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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E04D
管理番号 1406735
総通号数 26 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2024-02-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-09-15 
確定日 2024-01-26 
異議申立件数
事件の表示 特許第7241833号発明「配管構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第7241833号の請求項1〜4に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第7241833号(以下「本件特許」という。)に係る特許出願は、令和3年9月22日(優先権主張 令和2年9月23日、令和3年3月25日)に出願され、令和5年3月9日にその特許権の設定登録がされ、同年同月17日に特許掲載公報が発行されたものであり、その後、その特許に対し、令和5年9月15日に特許異議申立人秋山 朋毅(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った(特許異議申立書について、以下「申立書」という。)。

2 本件発明
本件特許の請求項1〜4の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」〜「本件発明4」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
サイフォン現象を発生させる排水部材と、前記排水部材の下方に位置し、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記排水部材と接続された竪樋と、前記貫通孔の上部に設けられた第1部材と、前記貫通孔の下部に設けられた第2部材と、を備え、前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造であって、
前記第1部材は、
前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有し、
前記第2部材は、
前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着されるとともに前記第1フランジよりも大径の第2フランジと、を有し、
前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、
前記第3筒の外径は、前記第2筒の外径よりも小さく、
前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し、前記排水部材から雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有し、
前記竪樋の長さは3m以上である
ことを特徴とする配管構造。
【請求項2】
サイフォン現象を発生させる排水部材と、前記排水部材の下方に位置し、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記排水部材と接続された竪樋と、前記貫通孔の上部に設けられた第1部材と、前記貫通孔の下部に設けられた第2部材と、を備え、前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造であって、
前記第1部材は、
前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有し、
前記第2部材は、
前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着されるとともに前記第1フランジよりも大径の第2フランジと、を有し、
前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、
前記第3筒の外径および内径が前記第1筒の外径および内径より大きく、前記第3筒と前記第1筒の間に段差があり、
前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し、前記排水部材から雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有している、
ことを特徴とする配管構造。
【請求項3】
サイフォン現象を発生させる排水部材と、前記排水部材の下方に位置し、底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記排水部材と接続された竪樋と、前記貫通孔の上部に設けられた第1部材と、前記貫通孔の下部に設けられた第2部材と、を備え、前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造であって、
前記第1部材は、
前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有し、
前記第2部材は、
前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着されるとともに前記第1フランジよりも大径の第2フランジと、を有し、
前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、
前記第2筒は受け口であり、かつ、全長にわたり同径であり、
前記第1筒の軸方向の下端は前記第2筒の下端よりも上にあり、
前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し、前記排水部材から雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有している、
ことを特徴とする配管構造。
【請求項4】
前記第1筒の外面に雄ねじ部が設けられ、
前記第2筒の内面に雌ねじ部が設けられ、
前記雌ねじ部は周方向の全周にわたって間隔をあけて設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の配管構造。」

3 特許異議申立理由の概要
申立人が申立書において主張する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。
(1) 理由1
本件発明1、4は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明と甲第6号証〜甲第15号証に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきである。

(2) 理由2
本件発明2、4は、甲第3号証と甲第6号証〜甲第15号証に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきである。

(3) 理由3
本件発明3、4は、甲第4号証及び甲第5号証に記載された発明と甲第6号証〜甲第15号証に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきである。

提出された証拠は以下のとおり。

甲第1号証 中国実用新案第207079666号明細書(及び抄訳文)
甲第2号証 特開2009−203610号公報
甲第3号証 特開平11−193607号公報
甲第4号証 実公平4−9785号公報
甲第5号証 実願平3−81428号(実開平5−24749号)のCD−ROM
甲第6号証 特開平7−331820号公報
甲第7号証 特開平7−317243号公報
甲第8号証 特開平7−317244号公報
甲第9号証 特開平7−317245号公報
甲第10号証 特開2001−152626号公報
甲第11号証 特開平8−199749号公報
甲第12号証 特開2019−27164号公報
甲第13号証 特開2015−17425号公報
甲第14号証 特開2002−180617号公報
甲第15号証 特開2007−205005号公報
(以下、各甲号証を、その番号により「甲1」等という。)

4 証拠の記載
(1) 甲1
ア 甲1の記載
甲1には、以下の事項が記載されている(括弧内に申立人が提出した抄訳を付した。)。

(ア)「


(【0018】
図1〜図5に示すように、本実用新案前記天蓋形のひさしの雨水収集放出装置、屋根1上に固定する壁の樋2と壁面9上に固定する天蓋形のひさし4を含んで、天蓋形のひさし4は壁の樋2の下方に設けられる、天蓋形のひさし4上に天蓋形のひさしの樋40を設け、壁の樋2上で壁の樋排水口5を設けて、天蓋形のひさしの樋40上で天蓋形のひさしの樋排水口の一6と天蓋形のひさしの樋排水口2の7を設ける、壁の樋排水口5はPVCの縦樋3によって天蓋形のひさしの樋排水口の一6に連通する、天蓋形のひさしの樋排水口一6と天蓋形のひさしの樋排水口2の7それぞれPVCの縦樋3によって室外排水ます10に連通する。以上の前記構成本実用新案基本構成。)

(イ)図1




(ウ)図2




(エ)図3




イ 甲1発明
上記アより、上記ア(イ)〜(エ)の図1〜図3を参考に、上記ア(ア)の抄訳の日本語を整えると、甲1には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(甲1発明)
「天蓋形のひさしの雨水収集放出装置であって、
屋根1上に固定する壁の樋2と壁面9上に固定する天蓋形のひさし4を含み、
天蓋形のひさし4は壁の樋2の下方に設けられ、
天蓋形のひさし4上に天蓋形のひさしの樋40を設け、
壁の樋2に壁の樋排水口5を設けて、天蓋形のひさしの樋40上で天蓋形のひさしの樋排水口一6と天蓋形のひさしの樋排水口二7を設け、
壁の樋排水口5はPVCの縦樋3によって天蓋形のひさしの樋排水口一6に連通し、
天蓋形のひさしの樋排水口一6と天蓋形のひさしの樋排水口二7は、それぞれPVCの縦樋3によって室外排水ます10に連通する
天蓋形のひさしの雨水収集放出装置。」

(2) 甲2
ア 甲2の記載
甲2には、以下の事項が記載されている(下線は合議体が付した。以下同じ。)。

「【0015】
本発明の屋根上散水配管構造21は地上から屋根24に至る散水管23の軒樋27近傍における配管構造である。
【0016】
図1に示すように、散水の方法は循環式で、貯水槽22に貯められている水が図示しないヒーターで温められて温水となり、温水は図示しない揚水ポンプで散水管23により軒樋27の一端部P側から屋根24上まで送られ、屋根24上に敷設された屋根上散水管25のノズル25aから屋根24上に積もった雪24aに散水される。
【0017】
散水された温水と融雪水は軒樋27の他端部Q側の底面27cに連結された竪樋28を経て貯水槽22に戻るとともに、貯水槽22からオーバーフローする水は排水管22aから排出される。

【0019】
軒樋27の一端部P側の底面27cに形成された孔29に対応して貫通継手40が設けられる。散水管23はこの貫通継手40を介して軒樋27を貫通する。
【0020】
貫通継手40は底面27cの上面に取付けられる第一フランジ41に短管42を立設して成る第一継手43と、底面27cの下面に取付けられる第二フランジ45に上下に突出する連通管46を備えて成る第二継手47とで形成される。

【0023】
ここで、屋根24上に敷設される屋根上散水管25は矩形筒状(幅=K1、高さ=K2)で、この屋根上散水管25が直角エルボ材25bを介して屋根24から他の短い散水管25c(幅=K1、高さ=K2)で下垂される。そして、短い散水管25cはエルボ材33の上部に連結された断面変形継手35を介してエルボ材33に連結される。

【0029】
貫通継手40は底面27cの上面に第二継手47、底面27cの下面に第一継手43を配置してもよい。また、本実施例の屋根上に水を散水する構成は真夏における建物の冷却用としても使用できるが、その際には貯水槽22に貯められている水用のヒーターは不要である。」

「【図1】



「【図2】



「【図3】



「【図4】



イ 認定事項
図2〜図4から、連通管46、短管42および孔29の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、連通管46の外径は、短管42の外径よりも小さいものと認められる(以下「認定事項1」という。)。

ウ 甲2発明
上記ア、イより、甲2には以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

(甲2発明)
「地上から屋根24に至る散水管23の軒樋27近傍における屋根上散水配管構造21であって(【0015】)、
散水の方法は循環式で、貯水槽22に貯められている水がヒーターで温められて温水となり、温水は揚水ポンプで散水管23により軒樋27の一端部P側から屋根24上まで送られ、屋根24上に敷設された屋根上散水管25のノズル25aから屋根24上に積もった雪24aに散水され(【0016】)、
散水された温水と融雪水は軒樋27の他端部Q側の底面27cに連結された竪樋28を経て貯水槽22に戻るとともに、貯水槽22からオーバーフローする水は排水管22aから排出され(【0017】)、
軒樋27の一端部P側の底面27cに形成された孔29に対応して貫通継手40が設けられ、散水管23はこの貫通継手40を介して軒樋27を貫通し(【0019】)、
貫通継手40は底面27cの下面に取付けられる第一フランジ41に短管42を立設して成る第一継手43と、底面27cの上面に取付けられる第二フランジ45に上下に突出する連通管46を備えて成る第二継手47とで形成され(【0020】、【0029】)、
屋根上散水管25が直角エルボ材25bを介して屋根24から他の短い散水管25cで下垂され、短い散水管25cはエルボ材33の上部に連結された断面変形継手35を介してエルボ材33に連結され(【0023】)、
連通管46、短管42および孔29の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、連通管46の外径は、短管42の外径よりも小さい(認定事項1)
屋根上散水配管構造21。(【0015】)」

(3) 甲3
ア 甲3の記載
甲3には、以下の事項が記載されている。

「【0022】図1および図2において、8は軒樋であり、この軒樋8は底板81と両側壁85からなる断面コ字形の長尺体である。9は竪樋に通ずるエルボであり、このエルボ9の先端に這樋91が接続され、この這樋91の先端には図示しないエルボを介して竪樋が接続されている。7は上屋根の軒樋に接続された竪樋である。
【0023】1は中継ドレンであり、この中継ドレン1は集水筒2と排水筒3とからなる。集水筒2は筒部21と筒部21の上端に開口している接続口22と筒部21の中間に設けられた上側フランジ23とを備えている。そして、この筒部21には、上側フランジ23の上方に下側排水口24が設けられ、軒樋8の側壁85の上端より若干低い位置に上側排水口25が設けられている。又、上側フランジ23より下方の筒部21の外周面には雄ネジ26が穿設されている。
【0024】筒部21の上部は上方に向かって次第に径が拡大されて竪樋7の外径より大きな内径を有する接続口22となっている。このように筒部21の径が上方に向かって拡大されているので、筒部21と竪樋7の径がほぼ同じであっても、又、筒部21と竪樋7の位置が若干異なっていても、竪樋7の先端を接続口22の中に簡単に挿入できるようになっている。排水筒3は上側筒部4と下側筒部5とからなる。上側筒部4には、内周面に集水筒2の雄ネジ26に螺合する雌ネジ41が設けられ、外周面に周方向に長い溝42が設けられ、上端に下側フランジ43が設けられている。」

「【0027】次に、この中継ドレン1の施工方法および作用について説明する。先ず、軒樋8の底板81に集水筒2の筒部21が挿入できる通孔82をホルソー等で穿孔し、この通孔82に上方から集水筒2の筒部21を挿入し、上側フランジ23を通孔82周縁部に当接させる。
【0028】次に、この軒樋8の通孔82の下側に突出した集水筒2の筒部21を上側筒部4の中に挿入するようにして、下方から排水筒3を軒樋8に近づけ、上側筒部4の雌ネジ41に集水筒2の雄ネジ26を螺入して、上側フランジ23と下側フランジ43で軒樋8の通孔82周縁部を挟んだ状態にして、集水筒2と排水筒3とを接続する。その後、下側筒部5の接続部55に地上に通ずるエルボ9を接着剤等で接続し、このエルボ9に這樋91を接続し、図示しないエルボを介して竪樋に接続する。
【0029】又、集水筒2の接続口22の中に上屋根の軒樋に接続された竪樋7を挿入して接続する。この際、接続口22は上屋根に接続された竪樋7の下端部の外径より大きな内径になされているから、上屋根の軒樋に接続された竪樋7の位置が少し位異なっていても簡単に接続口22の中に挿入できる。」

「【図1】



イ 認定事項
図1(ロ)の記載からみて、筒部21、上側筒部4、接続口22および通孔82の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置されているものと認められる(以下「認定事項2」という。)。

図1(ロ)の記載からみて、接続口22の外径及び内径は、筒部21の外径及び内径より大きく、接続口22と筒部21との間に段差があるものと認められる(以下「認定事項3」という。)。

ウ 甲3発明
上記ア、イより、甲3には以下の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。

(甲3発明)
「上屋根の軒樋に接続された竪樋7と、中継ドレン1を備え(【0022】、【0023】)、中継ドレン1は集水筒2と排水筒3とからなり、集水筒2は筒部21と筒部21の上端に開口している接続口22と筒部21の中間に設けられた上側フランジ23とを備え(【0023】)、筒部21の上部は上方に向かって次第に径が拡大されて竪樋7の外径より大きな内径を有する接続口22となっており、筒部21の径が上方に向かって拡大されているので、筒部21と竪樋7の径がほぼ同じであっても、又、筒部21と竪樋7の位置が若干異なっていても、竪樋7の先端を接続口22の中に簡単に挿入できるようになっており、排水筒3は上側筒部4と下側筒部5とからなり、上側筒部4の上端に下側フランジ43が設けられ(【0024】)、軒樋8の底板81に集水筒2の筒部21が挿入できる通孔82を穿孔し、この通孔82に上方から集水筒2の筒部21を挿入し、上側フランジ23を通孔82周縁部に当接させ(【0027】)、この軒樋8の通孔82の下側に突出した集水筒2の筒部21を排水筒3の上側筒部4の中に挿入するようにして、下方から排水筒3を軒樋8に近づけ、排水筒3の上側筒部4の雌ネジ41に集水筒2の雄ネジ26を螺入して、上側フランジ23と下側フランジ43で軒樋8の通孔82周縁部を挟んだ状態にして、集水筒2と排水筒3とを接続し、下側筒部5の接続部55に地上に通ずるエルボ9を接着剤等で接続し、このエルボ9に這樋91を接続し、エルボを介して竪樋に接続し(【0024】、【0028】)、
筒部21、上側筒部4、接続口22および通孔82の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され(認定事項2)、接続口22の外径及び内径は、筒部21の外径及び内径より大きく、接続口22と筒部21との間に段差がある(認定事項3)構造。」

(4) 甲4
ア 甲4の記載
「〔実施例〕
以下、この考案を図面に示す実施例について説明すれば、第1図はこの考案の樋用ドレーンの一実施例を示す斜視図で、図中1は外周壁面に螺子aを螺設してなる円筒からなる内筒体であり、2は内周壁面に上記螺子aに螺着する螺条bを螺設してなる円筒からなる外筒体であり、3,4は内外筒体1,2の上端部外周面に周設された鍔部であつて、取付けんとする軒樋の底壁面の開口部周縁の挟着の用に供されるものであり、5は内筒体1の上端開口部上に周方向に対し所定間隔をもつて複数片立脚された支承片であり、6は支承片5上に固定された円筒体からなる接続口であつて、上屋根の竪樋落ち口の連接の用に供されるものである。
〔考案の効果〕
この考案の樋用ドレーンは上記構成よりなるため、使用に際しては第2図に示すように軒樋Aの底壁面に開口された開口部に上方より内筒体1を嵌入し、軒樋Aの底壁面より下方に突出せる内筒体1に外筒体2を嵌着して該軒樋Aの底壁面の開口部周縁を鍔部3,4にて挟着し、次いで外筒体2に竪樋Bを固定するとともに内筒体1上の接続口6に這樋落ち口等上屋根の竪樋落ち口Cを固定するものである。
以上より明らかなように、この考案の樋用ドレーンは上屋根の竪樋落ち口Cが内筒体1の上端開口部上に複数片の支承片5を介して形成された接続口6への嵌合により取付けられるために施工性が著しく向上せしめられ、更には上屋根の雨水が竪樋B上に直接流下されるために溢水がなく、これに支承片5によるごみよけ機能が相俟つて排水性も合わせ向上せしめられるものである。」

「【第1図】



「【第2図】



イ 認定事項
図2から、内筒体1、外筒体2、接続口6、開口部の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置されているものと認められる(以下「認定事項4」という。)。

図2の記載から見て、内筒体1の軸方向の下端は外筒体2の下端よりも上にあるものと認められる(以下「認定事項5」という。)。

ウ 甲4発明
上記ア、イより、甲4には以下の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。

(甲4発明)
「内筒体1及び外筒体2は円筒からなり、
鍔部3、4が、内外筒体1、2の上端部外周面に周設され、
支承片5が内筒体1の上端開口部上に周方向に対し所定間隔をもつて複数片立脚され、接続口6が支承片5上に固定された円筒体からなり、
軒樋Aの底壁面に開口された開口部に上方より内筒体1を嵌入し、軒樋Aの底壁面より下方に突出せる内筒体1に外筒体2を嵌着して該軒樋Aの底壁面の開口部周縁を鍔部3,4にて挟着し、次いで外筒体2に竪樋Bを固定するとともに内筒体1上の接続口6に這樋落ち口等上屋根の竪樋落ち口Cを固定し、
内筒体1、外筒体2、接続口6、開口部の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され(認定事項4)、
内筒体1の軸方向の下端は外筒体2の下端よりも上にある(認定事項5)
樋用ドレーン。」

(5) 甲5
ア 甲5の記載
甲5には、以下の事項が記載されている。

「【0010】
【実施例】
図1に本考案の実施例による合成樹脂製の軒樋Aの側面図を示してある。この軒樋Aは、底壁1における幅狭流路対応箇所13に、底壁1の全長にわたって平行な2条の凸条15,15を互いに接近した状態で形成し、これらの凸条15,15の間に溝部16が形成されている。底壁1の両側には傾斜壁部11,12が形成されている。これらの傾斜壁部11,12は前壁2と後壁3との間の幅広流路4の全幅に対応する底壁1に対して二重に設けられていて、幅広流路外方に向けて上り勾配となっている。」

「【0014】
上記軒樋Aは図5のようにして軒先に取り付けられ、かつ竪樋Dに接続される。すなわち、樋取付け具Eの先端に具備された立上り片101の下端を上記段付部25と前耳縁23との間に介在して係合片24で脱落を防ぎ、同時に樋取付け具Eの後端に具備されたコ字形の係合部102を後耳縁32に係合させると共に、樋取付け具Eのばね片103の先端を後耳縁32に臨ませてその脱落を防ぐ。また、傾斜壁部11,12を含む底壁1に開設した開口7に樋落しBの筒部8を挿入することによってそのフランジ9の傾斜重なり部91,92を傾斜壁部11,12にそれぞれ重ね、かつ水平重なり部93を底壁1における開口7の周縁部の幅狭流路対応箇所13に重ねてそれらを接着剤で接合する。そして、継手Cを上記筒部8にねじ込んでそのフランジ10を底壁1の下面に接着剤で接合し、竪樋Dを継手Cに挿入して両者の重なり部分を接着剤で接合する。なお、図例では継手Cの内周に環状の水切り部C1を形成し、その水切り部C1に竪樋Dの上端を挿入して水漏れを無くしてある。なお、樋取付け具Eは軒先の壁面Hなどに固着されており、その樋取付け具Eに取り付けられた軒樋Aの中空部31は壁面1Hに接触するかあるいは壁面Hに近接している。したがって、中空部31により壁面Hと後壁3との隙間が塞がれるので、その隙間が目立って見苦しくなるといった不都合を生じない。」

「【図5】



イ 認定事項
図5より、筒部8、継手Cの筒部8にねじ込まれる部分及び竪樋Dが挿入される部分及び開口7の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置されているものと認められる(以下「認定事項6」という。)。

図5より、継手Cの筒部8にねじ込まれる部分及び竪樋Dが挿入される部分は受け口であり、かつ、全長にわたり同径であるものと認められる(以下「認定事項7」という。)。

図5より、筒部8の軸方向の下端は継手Cの筒部8にねじ込まれる部分及び竪樋Dが挿入される部分の下端よりも上にあるものと認められる(以下「認定事項8」という。)。

ウ 甲5発明
上記ア、イより、甲5には、以下の発明が記載されていると認められる。

(甲5発明)
「底壁1の両側には傾斜壁部11,12が形成された軒樋Aであって(【0010】)、
竪樋Dに接続され、底壁1に開設した開口7に樋落しBの筒部8を挿入することによってそのフランジ9の傾斜重なり部91,92を傾斜壁部11,12にそれぞれ重ね、かつ水平重なり部93を底壁1における開口7の周縁部の幅狭流路対応箇所13に重ねてそれらを接着剤で接合し、継手Cを上記筒部8にねじ込んでそのフランジ10を底壁1の下面に接着剤で接合し、竪樋Dを継手Cに挿入して両者の重なり部分を接着剤で接合し(【0014】)、
筒部8、継手Cの筒部8にねじ込まれる部分及び竪樋Dが挿入される部分及び開口7の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され(認定事項6)、
継手Cの筒部8にねじ込まれる部分及び竪樋Dが挿入される部分は受け口であり、かつ、全長にわたり同径であり(認定事項7)、
筒部8の軸方向の下端は継手Cの筒部8にねじ込まれる部分及び竪樋Dが挿入される部分の下端よりも上にある(認定事項8)
軒樋A。(【0010】)」

(6) 甲6〜甲14
甲6には、以下の事項が記載されている。

「【0010】図2は、本発明の請求項1に係る軒樋用ドレンの一実施例を示した分解斜視図であり、図1は、図2に示す軒樋用ドレンの要部断面図である。該軒樋用ドレンは、軒樋の底板(A)に設けられた排水口(A1)に用いて軒樋と縦樋を接続するものである。該軒樋用ドレンは、上記軒樋の排水口(A1)を挟んで、上位に位置するドレン上部材(1)と下位に位置するドレン下部材(7)から構成される。
【0011】上記ドレン上部材(1)は、合成樹脂を成形して作製されたものであって、外周面に雄ネジ(3)が形成され、軒樋の底板(A)に設けられた排水孔(A1)に上方から挿入される筒状の雄筒体(2)と、この雄筒体(2)の上端部外周から外向きに形成され、上記軒樋の底板(A)の上面に密接する上フランジ(4)とを備えている。上記雄筒体(2)の下端部(21)の内周面には、雌ネジ(31)が形成されている。上記雄筒体(2)の上端には、この雄筒体(2)の孔の、枯葉やゴミ等による詰まりの防止を目的とした複数本のリブ(13)が上方に立ち上げ、この雄筒体(2)の上方で集束して形成されている。この複数本のリブ(13)の上端の集束部には、該軒樋用ドレンの排水効率を高めることを目的とした、上下に貫通した空気抜き孔を備えた空気抜き筒(16)が形成されている。
【0012】上記ドレン下部材(7)は、上記ドレン上部材(1)と同様に、合成樹脂を成形して作製されたものであって、上記雄筒体(2)の雄ネジ(3)と螺合する雌ネジ(5)が内周面に形成された雌筒体(70)と、この雌筒体(70)の上端部外周から外向きに形成され、上記軒樋の底板(A)の下面に当接する下フランジ(11)とを備えている。この下フランジ(11)の上面には、下フランジ(11)と上記軒樋の底板(A)によって挟着される防水パッキン(10)が設けられている。上記雌筒体(70)の下端部には、内向きに狭小する段部(12)を形成して垂下する、上記雄筒体(2)と内径が等しい下筒体(71)が設けられている。この下筒体(71)の内周面には雌ネジ(72)が形成されている。この下筒体(71)は縦樋に差し込んで、軒樋と縦樋の接続をするものである。」

「【図1】



甲6の図1等を参照すると、下フランジ(11)が上フランジ(4)よりも大径であることがみてとれる。
したがって、甲6には、軒樋の底板を上下のフランジで挟む構造を有する軒樋用ドレンにおいて、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすることが記載されている。

甲7〜甲14にも同様の事項が記載されていることから、軒樋の底板を上下のフランジで挟む構造を有する軒樋用ドレンにおいて、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすることは、周知の技術であると認められる(以下「甲6〜甲14に記載の周知技術」という。)。

(7) 甲15
甲15には、以下の事項が記載されている。

「【0002】
従来から、図1に示すような樋接続部材が知られている。1は建物の外壁であり、2はベランダである。
【0003】
ベランダ2は二重スラブ構造の床3とベランダの外壁4とを有し、床3は上スラブ3aと下スラブ3bとによって構成されている。

【0010】
図3に示すように、ネジ付きソケット15は、上部に排水管8が接続される筒状接続部15aと、下部に筒状接続部15aより小径のネジ付き円筒部15bとを有して一体形成され、このネジ付き円筒部15bの外周には雄ネジが設けられている。
【0011】
連結部材16は、下部にネジ付き外筒部16aと、上部に環状拡径フランジ部16bとを有して一体形成されている。
【0012】
ネジ付き外筒部16aの内周にはネジ付き円筒部15bの雄ネジに螺合される雌ネジが設けられ、ネジ付き外筒部16aの外周には環状突起部16c,16dが突設形成されている。
【0013】
ネジ付きソケット15は筒状接続部15aとネジ付き円筒部15bとの間に段差部15cを有していて、ネジ付きソケット15に連結部材16が螺合されると、段差部15cと環状拡径フランジ部16bとの間に下スラブ3bが上下両側から狭持される。」

「【図3】



甲15の図3を参照すると、下側の連結部材16の環状拡径フランジ部16bが、上側のネジ付きソケット15の段差部15cよりも大径となっていることがみてとれる。
したがって、甲15には、ベランダの二重スラブ構造の床の下スラブを、上側の連結部材の段差部と下側の連結部材の環状拡径フランジ部で挟む構造を有するベランダの樋用接続部材において、下側の連結部材の環状拡径フランジ部を上側の連結部材の段差部よりも大径とすることが記載されている(以下「甲15記載の技術」という。)。

5 検討
以下、申立人が申立書において主張する特許異議申立理由の理由1〜理由3について検討する。

(1) 理由1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「樋排水口一6」が設けられた「天蓋形のひさしの樋40」は、本件発明1の「底部に貫通孔が設けられた軒樋」に相当する。
甲1発明の「縦樋3」は、本件発明1の「竪樋」に相当する。
甲1発明の「縦樋3」は、「壁の樋排水口5」を「天蓋形のひさしの樋排水口一6に連通し」、「天蓋形のひさしの樋排水口一6」を「室外排水ます10に連通する」ものであるから、「樋排水口一6」において「天蓋形のひさしの樋40」を貫通するものであり、このことは、本件発明1の「前記竪樋が前記軒樋を貫通している」ことに相当する。
甲1発明の「縦樋3」が、「壁の樋排水口5」を「天蓋形のひさしの樋排水口一6に連通」する部分と、「天蓋形のひさしの樋排水口一6」を「室外排水ます10に連通する」部分を有していることは、本件発明1の「前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し」、「雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有し」ていることに相当する。
甲1発明の「雨水収集放出装置」は、「縦樋3」等の配管を有するものであるから、本件発明1の「配管構造」に相当する。

以上によれば、本件発明1と甲1発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。

(一致点)
底部に貫通孔が設けられた軒樋と、竪樋と、を備え、前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造であって、
前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し、雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有する
配管構造。

(相違点1−1)
本件発明1は、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を備えるのに対して、甲1発明は、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を備えていない点。

(相違点1−2)
本件発明1は、
「前記貫通孔の上部に設けられた第1部材と、前記貫通孔の下部に設けられた第2部材」を備え、
「前記第1部材は、
前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有し、
前記第2部材は、
前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着されるとともに前記第1フランジよりも大径の第2フランジと、を有し、
前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、
前記第3筒の外径は、前記第2筒の外径よりも小さ」いのに対して、
甲1発明は、本件発明1の「第1部材」及び「第2部材」に相当する部材を備えていない点。

(相違点1−3)
本件発明1において、「竪樋の長さは3m以上である」のに対して、甲1発明において、「縦樋3」の長さが不明である点。

イ 判断
事案に鑑み、相違点1−1及び相違点1−2について検討する。
甲1発明は、「雨水収集放出装置」であって、雨水を「縦樋3」の下方へ流すものであるのに対して、甲2発明は、「屋根上散水配管構造21」であって、「貯水槽22に貯められている水」を「揚水ポンプ」で「散水管23」の「屋根24上まで送」るものであるから、甲1発明と甲2発明は用途が異なり、甲1発明の「縦樋3」と甲2発明の「散水管23」は、その中を通る水の方向が異なるものである。したがって、甲1発明において、甲2発明の「貫通継手40」の構造を適用することは、当業者が容易に想到できたこととはいえず、適用すべき動機もない。
また、仮に、甲1発明の「屋根1上に固定する壁の樋2」に「サイフォン現象を発生させる排水部材」を設けて相違点1−1に係る構成とすると、当該「サイフォン現象を発生させる排水部材」が、甲2発明の「貯水槽22に貯められている水」を「揚水ポンプ」で「散水管23」の「屋根24上まで送」ることを妨げるものとなるから、甲1発明において、相違点1−1に係る構成とすることは、甲2発明を適用することの阻害要因となる。
そして、上記4(6)の甲6〜甲14に記載の周知技術及び上記4(7)の甲15記載の技術は、いずれも「サイフォン現象を発生させる排水部材」(相違点1−1)及び「竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造」における「貫通孔の上部に設けられた第1部材」と「貫通孔の下部に設けられた第2部材」(相違点1−2)を示唆するものではないことから、甲6〜甲14に記載の周知技術及び甲15記載の技術を考慮に加えても、相違点1−1及び相違点1−2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたこととはいえない。

以上より、相違点1−3について検討するまでもなく、甲1発明、甲2発明、甲6〜甲14に記載の周知技術及び上記4(7)の甲15記載の技術に基づいて、本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易になし得たことであるとはいえない。
本件発明1の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明である本件発明4についても同様である。

ウ 申立人の主張について
申立人は、申立書3(4)ウ(ア)b(41〜44頁)において、以下のように主張する。
「(a)相違点1
相違点1は、「竪樋にサイフォン現象を発生させる排水部材が接続されていない点」である。相違点1について検討すると、竪樋の上部にサイフォン現象を発生させる排水部材を設けた構成は、文献を示すまでもなく周知技術である。
(b)相違点2
(i)相違点2は、「竪樋と軒樋の貫通部において本件特許発明1の第1部材及び第2部材の構成(構成要件1B〜1E)を有しない点」である。相違点2について検討すると、構成要件1B〜1Eは、甲2発明の構成1b2〜1e2に対応する。

(iii)構成要件1C
構成要件1Cと構成1c2とを比較すると、甲2発明は、「第2フランジが第1フランジよりも大径かどうかが不明な点(相違点4)」で、本件特許発明1と相違する。
相違点4について検討すると、上述したように、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすることは、周知技術(甲第6号証〜甲第15号証参照)である。

「第2フランジが第1フランジよりも大径である」という点は、本件特許明細書には記載されておらず、もつぱら、図4及び図5に記載されたものであり、意見書で述べられている効果も、本件特許明細書には何ら記載されていない。
また、本件特許明細書には下記の記載がある。

この記載からしても、同意見書で述べられている「第2フランジが第1フランジよりも大径である」ことによる効果は、第1及び第2フランジと軒樋との関係によるものであって、第1フランジ及び第2フランジを継手だけではなく排水部材に用いた場合でも得られるものであり、第1フランジ及び第2フランジが継手に用いられているか、排水部材に用いられているかとは無関係であると認められる。そして、このような効果は、例えば、甲第6号証等においても同様に得られるものである。
そうしてみれば、甲2発明の構成1c2の第一フランジ43を第二フランジ45よりも大径として構成1Cを得ることに格別の困難性はないし、阻害要因もない。」

申立人の上記主張について検討する。「竪樋の上部にサイフォン現象を発生させる排水部材を設けた構成」が周知であること、(継手ではなく排水部材に設けられた)「第2フランジが第1フランジよりも大径である」ことが周知であること、「第2フランジが第1フランジよりも大径である」ことによる効果は、第1及び第2フランジと軒樋との関係によるものであって、第1フランジ及び第2フランジを継手だけではなく排水部材に用いた場合でも得られるものであることが、申立人の主張のとおりであるとしても、上記イで検討したとおり、甲1発明において、相違点1−1及び相違点1−2に係る構成とすることは、甲2発明、甲6〜甲14に記載の周知技術及び甲15記載の技術を考慮しても、当業者が容易に想到できたこととはいえない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。

(2) 理由2について
ア 対比
本件発明2と甲3発明とを対比する。
甲3発明の「底板81に」「通孔82を穿孔し」た「軒樋8」及び「竪樋7」は、それぞれ、本件発明2の「底部に貫通孔が設けられた軒樋」及び「竪樋」に相当する。
甲3発明の「軒樋8」の「通孔82に上方から」「筒部21」が「挿入」される「集水筒2」は、本件発明2の「前記貫通孔の上部に設けられた第1部材」に相当する。
甲3発明の「軒樋8の通孔82の下側に突出した集水筒2の筒部21を」「上側筒部4の中に挿入するようにして、下方から」「軒樋8に近づけ」、「集水筒2と」「接続」する「排水筒3」は、本件発明2の「前記貫通孔の下部に設けられた第2部材」に相当する。
甲3発明は、「上屋根の軒樋に接続された」「竪樋7の先端」を、「中継ドレン1」の「集水筒2」の「筒部21」の「接続口22の中に」「挿入」し、「中継ドレン1」の「上側フランジ23と下側フランジ43で軒樋8の通孔82周縁部を挟んだ状態にして、集水筒2と排水筒3とを接続し、下側筒部5の接続部55に地上に通ずるエルボ9を接着剤等で接続し、このエルボ9に這樋91を接続し、エルボを介して竪樋に接続」する「構造」であり、この構造は、本件発明2の「前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造」に相当する。
甲3発明の「集水筒2」が、「通孔82」に「挿入」される「筒部21」と、「筒部21の上端に開口している接続口22と筒部21の中間に設けられた上側フランジ23」と、「筒部21の上端に開口している接続口22」を備えることは、本件発明2の「前記第1部材」が「前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有」することに相当する。
甲3発明の「排水筒3」の「集水筒2の筒部21」をその「中に挿入する」「上側筒部4」及び「上側筒部4の上端に」設けられ、「上側フランジ23」とで「軒樋8」を「挟んだ状態に」する「下側フランジ43」は、それぞれ本件発明2の「前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒」及び「前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着される」「第2フランジ」に相当する。したがって、本件発明2の「第2部材」と甲3発明の「排水筒3」は、「前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着される」「第2フランジと、を有」する点で共通する。
甲3発明の「筒部21、上側筒部4、接続口22および通孔82の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され」ることは、本件発明2の「前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され」ることに相当する。
甲3発明の「接続口22の外径及び内径は、筒部21の外径及び内径より大きく、接続口22と筒部21との間に段差がある」ことは、本件発明2の「前記第3筒の外径および内径が前記第1筒の外径および内径より大きく、前記第3筒と前記第1筒の間に段差があ」ることに相当する。

以上によれば、本件発明2と甲3発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。

(一致点)
「底部に貫通孔が設けられた軒樋と、前記排水部材と接続された竪樋と、前記貫通孔の上部に設けられた第1部材と、前記貫通孔の下部に設けられた第2部材と、を備え、前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造であって、
前記第1部材は、
前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有し、
前記第2部材は、
前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着されるとともに前記第1フランジよりも大径の第2フランジと、を有し、
前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、
前記第3筒の外径および内径が前記第1筒の外径および内径より大きく、前記第3筒と前記第1筒の間に段差があり、
前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し、前記排水部材から雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有している、
配管構造。」

(相違点2−1)
本件発明2は、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を備えるのに対して、甲3発明は、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を備えていない点。

(相違点2−2)
本件発明2の「第2フランジ」が「第1フランジよりも大径」であるのに対して、甲3発明の「下側フランジ43」が「上側フランジ23」よりも大径でない点。

イ 判断
相違点2−1について検討する。サイフォン現象を発生させるには、隙間のない管を用いる必要があるところ、甲3発明において、「筒部21の上部は上方に向かって次第に径が拡大されて竪樋7の外径より大きな内径を有する接続口22となっており、筒部21の径が上方に向かって拡大されているので、筒部21と竪樋7の径がほぼ同じであっても、又、筒部21と竪樋7の位置が若干異なっていても、竪樋7の先端を接続口22の中に簡単に挿入できるようになって」いることから、「竪樋7」と「接続口22」の間には、隙間があるものと認められることから、甲3発明には、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を設けることに阻害要因がある。
したがって、「サイフォン現象を発生させる排水部材」が周知であるとしても甲3発明において、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を設けることが容易とはいえない。

相違点2−2について検討する。上記4(6)の甲6〜甲14に記載の周知技術は、「軒樋の底板を上下のフランジで挟む構造を有する軒樋用ドレンにおいて、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすること」であり、上記4(7)の甲15記載の技術は、「ベランダの二重スラブ構造の床の下スラブを、上側の連結部材の段差部と下側の連結部材の環状拡径フランジ部で挟む構造を有するベランダの樋用接続部材において、下側の連結部材の環状拡径フランジ部を上側の連結部材の段差部よりも大径とすること」であって、いずれも「竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造」において(軒樋の底部の下面に固着される)「下側フランジ43」が(軒樋の底部の上面に配置される)「上側フランジ23」よりも大径であることを示唆するものではないから、甲6〜甲14に記載の周知技術及び甲15記載の技術を考慮しても、相違点2−2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたこととはいえない。

以上より、甲3発明、甲6〜甲14に記載の周知技術及び上記4(7)の甲15記載の技術から、本件発明2の構成とすることが、当業者にとって容易になし得たことであるとはいえない。
本件発明2の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明である本件発明4についても同様である。

ウ 申立人の主張について
申立人は、申立書3(4)ウ(イ)b(46〜47頁)において、以下のように主張する。
「b 相違点について
(a)相違点1
相違点1は、「竪樋にサイフォン現象を発生させる排水部材が接続されていない点」である。相違点1について検討すると、竪樋の上部にサイフォン現象を発生させる排水部材を設けた構成は、文献を示すまでもなく周知技術である。
(b)相違点2
相違点2について検討すると、上述したように、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすることは、周知技術(甲第6号証〜甲第15号証参照)である。したがつて、構成2cの下側フランジ43を上側フランジ23よりも大径として構成2Cを得ることに格別の困難性はないし、阻害要因もない。」

申立人の上記主張について検討する。甲1発明において、相違点2−1(申立人の上記主張における相違点1)及び相違点2−2(申立人の上記主張における相違点2)に係る構成とすることは、甲2発明、甲6〜甲14に記載の周知技術及び甲15記載の技術を考慮しても、当業者が容易に想到できたこととはいえないことは、上記イにおいて検討したとおりである。

(3) 理由3について
ア 対比
本件発明3と甲4発明とを対比する。
甲4発明の「底壁面に開口された開口部」を有する「軒樋A」は、本件発明3の「底部に貫通孔が設けられた軒樋」に相当する。
甲4発明の「竪樋B」及び「上屋根の竪樋落ち口C」を有する「竪樋」は、本件発明3の「竪樋」に相当する。
甲4発明の「軒樋Aの底壁面に開口された開口部に上方より」「嵌入し」た「内筒体1」は、本件発明3の「前記貫通孔の上部に設けられた第1部材」に相当する。
甲4発明の「軒樋Aの底壁面より下方に突出せる内筒体1」に「嵌着し」た「外筒体2」は、本件発明3の「前記貫通孔の下部に設けられた第2部材」に相当する。
甲4発明において、「軒樋Aの底壁面に開口された開口部に上方より内筒体1を嵌入し、軒樋Aの底壁面より下方に突出せる内筒体1に外筒体2を嵌着し」、「外筒体2に竪樋Bを固定するとともに内筒体1上の接続口6に這樋落ち口等上屋根の竪樋落ち口Cを固定し」ていることから、「上屋根の竪樋落ち口C」を有する「竪樋」と「竪樋B」が「軒樋Aの底壁面に開口された開口部」において、「軒樋A」を貫通するものということができ、この構造は、本件発明3の「前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造」に相当する。
甲4発明の「内筒体1」が、「円筒からなり」、「軒樋Aの底壁面に開口された開口部に上方より」「嵌入」される「内筒体1」と、「内筒体1」の「上端部外周面に周設され」、「該軒樋Aの底壁面の開口部周縁」を「挟着」する「鍔部3」と、「円筒体からな」る「接続口6」を有することは、本件発明3の「第1部材」が「前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有」することに相当する。
甲4発明の「円筒からなり」、「軒樋Aの底壁面より下方に突出せる内筒体1」に「嵌着」される「外筒体2」は、本件発明3の「前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒」に相当する。
本件発明3の「前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着されるとともに前記第1フランジよりも大径の第2フランジ」と、甲4発明の「外筒体2の上端部外周面に周設され」、「該軒樋Aの底壁面の開口部周縁」を「挟着」する「鍔部4」とは、「前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着される」「第2フランジ」である点で共通する。
甲4発明の「内筒体1、外筒体2、接続口6、開口部の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され」ていることは、本件発明3の「前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され」ていることに相当する。
甲4発明の「内筒体1の軸方向の下端は外筒体2の下端よりも上にある」ことは、本件発明3の「前記第1筒の軸方向の下端は前記第2筒の下端よりも上にあ」ることに相当する。
甲4発明において、「内筒体1上の接続口6に」「固定」される「這樋落ち口等上屋根の竪樋落ち口C」を有する「竪樋」を備えることは明らかであり、この「竪樋」は、本件発明3の「前記軒樋の上方に位置し、前記排水部材から雨水を排水する第1竪樋」に相当する。
甲4発明の「軒樋Aの底壁面より下方に突出せる内筒体1」に「嵌着」された「外筒体2」に「固定」される「竪樋B」は、本件発明3の「前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有している」ことに相当する。
甲4発明の「樋用ドレーン」は、「軒樋A」、「内筒体1及び外筒体2」、「竪樋B」等の配管が相互に固定されるものであるから、本件発明3の「配管構造」に相当する。

以上によれば、本件発明3と甲4発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。

(一致点)
「底部に貫通孔が設けられた軒樋と、竪樋と、前記貫通孔の上部に設けられた第1部材と、前記貫通孔の下部に設けられた第2部材と、を備え、前記竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造であって、
前記第1部材は、
前記貫通孔内に配置される円筒状の第1筒と、前記第1筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の上面に配置される第1フランジと、前記第1筒から上方に延びた円筒状の第3筒と、を有し、
前記第2部材は、
前記第1筒の下端部が配置され、かつ、前記貫通孔の下方に配置される円筒状の第2筒と、前記第2筒の上端部から径方向の外側に向けて延び、前記底部の下面に固着される第2フランジと、を有し、
前記第1筒、前記第2筒、前記第3筒および前記貫通孔の中心軸線は、上下方向に延びる共通軸上に配置され、
前記第2筒は受け口であり、かつ、全長にわたり同径であり、
前記第1筒の軸方向の下端は前記第2筒の下端よりも上にあり、
前記竪樋は、前記軒樋の上方に位置し、前記排水部材から雨水を排水する第1竪樋と、前記軒樋の下方に位置し、前記第1竪樋から雨水を排水する第2竪樋を有している、
配管構造。」

(相違点3−1)
本件発明3は、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を備えるのに対して、甲4発明は、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を備えていない点。

(相違点3−2)
本件発明3の「第2フランジ」が「第1フランジよりも大径」であるのに対して、甲4発明の「鍔部4」が「鍔部3」よりも大径でない点。

(相違点3−3)
本件発明3の「第2筒」は「受け口であり、かつ、全長にわたり同径であ」るのに対して、甲4発明の「外筒体2」は、受け口でなく、全長にわたり同径でない点。

イ 判断
相違点3−1について検討する。甲4発明において、「内筒体1の上端開口部上」に設けられ、「接続口6」がその上に設けられる「支承片5」が、「周方向に対し所定間隔をもつて複数片立脚され」ることから、「内筒体1」と「接続口6」の間に「複数片立脚され」る「支承片5」の「所定間隔」において、隙間が存在するものと認められる。
サイフォン現象を発生させるには、隙間のない管を用いる必要があるところ、甲4発明において、「内筒体1」と「接続口6」の間に隙間が存在することから、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を設けることには阻害要因がある。
したがって、「サイフォン現象を発生させる排水部材」が周知であるとしても甲4発明において、「サイフォン現象を発生させる排水部材」を設けることが容易とはいえない。

相違点3−2について検討する。上記4(6)の甲6〜甲14に記載の周知技術は、「軒樋の底板を上下のフランジで挟む構造を有する軒樋用ドレンにおいて、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすること」であり、上記4(7)の甲15記載の技術は、「ベランダの二重スラブ構造の床の下スラブを、上側の連結部材の段差部と下側の連結部材の環状拡径フランジ部で挟む構造を有するベランダの樋用接続部材において、下側の連結部材の環状拡径フランジ部を上側の連結部材の段差部よりも大径とすること」であって、いずれも「竪樋が前記軒樋を貫通している配管構造」において(軒樋Aの底壁面の開口部周縁を下方から挟着する)「鍔部4」が(軒樋Aの底壁面の開口部周縁を上方から挟着する)「鍔部3」よりも大径であることを示唆するものではないから、甲6〜甲14に記載の周知技術及び甲15記載の技術を考慮しても、相違点3−2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたこととはいえない。

また、上記4(5)ウの甲5発明は、相違点3−1、相違点3−2に係る構成を示唆するものではない。

以上より、相違点3−3について検討するまでもなく、甲4発明、甲5発明、甲6〜甲14に記載の周知技術及び上記4(7)の甲15記載の技術から、本件発明3の構成とすることが、当業者にとって容易になし得たことであるとはいえない。
本件発明3の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明である本件発明4についても同様である。

ウ 申立人の主張について
申立人は、申立書3(4)ウ(ウ)b(49〜50頁)において、以下のように主張する。
「(a)相違点1
相違点1は、「竪樋にサイフォン現象を発生させる排水部材が接続されていない点」である。相違点1について検討すると、竪樋の上部にサイフォン現象を発生させる排水部材を設けた構成は、文献を示すまでもなく周知技術である。

(c)相違点3
相違点3について検討すると、上述したように、下側のフランジを上側のフランジよりも大径とすることは、周知技術(甲第6号証〜甲第15号証参照)である。したがって、甲4発明の構成3c1の鍔部4を鍔部3よりも大径として構成3Cを得ることに格別の困難性はないし、阻害要因もない。」

申立人の上記主張について検討する。「竪樋の上部にサイフォン現象を発生させる排水部材を設けた構成」が周知であること、(継手ではなく排水部材に設けられた)「第2フランジが第1フランジよりも大径である」ことが周知であることが、申立人の主張のとおりであるとしても、上記イで検討したとおり、甲4発明において、相違点3−1及び相違点3−2に係る構成とすることは、甲5発明、甲6〜甲14に記載の周知技術及び甲15記載の技術を考慮しても、当業者が容易に想到できたこととはいえない。

6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1〜4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1〜4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2024-01-18 
出願番号 P2021-154062
審決分類 P 1 651・ 121- Y (E04D)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 前川 慎喜
特許庁審判官 北川 創
▲高▼橋 祐介
登録日 2023-03-09 
登録番号 7241833
権利者 積水化学工業株式会社
発明の名称 配管構造  
代理人 西澤 和純  
代理人 大槻 真紀子  
代理人 山口 洋  
代理人 川越 雄一郎  

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