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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  A47B
管理番号 1410209
総通号数 29 
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2024-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-05-22 
確定日 2024-03-01 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第7178778号発明「天板昇降式什器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第7178778号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1−5〕について、訂正することを認める。 特許第7178778号の請求項1、2、4及び5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第7178778号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成27年4月30日に出願された特願2015−93612号の一部を分割して平成29年10月30日に出願され、令和4年11月17日にその特許権の設定登録がされ、同月28日に特許掲載公報が発行され、その後、令和5年5月22日に特許異議申立人飯田典子(以下「申立人」という。)より、請求項1、2、4及び5に係る特許に対して、特許異議の申立てがされたものである(特許異議申立書について、以下「申立書」という。)。
当審より、令和5年10月5日付けで取消理由を通知したところ、特許権者は、その指定期間内である同年12月1日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行った。同月15日付けで当審から申立人に対し、訂正の請求があった旨の通知を行い、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与え(特許法120条の5第5項)、その指定期間内である令和6年1月16日に申立人より意見書(以下「意見書」という。)が提出された。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を、
「互いに対向配置される一対の天板部と、
それぞれの前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
それぞれの前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える天板昇降式什器。」
に訂正する。(請求項1の記載を引用する、請求項4及び5も同様に訂正する。)

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を、
「天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え、
前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている天板昇降式什器。」
に訂正する。(請求項2の記載を引用する、請求項4及び5も同様に訂正する。)

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を、
「天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え、
前記固定部は、前記物品落下防止部材が設けられた前記天板の端部の範囲全体にわたって設けられている天板昇降式什器。」
に訂正する。(請求項3の記載を引用する、請求項4及び5も同様に訂正する。)

(4)訂正の単位について
訂正前の請求項2ないし5は、訂正前の請求項1を、直接又は間接的に引用するものであるから、訂正前の請求項1ないし5は、一群の請求項に該当するものであり、訂正前の請求項1ないし5について訂正する訂正事項1ないし3は、一群の請求項に対してされたものである。

2 訂正の適否の判断
以下、各訂正事項について、訂正の適否を検討する。

(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「天板部」について、訂正前の「天板部と」、「前記天板部を」、及び「前記天板部は」という記載を、それぞれ、「互いに対向配置される一対の天板部と」、「それぞれの前記天板部を」、及び「それぞれの前記天板部は」と特定して限定するものである。
また訂正前の請求項4及び5が請求項1を引用するので、請求項1の訂正により、訂正後の請求項4、及び5も同様に限定するものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加について
訂正事項1の、「互いに対向配置される一対の天板部と」、「それぞれの前記天板部を」、及び「それぞれの前記天板部は」という点は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「本件明細書等」という。)に、
「【0030】
上述したような天板昇降式什器によれば、互いに対向配置される一対の天板部20A,20Bと、それぞれの天板部20A,20Bを昇降可能に支持する支持脚部材13,13と、一対の天板部20A,20Bどうしの間に配置された中間仕切パネル30Aと、を備えている。さらに、それぞれの天板部20A,20Bは、支持脚部材13,13上に支持された天板21A,21Bと、天板21A,21Bにおいて中間仕切パネル30A側の端部21eに設けられた物品落下防止部材としての個別仕切パネル22と、を備えている。」(下線は当審で付与。)
等記載されているように、本件明細書等の記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項1は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。

ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
上記アのとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2の記載が訂正前の請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項3の記載が訂正前の請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
同時に、訂正事項3は、訂正前の請求項3において引用されていた訂正前の請求項2の記載の引用をしないものとするものであるから、同法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。
そして、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。

(4)独立特許要件について
まず、訂正後の請求項1、4及び5に係る発明については、訂正前の請求項1、2、4及び5が特許異議の申立ての対象とされているので、上記(1)及び(3)のとおり請求項1、4及び5について特許請求の範囲の減縮が行われていても、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
次に、訂正後の請求項2に係る発明については、請求項2に係る訂正は、上記(2)のとおり、他の請求項の記載を引用しないものとするものであり、特許請求の範囲の減縮は行われておらず、しかも特許異議の申立ての対象とされており、やはり独立特許要件は課されない。
一方、訂正後の請求項3に係る発明については、特許異議の申立てはなされておらず、そして上記(3)のとおり、特許請求の範囲の減縮が行われているところ、請求項3についての訂正が認められるためには、独立特許要件を満たすことが必要である。そこで、訂正後の請求項3に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討したが、独立特許要件を欠くとする事由を見いだすことができない。よって、請求項3についての訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号及び4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条9項において準用する同法126条5項、6項及び7項の規定に適合する。
よって、本件訂正後の請求項〔1−5〕についての訂正を認める。

第3 訂正後の本件特許発明
上記第2のとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1ないし5に係る発明(以下、項番号によりそれぞれ「本件訂正発明1」等という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。(下線部は訂正箇所を示す。)

「【請求項1】
互いに対向配置される一対の天板部と、
それぞれの前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
それぞれの前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える天板昇降式什器。

【請求項2】
天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え、
前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている天板昇降式什器。

【請求項3】
天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え、
前記固定部は、前記物品落下防止部材が設けられた前記天板の端部の範囲全体にわたって設けられている天板昇降式什器。

【請求項4】
前記天板の端部と平行に延びるように設けられ個別空間を確保するための仕切りパネルを備え、
前記物品落下防止部材は、前記仕切りパネルが設けられた側の前記天板の端部に設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の天板昇降式什器。

【請求項5】
前記物品落下防止部材と前記天板の端部との間に、配線を挿通可能な配線挿通空間が形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の天板昇降式什器。」

第4 証拠一覧、特許異議申立理由の要旨、及び取消理由通知に記載した取消理由の要旨
1 証拠一覧
(1)申立書とともに提出された証拠
(以下、申立人により甲第1号証に添付された訳文を「翻訳文」という。)
甲第1号証:米国特許出願公開第2006/0230992号明細書
(及び翻訳文)
甲第2号証: 実願昭49−154577号(実開昭51−80302号)のマイクロフィルム
甲第3号証:特開平10−201541号公報
甲第4号証: 特開平9−140465号公報

(2)意見書とともに提出された証拠
周知刊行物1:米国特許第5224429号明細書
周知刊行物2:米国特許第5323695号明細書
周知刊行物3:米国特許出願公開第2014/0312754号明細書
周知刊行物4:国際公開第2013/037072号
周知刊行物5:国際意匠公報DM/079296号
周知刊行物6:欧州共同体意匠公開001770298−0014号

2 特許異議申立理由(進歩性)の要旨
「ア 本件特許発明1、2、4、及び、5は、甲1発明、甲2記載事項、甲4記載事項、周知技術1、及び、周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

イ 本件特許発明1、2、4、及び、5は、甲2発明、甲4記載事項、甲1記載事項、周知技術1、及び、周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

ウ 本件特許発明1、2、4、及び、5は、甲3発明、甲2記載事項、甲4記載事項、甲1記載事項、周知技術1、及び、周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

以上により、本件特許は同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。」(申立書27〜28頁「(5)むすび」)

3 取消理由通知に記載した取消理由(進歩性)の要旨
令和5年10月5日付け取消理由通知に記載した取消理由の要旨は、次のとおりである。

「本件特許発明1、2、4及び5は、甲1発明、甲4記載技術事項、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件特許発明1、2は、甲3発明、甲4記載技術事項、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件特許発明1、2、4及び5に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。」(取消理由通知「第5 まとめ」)

第5 証拠について
1 申立書とともに提出された証拠について
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証の記載事項
本件特許の分割に係る原出願の出願前に発行された甲第1号証には、以下の記載がある。
(当審で下線を付与した。以下同様。)
(括弧内に申立人が提出した翻訳文を付した。)

(ア)「BACKGROUND OF THE INVENTION
[0001] The present invention relates to workstations, and particularly to a workstation with a vertically moveable desktop, which may be moved up or down to create a more comfortable working environment.
[0002] Workstations provide a work surface for the user. At one time, workstations were used almost exclusively as a place to write. However, due to the prevalence of the computer, the workstation is used for many different tasks. For example, a user may wish to write, draw, type on a computer, or use a printer. The workstation at the office is usually ergonomically optimized for one person of a particular height.
[0003] At home, one workstation may need to perform several different functions. It may be a computer area at one time and then may be used to write checks a few minutes later. A home workstation is often used by several different people. Optimally, the work surface of the workstation would be quickly adjustable to several different heights to accommodate different users and different tasks.
[0004] However, most sit-to-stand workstations are often difficult to adjust or mechanically complicated. For example, the height adjustable table shown in U.S. Pat. No. 6,055,912 issued to Galen C. Doud et al. and assigned to HON Technology, Inc., requires a user to adjust a bracket located on each leg of the workstation in order to change the height of the work surface. On the other hand, the workstation shown in U.S. Pat. No. 5,845,590 and issued to Lon D. Seidel and assigned to Krueger International, Inc. uses a complex arrangement of chains and screws to raise and lower the work surface.
[0005] An improved height adjustable workstation which is easily adjustable and uses a simpler mechanism to raise and lower the work surface is thus highly desirable.」
([0001] 本発明は、ワークステーションに関する。特に、上下方向に移動可能なデスクトップを備えたワークステーションに関し、より快適な作業環境を実現するために、デスクトップを上下に移動させることができる。
[0002] ワークステーションは、ユーザーのための作業面を提供するものである。一時期、ワークステーションはほとんど書き物をする場所としてしか使われていなかった。しかし、コンピューターの普及により、ワークステーションはさまざまな作業に使用されるようになった。例えば、ユーザーは文章を書いたり、絵を描いたり、コンピューターで文字を入力したり、プリンターを使ったりしたいのである。オフィスのワークステーションは、通常、人間工学的に特定の身長の人一人に最適化されている。
[0003] 家庭では、1台のワークステーションがいくつかの異なる機能を果たす必要がある場合がある。ある時はコンピューターエリアとして使用し、数分後には小切手を書くために使用することもある。家庭用ワークステーションは、複数の人が使用することが多い。理想を言えば、ワークステーションの作業面は、異なるユーザーや異なる作業に対応するために、いくつかの異なる高さに素早く調整できることが望ましい。
[0004] しかしながら、ほとんどの座位から立位へのワークステーションは、調整が困難であるか、機械的に複雑なものとなっている。例えば、特許文献1に示される高さ調節可能なテーブル(Galen C. Doudらに発行された米国特許第6,055,912号、HON Technology, Inc.に譲渡された)は、作業面の高さを変更するには、ユーザーがワークステーションの各脚にあるブラケットを調整する必要があった。一方、米国特許第5,845,590号(米国特許No. Lon D. Seide1に発行され、Krueger International, Inc.に譲渡された)は、チェーンとネジの複雑な配置を使用して、作業面を上げ下げするものとなっている。
[0005] したがって、簡単に調節でき、作業面の昇降にもっと簡単な機構を使用する改良型高さ調節式ワークステーションが非常に望まれる。)

(イ)「SUMMARY OF THE INVENTION
[0006] A sit-to-stand article of furniture includes a work surface and a telescoping height adjustment mechanism. The telescoping height adjustment mechanism preferably includes an elastomeric element. The telescoping height adjustment mechanism is attached to the base of the work surface and extends through a first shelf located below the work surface. The telescoping height adjustment mechanism is then attached to a second shelf.
[0007] The work surface is attached to a first guide member and a second guide member. The first guide member and second guide member extend generally downward from the work surface, and pass through a pair of slots located within the first shelf. The guide members are only partially enclosed by the slots, allowing a first panel to be attached to the outer portion of the guide members.
[0008] A pair of interior support walls extends from the second shelf to the base of the first shelf. A slide connects each guide member to a respective support wall. These act as stabilizers to prevent rotation of the work surface.
[0009] A second panel is affixed to the outer portion of the interior support walls. The telescoping height adjustment mechanism is thereby enclosed behind the first panel and the second panel.
[0010] The first shelf, the second shelf and the work surface are provided with a plurality of cut outs so as to provide raceways for cabling extending throughout the workstation. The work surface is also provided with a back. A track located within the back allows a variety of accessories to be attached to the work surface.
[0011] Sidewalls and a modesty panel enclose the first shelf and the second shelf, with the work surface being capable of extension above and below the tops of the sidewalls. An upper module, such as a hutch, can be placed on the sidewalls to provide additional overhead storage space as well as a decorative affect.
[0012] The workstation as so configured provides an adjustable height work surface. Due to the use of stabilizers, a relatively inexpensive height adjustment mechanism can be used, thereby providing the benefit of a sit-to-stand work surface at an economical price.」
(発明の概要
[0006] 座って立てる家具は、作業面と伸縮式高さ調整機構を含む。伸縮式高さ調節機構は、好ましくは、エラストマー要素を含む。伸縮式高さ調節機構は、作業面のベースに取り付けられ、作業面の下方に位置する第1の棚を通って延びる。そして、伸縮式高さ調節機構は、第2の棚に取り付けられる。
[0007] 作業面は、第1ガイド部材と第2ガイド部材に取り付けられている。第1のガイド部材及び第2のガイド部材は、作業面から概ね下方に延び、第1の棚内に位置する一対のスロットを通過する。ガイド部材はスロットによって部分的にしか囲まれていないため、ガイド部材の外側部分に第1のパネルを取り付けることができる。
[0008] 一対の内部支持壁は、第2棚から第1棚の基部まで延びている。スライドは、各ガイド部材をそれぞれの支持壁に接続している。これらは、作業面の回転を防止するスタビライザーとして機能する。
[0009] 第2のパネルは、室内支持壁の外側部分に貼付されている。これにより、伸縮式高さ調節機構は、第1のパネルおよび第2のパネルの背後に囲まれている。
[0010] 第1棚、第2棚及び作業面には、ワークステーション全体に延びるケーブルのためのレースウェイを提供するように、複数のカットアウトが設けられる。また、作業面には背面が設けられている。背面に設置されたトラックにより、様々なアクセサリーをワークステーションに取り付けることができる。
[0011] サイドウォールとモデスティパネルが第1シェルフと第2シェルフを囲み、作業面はサイドウォールの上端から上下に伸びることができるようになっている。ハッチなどの上部モジュールをサイドウォールに設置することで、頭上の収納スペースを確保するとともに、装飾的な効果も期待できる。
[0012] このように構成されたワークステーションは、高さ調節可能な作業面を提供する。スタビライザーの使用により、比較的安価な高さ調節機構を使用することができ、それにより、経済的な価格で座位から立位までの作業面の利点を提供する。)

(ウ)「BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS
[0014] FIG. 1 is a perspective view of a workstation according to the present invention with the work surface raised.
[0015] FIG. 2 is a perspective view of a workstation according to the present invention with the work surface lowered.
[0016] FIG. 3 is a front view of a workstation according to the present invention with the work surface raised.
[0017] FIG. 4 is a perspective view of a workstation according to the present invention with an upper module positioned over the workstation.
[0018] FIG. 5 is a perspective view of a workstation in the middle of two furniture units.」
(図面の簡単な説明
[0014] 図1は、本発明によるワークステーションを作業面を高くした状態で示す斜視図である。
[0015] 図2は、本発明によるワークステーションを作業面を下げた状態で示す斜視図である。
[0016] 図3は、本発明によるワークステーションを作業面を高くした状態で示す正面図である。
[0017] 図4は、ワークステーションの上に配置された上部モジュールを有する本発明によるワークステーションの斜視図である。
[0018] 図5は、2つの家具ユニットの中間に位置するワークステーションを示す斜視図である。)

(エ)「DETAILED DESCRIPTION OF THE DRAWINGS
[0020] The present invention is a workstation, designated generally as 10 in FIGS. 1, 2 3, 4 and 5. The workstation 10 features a generally horizontal work surface 20 that raises and lowers when the user activates telescoping height adjusting mechanism 22 by pinching the finger paddle 41.
[0021] Back 21 is attached to work surface 20. Rail 23 extends across back 21, allowing various accessories to be easily attached to back 21.
[0022] Height adjusting mechanism 22 could be any of several different types of height adjusting mechanism including pneumatic, screw, or spring. Height adjusting mechanism 22 could have an elastomeric element. A preferable height adjusting mechanism is manufactured by Altus, Inc. of Grandville, Mich. and known generally as the #Ascend# height adjustment mechanism.
[0023] Work surface 20 is attached to guide members 24, 26. Guide members 24, 26 extend through guide slots 28, 30 in middle shelf 32. Interior supports 34, 36 extend from the bottom of middle shelf 32 to the top of lower shelf 38. Guide members 24, 26 fit within guide slots 28, 30. Guide members 24, 26 extend longitudinally out of guide slots 28, 30. Height adjustment mechanism 22 extends through middle shelf 32 by way of hole 33.
[0024] Slides 40, 42 are attached to guide members 24, 26 and interior supports 34, 36. Slides 40, 42 are preferably rail type slide assemblies. Ball bearing slides could be used to provide smooth and free movement. More economical alternatives are also available in the form of wood or plastic groove type slide assemblies, which are sometimes used as drawer guides. Finger paddle 41 is an actuator which controls the operation of height adjusting mechanism 22.
[0025] In operation, a user presses finger paddle 41, allowing the operation of height adjusting mechanism 22. Guide members 24, 26, slides 40, 42 and supports 34, 36 act as stabilizers to prevent rotation of work surface 20. While two stabilizers are shown, a single stabilizer could be sufficient in some applications. The stabilizers are spaced from height adjustment mechanism 22 by a distance of about fourteen inches. By using a stabilizer to reduce rotation of work surface 20, height adjustment mechanism 22 provides the load bearing for work surface 20.
[0026] Sidewalls 44, 46 along with modesty panel 48 provide an aesthetic enclosure for workstation 10. Middle shelf 32 and lower shelf 38 are attached to sidewalls 44, 46 and modesty panel 48.
[0027] Workstation 10 could be provided with stops 50, 52 to prohibit movement of work surface 20 below a predetermined level. Stops 50, 52 located on the interior of sidewalls 44, 46 can be adjustable so that the lowest level of work surface 20 can be changed as needed. Stops 50, 52 could thus be configured to retain work surface 20 at the same level as the top of sidewalls 44, 46. Stops 50, 52 could be pins inserted within sidewalls 44, 46.
[0028] Referring specifically to FIG. 3, preferably the junction of the top portion 22A and the lower portion 22B of height adjustment mechanism 22 occurs above middle shelf 32.
[0029] Returning to FIG. 2, middle shelf 32 and lower shelf 38 provide easily accessible storage areas for a user. Storage area 58 has sufficient depth for the placement of a personal computer tower. Cut outs 60 in middle shelf 32, cut out 61 in work surface 20, and cut outs 62 in lower shelf 38 provide a cable raceway for power cords, network cables and the like.
[0030] A computer or other electronic device placed on work surface 20 can be connected by way of outlet center 39 includes to power outlet, a USB port, an RJ-45 outlet, and a telephone jack.
[0031] FIG. 4 shows the article of furniture in a more finished configuration. Upper panel 56 is affixed to guide members 24, 26 to enclose the top portion of height adjustment mechanism 22. Thus, the junction of top portion 22A and lower portion 22B is hidden from a user by upper panel 56. Lower portion 22B is shown enclosed by lower panel 59. Lower panel 59 is attached to interior support walls 34, 36. Since guide members 24, 26 extend outside of slots 28, 30, lower panel 59 is partially concealed by upper panel 56. Thus, height adjustment mechanism 22 is completely hidden from a user. Alternatively, lower portion 22B could be provided with a decorative outer casing.
[0032] Upper module 80 is positioned on top of workstation 10. Upper module 80 could be a hutch or any similar type furniture unit. The base of upper module 80 sits upon the top of sidewalls 44, 46 and modesty panel 48.
[0033] Work surface 20 is of such length as to fit completely within the space between sidewalls 44, 46. Further, work surface 20 can be lowered to the same height or below the tops of sidewalls 44, 46 and modesty panel 48.
[0034] FIG. 5 shows workstation 10 within a system of furniture units. Sidewalls 44, 46 allow other furniture units to be placed immediately adjacent to workstation 10 while modesty panel 48 allows the workstation to be placed adjacent to a wall. Sidewalls 44, 46 and modesty panel 48 prevent the movement of work surface 20 from being obstructed by items adjacent to work station 10. Additionally, the distance between the edges of work surface 20 and sidewalls 44, 46 can be relatively close, providing an aesthetically appealing appearance. A gap between work surface 20 and sidewalls 44, 46 of approximately 3/4 inch is desirable to avoid finger pinch.
[0035] Due to the enclosure of work surface 20 within sidewalls 44, 46, furniture units 82, 84 can be placed immediately adjacent to workstation 10. The thickness of sidewalls 44, 46 can therefore be made the same as the sidewalls of furniture units 82, 84 while the height and depth of the upper unit can also be made to complement that of furniture units 82, 84.
[0036] The depth 94 of workstation 10 matches the depth 90 of the lower portion 86 of furniture units 82, 84, while the depth 92 of upper module 80 is the same as the depth 88 of the upper portion of furniture units 82, 84. By matching the depth of workstation 10 with the furniture units, a contiguous, dimensionally matched and aesthetically pleasing modular configuration can be easily created.
[0037] The result is a work station with the ergonomically desirable feature of a height adjustable work surface with the ability to be aesthetically integrated with other furniture. This allows workstation 10 to be used in a variety of environments, such as a home office, kitchen or dining room.
[0038] Workstation 10 could also be constructed as a corner unit. If constructed as a corner unit, sidewalls 44, 46 would be spaced apart and perpendicular to each other. Interior support walls 34, 36 could either be parallel or perpendicular. Workstation 10 may be constructed from different materials such as, wood, metal, plastic, glass or any combination thereof.」
(図面の詳細な説明
[0020] 本発明は、図1〜5において一般に10として指定されるワークステーションである。ワークステーション10は、ユーザーがフィンガーパドル41をつまんで伸縮式高さ調節機構22を作動させると、昇降する概ね水平な作業面20を備えている。
[0021] 背部21は作業面20に取り付けられる。レール23は背部21を横切って延びており、様々なアクセサリーを背部21に容易に取り付けることができる。
[0022] 高さ調節機構22は、空気圧、ねじ、またはばねを含むいくつかの異なるタイプのもののいずれかであり得る。高さ調節機構22は、エラストマー要素を有し得る。好ましい高さ調節機構は、ミシガン州グランドビルのアルタス社によって製造され、一般に「アセンド(Ascend)」高さ調節機構として知られている。
[0023] 作業面20は、ガイド部材24、26に取り付けられている。ガイド部材24、26は、中間棚32のガイドスロット28、30を通って延びている。インテリアサポート34、36は、ミドルシェルフ32の下部から下部シェルフ38の上部まで延びている。ガイド部材24、26は、ガイドスロット28、30内に収まる。ガイド部材24、26は、ガイドスロット28、30から長手方向に延びる。高さ調節機構22は、孔33を介して中間棚32を貫通して延びている。
[0024] スライド40,42は、ガイド部材24,26およびインテリアサポート34,36に取り付けられる。スライド40,42は、好ましくは、レールタイプのスライドアセンブリである。滑らかで自由な動きを提供するために、ボールベアリングのスライドが使用され得る。より経済的な代替案は、引き出しガイドとして使用されることもある木材またはプラスチック製の溝型スライドアセンブリの形態でも利用可能である。フィンガーパドル41は、高さ調節機構22の作動を制御するアクチュエータである。
[0025] 操作では、ユーザーがフィンガーパドル41を押すことで、高さ調整機構22の動作が可能となる。ガイド部材24、26、スライド40、42及び支持体34、36は、作業面20の回転を防止するスタビライザーとして機能する。2つのスタビライザーが示されているが、用途によっては1つのスタビライザーで十分である。スタビライザーは、高さ調節機構22から約14インチの距離だけ間隔をあけて配置されている。スタビライザーを用いて作業面20の回転を抑えることにより、高さ調節機構22は作業面20のための耐荷重を提供する。
[0026] サイドウォール44、46は、モデスティパネル48とともに、ワークステーション10に美的な囲いを提供する。中棚32と下棚38は、側壁44,46とモデスティパネル48に取り付けられている。
[0027] ワークステーション10は、所定のレベル以下の作業面20の移動を禁止するためのストッパー50、52を備え得る。側壁44、46の内部に位置するストッパー50、52は、作業面20の最低レベルが必要に応じて変更され得るように、調節可能であり得る。したがって、ストッパー50、52は、側壁44、46の上面と同じレベルで作業面20を保持するように構成され得る。ストッパー50、52は、サイドウォール44、46内に挿入されるピンであり得る。
[0028] 具体的に図3を参照すると、好ましくは、高さ調節機構22の上側部分22Aと下側部分22Bの接合部は、中間棚32の上方に生じる。
[0029] 図2に戻ると、中間棚32と下部棚38は、ユーザーが容易にアクセスできる収納領域を提供する。収納領域58は、パーソナルコンピュータータワーを配置するのに十分な深さを有する。中間棚32のカットアウト60、作業面20のカットアウト61、及び下部棚38のカットアウト62は、電源コード、ネットワークケーブル等のためのケーブル配線路を提供する。
[0030] 作業面20に置かれたコンピューターまたは他の電子デバイスは、コンセントセンター39が電源コンセント、USBポート、RJ-45コンセント、および電話ジャックを含むことによって接続することができる。
[0031] 図4は、より完成された構成の家具物品を示す。上部パネル56は、高さ調節機構22の上部を囲むようにガイド部材24、26に貼付されている。したがって、上側部分22Aと下側部分22Bの接合部は、上側パネル56によってユーザーから隠されている。下側部分22Bは、下側パネル59によって囲まれて示されている。下部パネル59は、内部支持壁34、36に取り付けられている。ガイド部材24、26がスロット28、30の外側に延びているので、下部パネル59は上部パネル56によって部分的に隠されている。したがって、高さ調節機構22は、ユーザーから完全に隠れる。あるいは、下側部分22Bは、装飾的な外側ケーシングを備えることができる。
[0032] 上部モジュール80は、ワークステーション10の上部に配置される。上部モジュール80は、ハッチまたは任意の類似のタイプの家具ユニットであり得る。上部モジュール80のベースは、サイドウォール44、46およびモデスティパネル48の上部に載る。
[0033] 作業面20は、側壁44、46の間の空間内に完全に収まるような長さである。さらに、作業面20は、側壁44, 46及びモデスティパネル48の上端と同じ高さ又はそれ以下に下げることができる。
[0034] 図5は、家具ユニットのシステム内のワークステーション10を示す。側壁44、46は、他の家具ユニットをワークステーション10にすぐ隣接して配置することを可能にし、一方、モデスティパネル48は、ワークステーションを壁に隣接して配置することを可能にする。サイドウォール44、46およびモデスティパネル48は、ワークステーション10に隣接する物品によって作業面20の移動が妨げられることを防止する。さらに、作業面20の縁と側壁 44、46との間の距離は比較的近くすることができ、審美的に魅力的な外観を提供する。作業面20と側壁44、46との間の隙間は、指挟みを避けるために、約4分の3インチが望ましい。
[0035] 側壁44、46内に作業面20が囲まれているため、家具ユニット82、84は、ワークステーション10にすぐ隣接して配置することができる。したがって、側壁44、46の厚さは、家具ユニット82、84の側壁と同じにすることができ、一方、上部ユニットの高さ及び深さも、家具ユニット82、84のそれを補完するようにすることができる。
[0036] ワークステーション10の奥行き94は、家具ユニット82、84の下部86の奥行き90と一致し、上部モジュール80の奥行き92は、家具ユニット82、84の上部の奥行き88と同じである。ワークステーション10の奥行きを家具ユニットと一致させることにより、連続した、寸法的に一致した、美観に優れたモジュール構成を容易に作成することができる。
[0037] その結果、高さ調節可能な作業面という人間工学的に望ましい特徴を有するワークステーションが、他の家具と審美的に一体化される能力を有する。これにより、ワークステーション10は、ホームオフィス、キッチン、ダイニングルームなど、様々な環境で使用することができる。
[0038] ワークステーション10はまた、コーナーユニットとして構築され得る。コーナーユニットとして構築される場合、側壁44、46は、互いに平行又は垂直である。内部支持壁34、36は、平行または垂直のいずれかになり得る。ワークステーション10は、木材、金属、プラスチック、ガラス、またはそれらの任意の組み合わせなどの異なる材料から構成することができる。)

(エ)図面
a FIG. 1(図1)は以下のものである。


b FIG. 2(図2)は以下のものである。


c FIG. 3(図3)は以下のものである。


d FIG. 4(図4)は以下のものである。


e FIG. 5(図5)は以下のものである。


f 上記(ウ)の記載を踏まえ、上記a〜eのFIG. 1〜5(図1〜5)より、以下のことが看取できる。

・上記a〜cのFIG. 1〜3(図1〜3)より、伸縮式高さ調節機構22は作業面20を支持していることが看取できる。
・上記a、bのFIG. 1、2(図1、2)より、板面状の背部21が作業面20の端部に接して取り付けられていること、また、背部21の上端は作業面20の上面より上方に突出していることが看取できる。
・上記d、eのFIG. 4、5(図4、5)より、上部モジュール80が、作業面20の背部21側端部と平行に配置されていることが看取できる。
・上記bのFIG. 2(図2)より、カットアウト61は作業面20の背部21側端部に位置することが看取できる。

イ 甲1発明
上記アより、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認める。(便宜のために関連する段落番号等を付した。以下同様。)

(甲1発明)
「ユーザーがフィンガーパドル41をつまんで、伸縮式高さ調節機構22を作動させると、昇降する概ね水平な作業面20を備える、ワークステーション10であって、([0020])
伸縮式高さ調節機構22は作業面20を支持しており、(FIG. 1〜3(図1〜3))
作業面に設けられる背面として、板面状の背部21が作業面20の端部に接して取り付けられ、また、背部21の上端は作業面20の上面より上方に突出しており、([0010]、[0021]、FIG. 1、2(図1、2))
ハッチまたは任意の類似のタイプの家具ユニットである上部モジュール80が、作業面20の背部21側端部と平行に、ワークステーション10の上部に配置され、([0032]、 FIG. 4、5(図4、5))
作業面20のカットアウト61が、電源コード、ネットワークケーブル等のためのケーブル配線路を提供し、([0029])
カットアウト61は、作業面20の背部21側端部に位置する、(FIG. 2(図2))
ワークステーション10。」

(2)甲第2号証
ア 甲第2号証の記載事項
本件特許の分割に係る原出願の出願前に発行された甲第2号証には、以下の記載がある。

(ア)「高低調節可能な事務机」(明細書1頁3行)

(イ)「本考案を図示する実施例により説明すれば、(1)は卓状部であり・・・上部には引出し(1c)および後記する駆動用電動機(11)を駆動させるスイツチ(1d)が取付けられる。」(明細書2頁12〜16行)

(ウ)「机の上下高さを調節しようとする者は、押釦スイツチ(1d)の昇方向又は降方向の押釦を押す。すると駆動用電動機(11)の回転軸(13a)が正方向又は逆方向に回転し・・・脚体(1a)、(1b)が昇降し、卓状部(1)が昇降運動をすることになる。」(明細書3頁最下行〜4頁8行)

(エ)図面
a 第1図は以下のものである。


b 第2図は以下のものである。


c 第3図は以下のものである。


イ 甲2記載技術事項
上記アより、甲第2号証には、次の技術事項(以下「甲2記載技術事項」という。)が記載されていると認める。

(甲2記載技術事項)
「高低調節可能な事務机において、押釦スイツチ(1d)の昇方向又は降方向の押釦を押すと駆動用電動機(11)の回転軸(13a)が正方向又は逆方向に回転し、脚体(1a)、(1b)が昇降し、卓状部(1)が昇降運動をすること。」

(3)甲第3号証
ア 甲第3号証の記載事項
本件特許の分割に係る原出願の出願前に発行された甲第3号証には、以下の記載がある。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は組合せて使用するのに適した主としてオフィス用デスクに関するものである。・・・
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような現状のオフィス用デスクに起因した問題点に鑑み、オフィス用のデスクをオフィス内で移動し易いように小型,軽量に形成すると共に、OA機器等の載置部を様々な形態で容易に形成することができ、また、使用目的や使用者の体格等に合致した天板の高さを容易に実現することができるようにしたオフィス用デスクを提供することを課題とするものである。」

(イ)「【0009】図1〜図3は本発明デスクにおけるメインデスクの一例としてデスクD1を示す。これらの図において、16は、水平な足16aとその中間部に立設した支柱16bにより側面略逆T状に形成し、その2本を左右平行に並べ、左右の支柱16bの上端を梁部材17で連結することによって、正面視略門型をなすように形成した脚フレ−ムである。脚フレ−ム16における左,右の支柱16bは、油圧式,空圧式,機械式いずれかの手段、ここでは空圧シリンダ16gにより昇降するようにした内支柱16cを具備しており、梁部材17は、この左,右の内支柱16c間に架設されている。
・・・
【0012】メインデスクD1において、上記脚フレ−ム16に支持させる天板19の平面形状は、図4に示すように、基本的には長方形乃至は四辺形であるが、図5に例示するように天板19の左,右の一方の側が円弧状部19aに形成されたメインデスクD1′、或は、図示しないが、双方が円弧状の側縁に形成されたものや四辺形が全体として弯曲された形状のものなど、異形長方形をなすものであってもよい。なお、このメインデスクD1,D1′において左,右の脚フレ−ム16のうち一方の脚フレ−ム16の足16aは、図示しないが、円板状の足や平面星形状の足を使用したものであってもよい。また、図1における16fは内支柱16cの昇降操作用ハンドル、18bは天板角度変更用の操作用ハンドルである。更に、上記のメインデスクD1は、図6に示すその天板19の前端側に棚板Lpを設けたもの、或は、図7に示す遮蔽パネルFpを設けたものがある。そして、図4と図5に示したメインデスクD1,D1′同士を、図8に例示するように組合せて一のデスクに形成することもある。この組合せにおいては2枚の天板19,19を当接接合した直交する凹隅部に、補助天板Sbを架け渡し、コンピュ−タCptのキ−ボ−ドKpを載置できるようにしている。」

(ウ)「図面の簡単な説明】
【図1】本発明デスクにおけるメインデスクの正面図。
【図2】図1のデスクの側面図。
・・・
【図4】図1のデスクの斜視図。
・・・
【図6】図4のメインデスクにフロント棚を設けた例の斜視図。
【図7】図4のメインデスクにフロントパネルを設けた例の斜視図。」

(エ)図面
a 図1は以下のものである。


b 図2は以下のものである。


c 図4は以下のものである。


d 図6は以下のものである。


e 図7は以下のものである。


f 上記(イ)の記載を踏まえ、上記d、eの図6、7から、遮蔽パネルFp(図7)は、棚板Lp(図6)と同様に、天板19の前端側に設けられていること、及び、上記eの図7から、遮蔽パネルFpは、上端部が天板19の上面より上方に突出していることが看取できる。

イ 甲3発明
上記アより、甲第3号証には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認める。

(甲3発明)
「オフィス用デスクであって、脚フレ−ム16に支持させる天板19を有し、その脚フレ−ム16における左,右の支柱16bは、空圧シリンダ16gにより昇降するようにした内支柱16cを具備し、内支柱16cの昇降操作用ハンドル16fを有する、デスクD1であり、(【0001】、【0009】、【0012】)
天板19の前端側に、上端部が天板19の上面より上方に突出する遮蔽パネルFpが設けられる、(【0012】、図6,7)
デスクD1。」

(4)甲第4号証
ア 甲第4号証の記載事項
本件特許の分割に係る原出願の出願前に発行された甲第4号証には、以下の記載がある。

(ア)「【0009】
【発明の実施の形態】図1に、テーブルを示し、このテーブルは、外周縁下面にスカート部12を備えた長方形の天板1と、この天板1の外周縁角部4箇所にそれぞれ備えさせた脚2とを備えるとともに、これら脚2・・・のうちの天板1外周縁方向で隣合う脚2,2同士間に渡って板状の脚補強用の棧3,4を設けている。前記天板1は、長方形の他、正方形、円形、楕円形等、どんな形状のものでもよい。
【0010】前記脚2は、図5〜図8に示すように、下方に向かうほど幅が狭い2枚の板2A,2Bを接着材等で固定し、横断面形状略L字状に構成している。そして、前記各脚2の下端にアジャスター5を取付けてあり、4個のアジャスター5・・・を脚2に対して上下方向の軸芯周りで回転操作することによって、高さ調節が行えるようにしている。
【0011】前記構成のテーブルに、縦パネル6を取付けることによって、机として構成することができるようにしてある。図1〜図4、図8に示すように、前記天板1上面から床面までの距離と略等しい上下寸法を有し、且つ、天板1の長辺寸法の略半分の左右寸法を有する板材、具体的には700mm×900mmの板材から縦パネル6を構成し、この縦パネル6の表面下側2ヶ所に該縦パネル6を前記天板1下面に取付け固定するための取付部としての角パイプ7をそれぞれ上下2箇所でボルトB,Bにより固定している。前記角パイプ7は、前記縦パネル6の表面に接当してボルトB,B固定される上下方向の第1パイプ部7Aと、この第1パイプ部7Aから該縦パネル6の表面に対して直交する方向に延出された第2パイプ7Bとからなっている。
・・・
【0013】前記棧3,4に、前記縦パネル6の角パイプ7,7を挿通可能な大きさ、つまり角パイプ7,7よりも少し大きな貫通孔3A,4Aを形成するとともに、前記天板1の下面のうちの前記貫通孔3A,4Aに対応した箇所に、該貫通孔3A,4Aから挿入される角パイプ7,7をボルト固定するためのボルト孔1Aを角パイプ7,7挿入方向に2個形成してある。従って、縦パネル6の角パイプ7,7を貫通孔3A,4Aに挿入すると、角パイプ7,7が棧3,4に支持されることになり、縦パネル6をそのままの状態に維持される。この状態において、角パイプ7,7を天板1下面にボルト止めすることによって、縦パネル6を天板1に固定できるようにしている。・・・
【0014】前記各角パイプ7の第2パイプ7Bに形成のボルト孔7bが、第2パイプ7Bの長手方向に7個形成されており、前記天板1に形成のボルト孔1A,1Aに対して前記ボルト孔7b,7bを変更することによって、天板1の外周縁のうちの前側に位置する部位と該天板1の前方側に取付けた2枚の縦パネル6,6側面との間に灯具や電話器等のコードを天板1下方に案内するための隙間Sを形成することができる。・・・」

(イ)「【0016】前記実施例では、4枚の縦パネル6を取付けて、天板1の4辺のうちの3辺を取り囲むようにしたが、天板1の一方の長辺を取り囲むために2枚の縦パネル6を取付けて実施してもよい。また、前記縦パネル6を天板1の一方の長辺に対して2枚設けて実施したが、縦パネル6の左右寸法を天板1の長辺寸法と略等しくして、縦パネル6を天板1の一方の長辺に対して1枚設けて実施してもよく、縦パネル6の左右寸法は、これらの寸法に限定されるものではない。又縦パネル6の上下寸法も同様に変更して実施してもよい。」

(ウ)「【図面の簡単な説明】
【図1】縦パネルの取付構造を示すテーブルの斜視図
・・・
【図3】縦パネルの平面図
【図4】縦パネルの側面図
・・・
【図7】テーブルの要部を示す縦断側面図」

(エ)図面
a 図1は以下のものである。


b 図3は以下のものである。


c 図4は以下のものである。



d 図7は以下のものである。


e 上記(ア)の段落【0011】の記載を踏まえ、上記a、c及びdの図1、4及び7から、角パイプ7の第2パイプ7Bは第1パイプ部7Aから水平方向に延出されていることが看取できる。

f 上記ア(ア)の段落【0014】の「前記各角パイプ7の第2パイプ7Bに形成のボルト孔7bが、第2パイプ7Bの長手方向に7個形成されており、前記天板1に形成のボルト孔1A,1Aに対して前記ボルト孔7b,7bを変更することによって、天板1の外周縁のうちの前側に位置する部位と該天板1の前方側に取付けた2枚の縦パネル6,6側面との間に灯具や電話器等のコードを天板1下方に案内するための隙間Sを形成することができる。」との記載における、「隙間Sを形成すること」ができるよう「ボルト孔7b,7bを変更すること」をしない場合は、上記dの図7を参照して、同図における隙間Sがない、すなわち、縦パネル6が天板1と隙間なく取り付けられる状態となることが看取できる。

イ 甲4記載技術事項
上記アより、甲第4号証には、次の技術事項(以下「甲4記載技術事項」という。)が記載されていると認める。

(甲4記載技術事項)
「天板1の一方の長辺に対し、板材である縦パネル6を、天板1と隙間なく取付け、机として構成するテーブルにおいて、(【0011】、【0016】、図7)
縦パネル6に該縦パネル6を前記天板1下面に取付け固定するための取付部としての角パイプ7を固定し、前記角パイプ7は、前記縦パネル6の表面に固定される上下方向の第1パイプ部7Aと、この第1パイプ部7Aから、該縦パネル6の表面に対して直交する方向、すなわち水平方向に延出された第2パイプ7Bとからなり、(【0011】、図1、図4、図7)
第2パイプ7Bにボルト孔7bが形成されており、(【0014】)
角パイプ7,7を天板1下面にボルト止めすることによって、縦パネル6を天板1に固定すること。(【0013】)」

第6 当審の判断
1 本件訂正発明1について
(1)甲第1号証を主引用例として
ア 対比
(ア)甲1発明の「ユーザーがフィンガーパドル41をつまんで、伸縮式高さ調節機構22を作動させると、昇降する概ね水平な作業面20を備える、ワークステーション10であって、
伸縮式高さ調節機構22は作業面20を支持しており、
作業面に設けられる背面として、板面状の背部21が作業面20の端部に接して取り付けられ、また、背部21の上端は作業面20の上面より上方に突出して」いる「ワークステーション10」と、
本件訂正発明1の「互いに対向配置される一対の天板部と、
それぞれの前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
それぞれの前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える天板昇降式什器」とは、
「天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出する部材と、
を備える天板昇降式什器」である点で共通する。

(イ)前記(ア)から、本件訂正発明1と甲1発明とは、
[一致点A1]
「天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出する部材と、
を備える天板昇降式什器。」

の点で一致し、下の相違点A1ないしA4で相違する。

[相違点A1]
本件訂正発明1では、「電気的に」伸縮駆動させると特定されているのに対し、甲1発明ではそのような特定を有しない点。

[相違点A2]
本件訂正発明1では、天板の端部に設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出する部材が、「天板からの物品の落下を規制する物品落下防止」部材と特定されているのに対し、甲1発明では、背部21についてそのような特定を有しない点。

[相違点A3]
本件訂正発明1においては、物品落下防止部材の天板への取付構造に関し、
「前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える」
と特定されているのに対し、
甲1発明においては、背部21の作業面20への取付構造に関し、そのような特定を有しない点。

[相違点A4]
本件訂正発明1においては、天板部は、「互いに対向配置される一対の」ものであって、
「前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置」、及び、
「前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材」も、
それぞれの天板部に対し備わる、あるいはそれぞれの天板部が備えるものであるのに対し、
甲1発明においては、そのような特定を有しない点。

イ 判断
事案に鑑み、相違点A4から検討する。
甲1全体をみても、天板部を「互いに対向配置される一対のものとする」ことは記載も示唆もされていない。
そして、甲1において、ワークステーション10は、上記第5の1(1)ア(ア)に摘記したように、「[0003] 家庭では、1台のワークステーションがいくつかの異なる機能を果たす必要がある場合がある。」という背景に基づくものあって、また上記第5の1(1)ア(イ)に摘記したように、「[0037] その結果、・・・ワークステーションが、他の家具と審美的に一体化される能力を有する。これにより、ワークステーション10は、ホームオフィス、キッチン、ダイニングルームなど・・・で使用することができる。」という効果を奏するものであることを踏まえれば、仮に、天板部を互いに対向配置される一対のものとした天板昇降式什器が公知あるいは周知であったとしても、1台でいくつかの異なる機能を果たすものであることを背景とし、家具と一体化もでき、ホームオフィス、キッチン、ダイニングルームといった家庭内のスペースで使用できるものである甲1発明を、天板部を2つ(一対)備えるというものに設計変更する動機はないというべきである。

よって、相違点A4に係る本件訂正発明1の構成は、甲1発明、甲4記載技術事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものではない。

以上のとおりであるから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではないので、本件訂正発明1に係る特許は、同法113条第2号に該当せず、取消理由及び特許異議申立理由により取り消すことはできない。

(2)甲第3号証を主引用例として
ア 対比
(ア)甲3発明の「オフィス用デスクであって、脚フレ−ム16に支持させる天板19を有し、その脚フレ−ム16における左,右の支柱16bは、空圧シリンダ16gにより昇降するようにした内支柱16cを具備し、内支柱16cの昇降操作用ハンドル16fを有する、デスクD1であり、
天板19の前端側に、上端部が天板19の上面より上方に突出する遮蔽パネルFpが設けられる、
デスクD1」と、
本件訂正発明1の「互いに対向配置される一対の天板部と、
それぞれの前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
それぞれの前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える天板昇降式什器」とは、
「天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、上端部が前記天板の上面より上方に突出する部材を備える、
天板昇降式什器」である点で共通する。

(イ)前記(ア)から、本件訂正発明1と甲3発明とは、

[一致点B1]
「天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、上端部が前記天板の上面より上方に突出する部材を備える、
天板昇降式什器。」

の点で一致し、下の相違点B1ないしB3で相違する。

[相違点B1]
本件訂正発明1では、「電気的に」伸縮駆動させると特定されているのに対し、甲3発明では、空圧シリンダ16gによる駆動である点。

[相違点B2]
本件訂正発明1では、天板の端部に設けられる部材は、「天板からの物品の落下を規制する物品落下防止」部材とされ、「当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように」設けられるものであって、さらに、
「物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える」のに対し
甲3発明では、遮蔽パネルFpについてそのような特定を有しない点。

[相違点B3]
本件訂正発明1においては、天板部は、「互いに対向配置される一対の」ものであって、
「前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置」、及び、
「前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材」も、
それぞれの天板部に対し備わる、あるいはそれぞれの天板部が備えるものであるのに対し、
甲3発明においては、そのような特定を有しない点。

イ 判断
事案に鑑み、相違点B3から検討する。
甲3全体をみても、「互いに対向配置される一対の天板部」を備えるデスクは、記載も示唆もされていない。
そして、甲3において、デスクは、上記第5の1(3)ア(ア)に摘記したように、「【0005】【発明が解決しようとする課題】・・・移動し易いように小型,軽量に形成」することを課題とするものであることを踏まえれば、仮に、天板部を互いに対向配置される一対のものとした天板昇降式什器が公知あるいは周知であったとしても、甲3発明のデスクを一対の天板部を有するような大型のものとする動機はないというべきである。

よって、相違点B3に係る本件訂正発明1の構成は甲3発明、甲4記載技術事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものではない。

以上のとおりであるから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではないので、本件訂正発明1に係る特許は、同法113条第2号に該当せず、取消理由及び特許異議申立理由により取り消すことはできない。

(3)申立人の主張について
申立人は、意見書の「(2)訂正後本件特許発明1における進歩性の欠如について」において、本件訂正発明1の進歩性について、以下のように主張している。

(a)「「天板昇降式什器」という名称により特定される発明は、二つの別個独立した構造物によって構成されたものを明示的に排除しているわけではない。」、「そうすると、天板部及び支持脚を有する同一構造物を二つ用意し、各天板部を互いに対向配置させたものを「(1つの)天板昇降式什器」とすることは、当業者をして容易に想到し得るものである。」

(b)「天板部及び支持脚を有する同一構造物を対向配置させるようにした構成は、例えば、次の刊行物等・・・に示されるように周知技術である。」(周知刊行物1ないし6)

上記主張について検討する。
まず、(a)の主張については、「天板部及び支持脚を有する同一構造物を二つ用意し、各天板部を互いに対向配置させたものを「(1つの)天板昇降式什器」とすること」は、本件明細書等に記載も示唆もされていない。
そして、本件明細書等においては、
「脚体を共通としながら、複数の天板のそれぞれで天板の高さを個別に調整することができる」(段落【0003】)「複数の天板を備えた天板昇降式什器において、それぞれの天板上の空間を周囲から仕切って個別空間を確保するため、互いに対向又は隣接する天板同士の間に中間仕切パネルを設けることが行われている」(段落【0004】)が、
「しかしながら、互いに対向又は隣接する天板同士の間に中間仕切パネルを設けた構成において、それぞれの天板の高さ調整を可能とするには、天板を昇降させる際に中間仕切パネルと干渉しないように、天板と中間仕切パネルとの間に隙間を設ける必要がある。
しかし、天板と中間仕切パネルとの間に隙間があると、天板上で作業等を行っている際に、天板上で使用している各種の物品が天板から落下してしまうことや、この隙間にはまり込んでしまう」(段落【0006】【発明が解決しようとする課題】)ことを発明の課題としているものであり、このことを踏まえれば、本件発明1を(a)の主張のように解釈する理由はないというべきであるから、(a)の主張により、上記(1)イ及び(2)イにおける検討結果が左右されるものではない。

次に(b)の主張については、上記(1)イ及び(2)イで検討したように、天板部及び支持脚を有する同一構造物を対向配置させるようにした構成が公知あるいは周知であったとしても、甲1発明あるいは甲3発明をそのように設計変更する動機はないというべきであるから、仮に、(b)の主張のように、天板部及び支持脚を有する同一構造物を対向配置させるようにした構成が周知刊行物1〜6から周知であったとしても、その検討結果が左右されるものではない。

以上のとおり、意見書の主張により、上記(1)イ及び(2)イにおける検討結果が左右されるものではない。

2 本件訂正発明2について
(1)甲第1号証を主引用例として
ア 対比
本件訂正発明2は、本件訂正発明1から、「天板部」について、「互いに対向配置される一対の」天板部、及び「それぞれの」前記天板部という特定を外す一方で、
「前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている」との特定を付加したものである。
よって、上記1(1)アにおける本件訂正発明1と甲1発明の対比を踏まえれば、本件訂正発明2と甲1発明とは、上記相違点A1ないしA3に加え、下記相違点A5で相違する。

[相違点A5]
本件訂正発明2においては、「前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている」と特定されているのに対し、
甲1発明においては、そのような特定を有しない点。

イ 判断
事案に鑑み、相違点A5から検討する。
相違点A5に係る本件訂正発明2の構成は、甲1全体をみても、またその他の甲号証をみても記載も示唆もされておらず、またこれが周知技術であるという証拠もない。

よって、相違点A5に係る本件訂正発明2の構成は、甲1発明、甲4記載技術事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものではない。

以上のとおりであるから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明2は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではないので、本件訂正発明2に係る特許は、同法113条第2号に該当せず、取消理由及び特許異議申立理由により取り消すことはできない。

(2)甲第3号証を主引用例として
ア 対比
本件訂正発明2は、本件訂正発明1から、「天板部」について、「互いに対向配置される一対の」天板部、及び「それぞれの」前記天板部という特定を外す一方で、
「前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている」との特定を付加したものである。
よって、上記1(2)アにおける本件訂正発明1と甲3発明の対比を踏まえれば、本件訂正発明2と甲3発明とは、上記相違点B1及びB2に加え、下記相違点B4で相違する。

[相違点B4]
本件訂正発明2においては、「前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている」と特定されているのに対し、
甲3発明においては、そのような特定を有しない点。

イ 判断
事案に鑑み、相違点B4から検討する。
相違点B4に係る本件訂正発明2の構成は、甲3全体をみても、またその他の甲号証をみても記載も示唆もされておらず、またこれが周知技術であるという証拠もない。

よって、相違点B4に係る本件訂正発明2の構成は、甲3発明及び甲4記載技術事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものではない。

以上のとおりであるから、その余の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明2は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものではないので、本件訂正発明2に係る特許は、同法113条第2号に該当せず、取消理由及び特許異議申立理由により取り消すことはできない。

3 本件訂正発明4及び5について
本件訂正発明4及び5は、それぞれ、本件訂正発明1あるいは本件訂正発明2の構成をすべて含み、更に減縮したものであるから、上記1あるいは2と同様の理由により、甲1発明、甲4記載技術事項、及び周知技術、あるいは、甲3発明及び甲4記載技術事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないので、本件訂正発明4及び5に係る特許は、同法113条第2号に該当せず、取消理由及び特許異議申立理由により取り消すことはできない。

4 取消理由で主引用例として採用しなかった甲号証(甲第2号証)について
取消理由で主引用例として採用しなかった甲第2号証について、以下補足検討しておく。

(1)本件訂正発明1に対して
本件訂正発明1が有する、「前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え」る構成について、甲2には記載も示唆もされておらず、
そして上記第5の1(2)ア(イ)の記載及び(エ)の各図面に図示されるように、甲2の実施例における事務机の形状は、天板部分の下側の大部分を、「引出し(1c)」と「スイッチ(1d)」部分が占めるものであり、そのような甲2の事務机に対し、甲4記載技術事項の「水平方向に延出された」「角パイプ7,7を天板1下面にボルト止めする」構成を適用し、本件訂正発明1の上記構成を得ることは、想到容易といえるものではない。

(2)本件訂正発明2に対して
上記(1)で検討した点に加え、本件訂正発明2が有する、「前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている」構成について、甲2に記載も示唆もされておらず、想到容易といえるものではない。

第7 むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び申立人が申し立てた特許異議申立理由及び証拠によっては、本件訂正発明1、2、4及び5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正発明1、2、4及び5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置される一対の天板部と、
それぞれの前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
それぞれの前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備える天板昇降式什器。
【請求項2】
天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え、
前記支持部材は、前記端部における前記端面との間及び前記物品落下防止部材との間に隙間が形成されないように設けられている天板昇降式什器。
【請求項3】
天板部と、
前記天板部を昇降可能に支持する支持脚と、
操作部に対する操作の入力に応じて電気的に前記支持脚を伸縮駆動させることで前記天板部の高さを調整する伸縮駆動装置と、を備え、
前記天板部は、
前記支持脚上に支持された天板と、
前記天板の端部に、当該端部における端面との間に隙間が形成されず閉塞するように設けられ、上端部が前記天板の上面より上方に突出し、前記天板からの物品の落下を規制する物品落下防止部材と、
前記物品落下防止部材を前記天板の前記端部に固定する支持部材を備え、
前記支持部材は、前記物品落下防止部材から水平方向に延び、前記天板の下面に固定される固定部を備え、
前記固定部は、前記物品落下防止部材が設けられた前記天板の端部の範囲全体にわたって設けられている天板昇降式什器。
【請求項4】
前記天板の端部と平行に延びるように設けられ個別空間を確保するための仕切りパネルを備え、
前記物品落下防止部材は、前記仕切りパネルが設けられた側の前記天板の端部に設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の天板昇降式什器。
【請求項5】
前記物品落下防止部材と前記天板の端部との間に、配線を挿通可能な配線挿通空間が形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の天板昇降式什器。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2024-02-22 
出願番号 P2017-209216
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (A47B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 住田 秀弘
特許庁審判官 前川 慎喜
西田 秀彦
登録日 2022-11-17 
登録番号 7178778
権利者 株式会社オカムラ
発明の名称 天板昇降式什器  
代理人 松沼 泰史  
代理人 松沼 泰史  

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