• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G06Q
管理番号 1402800
総通号数 22 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2023-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-05-24 
確定日 2023-10-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第7178019号発明「情報システム、出力装置、端末装置、情報処理方法、およびプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第7178019号の請求項1〜9に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7178019号の請求項1〜9に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成29年(2017年)10月16日(優先権主張 同年8月21日)に出願され、令和4年11月16日にその特許権の設定登録がされ、同年11月25日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和5年5月24日に特許異議申立人 IPセイル合同会社(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明
特許第7178019号の請求項1〜9に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」〜「本件発明9」といい、併せて「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1〜9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置と、端末装置とを具備する情報システムであって、
前記出力装置は、
ユニークなIDを生成するID生成部と、
顧客に関する顧客情報を受け付ける顧客情報受付部と、
前記IDと前記顧客情報とが埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、
前記コードを出力する出力部と、
前記端末装置が受け付けた決済指示に応じて、決済が完了した旨の決済完了情報を受信する受信部とを具備し、
前記出力部は、前記決済完了情報を出力し、
前記端末装置は、
前記コードを受け付けるコード受付部と、
前記コードを用いて、サーバ装置にアクセスし、商品を注文するためのメニューを受信するメニュー受信部と、
前記メニューを出力するメニュー出力部と、
前記メニューに対する入力であり、商品の注文の指示である注文指示を受け付ける注文指示受付部と、
前記注文指示を送信する注文指示送信部と、
決済を行う旨の指示である決済指示を受け付ける決済指示受付部と、
前記決済指示の受け付けに応じて、決済のための決済処理を行う決済処理部と、
前記決済処理に応じて、決済が完了した旨の情報である決済完了情報を前記出力装置に送信する決済完了情報送信部とを具備する情報システム。
【請求項2】
前記コードに埋め込まれた顧客情報に応じて、異なるメニューを受信する、請求項1記載の情報システム。
【請求項3】
前記コードは伝票毎のコードである、請求項1または請求項2記載の情報システム。
【請求項4】
店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置であって、
ユニークなIDを生成するID生成部と、
顧客に関する顧客情報を受け付ける顧客情報受付部と、
前記IDと前記顧客情報とが埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、
前記コードを出力する出力部と、
前記コードを受け付けた端末装置が受け付けた決済指示に応じて、決済が完了した旨の決済完了情報を受信する受信部とを具備し、
前記出力部は、前記決済完了情報を出力する、出力装置。
【請求項5】
顧客に関する顧客情報が埋め込まれているコードであり、店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置が出力したコードを受け付けるコード受付部と、
前記コードを用いて、サーバ装置にアクセスし、商品を注文するためのメニューを受信するメニュー受信部と、
前記メニューを出力するメニュー出力部と、
前記メニューに対する入力であり、商品の注文の指示である注文指示を受け付ける注文指示受付部と、
前記注文指示を送信する注文指示送信部と、
決済を行う旨の指示である決済指示を受け付ける決済指示受付部と、
前記決済指示の受け付けに応じて、決済のための決済処理を行う決済処理部と、
前記決済処理に応じて、決済が完了した旨の情報である決済完了情報を前記出力装置に送信する決済完了情報送信部とを具備する端末装置。
【請求項6】
店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末であって、ID生成部、顧客情報受付部、コード生成部、出力部、および受信部を備えた出力装置により実現される情報処理方法であって、
前記ID生成部が、ユニークなIDを生成するID生成ステップと、
前記顧客情報受付部が、顧客に関する顧客情報を受け付ける顧客情報受付ステップと、
前記コード生成部が、前記IDと前記顧客情報とが埋め込まれたコードを生成するコード生成ステップと、
前記出力部が、前記コードを出力する出力ステップと、
前記受信部が、前記コードを受け付けた端末装置が受け付けた決済指示に応じて、決済が完了した旨の決済完了情報を受信する受信ステップと、
前記出力部が、前記決済完了情報を出力する第二出力ステップとを具備する情報処理方法。
【請求項7】
コード受付部、メニュー受信部、メニュー出力部、注文指示受付部、注文指示送信部、決済指示受付部、決済処理部、および決済完了情報送信部を備えた端末装置により実現される情報処理方法であって、
前記コード受付部が、顧客に関する顧客情報が埋め込まれているコードであり、店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置が出力したコードを受け付けるコード受付ステップと、
前記メニュー受信部が、前記コードを用いて、サーバ装置にアクセスし、商品を注文するためのメニューを受信するメニュー受信ステップと、
前メニュー出力部が、前記メニューを出力するメニュー出力ステップと、
前記注文指示受付部が、前記メニューに対する入力であり、商品の注文の指示である注文指示を受け付ける注文指示受ステップと、
前記注文指示を送信する注文指示送信ステップと、
前記決済指示受付部が、決済を行う旨の指示である決済指示を受け付ける決済指示受付ステップと、
前記決済処理部が、前記決済指示の受け付けに応じて、決済のための決済処理を行う決済処理ステップと、
前記決済完了情報送信部が、前記決済処理に応じて、決済が完了した旨の情報である決済完了情報を前記出力装置に送信する決済完了情報送信ステップとを具備する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
ユニークなIDを生成するID生成部と、
顧客に関する顧客情報を受け付ける顧客情報受付部と、
前記IDと前記顧客情報とが埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、
前記コードを出力する出力部と、
前記コードを受け付けた端末装置が受け付けた決済指示に応じて、決済が完了した旨の決済完了情報を受信する受信部として機能させるためのプログラムであって、
前記出力部は、前記決済完了情報を出力する、ものとして、前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
顧客に関する顧客情報が埋め込まれているコードであり、店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置が出力したコードを受け付けるコード受付部と、
前記コードを用いて、サーバ装置にアクセスし、商品を注文するためのメニューを受信するメニュー受信部と、
前記メニューを出力するメニュー出力部と、
前記メニューに対する入力であり、商品の注文の指示である注文指示を受け付ける注文指示受付部と、
前記注文指示を送信する注文指示送信部と、
決済を行う旨の指示である決済指示を受け付ける決済指示受付部と、
前記決済指示の受け付けに応じて、決済のための決済処理を行う決済処理部と、
前記決済処理に応じて、決済が完了した旨の情報である決済完了情報を前記出力装置に送信する決済完了情報送信部として機能させるためのプログラム。」

第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証〜甲第4号証(以下、それぞれ「甲1」〜「甲4」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):特開2016−143195号公報
甲第2号証(甲2):“QRコードを撮って注文から決済まで - 新モバイル決済「ZNAP」を試してみた”、2014年2月7日、<URL:https://news.mynavi.jp/techplus/article/20140207-znap/>
甲第3号証(甲3):特表2015−516631号公報
甲第4号証(甲4):特開2013−246486号公報

2 特許異議の申立理由
異議申立人の主張する特許異議の申立ての理由(進歩性欠如)の概要は以下のとおりである。
(1) 本件発明1、3〜9
本件発明1、3〜9は、甲1に記載された発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。

(2) 本件発明2
本件発明2は、甲1に記載された発明、甲2〜甲4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。

第4 異議申立人の提出した証拠の記載
1 甲1について
(1) 甲1の記載
甲1には、以下の記載がある(下線加筆、以下同じ。)。
「【0013】
本実施例の注文受付システム1は、店舗内の各テーブル3に設けられる注文入力装置7と、この注文入力装置7と無線または有線で接続され、店舗に置かれる管理装置11と、この管理装置11に接続される外部管理装置15とを備えて構成される。・・・」
「【0035】
食事が終わり、会計をする際には、トップ画面101に表示された「お会計」入力操作部(ボタン等)117を押せばよい。これにより、図9に示すように、注文した商品、数量、および金額の一覧143が表示されると共に、合計金額144が表示され、さらに、「精算する」入力操作部(ボタン等)145が表示された画面(精算確認画面)147が表示される。そして、「精算する」入力操作部(ボタン等)145を押すことで、たとえば図10に示すように、「ありがとうございました しばらくお待ちください」というメッセージが表示された画面(ディスポーズ画面)149が表示される。
【0036】
客が、「精算する」入力操作部(ボタン等)145を押した際、そのテーブルのすべての注文情報を管理していた管理装置11は、注文内容に基づいて会計処理を実行し、出力装置等から伝票・それに代わる電子データ等が書き込まれた媒体等が発行・作成される。・・・」
「【0040】
図11は、客の携帯端末から注文する際の流れを示すフローチャートである。
【0041】
客が所有する携帯端末201は、CPU203を有し、このCPU203には、記憶メモリ205、撮像装置(カメラ)207、および表示部・注文入力手段としてタッチパネル209が接続されている。
また、携帯端末201には、二次元コード(QRコード等)を読み取るための処理プログラム(アプリケーションソフトウェア等)が、ダウンロードされるなどして予め有されている。
【0042】
客が所有する携帯端末201と外部管理装置15は、ネットワーク213を介して接続されており、互いに情報の送受信が可能とされる。ネットワーク213としては、公衆電話回線又はインターネットなど、公知のものが一以上採用される。具体的には、3G回線、あるいは4G回線などが採用される。
【0043】
客が所有する携帯端末201により注文を可能とする場合、客は、まず注文入力装置7のトップ画面101に表示された携帯端末注文受付用の入力操作部(ボタン等)119をタッチする(ST1)。
【0044】
客が、携帯端末注文受付用の入力操作部(ボタン等)119をタッチすることで、管理装置11に対して、二次元コードの作成が要求される(ST2)。
二次元コードの作成要求を受けた管理装置11は、二次元コード情報(URL)を作成する(ST3)。本実施例では、二次元コードとして、QRコード(登録商標)が用いられる。
管理装置11は、二次元コード情報を注文入力装置7に送り(ST4)、それを注文入力装置7が受信(ST5)した後、二次元コード情報に基づいてQRコードを作成する。そして、注文入力装置7には、図12に示すように、QRコード225が表示される画面(二次元コード表示画面227)が、表示される(ST6)。
【0045】
このQRコード225には、外部管理装置15のURL(Uniform Resource Locator)アドレスが含まれており、このURLアドレスには、店舗情報(店舗ID)、席端末情報(客席ID)、伝票コード(伝票ID)、および二次元コードの作成時の固有情報を含め暗号化されて埋め込まれている。
【0046】
また、注文入力装置7には、QRコード225が表示されると共に、パスワードを入力する欄231も同時に表示される。
【0047】
客は、自身の携帯端末201の処理プログラム(アプリケーションソフトウェア等)を起動させて、携帯端末201のカメラ207により、注文入力装置7に表示されたQRコード225を撮像して読み取り(ST7)、外部管理装置15へアクセスする。
【0048】
外部管理装置15は、携帯端末201からアクセスされると、どの店舗のどのテーブルからの接続要求かをURLから識別し、セッションを生成すると共に、パスワードを生成する(ST8)。
・・・
【0051】
外部管理装置15で生成された4ケタのパスワードは、客の携帯端末に送信され(ST9)、パスワードを受信した客の携帯端末201には、図13に示すように、パスワードが表示される画面(パスワード通知画面)237が表示される(ST10)。
図示例では、「2601」の4ケタのパスワードを注文入力装置7へ入力するよう促す画面(パスワード通知画面)237が、携帯端末201に表示されている。
【0052】
また、外部管理装置15は、管理装置11に、外部管理装置15へアクセスした客の顧客情報(店舗ID、客席ID、伝票ID、認証ID)およびパスワード情報を送信し、管理装置11に対して、携帯端末の認証の実行を要求する(ST11)。
なお、認証IDは、店舗ID、客席ID、伝票IDなどから作られ、客を識別するためのものである。
【0053】
客は、携帯端末201に表示されたパスワードを、図14に示すように、注文入力装置7の二次元コード表示画面227の入力欄231に、表示される入力操作部(ボタン等)241を使用して入力する(ST12)。
すなわち、入力操作部(ボタン等)241を使用して「2601」と入力し、二次元コード表示画面227中の「接続」入力操作部(ボタン等)245を押す。
これにより、入力されたパスワード情報が、管理装置11に送信される(ST13)。
【0054】
注文入力装置7からパスワード情報を受信した管理装置11は、外部管理装置15から送られてきたパスワードと一致するか否かを判定(ST14)し、その結果を注文入力装置7および外部管理装置15へ通知する(ST15)。
【0055】
一致すると判断した場合には、図15に示すように、注文入力装置7に、接続成功を知らせる画面(接続成功通知画面)251が表示される(ST16)。そして、客が接続成功通知画面251中の「はい」入力操作部(ボタン等)253を押すことで、トップ画面101に戻る。
【0056】
また、管理装置11が一致すると判定した場合、判定結果を受信(ST17)した外部管理装置15は、客の携帯端末201に、判定結果およびニックネームを送信する(ST18)。
【0057】
これにより、客の携帯端末201には、図16に示すように、接続完了を通知する画面(接続完了通知画面)255が表示(ST19)される。また、この画面255において、登録された個別の名称(ニックネーム)が表示される。図示例では、「りんご」が表示される。
【0058】
具体的には、管理装置11は、携帯端末201から注文しようとする顧客に対して、個別の名称(ニックネーム)を付与する。
この個別の名称は、予め複数用意されて管理装置11の記憶メモリ43に記憶されている。たとえば、本実施例では、りんご、みかん、メロン、スイカなどの名称が準備されており、そのうち、テーブルごとに現在使用されていない名称一つが付与される。
【0059】
図16に示す携帯端末201に表示された接続完了通知画面255の「閉じる」入力操作部(ボタン等)259をタッチすることで、携帯端末201には、注文入力装置7の場合と同様、図17に示すように、飲食物が種類ごとに分けられたトップ画面261が処理プログラムを介して表示され(ST20)、注文の受け付けが可能とされる。つまり、トップ画面261には、「グランドメニュー」入力操作部(ボタン等)271、「ランチメニュー」入力操作部(ボタン等)273、「デザート」入力操作部(ボタン等)275、「モーニングメニュー」入力操作部(ボタン等)277、「おすすめ」入力操作部(ボタン等)279、および「ドリンク」入力操作部(ボタン等)281が表示されている。
【0060】
携帯端末201から注文する場合は、注文入力装置7から注文する場合と同様、たとえば、「ドリンク」入力操作部(ボタン等)281をタッチして選択すると、図18に示すように、ドリンクの一覧が表示される画面(商品選択画面)291が表示される。なお、図18の画面は、下方にドリンクの一覧の続きがあり、周知のとおり画面をスクロールして閲覧することができる。
【0061】
そして、商品選択画面291において「オレンジジュース」入力操作部(ボタン等)293を押して選択すると、図19に示すように、注文数を選択する画面(注文数指定画面)301が表示される。図示例では、ドロップダウン形式で数量を選択する欄303が表示される。また、この画面301には、「メニューへ戻る」入力操作部(ボタン等)305も表示される。
【0062】
数量を選択した後、「メニューへ戻る」入力操作部(ボタン等)305を押すと、図20に示すように、選択した商品と数量が一覧307となって表示されると共に、「注文する」入力操作部(ボタン等)309が表示された画面(注文確認画面)311が、携帯端末201に表示される。この「注文する」入力操作部(ボタン等)309を押すことで、注文情報および顧客情報が、外部管理装置15へ送信される(ST21)。
【0063】
注文情報および顧客情報を受信(ST22)した外部管理装置15は、管理装置11にその情報を送信する(ST23)。注文情報を受信した管理装置11は、注文内容および顧客情報を調理指示端末19に送信し(ST24)、調理指示端末19のタッチパネル75に注文内容およびテーブル番号が表示される。そして、これに基づいて、厨房において調理がなされ、店員が注文品を注文客のテーブルへ搬送する。
・・・
【0069】
食事が終了したなら、先ほどと同様、トップ画面101に表示される「お会計」入力操作部(ボタン等)117を押すことで会計処理が行われ、さらにセッションが解放されて、携帯端末201からの注文が不可能となる。」

【図1】


【図2】


【図4】


ア 上記【0013】によれば、注文受付システム1は、店舗内の各テーブル3に設けられる注文入力装置7と、この注文入力装置7と無線または有線で接続され、店舗に置かれる管理装置11と、この管理装置11に接続される外部管理装置15とを備えて構成される。また、上記【0040】及び【0041】によれば、注文受付システム1は、客が所有する携帯端末201から注文することもできるから、注文受付システム1は、客が所有する携帯端末201も含めたシステムであるということができる。

イ 上記【0041】によれば、携帯端末201は、二次元コード(QRコード等)を読み取るための処理プログラムを有している。また、上記【0042】によれば、客が所有する携帯端末201と外部管理装置15は、ネットワーク213を介して接続されている。

ウ 上記【0043】及び【0044】によれば、客が所有する携帯端末201により注文を可能とする場合、客が注文入力装置7のトップ画面101に表示された携帯端末注文受付用の入力操作部(ボタン等)119をタッチすると、管理装置11に対して、二次元コードの作成が要求される。

エ また、上記【0044】によれば、二次元コードの作成要求を受けた管理装置11は、二次元コード情報(URL)を作成して、二次元コード情報を注文入力装置7に送る。

オ さらに、上記【0044】によれば、注文入力装置7は、二次元コード情報を受信した後、二次元コード情報に基づいてQRコードを作成して、画面に表示する。なお、上記【0045】によれば、QRコード225には、外部管理装置15のURLアドレスが含まれており、このURLアドレスには、店舗情報(店舗ID)、席端末情報(客席ID)、伝票コード(伝票ID)及び二次元コードの作成時の固有情報を含め暗号化されて埋め込まれている。

カ 上記【0047】によれば、客は、自身の携帯端末201の処理プログラムを起動させて、携帯端末201のカメラ207により、注文入力装置7に表示されたQRコード225を撮像して読み取り、外部管理装置15へアクセスする。

キ 上記【0048】及び【0051】によれば、外部管理装置15は、携帯端末201からアクセスされると、どの店舗のどのテーブルからの接続要求かをURLから識別し、4ケタのパスワードを生成して客の携帯端末に送信する。

ク 上記【0052】によれば、外部管理装置15は、管理装置11に、外部管理装置15へアクセスした客の顧客情報(店舗ID、客席ID、伝票ID、認証ID)及びパスワード情報を送信し、管理装置11に対して、携帯端末の認証の実行を要求する。

ケ 上記【0053】によれば、客が携帯端末201に表示されたパスワードを注文入力装置7の二次元コード表示画面227の入力欄231に入力することにより、入力されたパスワード情報が、管理装置11に送信される。

コ 上記【0054】によれば、注文入力装置7からパスワード情報を受信した管理装置11は、外部管理装置15から送られてきたパスワードと一致するか否かを判定し、その結果を注文入力装置7及び外部管理装置15へ通知する。

サ 上記【0056】によれば、管理装置11が一致すると判定した場合、判定結果を受信した外部管理装置15は、客の携帯端末201に、判定結果及びニックネームを送信する。

シ 上記【0059】によれば、携帯端末201には、飲食物が種類ごとに分けられたトップ画面261が処理プログラムを介して表示され、注文の受け付けが可能とされる。

ス 上記【0060】〜【0062】によれば、携帯端末201から注文する場合は、たとえば、「ドリンク」入力操作部(ボタン等)281をタッチして選択すると、ドリンクの一覧が表示される画面(商品選択画面)291が表示され、商品選択画面291において「オレンジジュース」入力操作部(ボタン等)293を押して選択すると、注文数を選択する画面(注文数指定画面)301が表示され、数量を選択した後、「メニューへ戻る」入力操作部(ボタン等)305を押すと、選択した商品と数量が一覧307となって表示されると共に、「注文する」入力操作部(ボタン等)309が表示された画面(注文確認画面)311が、携帯端末201に表示され、この「注文する」入力操作部(ボタン等)309を押すことで、注文情報および顧客情報が、外部管理装置15へ送信される。

(2) 甲1発明
上記(1)によれば、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。

[甲1発明]
店舗内の各テーブル3に設けられる注文入力装置7と、この注文入力装置7と無線または有線で接続され、店舗に置かれる管理装置11と、この管理装置11に接続される外部管理装置15と、客が所有する携帯端末201とを備えて構成される注文受付システム1において、
携帯端末201は、二次元コード(QRコード等)を読み取るための処理プログラムを有し、外部管理装置15と、ネットワーク213を介して接続されており、
客が所有する携帯端末201により注文を可能とする場合、客が注文入力装置7のトップ画面101に表示された携帯端末注文受付用の入力操作部をタッチすると、管理装置11に対して、二次元コードの作成が要求され、
二次元コードの作成要求を受けた管理装置11は、二次元コード情報(URL)を作成して、二次元コード情報を注文入力装置7に送り、
注文入力装置7は、二次元コード情報を受信した後、二次元コード情報に基づいて、店舗情報(店舗ID)、席端末情報(客席ID)、伝票コード(伝票ID)及び二次元コードの作成時の固有情報を含め暗号化されて埋め込まれたURLアドレスを含むQRコード225を作成して、画面に表示し、
客は、自身の携帯端末201の処理プログラムを起動させて、携帯端末201のカメラ207により、注文入力装置7に表示されたQRコード225を撮像して読み取り、外部管理装置15へアクセスし、
外部管理装置15は、携帯端末201からアクセスされると、どの店舗のどのテーブルからの接続要求かをURLから識別し、4ケタのパスワードを生成して客の携帯端末に送信し、
外部管理装置15は、管理装置11に、外部管理装置15へアクセスした客の顧客情報(店舗ID、客席ID、伝票ID、認証ID)及びパスワード情報を送信し、管理装置11に対して、携帯端末の認証の実行を要求し、
客が携帯端末201に表示されたパスワードを注文入力装置7の二次元コード表示画面227の入力欄231に入力することにより、入力されたパスワード情報が、管理装置11に送信され、
注文入力装置7からパスワード情報を受信した管理装置11は、外部管理装置15から送られてきたパスワードと一致するか否かを判定し、その結果を注文入力装置7及び外部管理装置15へ通知し、
管理装置11が一致すると判定した場合、判定結果を受信した外部管理装置15は、客の携帯端末201に、判定結果及びニックネームを送信し、
携帯端末201には、飲食物が種類ごとに分けられたトップ画面261が処理プログラムを介して表示され、注文の受け付けが可能とされ、
携帯端末201から注文する場合は、たとえば、「ドリンク」入力操作部(ボタン等)281をタッチして選択すると、ドリンクの一覧が表示される画面(商品選択画面)291が表示され、商品選択画面291において「オレンジジュース」入力操作部(ボタン等)293を押して選択すると、注文数を選択する画面(注文数指定画面)301が表示され、数量を選択した後、「メニューへ戻る」入力操作部(ボタン等)305を押すと、選択した商品と数量が一覧307となって表示されると共に、「注文する」入力操作部(ボタン等)309が表示された画面(注文確認画面)311が、携帯端末201に表示され、この「注文する」入力操作部(ボタン等)309を押すことで、注文情報および顧客情報が、外部管理装置15へ送信される、
注文受付システム1。

2 甲2について
甲2には、以下の記載がある。
(1頁)


(2頁)


(3頁)


(4頁)


(5頁)


(6頁)


(7頁)


(8頁)


3 甲3について
甲3には、以下の記載がある。
「【0022】
図1を参照する。多様な実施態様によれば、現在の請求の範囲に記載されている発明は、インターネット等の第1の通信ネットワーク105を通じてアクセス可能な中央処理サーバ106と、個人ユーザ101および103ならびにビジネス・ユーザ104を含む複数のユーザと、第1の通信ネットワーク105を通じて中央処理サーバにアクセスすることが可能なモバイル通信デバイスおよびコンピューティング・デバイスと、第1の通信と同じであるとすることが可能な第2の通信ネットワーク107を通じて中央処理サーバに接続される金融機関、為替、および決済センター108と、を包含する。モバイル通信デバイスの例示的な実施態様には、限定ではないが、携帯電話、パーソナル・コンピュータ類似のケイパビリティを伴う携帯電話(一般に『スマートフォン』と呼ばれる)、電子携帯情報端末(PDA)、有線または無線ワイド・エリア・ネットワークおよび/またはテレコミュニケーション・ケイパビリティを伴うタブレット・パーソナル・コンピュータおよび『ネットブック』パーソナル・コンピュータ等のポータブル・コンピュータが含まれる。コンピューティング・デバイスの例示的な実施態様には、限定ではないが、パーソナル・コンピュータ、電子的な販売時点金銭登録機(POSマシン)、および電子キオスクが含まれる。
・・・
【0024】
多様な実施態様によれば、コンピュータ生成されるバーコードはクイック・レスポンス(QR)コード等のマトリクスまたは2次元バーコードである。バーコードは、そのバーコードを発行したユーザのアイデンティティ、基本通貨、およびセキュリティ・データのエンコード済みデータ、およびオプションとして基本通貨、支払金額、特定の取引、POS、およびそのバーコードに関連付けされる製品またはサービスの情報を含む。バーコードは、公共料金請求、価格見積、商品の購入注文、資金移転の許可、金銭上の取引要求または承認、またはセキュリティ・アクセス・キーコードを表わすことが可能である。バーコードは、物理的な商品の上、製品カタログ、ポスター、または雑誌といった製品を宣伝する印刷媒体の上、ウェブ・サイト等の電子出版の上、または紙の送り状の上にプリントすることおよび表示することが可能である。またバーコードを電子メッセージ内に埋め込み、電子メッセージを受信し、表示する能力を有する任意のデバイスによって表示することもできる。電子メッセージは、電子メール、インターネット・インスタント・メッセージ、またはショート・メッセージ・サービス(SMS)テレコミュニケーション・メッセージとすることができる。さらに、安全なモバイル支払モバイル・アプリケーションを実行しているモバイル通信デバイスによりバーコードを表示することも可能である。」
「【0043】
・・・
12. (211)その後、中央処理サーバは、電子メール、インターネット・インスタント・メッセージ、SMSテレコミュニケーション・メッセージ、安全なモバイル支払モバイル・アプリケーションのための通信メッセージ、または安全なモバイル支払サーバ・バックエンドAPIを介した通信によって、支払人ユーザおよび受取人ユーザの両方に取引の実行結果を送信する。取引の実行結果および履歴ログは、ウェブ・ブラウザ・アプリケーションを実行しているコンピューティング・デバイスまたはモバイル通信デバイス、またはウェブ・コンテンツへのアクセスおよび表示のために特別に設計された任意のアプリケーション・ソフトウエアまたはファームウエアによってアクセス可能、かつ読み取り可能なウェブ・サイトにも示される。」
「【0047】
図4Aおよび図4Bを参照する。多様な実施態様によれば、安全なモバイル支払の方法は、以下に示すステップを包含する小売店における商品のための顧客ユーザ支払のプロセスを包含する。
1. (401)QRコードが、商人ユーザによって、中央処理サーバにアクセスするウェブ・ブラウザ・アプリケーションを実行しているクライアント・コンピューティング・デバイスまたはモバイル通信デバイス、またはその商人ユーザのユーザ・アカウントとのペアリングがすでに済んでおり、かつ安全なモバイル支払モバイル・アプリケーションを実行しているモバイル通信デバイスを使用して生成される。
・・・
3. (402)QRコードは、商人ユーザの識別に関する情報を少なくとも用いて生成することが可能である。QRコードの生成に含まれるものとして、中央処理サーバのデータ・リポジトリ内に保存される商人ユーザ定義の商品情報の参照に使用可能な参照データがある。商品情報には、製品の名前、製品の説明、商品の販売単位当たりの売価に適用される税額を加えた金額を含めることができる。
・・・
5. (403)QRコードは、商品アイテムに貼り付けられるラベルとして、または印刷媒体上に、プリントアウトするか、モニタ・スクリーン上に表示するか、または展示エリア、好ましくは支払カウンタに掲示し、顧客ユーザが(404)商品のための支払を行なうとき、(405)安全なモバイル支払モバイル・アプリケーションを実行している自分のモバイル通信デバイスを使用してそのQRコードの画像を光学的に取り込み、支払プロセスを開始できるようにすることが可能である。
・・・
7. 支払プロセスの完了に当たり、商人ユーザおよび顧客ユーザの両方は、取引完了の通知を受け取る。」

【図1】


4 甲4について
甲4には、以下の記載がある。
「【0005】
客の嗜好は、その客の年齢や性別等の属性、さらには時間帯に応じて異なる。そのため、おすすめメニューを事前に設定されたメニュー品目に固定すると、客の嗜好に合ったメニュー品目をリコメンドできず、十分な効果が得られない虞がある。」
「【0015】
注文端末2は、客自身の操作により当該飲食店にて提供されるメニュー品目からの注文を受け付ける。・・・」
「【0032】
具体的には、おすすめファイルFA1,FA2は、いずれも男性、女性、子供のそれぞれに対応するレコード(図5,図6における各行)を有する。各レコードには、6つのおすすめメニューR1,R2,R3,R4,R5,R6として、メニュー品目を識別するためのメニューコードが書き込まれる。」
「【0044】
ステップS106の処理は、例えば注文端末2とサーバ1とを協働させることで実現できる。この場合、例えばCPU20は、ステップS104にて特定した属性およびステップS105にて特定した時間帯をサーバ1に送信し、サーバ1からの返信を待つ。サーバ1のCPU10は、属性および時間帯を受信すると、おすすめファイルFA1,FA2のうち当該時間帯に対応する一方から当該属性に係るレコードを抽出し、注文端末2に返信する。このように返信されたレコードを受信することによって、CPU20はおすすめメニューR1〜R6に対応するメニューコードを取得することができる。」
「【0074】
例えば、客の属性として男性、女性、子供の3パターン以外のものを採用してもよい。例えば、10歳未満、10歳以上20歳未満、20歳以上30歳未満・・・のようにより詳細な年齢別の属性を採用したり、年齢および性別以外の事項に関する属性、例えば客の体格(身長や体重等)を加えるなどしてもよい。」

【図5】


【図6】


第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1) 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
ア 甲1発明の「注文入力装置7」は「店舗内の各テーブル3に設けられる」ものであるところ、本件発明1の「出力装置」について、本件特許についての出願の願書に添付された明細書(以下、「本件明細書」という。)には「出力装置1は、例えば、店舗に設置されている端末等でも良い。」(【0030】)と記載されている。そうすると、甲1発明の「注文入力装置7」は、本件発明1の「店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置」のうち、択一的に選択される「店舗に設置されている端末である出力装置」に相当する。
また、甲1発明の「携帯端末201」は、本件発明1の「端末装置」に相当する。

イ 甲1発明の「注文受付システム1」は、「二次元コード情報」、「顧客情報」及び「パスワード情報」等の情報を扱うシステムであるから、本件発明1と同様の「情報システム」であるということができる。

ウ 甲1発明の「注文入力装置7」は、「二次元コードの作成時の固有情報」を含めて、「QRコード225」(二次元コード)を作成しているところ、「二次元コードの作成時の固有情報」は「ユニークなID」であるといえるから、「注文入力装置7」は、本件発明1と同様の「ユニークなIDを生成するID生成部」を具備しているといえる。
また、甲1発明の「注文入力装置7」は、「管理装置11」から「二次元コード情報」を受信し、受信した(受け付けた)「二次元コード情報」に基づき「店舗情報(店舗ID)、席端末情報(客席ID)、伝票コード(伝票ID)」などを含む「QRコード225」を作成しているところ、本件発明1の「顧客情報」について、本件明細書には「顧客情報は、例えば、顧客が使うテーブル(卓)の卓番(卓ID)、顧客の伝票番号、・・・などである。」(【0038】)と記載されている。そうすると、甲1発明におけるQRコード225に含まれている「席端末情報(客席ID)」及び「伝票コード(伝票ID)」は、本件発明1の「顧客が使うテーブル(卓)の卓番(卓ID)」及び「顧客の伝票番号」に対応するものであるから、甲1発明における上記「席端末情報(客席ID)」及び「伝票コード(伝票ID)」は、本件発明1の「顧客に関する顧客情報」に相当する。ここで、甲1発明の「注文入力装置7」が上記「席端末情報(客席ID)」及び「伝票コード(伝票ID)」をどのように取得しているかについて特定はされていないものの、上記「席端末情報(客席ID)」及び「伝票コード(伝票ID)」などを含む「QRコード225」を作成するためには、上記「席端末情報(客席ID)」及び「伝票コード(伝票ID)」などの情報を取得する(又は「受け付ける」)手段を備えていなければならないことは明らかである。
以上によれば、甲1発明の「注文入力装置7」は、本件発明1と同様の「顧客に関する顧客情報を受け付ける顧客情報受付部」を具備しているといえる。
したがって、甲1発明の「注文入力装置7」は、本件発明1と同様の「ID生成部」と「顧客情報受付部」を具備しているから、本件発明1と同様の「前記IDと前記顧客情報とが埋め込まれたコードを生成するコード生成部」も具備しているといえる。

エ 甲1発明の「注文入力装置7」は、「QRコード225を作成して、画面に表示」しているから、本件発明1と同様の「前記コードを出力する出力部」を具備しているといえる。

オ 甲1発明の「携帯端末201」は、「カメラ207により、注文入力装置7に表示されたQRコード225を撮像して」読み取るものであるところ、本件明細書には「なお、コード受付部221は、例えば、カメラを含むと考えても良い。また、コードを読み取ることは、画面上のコードであり、受信されたコードを解析することでも良い。」(【0052】)と記載されているから、甲1発明の「携帯端末201」は、本件発明1と同様の「前記コードを受け付けるコード受付部」を具備しているといえる。

カ 甲1発明の「外部管理装置15」は、本件発明1の「サーバ装置」に相当する。そして、甲1発明の「携帯端末201」は、「注文入力装置7に表示されたQRコード225を撮像して読み取り、外部管理装置15へアクセスし」、「飲食物が種類ごとに分けられたトップ画面261が処理プログラムを介して表示」されるから、本件発明1と同様の「前記コードを用いて、サーバ装置にアクセスし、商品を注文するためのメニューを受信するメニュー受信部」及び「前記メニューを出力するメニュー出力部」を具備しているといえる。

キ 甲1発明の「携帯端末201」は、「たとえば、「ドリンク」入力操作部(ボタン等)281をタッチして選択すると、ドリンクの一覧が表示される画面(商品選択画面)291が表示され、商品選択画面291において「オレンジジュース」入力操作部(ボタン等)293を押して選択すると、注文数を選択する画面(注文数指定画面)301が表示され、数量を選択した後、「メニューへ戻る」入力操作部(ボタン等)305を押すと、選択した商品と数量が一覧307となって表示されると共に、「注文する」入力操作部(ボタン等)309が表示された画面(注文確認画面)311が、携帯端末201に表示され、この「注文する」入力操作部(ボタン等)309を押すことで、注文情報および顧客情報が、外部管理装置15へ送信される」から、本件発明1と同様の「前記メニューに対する入力であり、商品の注文の指示である注文指示を受け付ける注文指示受付部」及び「前記注文指示を送信する注文指示送信部」を具備しているといえる。

以上によれば、本件発明1と甲1発明は、以下の一致点、相違点を有する。

[一致点]
店舗に設置されている端末である出力装置と、端末装置とを具備する情報システムであって、
前記出力装置は、
ユニークなIDを生成するID生成部と、
顧客に関する顧客情報を受け付ける顧客情報受付部と、
前記IDと前記顧客情報とが埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、
前記コードを出力する出力部と、
を具備し、
前記端末装置は、
前記コードを受け付けるコード受付部と、
前記コードを用いて、サーバ装置にアクセスし、商品を注文するためのメニューを受信するメニュー受信部と、
前記メニューを出力するメニュー出力部と、
前記メニューに対する入力であり、商品の注文の指示である注文指示を受け付ける注文指示受付部と、
前記注文指示を送信する注文指示送信部と、
を具備する情報システム。

[相違点]
[相違点1]
本件発明1の「出力装置」は、「前記端末装置が受け付けた決済指示に応じて、決済が完了した旨の決済完了情報を受信する受信部」を具備し、「前記出力部は、前記決済完了情報を出力」するのに対し、甲1発明の「出力装置(注文入力装置7)」は、「端末装置(携帯端末201)」が決済を行うものではないから、上記受信部を具備しておらず、「出力部(画面)」が決済完了情報を出力するものでもない点。

[相違点2]
本件発明1の「端末装置」は、「決済を行う旨の指示である決済指示を受け付ける決済指示受付部」、「前記決済指示の受け付けに応じて、決済のための決済処理を行う決済処理部」及び「前記決済処理に応じて、決済が完了した旨の情報である決済完了情報を前記出力装置に送信する決済完了情報送信部」とを具備するのに対し、甲1発明の「端末装置(携帯端末201)」は、決済を行うものではないから、上記「決済指示受付部」、「決済処理部」及び「決済完了情報送信部」を具備しない点。

(2) 判断
ア 検討
(ア) 事案に鑑みて、先に相違点2について検討する。
a(a) 異議申立人の進歩性欠如の主張に係る甲2及び3に記載された事項は、上記第4の2及び3のとおりであるところ、いずれの記載事項も、相違点2の構成を開示するものではない。また、甲4の記載事項(上記第4の4)をみても、上述の構成を開示するものではない。
そうすると、甲1発明に、甲2〜4に記載された事項を組み合わせることができたとしても、本件発明1の構成には至らないし、ほかに相違点2に係る構成が周知技術であったということもできないから、甲1発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。

(b) これに対し、異議申立人は、特許異議申立書(36頁中段)において、甲2には、「客が携帯端末においてメニューから商品を選択して決済を行うと、店舗のPOSシステムに注文が届き、注文内容が紙に出力されることが記載されている」、「このように、決済が完了したことを条件としてPOSシステムが受信する注文情報には実質的に決済完了情報が含まれることは明らかである」から、甲2において、「決済が完了した場合に携帯端末が注文をPOSシステムに送信することは、決済が完了した場合に携帯端末が決済完了情報をPOSシステムに送信することと同一である」し、仮に相違点であるとしても実質的に同一である旨主張する。
しかしながら、甲2に記載された「ZNAP」は「スマートフォンアプリ」であるところ、一般に携帯端末にインストールされたスマートフォンアプリはこれと対応するクラウド側のサーバとともに動作することから、POSシステムへの「注文」が、クラウド側のサーバからではなく、携帯端末から送信されることが明らかであるとはいえない。このことに照らせば、甲2に「客が携帯端末においてメニューから商品を選択して決済を行うと、店舗のPOSシステムに注文が届き、注文内容が紙に出力されること」が記載されていたとしても、携帯端末がPOSシステムに注文を送信し、POSシステムが携帯端末から送信された注文を受信することが記載されていることにはならない。
また、甲2における「POSシステム」が、本件発明1でいうところの「出力装置」を含む構成であるといえるのか、その具体的な構成も開示されていないから、仮に異議申立人が主張するように「携帯端末が決済完了情報をPOSシステムに送信する」ものであったとしても、上記(a)で検討した、相違点2の構成を開示しているとはいえないし、実質的に同一の構成であるともいえない(なお、異議申立人は、特許異議申立書(36頁下段)において、「POSシステム(出力装置)」と記載し、あたかも甲2の「POSシステム」が本件発明1の「出力装置」に相当するような主張をしているが、甲2における「POSシステム」が、本件発明1の「店舗の店員が保持する端末または店舗に設置されている端末である出力装置」であることは、甲2には何ら開示されていない。)。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。

(c) また、異議申立人は、特許異議申立書(37頁中段)において、甲3には「モバイル支払モバイル・アプリケーションを実行する顧客ユーザのモバイル通信デバイスが、支払いの完了(決済完了情報)を商人ユーザのモバイル通信デバイスに送信することが記載されている」と主張する。
しかしながら、異議申立人の主張する甲3の【0043】(上記第4の3)の「12」には、「・・・中央処理サーバは、・・・支払人ユーザおよび受取人ユーザの両方に取引の実行結果を送信する」と記載されているように、異議申立人が「支払いの完了(決済完了情報)」であると主張する「取引の実行結果」は、「中央処理サーバ」によって送信されるものであり、「顧客ユーザのモバイル通信デバイス」が送信するものではないから、上記相違点2の構成を開示しているとはいえない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。

(d) なお、異議申立人は、特許異議申立書(37頁下段〜38頁中段)において、本件特許についての出願日前から、施設端末がメニューを表示するための二次元コードを発行する技術と、客の携帯端末により決済を行う技術とはいずれも周知技術であり、これらの周知技術に基づけば、施設端末(出力端末)が発行した二次元コードを利用して客の携帯端末(端末装置)によって商品を注文して決済した場合に、決済完了情報を施設端末に送信して出力するようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことであると主張する。
しかしながら、異議申立人が主張するような技術が周知技術であったとしても、それらの技術は上記相違点2の構成ではないし、それらが周知技術であることをもって直ちに相違点2に係る構成が想起されるものでもないから、相違点2に係る構成が容易想到であることの理由にはならない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。

b また、以下の観点からも、甲1発明及び甲2〜4に記載された事項に基づいて本件発明1の進歩性を否定することはできない。
すなわち、甲1発明の「端末装置(携帯端末201)」は、注文した商品の決済を行う機能はなく、専ら商品の注文を行う装置である。そして、甲1発明は、甲1に記載されているように、「たとえば、複数人のグループがテーブルに座る際、注文入力装置から離れて座る客は、注文入力装置の位置まで注文の度に移動するか、注文入力装置の傍にいる客に頼んで注文をしてもらう必要があり面倒であった。」(【0003】)という課題を前提として、「客が所有する携帯端末からも注文が可能な注文受付システムを提供すること」(【0004】)を目的とするものであるから、甲1では、携帯端末において、商品の注文を行うことができればよく、それに加えてさらに、注文した商品の決済を行うように変更することの動機付けはない。
なお、甲1では、携帯端末を用いて注文する場合でも(【0069】)、各テーブル3に設けられた注文入力装置7を用いて注文する場合でも(【0035】〜【0036】)、会計は「店員が客のテーブルに来て、伝票・それに代わる電子データ等が書き込まれた媒体等を客に渡すこと」(【0036】)により行われるのであって、会計時に客が自ら携帯端末や注文入力装置7を用いて決済を行うことは記載も示唆もされていない。
したがって、甲1発明の「情報システム(注文受付システム1)」において、相違点2に係る構成を採用することの動機付けはないから、甲1発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。

(イ) 次に相違点1について検討するに、上記(ア)のとおり、甲1発明の「端末装置(携帯端末201)」が、相違点2の決済に関する構成(「決済指示受付部」、「決済処理部」及び「決済完了情報送信部」)を具備することが当業者であっても容易に想到し得るものではない以上、甲1発明の「出力装置(注文入力装置7)」が、決済完了情報を受信する「受信部」を具備したり、「出力部」が「決済完了情報を出力」するように構成したりする必要性はないから、甲1発明において、相違点1の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るものではない。

イ 本件発明1についてのまとめ
以上によれば、本件発明1は、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、甲4に記載された事項を含めて検討しても、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本件発明2及び3について
本件発明2及び3は、本件発明1を限定した発明であるから、甲1発明と対比すると、少なくとも、上記1(1)の[相違点]を有するところ、本件発明1が上記1(2)のとおり、甲1発明及び甲2〜4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本件発明2及び3も甲1発明及び甲2〜4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本件発明4について
本件発明4は、「出力装置」の発明であるところ、本件発明1の「情報システム」のうち「出力装置」の構成を特定したものである。
そうすると、本件発明4は、甲1から認定される「出力装置」に係る発明と対比すると、上記1(1)の[相違点1]と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記1(2)と同様、本件発明4は、甲1から認定される発明、甲2〜4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本件発明5について
本件発明5は、「端末装置」の発明であるところ、本件発明1の「情報システム」のうち「端末装置」の構成を特定したものである。
そうすると、本件発明5は、甲1から認定される「端末装置」に係る発明と対比すると、上記1(1)の[相違点2]と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記1(2)と同様、本件発明5は、甲1から認定される発明、甲2〜4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本件発明6及び8について
本件発明6及び8は、本件発明4の「出力装置」の発明について、それぞれカテゴリーの異なる「情報処理方法」及び「プログラム」の発明として特定したものである。
そうすると、本件発明6及び8は、それぞれ甲1から認定される「情報処理方法」及び「プログラム」の発明と対比すると、上記1(1)の[相違点1]と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記1(2)と同様、本件発明6及び8は、甲1から認定される発明、甲2〜4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

6 本件発明7及び9について
本件発明7及び9は、本件発明5の「端末装置」の発明について、それぞれカテゴリーの異なる「情報処理方法」及び「プログラム」の発明として特定したものである。
そうすると、本件発明7及び9は、それぞれ甲1から認定される「情報処理方法」及び「プログラム」の発明と対比すると、上記1(1)の[相違点2]と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記1(2)と同様、本件発明7及び9は、甲1から認定される発明、甲2〜4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2023-09-21 
出願番号 P2017-200032
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G06Q)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 梶尾 誠哉
相崎 裕恒
登録日 2022-11-16 
登録番号 7178019
権利者 Okage株式会社
発明の名称 情報システム、出力装置、端末装置、情報処理方法、およびプログラム  
代理人 谷川 英和  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ