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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H05K
管理番号 1403532
総通号数 23 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2023-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-02-09 
確定日 2023-10-31 
事件の表示 特願2019− 82014「電子制御装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年11月 5日出願公開、特開2020−181843、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成31年4月23日の出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
令和4年 6月14日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年12月12日付け:拒絶査定
令和5年 2月 9日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和5年 6月27日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月15日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和4年12月12日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
令和4年8月15日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1における、「前記中間部と前記筐体との距離は、前記中間部と前記回路基板との距離よりも短く」という記載、及び、同請求項13における「請求項1に記載の電子制御装置において、前記導体部品は、前記一対の両端部に加えて、前記中間部においても前記回路基板と接続されている電子制御装置。」という記載に関し、請求項13が引用する請求項1において、「導体部品」は、「一対の両端部に加え」て「中間部においても回路基板と接続され」る構成が許容されていること、及び、「導体部品」が「中間部においても回路基板と接続され」る構成において、「中間部」と「回路基板」との距離が「0」になることは、いずれも明らかである。
そうすると、請求項1〜14において、「0」である「導体部品と回路基板との距離」よりも「距離が短」くなるようにする構成が許容されているところ、そのような構成がどのようなものであるのか不明である。
よって、請求項1〜14に係る発明は明確でない。

第3 本願発明
本願請求項1〜13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」〜「本願発明13」という。)は、令和5年8月15日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1〜13に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
導電性の筐体と、
前記筐体の内部に設けられ、集積回路を含む電子部品を搭載し、前記電子部品と接続された信号配線が表面上に形成されている回路基板と、
前記回路基板上に設けられ、前記電子部品よりも高い位置に配置される細長形状の導電性の導体部品と、を備え、
前記導体部品は、前記回路基板に対して立設され、前記回路基板と接続される一対の両端部と、前記一対の両端部の間に設けられ、前記回路基板の面方向と平行に延在する中間部と、を有し、
前記中間部と前記筐体との距離は、前記中間部と前記回路基板との距離よりも短く、
前記中間部は、前記回路基板と前記筐体との間の空間において、前記筐体と直接または熱伝導材を介して接触することなく、前記信号配線と前記筐体との間を通って配置されている電子制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子制御装置において、
前記導体部品は、前記一対の両端部において前記回路基板のグラウンド、もしくは前記筐体に対して、電気的に直接、もしくはコンデンサや抵抗を介して接続される電子制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電子制御装置において、
前記回路基板は、外部接続端子を搭載し、
前記一対の両端部の一方は、前記外部接続端子が搭載された近傍に配置される電子制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子制御装置において、
前記外部接続端子は、前記回路基板の一方の辺の近傍に搭載され、
前記一対の両端部の一方は、前記外部接続端子が搭載された前記回路基板の一方の辺とその反対側の辺に対して、前記一方の辺により近い位置に配置され、
前記一対の両端部の他方は、前記一方の辺と前記反対側の辺に対して、前記反対側の辺により近い位置に配置される電子制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載の電子制御装置において、
前記回路基板の前記外部接続端子が搭載された面と反対側の面に前記導体部品をさらに搭載する電子制御装置。
【請求項6】
請求項2に記載の電子制御装置において、
前記導体部品は前記回路基板のグラウンドと抵抗器を介して接続される電子制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子制御装置において、
前記抵抗器は前記導体部品と前記筐体の断面構造から定まる特性インピーダンスに合わせた抵抗値をとる電子制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電子制御装置において、
前記回路基板は、前記回路基板の一方の辺の近傍に外部接続端子を搭載し、
前記中間部は、前記外部接続端子が搭載された一方の辺と平行となるように配置される電子制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の電子制御装置において、
前記導体部品は、前記回路基板上に複数個配置され、
複数個の前記導体部品のうち少なくとも1つの前記中間部が、前記回路基板と前記筐体との間の空間において、前記筐体と直接または熱伝導材を介して接触することなく、前記信号配線と前記筐体との間を通って配置される電子制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電子制御装置において、
複数個の前記導体部品は、前記中間部が前記回路基板の四辺に対してそれぞれ略平行に配置される電子制御装置。
【請求項11】
請求項9に記載の電子制御装置において、
複数個の前記導体部品は、前記中間部が前記回路基板の対角線上にそれぞれ配置される電子制御装置。
【請求項12】
請求項1に記載の電子制御装置において、
前記回路基板は、前記回路基板上に前記導体部品を接続するためのランドを複数個有し、
前記ランドは、前記導体部品の複数の配置方向に対応した形状を備える電子制御装置。
【請求項13】
請求項1に記載の電子制御装置において、
前記導体部品は、前記筐体に直接固定される電子制御装置。」

第4 原査定についての当審の判断
令和5年8月15日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「中間部」に関して、「前記導体部品は、前記回路基板に対して立設され、前記回路基板と接続される一対の両端部と、前記一対の両端部の間に設けられ、前記回路基板の面方向と平行に延在する中間部と、を有し、前記中間部と前記筐体との距離は、前記中間部と前記回路基板との距離よりも短く」と記載されている。
上記記載において、特に「前記回路基板に対して立設され、前記回路基板と接続される一対の両端部と、前記一対の両端部の間に設けられ、前記回路基板の面方向と平行に延在する中間部」との記載によれば、請求項1を引用する請求項2〜13のいずれかにおける「中間部」に関する記載にかかわらず、「中間部」と「回路基板」との距離が0ではあり得ないことは明らかである。
そうすると、上記記載の「前記中間部と前記筐体との距離は、前記中間部と前記回路基板との距離よりも短く」との記載において、「前記中間部と前記筐体との距離」が0よりも短いこととなる不適切な場合は排除されている。
よって、請求項1〜13における「中間部」に関する記載に基づいて、請求項1に係る発明が明確でないとすることはできない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第5 当審拒絶理由について
当審が令和5年6月27日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は、次のとおりである。
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
令和5年2月9日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、「前記導体部品は、前記回路基板に対して立設され、前記回路基板と接続される少なくとも一対の両端部と、前記少なくとも一対の両端部の間に設けられ、前記回路基板の面方向と平行に延在する中間部と、を有し」と記載されているが、この記載では、「導体部品」がどのような態様で「両端部」及び「中間部」を有しているのか(1個の「導体部品」が有し得る「両端部」及び「中間部」のそれぞれの個数等)を明確に特定することができない。

これに対して、令和5年8月15日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、「前記導体部品は、前記回路基板に対して立設され、前記回路基板と接続される一対の両端部と、前記一対の両端部の間に設けられ、前記回路基板の面方向と平行に延在する中間部と、を有し」との記載により、「導体部品」が有する「両端部」が「一対」であること、及び、「中間部」が「前記一対の両端部の間に設けられ」ていることが特定される明確なものとなった。
よって、当審拒絶理由は解消した。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2023-10-16 
出願番号 P2019-082014
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H05K)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 山澤 宏
特許庁審判官 野崎 大進
富澤 哲生
発明の名称 電子制御装置  
代理人 弁理士法人サンネクスト国際特許事務所  

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