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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61B
管理番号 1405754
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2024-01-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2023-05-23 
確定日 2023-10-19 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第7239663号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第7239663号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7239663号(以下、「本件特許」という。)は、2017年(平成29年) 9月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年 9月22日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2019−505180号の一部を令和 2年 7月10日に新たな特許出願とした特願2020−118918号の一部をさらに令和 3年 10月27日に新たな特許出願とした特願2021−175769号の請求項1〜15に係る発明について令和 5年 3月 6日に特許権の設定登録がされ、その後、令和 5年 5月23日に本件訂正審判の請求がされ、審判請求書の手続補正書が令和 5年 7月20日付けで提出されたものである。


第2 請求の趣旨および訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判は、本件特許の願書に添付した明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

2 訂正の内容
本件訂正審判に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)は、以下のとおりである(下線は訂正箇所を明示するために当審が付した。)。
明細書の段落[0035]の「しかしながら、カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく、クリップアセンブリ402を搭載する間、カプセル412のチャネル444の内部に受承される。」を「しかしながら、カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく、クリップアセンブリ402を搭載する間、カテーテル406が、カプセル412のチャネル444の内部に受承される。」に訂正する。


第3 当審の判断
1 訂正の目的について
本件訂正前の明細書の[0035]には、「図6〜7に示されているように、本願の別の実施形態に係るシステム400は、上述のシステム100〜300とほぼ同一であり、・・・。しかしながら、カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく、クリップアセンブリ402を搭載する間、カプセル412のチャネル444の内部に受承される。・・・」と記載されている。
この記載は、図1〜5と図6〜7を参照すると、システム400が、システム100〜300とほぼ同一であり、「しかしながら」カプセルとカテーテルとについて、どちらがどちらの内部に受承されるのかという関係に関して、システム100〜300のように「カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく」、システム400では、カテーテル406が、「カプセル412のチャネル444の内部に受承される。」ことを説明するものと理解される。そうすると、「カプセル412のチャネル444の内部に受承される。」との記載は、「カテーテル406が」という主語を欠いたものであることが、文脈上明らかである。
したがって、訂正前の明細書の段落[0035]における「しかしながら、カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく、クリップアセンブリ402を搭載する間、カプセル412のチャネル444の内部に受承される。」という記載は、「しかしながら、カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく、クリップアセンブリ402を搭載する間、カテーテル406が、カプセル412のチャネル444の内部に受承される。」の誤記であることは明らかである。
以上より、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。

2 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件訂正は、上記1のとおりであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正でないこと
本件訂正は、上記1のとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 独立特許要件について
本件訂正は、上記1のとおりであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないとする新たな理由は見いだせない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。


第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】再搭載可能なクリップの複数の開閉手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリップシステムに関する。より詳細には、再搭載可能な内視鏡クリップシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
胃腸管系(GI)、胆道系、血管系等の体管腔及び中空器官は、内視鏡手術で治療されることが多く、多くの場合には、内部出血を制御する為に止血が必要である。止血クリップは、外傷部周囲の組織を把持して外傷部の端部を一時的に固定して自然治癒の過程を経て永久的に外傷を閉鎖する。クリップは、専門の内視鏡クリップ装置で体内の所望する部位に搬送された後、クリップ搬送装置が撤退されて、体内に留置される。止血作用を提供することに加えて、内視鏡クリップ装置は、例えば、内視鏡を用いて標識したり管腔の孔を閉鎖することにも使用される。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、アプリケータとクリップアセンブリとからなる組織を治療するためのシステムに関する。アプリケータは、カテーテルと、その内部を貫通して延びる制御部材と、を備え、カテーテルは、近位端から遠位端に長軸方向に延び、且つその内部を貫通する管腔を備え、制御部材は、カテーテルに対して長軸方向に移動可能であり、且つその遠位端の近位側に隣接構造を備える。クリップアセンブリは、アプリケータの遠位端に離脱可能に連結され、且つ一対のクリップアームを備え、各クリップアームは、近位端から遠位端まで延び、各クリップアームの近位端は、カプセルのチャネルの中に摺動可能に受承され、且つクリップアームが、クリップの遠位端が互いに離間した組織受け取り姿勢とクリップアームの遠位端が互いに接近した組織クリップ姿勢との間でカプセルに対して移動することができるように、制御部材の遠位端に離脱可能に連結され、カプセルは、近位タブがチャネルの中に延びる付勢された非係合姿勢と、近位タブがカテーテルの管腔の係合部に係合するようにカプセルの長軸に対して横方向外方に延びている係合姿勢と、の間で移動することができる近位タブを備え、近位タブは、隣接構造がカプセルの内部に受承された時に、非係合姿勢から係合姿勢に移動するように構成されている。
【0004】
実施形態では、カプセルは、近位タブの遠位側に配置された遠位タブを備える。
実施形態では、遠位タブは、非係合姿勢と係合姿勢との間で移動可能であり、遠位タブは、カプセルの外側表面に対して横方向に外方に延びる。
【0005】
実施形態では、遠位タブは、カプセルの壁を貫通して切り欠けで形成され、遠位タブは、壁に連結されている遠位端からカプセルの近位端の方に延びる近位自由端まで延びている。
【0006】
実施形態では、カプセルは、その近位部を形成する複数のフィンガーを備え、近位タブは、フィンガーの近位端から延びる。
実施形態では、カテーテルの管腔の係合部は、管腔の中に径方向に延びる突出を備える。
【0007】
実施形態では、近位タブと遠位タブの間の距離は、近位タブと遠位タブとが、カテーテルの係合部の近位端と遠位端とに接するように選択される。
実施形態では、カテーテルの管腔の係合部は、その内部に延びる溝を備える。
【0008】
実施形態では、管腔は、管腔に沿って停止部を備え、停止部は、カプセルが停止部を超えて近位方向に移動することを防止する。
実施形態では、隣接構造は、制御部材の外表面から径方向に延びる突出を備える。
【0009】
実施形態では、隣接構造は、制御部材の長さの一部に沿って延びるハイポチューブを含む。
実施形態では、制御部材の遠位端は、クリップアームの近位端に離脱可能に連結される為、制御部材に付与される近位方向の力が予め定められた閾値を超えた時に、制御部材は、クリップアームから離脱される。
【0010】
本発明は、組織を治療するためのシステムにも関し、クリップアームと、クリップアセンブリを搭載可能なアプリケータと、からなる。クリップアセンブリは、一対のクリップアームを備え、各クリップアームは、近位端から遠位端まで延び、各クリップアームの近位端は、クリップアームがカプセルに対してクリップアームの遠位端が互いから離間した組織受け入れ姿勢と、クリップアームの遠位端が互いに接近した組織クリップ姿勢と、の間で移動することができるようにカプセルのチャンネルの内部に摺動可能に受承され、カプセルのチャネルは、その近位端に係合部を備える。アプリケータは、カテーテルとその内部を貫通して延びる制御部材を備え、カテーテルは、近位端から遠位端まで長軸方向に延び、且つその内部を貫通して延びる管腔を備え、カテーテルの遠位部に沿っている遠位タブは、非係合姿勢と係合姿勢との間で移動可能であり、遠位タブは、カテーテルの長軸から離間する方向に移動されて係合部に係合する。
【0011】
実施形態では、カテーテルの遠位部は、非係合姿勢と係合姿勢との間で移動可能な複数のフィンガーを形成し、遠位タブは、各フィンガーの遠位端から横方向に外方に延びる。
実施形態では、係合部は、管腔の中に径方向の延びる突出である為、係合姿勢では、遠位タブは、係合部の遠位端に係合して、カプセルが、カテーテルに対して遠位方向に移動することを防止する。
【0012】
本発明は、組織を治療する方法にも関し、カプセルの内部に摺動可能に受承される近位端を有する一対のクリップアームを備える第1クリップアセンブリを、クリップアームの近位端にアプリケータの制御部材を連結すること及びカプセルの近位タブがカテーテルの係合部に係合するまでアプリケータのカテーテルをカプセル上で移動することによって、アプリケータに搭載する工程と、近位タブは、隣接表面がカプセルの内部に受承された時に、制御部材の隣接表面を介して近位タブがカプセルのチャネルの中に延びる非係合姿勢から近位タブがカプセルの長軸から離間して横方向に外方に延びる係合姿勢に移動し、内視鏡の作業チャネルを介して生体内の標的部位に、搭載されたクリップアセンブリを挿入する工程と、所望に従って間に標的組織が把持されるまで、カテーテルに対して長軸方向に制御部材を移動することによってクリップアームの遠位端が互いに離間した組織受け入れ姿勢とクリップアアームの遠位端が互いに接近した組織クリップ姿勢との間で第1クリップアセンブリを移動させる工程と、制御部材を所定の閾値以上でヨークに対して近位方向に引っ張ることにより第1クリップアセンブリをアプリケータから離脱させる工程と、からなる方法であって、制御部材は、クリップアームから離脱され、隣接表面は、近位端を非係合姿勢に移動させるためにカプセルの外に引き出される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の例示の実施形態に係るシステムの長軸方向の断面を示す図。
【図2】図1に係るシステムのカプセルの長軸方向の断面を示す図。
【図3】本発明の別の例示の実施形態に係るシステムの長軸方向の断面を係合姿勢で示す図。
【図4】図3に係るシステムの長軸方向の断面を非係合姿勢で示す図。
【図5】本願のさらに別の例示の実施形態に係るシステムの長軸方向の断面を示す図。
【図6】本願の別の例示の実施形態に係るシステムの長軸方向の断面を示す図。
【図7】図6に係るシステムの長軸方向の断面を係合姿勢で示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下の説明と添付の図面とを参照することにより、より詳細に理解し得る。同図面では、類似の要素は、同一の付番で示されている。本発明は、クリップシステムに関する。より詳細には、再搭載可能な内視鏡クリップシステムに関する。本発明の例示の実施形態は、内視鏡手術の前にアプリケータアセンブリの遠位端に搭載し得るクリップアセンブリについて説明する。クリップが体内の所望の標的部位に配置されると、アプリケータアセンブリには、新しいクリップを再搭載することができる。具体的には、クリップアセンブリは、アプリケータのカテーテルに離脱可能に係合するように構成されたカプセルを備える。カプセルは、隣接構造がカプセルの内部に受承された時に、カテーテルとの係合に移行させるタブのセットを備える。隣接構造が内部から取り除かれると、クリップアセンブリのカプセルは、アプリケータから離脱される。「近位」と「遠位」の用語は、この明細書で使用されているように、装置の使用者に向かう方向(近位)と、装置の使用者から離間する方向(遠位)とを指すことに留意されたい。
【0015】
図1〜2に示されているように、本願の例示の実施形態に係るシステム100は、標的組織をクリップする為に生体内にシステム100を挿入する前に、アプリケータ104の遠位部に搭載可能なクリップアセンブリ102を備える。アプリケータ104とクリップアセンブリ102とは、クリップアセンブリ102を生体内に配置した後、新しいクリップアセンブリ102をアプリケータ104に搭載して、同じアプリケータ104を用いて、生体内の標的組織の第2部分に新しいクリップアセンブリを搬送することができるよう構成されている。アプリケータ104は、カテーテル106とその内部を貫通して延びる制御部材108(例えば、制御ワイヤ)とを備える。この実施形態のクリップアセンブリ102は、カプセル112の内部に摺動可能に受承される一対のアーム110を備える。カプセル112は、カテーテル106の係合部118に係合する近位タブと遠位タブ114,116を備える。具体的には、近位タブ114は、カプセル112の長軸の方に横方向に内方に付勢され、制御部材108の隣接構造120がカプセル112内部に受承された時に、係合姿勢に移動される。したがって、クリップアセンブリ102をアプリケータ104に搭載する為には、カテーテル106をカプセル112上で遠位方向に移動させると共に、クリップアーム110の近位端に連結する為に制御部材108をカプセル112の内部を貫通して遠位方向に移動させる。制御部材108をカプセル112の内部を貫通して遠位方向に移動させた時には、隣接構造120は、カプセル112の内部に移動するため、近位タブ114は、係合姿勢に向かって横方向に外方に移動して係合構造118に係合する。使用時には、近位タブ114は、係合構造118の近位端122に係合するが、遠位タブ116は、係合構造118の遠位端124に係合する為、係合時には、カプセル112は、カテーテル106に対して固定される。したがって、制御部材108をカテーテル106とカプセル112に対して長軸方向に移動することによって、クリップアーム110は、組織受け入れ姿勢である開状態と組織クリップ姿勢である閉鎖状態との間で移動させられる。アプリケータ104からクリップアセンブリ102を配置したい場合には、近位タブ114の間から隣接構造120を取り除く為に制御部材108をカプセル112から撤退させることにより、近位タブ114を係合要素118から離脱することができる。
【0016】
アプリケータ104は、カテーテル106と、その内部を貫通して延びる制御部材108と、を備える。カテーテル106は、可撓性部材(図示略)の遠位端に連結され、可撓性部材は、その近位端で、カテーテル106をハンドル部材に連結する。可撓性部材は、例えば、制御部材がその内部を貫通して延びるワイヤからなるコイルとして形成される。当業者であれば理解するであろうが、ワイヤからなるコイルは、生体内の蛇行性経路でさえ貫通するのに十分な可撓性を備え、この実施形態では、可撓性内視鏡又はその他の挿入装置の作業チャネルを貫通可能な寸法と形状で形成されている。可撓性部材は、ワイヤからなるコイルとして図示され且つ説明されているが、可撓性部材は、クリップアセンブリ102から制御部材108上に付与される張力に抵抗するのに十分な圧縮力を提供できるものであるならば、任意の適した可撓性構造を使用することができる。
【0017】
カテーテル106は、近位端128から遠位端130まで長軸方向に延び且つその内部を貫通して延びる管腔132を備える。管腔132は、その内部にカプセル112を受承する寸法と形状に形成される。管腔132は、その遠位部に沿って係合部118を備える。係合部118は、カテーテル106の長軸の方に径方向に内方に延びる突出である。係合部118は、近位端122から遠位端124まで管腔132の長さに沿って延びる。係合部118の遠位端124は、例えば、カテーテル106の遠位端130に一致する。係合部118は、突出として説明され且つ図示されているが、係合部118は、係合部118の長さに沿って管腔132の直径又は横断面積を縮小する任意の構造又は要素として構成し得る。管腔132は、管腔132の内部に受承されたカプセル112が、その部分を超えて近位方向に移動することを防止するショルダー部として構成される停止部158も備え得る。
【0018】
制御部材108は、カテーテル106と可撓性部材とを貫通して拡大遠位端126から近位端まで延び、ハンドル部材に沿って駆動装置に連結される。したがって、制御部材108は、可撓性部材とカテーテル106に対して長軸方向に移動させることができる。一実施形態では、拡大遠位端126は、ボールとして構成される。拡大遠位端126の近位側では、制御部材108は、その長さの一部に沿って隣接構造120を備える。隣接構造120は、隣接構造120がカプセル112の内部に受承されている間に、拡大遠位端126がクリップアーム110の近位端に係合できるように拡大遠位端126から十分な間隔をあけて配置されなければならない。隣接構造120は、制御部材108の外表面134から径方向に外方に且つ制御部材108の長さの一部に沿って延びる。別の実施形態では、隣接構造120は、制御部材の長さの一部の上に固定されたハイポチューブ又は別の構造として形成し得る。隣接構造120と拡大遠位端126の双方の横断面積は、制御部材108のその他の部分の横断面積よりも大きい。以下でさらに詳細に説明するが、隣接構造120の横断面積は、カプセル112の内部に受承された際に、近位タブ114を係合姿勢に移動させるように選択される。隣接構造120の長さは、隣接構造120がタブ114との係合を維持して近位タブ114を係合姿勢に固定するように選択され、クリップアーム110は、組織受け入れ姿勢と組織クリップ姿勢との間で、アプリケータ104からクリップアセンブリ102を配置することが所望されるまで、カプセル106に対して移動される。
【0019】
クリップアセンブリ102は、一対のクリップアーム110を備え、クリップアームの近位端136は、カプセル106の内部に摺動可能に受承されて、クリップアセンブリ102を組織受け入れ姿勢と組織クリップ姿勢との間で移動させる。各クリップアーム110は、近位端136から遠位端138まで延びる。クリップ110の近位端136は、互いに連結されて、制御部材108がカプセル112に対して長軸方向に移動してクリップアセンブリ102を組織受け入れ姿勢と組織クリップ姿勢との間で移動するように制御部材108の拡大遠位端126に離脱可能に連結するように構成されている。この実施形態のクリップアーム110は、その遠位端138がカプセル112の中に引き込まれていない時は、組織受け入れ姿勢に向かって互いに離間するように付勢されている。カプセル112に引き込まれた時は、カプセル112は、クリップアームを拘束してその両遠位端138を組織クリップ姿勢に固定する。クリップアーム110は、2つのアーム又は2つの別体の部材を形成する単一要素から形成することもできる。
【0020】
クリップアーム110は、その間に組織をクリップしやすくするように構成されたクリップ要素を備え得る。例えば、クリップアーム110の遠位端138は、互いの方に向かって横方向に内方に延びる先端及び歯のうちのいずれか1つ、突起、スパイク、又はクリップアーム110の遠位端138の間に組織を把持するように構成されたその他の構造を備え得る。クリップアーム110は、所望の組織がクリップアーム110で把持されると、クリップアーム110を組織クリップ姿勢にロックするロック要素をさらに備え得る。一実施形態では、クリップアーム110は、そこから横方向に外方に延びるロックタブを備え得る。このロックタブは、クリップアーム110が、所定の距離だけカプセル112の中に引き込まれた時に、カプセル112の一部に係合するように構成し得る。例えば、ロックタブは、カプセル112に対してクリップアーム110を組織クリップ姿勢にロックする為に、対応する寸法と形状と位置に形成されてカプセル112の壁を貫通して横方向に延びるロック窓の内部に受承される。
【0021】
一例示的実施形態では、クリップアーム110の近位端136は、カプセル112の内部に摺動可能に受承されるヨーク(図示略)を介して互いに連結されてその中に制御部材108の拡大遠位端126を受承する。ヨークは、その近位端から内部に延びる長尺状スロットを備え得る。一例では、長尺状スロットは、ボール形状の拡大遠位端126を受承するためのソケットとして構成される。ヨークの対向部分は、拡がってその遠位端を超えて拡大遠位端を受承することができ、拡大遠位端126がソケットの中に遠位方向に通過すると、対向部分は、撥ね返ってその内部に拡大遠位端126をロックするように付勢されている。したがって、カプセル112に対して制御部材108を長軸方向に移動させることによって、クリップアーム110の組織受け取り姿勢と組織クリップ姿勢の間の移動を制御することが可能である。
【0022】
カプセル112は、近位端140から遠位端142まで長軸方向に延び、且つその内部を貫通して長軸方向に延びるチャネル144を備える。チャネル144は、その内部に近位端136とクリップアーム110の少なくとも近位部分とを受承する寸法と形状に形成される。上述したように、カプセル112は、近位端140の近位側に近位タブ114と、近位タブ114の遠位側に遠位タブ116とを備える。この実施形態では、近位タブ114は、非係合姿勢と係合姿勢との間で移動可能である。近位タブ114は、非係合姿勢に向かって付勢され、その姿勢において、近位タブ114は、横方向に内方にカプセルの長軸方向に延びる。係合姿勢では、近位タブ114は、カプセル112の外表面146を越えて横方向に外方に延びる。近位タブ114は、隣接構造120がカプセル112のチャネル144の内部に受承された時に、近位タブ114が、非係合姿勢から係合姿勢に移動されるような寸法と形状に形成されなければならない。一実施形態では、近位タブ114は、カプセル112の壁148に連結された近位端150から非係合姿勢と係合姿勢の間で移動することができる自由遠位端152まで延びる。近位端150は、カプセル112の壁148と一体形成することもできる。
【0023】
遠位タブ116も、非係合姿勢と係合姿勢の間で移動することができる。しかしながら、遠位タブ116は、係合姿勢に向かって付勢され、その姿勢において、遠位タブ116は、横方向に外方にカプセル112の長軸から離間し、且つその外表面146を越えて延びる。一実施形態では、遠位タブ116は、カプセル112の壁148を貫通して延びる切り欠きで形成され、切り欠きは、横方向に外方に外表面146から離間し、且つ係合姿勢においてカプセル112の近位端140に向かって傾斜を有する。言い換えれば、遠位タブ116は、カプセル112の壁148に連結されている遠位端154と非係合姿勢と係合姿勢の間で移動することができる自由近位端156の間に延びる。非係合姿勢では、遠位タブ112は、外表面146と同一平面をなしうる。
【0024】
近位タブと遠位タブ114,116の間の距離は、カテーテル106の管腔132の内側に沿った係合部118の長さに対応する。具体的には、近位タブと遠位タブ114,116の間の距離は、カテーテル106とカプセル112が相互に係合した時に、係合部118が近位タブと遠位タブ114,116の間に受承されてカプセルに対して実質的に移動を防止するように、係合部118の長さよりも少しだけ長くなければならない。クリップセンブリ102を搭載する間と使用する間の非係合姿勢と係合姿勢の間で近位タブと遠位タブ114,116の動きについては、以下で説明する。
【0025】
遠位タブ116は、非係合姿勢と係合姿勢の間で移動可能であると説明され且つ図に示されているが、別の実施形態では、遠位タブ116は、係合姿勢に固定される。この実施形態では、遠位タブ116は、クリップアセンブリ102を搭載する間、係合部118に係合する。具体的には、遠位タブ116は、係合部118の遠位端124に接して、クリップアセンブリ102を搭載する間に、カテーテル106がクリップアセンブリ102に対して遠位方向にさらに動くことを防止する。したがって、遠位タブ116が、係合部118に係合した時には、近位タブ114は、係合部118の近位端112の近位に延びて係合姿勢に向かって移動することができる。
【0026】
アプリケータ104に搭載する前に、クリップアセンブリ102は、例えば、クリップアセンブリをアプリケータ102に搭載しやすくするように形成されたカートリッジに収容される。カートリッジは、クリップアセンブリ102を収容する寸法と形状に形成された腔所を形成する。クリップアセンブリ102は、組織受け入れ姿勢でカートリッジの内部に収容され得る。一実施形態では、カートリッジは、非係合姿勢にカプセル112の遠位タブ116を拘束する。カートリッジは、カプセル106と制御部材108とをそれぞれカプセル112とクリップアーム110とに連結する為に挿入される近位開口部を備える。カートリッジは、アプリケータ104上への搭載を容易にする姿勢でクリップアセンブリ102を固定する。
【0027】
クリップアセンブリ102をアプリケータ104に搭載する為の例示の方法は、カテーテル106をカプセル112上で遠位方向に移動させつつ制御部材108をカプセル112のチャネル144の内部に貫通させる為に、カテーテル106と制御部材108とをカートリッジの中に挿入する工程からなる。上述したように、遠位タブ116は、カテーテル106が遠位タブ116上を遠位方向に移動できるように、カートリッジにより非係合姿勢に拘束される。したがって、カテーテル106がカプセル112上に取り付けられると、カテーテル106の管腔132の表面は、遠位タブ116を非係合姿勢に拘束する。言い換えれば、係合部118が遠位タブ116の上に延びることにより、遠位タブ116が係合姿勢に向かって移動するのを防止する。クリップアーム110の近位端136に離脱可能に連結する為に、拡大端部126がカプセル112の中を遠位方向に前進されると、隣接構造120は、カプセル112のチャネル144の中に受承されて、近位タブ114を付勢された非係合姿勢から係合姿勢に移動させる。近位タブ114は、係合構造118の近位に方向に延びる。
【0028】
カテーテル116が、カプセル112上に取り付けられて、拡大遠位端126がクリップアーム110に連結されると(例えば、ヨークを介して)、制御部材108は、カテーテル106に対して近位方向に移動される。制御部材108を近位方向に移動することより、クリップアセンブリ102は、組織受け入れ姿勢に移動される。制御部材108の近位方向の移動によって、カプセル112は、挿入姿勢に向かって、カテーテル106の管腔132の中にさらに近位方向に引き込まれる。カプセル112は、停止部158がカプセルが更に近位方向に移動することを阻止するまで近位方向に移動され得る。クリップアセンブリ102は、この挿入姿勢でカートリッジの外に引き出すことができる。カプセル112がこの挿入姿勢でカテーテル106の中にさらに近位方向に引き入れられると、クリップアーム110の大部分は、クリップアセンブリ102を生体内に挿入する間、カバーされる為、クリップアセンブリ102が挿入される作業チャネル、又は周辺組織に対する損傷を防止することができる。
【0029】
使用時には、クリップアセンブリ102をアプリケータ104に搭載した後、クリップアセンブリ102は、内視鏡の作業チャネル(又は、その他の挿入装置)を介して体内(例えば、自然体管腔を介して)に挿入されて、クリップされる組織の標的部分に近接する部位まで挿入される。クリップアセンブリ102は、損傷を軽減し、且つ作業チャネルを介して挿入しやすくする為に、挿入姿勢で標的組織に挿入される(例えば、カテーテル106が、遠位タブ116を非係合姿勢に拘束した状態で)。標的組織の部位に到達した際には、クリップアセンブリ102は、制御部材108をカテーテル106に対して遠位方向に移動して、クリップアーム110をカプセル124の外に遠位方向に延ばし、且つクリップアーム110を組織受け入れ姿勢に移動することによって、作業チャネルの遠位端の外に前進させられる。挿入姿勢では、カプセル112の近位タブ114は、カテーテル116の係合部118の近位側にあり、遠位タブ116は、非係合姿勢に拘束されている為、制御部材108の遠位方向への移動によっても、近位タブ114が係合部118の近位端122に接したり遠位タブ116が係合部118の遠位端124の遠位側で延びたりするまで、カプセル112をカテーテル106に対して遠位方向に移動することができる。遠位タブ116は、係合部118の遠位端124を越えて移動させられる為、遠位タブ116は、付勢された係合姿勢に復帰できる。したがって、この係合姿勢では、近位タブ114は、係合部118の近位側に延びるが、遠位タブ116は、係合部118の遠位側に延びる。上述したように、近位タブと遠位タブ114,116は、係合姿勢で、カプセル112がカテーテル106に対してほぼ長軸方向に固定されるように選択される。
【0030】
カプセル112とカテーテル106が互いに係合すると、クリップアーム110は、組織受け入れ姿勢に向かってカプセル112の外に遠位方向に延ばされる。制御部材108は、次に、所望に従って、組織の標的部分がクリップアーム110の遠位端138の間に受け入れられるまで組織受け入れ姿勢と組織クリップ姿勢の間でクリップアセンブリ102を移動させる為に、遠位方向に前進させたり近位方向に後退させられる。クリップアーム110は、次に、制御部材108をカテーテル106に対して近位方向に移動することによって組織クリップ姿勢に移動される。クリップアセンブリ102が組織クリップ姿勢にされたら、制御部材108は、カプセル112に対してクリップアーム110をロックする為にさらに近位方向に引き込まれる。クリップアセンブリ102を配置する為に、制御部材108は、付与された力が所定の閾値を上回るまでさらに近位方向に引き込まれて、拡大遠位端126からクリップアーム110の近位端136を離脱させる。制御部材108をクリップアーム110から離脱させることにより、隣接構造120をそこから取り除く為に制御部材108をカプセル112の外に近位方向に引っ張ることができる。隣接構造120が取り除かれると、近位タブ114は、付勢された非係合姿勢に復帰する為、近位タブ114は、係合部118から離脱する。このようにしてアプリケータ104は、体内から近位方向に後退されて、標的組織上にクリップしたクリップアセンブリ122を留置することができる。所望の場合には、新しいクリップアセンブリ102が上述した同じ方法でアプリケータ104に搭載される為、装置は、組織の第2部分をクリップすることに使用可能である。この工程は、必要又は所望に応じて何度でも同じアプリケータ104を用いて繰り返すことができる。
【0031】
カテーテル106の係合部118は、遠位タブ116の上に延びて遠位タブ116を挿入姿勢である非係合姿勢に拘束すると説明されているが、別の実施形態では、近位タブと遠位タブ114,116は、クリップアセンブリ102を搭載する間、係合部118に係合する為、カプセル112は、カテーテル106に対してほぼ長軸方向に固定される。この実施形態では、カプセル112は、クリップアセンブリ102が配置されるまでカテーテル106に対して固定される為、クリップアセンブリ102は、組織クリップ姿勢で体内に挿入される。
【0032】
図3〜4に示されているように、本発明の別の実施形態に係るシステム200は、上述のシステム100とほぼ同一であり、クリップアセンブリ202を搭載し得るアプリケータ204を備える。アプリケータ204は、アプリケータ104とほぼ同一であり、係合部218を有するカテーテル206と、その内部を貫通して延びる隣接構造220を備える制御部材208とを備える。クリップアセンブリ202は、クリップアセンブリ102にほぼ同一であり、一対のクリップアーム210と、カプセル212の内部に摺動可能に受承される近位端236とを備える。カプセル112と同様に、カプセル212は、近位タブ214と遠位タブ216とを備える。しかしながら、カプセル212は、そこから横方向に外方に延びる近位タブ214と共にその近位部に沿って複数のフィンガー215を形成する。フィンガー215は、カプセル212の長軸に向かって径方向内方に、つまり非係合姿勢に付勢されている。近位タブ214は、移動不能である。隣接構造220がカプセル212の内部に受承された時には、フィンガー215は、係合姿勢に向かって径方向に外方に移動される為、近位タブ214は、係合部218に係合する。クリップアセンブリ202は、システム100に関して上述した方法とほぼ同一の方法で搭載され、使用され、且つ配置される。
【0033】
図5に示されているように、別の実施形態では、システム300は、上述したシステム100,200とほぼ同一であり、システム300は、クリップアセンブリ302が搭載されるアプリケータ304を備える。しかしながら、アプリケータ304のカテーテル306の係合部は、カテーテル306の管腔332の周囲に延びる溝318として構成される、溝318は、管腔332の停止部又はショルダー部358に一致する近位端322から遠位端324まで延び、ショルダー部は、クリップアセンブリ302のカプセル312がショルダー部を越えて近位方向に移動することを防止する。溝318の遠位の管腔332の一部の横断面(例えば、直径)は、カプセル312の外側の横断面(例えば、外径)にほぼ一致する。
【0034】
この実施形態では、カプセル312は、遠位タブを必要としない。その代わりに、カプセル312は、カプセル312の近位端340がショルダー部358に接し、且つ近位タブ314が溝318の内部、即ち溝318の遠位端324の近位に配置された時に、カテーテル306に係合し、近位タブ314は、制御部材308の隣接構造320がカプセル312の内部に受承された時に、係合姿勢に向かって移動して溝318の内部に受承される。この姿勢では、カプセル312は、カテーテル306に対してほぼ固定されている為、クリップアーム310は、クリップアセンブリ302を配置するまで組織受け入れ姿勢と組織クリップ姿勢の間で移動することができる。クリップアセンブリ302は、上述したシステム100,200とほぼ同様の方法で搭載され、使用され、且つ配置される。
【0035】
図6〜7に示されているように、本願の別の実施形態に係るシステム400は、上述のシステム100〜300とほぼ同一であり、クリップアセンブリ402を搭載し得るアプリケータ404を備える。上述したアプリケータ104〜304と同様に、アプリケータ404は、隣接構造420を有する制御部材408が貫通して延びるカテーテル406を備える。クリップアセンブリ102〜302と同様に、クリップアセンブリ402は、クリップアーム410を備え、その近位端436は、カプセル412の内部に摺動可能に受承される。しかしながら、カプセル412は、カテーテル406内部に受承されるのではなく、クリップアセンブリ402を搭載する間、カテーテル406が、カプセル412のチャネル444の内部に受承される。カプセル412のチャネル444の近位部は、径方向に内方に延びて、縮小した直径部をなす係合部418を備える。
【0036】
カテーテル406の遠位部は、それに沿って延びる複数のフィンガー415を形成する。フィンガー415は、非係合姿勢に向かって付勢されて、カプセル412の長軸の方に向かって径方向に内方に延びる。遠位タブ416は、フィンガー415の遠位端430から横方向に外方に延びる為、隣接構造420がカテーテル416の内部に受承された時には、フィンガー415は、係合姿勢に向かって径方向に外方に移動される為、遠位タブ416は、図7に示されているように、係合部418の遠位端424に係合する。別の実施形態では、遠位タブ416自体が非係合姿勢と係合姿勢の間で移動することができる為、複数のフィンガー415は、不要である。システム400は、上述したシステム100〜300とほぼ同じ方法で使用される。
【0037】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更をし得ることは明白であろう。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2023-09-20 
結審通知日 2023-09-25 
審決日 2023-10-10 
出願番号 P2021-175769
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A61B)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 佐々木 正章
特許庁審判官 村上 哲
栗山 卓也
登録日 2023-03-06 
登録番号 7239663
発明の名称 再搭載可能なクリップの複数の開閉手段  
代理人 本田 淳  
代理人 本田 淳  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  

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