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審決分類 審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  H04L
審判 全部申し立て 特174条1項  H04L
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04L
審判 全部申し立て 2項進歩性  H04L
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H04L
管理番号 1403618
総通号数 23 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2023-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-04-26 
確定日 2023-08-31 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6954410号発明「管理システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6954410号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び図面のとおり、訂正後の請求項〔1〜4〕について訂正することを認める。 特許第6954410号の請求項1、4に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6954410号(以下「本件特許」という。)の請求項1〜4に係る特許についての出願は、平成27年11月25日(優先権主張 平成26年12月8日)を国際出願日とする特許出願(特願2016−563604号)の一部を、平成30年6月21日に新たな特許出願(特願2018−117873号)とし、その一部を、令和2年6月18日に新たな特許出願(特願2020−105293号)としたものであって、令和3年10月4日に設定登録がされ、令和3年10月27日に特許掲載公報が発行された。
その後、令和4年4月26日に、本件特許の請求項1〜4に係る特許に対して、特許異議申立人 大隅庸平(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされた。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和4年 4月26日 特許異議の申立て
令和4年 8月 8日付け 取消理由通知書
令和4年10月11日 意見書・訂正請求書の提出(特許権者)
令和4年11月25日 意見書の提出(申立人)
令和5年 1月23日付け 訂正拒絶理由通知書
令和5年 2月24日 意見書・手続請求書の提出(特許権者)
令和5年 3月28日付け 取消理由通知書(決定の予告)
令和5年 5月29日 意見書・訂正請求書の提出(特許権者)
令和5年 7月 7日 意見書の提出(申立人)

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和5年5月29日にされた訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、以下の訂正事項1〜3のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。なお、本件訂正請求により、令和4年10月11日にされた訂正請求は取り下げられたものとみなされる(特許法第120条の5第7項)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データのリンクを示す情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、」と記載されているのを、「第1の管理システムとは異なる管理システムであって、前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、」に訂正し、また、同じく「前記リンクを示す情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、」と記載されているのを、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
(ア)訂正後の請求項1の冒頭に「第1の管理システムとは異なる管理システムであって、」を付加する訂正は、訂正前の請求項1に記載されていた「第1の管理システム」及び「管理システム」について、両者が「異なる」関係にあることを明確化するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

(イ)訂正前の請求項1に記載されていた「当該物件の全天球画像データのリンクを示す情報」を、訂正後の請求項1において「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」とする訂正は、前者の情報の内容について限定を付加するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(ウ)訂正前の請求項1に記載されていた「前記リンクを示す情報に対応する全天球画像」を、訂正後の請求項1において「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像」とする訂正は、「全天球画像」が「対応」する元の情報について、上記(イ)と合わせた限定を付加するものであり、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
(ア)訂正事項1の「第1の管理システムとは異なる管理システム」は、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0010】における、「図1に示されているように、本実施形態の画像共有システムは、撮影装置1、複数の通信端末(3a,3b)、画像管理システム5、及びリンク情報管理システム7によって構築されている。」との、「画像管理システム5」が「リンク情報管理システム7」と異なるシステムである旨の記載に基づくものと解される。

(イ)訂正事項1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」は、本件特許明細書の段落【0030】における「このリンク情報は、図13に示されているように、画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれている。」との記載に基づくものと解される。

(ウ)訂正事項1の「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像」は、本件特許明細書の段落【0034】における「これに対して、画像管理システム5は、リンク情報から抽出した画像IDに対応する画像データ、リンク情報から抽出した所定領域情報、及び閲覧スクリプトを、通信端末3bへ送信する(ステップS9)。」との記載や、段落【0114】における「そして、記憶・読出部59は、ステップS61によって抽出された画像IDを検索キーとして画像管理テーブル(図20参照)を検索することにより、対応する画像データのファイル名を抽出すると共に、このファイル名の画像データを記憶部5000から読み出す(ステップS62)。」との記載に基づくものと解される。

(エ)したがって、訂正事項1は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものとは認められないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、上記アで検討した訂正の目的からすれば、発明のカテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。

(2)訂正事項2,3について
訂正事項2,3は、いずれも、請求項を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2,3は、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものであることは明らかであり、また、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものとは認められず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものであることも明らかである。

3 申立人の主張について
申立人は、令和5年7月7日に提出された意見書(以下、単に「意見書」という。)において、訂正事項1の「全天球画像データの画像識別情報」については、いかに全天球画像データを識別するのかについて特段の限定はなく、直接的に全天球画像データを識別する情報も含み得るものと解釈されるが、そのような全天球画像データを直接的に識別し得る「全天球画像データの画像識別情報」は、発明の詳細な説明に記載されているものではないから、訂正事項1は新規事項を導入するものである旨、主張する(2〜4頁)。
しかしながら、仮に、訂正事項1に基づく訂正後の請求項1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」との記載又は「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像」との記載が、申立人の主張するような、直接的に全天球画像データを識別する画像識別情報を含み得るとしても、そのような情報は、当該技術分野の本件特許の優先日における技術常識に照らすと、本件特許明細書等の記載から自明のものにすぎない。
よって、申立人の上記主張は採用できない。

4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第3号を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜4〕について訂正することを認める。

第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1〜4に係る発明(以下、請求項1に係る発明、請求項4に係る発明を、それぞれ「本件発明1」、「本件発明4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次の事項により特定されるものである。

「【請求項1】
第1の管理システムとは異なる管理システムであって、
前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、
前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、
を有する管理システム。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】
前記物件の関連情報は、物件に関連する情報である、
請求項1に記載の管理システム。」

第4 取消理由の概要
訂正前の請求項1〜4に係る特許に対して通知した令和5年3月28日付けの取消理由(決定の予告)の要旨は、以下の取消理由1〜6のとおりである。なお、この取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由はない。

1 取消理由1(新規性
請求項1〜4に係る発明は、本件特許の優先日前日本国内又は外国において頒布された甲第1号証に記載された発明であるから、請求項1〜4に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
2 取消理由2(進歩性
請求項1〜4に係る発明は、本件特許の優先日前日本国内又は外国において頒布された甲第1号証ないし甲第4号証のいずれか及び甲第5号証ないし甲第10号証のいずれかに記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1〜4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
3 取消理由3(サポート要件)
請求項1〜4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
4 取消理由4(明確性
請求項1〜4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
5 取消理由5(新規事項)
請求項1〜4に係る特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものである。
6 取消理由6(分割の適否に基づく進歩性
請求項1に係る発明は、原出願の明細書等に記載されていないため、本件特許の請求項1〜4に係る特許についての出願は、特許法第44条第1項に規定による特許出願とは認められず、同法同条第2項の適用はない。そして、請求項1〜4に係る発明は、本件特許の出願日前日本国内又は外国において頒布された甲第11号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1〜4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

刊行物等(甲号証)一覧
甲第1号証:久門 易、360度VRパノラマ制作パーフェクトガイド、第1
版,株式会社秀和システム,2012年(平成24年)1月1日、第1版,48
−55頁、182−183頁)
甲第2号証:特開2014−131215号公報
甲第3号証:特開2005−352885号公報
甲第4号証:特開2004−13535号公報
甲第5号証:特開2002−373233号公報
甲第6号証:特開2007−336582号公報
甲第7号証:特開2011−258080号公報
甲第8号証:特開2005−122693号公報
甲第9号証:特開2014−95958号公報
甲第10号証:特開2013−214876号公報
甲第11号証:特開2018−198064号公報
(以下、「甲第1号証」〜「甲第11号証」を、それぞれ「甲1」〜「甲11」という。)

第5 各甲号証に記載された事項
1 甲1に記載された事項、甲1発明
(1)甲1に記載された事項
本件特許に係る出願の優先日前の2012年(平成24年)1月1日に頒布された刊行物である甲1には、以下の事項が記載されている。

(甲1a) 48ページ
「■VRパノラマの画像データの実態は球体(SPHERE)です
VRパノラマは360度全方位をつなぎ目なく見ることができます。つまり、画像に天地左右の『端』はなく、『球体』をしていると考えるとわかりやすいです。」

(甲1b) 50ページ
「VRパノラマの画像の実体は球体ですから、モニタにはその一部しか写りません。これをマウスや操作ボタン、あるいは指先(iPadなど)を使ってぐるぐる動かしながら観察します。」

(甲1c) 51ページ
「■インターネット経由ではWebブラウザで見ます
VRパノラマは一般的に、Internet Explorer、Firefox、SafariなどのWebブラウザソフトを使って見ます。現状、Flashを使用する方法と、iPadなどで使われはじめたHTML5/CSS5(当審注:「CSS3」の誤記と認める。)の2つの方式が混在しています。ほとんどのソフトでは、これらを自動的に切り替えますので、ユーザーがデバイスの違いを意識することはほとんどありません。
VRパノラマ画像を、FlashやHTML5で見られるように組み上げることを、『オーサリング』といいます。このソフトもいろいろありますが、すべて外国製です。左は、本書で解説するソフトです。Pano2VRのみインターフェースが日本語化されています。」

(甲1d) 51ページ、図とその説明


(↑) オーサリングソフトでできたファイルをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクして表示します。」

(甲1e) 52ページ
「<03> インタラクティブに見せる ありとあらゆる試みがなされています。
複数のVRパノラマを組み合わせ、イメージの中を旅するように見せるものを『バーチャルツアー』といいます。サムネイルでパノラマを切り替えたり、地図や画像の中をクリックすることで切り替えるなど、さまざまな見せ方があります。iPad2やiPhone4ではジャイロ機能と連動し、本体の動きに合わせて見える方向を変えることができます。Googleマップとの連動、音声やビデオの組み込み、写真やテキストの表示…。現時点でも、世界中で新しい見せ方が試されています。通話やデバイスの進化とともに、可能性は無限に広がります。

■バーチャルツアーを作る
オーサリングソフトを使えば比較的簡単に、バーチャルツアーを作ることができます。パノラマ画像と同期して動く『ホットスポット』を設定し、移動先のパノラマを指定します。サムネイルや地図で切り替える方法の設定や、これらのカスタマイズも可能です。


(↑) バノラマの画面(ホットスポット)をクリックすることで、他のパノラマに切り替えることができます。現場を移動しているような効果を得られます。


(↑) サムネイル画面でパノラマを切り替えることができます。


(↑) 地図や間取り図と連動させて切り替えることもできます。」

(甲1f) 53ページ
「■インタラクティブに見せるVRパノラマ
本書で紹介する機能はそれほど多くありませんが、FlashやHTML5の作り方次第で、さまざまな効果を付け加えることができます。簡単な効果は、ソフトの設定だけで可能です。こうした効果の指令書にあたるものが『.xml』ファイルで、これを自分で書き換えることで、複雑な効果を得ることもできます。

●本書で紹介している効果
・・・(中略)・・・

(↑) 画面をクリックすることで、説明写真などを表示できます。」

ここで、上記53ページの表示画面を参照すると、天安門の写真の中央の四角い枠内に、「天安門 中華人民共和国・北京市にある城門で、世界遺産である故宮(紫禁城)の正門であった。中央上部に毛沢東の肖像画が掲示されている。反対側に、天安門広場をはさみ、人民英雄記念碑、毛沢東記念堂、中国国家博物館、民大食堂がある。」と記載されるとともに、「(↑) 画面をクリックすることで、説明写真などを表示できます。」と記載されていることから、「例えば、天安門の写真をクリックすることで、天安門の説明文が表示できること」が開示されていると認められる。

(甲1g) 54ページ
「<04> Webサイトを表示するには? ページを開いたときに『動いている』ほうがいいです。
VRパノラマをWebサイトに表示する方法は、大きく2つあります。1つは、写真などを表示しておき、それをクリックしたら、VRパノラマが開く、というタイプ。しかしパッと見た目には、普通のサイトと違いはわかりません。もう1つは、ページ内に直接VRパノラマを表示するタイプ。こちらは、ページを開いたときに『動いている』ために、何か違う!と感じる新鮮さがあります。しかし、ページの表示速度などでのデメリッ卜があります。ここではブログに表示する方法を紹介しますが、通常のサイトでも考え方は同じです。

■サーバーにアップするファイルはいろいろ
VRパノラマを動かすために、画像データだけでなく、Flashの『.swf』やHTML用の『.js』、動かし方や効果の指示書である『.xml』など、複数のファイルでできています。これは、オーサリングソフトや、出力方法によって異なります。これら以外に、Webサイトでの表示を決める『.html』ファイルがあり、これにリンクすることで、VRパノラマを表示できるようになります。


(↑) VRパノラマを表示するためのファイルは複数あります。これらをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクします。リンク元となる写真も作って一緒に入れておきます。」

(甲1h) 54−55ページ
「■写真をクリックしてVRパノラマを表示する
<img>タグを使って写真を表示し、<a>タグで、VRパノラマの『.html』ファイルにリンクします。『.html』を開けばよいので、文字からリンクさせても構いません。


(↑) ブログでは、写真とリンクを記述したコードを投稿します。


height="300" alt="サンプル" class="pict" />


(↑) コード内容
ホームページを記述するするための、基本的なコードと同じです。


(↑) ブログに掲載されました。ここでは写真だけが表示され、これをクリックすると…
(↑) VRパノラマが開きます。


(↑) iPadでも同じです。写真をクリックすると…
(↑) VRパノラマが開きます。」

(甲1i) 182ページ
「<02> VRパノラマのファイル構成FlashとHTML5/CSS3で使うファイルが異なります。
オーサリングソフトを使ってVRパノラマを作成すると、さまざまなファイルができます。Webで使用する上で重要なのは『HTML』ファイルで、Web上でこのファイルにリンクさせるだけで、VRパノラマを表示させることができます。特段の理由がない限り、他のファイルを意識することはありませんが、ひととおり、それぞれのファイルがどのような役目を持っているかを整理しておきます。ソフトの種類や設定によって、出力されるファイルは異なります。

[1] Flash表示で使うファイル

(↑) 1ノード・パノラマのファイル構成(例)
実際に使うのは、HTMLファイルへのリンクだけです。

パソコンのWebブラウザで閲覧する場合は、Flashが使われます。Flash表示のためにもっとも重要なのは、『SWF』という名前がついたものです。これにパノラマ画像を動かす仕組みが入っていて、設定によっては画像ファイルなどを含める(embed)することができます。このことで、セキュリティを高めることができますが、ファイルサイズが大きくなるために閲覧できるようになるまでの時間が余分にかかります。XMLファイルは、画像や見栄えの指定を行う指示書のようなもので、設定によってSWFに含めることができます。JSファイルは、SWFファイルをHTMLに埋め込んで使うのに必要なファイルです。


(↑) ファイルの役割
SWFファイルがパノラマを動かす仕組み。XMLは、見栄えを指定するファイル。JSは、SWFをHTMLに埋め込むのに必要なファイルです。これら以外にパノラマ画像やボタンなどのスキン画像があります。
(↑) SWFにXMLを含めることで、見栄えを指定するXMLを他の人に見られないようにできます。
(↑) SWFに画像も含めることができます。セキユリティ上は安全ですが、ファイルサイズが大きくなり,このファイルがダウンロードされるまでパノラマを見ることができません。」

(甲1j) 183ページ
「[2] iPad/iPhone用のファイル

(←) iPad/iPhone用には、HTML5/CSS3で記述したJS+XMLと、画像ファイルが使われます。

iPad/iPhoneはFlashを表示できませんから、HTML5/CSS3で記述したファイルでパノラマを表示します。これに使われるのもJSファイルですが、Flash用に使っているものとは内容が異なります。このJSファイルは、FlashのSWFのような働きをし、パノラマの表示内容がXMLによって指定されます。SWFのように、XMLや画像を含めることはできません。」

(甲1k) 183ページ
「[3] FlashとHTML5/CSS3を併用するファイル構成


(↑) FlashとHTML5/CSS3を併用するバーチャルツアーのファイル構成例。XMLファイルが5つあります。1つは統合用、他の4つは各パノラマ用です。これらを1つのXMLにまとめることもできます。色が変わっているJSファイルは、ライセンス用です。

パソコンとiPad/iPhoneとでは、閲覧する仕組みが異なりますが、ユーザーとしては、デバイスに関係なく閲覧できる方が便利です。このためオーサリングソフトは、デバイスによってこれらを自動的に切り換える仕組みを簡単に作れるようになっています。ファイル構成は少し複雑になリますが、ユーザーはデバイスを選ばず閲覧できます。ただ、いくつかの機能に関しては、表示に差が出ることがあります。


(↑) 左側がFlash用、右側がHTML5/CSS3用です。HTMLの中に、デバイスによって切り換える仕組みが記述されています。


(↑) Flash用とHTML5/CSS3用のJSファイルを1つにまとめることもできます。」

(2)甲1発明
よって、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「VRパノラマは360度全方位をつなぎ目なく見ることができ、つまり、画像に天地左右の『端』はなく、『球体』をしており、
VRパノラマの画像の実体は球体で、モニタにはその一部しか写らず、これをマウスや操作ボタン、あるいは指先(iPadなど)を使ってぐるぐる動かしながら観察し、
VRパノラマは一般的に、Internet Explorer、Firefox、SafariなどのWebブラウザソフトを使って見るものであり、現状、Flashを使用する方法と、iPadなどで使われはじめたHTML5/CSS3の2つの方式が混在しており、
VRパノラマ画像を、FlashやHTML5で見られるように組み上げることを、『オーサリング』といい、このソフトもいろいろあり、
オーサリングソフトでできたファイルをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクして表示し、
複数のVRパノラマを組み合わせ、イメージの中を旅するように見せるものを『バーチャルツアー』といい、サムネイルでパノラマを切り替えたり、地図や画像の中をクリックすることで切り替えるなど、さまざまな見せ方があり、
オーサリングソフトを使えば比較的簡単に、バーチャルツアーを作ることができ、サムネイルや地図で切り替える方法の設定や、これらのカスタマイズも可能であり、
サムネイル画面でパノラマを切り替えることができ、
地図や間取り図と連動させて切り替えることもでき、
インタラクティブに見せるVRパノラマは、FlashやHTML5の作り方次第で、さまざまな効果を付け加えることができ、効果の指令書にあたる『.xml』ファイルを自分で書き換えることで、複雑な効果を得ることもでき、
画面をクリックすることで、説明写真などを表示でき、例えば、天安門の写真をクリックすることで、天安門の説明文が表示でき、
VRパノラマをWebサイトに表示する方法は、大きく2つあり、1つは、写真などを表示しておき、それをクリックしたら、VRパノラマが開く、というタイプであり、
サーバーにアップするファイルはいろいろであり、VRパノラマを動かすために、画像データだけでなく、Flashの『.swf』やHTML用の『.js』、動かし方や効果の指示書である『.xml』など、複数のファイルでできており、これら以外に、Webサイトでの表示を決める『.html』ファイルがあり、これにリンクすることで、VRパノラマを表示できるようになり、
VRパノラマを表示するためのファイルは複数あり、これらをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクし、リンク元となる写真も作って一緒に入れておき、
写真をクリックしてVRパノラマを表示する場合、<img>タグを使って写真を表示し、<a>タグで、VRパノラマの『.html』ファイルにリンクし、『.html』を開き、
ブログでは、写真とリンクを記述したコードを投稿し、
コード内容は、

height="300" alt="サンプル" class="pict" />

であり、
ブログでは写真だけが表示され、これをクリックすると、VRパノラマが開き、
VRパノラマのファイル構成は、FlashとHTML5/CSS3で使うファイルが異なり、
オーサリングソフトを使ってVRパノラマを作成すると、さまざまなファイルができ、Webで使用する上で重要なのは『HTML』ファイルで、Web上でこのファイルにリンクさせるだけで、VRパノラマを表示させることができ、
パソコンのWebブラウザで閲覧する場合は、Flashが使われ、『SWF』にパノラマ画像を動かす仕組みが入っていて、設定によっては画像ファイルなどを含める(embed)することができ、XMLファイルは、画像や見栄えの指定を行う指示書のようなもので、設定によってSWFに含めることができ、JSファイルは、SWFファイルをHTMLに埋め込んで使うのに必要なファイルで、
これら以外にパノラマ画像やボタンなどのスキン画像があり、
iPad/iPhoneはFlashを表示できないから、HTML5/CSS3で記述したファイルでパノラマを表示し、これに使われるのもJSファイルであるが、Flash用に使っているものとは内容が異なり、このJSファイルは、FlashのSWFのような働きをし、パノラマの表示内容がXMLによって指定され、
FlashとHTML5/CSS3を併用するファイル構成では、
HTMLの中に、デバイスによって切り換える仕組みが記述され、
Flash用とHTML5/CSS3用のJSファイルを1つにまとめることもできる、
サーバー。」

2 甲2に記載された事項、甲2発明
(1)甲2に記載された事項
本件特許に係る出願の優先日前の平成26年7月10日に頒布された刊行物である甲2には、以下の事項が記載されている。

(甲2a) 段落【0010】
「【0010】
図1に示されているように、本実施形態の画像共有システムは、撮影装置1、複数の通信端末(3a,3b)、画像管理システム5、及びリンク情報管理システム7によって構築されている。また、各通信端末(3a,3b)は、それぞれユーザ(A,B)によって利用される。また、本実施形態では、撮影装置1は、ユーザAによって操作される場合を示している。なお、以下では、複数の通信端末(3a,3b)のうち、任意の通信端末を「通信端末3」として表す。」

(甲2b) 【図1】




(甲2c) 段落【0024】−【0027】
「【0024】
図8に示されている全天球パノラマ画像を3次元の立体球CSで見せている。このように生成された全天球パノラマ画像の立体球CSであるとすると、図9に示されているように、仮想カメラICが全天球パノラマ画像の中心に位置し、この中心から上下左右の回転と、この中心からの視点での回転(ROLL)の3軸の回転を行うことができる。この全天球パノラマ画像における所定領域Tは、この全天球パノラマ画像における仮想カメラICの位置の所定領域情報によって特定される。この所定領域情報は、座標x(rH)、座標y(rV)、及び画角α(angle)によって示される。また、所定領域Tのズームは、画角αの範囲(円弧)を広げたり縮めたりすることで表現することができる。
【0025】
そして、図10(a)で示されているように、全天球パノラマ画像における所定領域Tの画像は、図10(b)に示されているように、通信端末3aのディスプレイ315に、所定領域画像として表示される。この場合の所定領域画像は、全天球パノラマ画像の一部を示す部分画像P0である。この部分画像P0は、図8に示された全天球パノラマ画像において、初期設定(デフォルト)された所定領域情報(x,y,α)=(0,0,34)によって表された画像である。
【0026】
なお、ディスプレイ315上には、所定領域画像を表示する所定領域画像表示領域3110、所定領域画像のサムネイルを表示するサムネイル表示領域3120、ユーザのコメントを表示するコメント表示領域3130が表示されている。
【0027】
次に、ユーザAがディスプレイ315上に、注目した所定領域画像を表示させたい場合、通信端末3aがタッチパネルによる操作が可能なものであれば、ディスプレイ315上に指を触れた状態で、指を上下左右に移動させることで、図11に示されているような所望の所定領域画像を表示させる。また、通信端末3aがパソコン等のようなものであれば、マウス等による入力操作を行い、上下左右に移動させることで、図11に示されているような所望の所定領域画像を表示させることもできる。この場合の所定領域画像は、全天球パノラマ画像の一部を示す部分画像P1である。」

(甲2d) 【図11】




(甲2e) 段落【0031】−【0032】
「【0031】
・・・(前略)・・・
次に、図7に示されているように、通信端末3aは通信ネットワーク9を介して、画像管理システム5に画像データを送信した後、所定領域情報も送信する(ステップS3)。この画像データは、図4(c)に示されているメルカトル画像の画像データであり、所定領域情報は図11に示されている所定領域画像(部分画像P1)を示す所定領域情報(230,439,35)である。これにより、画像管理システム5は、画像データに対して、この画像データを識別するための画像ID(Identification)を付与すると共に、画像データと画像IDとを関連付けて管理する(ステップS4)。また、画像管理システム5は、リンク情報を作成する(ステップS4)。このリンク情報は、図13に示されているように、画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれている。更に、画像管理システム5は、画像データのサムネイルデータを作成する(ステップS4)。なお、URLは、特定情報の一例である。
【0032】
次に、画像管理システム5は、リンク情報管理システム7へリンク情報及びサムネイルデータを送信する(ステップS5)。これに対して、リンク情報管理システム7は、リンク情報及びサムネイルデータを管理する(ステップS6)。」

(甲2f) 段落【0078】
「【0078】
また、リンク情報管理システム7は、図17に示されているRAM503、及びHD504によって構築される記憶部7000を有している。この記憶部7000には、後述のユーザ管理テーブルによって構成されているユーザ管理DB7001、関係者管理テーブルによって構成されている関係者管理DB7002、及び投稿データ管理テーブルによって構成されている投稿データ管理DB7003が構築される。」

(甲2g) 【図18】




(甲2h) 段落【0081】
「【0081】
(投稿データ管理テーブル)
図23は、投稿データ管理テーブルを示す概念図である。この投稿データ管理テーブルでは、ユーザID毎に、リンク情報、サムネイルデータのファイル名、及びユーザによって投稿されたコメントが関連付けて管理されている。」

(甲2i) 【図23】




(甲2j) 段落【0098】
「【0098】
そこで、通信端末3aでは、操作入力受付部32がユーザAによる操作を受け付けることにより、表示制御部34が、図10(b)に示されているような所定領域画像(部分画像P0)から、図11に示されているような所定領域画像(部分画像P1)に変更する(ステップS25)。この際、操作入力受付部32は、ユーザからコメント(例えば、「第1ビルの画像」)の入力も受け付けると共に、図11に示された所定領域画像をデフォルト表示とする要求も受け付ける(ステップS25)。」

(甲2k) 【図27】




(甲2l) 段落【0112】−【0118】
「【0112】
次に、投稿一覧作成部72は、図14に示されているような投稿一覧画面を作成する(ステップS54)。ここで、投稿一覧画面の作成方法について説明する。まず、記憶・読出部79は、上記ステップS53によって読み出されたユーザID(ユーザAのユーザID)を検索キーとしてユーザ管理テーブル(図21参照)を検索することにより、対応するユーザ画像データのファイル名及びユーザ個人情報を読み出す。また、記憶・読出部79は、上記ユーザID(ユーザAのユーザID)を検索キーとして投稿データ管理テーブル(図23参照)を検索することにより、対応するリンク情報、サムネイルデータのファイル名、及びコメントを読み出す。そして、ユーザ画像データのファイル名及びユーザ個人情報を読み出す。また、投稿一覧作成部72は、図14に示されているような投稿一覧画面3200を作成する。この投稿一覧画面3200のうち、ユーザ画像3210は、ユーザ管理テーブル(図21参照)のユーザ画像のファイル名によって示された画像データによって作成される。また、「ユーザA」3220は、ユーザ管理テーブル(図21参照)のユーザ個人情報によって示されたユーザ名によって作成される。更に、サムネイル3230は、投稿データ管理テーブル(図23参照)のサムネイルデータのファイル名によって示されたサムネイルによって作成される。また、「第1ビルの画像」3240は、投稿データ管理テーブル(図23参照)のコメントによって作成される。なお、サムネイル3220及び「第1ビルの画像」3240のコメントは、上記リンク情報が埋め込まれ、ハイパーリンクが張られている。
【0113】
次に、リンク情報管理システム7の送受信部71は、通信ネットワーク9を介して通信端末3bへ、ステップS54によって作成された投稿一覧画面のデータを送信する(ステップS55)。これにより、通信端末3bの送受信部31は、投稿一覧画面のデータを受信する。そして、通信端末3bのディスプレイ315上には、図14に示されているような投稿一覧画面が表示される。ディスプレイ315上には、図10(b)に示されているような所定領域画像(部分画像P0)のサムネイルではなく、図11に示されているような所定領域画像(部分画像P1)のサムネイルが表示されるため、ユーザBは画像データをダウンロードするか否かの判断を容易に行うことができる。
【0114】
次に、通信端末3bの操作入力受付部32は、ユーザBから投稿一覧画面3200のサムネイル3230又は「第1ビルの画像」3240のコメントの押下を受け付けることによって、リンク情報の選択を受け付ける(ステップS56)。
【0115】
次に、送受信部31は、通信ネットワーク9を介して画像管理システム5へ、上記ステップS56によって選択されたリンク情報(図13参照)を送信することにより、画像データを要求する(ステップS57)。これにより、画像管理システム5の送受信部51は、リンク情報を受信する。
【0116】
次に、抽出部55は、上記ステップS57によって受信されたリンク情報から、画像IDと所定領域情報とを抽出する(ステップS58)。そして、記憶・読出部59は、ステップS58によって抽出された画像IDを検索キーとして画像管理テーブル(図19参照)を検索することにより、対応する画像データのファイル名を抽出すると共に、このファイル名の画像データを記憶部5000から読み出す(ステップS59)。
【0117】
次に、送受信部51は、通信ネットワーク9を介して通信端末3bへ、ステップS59によって読み出された画像データ、並びに、ステップS58によってリンク情報から抽出された画像ID及び所定領域情報を送信する(ステップS60)。これにより、通信端末3bの送受信部31は、画像データ、画像ID、及び所定領域情報を受信する。
【0118】
次に、通信端末3bの表示制御部33は、ステップS60によって受信された画像データ及び所定領域情報に基づいて、図11に示されているように、画像データにおける所定領域Tから所定領域画像(部分画像P1)を作成して表示する(ステップS61)。」

(甲2m) 【図14】




(2)甲2発明
よって、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「画像共有システムは、撮影装置1、複数の通信端末(3a,3b)、画像管理システム5、及びリンク情報管理システム7によって構築され、
全天球パノラマ画像における所定領域Tは、この全天球パノラマ画像における仮想カメラICの位置の所定領域情報によって特定され、
全天球パノラマ画像における所定領域Tの画像は、通信端末3aのディスプレイ315に、所定領域画像として表示され、この場合の所定領域画像は、全天球パノラマ画像の一部を示す部分画像P0であり、この部分画像P0は、全天球パノラマ画像において、初期設定(デフォルト)された所定領域情報(x,y,α)=(0,0,34)によって表された画像であり、
なお、ディスプレイ315上には、所定領域画像を表示する所定領域画像表示領域3110、所定領域画像のサムネイルを表示するサムネイル表示領域3120、ユーザのコメントを表示するコメント表示領域3130が表示されており、
画像管理システム5は、画像データに対して、この画像データを識別するための画像IDを付与すると共に、画像データと画像IDとを関連付けて管理し(ステップS4)、また、画像管理システム5は、リンク情報を作成し(ステップS4)、このリンク情報は、画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれており、
画像管理システム5は、リンク情報管理システム7へリンク情報及びサムネイルデータを送信し(ステップS5)、
これに対して、リンク情報管理システム7は、リンク情報及びサムネイルデータを管理し(ステップS6)、
リンク情報管理システム7は、RAM503、及びHD504によって構築される記憶部7000を有しており、この記憶部7000には、投稿データ管理テーブルによって構成されている投稿データ管理DB7003が構築され、
この投稿データ管理テーブルでは、ユーザID毎に、リンク情報、サムネイルデータのファイル名、及びユーザによって投稿されたコメントが関連付けて管理されており、
操作入力受付部32は、ユーザからコメント(例えば、「第1ビルの画像」)の入力も受け付け、
通信端末3bのディスプレイ315上には、投稿一覧画面が表示され、
通信端末3bの操作入力受付部32は、ユーザBから投稿一覧画面3200のサムネイル3230又は「第1ビルの画像」3240のコメントの押下を受け付けることによって、リンク情報の選択を受け付け(ステップS56)、
送受信部31は、通信ネットワーク9を介して画像管理システム5へ、上記ステップS56によって選択されたリンク情報を送信することにより、画像データを要求し(ステップS57)、
これにより、画像管理システム5の送受信部51は、リンク情報を受信し、
抽出部55は、上記ステップS57によって受信されたリンク情報から、画像IDと所定領域情報とを抽出し(ステップS58)、
記憶・読出部59は、ステップS58によって抽出された画像IDを検索キーとして画像管理テーブルを検索することにより、対応する画像データのファイル名を抽出すると共に、このファイル名の画像データを記憶部5000から読み出し(ステップS59)、
送受信部51は、通信ネットワーク9を介して通信端末3bへ、ステップS59によって読み出された画像データ、並びに、ステップS58によってリンク情報から抽出された画像ID及び所定領域情報を送信し(ステップS60)、
これにより、通信端末3bの送受信部31は、画像データ、画像ID、及び所定領域情報を受信し、
通信端末3bの表示制御部33は、ステップS60によって受信された画像データ及び所定領域情報に基づいて、画像データにおける所定領域Tから所定領域画像(部分画像P1)を作成して表示する(ステップS61)、
画像管理システム5。」

3 甲3に記載された事項、甲3発明
(2)甲3に記載された事項
本件特許に係る出願の優先日前の平成17年12月22日に頒布された刊行物である甲3には、以下の事項が記載されている。

(甲3a) 段落【0027】−【0029】
「【0027】
図1は本発明の実施の形態における不動産情報検索装置の構成図である。
図1において、本発明の実施の形態における不動産情報検索装置は、各不動産物件についてのそれぞれの物件データを蓄積するデータベース(以下、「DB」と称す。)1と、利用者または不動産物件の情報提供者の使用するクライアントコンピュータとしてのPC3によりインターネット等の電気通信回線(図示せず。)を介して接続されるサーバコンピュータ(以下、「SC」と称す。)2とから構成される。
【0028】
DB1に蓄積される物件データは、各不動産物件についての物件名、物件タイプ(洋風一戸建て、和風一戸建て、ワンルーム、1K〜1DK、2K〜2LDK、3K〜3LDK、4K〜4LDK、5以上、その他等)、家賃、敷金、礼金、共益費、住所(郵便番号、都道府県、市区町村、番地等)、コメント、備考等の文字データ、および、外観、エントランス、キッチン、リビング、浴室、トイレ、その他の各設備の画像データである。なお、各設備の画像データ(設備画像データ)は、魚眼レンズまたは全方位レンズを用いて撮像された画像データや、通常の画像データである。
【0029】
SC2は、不動産情報検索プログラムを実行することにより、PC3の要求に対して不動産物件の一覧表示データを提供する一覧データ提供手段4と、PC3の要求に対して各不動産物件の詳細な物件データを提供する物件データ提供手段5と、PC3の要求に対して各不動産物件のパノラマ画像データを提供するパノラマ画像データ提供手段6と、PC3の要求により不動産物件の物件データをDB1に登録する物件データ登録手段7として機能する。」

(甲3b) 【図1】




(甲3c) 段落【0032】
「【0032】
パノラマ画像データ提供手段6は、PC3に一覧表示された設備画像データの中からPC3により選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し、PC3へ表示させるためのデータとして構成して返信するものである。なお、ここでいうパノラマ画像データとは、魚眼レンズまたは全方位レンズを用いて撮像され、パノラマ画像データへと変換された後の画像データ、あるいはパノラマ画像データへの変換前の生データである。DB1にパノラマ画像データへと変換された後の画像データが蓄積されている場合、パノラマ画像データ提供手段6は、このパノラマ画像データへと変換された後の設備画像データをDB1から取得し、PC3により指定された視点を中心とする画像データへと変換し、この変換した画像データをPC3へ表示させるためのデータとして構成して返信する。一方、DB1にパノラマ画像データへの変換前の生データが蓄積されている場合、パノラマ画像データ提供手段6は、その画像データをDB1から取得し、PC3により指定された視点を中心とするパノラマ画像データとして変換し、この変換したパノラマ画像データをPC3へ表示させるためのデータとして構成して返信する。PC3は、このデータを受信すると、各設備のパノラマ画像データを表示する。」

(甲3d) 段落【0033】
「【0033】
上記構成の不動産情報検索装置の動作について、以下、図2のフロー図に従って説明する。なお、以下の例では、SC2は、データとしてHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語により記述されたウェブページを提供するウェブサーバである。また、PC3は、SC2により提供されるウェブページを閲覧するためのウェブブラウザを備えるものとする。」

(甲3e) 段落【0035】−【0038】
「【0035】
(ステップS102)
SC2は、PC3によりリンク31のいずれかが指定されると、一覧データ提供手段4により、この指定されたリンク31に対応する設備についてDB1を検索し、該当する設備について各不動産物件のそれぞれの設備画像データを取得する。そして、SC2は、一覧データ提供手段4により、この取得した各不動産物件の設備画像データをPC3へ図4から図7に示すように縦方向および横方向に複数戸ずつ一覧表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信する。
【0036】
図4は各不動産物件の外観の設備画像データ11を一覧表示した例、図5は各不動産物件のキッチンの設備画像データ12を一覧表示した例、図6は各不動産物件のリビングの設備画像データ13を一覧表示した例、図7は各不動産物件の浴室の設備画像データ14を一覧表示した例をそれぞれ示している。なお、図4から図7に示すように、各設備画像データ11〜14には、図3に示す初期画面と同様に住所の文字データ12と、物件タイプおよび家賃の文字データ13とが隣接して表示される。」

(甲3f) 【図4】−【図7】







(甲3g) 段落【0037】−【0038】
【0037】
(ステップS103)
図3または図4から図7に示すようにPC3に一覧表示された設備画像データ11〜14および物件タイプ並びに家賃の文字データ13には、それぞれ各不動産物件を選択して物件データを得るためのリンクが設けられている。SC2は、物件データ提供手段5により、PC3に一覧表示された設備画像データ11〜14および物件タイプ並びに家賃の文字データ13の中から、PC3により選択された設備に対応する不動産物件の物件データをDB1から取得する。そして、SC2は、物件データ提供手段5により、この取得した物件データをPC3へ図8に示すように表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信する。
【0038】
図8に示す物件データ表示画面には、PC3により選択された設備に対応する不動産物件の設備画像データ11〜14と、物件データ23と、この不動産物件の問い合わせ先24とが表示される。ここで、設備画像データ11〜14は、各設備を選択してパノラマ画像データを得るためのリンクが設けられている。また、この物件データ表示画面の左側のフレームには、パノラマ画像データを表示する分類として、外観、キッチン、リビング、浴室等の各設備を選択するためのリンク32が設けられている。」

(甲3h) 【図8】




(甲3i) 段落【0039】
「【0039】
(ステップS104)
ここで、PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われると、SC2は、パノラマ画像データ提供手段6により、この選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し、図9に示すようにPC3へ表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信する。図9はパノラマ画像データ提供手段6によりPC3へ提供される画像データ(以下、「パノラマ画像データ」と称す。)15の例を示している。」

(甲3j) 【図9】




ここで、上記【図9】を参照すると、この物件データ表示画面の左側のフレームには、「パークマンション」と記載されていることから、「パノラマ画像データ15とともに、物件の名称、例えば、「パークマンション」を表示すること」が開示されていると認められる。

(甲3k) 段落【0043】
「【0043】
また、本実施形態における不動産情報検索装置では、利用者が、一覧表示されている設備画像データ11〜14の中からさらに詳細に確認したい場合、その設備を選択することで、その設備に対応するパノラマ画像データ15がSC2により処理され、PC3に表示されるので、このパノラマ画像データ15により各設備をより広範囲で視覚的に確認しながら不動産物件を検索することができる。」

(甲3l) 段落【0050】
「【0050】
図12および図13は物件登録用ウェブページの例を示している。物件登録用ウェブページでは、図12に示すように、物件名、物件名読み仮名、物件のグループ、物件タイプ、物件タイプ備考、家賃、敷金、礼金、共益費、住所(郵便番号、都道府県、市区町村、番地等)、コメント、物件詳細から他のページへ戻る際のURL、備考等を登録することが可能である。また、図13に示すように、分類登録用ウェブページにより設定した各分類(外観、エントランス、キッチン、リビング、浴室、その他等)に対応する分類名、設備画像データ(通常の画像データ、パノラマ画像データ、パノラマ画像データの元となる魚眼レンズまたは全方位レンズを用いて撮像された生の画像データ等)を設定することが可能である。」

(甲3m) 段落【0052】
「【0052】
以上説明した管理者用の各ウェブページは、SC2の物件データ登録手段7によってPC3に提供される。そして、各ウェブページにより入力または選択されたデータは、PC3からSC2に送信され、この送信された内容は、SC2の物件データ登録手段7によりDB1へ反映される。」

(2)甲3発明
よって、甲3には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。

「不動産情報検索装置は、各不動産物件についてのそれぞれの物件データを蓄積するデータベース(以下、「DB」と称す。)1と、利用者または不動産物件の情報提供者の使用するクライアントコンピュータとしてのPC3によりインターネット等の電気通信回線(図示せず。)を介して接続されるサーバコンピュータ(以下、「SC」と称す。)2とから構成され、
DB1に蓄積される物件データは、各不動産物件についての物件名、物件タイプ(洋風一戸建て、和風一戸建て、ワンルーム、1K〜1DK、2K〜2LDK、3K〜3LDK、4K〜4LDK、5以上、その他等)、家賃、敷金、礼金、共益費、住所(郵便番号、都道府県、市区町村、番地等)、コメント、備考等の文字データ、および、外観、エントランス、キッチン、リビング、浴室、トイレ、その他の各設備の画像データであり、
SC2は、不動産情報検索プログラムを実行することにより、PC3の要求に対して不動産物件の一覧表示データを提供する一覧データ提供手段4と、PC3の要求に対して各不動産物件の詳細な物件データを提供する物件データ提供手段5と、PC3の要求に対して各不動産物件のパノラマ画像データを提供するパノラマ画像データ提供手段6と、PC3の要求により不動産物件の物件データをDB1に登録する物件データ登録手段7として機能し、
パノラマ画像データ提供手段6は、PC3に一覧表示された設備画像データの中からPC3により選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し、PC3へ表示させるためのデータとして構成して返信するものであり、
SC2は、データとしてHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語により記述されたウェブページを提供するウェブサーバであり、
PC3は、SC2により提供されるウェブページを閲覧するためのウェブブラウザを備えるものであり、
SC2は、一覧データ提供手段4により、各不動産物件の設備画像データをPC3へ縦方向および横方向に複数戸ずつ一覧表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信し、
各不動産物件の外観の設備画像データ11、各不動産物件のキッチンの設備画像データ12、各不動産物件のリビングの設備画像データ13、各不動産物件の浴室の設備画像データ14を一覧表示した、各設備画像データ11〜14には、住所の文字データ12と、物件タイプおよび家賃の文字データ13とが隣接して表示され、
SC2は、物件データ提供手段5により、PC3に一覧表示された設備画像データ11〜14および物件タイプ並びに家賃の文字データ13の中から、PC3により選択された設備に対応する不動産物件の物件データをDB1から取得し、
SC2は、物件データ提供手段5により、この取得した物件データをPC3へ表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信し、
物件データ表示画面には、PC3により選択された設備に対応する不動産物件の設備画像データ11〜14と、物件データ23と、この不動産物件の問い合わせ先24とが表示され、ここで、設備画像データ11〜14は、各設備を選択してパノラマ画像データを得るためのリンクが設けられており、また、この物件データ表示画面の左側のフレームには、パノラマ画像データを表示する分類として、外観、キッチン、リビング、浴室等の各設備を選択するためのリンク32が設けられており、
PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われると、SC2は、パノラマ画像データ提供手段6により、この選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し、PC3へ表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信し、
パノラマ画像データ15とともに、物件の名称、例えば、「パークマンション」を表示し、
利用者が、一覧表示されている設備画像データ11〜14の中からさらに詳細に確認したい場合、その設備を選択することで、その設備に対応するパノラマ画像データ15がSC2により処理され、PC3に表示されるので、このパノラマ画像データ15により各設備をより広範囲で視覚的に確認しながら不動産物件を検索することができ、
物件登録用ウェブページでは、物件名、物件名読み仮名、物件のグループ、物件タイプ、物件タイプ備考、家賃、敷金、礼金、共益費、住所(郵便番号、都道府県、市区町村、番地等)、コメント、物件詳細から他のページへ戻る際のURL、備考等を登録することが可能であり、
各ウェブページにより入力または選択されたデータは、PC3からSC2に送信され、この送信された内容は、SC2の物件データ登録手段7によりDB1へ反映される、
不動産情報検索装置。」

4 甲4に記載された事項、甲4発明
(1)甲4に記載された事項
本件特許に係る出願の優先日前の平成16年1月15日に頒布された刊行物である甲4には、以下の事項が記載されている。

(甲4a) 段落【0016】−【0017】
「【0016】
図1は本発明に係る閲覧仲介サービスの実施の形態の一例を示す。依頼者Cが情報として自ら撮影した写真を他人に見せたい場合、閲覧仲介サービスの主催者Pがインターネット上に立ち上げた画像バンクBというウェブサイトに、その写真の掲載を依頼する。依頼者Cの写真は、インターネットを利用する送信やメール添付、郵送や手渡しなどの方法で主催者P側に渡す。或いは、主催者Pに撮影依頼してもよい。写真としては、デジタル画像だけでなく、プリントアウトしたもの、本やカタログ等の写真、銀塩写真、ネガフィルムなどでも良い。
【0017】
主催者Pは、所定の料金を依頼者Cから受け取り、その写真をサーバーSにアップロードして画像バンクBというサイトに、例えば「12345」という名前で掲載する。そして、その写真の「12345」というサイト上での名前を依頼者Cに通知する。この名前は依頼者Cが希望する名前でもよく、主催者P側が設定した名前でもよい。これにより、依頼者Cは画像バンクBというサイトの「12345」という名前を閲覧希望者Uに開示することで、その閲覧希望者Uがインターネットを介してその写真を閲覧することができる。」

(甲4b) 【図1】




(甲4c) 段落【0022】−【0025】
「【0022】
閲覧仲介サービスのウェブサイトの情報掲載方法としては、図2に示すものの他、図3(a)のようにサムネイル形式で表示したり、同図(b)のように名前を付けたアイコンIに写真を格納して掲載してもよい。この場合、依頼者Cの希望によりパスワードを設定することもできる。
【0023】
また、同図(c)のように情報番号入力画面を表示し、閲覧希望者Uがキーボードで依頼者Cから開示された情報番号を入力して開いたり、同図(d)のように閲覧を希望する者と、情報の掲載を希望する者がアクセスできるように両者のボタンを設けた形態でもよい。閲覧希望ボタンをクリックすると、前述した図2や図3(a)乃至(d)のような画面が表示される。
【0024】
掲載依頼者Cが画像バンクBにアクセスして情報の掲載を依頼する場合のフローチャートを図4に示す。例えば図3(d)の初期画面表示で「掲載御希望の方」のボタンをクリックして、ユーザー情報入力画面を表示する。この画面に掲載料金や掲載期間などを表示しておき、ユーザーの氏名、会社名、住所、電話番号、Eメールアドレス、コメント入力欄、料金納付方法選択欄、掲載期間入力欄、掲載情報選択欄などに入力する。そして、送信ボタンをクリックして、ユーザー情報と掲載依頼情報が閲覧仲介サービス主催者PのサーバーSに送信される。
【0025】
閲覧仲介サービス主催者P側では、サーバーSに送られたこれらの情報を掲載情報管理ファイルとユーザー情報管理ファイルに蓄積しておく。そして、上述した公共性を有する場合や特定の契約をした場合等を除き掲載料金の決済を確認してから、掲載情報を画像バンクBに所定の名前で掲載する。そして、その名前をEメールで掲載依頼者Cに通知する。この場合、初めて登録したユーザーには会員登録して、ログインIDやパスワードなども通知するようにしてもよい。掲載依頼者Cが情報の名前の通知を受けることによって、掲載を依頼した情報が「画像バンクBの○○」という名前で掲載が完了したことになる。そして、掲載依頼者Cは「画像バンクBの○○」という名前を閲覧希望者Uに開示して、掲載依頼した情報を閲覧させる。」

(甲4d) 【図3】




(甲4e) 段落【0026】−【0027】
「【0026】
例えば、上述したように不動産仲介業者が画像仲介サービスを利用する場合として、図5のように家賃など種々のマンション賃貸情報の他に、URLとして「画像バンク.com」と各物件の番地(名前)を印刷したチラシを配布する。このチラシを見た閲覧希望者Uは、インターネットで物件の外観写真や間取り図等を閲覧することができる。不動産仲介業者は、チラシに物件の写真等を印刷する必要がなくなることや、場所をとる写真を省けるためより多くの物件を載せることが可能となる。閲覧希望者Uにとっても、多数の物件の中から交通手段や家賃などの条件によってかなり絞り込まれるため、条件に合わない物件の外観写真など必要としない情報を見なくても済む利点がある。
【0027】
閲覧希望者Uは、「画像バンク.com」にアクセスすると、図6のような開示された名前の物件の外観写真を閲覧することができる。本例の場合、表示画面にアイコンを設け、これをクリックすることによって図7のように物件の間取り図も閲覧できるようにしている。この場合、外観写真と共に間取り図を併せて表示してもよく、物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できるようにリンク設定してもよい。ここでいう、このパノラマ画像は、物件の内部を360゜パノラマ撮影し、これを回転させることによって、あたかも動画のように閲覧できる機能である。」

(甲4f) 【図5】−【図7】






(2)甲4発明
よって、甲4には、次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。

「閲覧仲介サービスにおいて、
依頼者Cが情報として自ら撮影した写真を他人に見せたい場合、閲覧仲介サービスの主催者Pがインターネット上に立ち上げた画像バンクBというウェブサイトに、その写真の掲載を依頼し、
依頼者Cの写真は、インターネットを利用する送信やメール添付、郵送や手渡しなどの方法で主催者P側に渡し、
主催者Pは、所定の料金を依頼者Cから受け取り、その写真をサーバーSにアップロードして画像バンクBというサイトに、例えば「12345」という名前で掲載し、これにより、依頼者Cは画像バンクBというサイトの「12345」という名前を閲覧希望者Uに開示することで、その閲覧希望者Uがインターネットを介してその写真を閲覧することができ、
閲覧仲介サービスのウェブサイトの情報掲載方法としては、サムネイル形式で表示したり、名前を付けたアイコンIに写真を格納して掲載してもよく、
情報番号入力画面を表示し、閲覧希望者Uがキーボードで依頼者Cから開示された情報番号を入力して開いたり、閲覧を希望する者と、情報の掲載を希望する者がアクセスできるように両者のボタンを設けた形態でもよく、
掲載依頼者Cが画像バンクBにアクセスして情報の掲載を依頼する場合、ユーザー情報入力画面を表示し、この画面に、ユーザーの氏名、会社名、住所、電話番号、Eメールアドレス、コメント入力欄、料金納付方法選択欄、掲載期間入力欄、掲載情報選択欄などに入力し、そして、送信ボタンをクリックして、ユーザー情報と掲載依頼情報が閲覧仲介サービス主催者PのサーバーSに送信され、
閲覧仲介サービス主催者P側では、サーバーSに送られたこれらの情報を掲載情報管理ファイルとユーザー情報管理ファイルに蓄積しておき、
掲載情報を画像バンクBに所定の名前で掲載し、その名前をEメールで掲載依頼者Cに通知し、
掲載を依頼した情報が「画像バンクBの○○」という名前で掲載が完了したことになると、掲載依頼者Cは「画像バンクBの○○」という名前を閲覧希望者Uに開示して、掲載依頼した情報を閲覧させ、
例えば、不動産仲介業者が画像仲介サービスを利用する場合、家賃など種々のマンション賃貸情報の他に、URLとして「画像バンク.com」と各物件の番地(名前)を印刷したチラシを配布し、
このチラシを見た閲覧希望者Uは、インターネットで物件の外観写真や間取り図等を閲覧することができ、
閲覧希望者Uは、「画像バンク.com」にアクセスすると、開示された名前の物件の外観写真を閲覧することができ、
表示画面にアイコンを設け、これをクリックすることによって、物件の間取り図も閲覧できるようにしており、この場合、外観写真と共に間取り図を併せて表示してもよく、物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できるようにリンク設定してもよく、ここでいう、このパノラマ画像は、物件の内部を360゜パノラマ撮影し、これを回転させることによって、あたかも動画のように閲覧できる、
閲覧仲介サービスのサーバーS。」

第6 当審の判断
1 甲1に基づく、取消理由1(新規性)、取消理由2(進歩性)について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。

(ア)甲1発明の「サーバー」は、本件発明1の「第1の管理システムとは異なる管理システム」と、「システム」である点で共通する。

(イ)甲1発明は、「VRパノラマは360度全方位をつなぎ目なく見ることができ、つまり、画像に天地左右の『端』はなく、『球体』をしており、VRパノラマの画像の実体は球体で、モニタにはその一部しか写らず、これをマウスや操作ボタン、あるいは指先(iPadなど)を使ってぐるぐる動かしながら観察」するものであるから、甲1発明の「VRパノラマ」は、本件発明1の「物件の全天球画像データ」と、「全天球画像データ」である点で共通する。
甲1発明は、「VRパノラマ画像を、FlashやHTML5で見られるように組み上げることを、『オーサリング』といい、このソフトもいろいろあり、オーサリングソフトでできたファイルをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクして表示」するから、甲1発明の「サーバー」は、「VRパノラマ」を保持しているといえる。
甲1発明における「写真など」、具体的には、「サムネイル」(「サムネイル画面」)、「地図や画像」(「地図や間取り図」)、「説明写真など」、「天安門の説明文」は、いずれも、本件発明1の「物件の関連情報」と、「関連情報」である点で共通する。
甲1発明の「写真などを表示しておき、それをクリックしたら、VRパノラマが開く、というタイプ」の「VRパノラマをWebサイトに表示する方法」で、「写真をクリックしてVRパノラマを表示する場合、<img>タグを使って写真を表示し、<a>タグで、VRパノラマの『.html』ファイルにリンクし、『.html』を開き、
ブログでは、写真とリンクを記述したコードを投稿し、
コード内容は、

height="300" alt="サンプル" class="pict" />

であり、
ブログでは写真だけが表示され、これをクリックすると、VRパノラマが開」くものにおける、「写真など」に付加されたリンク先である、「クリック」された「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報、具体的には、例えば、54ページ図中の<a>タグである、「」)は、本件発明1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」と、「全天球画像データを保持する前記システムのURLが含まれるリンク情報」である点で共通する。
甲1発明の「サーバー」において、「VRパノラマ」の「サムネイル」等とともに、「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報が保持されることは明らかである。
甲1発明の「パソコン」、及び、「iPad/iPhone」は、本件発明1の「第1の通信端末」に相当する。
甲1発明は、「VRパノラマを表示するためのファイルは複数あり、これらをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクし、リンク元となる写真も作って一緒に入れておき、
写真をクリックしてVRパノラマを表示する場合、<img>タグを使って写真を表示し、<a>タグで、VRパノラマの『.html』ファイルにリンクし、『.html』を開」くものであり、「パソコンのWebブラウザで閲覧する場合は、Flashが使われ、『SWF』にパノラマ画像を動かす仕組みが入って」おり、「iPad/iPhoneはFlashを表示できないから、HTML5/CSS3で記述したファイルでパノラマを表示」するから、甲1発明の「サーバー」が、「パソコン」や「iPad/iPhone」で「VRパノラマ」を表示するために、「パソコン」等から「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報を受信することは明らかである。
以上のことから、甲1発明の「写真などを表示しておき、それをクリックしたら、VRパノラマが開く、というタイプ」の「VRパノラマをWebサイトに表示する方法」で、「写真をクリックしてVRパノラマを表示する場合、<img>タグを使って写真を表示し、<a>タグで、VRパノラマの『.html』ファイルにリンクし、『.html』を開き、
ブログでは、写真とリンクを記述したコードを投稿し、
コード内容は、

height="300" alt="サンプル" class="pict" />

であり、
ブログでは写真だけが表示され、これをクリックすると、VRパノラマが開」き、「パソコンのWebブラウザで閲覧する場合は、Flashが使われ、『SWF』にパノラマ画像を動かす仕組みが入って」おり、「iPad/iPhoneはFlashを表示できないから、HTML5/CSS3で記述したファイルでパノラマを表示」することは、本件発明1の「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することと、「関連情報とともに保持される、全天球画像データを保持する前記システムのURLが含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することである点で共通するといえる。

(ウ)甲1発明における、「サムネイル画面でパノラマを切り替えることができ、地図や間取り図と連動させて切り替えることもでき」、
「サーバーにアップするファイルはいろいろであり、VRパノラマを動かすために、画像データだけでなく、Flashの『.swf』やHTML用の『.js』、動かし方や効果の指示書である『.xml』など、複数のファイルでできており、これら以外に、Webサイトでの表示を決める『.html』ファイルがあり、これにリンクすることで、VRパノラマを表示できるようになり、
VRパノラマを表示するためのファイルは複数あり、これらをまとめてサーバーにアップし、『.html』ファイルにリンクし、リンク元となる写真も作って一緒に入れておき、
写真をクリックしてVRパノラマを表示する場合、<img>タグを使って写真を表示し、<a>タグで、VRパノラマの『.html』ファイルにリンクし、『.html』を開き」、
「パソコンのWebブラウザで閲覧する場合は、Flashが使われ、『SWF』にパノラマ画像を動かす仕組みが入っていて、設定によっては画像ファイルなどを含める(embed)することができ、XMLファイルは、画像や見栄えの指定を行う指示書のようなもので、設定によってSWFに含めることができ、JSファイルは、SWFファイルをHTMLに埋め込んで使うのに必要なファイルで」あり、「iPad/iPhoneはFlashを表示できないから、HTML5/CSS3で記述したファイルでパノラマを表示し、これに使われるのもJSファイルであるが、Flash用に使っているものとは内容が異なり、このJSファイルは、FlashのSWFのような働きをし、パノラマの表示内容がXMLによって指定され」るとの構成において、「VRパノラマ」と「サムネイル」又は「地図や間取り図」とを「パソコン」等が表示する際に、「サーバー」が「VRパノラマ」を「パソコン」等に送信し、また、「VRパノラマを動かすため」のスクリプトである「.js」を「パソコン」等に送信するものであるといえる。
そして、甲1発明の「.js」は、本件発明1の「全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプト」に相当する。
もっとも、「サーバー」が「VRパノラマ」と「.js」とを送るタイミングは不明であるから、両者が同時に送信されるか否かは不明である(例えば、「スクリプト」が、「VRパノラマ」に先行して、端末に予めダウンロードされているような態様も想定できる。)。
そうすると、甲1発明の上記構成は、本件発明1の「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することと、「前記リンクを示す情報に対応する全天球画像と関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信し、また、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することである点で共通する。

(エ)よって、本件発明1と甲1発明との一致点・相違点は次のとおりである。

[一致点]
「システムであって、
関連情報とともに保持される、全天球画像データを保持する前記システムのURLが含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、
前記リンクを示す情報に対応する全天球画像と関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信し、また、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを前記第1の通信端末に送信する送信手段と、
を有するシステム。」

[相違点1−1]
「システム」に関して、本件発明1では、「第1の管理システムとは異なる管理システム」であり、「全天球画像データを管理する」ものであるのに対して、甲1発明では、「VRパノラマ」を保持する「サーバー」であって、別途存在する「第1の管理システム」と「異なる」ことが特定されておらず、「VRパノラマ」を「管理する」「管理システム」であることも特定されていない点。

[相違点1−2]
「関連情報」及び「全天球画像データ」に関して、本件発明1では、「物件の関連情報」及び「当該物件の全天球画像データ」であるのに対して、甲1発明では、それらのいずれも「物件の」ものであることが特定されていない点。

[相違点1−3]
「リンク情報」に関して、本件発明1では、「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれる」ものであるのに対して、甲1発明では、「サーバー」において、「VRパノラマ」の「サムネイル」等とともに、「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報が保持され、「パソコン」や「iPad/iPhone」で「VRパノラマ」を表示するために、「パソコン」等から「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報を受信するものの、当該情報が「第1の管理システム」で「サムネイル」等と「紐付けて管理される」ものであることが特定されておらず、当該情報に「VRパノラマ」の「画像識別情報」が含まれることも特定されていない点。

[相違点1−4]
「送信手段」に関して、本件発明1では、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を」送信するものであるのに対して、甲1発明では、「サムネイル画面でパノラマを切り替えることができ、地図や間取り図と連動させて切り替えることもでき」、「VRパノラマ」と、スクリプトである「.js」とを、「サーバー」が「パソコン」に送信するものの、「VRパノラマ」が「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報に含まれる「前記画像識別情報」に対応するものであることは特定されておらず、「VRパノラマ」を「閲覧するための閲覧スクリプト」を、「VRパノラマ」と「サムネイル」等とを通信端末で表示する際に、「当該全天球画像」とともに送信することは特定されていない点。

イ 判断
事案に鑑みて、先に、「リンク情報」に関して相互に関連する[相違点1−3]及び[相違点1−4]について、まとめて検討する。
全天球画像データを管理する管理システムが、管理システムのURLと全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、通信端末から受信し、全天球画像を通信端末が表示する際に、画像識別情報に対応する全天球画像を通信端末に送信し、かつ、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを通信端末に送信するとの構成は、甲1〜10のいずれにも記載されておらず、本件特許の優先日前における周知技術であったともいえない。
甲2発明は、「このリンク情報は、画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれており」、「通信端末3b」の「送受信部31」が「通信ネットワーク9を介して画像管理システム5へ、上記ステップS56によって選択されたリンク情報を送信」し、「画像管理システム5」において、「送受信部51」が「リンク情報を受信し」、「抽出部55」が「上記ステップS57によって受信されたリンク情報から、画像IDと所定領域情報とを抽出し(ステップS58)」、「記憶・読出部59」が「ステップS58によって抽出された画像IDを検索キーとして画像管理テーブルを検索することにより、対応する画像データのファイル名を抽出すると共に、このファイル名の画像データを記憶部5000から読み出し(ステップS59)」、「送受信部51」が「通信ネットワーク9を介して通信端末3bへ、ステップS59によって読み出された画像データ、並びに、ステップS58によってリンク情報から抽出された画像ID及び所定領域情報を送信」するとの構成を含むものであるが、甲2には上記構成(特に、リンク情報に含まれる画像識別情報に対応する全天球画像を通信端末が表示する際に、全天球画像を通信端末に送信し、かつ、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを通信端末に送信すること)は開示されていない。
また、上記ア(イ)、(ウ)によれば、甲1発明は、「パソコン」等で「VRパノラマ」を表示するために、「サーバー」が「パソコン」等から「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報を受信し、「VRパノラマ」の「画像データ」と、「VRパノラマを動かすため」の「.js」とを、「サーバー」が「パソコン」等に送信する構成を含むといえるが、当該構成における「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報は、「VRパノラマを動かすため」の「.js」を利用する上で必要なものであって、当該構成は一体のものであると解される。
そうすると、甲1発明に甲2発明を適用して、甲1発明における上記構成のうちの「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報のみを部分的に甲2発明の「画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報」を含む「リンク情報」で置換することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえない。
よって、少なくとも[相違点1−3]及び[相違点1−4]は、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲1に記載された発明ではない。
また、[相違点1−1]及び[相違点1−2]について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1に記載された発明及び甲2〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件発明4について
本件発明4は、本願発明1を減縮した発明であり、[相違点1−3]及び[相違点1−4]に係る構成を含むものであるから、本件発明1と同様に、甲1に記載された発明ではなく、甲1に記載された発明及び甲2〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)申立人の主張について
申立人は意見書において、甲1発明の「サンプル」は、VRパノラマの画像識別情報を含んだリンク情報であるとした上で(5頁)、これを前提に、甲1発明は、本件発明1は、甲1に記載された発明である旨主張している(8頁)。
しかしながら、甲1発明の「 よって、申立人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ
したがって、甲1に基づく取消理由1(新規性)又は取消理由2(進歩性)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

2 甲2に基づく、取消理由2(進歩性)について
(1) 本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。

(ア)甲2発明の「リンク情報管理システム7」、「画像管理システム5」は、それぞれ、本件発明1の「第1の管理システム」、「第1の管理システムとは異なる管理システム」に相当する。

(イ)甲2発明における「所定領域画像のサムネイル」、及び、「ユーザのコメント」(例えば、「第1ビルの画像」)は、いずれも、本件発明1の「物件の関連情報」と、「関連情報」である点で共通する。
甲2発明の「リンク情報」は、「画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれて」いるものであり、ここで、甲2発明は、「全天球パノラマ画像における所定領域Tは、この全天球パノラマ画像における仮想カメラICの位置の所定領域情報によって特定され」、「画像データに対して、この画像データを識別するための画像IDを付与」し、また、「画像IDを検索キーとして画像管理テーブルを検索することにより、対応する画像データのファイル名を抽出する」ものであることを考慮すると、「画像ID」は「全天球パノラマ画像」の「画像データ」を識別する情報であるといえる。
そして、甲2発明の「画像管理システム5のURL」、「全天球パノラマ画像」の「画像データ」、「画像ID」は、それぞれ、本件発明1の「前記管理システムのURL」、「前記全天球画像データ」、「画像識別情報」に相当する。また、甲2発明の「画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれて」いる「リンク情報」は、本件発明1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」と、「全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」である点で共通する。
甲2発明の「通信端末3b」は、本件発明1の「第1の通信端末」に相当する。
甲2発明の「リンク情報」について、「リンク情報管理システム7は、RAM503、及びHD504によって構築される記憶部7000を有しており、この記憶部7000には、投稿データ管理テーブルによって構成されている投稿データ管理DB7003が構築され、この投稿データ管理テーブルでは、ユーザID毎に、リンク情報、サムネイルデータのファイル名、及びユーザによって投稿されたコメントが関連付けて管理されて」いることは、本件発明1の「リンク情報」が「第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される」ことと、「リンク情報」が「第1の管理システムで関連情報と紐付けて管理される」ことである点で共通するといえる。
よって、甲2発明の「画像管理システム5の送受信部51は、リンク情報を受信し」ていることは、本件発明1の「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することと、「前記第1の管理システムで関連情報と紐付けて管理される、全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することである点で共通するといえる。

(ウ)甲2発明は、「ディスプレイ315上には、所定領域画像を表示する所定領域画像表示領域3110、所定領域画像のサムネイルを表示するサムネイル表示領域3120、ユーザのコメントを表示するコメント表示領域3130が表示されて」いるものであるから、甲2発明の「抽出部55は、上記ステップS57によって受信されたリンク情報から、画像IDと所定領域情報とを抽出し(ステップS58)、記憶・読出部59は、ステップS58によって抽出された画像IDを検索キーとして画像管理テーブルを検索することにより、対応する画像データのファイル名を抽出すると共に、このファイル名の画像データを記憶部5000から読み出し(ステップS59)、送受信部51は、通信ネットワーク9を介して通信端末3bへ、ステップS59によって読み出された画像データ、並びに、ステップS58によってリンク情報から抽出された画像ID及び所定領域情報を送信し(ステップS60)、これにより、通信端末3bの送受信部31は、画像データ、画像ID、及び所定領域情報を受信し、通信端末3bの表示制御部33は、ステップS60によって受信された画像データ及び所定領域情報に基づいて、画像データにおける所定領域Tから所定領域画像(部分画像P1)を作成して表示する(ステップS61)」ことは、本件発明1において、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することと、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することである点で共通するといえる。

(エ)よって、本件発明1と甲2発明との一致点・相違点は次のとおりである。

[一致点]
「第1の管理システムとは異なる管理システムであって、
前記第1の管理システムで関連情報と紐付けて管理される、全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、
前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、
を有するシステム。」

[相違点2−1]
「関連情報」及び「全天球画像データ」に関して、本件発明1では、「物件の関連情報」及び「当該物件の全天球画像データ」であるのに対して、甲2発明では、それらのいずれも「物件の」ものであることが特定されていない点。

[相違点2−2]
「送信手段」に関して、本件発明1では、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を」送信するものであるのに対して、甲2発明では、「全天球パノラマ画像」を「閲覧するための閲覧スクリプト」を、「全天球パノラマ画像」と「所定領域画像のサムネイル」等とを「通信端末3b」で表示する際に、「全天球パノラマ画像」とともに送信することが特定されていない点。

イ 判断
事案に鑑みて、先に[相違点2−2]について検討する。
全天球画像データを管理する管理システムが、管理システムのURLと全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を通信端末から受信し、全天球画像を通信端末が表示する際に、画像識別情報に対応する全天球画像を通信端末に送信し、かつ、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを通信端末に送信するとの構成は、甲1〜10のいずれにも記載されておらず、本件特許の優先日前における周知技術であったともいえない。
甲1発明は、上記1(1)イで述べたように、「パソコン」等で「VRパノラマ」を表示するために、「サーバー」が「パソコン」等から「VRパノラマの『.html』ファイルにリンク」する情報を受信し、「VRパノラマ」の「画像データ」と、「VRパノラマを動かすため」の「.js」とを、「サーバー」が「パソコン」等に送信する構成を含むものであるが、甲1には上記構成(特に、リンク情報に含まれる画像識別情報に対応する全天球画像を通信端末が表示する際に、全天球画像を通信端末に送信し、かつ、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを通信端末に送信すること)は開示されていない。
また、甲1発明における上記構成は、上記1(1)イで述べたように一体のものであると解されることから、「.js」を「サーバー」が「パソコン」等に送信する構成のみを抽出して甲2発明に適用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえない。
よって、[相違点2−1]について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2に記載された発明及び甲1,3〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)本件発明4について
本件発明4は、本願発明1を減縮した発明であり、[相違点2−2]に係る構成を含むものであるから、本件発明1と同様に、甲2に記載された発明及び甲1,3〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)申立人の主張について
申立人は意見書において、甲1発明と甲2発明とは、いずれも端末にパノラマ画像を送信して、閲覧させるシステムに係る発明であるから、甲2発明において甲1発明の構成を付加することは当業者が容易に推考し得ることある旨、主張している(11頁)。
しかしながら、上記(1)イのとおり、甲1発明における構成は一体のものであると解されることから、その一部の構成を抽出して甲2発明に適用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえず、仮に甲2発明に甲1発明の構成を適用しても、甲2発明における「画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれて」いる「リンク情報」が甲2発明で置換されることとなり、本件発明1の[相違点2−2]に係る構成には至らない。
よって、申立人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ
したがって、甲2に基づく取消理由2(進歩性)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

3 甲3に基づく、取消理由2(進歩性)について
(1) 本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲3発明とを対比する。

(ア)甲3発明の「サーバコンピュータ(以下、「SC」と称す。)2」は、本件発明1の「第1の管理システムとは異なる管理システム」と、「システム」である点で共通する。

(イ)甲3発明は、「PC3の要求に対して各不動産物件のパノラマ画像データを提供する」ものであり、「SC2は、データとしてHTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語により記述されたウェブページを提供するウェブサーバであり、PC3は、SC2により提供されるウェブページを閲覧するためのウェブブラウザを備えるものであり、」「設備画像データ11〜14は、各設備を選択してパノラマ画像データを得るためのリンクが設けられており、また、この物件データ表示画面の左側のフレームには、パノラマ画像データを表示する分類として、外観、キッチン、リビング、浴室等の各設備を選択するためのリンク32が設けられており、PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われると、SC2は、パノラマ画像データ提供手段6により、この選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し、PC3へ表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信」するものであって、ここで、HTMLにより記述されたウェブページでは、通常、リンクの情報がURLで特定されるから、甲3発明の「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」は、URLが含まれる、「不動産物件のパノラマ画像データ」に関する情報であるといえる。そして、甲3発明の「各不動産物件のパノラマ画像データ」は、本件発明1の「物件の全天球画像データ」に相当し、甲3発明の「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」は、本件発明1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」と、「URLが含まれる、物件の全天球画像データに関するリンク情報」である点で共通する。
甲3発明の「利用者または不動産物件の情報提供者の使用するクライアントコンピュータとしてのPC3」は、本件発明1の「第1の通信端末」に相当する。
甲3発明において「PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われると、SC2は、パノラマ画像データ提供手段6により、この選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し」ていることは、ここで「選択された設備」に対応する「パノラマ画像データをDB1から取得」する前提として、「SC2」が「選択された設備」に対応する「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」を受信していることは明らかである。
よって、甲3発明における「PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われると、SC2は、パノラマ画像データ提供手段6により、この選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得」していることと、本件発明1の「第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することとは、「URLが含まれる、物件の全天球画像データに関するリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することである点で共通するといえる。

(ウ)甲3発明における「DB1に蓄積される物件データ」は、「各不動産物件についての物件名、物件タイプ(洋風一戸建て、和風一戸建て、ワンルーム、1K〜1DK、2K〜2LDK、3K〜3LDK、4K〜4LDK、5以上、その他等)、家賃、敷金、礼金、共益費、住所(郵便番号、都道府県、市区町村、番地等)、コメント、備考等の文字データ、および、外観、エントランス、キッチン、リビング、浴室、トイレ、その他の各設備の画像データであ」るから、本件発明1の「物件の関連情報」に相当する。
甲3発明の「パノラマ画像データ15とともに、物件の名称、例えば、「パークマンション」を表示し」ていることにおいて、「パノラマ画像データ15」は、「PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われ」て「DB1から取得」されたものであるから、「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」に対応しているといえる。
よって、甲3発明において、「PC3により設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32により設備の選択が行われると、SC2は、パノラマ画像データ提供手段6により、この選択された設備に対応するパノラマ画像データをDB1から取得し、PC3へ表示させるためのデータとして構成し、PC3へ送信し」ていることは、本件発明1において、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することと、「前記リンク情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することである点で共通するといえる。

(エ)よって、本件発明1と甲3発明との一致点・相違点は次のとおりである。

[一致点]
「システムであって、
URLが含まれる、物件の全天球画像データに関するリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、
前記リンク情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、
を有するシステム。」

[相違点3−1]
「システム」に関して、本件発明1では、「第1の管理システムとは異なる管理システム」であり、「全天球画像データを管理する」ものであるのに対して、甲3発明では、「SC2」であって、別途存在する「第1の管理システム」と「異なる」ことが特定されておらず、「パノラマ画像データ15」を「管理する」「管理システム」であることも特定されていない点。

[相違点3−2]
「リンク情報」に関して、本件発明1では、「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれる」ものであるのに対して、甲3発明では、「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」の情報が、「前記第1の管理システム」で「各不動産物件についての物件名」等と「紐付けて管理される」ことは特定されておらず、また、当該情報に含まれるURLが「パノラマ画像データ15」を管理する「SC2」のURLであることが特定されておらず、「パノラマ画像データ15」に関する情報が「画像識別情報」であることも特定されていない点。

[相違点3−3]
「送信手段」に関して、本件発明1では、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を」送信するものであるのに対して、甲3発明では、「パノラマ画像データ15」が「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」の情報に含まれる「前記画像識別情報」に対応することが特定されておらず、「パノラマ画像データ15」を「閲覧するための閲覧スクリプト」を、「パノラマ画像データ15」と「各不動産物件についての物件名」等とを「PC3」で表示する際に、「パノラマ画像データ15」とともに送信することも特定されていない点。

イ 判断
事案に鑑みて、先に、「リンク情報」に関して相互に関連する[相違点3−2]及び[相違点3−3]について、まとめて検討する。
全天球画像データを管理する管理システムが、管理システムのURLと全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、通信端末から受信し、全天球画像を通信端末が表示する際に、画像識別情報に対応する全天球画像を通信端末に送信し、かつ、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを通信端末に送信するとの構成は、甲1〜10のいずれにも記載されておらず、本件特許の優先日前における周知技術であったともいえない。
甲1発明は、上記2(1)イで述べた構成を含むものであり、甲2発明は、上記1(1)イで述べた構成を含むものであるが、甲1,2のいずれにも上記構成は開示されていない。
よって、[相違点3−1]について検討するまでもなく、本件発明1は、甲3に記載された発明及び甲1,2,4〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)本件発明4について
本件発明4は、本願発明1を減縮した発明であり、[相違点3−2]及び[相違点3−3]に係る構成を含むものであるから、本件発明1と同様に、甲3に記載された発明及び甲1,2,4〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)申立人の主張について
申立人は意見書において、甲3発明と本件発明1とは、「物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を備える点で共通するとした上で(13頁)、これを前提に、甲1発明は、甲3発明、甲1発明及び甲5〜10に記載された事項に基づいて当業者が容易に相当し得た旨、主張している(16頁)。
しかしながら、上記(1)ア(イ)のとおり、甲3発明の「設備画像データ11〜14のリンクまたはリンク32」は、「不動産物件のパノラマ画像データ」に関する情報であって、URLが含まれるとはいえるものの、URLとは別に「パノラマ画像データ」の画像識別情報が含まれることは、甲3には記載されておらず、自明ともいえないから、甲3発明と本件発明1とは、申立人が主張するような点において共通するとはいえない。
よって、申立人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ
したがって、甲3に基づく取消理由2(進歩性)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

4 甲4に基づく、取消理由2(進歩性)について
(1) 本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲4発明とを対比する。

(ア)甲4発明の「サーバーS」は、本件発明1の「第1の管理システムとは異なる管理システム」と、「システム」である点で共通する。

(イ)甲4発明の「物件の外観写真や間取り図等」は、本件発明1の「物件の関連情報」に相当する。
甲4発明の「物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できるようにリンク設定してもよ」いことにおける「パノラマ撮影した画像」は、データであり、本件発明1の「物件の全天球画像データ」に相当し、「リンク」は、情報であり、本件発明1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」と、「当該物件の全天球画像データに関するリンク情報」である点で共通する。
甲4発明の「依頼者Cは画像バンクBというサイトの「12345」という名前を閲覧希望者Uに開示することで、その閲覧希望者Uがインターネットを介してその写真を閲覧することができ」ものにおいて、「閲覧希望者U」が、本件発明1の「第1の通信端末」に相当する通信端末を利用していることは明らかである。
よって、甲4発明において「閲覧希望者Uは、「画像バンク.com」にアクセスすると、開示された名前の物件の外観写真を閲覧することができ、
表示画面にアイコンを設け、これをクリックすることによって、物件の間取り図も閲覧できるようにしており、この場合、外観写真と共に間取り図を併せて表示してもよく、物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できるようにリンク設定してもよく、ここでいう、このパノラマ画像は、物件の内部を360゜パノラマ撮影し、これを回転させることによって、あたかも動画のように閲覧できる」ことは、ここで「サ−バーS」が、「閲覧希望者U」側と情報を送受信するための何らかの「受信手段」を備えており、「物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できる」「リンク」をクリックしたことを知らされていることが明らかであるから、本件発明1の「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することと、「物件の全天球画像データに関するリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を有することである点で共通するといえる。

(ウ)甲4発明において、「閲覧希望者Uは、「画像バンク.com」にアクセスすると、開示された名前の物件の外観写真を閲覧することができ、
表示画面にアイコンを設け、これをクリックすることによって、物件の間取り図も閲覧できるようにしており、この場合、外観写真と共に間取り図を併せて表示してもよく、物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できるようにリンク設定してもよく、ここでいう、このパノラマ画像は、物件の内部を360゜パノラマ撮影し、これを回転させることによって、あたかも動画のように閲覧できる」ことは、ここで「サ−バーS」が、「閲覧希望者U」側と情報を送受信するための何らかの「送信手段」を備えており、「パノラマ画像」を通信端末に送信していることが明らかであるから、本件発明1において、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有することと、「前記リンク情報に対応する全天球画像を前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信する送信手段」を有する点で共通するといえる。

(エ)よって、本件発明1と甲4発明との一致点・相違点は次のとおりである。

[一致点]
「システムであって、
物件の全天球画像データに関するリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、
前記リンク情報に対応する全天球画像を前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、
を有するシステム。」

[相違点4−1]
「システム」に関して、本件発明1では、「第1の管理システムとは異なる管理システム」であり、「全天球画像データを管理する」ものであるのに対して、甲4発明では、「サーバーS」であって、別途存在する「第1の管理システム」と「異なる」ことが特定されておらず、「パノラマ撮影した画像」を「管理する」「管理システム」であることも特定されていない点。

[相違点4−2]
「リンク情報」に関して、本件発明1では、「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれる」ものであるのに対して、甲4発明では、「物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できる」「リンク」の情報が、「第1の管理システム」で「物件の外観写真や間取り図等」と「紐付けて管理される」ことが特定されておらず、当該情報に含まれるものが、「サーバーS」の「URL」及び「パノラマ撮影した画像」の「画像識別情報」であることも特定されていない点。

[相違点4−3]
「送信手段」に関して、本件発明1では、「前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段」であるのに対して、甲4発明では、「パノラマ撮影した画像」が「物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できる」「リンク」の情報に含まれる「前記画像識別情報」に対応することが特定されておらず、また、「物件の外観写真や間取り図等」を「パノラマ撮影した画像」とともに表示することも特定されておらず、それらを通信端末で表示する際に、「パノラマ撮影した画像」を「閲覧するための閲覧スクリプト」を、「パノラマ撮影した画像」とともに送信することも特定されていない点。

イ 判断
事案に鑑みて、先に、「リンク情報」に関して相互に関連する[相違点4−2]及び[相違点4−3]について、まとめて検討する。
全天球画像データを管理する管理システムが、管理システムのURLと全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、通信端末から受信し、全天球画像を通信端末が表示する際に、画像識別情報に対応する全天球画像を通信端末に送信し、かつ、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトを通信端末に送信するとの構成は、甲1〜10のいずれにも記載されておらず、本件特許の優先日前における周知技術であったともいえない。
甲1発明は、上記2(1)イで述べた構成を含むものであり、甲2発明は、上記1(1)イで述べた構成を含むものであるが、甲1,2のいずれにも上記構成は開示されていない。
よって、[相違点4−1]について検討するまでもなく、本件発明1は、甲4に記載された発明及び甲1〜3,5〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)本件発明4について
本件発明4は、本願発明1を減縮した発明であり、[相違点4−2]に係る構成を含むものであるから、本件発明1と同様に、甲4に記載された発明及び甲1〜3,5〜10のいずれかに記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)申立人の主張について
申立人は意見書において、甲3発明と本件発明1とは、「物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段」を備える点で共通するとした上で(17頁)、これを前提に、甲1発明は、甲4発明、甲1発明及び甲5〜10に記載された事項に基づいて当業者が容易に相当し得た旨、主張している(19頁)。
しかしながら、甲4発明の「物件内部をパノラマ撮影した画像が閲覧できるようにリンク設定してもよ」いことにおける「リンク」の情報に「サーバーS」のURL及び「パノラマ撮影した画像」の画像識別情報が含まれることは、甲4には記載されておらず、自明ともいえないから、甲4発明と本件発明1とは、申立人が主張するような点において共通するとはいえない。
よって、申立人の上記主張は採用できない。

(4)まとめ
したがって、甲4に基づく取消理由2(進歩性)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

5 取消理由3(サポート要件)について
請求項1の「第1の管理システムとは異なる管理システム」との記載は、発明の詳細な説明の段落【0010】における、「図1に示されているように、本実施形態の画像共有システムは、撮影装置1、複数の通信端末(3a,3b)、画像管理システム5、及びリンク情報管理システム7によって構築されている。」との、「画像管理システム5」が「リンク情報管理システム7」と異なるシステムである旨の記載に対応しているものと解される。
また、請求項1の「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」との記載は、発明の詳細な説明の段落【0030】における「このリンク情報は、図13に示されているように、画像管理システム5のURL、画像ID、及び所定領域情報が含まれている。」との記載に対応しているものと解される一方、請求項1の当該記載が、仮に、直接的に全天球画像データを識別する画像識別情報を含み得るとしても、当該技術分野の本件特許の優先日における技術常識に照らして、発明の詳細な説明に記載された範囲を超えるものとはいえない。
そうすると、請求項1の上記の各記載に基づいて、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものということはできない。
したがって、取消理由3(サポート要件)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

6 取消理由4(明確性
請求項1に記載されている「第1の管理システムとは異なる管理システム」及び「前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」は、いずれも明確である。
したがって、取消理由4(明確性)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

7 取消理由5(新規事項)について
上記第2の1(1)の訂正事項1により、訂正前の請求項1に記載されていた「当該物件の全天球画像データのリンクを示す情報」は、訂正後の請求項1において「当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報」と訂正されており、訂正事項1が新規事項を追加するものではないことは、同2(1)イで検討したとおりである。
したがって、取消理由5(新規事項)によっては、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

8 取消理由6(分割の適否に基づく進歩性
当該取消理由は、請求項1の「第1の管理システム」と「管理システム」が同一の「管理システム」であるものと解し得ることを前提とするものであるが、請求項1の「第1の管理システムとは異なる管理システム」との記載について、そのように解することはできない。
したがって、取消理由6(分割の適否に基づく進歩性)によって、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。

第7 むすび
以上のとおり、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由のいずれによっても、請求項1,4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1,4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
請求項2,3は訂正により削除され、これにより、当該請求項に係る特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の管理システムとは異なる管理システムであって、
前記第1の管理システムで物件の関連情報と紐付けて管理される、当該物件の全天球画像データを管理する前記管理システムのURLと前記全天球画像データの画像識別情報が含まれるリンク情報を、第1の通信端末から受信する受信手段と、
前記リンク情報に含まれる前記画像識別情報に対応する全天球画像と前記物件の関連情報とを前記第1の通信端末が表示する際に、当該全天球画像と、全天球画像を閲覧するための閲覧スクリプトと、を前記第1の通信端末に送信する送信手段と、
を有する管理システム。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】
前記物件の関連情報は、物件に関連する情報である、
請求項1に記載の管理システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2023-08-21 
出願番号 P2020-105293
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (H04L)
P 1 651・ 841- YAA (H04L)
P 1 651・ 121- YAA (H04L)
P 1 651・ 55- YAA (H04L)
P 1 651・ 537- YAA (H04L)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 山澤 宏
特許庁審判官 富澤 哲生
野崎 大進
登録日 2021-10-04 
登録番号 6954410
権利者 株式会社リコー
発明の名称 管理システム  
代理人 弁理士法人酒井国際特許事務所  
代理人 酒井 宏明  
代理人 酒井 宏明  
代理人 弁理士法人酒井国際特許事務所  

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