており殆ど存在しないため、錆は発生しないはずである。しかしながら、実際の配管内には錆が発生している。その原因について調査をしたところ、硫黄が錆の発生に起因していることを突き止めた」(【0007】)、「本発明者は、建物内において、硫黄の発生源を調べたところ、廃棄物から硫黄が発生していることを見出した。たとえば、生ごみからはジメチルスルフィドが発生し、それが負圧装置内に入ると配管内に硫黄が導入される。その結果、配管内に錆が発生しやすくなる」(【0008】)という技術的知見に基づいて、相違点2に係る本願発明1の構成としているところ、そのような技術的知見、例えば、硫黄が錆の発生に起因しており、硫黄の発生源と負圧装置とを離して設置するという技術思想は、引用文献2ないし4には記載も示唆もされていない。
そして、本願発明1は、相違点2に係る本願発明1の構成により、「配管内の錆の発生を抑制できる負圧式スプリンクラーを用いた消火システムを提供できる。」(【0014】)という特有の効果を奏するものである。
以上のとおり、引用文献2ないし4記載の技術は、いずれも相違点2に係る本願発明1の構成ではなく、また、本願発明1は、相違点2に係る本願発明1の構成により、引用文献1ないし4から当業者が予測し得ない特有の効果を奏するものであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は引用発明並びに引用文献2ないし4記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

なお、令和5年5月2日付け前置報告書に新たに引用された特開2012−173244号公報にも、相違点2に係る本願発明1の構成は、記載も示唆もされていない。

2 本願発明2について
本願発明2は、本願発明1を引用するものであり、相違点2に係る本願発明1の構成を含むものであるから、上記1(2)に記載した本願発明1の判断同様、引用発明並びに引用文献2ないし4記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 小括
したがって、本願発明1及び2は、引用発明並びに引用文献2ないし4記載の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとはいえない。

第6 まとめ
以上のとおり、原査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また他に拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2023-09-06 
出願番号 P2018-076700
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A62C)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 山本 信平
特許庁審判官 星名 真幸
倉橋 紀夫
発明の名称 負圧式スプリンクラーを用いた消火システム  
代理人 弁理士法人深見特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ