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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01B
管理番号 1402656
総通号数 22 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-02-17 
確定日 2023-09-26 
事件の表示 特願2019− 27262「導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月29日出願公開、特開2019−145501、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成31年2月19日(優先権主張 平成30年2月21日)の出願であって、その手続の経緯は、概略以下のとおりである。

令和4年 8月29日付け 拒絶理由通知
令和4年11月 7日 意見書・手続補正書 提出
令和4年11月16日付け 拒絶査定
令和5年 2月17日 審判請求書・手続補正書 提出

第2 原査定の概要

原査定(令和4年11月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

進歩性)この出願の請求項1ないし12に係る発明は、下記の引用文献1に記載された発明および引用文献2ならびに3に記載された技術に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>

1.特開平03−291807号公報
2.特開2016−164873号公報
3.国際公開第03/035308号(周知技術を示す文献)

第3 本願発明

本願の請求項1ないし11に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明11」という。)は、令和5年2月17日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
熱硬化性成分と、複数のはんだ粒子とを含み、
前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の4倍以下であり、
導電材料100体積%中、前記はんだ粒子の含有量が、10体積%以上95体積%以下である、導電材料。
【請求項2】
前記はんだ粒子の平均粒子径が、5μm以上40μm以下である、請求項1に記載の導電材料。
【請求項3】
熱硬化性成分と、複数のはんだ粒子とを含み、
前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の20倍未満であり、
前記はんだ粒子の平均粒子径が、5μm以下であり、
導電材料100体積%中、前記はんだ粒子の含有量が、10体積%以上95体積%以下である、導電材料。
【請求項4】
前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の10倍以下である、請求項3に記載の導電材料。
【請求項5】
前記はんだ粒子の平均粒子径が、0.01μm以上である、請求項3又は4に記載の導電材料。
【請求項6】
前記熱硬化性成分が、エポキシ化合物を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項7】
導電ペーストである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電材料。
【請求項8】
第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
前記接続部の材料が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電材料であり、
前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記接続部中のはんだ部により電気的に接続されている、接続構造体。
【請求項9】
前記第1の電極と前記接続部と前記第2の電極との積層方向に前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、前記接続部中のはんだ部が配置されている、
請求項8に記載の接続構造体。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電材料を用いて、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材の表面上に、前記導電材料を配置する工程と、
前記導電材料の前記第1の接続対象部材側とは反対の表面上に、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材を、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向するように配置する工程と、
前記はんだ粒子の融点以上に前記導電材料を加熱することで、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部を、前記導電材料により形成し、かつ、前記第1の電極と前記第2の電極とを、前記接続部中のはんだ部により電気的に接続する工程とを備える、接続構造体の製造方法。
【請求項11】
前記第1の電極と前記接続部と前記第2の電極との積層方向に前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分をみたときに、前記第1の電極と前記第2の電極との対向し合う部分の面積100%中の50%以上に、前記接続部中のはんだ部が配置されている接続構造体を得る、請求項10に記載の接続構造体の製造方法。」

第4 引用文献

1 引用文献1および引用発明

(1)引用文献1の記載事項

原査定の拒絶理由に引用された引用文献1(特開平03−291807号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審が付加した。以下同様。)。

ア (公報1頁左下欄11行〜2頁右上欄14行)
「(産業上の利用分野)
本発明は、微細な回路同志の電気的接続、より詳しくは、LCD(液晶ディスプレー)とフレキシブル回路基板の接続や、半導体ICとIC搭載用回路基板のマイクロ接合に用いる事のできる異方導電ペーストに関するものである。
(従来の技術)
最近の電子機器の小型化・薄型化に伴い、微細な回路同志の接続、微小部品と微細な回路の接続等の必要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法として、半田接合技術の進展と共に、新しい材料として、異方性の導電性接着剤やシートが使用され始めている。(例えば特開昭59−120436、60−84718、60−191228、61−55809、61−274394、61−287974各号公報等)
この方法は、接続しようとする回路間に所定量の導電性粒子を含有する接着剤又はシートをはさみ、所定の温度、圧力、時間により熱圧着することによって、回路間の電気的接続を行うと同時に、隣接する回路間には絶縁性を確保させるものである。
最近、フレキシブル回路基板やリジッド基板とQFP(クウアットフラットパッケージ)やTABパッケージの接続などに、異方導電フィルムを用いようとする試みがなされている。しかしながら、異方導電フィルムでは接続作業に手間を必要とし、また、電子機器のコンパクト化に伴う接続部分の多段化、複雑化に伴い、フィルム状の異方導電接着剤では接続困難であることがわかってきた。
また、導電粒子として金、銀、ニッケル、半田をはじめとする金属粒子を用いた場合、接着剤成分よりもはるかに比重が重いために、混練後、自間の経過とともに、接着剤成分との分離現象が生じ、不均一な物となり信頼性に劣っていた。また、粒子径が不均一のために分散に斑が生じたり、半田粒子などはロール混練により変形し、箔状のものが混じりファインピッチ回路の接続に適さないといった問題が生じていた。
(発明が解決しようとする課題)
本発明は、複雑な微細回路間をスクリーン印刷、メタルマスク印刷、或いはディスペンサーによる方法等で印刷又は塗布出来、導電粒子と接着剤成分が分離しにくく、ファインピッチ回路に対応出来る異方導電ペーストを提供することを目的としたものである。
(課題を解決するための手段)
本発明は、絶縁性接着剤中に樹脂成分に対して3〜10体積%の導電粒子を含有してなる異方導電ペーストであって、上記導電粒子が高分子核材の表面に金属薄層を被覆してなり、かつ、導電粒子の粒度分布が規定の粒子径±0.2μmの範囲にあることを特徴とする異方導電ペーストである。
本発明に用いられる導電粒子径は、隣接する回路間の絶縁性を確保するためと接続の高信頼性を確保するために5〜10μmが好ましい。
また、絶縁性接着剤に対する導電粒子の配合量は3〜10体積%が良い。3体積%以下であると安定した導通信頼性が得られず、10体積%以上では隣接回路間の絶縁信頼性が劣る。」

イ (公報2頁右下欄8行〜3頁左上欄3行)
「(実施例1)
ビスフェノールAエポキシ(エピコート1004・油化シェル(株)製)100重量部と可撓性エポキシ(YR−207・東都化成(株)製)30重量部を、メチルセロソルブ15重量部及びブチルセロソルブ20重量部に溶解したものに、ヒドラジド系硬化剤(UDH・味の素(株)製)60重量部、及び超微粒子状無水シリカ(#200・日本アエロジル(株)製)5重量部、シランカップリング剤2.5重量部、脱泡剤0.2重量部を加えて、3本ロールにて混練した。
更に、シランカップリング剤によって表面処理した粒子径8±0.2μmのメラミン樹脂を核材とし、厚さ0.3μmのニッケルを無電解メッキして得た導電粒子を、樹脂固形分に対して5体積%を混合し、再び3本ロールにて混練して均一に分散させ、異方導電ペーストを得た。」

ウ (公報3頁右上欄14〜18行)
「(比較例1)
実施例1の異方導電ペーストにおいて、導電粒子のみを平均粒子径12μm、最大粒子径23μm、最小粒子径5μmのアトマイズ半田粉に替えて、実施例1と同様な比較を行った。」

上記記載から、「最大粒子径23μm/最小径5μm=4.6倍」といえる。

エ 第1表(公報3頁右下欄)


(2)引用発明

上記(1)の、特に下線を付加した記載に着目すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「異方導電ペーストであって、
ビスフェノールAエポキシ(エピコート1004・油化シェル(株)製)100重量部と可撓性エポキシ(YR−207・東都化成(株)製)30重量部を、メチルセロソルブ15重量部及びブチルセロソルブ20重量部に溶解したものに、ヒドラジド系硬化剤(UDH・味の素(株)製)60重量部、及び超微粒子状無水シリカ(#200・日本アエロジル(株)製)5重量部、シランカップリング剤2.5重量部、脱泡剤0.2重量部を加えて、3本ロールにて混練し、
導電粒子を、樹脂固形分に対して5体積%を混合し、再び3本ロールにて混練して均一に分散させて得た、異方導電ペーストであって、
前記導電粒子は、平均粒子径12μm、最大粒子径23μm、最小粒子径5μmのアトマイズ半田粉である(最大粒子径23μm/最小径5μm=4.6倍)
異方導電ペースト。」

2 引用文献2および3

(1)引用文献2

原査定の拒絶理由において、引用された引用文献2(特開2016−164873号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のはんだ粒子を含む導電材料を用いる接続構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー中に導電性粒子が分散されている。
【0003】
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
【0004】
上記異方性導電材料により、例えば、フレキシブルプリント基板の電極とガラスエポキシ基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラスエポキシ基板上に、導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、フレキシブルプリント基板を積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、導電性粒子を介して電極間を電気的に接続して、接続構造体を得る。
【0005】
上記異方性導電材料の一例として、下記の特許文献1には、導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しない樹脂成分とを含む異方性導電材料が記載されている。上記導電性粒子としては、具体的には、錫(Sn)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ガリウム(Ga)、銀(Ag)及びタリウム(Tl)等の金属や、これらの金属の合金が挙げられている。
【0006】
特許文献1では、上記導電性粒子の融点よりも高く、かつ上記樹脂成分の硬化が完了しない温度に、異方性導電樹脂を加熱する樹脂加熱ステップと、上記樹脂成分を硬化させる樹脂成分硬化ステップとを経て、電極間を電気的に接続することが記載されている。また、特許文献1には、特許文献1の図8に示された温度プロファイルで実装を行うことが記載されている。特許文献1では、異方性導電樹脂が加熱される温度にて硬化が完了しない樹脂成分内で、導電性粒子が溶融する。
【0007】
下記の特許文献2には、熱硬化性樹脂を含む樹脂層と、はんだ粉と、硬化剤とを含み、上記はんだ粉と上記硬化剤とが上記樹脂層中に存在する接着テープが開示されている。この接着テープは、フィルム状であり、ペースト状ではない。
【0008】
また、特許文献2では、上記接着テープを用いた接着方法が開示されている。具体的には、第一基板、接着テープ、第二基板、接着テープ、及び第三基板を下からこの順に積層して、積層体を得る。このとき、第一基板の表面に設けられた第一電極と、第二基板の表面に設けられた第二電極とを対向させる。また、第二基板の表面に設けられた第二電極と第三基板の表面に設けられた第三電極とを対向させる。そして、積層体を所定の温度で加熱して接着する。これにより、接続構造体を得る。
【0009】
また、下記の特許文献3には、複数の電極端子を有する配線基板と対向させて、複数の接続端子を有する半導体チップを配設し、上記配線基板の上記電極端子と、上記半導体チップの上記接続端子とを電気的に接続するフリップチップ実装方法が開示されている。このフリップチップ実装方法は、(1)上記配線基板の上記電極端子を有する表面上に、はんだ粉及び対流添加剤を含有する樹脂を供給する工程と、(2)上記樹脂表面に、上記半導体チップを当接させる工程と、(3)上記配線基板を、上記はんだ粉が溶融する温度に加熱する工程と、(4)上記加熱工程後、上記樹脂を硬化させる工程とを含む。上記配線基板の加熱工程(3)において、上記電極端子と上記接続端子とを電気的に接続する接続体を形成し、また、上記樹脂の硬化工程(4)において、上記半導体チップを上記配線基板に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】 特開2004−260131号公報
【特許文献2】 WO2008/023452A1
【特許文献3】 特開2006−114865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のはんだ粉や、はんだ層を表面に有する導電性粒子を含む異方性導電ペーストでは、はんだ粉又は導電性粒子が電極(ライン)上に効率的に配置されないことがある。従来のはんだ粉又は導電性粒子では、はんだ粉又は導電性粒子の電極上への移動速度が遅いことがある。
【0012】
また、特許文献1に記載の異方性導電材料を用いて、特許文献1に記載の方法で電極間を電気的に接続すると、はんだを含む導電性粒子が電極(ライン)上に効率的に配置されないことがある。また、特許文献1の実施例では、はんだの融点以上の温度で、はんだを十分に移動させるために、一定温度に保持しており、接続構造体の製造効率が低くなる。特許文献1の図8に示された温度プロファイルで実装を行うと、接続構造体の製造効率が低くなる。
【0013】
また、特許文献2に記載の接着テープは、フィルム状であり、ペースト状ではない。このため、はんだ粉を電極(ライン)上に効率的に配置することは困難である。例えば、特許文献2に記載の接着テープでは、はんだ粉の一部が、電極が形成されていない領域(ス
ペース)にも配置されやすい。電極が形成されていない領域に配置されたはんだ粉は、電極間の導通に寄与しない。
【0014】
なお、特許文献2では、異方性導電材料に用いる導電性粒子については、具体的な記載がない。
【0015】
また、特許文献3では、はんだ粉を含む導電ペースト中に、対流添加剤を添加している。しかしながら、特許文献3に記載のような対流添加剤を添加した場合には、導電ペーストの硬化物に、対流添加剤が異物として残留することがある。また、対流添加剤の添加によって、導電ペーストの性質が変わることもある。さらに、導電ペーストの硬化物にボイドが生じやすい。結果として、電極間の導通信頼性が低くなることがある。また、用いることができる導電ペーストが制約される。
【0016】
本発明の目的は、はんだ粒子を電極上に効率的に配置することができ、電極間の導通信頼性を高めることができる接続構造体の製造方法を提供することである。」

イ 図1


ウ 「【0054】
先ず、図1に、本発明の一実施形態に係る接続構造体の製造方法により得られる接続構造体を模式的に部分切欠正面断面図で示す。
【0055】
図1に示す接続構造体1は、第1の接続対象部材2と、第2の接続対象部材3と、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とを接続している接続部4とを備える。接続部4は、複数のはんだ粒子と、バインダーとを含む導電材料により形成されている。本実施形態では、バインダーは、熱硬化性成分を含む。本実施形態では、導電材料として、導電ペーストが用いられている。
【0056】
接続部4は、複数のはんだ粒子が集まり互いに接合したはんだ部4Aと、熱硬化性成分が熱硬化された硬化物部4Bとを有する。本実施形態では、はんだ部4Aを形成するために、導電性粒子として、はんだ粒子を用いている。はんだ粒子は、中心部分及び導電部の外表面のいずれもが、はんだにより形成されている。
【0057】
第1の接続対象部材2は表面(上面)に、複数の第1の電極2aを有する。第2の接続対象部材3は表面(下面)に、複数の第2の電極3aを有する。第1の電極2aと第2の電極3aとが、はんだ部4Aにより電気的に接続されている。従って、第1の接続対象部材2と第2の接続対象部材3とが、はんだ部4Aにより電気的に接続されている。なお、接続部4において、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まったはんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)では、はんだは存在しない。はんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)では、はんだ部4Aと離れたはんだは存在しない。なお、少量であれば、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に集まったはんだ部4Aとは異なる領域(硬化物部4B部分)に、はんだが存在していてもよい。
【0058】
図1に示すように、接続構造体1では、第1の電極2aと第2の電極3aとの間に、複数のはんだ粒子が集まり、複数のはんだ粒子が溶融した後、はんだ粒子の溶融物が電極の表面を濡れ拡がった後に固化して、はんだ部4Aが形成されている。このため、はんだ部4Aと第1の電極2a、並びにはんだ部4Aと第2の電極3aとの接続面積が大きくなる。すなわち、はんだ粒子を用いることにより、導電性の外表面がニッケル、金又は銅等の金属である導電性粒子を用いた場合と比較して、はんだ部4Aと第1の電極2a、並びにはんだ部4Aと第2の電極3aとの接触面積が大きくなる。このことによっても、接続構造体1における導通信頼性及び接続信頼性が高くなる。なお、導電材料にフラックスが含まれる場合に、フラックスは、一般に、加熱により次第に失活する。」

エ 図5


オ 「【0059】
なお、図1に示す接続構造体1では、はんだ部4Aの全てが、第1,第2の電極2a,3a間の対向している領域に位置している。図5に示す変形例の接続構造体1Xは、接続部4Xのみが、図1に示す接続構造体1と異なる。接続部4Xは、はんだ部4XAと硬化物部4XBとを有する。接続構造体1Xのように、はんだ部4XAの多くが、第1,第2の電極2a,3aの対向している領域に位置しており、はんだ部4XAの一部が第1,第2の電極2a,3aの対向している領域から側方にはみ出していてもよい。第1,第2の電極2a,3aの対向している領域から側方にはみ出しているはんだ部4XAは、はんだ部4XAの一部であり、はんだ部4XAから離れたはんだではない。なお、本実施形態では、はんだ部から離れたはんだの量を少なくすることができるが、はんだ部から離れたはんだが硬化物部中に存在していてもよい。
【0060】
はんだ粒子の使用量を少なくすれば、接続構造体1を得ることが容易になる。はんだ粒子の使用量を多くすれば、接続構造体1Xを得ることが容易になる。」

カ 「【0173】
上記はんだ粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上、好ましくは100μm以下、より好ましくは40μm以下、より一層好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下、最も好ましくは10μm以下である。上記はんだ粒子の平均粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、はんだ粒子を電極上により一層効率的に配置することができる。上記はんだ粒子の平均粒子径は、3μm以上、30μm以下であることが特に好ましい。
【0174】
上記はんだ粒子の「平均粒子径」は、数平均粒子径を示す。はんだ粒子の平均粒子径は、例えば、任意のはんだ粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
【0175】
上記はんだ粒子の粒子径の変動係数は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。上記粒子径の変動係数が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができる。但し、上記はんだ粒子の粒子径の変動係数は、5%未満であってもよい。
【0176】
上記変動係数(CV値)は下記式で表される。
【0177】
CV値(%)=(ρ/Dn)×100
ρ:はんだ粒子の粒子径の標準偏差
Dn:はんだ粒子の粒子径の平均値
【0178】
上記はんだ粒子の形状は特に限定されない。上記はんだ粒子の形状は、球状であってもよく、扁平状などの球形状以外の形状であってもよい。
【0179】
上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上、最も好ましくは30重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。上記はんだ粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができ、電極間にはんだ粒子を多く配置することが容易であり、導通信頼性がより一層高くなる。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記はんだ粒子の含有量は多い方が好ましい。」

キ 「【0268】
はんだ粒子1(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「ST−3」を選別したはんだ粒子本体を用い、表面処理を行ったアニオンポリマー1を有するはんだ粒子、平均粒子径4μm、CV値7%、表面のゼータ電位:+0.65mV、ポリマー分子量Mw=6500)
【0269】
はんだ粒子2(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「DS10」を選別したはんだ粒子本体を用い、表面処理を行ったアニオンポリマー1を有するはんだ粒子、平均粒子径13μm、CV値20%、表面のゼータ電位:+0.48mV、ポリマー分子量Mw=7000)
【0270】
はんだ粒子3(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「10−25」を選別したはんだ粒子本体を用い、表面処理を行ったアニオンポリマー1を有するはんだ粒子、平均粒子径25μm、CV値15%、表面のゼータ電位:+0.4mV、ポリマー分子量Mw=8000)
【0271】
はんだ粒子A(SnBiはんだ粒子、融点139℃、三井金属社製「DS10」)」

(2)引用文献3

原査定の拒絶理由において、引用された引用文献3(国際公開第03/035308号)には、図面とともに次の事項が記載されている。

ア (公報1頁3行〜3頁8行)
「 技 術 分 野
本発明は、単分散金属球状粒子及びその製造方法に関する。
背 景 技 術
一般に、プリント配線基板等に電子デバイスを高密度に実装する技術、いわゆる表面実装技術では、ハンダ粒子とペースト状フラックスとを混練して得られるソルダーペーストが使用されている。例えば、スクリーン印刷機において、ソルダーペーストがプリント配線板上に印刷され、その上に電子デバイスのリード端子を当接した後にリフロー(加熱)により接合され、最終的に精密な配線が形成される。
ソルダーペースト中のハンダ粒子は、直径が約20〜100μm程度の大きさを有する球状粒子が主に利用される。特別な場合には直径10μm程度のものも使用される。ハンダ粒子は、印刷特性の向上と安定化のため、できるだけ粒径が均一で真球度の高いものが要求される。同時に、ハンダ粒子では、ソルダビリティに大きな影響を及ぼすハンダ粒子表面の酸化を可能な限り阻止することも必要とされる。
ハンダ粒子のほか、ハンダボールと呼ばれる直径100μm〜1mmの材料も、高密度半導体パッケージの主流となりつつあるBGA/CSP型パッケージの端子材料として使用されている。ハンダボールも、ハンダ粒子と同様、品質的には粒径分布が極めて狭く、高い真球度のものが要求される。
近年、携帯電話、デジタルビデオカメラ、ノート型パソコン等に代表されるような電子機器に対する小型化、軽量化、高機能化の要求はますます加速化している。これに伴って電子デバイスの小型化が進んでいる。このため、表面実装技術は、これまで以上の高密度実装化への対応が強く求められている。半導体集積回路パッケージを例にとると、高集積化に伴って端子ピン数は年々増加し、現在では数百ピンにも達し、その端子ピンのピッチ幅は0.5〜0.4mmとなっている。一部ではピッチ幅0.3mmのものも実用化されている。これが現在の表面実装技術における実用的な限界されている。表面実装のさらなる高密度化には種々の技術の開発や改良が要求される。
その要求の一つとして、ハンダ粒子の微粒化と粒径分布の均一化、真球度の向上がある。ハンダボールに関しては、次世代の超高密度超小型パッケージで1cm2に数千個のハンダボールの搭載が必要とされる。すなわち、ハンダボールでは、極めて狭い粒径分布と高い真球度とを保持しながら、粒径をより小さくするための技術が必要とされている。
現在、ハンダ粒子の製造については、例えば1)遠心噴霧法(回転円盤法)、2)ガス噴霧法(アトマイズ法)等の微粒子製造技術が利用されている。一方、ハンダボールの製造については、例えば1)遠心噴霧法又はガス噴霧法で得られた比較的大きなハンダ粒子をアルミナ粉末中で再溶融して真球化する方法、2)細いハンダ線を正確に小さく切断し、これを油槽中で再溶融して球状化する方法、3)細いノズルから滴下する方法等が知られている。
しかしながら、これらの方法で得られるハンダ粒子又はハンダボールは多分散であるため、分級工程が必要不可欠となる。このため、真球度が高く微細な球状ハンダ粒子等を製造しようとした場合、その収率が極めて低くなり、生産性の低下をもたらす。また、収率の低さを無視して、分級工程により微細球状粒子を得ようとしても、体積当たりの表面積が大きくなるため、表面酸化が顕著となる。これでは、今後要求される高密度実装化用に適した微細球状ハンダ粒子を製造することは困難である。
このように、従来技術のハンダ粒子・ハンダボールでは、ますます高密度化する表面実装技術に対応できなくなることは必至であり、これに代わる新たな材料の開発が急務とされている。
発 明 の 開 示
従って、本発明は、優れた単分散性を有する金属球状粒子を提供することを主な目的とする。
本発明者は、これら従来技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の方法によって製造された金属粒子が上記目的を達成できることを見出し、ついに本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の単分散金属球状粒子及びその製造方法に係るものである。
1.積算体積分布をもつ金属粒子であって、
1)当該分布の50体積%に対応する粒径が10μm以下であり、
2)当該分布の10体積%に対応する粒径が、当該分布の50体積%に対応する粒径の60%以上であり、
3)当該分布の90体積%に対応する粒径が、当該分布の50体積%に対応する粒径の125%以下である
ことを特徴とする単分散金属球状粒子。」

イ (公報14頁11行〜15頁7行)
「実施例1
金属として市販の鉛フリーハンダ(製品名「M705」千住金属工業社製、組成96.5Sn/3Ag/0.5Cu、融点217〜220℃)を用い、多孔質膜として平均細孔径2.52μmの親水性多孔質ガラス膜(CaO−B2O3−SiO2−Al2O3−Na2O−MgO系、製品名「SPG」宮崎県工業技術センター製)を用い、液体連続相として市販の潤滑油、分散剤としてステアリン酸亜鉛(上記油剤に対して2.0wt%)をそれぞれ用いた。製造装置としては、図2に示す装置を用いた。
まず、上記鉛フリーハンダを別の容器で加熱溶解し、表面に浮いた酸化層を取り除いた後、溶解したハンダを図2の装置の液体金属容器(6)に入れ、上方容器(8)内の温度をハンダの融点より高い約230℃に保った。下方容器(11)内は、融点より低く、ステアリン酸亜鉛が析出しない温度(約180℃)に設定した。次いで、循環ポンプ(10)により、潤滑油と分散剤の液体連続相(3)とを循環させながら、窒素ガスボンベを加圧源として液体金属(2)を加圧した。その結果、液体金属は0.56MPaで膜を透過し、均一な大きさの液体金属粒子が液体連続相に分散し、単分散エマルション(以下「M/O(matal in oil)エマルション」ともいう)が得られた。液体金属粒子は、下方容器(11)内に沈降し、固化した。試験終了後、下方容器(11)から液体連続相とともに固体金属粒子を回収し、トルエンでデカンテーションを行って液体連続相を取り除いた。得られた単分散固体金属球状粒子を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察した。その結果を図4〜図6にそれぞれ示す。また、得られた金属球状粒子の粒径分布を測定した結果を図7に示す。図7の粒径分布によれば、分布が非常に狭く、積算体積分布(21)における10%径(22)が50%径の0.85倍、90%径(24)が50%径の1.15倍であることから、金属球状粒子は単分散となっていることがわかる。また、上記粒子の平均長短度は1.03であり、高い真球度を有することがわかる。」

ウ 図7


第5 対比・判断

1 本願発明1

(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことが認められる。

引用発明の「ビスフェノールAエポキシ」および「アトマイズ半田粉」は、それぞれ、本願発明1の「熱硬化性成分」および「はんだ粒子」に相当する。

また、引用発明の「異方導電ペースト」は、「導電材料」の一種であるといえる。

したがって、本願発明1と引用発明とは、「熱硬化性成分と、複数のはんだ粒子とを含」む「導電材料」である点で共通しているといえる。

(2)一致点・相違点

本願発明1と、引用発明とは、以下アの点で一致し、以下イの点で相違する。

ア 一致点

「熱硬化性成分と、複数のはんだ粒子とを含む導電材料。」

イ 相違点

(ア)<相違点1>

本願発明1では、「前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の4倍以下」であるのに対し、引用発明では、最大粒子径23μm/最小径5μm=4.6倍である点。

(イ)<相違点2>

本願発明1では、「導電材料100体積%中、前記はんだ粒子の含有量が、10体積%以上95体積%以下」であるのに対し、引用発明では、導電材料100体積%中、はんだ粒子の含有量が、「5体積%」である点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて、まず、<相違点2>について検討する。

本願発明1の<相違点2>に係る「導電材料100体積%中、前記はんだ粒子の含有量が、10体積%以上95体積%以下である」構成について、引用文献1には、「また、絶縁性接着剤に対する導電粒子の配合量は3〜10体積%が良い。3体積%以下であると安定した導通信頼性が得られず、10体積%以上では隣接回路間の絶縁信頼性が劣る。」(公報2頁右上欄11〜14行)と記載され、引用発明として認定した、比較例1の評価でも、「線間絶縁抵抗(Ω)」の項目で「端子250本中3本短絡」(公報3頁右下欄 第1表)と記載されている。

これらの記載に接した当業者は、引用発明において、導電材料100体積%中、はんだ粒子の含有量を10体積%以上とすることを忌避するため、引用発明において、本願発明1の<相違点2>に係る構成を採用することに阻害事由があるといえる。

なお、引用文献2の段落0179には、「 上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上、最も好ましくは30重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。上記はんだ粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができ、電極間にはんだ粒子を多く配置することが容易であり、導通信頼性がより一層高くなる。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記はんだ粒子の含有量は多い方が好ましい。」との記載があるものの、上記阻害事由が否定されると認めるに足る記載は見当たらない。

また、引用文献3にも、上記阻害事由が否定されると認めるに足る記載記載は見当たらず、上記阻害事由が否定されると認めるに足る周知技術もない。

したがって、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者は、本願発明1の<相違点2>に係る構成を容易に想到することができない。

(4)小括

したがって、本願発明1は、その他の<相違点1>について検討するまでもなく、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2

本願発明2は、本願発明1を減縮したものであって、本願発明1と同一の構成を備えるものであるから、上記1で述べた本願発明1と同じ理由により、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

3 本願発明3

(1)対比

本願発明3と引用発明とを対比すると、次のことが認められる。

ア 引用発明の「ビスフェノールAエポキシ」および「アトマイズ半田粉」は、それぞれ、本願発明3の「熱硬化性成分」および「はんだ粒子」に相当する。

また、引用発明の「異方導電ペースト」は、「導電材料」の一種であるといえる。

したがって、本願発明3と引用発明とは、「熱硬化性成分と、複数のはんだ粒子とを含」む「導電材料」である点で共通しているといえる。

イ 引用発明の「導電粒子」である「アトマイズ半田粉」すなわち「はんだ粒子」は、「最大粒子径23μm、最小粒子径5μm」であり、最大粒子径23μm/最小径5μm=4.6倍となり、本願発明3と同様に、「前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の20倍未満であ」るといえる。

したがって、本願発明3と引用発明とは、「前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の20倍未満であ」る点で共通しているといえる。

(2)一致点・相違点

本願発明3と、引用発明とは、以下アの点で一致し、以下イの点で相違する。

ア 一致点

「熱硬化性成分と、複数のはんだ粒子とを含子とを含み、
前記はんだ粒子の最大粒子径が、前記はんだ粒子の最小粒子径の20倍未満である導電材料。」

イ 相違点

(ア)<相違点1>

本願発明3では、前記はんだ粒子の平均粒子径が、5μm以下であるのに対し、引用発明では、前記はんだ粒子の平均粒子径12μmである点。

(イ)<相違点2>

本願発明3では、導電材料100体積%中、「前記はんだ粒子の含有量が、10体積%以上95体積%以下」であるのに対し、引用発明では、導電材料100体積%中、はんだ粒子の含有量が、「5体積%」である点。

(3)相違点についての判断

事案に鑑みて、まず、<相違点2>について検討する。

本願発明3の<相違点2>に係る「導電材料100体積%中、前記はんだ粒子の含有量が、10体積%以上95体積%以下である」構成について、引用文献1には、「また、絶縁性接着剤に対する導電粒子の配合量は3〜10体積%が良い。3体積%以下であると安定した導通信頼性が得られず、10体積%以上では隣接回路間の絶縁信頼性が劣る。」(公報2頁右上欄11〜14行)と記載され、引用発明として認定した、比較例1の評価でも、「線間絶縁抵抗(Ω)」の項目で「端子250本中3本短絡」(公報3頁右下欄 第1表)と記載されている。

これらの記載に接した当業者は、引用発明において、導電材料100体積%中、はんだ粒子の含有量を10体積%以上とすることを忌避するため、引用発明において、本願発明3の<相違点2>に係る構成を採用することに阻害事由があるといえる。

なお、引用文献2の段落0179には、「 上記導電材料100重量%中、上記はんだ粒子の含有量は好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上、最も好ましくは30重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。上記はんだ粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極上にはんだ粒子をより一層効率的に配置することができ、電極間にはんだ粒子を多く配置することが容易であり、導通信頼性がより一層高くなる。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記はんだ粒子の含有量は多い方が好ましい。」との記載があるものの、上記阻害事由が否定されると認めるに足る記載は見当たらない。

また、引用文献3にも、上記阻害事由が否定されると認めるに足る記載は見当たらず、上記阻害事由が否定されると認めるに足る周知技術もない。

したがって、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者は、本願発明3の<相違点2>に係る構成を容易に想到することができない。

4 本願発明4〜7

本願発明4〜7は、いずれも、本願発明1あるいは3を減縮したものであって、本願発明1あるいは3と同一の構成を備えるものであるから、上記1で述べた本願発明1と同じ理由、あるいは、上記3で述べた本願発明3と同じ理由により、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

5 本願発明8、9

本願発明8および9は、いずれも、本願発明1あるいは3の導電材料を用いた接続構造体であって、本願発明1あるいは3と同一の構成を備えるものであるから、上記1で述べた本願発明1と同じ理由、あるいは、上記3で述べた本願発明3と同じ理由により、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

6 本願発明10、11

本願発明10および11は、いずれも、本願発明1あるいは3の導電材料を用いた接続構造体の製造方法であって、本願発明1あるいは3と同一の構成を備えるものであるから、上記1で述べた本願発明1と同じ理由、あるいは、上記3で述べた本願発明3と同じ理由により、引用発明および引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について

上記第5の1ないし6で述べたように、本願発明1ないし11はいずれも、引用発明、および、引用文献2ならびに3の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえないから、原査定の拒絶の理由(進歩性)は、解消している。

よって、原査定の理由は、維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2023-09-11 
出願番号 P2019-027262
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01B)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 山澤 宏
特許庁審判官 野崎 大進
富澤 哲生
発明の名称 導電材料、接続構造体及び接続構造体の製造方法  
代理人 弁理士法人大阪フロント特許事務所  

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