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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1402697
総通号数 22 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-04-12 
確定日 2023-10-10 
事件の表示 特願2021−532141「透明キーキャップ」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 2日国際公開、WO2020/139417、令和 4年 1月31日国内公表、特表2022−511536、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2019年(令和元年)6月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年12月26日 米国、2019年5月9日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和4年 5月27日付け:拒絶理由通知
令和4年 8月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年12月13日付け:拒絶査定(原査定)
令和5年 4月12日 :拒絶査定不服審判の請求、誤訳訂正書の提出

第2 原査定の概要

原査定の概要は、次のとおりである。

2.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
3.(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


●理由2(特許法第36条第6項第1号)について
・請求項 5
(令和4年 8月30日提出の手続補正書により)補正後の請求項1の「前記上部外面が、少なくとも2つの縁部と中心部とを含み、前記少なくとも2つの縁部は、前記中心部に対して隆起しており、前記中心部は平面状である、」との記載と、補正前の請求項8に対応する補正後の請求項5の「前記上部外面が、前記中心部にある第1のテクスチャと、前記中心部の径方向外側にある第2のテクスチャと、を含み、前記第2のテクスチャは前記第1のテクスチャとは異なる、」との記載は、依然として発明の詳細な説明の記載との対応関係が明確でない。
すなわち、「2つの縁部」(請求項1)と、「前記中心部の径方向外側」(請求項5)は、その相互関係がなんら特定されていないから、「隆起」している「2つの縁部」と、中心部(この語は請求項1と5で共通している)(補正後の請求項1で「平面状」と限定されている)の「径方向外側」にある「第2のテクスチャ」が「前記中心部にある第1のテクスチャ」(上記のとおり「平面状」である)と「異なる」という2つの構成が含まれるように記載されており、発明の詳細な説明と対応しない。
出願人は意見書で図8,9によってサポートされていると主張しているが、当該実施例は「異なるテクスチャ」に関する実施例であり、上記のような中心部の縁部に「隆起」を持ち、さらに、中心部の径方向外側に「異なるテクスチャ」を備える構成は、記載も示唆もされていない。

●理由3(特許法第36条第6項2号)について
・請求項 4
出願人は意見書で「他方、請求項1では、図示されたような形で上部外面がカーブしていることまでは規定されておりませんので、この点において請求項4との差異は明確であり、請求項4に係る発明は明確であるものと思料します。」と述べているが、「図示されたような形で上部外面がカーブしていること」は、補正後の請求項4には記載されておらず、この主張は特許請求の範囲の記載に基づくものではないので、採用できない。

・請求項 5
補正後の請求項5の記載は、請求項5の「(第2の)テクスチャ」と、請求項5が引用する請求項1の「隆起している」との対応関係がなんら特定されておらず、対応関係が明確でない。
出願人の意見書における主張は、上記のとおり図8,9でサポートされているというものであるが、上記のとおり、請求項5の記載は「テクスチャ」と「隆起」の関係についてなんら特定していないから、この主張は特許請求の範囲の記載に基づくものではないので採用できない。

第3 本願発明

本願請求項1ないし5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は、令和5年4月12日に提出された誤訳訂正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される、次のとおりの発明である。

「【請求項1】
キーボード用のキーキャップであって、
キーボディであって、
上部外面と、
底面を有する透明ボディと、
前記透明ボディの前記底面に取り付けられた遮光材料であって、グリフ形状を画定する遮光材料と、
前記透明ボディと前記遮光材料とを支持するように構成されているキャリアボディと、
を含む、キーボディ
を含み、
前記上部外面が、少なくとも2つの縁部と中心部とを含み、前記少なくとも2つの縁部は、前記中心部に対して隆起しており、前記中心部は平面状である、
キーキャップ。
【請求項2】
前記透明ボディがガラス材料を含み、前記キャリアボディがポリマー材料を含み、前記遮光材料が、前記ガラス材料と前記ポリマー材料との間に配置された不透明層を含む、請求項1に記載のキーキャップ。
【請求項3】
前記透明ボディが透明ポリマー材料を含む、請求項1に記載のキーキャップ。
【請求項4】
前記上部外面が、前記少なくとも2つの縁部に沿って少なくとも2つの畝状部分を含む、請求項1に記載のキーキャップ。
【請求項5】
キーボード用のキーキャップであって、
キーボディであって、
上部外面と、
底面を有する透明ボディと、
前記透明ボディの前記底面に取り付けられた遮光材料であって、グリフ形状を画定する遮光材料と、
前記透明ボディと前記遮光材料とを支持するように構成されているキャリアボディと、
を含む、キーボディ
を含み、
前記上部外面が、少なくとも2つの縁部と中心部とを含み、
前記上部外面が、前記中心部にある第1のテクスチャと、前記中心部の径方向外側にある第2のテクスチャと、を含み、前記第2のテクスチャは前記第1のテクスチャとは異なる、
キーキャップ。」

第4 原査定についての判断

(1)理由2(特許法第36条第6項第1号)について

令和5年4月12日に提出された誤訳訂正書により補正された特許請求の範囲の請求項5は、本願の図8および9に基づくものとなった。

したがって、原査定の理由2を維持することはできない。

(2)理由3(特許法第36条第6項2号)について

・請求項4

令和5年4月12日に提出された誤訳訂正書により、特許請求の範囲の請求項4は、補正前の「隆起部分」という記載を「畝状部分」と補正し、当該補正により、請求項4の記載は明瞭となった。

・請求項5

令和5年4月12日に提出された誤訳訂正書により補正された特許請求の範囲の請求項5は、独立請求項となり、請求項5の「テクスチャ」は、旧引用元である請求項1の「隆起している」とは無関係となった。

したがって、原査定の理由3を維持することはできない。

(3)小括

以上から、原査定の拒絶の理由は、いずれも、維持することはできない。

第5 むすび

以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2023-09-25 
出願番号 P2021-532141
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 山澤 宏
特許庁審判官 野崎 大進
山内 裕史
発明の名称 透明キーキャップ  
代理人 弁理士法人大塚国際特許事務所  

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