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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  G07B
審判 全部申し立て 特29条特許要件(新規)  G07B
審判 全部申し立て 2項進歩性  G07B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G07B
管理番号 1405774
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2024-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-03-07 
確定日 2023-10-13 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6931500号発明「駐車場システム及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6931500号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜6〕、7について訂正することを認める。 特許第6931500号の請求項1〜7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6931500号の請求項1〜7に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和3年1月26日に出願され、同年8月18日特許が設定登録され、同年9月8日に特許掲載公報が発行された。
そして、請求項1〜7に係る特許についての、特許異議申立人中条澄子(以下、「申立人A」という。)及び特許異議申立人山田威一郎(以下、「申立人B」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

令和4年 3月 7日 申立人Aより特許異議申立書
申立人Bより特許異議申立書(1)、特許異議申立書(2)
同年 5月26日付け 取消理由通知
同年 7月29日 特許権者より意見書・訂正請求書
同年11月14日 申立人Aより意見書
同年11月15日 申立人Bより意見書
同年12月22日付け 訂正拒絶理由通知
令和5年 2月 3日 特許権者より意見書・手続補正書
同年 3月23日付け 取消理由通知(決定の予告)
同年 5月16日 特許権者より意見書・訂正請求書
同年 7月 3日 申立人Bより意見書
同年 7月 6日 申立人Aより意見書

第2 本件訂正
特許権者は、令和5年5月16日に訂正請求書を提出し、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めた(以下「本件訂正」という。)。
そして、本件訂正の請求がされたので、令和4年7月29日の訂正請求書による訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。

1 本件訂正の内容
本件訂正の内容は以下のとおりである(なお、下線部が訂正箇所である。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「携帯端末または車載機器を介して駐車場料金を精算できる駐車場システムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段と、
駐車開始時刻を取得する手段と、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部と、
駐車時間から決済金額を算出する駐車料金算出部とを備え、
前記携帯端末または車載機器は精算機の代替機能を備え、
車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示することを特徴とする駐車場システム。」
と記載されているのを、
「インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して駐車場料金を精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段と、
駐車開始時刻を取得する手段と、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部と、
駐車時間から決済金額を算出する駐車料金算出部と、
出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部とを備え、
前記携帯端末または車載機器は精算機の代替機能を備え、
ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、
前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する
ことを特徴とする駐車場システム。」
に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、4−6、及び、請求項1の記載を引用する請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7に、
「携帯端末または車載機器を介して精算できるプログラムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段、駐車開始時刻を取得する手段、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部、
駐車時間から駐車料金を算出する駐車料金算出部
としてコンピュータを実行させ、
前記携帯端末または車載機器を、前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行う機能としてコンピュータを実行させ、
車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能としてコンピュータを実行させるプログラム。」
と記載されているのを、
「インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムを動作させるプログラムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段、駐車開始時刻を取得する手段、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部、
駐車時間から駐車料金を算出する駐車料金算出部と、
出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部と
として前記駐車場管理サーバに係る第1のコンピュータを実行させ、
前記携帯端末または車載機器によって前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行うことを促す機能を果たすように前記駐車場管理サーバに係る前記第1のコンピュータを実行させ、
ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、
前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させるプログラム。」
に訂正する。

(3)一群の請求項について
訂正前の請求項1〜6は、請求項2〜6が、訂正前の請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正の請求は、一群の請求項〔1〜6〕及び請求項7について請求されたものである。

2 訂正の適否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「携帯端末または車載機器」との事項に、「インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「駐車場システム」との事項に、「駐車場管理サーバを備えた」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「駐車場システム」が備える構成として、「出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示すること」との事項に、「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「車番認識手段」との事項に、「としての前記退場時車番抽出部」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「車番認識結果」との事項に、「である出庫車両の撮像画像から抽出した車番」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「自動または手動入力した際」との事項を、「自動入力した際」との事項に訂正し、訂正前の請求項1の「駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示すること」との事項に、「前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき」との事項を追加し、訂正前の請求項1の「車番認識時の車両画像」との事項に、「前記退場時車番抽出部での」及び「である前記出庫車両の撮像画像」との事項を追加するものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、一部は明瞭でない記載の釈明も目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

新規事項の追加の有無
(ア)訂正事項1によって訂正される事項のうち、「インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して駐車場料金を精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システム」との事項は、願書に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)の【0030】、【0033】、図1、2等によるものであり、「出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部」との事項は、本件明細書等の【0086】、【0087】、図7等によるものであると認められるから、これら事項は新規事項を追加しないものである。

(イ)次に、訂正事項1によって訂正される事項のうち、残りの「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との事項について検討する。該事項は、訂正前の請求項1の「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示すること」との事項を訂正するものである。
a 「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には」との事項は、上記アで示したように、訂正前の請求項1の上記事項に追加する事項である。訂正前の請求項1の上記事項のうちの「料金」「を前記携帯端末の画面に表示すること」から、訂正前の請求項1の上記事項が、出庫する際の事項であるのは明らかであり、訂正前の請求項1の「駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段」との記載から、出庫は、駐車場敷地内または個々の車室からであるのは明らかであるから、該事項も新規事項を追加しないものである。

b 「車番認識手段としての前記退場時車番抽出部」との事項については、車番認識手段として、本件明細書等には、入場時車番抽出部51と退場時車番抽出部63が開示されているところ、上記aで説示したとおり、訂正の対象である訂正前の請求項1の上記事項は、出庫時に関するものであるので、上記車番認識手段は退場時車番抽出部63であると認められ、該事項も新規事項を追加しないものである。
そして、本件明細書等の【0087】を参照すると、「車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番」との事項も、新規事項を追加しないものであると認められる。

c 「自動入力した際」との事項は、訂正前の請求項1の「自動入力または手動入力した際」との事項から、「手動入力」という選択肢を削除したものであるから、新規事項を追加しないのは明らかである。

d 最後に、「前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との事項について検討する。本件明細書等の【0126】には、「本発明の第5の態様として、第1の態様において、車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を携帯端末に画面表示することを特徴としてもよい。」と記載され、上記bで説示したとおり、該記載の上記車番認識手段は、退場時車番抽出部であり、本件明細書等の【0085】〜【0088】には、駐車場管理サーバ50の退場時車番抽出部63は、カメラ制御部40から取得した撮影画像から車番を抽出し、前記車番等を有する車番ユーザ識別情報を駐車場管理サーバ50のメモリ55から検索し、前記車番等を有する車番ユーザ識別情報の有無を判断することが記載されている。ここで、上記車番を有する車番ユーザ識別情報を検索して見つけることが、上記関連付けに対応することである。よって、「前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け」との事項も、新規事項を追加しないものであることは明らかである。
そして、例えば、【0040】〜【0045】、図4〜7に示されるように、本件明細書等には、上記携帯端末に対応するスマートフォン200は、駐車場サービスサイト100にアクセス可能であり、駐車場サービスサイト100は、スマートフォン200の画面の表示制御ができることも開示されているが、スマートフォン200が駐車場管理サーバ50に直接アクセスすることは、記載も示唆も見いだせない。それに対し、例えば、図5、6に示されるように、本件明細書等には、駐車場管理サーバ50は、駐車場サービスサイト100とのやりとりを行うことは開示されている。そうすると、本件明細書等の【0126】の上記記載で示される事項を実現するためには、駐車場管理サーバ50の退場時車番抽出部63で得られた情報を駐車場サービスサイト100に送信し、駐車場サービスサイト100によってスマートフォン200の画面に該情報を表示するようにする必要があることは明らかであるから、本件明細書等には、駐車場管理サーバ50の退場時車番抽出部63で得られた情報を駐車場サービスサイト100に送信し、駐車場サービスサイト100によってスマートフォン200の画面に該情報を表示することが記載又は示唆されているといえる。また、例えば、本件明細書等の【0060】〜【0064】には、車番ユーザ識別情報が、車番、ユーザに関する情報、駐車場名(駐車場コード)等を含むことが記載されていることを勘案すると、本件明細書等の【0126】に記載された「駐車場所」は、車番ユーザ識別情報に含まれると解されるのが相当である。
以上より、本件明細書等には、駐車場管理サーバ50の退場時車番抽出部63が取得した撮影画像と該撮影画像から抽出した車番と、該車番に対応する車番ユーザ識別情報等を、駐車場サービスサイト100へ送信し、駐車場サービスサイト100は、該撮像画像や、車番ユーザ識別情報に含まれる駐車場名等の情報等を、スマートフォン200の画面に表示することが記載又は示唆されていると認められる。
したがって、「前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との事項も、新規事項を追加しないものである。

(ウ)上記(イ)によれば、訂正事項1は新規事項を追加するものではないと認められる。

ウ 申立人の主張について
(ア)申立人Aの主張
申立人Aは、令和5年7月6日の意見書(1〜3ページ参照。)において、
a 本件訂正後の請求項1の「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、・・・前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、」との記載は、本件明細書等に記載されたものではなく、
b 同請求項1の「前記駐車場サービスサイトは、・・・前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との記載について、訂正の根拠と目される、本件明細書等の【0126】の記載では、「車番認識時」のタイミングは、入場時と退場時があると解されるところ、退場時のみとすることは新たな実施形態を導入することになり、
c 同請求項1の「前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、・・・表示する」は、本件明細書等に記載されたものではなく、
d 同請求項1の「出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部」との記載は、本件明細書に記載された「抽出」を「取得」に上位概念化し、「車番」を「情報」に上位概念化するものであるから、
本件訂正は新規事項を追加するものである旨主張する。

(イ)申立人の主張についての判断
上記(ア)a、cについて検討する。上記イ(イ)dで説示したように、新規事項を追加するものではないから、申立人Aの上記(ア)a、cについての主張は採用できない。
次に、上記(ア)bについて検討する。本件明細書等に2つの選択肢が記載されている場合に、そのうちの1つに限定することは新規事項の追加にはならないことは明らかであるから、申立人Aの上記(ア)bについての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。
最後に、上記(ア)dについて検討する。例えば、本件明細書等の【0085】〜【0087】には、退場時車番抽出部63は、カメラ制御部40から撮影画像を含む撮影画像情報を取得し、撮影画像から車番を抽出することが記載されているから、申立人Aの上記(ア)dについての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、訂正前の請求項7の「携帯端末または車載機器」との事項に、「インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「携帯端末または車載機器を介して精算できるプログラム」との事項に、「駐車場管理サーバを備えた駐車場システムを動作させる」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「駐車料金算出部としてコンピュータを実行させ」との事項に、「出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部」との事項、及び、「前記駐車場管理サーバに係る第1の」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「前記携帯端末または車載機器を、前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行う機能としてコンピュータを実行させ」との事項を、「前記携帯端末または車載機器によって前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行うことを促す機能を果たすように前記駐車場管理サーバに係る前記第1のコンピュータを実行させ」に訂正し、訂正前の請求項7の「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能としてコンピュータを実行させる」との事項に、「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「車番認識手段」との事項に、「としての前記退場時車番抽出部」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「車番認識結果」との事項に、「である出庫車両の撮像画像から抽出した車番」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「自動または手動入力した際」との事項を、「自動入力した際」との事項に訂正し、訂正前の請求項7の「駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能としてコンピュータを実行させる」との事項に、「前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「車番認識時の車両画像」との事項に、「前記退場時車番抽出部での」及び「である前記出庫車両の撮像画像」との事項を追加し、訂正前の請求項7の「前記携帯端末の画面に表示させる機能としてコンピュータを実行させる」との事項を、「前記携帯端末の画面に表示させる機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させる」との事項に訂正するものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、一部は明瞭でない記載の釈明も目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

新規事項の追加の有無
(ア)訂正事項2によって訂正される事項のうち、「インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムを動作させるプログラム」との事項は、上記(2)イ(ア)で説示したのと同様に、本件明細書等の【0030】、【0033】、図1、2等によるものであり、「出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部ととして前記駐車場管理サーバに係る第1のコンピュータを実行させ」との事項は、本件明細書等の【0039】、【0086】、【0087】、図7等によるものであると認められるから、これら事項は新規事項を追加しないものである。

(イ)次に、訂正事項2によって訂正される事項のうち、「前記携帯端末または車載機器によって前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行うことを促す機能を果たすように前記駐車場管理サーバに係る前記第1のコンピュータを実行させ」との事項について検討する。例えば、本件明細書等の【0071】〜【0072】には、駐車場管理サーバ50が、駐車場サービスサイト100を介して、ユーザのスマートフォン200にキャッシュレス決済の入力や確認を行うよう促すことが記載されているから、上記事項も新規事項を追加しないものである。

(ウ)最後に、訂正事項2によって訂正される事項のうち、残りの「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させる」との事項について検討する。
上記事項は、上記(1)イ(イ)で検討した訂正事項によって訂正される事項とは、発明の対象が異なるだけで、その他の内容は実質的に同じであるから、上記(1)イ(イ)で説示したのと同様に、新規事項を追加しないものである。

3 小括
以上によれば、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜6〕、7について訂正することを認める。

第3 本件発明
上記第2で説示したとおり、本件訂正は認められたから、本件訂正後の請求項1〜7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」〜「本件発明7」といい、それらを合わせて「本件発明」ともいう。)は、令和5年5月16日の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1〜7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して駐車場料金を精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段と、
駐車開始時刻を取得する手段と、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部と、
駐車時間から決済金額を算出する駐車料金算出部と、
出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部とを備え、
前記携帯端末または車載機器は精算機の代替機能を備え、
ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、
前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する
ことを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
駐車場に備え付けの所定コードの読み込み、またはGPS情報またはワイヤレス情報のうち少なくとも1つから駐車場の位置を判別することを特徴とする請求項1の駐車場システム。
【請求項3】
精算したことを所定駐車場に通知して、乗り逃げを抑止する手段を解除する仕組みを有することを特徴とする請求項2の駐車場システム。
【請求項4】
前記携帯端末または車載機器は駐車場サービスサイトを介し決済機関にネットワークで通信可能に構成されて当該決済機関に対して駐車料金を決済することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項5】
出庫時に車両を特定し、精算が完了していればバーゲートを開放することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項6】
出庫時に車両を特定し、その時刻と入庫時刻から自動的に精算または精算画面を前記携帯端末または車載機器に表示し、精算金額を確認できる仕組みを有することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項7】
インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムを動作させるプログラムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段、駐車開始時刻を取得する手段、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部、
駐車時間から駐車料金を算出する駐車料金算出部と、
出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部と
として前記駐車場管理サーバに係る第1のコンピュータを実行させ、
前記携帯端末または車載機器によって前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行うことを促す機能を果たすように前記駐車場管理サーバに係る前記第1のコンピュータを実行させ、
ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、
前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させるプログラム。」

第4 取消理由の概要
訂正前の請求項1〜7に係る特許に対して、令和5年3月23日付けで当審が決定の予告として通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

[取消理由1](明確性要件)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、特許法第36条第6項の規定に違反してされたものである。
[取消理由2](サポート要件)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許法第36条第6項の規定に違反してされたものである。


[取消理由と請求項の関係]
○取消理由1、2
請求項 1〜7

1 取消理由1(明確性要件)
(1)請求項 1〜7
請求項1の「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示する」との記載では、上記車番認識結果を何に入力するのか不明確であるから、同項及び同項を直接又は間接的に引用する請求項2〜6に係る発明は不明確である。
同様の記載を有する請求項7に係る発明も不明確である。

2 取消理由2(サポート要件)
(1)請求項 1〜7
請求項1の上記記載では、発明の詳細な説明のどの記載に基づくものであるのか不明であるから、同項及び同項を直接又は間接的に引用する請求項2〜6に係る発明は発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。
請求項7も同様の記載を有する請求項7に係る発明7も発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。

(2)請求項 7
請求項7の記載では、同項記載のプログラムは1つであると認められるところ、発明の詳細な説明では、駐車場システムは、駐車場管理サーバ50、駐車場サービスサイト100、スマートフォン200を含む物が記載され、これらは、別々のプログラムで動作するものと解されるから、請求項7に係る発明は発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。

第5 取消理由についての判断
1 取消理由1(明確性要件)について
(1)当審の判断
訂正前の請求項1の「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に・・・」との記載は、本件訂正により、「車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、・・・」との記載に訂正された。
本件明細書等の【0085】〜【0088】には、駐車場管理サーバ50の退場時車番抽出部63は、カメラ制御部40から取得した撮影画像から車番を抽出し、前記車番等を有する車番ユーザ識別情報を駐車場管理サーバ50のメモリ55から検索し、前記車番等を有する車番ユーザ識別情報の有無を判断することが記載されており、上記「第2 2(1)イ(イ)dで説示したように、上記車番を有する車番ユーザ識別情報を検索して見つけることが、上記関連付けに対応することであると認められる。そして、本件明細書等の【0087】には、上記検索の前に、車番を含む退出時番号情報を駐車場管理サーバ50のメモリ63aに記憶することが記載されているから、上記「車番を自動入力」することは、駐車場管理サーバの記憶手段(実施例ではメモリ63a)に記憶することであると解され、本件訂正後の請求項1の上記記載は明確である。
よって、本件発明1〜6は明確である。
また、請求項7は同様の記載を有するから、本件発明7も明確である。

(2)申立人の主張について
ア 申立人の主張
申立人Aは、令和5年7月6日の意見書(3〜7ページ参照。)において、以下の(ア)〜(ク)を主張し、申立人Bは、令和5年7月3日の意見書(1、2ページ参照。)において、以下の(ケ)〜(シ)を主張する。

(ア)請求項1、7の「・・・車番を自動入力した際に、・・・」との記載では、いつ、何が、何に入力するのか不明確であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(イ)請求項1、7において、「駐車場管理サーバ」は、「駐車場サービスサイト」との帰属関係が不明確であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(ウ)請求項1、7において、「駐車場システム」は、「駐車場管理サーバ」との帰属関係が不明確であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(エ)請求項1、7において、「駐車場管理サーバ」が、「検知する手段」、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」とどのような関係にあるのか不明であり、これらの構成のうちいずれを実現するのか不明であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(オ)請求項1、7において、「関連付け」が不明確であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(カ)請求項1、7において、「携帯端末または車載機器」は、「ユーザ」との帰属関係が不明であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(キ)請求項7の記載では、プログラムが動作させる「駐車場システム」は、「駐車場管理サーバ」を備えるとはいえるが、「駐車場サービスサイト」を備えるのか否かが不明であるから、本件発明7は不明確である。
(ク)請求項1、7において、「車番ユーザ識別情報」が不明確であるから、本件発明1〜7は不明確である。

(ケ)請求項1、7の「撮像画像」が何を表すのか不明であるから、本件発明1〜7は不明確である。
(コ)請求項1、7において、「車番ユーザ識別情報」が突然出てきて不明確であり、車番と「車番ユーザ識別情報」との関連付けに基づいて、「駐車場所と料金、出庫車両の撮像画像」をどのようにして出力できるのか理解できないから、本件発明1〜7は不明確である。
(サ)携帯画面に「駐車場所と料金、出庫車両の撮像画像」を表示することと、携帯端末または車載機器が精算機の代替機能を備えることとの関係が理解できないから、本件発明1〜7は不明確である。
(シ)請求項2の「駐車場に備え付けの所定コードの読み込み、またはGPS情報またはワイヤレス情報のうち少なくとも1つから駐車場の位置を判別」とは、どのように判別するのか理解できない。また、上記所定コードを車載機器がどのように読み込むのか理解できない。よって、本件発明2、3は不明確である。

イ 申立人の主張についての判断
(ア)請求項1の「出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に」との記載からは、出庫車両の撮像画像から車番を抽出した後に車番を自動入力することは明らかであるから、いつ自動入力することは明確であり、何に車番を自動入力することについては、上記(1)で説示したとおり明確であるから、請求項1の上記記載は明確である。また、何がについて明確でないと、上記記載が不明確になるとの申立人Aの主張は、当を得たものであるとはいえない。よって、申立人Aの上記ア(ア)についての主張は採用できない。
(イ)請求項1、7において、「駐車場管理サーバ」は、「駐車場サービスサイト」とは別の構成であり、明確である。よって、申立人Aの上記ア(イ)についての主張は採用できない。
(ウ)請求項1、7の「駐車場管理サーバを備えた駐車場システム」との記載から、「駐車場管理サーバ」と「駐車場システム」との関係は明確であり、申立人Aの上記ア(ウ)についての主張は採用できない。
(エ)本件発明1は、「駐車場管理サーバ」、「検知する手段」、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」を備えるものであり、明確である。そして、「駐車場管理サーバ」が、「検知する手段」、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」とどのような関係にあるかについては、請求項1の記載から認識できる全ての関係が含まれると解するのが相当であり、不明確な点があるとは認められない。また、請求項7の記載では、「駐車場管理サーバ」が、「検知する手段」、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」を実現するものであることは明確である。よって、申立人Aの上記ア(エ)についての主張は採用できない。
(オ)「関連付け」について、上記(1)で説示したとおり明確であるから、申立人Aの上記ア(オ)についての主張は採用できない。
(カ)「携帯端末または車載機器」は、「ユーザ」と関係があるのは明らかであるから、申立人Aの上記ア(カ))についての主張は採用できない。
(キ)請求項7の「・・として前記駐車場管理サーバに係る第1のコンピュータを実行させ」及び「・・・機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させる」との記載から、本件発明7において、上記駐車場管理サーバと上記駐車場サービスサイトはそれぞれ明確であるから、申立人Aの上記ア(キ)についての主張は採用できない。
(ク)「車番ユーザ識別情報」については、その名のとおり、車ごとの車番とユーザを識別するための情報であり、例えば、本件明細書等の【0060】〜【0064】の記載とも整合し、明確であるから、申立人Aの上記ア(ク)についての主張、及び、申立人Bの上記ア(コ)についての主張は採用できない。なお、退場時車番抽出部が抽出した車番と「車番ユーザ識別情報」との関連付けに基づいて、「駐車場所と料金、出庫車両の撮像画像」をどのようにして出力できるのかについては、これが特定されていないことが、直ちに本件発明1等を不明確にするものとはいえないし、上記「第2 2(1)イ(イ)d」で説示したとおり、可能であるのは明らかである。
(ケ)請求項1、7の「出庫車両の撮像画像」との記載から、「撮像画像」が何の画像であるのか明確であるから、申立人Bの上記ア(ケ)についての主張は採用できない。
(コ)申立人Bの上記ア(サ)及び(シ)の主張はいずれも、本件発明1〜7が明確でない理由を具体的に示しておらず、採用できない。なお、携帯画面に「駐車場所と料金、出庫車両の撮像画像」を表示することは、携帯端末で精算をする際に役立つのは明らかである。また、請求項2の記載では、所定コードを読み込むのが車載機器に限定されていないから、申立人Bの上記ア(シ)についての主張は、請求項2の記載に基づくものともいえない。

(3)小括
以上によれば、本件発明1〜7は明確であり、取消理由1は解消されたと認められる。

2 取消理由2(サポート要件)について
(1)当審の判断
本件訂正後の請求項1の記載は、上記「第2 2(1)イ」で説示した理由により、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものであると認められる。
本件訂正後の請求項7の記載も、上記「第2 2(2)イ」で説示した理由により、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものであると認められる。

(2)申立人の主張について
ア 申立人Aの主張
申立人Aは、令和5年7月6日の意見書(7〜11ページ参照。)において、以下の(ア)〜(カ)について主張する。

(ア)請求項1、7の「・・・出庫する際には、・・・車番認識結果・・・を自動入力した際に」との記載は、本件明細書等に記載されたものではない。
(イ)請求項1、7の「・・・出庫する際には、・・・前記駐車場サービスサイトは、・・・駐車場と料金、・・・前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との記載は、本件明細書等に記載されたものではない。
(ウ)本件発明1、7では、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」が、「駐車場管理サーバ」と関係ない構成として特定されており、そのようなものは、本件明細書等には記載されていない。
(エ)請求項1、7の記載では、車載機器が画面表示を行うことが特定されておらず、「携帯端末または車載機器」との記載から、「携帯端末」を有しない場合があり、その場合、駐車場所等の情報が表示されないことになるから、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものではない。
(オ)本件発明1、7は、退出判定技術を構成として有しておらず、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものではないから、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。
(カ)本件発明1、7は、ユーザ・駐車場特定技術を構成として有しておらず、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものではないから、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえない。

イ 申立人の主張についての判断
(ア)上記(1)で説示したように、本件訂正後の請求項1、7の記載は、本件明細書等に記載されたものであるから、申立人Aの上記ア(ア)及び(イ)についての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。
(イ)本件明細書等の発明の詳細な説明には、「駐車場管理サーバ」が、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」を備えるものが実施の形態の一つとして記載されているが、技術的には、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」が「駐車場管理サーバ」の構成の一部であることが必須ではないことは、当業者であれば明らかである。また、本件発明7は、「取得する手段」、「計時部」、「駐車料金算出部」及び「退場時車番抽出部」として「駐車場管理サーバに係る第1のコンピュータ」を実行させるものである。したがって、申立人Aの上記ア(ウ)についての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。
(ウ)請求項1の「前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との記載から、本件発明1は、少なくとも画面表示手段として「携帯端末」を有することは明らかである。本件発明7についても同様である。よって、申立人Aの上記ア(エ)の主張は、前提において根拠を欠くものであるから、採用できない。
(エ)本件発明が解決しようとする課題は、本件明細書等の【0016】等に記載されるように、駐車場の精算機による精算によって生じる問題を回避する駐車場システムを得ることであると認められるところ、本件発明1では、「前記携帯端末または車載機器は精算機の代替機能を備え」ることによって、本件発明7では、「前記携帯端末または車載機器によって前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行うことを促す機能を果たすように前記駐車場管理サーバに係る前記第1のコンピュータを実行させ」ることによって、上記課題が解決できるものと解されるから、申立人Aの上記ア(オ)及び(カ)についての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。

(3)小括
以上によれば、本件発明1〜7は、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものであり、取消理由2は解消されたと認められる。

第6 令和5年3月23日付け取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の内容
申立人Aは、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1〜7に係る発明(以下、それぞれ「訂正前発明1」〜「訂正前発明7」という。)について、以下の(1)〜(5)を主張し、申立人Bは、特許異議申立書(1)において、訂正前発明1〜7について、以下の(6)〜(8)を主張し、特許異議申立書(2)において、訂正前発明1〜7について、以下の(9)、(10)を主張する。
以下、申立人A提出の各甲号証は、「甲1−○」と、申立人B提出の各甲号証は、「甲2−○」という。

[証拠一覧]
甲1−1:特開2020−144654号公報
甲1−2:特開2014−137804号公報
甲1−3:特開2006−39699号公報
甲1−4:特開2018−22366号公報
甲1−5:特開2019−40502号公報
甲1−6:井澤雅夫、「駐車場における様々なレス化!」、1〜14ページ、[online]、2020年12月2日、一般社団法人全日本駐車協会及び一般社団法人東京駐車協会ホームページ、インターネット<URL:http://japan-pa.or.jp/20201202/6497>
甲1−7:「クラウドで、駐車場の稼働状況をリモート管理!―駐車場のチケットレス、キャッシュレスを促進―」、1〜4ページ、[online]、2020年6月11日、アマノ株式会社、インターネット<URL:https://www.amano.co.jp/information/detail/20200611.html>
甲2−1:特許第6931500号公報
甲2−2:特開2019−40502号公報
甲2−3:韓国登録特許第10−1737805号公報
甲2−4:「クラウドで、駐車場の稼働状況をリモート管理!―駐車場のチケットレス、キャッシュレスを促進―」、ニュースリリース、アマノ株式会社、2020年6月11日、1〜3ページ
甲2−5:井澤雅夫、「駐車場における様々なレス化!」、1〜14ページ、[online]、2020年12月2日、一般社団法人全日本駐車協会及び一般社団法人東京駐車協会ホームページ、インターネット<URL:http://japan-pa.or.jp/20201202/6497>

(1)特許異議申立理由A−1(進歩性
訂正前発明1〜7は、甲1−1に記載された発明(以下「甲1−1発明」という。)、甲1−2に記載された発明(以下「甲1−2発明」という。)、又は、甲1−3に記載された発明(以下「甲1−3発明」という。)、及び、甲1−4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(2)特許異議申立理由A−2(明確性要件)
訂正前発明1〜7は明確ではなく、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第6項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(3)特許異議申立理由A−3(委任省令要件)
訂正前発明1〜7は、委任省令要件を満たすものではなく、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第4項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(4)特許異議申立理由A−4(実施可能要件
訂正前発明1〜7について、本件明細書等の発明の詳細な説明の記載は、当業者が実施し得る程度に明確かつ十分に記載されているとはいえず、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第4項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(5)特許異議申立理由A−5(サポート要件)
訂正前発明1〜7は、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえず、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第6項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(6)特許異議申立理由B−1(進歩性
訂正前発明1〜7は、甲2−2に記載された発明(以下「甲2−2発明」という。)及び甲2−4に記載された事項、甲2−2発明及び甲2−5に記載された事項、甲2−3に記載された発明(以下「甲2−3発明」という。)甲2−4に記載された事項、又は、甲2−3発明及び甲2−5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(7)特許異議申立理由B−2(明確性要件)
訂正前発明1〜7は明確ではなく、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第6項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(8)特許異議申立理由B−3(サポート要件)
訂正前発明1〜7は、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえず、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第6項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(9)特許異議申立理由C−1(明確性要件)
訂正前発明1〜7は明確ではなく、訂正前の請求項1〜7に係る特許は、同法第36条第6項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(10)特許異議申立理由C−2(発明成立性)
訂正前発明1〜6は、同法第29条第1項柱書に違反し、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

2 特許異議申立理由についての判断
(1)特許異議申立理由A−1、B−1(進歩性)について
ア 本件発明1について
本件発明1における、「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、
前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する」との構成については、甲1−1〜1−7、甲2−1〜2−5のいずれにも、記載も示唆も見いだせない。そして、甲1−1〜1−7、甲2−1〜2−5に記載された事項を組み合わせても、上記構成とすることはできないと認められる。
よって、本件発明1は、甲1−1発明〜甲1−3発明のいずれか1つ及び甲1−4に記載された事項、あるいは、甲2−2発明又は甲2−3発明及び甲2−4又は甲2−5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

イ 本件発明2〜6について
本件発明2〜6は、本件発明1の全ての構成を含み、更なる限定を追加するものであるから、上記アで説示したのと同様の理由により、甲1−1発明〜甲1−3発明のいずれか1つ及び甲1−4に記載された事項、あるいは、甲2−2発明又は甲2−3発明及び甲2−4又は甲2−5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

ウ 本件発明7について
本件発明7における、「ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、
前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させる」との構成についても、甲1−1〜1−7、甲2−1〜2−5のいずれにも、記載も示唆も見いだせない。そして、甲1−1〜1−7、甲2−1〜2−5に記載された事項を組み合わせても、上記構成とすることはできないと認められる。
よって、本件発明7も、甲1−1発明〜甲1−3発明のいずれか1つ及び甲1−4に記載された事項、あるいは、甲2−2発明又は甲2−3発明及び甲2−4又は甲2−5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

エ 小括
以上によれば、特許異議申立理由A−1、B−1は成り立たない。

(2)特許異議申立理由A−2、B−2、C−1(明確性要件)について
ア 申立人の主張
申立人Aは、特許異議申立書(98〜102ページ参照。)において、以下の(ア)〜(オ)を主張し、申立人Bは、特許異議申立書(1)(22〜23ページ参照。)において、訂正前発明1〜7について、以下の(カ)、(キ)を主張し、特許異議申立書(2)(2〜4ページ参照。)において、訂正前発明1〜7について、以下の(ク)、(ケ)を主張する。

(ア)訂正前の請求項1、7において、「精算時刻」が不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(イ)訂正前の請求項1、7において、「決済金額」と「料金」の関係が不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(ウ)訂正前の請求項1、7において、「車番認識時」が不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(エ)訂正前の請求項1、7において、「車番認識結果を」「手動入力した」ことが不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(オ)訂正前の請求項1、7において、「車両画像」が不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(カ)訂正前の請求項1、7において、「自動入力」「した際」がいつのことか不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(キ)訂正前の請求項1、7において、「車番認識結果を」「手動入力」は、誰がどのように手動入力するのか理解できず、不明確であるから、訂正前発明1〜7は不明確である。
(ク)訂正前の請求項1の記載では、「携帯端末」が構成として含まれるか否かが不明確であるから、訂正前発明1〜6は不明確である。
(ケ)訂正前の請求項7の記載では、「駐車場管理サーバ」と「携帯端末」のどちらのコンピュータにて実行させるプログラムであるのか不明確であるから、訂正前発明7は不明確である。

イ 申立人の主張についての判断
(ア)本件発明1、7において、「精算時刻」は明確であるから、申立人Aの上記ア(ア)についての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。
(イ)本件発明1、7において、「決済金額」と「料金」は同じものであり、明確であるから、申立人Aの上記ア(イ)についての主張は、当を得たものとはいえず、採用できない。
(ウ)「車番認識時」は、本件訂正後の請求項1、7では、「前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像」と記載され、明確となったから、申立人Aの上記ア(ウ)についての主張は採用できない。
(エ)上記「第5 1(2)イ(イ)」で説示したように、本件発明1、7の「出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に」との事項は明確であるから、申立人Bの上記ア(カ)についての主張は採用できない。
(オ)本件訂正により、請求項1、7から「手動入力」との記載は削除され、申立人Aの上記ア(オ)、及び、申立人Bの上記ア(キ)についての主張は、前提において根拠を欠くものとなったので、採用できない。
(カ)本件発明1、7の「前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像」は明確であるから、申立人Aの上記ア(カ)についての主張は採用できない。
(キ)本件発明1では、「携帯端末」が構成の一部であるのは明らかであるから、申立人Bの上記ア(ク)についての主張は採用できない。
(ク) 本件発明7では、プログラムを実行するコンピュータが明確になったので、申立人Bの上記ア(ケ)についての主張は採用できない。

ウ 小括
以上によれば、本件発明1〜7は明確であり、特許異議申立理由A−2、B−2、C−1は成り立たない。

(3)特許異議申立理由A−3(委任省令要件)について
申立人Aは、特許異議申立書(102ページ参照。)において、訂正前の請求項1、7には、「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示」との記載があり、該記載に係る事項によって解決される課題や該事項がなし得る技術的貢献について、発明の詳細な説明には何ら記載されておらず、当業者であっても、発明の詳細な説明から、上記課題や上記技術的貢献を想起でないから、発明の詳細な説明は、委任省令要件を満たさない旨主張する。
しかしながら、そもそも、特許法は、発明の全ての構成それぞれについて、解決される課題や技術的貢献を有することを特許要件として求めてはいないから、申立人Aの上記主張は、前提において根拠を欠くものであり、採用できない。

(4)特許異議申立理由A−4(実施可能要件)について
申立人Aは、特許異議申立書(102〜104ページ参照。)において、訂正前の請求項1、7の「車番認識手段で認識した車番認識結果を自動または手動入力した際に駐車場所と料金、車番認識時の車両画像を前記携帯端末の画面に表示」について、特に、上記手動入力をどのように実施するのか、発明の詳細な説明をみても不明であるから、本件訂正前発明1〜7について、発明の詳細な説明には、当業者が実施し得る程度に明確かつ十分に記載されているとはいえない旨主張する。
しかしながら、本件訂正により、請求項1、7から「手動入力」との記載は削除され、申立人Aの上記主張は、前提において根拠を欠くものとなったので、採用できない。

(5)特許異議申立理由A−5、B−3(サポート要件)について
ア 申立人の主張
申立人Aは、特許異議申立書(104〜105ページ参照。)において、以下の(ア)を主張し、申立人Bは、特許異議申立書(1)(22〜23ページ参照。)において、訂正前発明1〜7について、以下の(イ)、(ウ)を主張する。

(ア)本件訂正前発明1〜7は、解決すべき課題を具体的に把握することができないから、本件発明1〜7は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。
(イ)訂正前の請求項1、7の「車番認識時の車両画像」と記載について、該車番認識時が入場時であるのか退場時であるのかを特定する記載を発明の詳細な説明に見いだせないから、本件訂正前発明1〜7は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。
(ウ)訂正前の請求項1、7の「車番認識結果を」「手動入力した」がどのようなことであるのか、発明の詳細な説明に具体的に記載されていないから、本件訂正前発明1〜7は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。

イ 申立人の主張についての判断
(ア)申立人Aの上記ア(ア)についての主張は、前提において根拠を欠くものであるから、採用できない。なお、本件発明の課題は、上記「第5 2(2)イ(エ)」で説示したように、明確に把握できる。
(イ)「車番認識時の車両画像」については、本件発明1、7では、「前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像」との事項となった。上記「第2 2(1)イ(イ)b」で説示した理由により、本件発明1、7の上記事項は、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されたものであると認められる。
よって、申立人Bの上記ア(イ)についての主張は採用できない。
(ウ)本件訂正により、請求項1、7から「手動入力」との記載は削除され、申立人Bの上記ア(ウ)についての主張は、前提において根拠を欠くものとなったので、採用できない。

ウ 小括
以上によれば、特許異議申立理由A−5、B−3は成り立たない。

(6)特許異議申立理由C−2(発明成立性)について
申立人Bは、特許異議申立書(2)(22〜23ページ参照。)において、訂正前の請求項1の記載では、「人」が構成の一部であるとも解されるから、本件訂正前発明1−6は、特許法第29条第1項柱書に違反する旨主張する。
しかしながら、本件発明1では、人が構成の一部であるとは認められず、申立人Bの上記主張は、前提において根拠を欠くものであるから、採用できない。
したがって、特許異議申立理由C−2は成り立たない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1〜7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して駐車場料金を精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段と、
駐車開始時刻を取得する手段と、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部と、
駐車時間から決済金額を算出する駐車料金算出部と、
出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部とを備え、
前記携帯端末または車載機器は精算機の代替機能を備え、
ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示する
ことを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
駐車場に備え付けの所定コードの読み込み、またはGPS情報またはワイヤレス情報のうち少なくとも1つから駐車場の位置を判別することを特徴とする請求項1の駐車場システム。
【請求項3】
精算したことを所定駐車場に通知して、乗り逃げを抑止する手段を解除する仕組みを有することを特徴とする請求項2の駐車場システム。
【請求項4】
前記携帯端末または車載機器は駐車場サービスサイトを介し決済機関にネットワークで通信可能に構成されて当該決済機関に対して駐車料金を決済することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項5】
出庫時に車両を特定し、精算が完了していればバーゲートを開放することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項6】
出庫時に車両を特定し、その時刻と入庫時刻から自動的に精算または精算画面を前記携帯端末または車載機器に表示し、精算金額を確認できる仕組みを有することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項7】
インターネット網を介して駐車場サービスサイトと接続される携帯端末または車載機器を介して精算できる、駐車場管理サーバを備えた駐車場システムを動作させるプログラムであって、
駐車場敷地内または個々の車室への車両の進入を検知する手段、駐車開始時刻を取得する手段、
精算時刻から駐車開始時刻を引算して駐車時間を計算する計時部、
駐車時間から駐車料金を算出する駐車料金算出部と、
出庫車両の車番を含む情報を取得する退場時車番抽出部と
として前記駐車場管理サーバに係る第1のコンピュータを実行させ、
前記携帯端末または車載機器によって前記駐車料金のキャッシュレス決済入力および/または確認を行うことを促す機能を果たすように前記駐車場管理サーバに係る前記第1のコンピュータを実行させ、
ユーザが前記駐車場敷地内または個々の車室から出庫する際には、
車番認識手段としての前記退場時車番抽出部で認識した車番認識結果である出庫車両の撮像画像から抽出した車番を自動入力した際に、前記抽出した車番を、前記駐車場管理サーバが有する車番ユーザ識別情報と関連付け、前記駐車場サービスサイトは、前記関連付けに基づき、駐車場所と料金、前記退場時車番抽出部での車番認識時の車両画像である前記出庫車両の撮像画像を前記携帯端末の画面に表示させる機能を果たすように前記駐車場サービスサイトに係る第2のコンピュータを実行させるプログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2023-09-29 
出願番号 P2021-010648
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (G07B)
P 1 651・ 121- YAA (G07B)
P 1 651・ 1- YAA (G07B)
P 1 651・ 536- YAA (G07B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 藤井 昇
特許庁審判官 八木 誠
中村 則夫
登録日 2021-08-18 
登録番号 6931500
権利者 アイテック株式会社
発明の名称 駐車場システム及びプログラム  
代理人 友野 英三  
代理人 友野 英三  

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