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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G21H |
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管理番号 | 1410695 |
総通号数 | 30 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2024-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2022-09-12 |
確定日 | 2024-05-08 |
事件の表示 | 特願2019−556744「金属合金からエネルギーを生産するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月 5日国際公開、WO2018/122445、令和 2年 3月 5日国内公表、特表2020−507083〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)8月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年12月30日 フィンランド)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和 元年 7月 1日 :翻訳文の提出 同月31日 :手続補正書及び上申書の提出 令和 3年 7月30日付け:拒絶理由通知書 同年12月27日 :手続補正書及び意見書の提出 令和 4年 4月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年 5月10日 :原査定の謄本の送達) 同年 9月12日 :審判請求書の提出 同年11月 2日 :審判請求書の手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年12月27日に提出された手続補正書に記載された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 以下の工程を含むことを特徴とする、金属合金からのエネルギー生産のための方法であって、 a)合金の金属元素に対し実質的に化学的に不活性な大気中で金属合金を加熱し、合金の金属元素のうちの少なくとも2つの間で発熱反応を開始する工程であって、合金の金属元素のうちの少なくとも1つの元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および/またはポスト遷移金属である、工程、 b)合金の金属元素のうちの少なくとも2つの間の発熱反応を維持または再開するために前記金属元素の相変化温度範囲内での温度サイクルを行う工程であって、金属合金の表面での圧力が1000気圧未満に維持される、工程、を含む、 方法。」 第3 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、特許請求の範囲の請求項1に記載された「金属合金」にはLi−Ni合金以外が含まれているものの、発明の詳細な説明の記載では、LI−Ni合金以外の金属合金での実験結果が記載されておらず、また、Li−Ni合金以外の金属合金においてエネルギー生産をすることができるのか不明であるから、本願発明は発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえないのであり、したがって、本願は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていないという旨を含むものである。 第4 当審の判断 1 当審の判断の概要 本願発明は、請求項1の記載により特定される「金属合金」からのエネルギー生産のための方法であるところ、それに含まれる「合金の金属元素」については、「合金の金属元素のうちの少なくとも1つの元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および/またはポスト遷移金属である」と特定されるにとどまり、この特定は、実質的に合金の金属元素が任意の金属元素であることを意味するものである。 しかしながら、当業者は、発明の詳細な説明の記載及び本願出願時の技術常識に基づいて、「合金の金属元素のうちの少なくとも1つの元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および/またはポスト遷移金属である」ような任意の合金について、本願発明によって発明の課題が解決できることを認識できるとはいえないから、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるとはいえない。 2 当審の判断の詳細な説明 (1) 本願の発明の詳細な説明の記載 本願発明における「合金の金属元素」について、発明の詳細な説明には以下の記載がある。下線は、「合金の金属元素」に関連する記載について、当合議体が付したものである。 ア 【0001】〜【0007】 「【0001】 本発明は、発電および熱エネルギー変換に関する。より具体的には、本発明は、3つ以上の金属合金からエネルギーを生産するための方法および装置を開示する。 …(中略)… 【0005】 金属合金内で生じるエネルギー発生反応は、大きな潜在的有用性を有する。本明細書に開示された発明は、その確実な起動、良好な制御性、および十分に高い電力密度のおかげで、その産業上の利用を容易にする。新たに発見された基礎となるプロセスの反応制御要件に基づいて、本発明はさらに、基礎となる熱を発生する物理的プロセスの好ましい利用を表す電気エネルギー製造装置の構成を開示する。特定の金属合金からのエネルギー生産およびそのようなエネルギー生産プロセスからの最適な電気変換のための技術が、開示した発明の側面を補完している。」 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の第1の目的は、三成分以上の金属合金から高温でエネルギーを生産するための方法および装置を開示することである。好適実施例として、リチウムおよびニッケル含有合金が開示されているが、本発明によれば他の金属も可能である。より好適な実施例として、エネルギー生産のためのLi−Ni−Cu系が開示されている。Li−Ni−Cu系の単純さおよびその比較的広い温度サイクル範囲は、商業的利用に特に有用である。理論に拘束されるべきではないが、エネルギー生産反応は金属合金の固体溶融部分の相変化によって引き起こされ、そして相変化温度領域の周りの温度サイクルによって継続的に進行し続けることができると考えられる。現在得た平均反応電力は金属合金の質量に対して10W/gほどであることが判明したが、温度サイクル中のピーク出力は金属合金の質量に対して100W/gほどであることが判明した。 【0007】 好適実施例を説明することに加えて、本発明は、本明細書に開示されている反応メカニズムおよび動作原理に従ってエネルギーを生産し得る材料群を開示している。」 イ 【0009】 「【0009】 合金の金属元素に対して本質的に化学的に不活性な大気中で3つ以上の元素の金属合金を加熱して、合金の少なくとも2つの金属元素間の発熱反応を開始する、および/または持続させることを含むエネルギー生産方法が本明細書で開示される。好ましくは、金属合金元素はリチウム、ニッケル、カルシウム、およびガドリニウムの任意の組み合わせを含み、さらに追加の合金金属を含んでもよい。好ましくは、金属合金の表面の圧力を1000気圧以下に維持する。より好ましくは、2つの金属合金元素はリチウムおよびニッケルを含む。反応は、目標温度範囲内の温度サイクルによって開始、維持または再開されてもよい。好ましくは、温度範囲は選択された金属合金の相変化温度範囲内である。」 ウ 【0015】〜【0035】 「【0015】 本発明の一実施形態によれば、エネルギー生産のための方法は以下を含む。 【0016】 a)少なくとも1つの「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)を含有する反応性材料」を用意し、および 【0017】 b)少なくとも1つの「不可逆的二重電子捕獲可能核対」(IDECCNP)を形成する反応性材料の少なくとも一部に対形成エネルギーを供給し、 【0018】 正味の発熱反応を生成する。 【0019】 本明細書における「反応性材料」は、1つ以上のEDECCIの核による不可逆的二重電子捕獲によってエネルギーを発生させるために使用される、反応装置内に配置することができる材料を意味する。反応性材料は、少なくともEDECCIを含み、例えば1つ以上の「低原子量材料」(LAWM)および/または1つ以上の改質材料を含み得る他の成分をさらに含んでもよい。 【0020】 「低原子量材料」(LAWM)は、質量数が、好ましくはEDECCIの原子質量数未満、より好ましくはEDECCIの原子質量数の半分未満、より好ましくは30未満、より好ましくは20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは7未満またはそれらの任意の混合物の原子同位体である。LAWMの例としては、リチウム、ヘリウム、水素および重水素、あるいはそれらの任意の混合物が含まれるが、これらに限定されない。 【0021】 「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)は、本明細書では、その核が発熱二重電子捕獲を受けることができる原子同位体として定義される。EDECCI核は少なくとも1つの陽子または中性子を含み得る。EDECCIの例には、58Niおよび40Caおよびそれらの任意の混合物が含まれるが、これらに限定されない。 【0022】 「不可逆的二重電子捕獲可能核対」(IDECCNP)は、EDECCIと他のいくつかの核との間の近接核対であり、本明細書では第二の核はEDECCIと同じ型でも異なる型でもよい。IDECCNPは、EDECCI−LAWM核対であってもよい。この場合、1つの核はEDECCIであり、1つの核はLAWMである。IDECCNPは核反応を起こす可能性がある。核反応は不可逆的な可能性がある。核反応は自発的な可能性がある。前記核反応の不可逆性は、他の核、好ましくはEDECCI核にごく接近したLAWMを有することによってできる可能性がある。二重電子捕獲に関する電子は、材料中で利用できるか、または材料の外部から外面的に挿入することができる。 【0023】 本明細書における「近接」とは、二重電子捕獲反応の不可逆性を引き起こせるほど十分に短い結合距離を有することを意味する。 【0024】 「正味の発熱反応」は、反応における個々の工程の合計が正味の過剰エネルギーをもたらす反応である。したがって、どの単一工程も吸熱的であり得るが、全体の反応は発熱的であり得る。正味の発熱反応は核反応であり得る。核反応は核変換反応であり得る。核変換反応は、ある化学元素または同位体から別の元素への変換であり得る。どの元素(または1元素の同位体)も、その原子、つまり原子核内の陽子(および中性子)の数によって定義されるため、核変換は、原子核内の陽子または中性子の数が変わるあらゆるプロセスで発生する。核変換は(外側の粒子が核と反応する)核反応によって達成されることがある。正味の発熱反応は二重電子捕獲反応であり得る。正味の発熱二重電子捕獲反応は、正味の発熱二重電子捕獲核反応であり得る。記載された反応のいずれかまたはそれらの任意の組み合わせは反応と呼ばれることがある。 【0025】 「二重電子捕獲反応」または「二重電子捕獲」は、原子核の崩壊様式であることがある。核子数がAで原子番号がZの核種(A、Z)の場合、二重電子捕獲は(A、Z−2)の核種の質量が小さい場合にのみ可能である。この崩壊様式では、2つの軌道電子が核内の2つの陽子によって捕獲され、2つの中性子を形成する。この過程で2つのニュートリノが放出される可能性がある。陽子が中性子に変わるため、中性子の数は2つ増え、陽子Zの数は2つ減り、原子質量数Aは変わらない。陽子の数を変えることによって、二重電子捕獲は核種を新しい元素に変える。二重電子捕獲反応は、核反応、正味の発熱二重電子捕獲反応、正味の発熱二重電子捕獲核反応、および/または核変換または核変換反応である可能性がある。 【0026】 対形成エネルギーの全部または一部は、反応性材料の外部から外面的に供給されてもよい。外部から供給される対形成エネルギーは、反応性材料の1つ以上の高エネルギー粒子、電磁放射、電流、衝撃および/または高周波振動によって供給されてもよい。 【0027】 対形成エネルギーの全部または一部は、反応性材料の内側から内面的に供給されてもよい。正味の発熱反応は、対形成エネルギーを周期的または連続的に発生させることによって維持することができる。一連の反応は、少なくとも部分的には、内部的に供給された対形成エネルギーによって維持することができる。内部供給された対形成エネルギーの全部または一部は、反応性材料内の正味の発熱反応から放出されたエネルギーおよび/または反応性材料の全部または一部の溶融、固化および/または破砕からのものであってもよい。正味の発熱反応は、1つ以上のIDECCNPの二重電子捕獲反応であり得る。二重電子捕獲反応エネルギーは、反応性材料中で一連の反応を維持することができる。 【0028】 IDECCNPは、EDECCIの最も内側の電子殻軌道とLAWM核との間の準安定S殻結合を含んでもよい。 【0029】 二重電子捕獲反応は、少なくとも1つのエネルギー反応生成物を生成することができる。1つ以上のエネルギー反応生成物は、複数のIDECCNPを生成することによって反応性材料中で一連の反応を維持することができる。1つ以上の一連の反応は、高エネルギー原子または亜原子粒子によって開始することができる。高エネルギー反応生成物の生成は、二重電子捕獲反応の開始、高エネルギーイオン衝撃、高エネルギー電子衝撃、高エネルギー光子照射、中性子衝撃、またはバックグラウンド中性子によって達成することができる。 【0030】 反応性材料は、1つ以上の改質材料をさらに含んでもよい。改質材料は、融点改質材料、破壊誘発材料、溶融相/固相に異なるフェルミ準位を持たせる材料、および/または飽和材料であってもよい。反応性材料の一部または全部が反応中に溶融することがある。EDECCIは、例えば、58Niおよび/または40Caであってもよい。融点改質材料は、例えば、Cuおよび/またはAlであってもよい。反応性材料は反応性合金であってもよい。反応性合金は、例えば、Ni−Li−Cu合金であってもよい。1つ以上の高エネルギーLAWMを含む二次発熱核反応は、全体的なエネルギー生産に寄与することがある。反応性材料の温度は、反応性材料内に1つ以上のIDECCNPを生成するために目標温度範囲内で循環する。目標温度範囲は、反応性材料またはそれらの任意の成分の相変化温度範囲であってよい。 …(中略)… 【0035】 反応性材料はさらにLAWMを含んでもよい。LAWMは、リチウム、ヘリウム、水素または重水素またはそれらの混合物であってもよい。対形成エネルギーを供給する手段は、炉、粒子加速器、電磁放射源、電流源、および/または高周波振動源であってもよい。反応性材料は、1つ以上の改質材料をさらに含む。改質材料は、融点改質材料、破壊誘発材料、溶融相/固相に異なるフェルミ準位を持たせる材料、および/または飽和材料であってもよい。EDECCIは、例えば、58Niおよび/または40Caであってもよい。融点改質材料は、Cuおよび/またはAlであってもよい。反応性材料は反応性合金であってもよい。反応性合金は、Ni−Li−Cu合金であってもよい。装置は、目標温度範囲内で合金の温度を循環させるための手段をさらに含んでもよい。」 エ 【0037】〜【0041】 「【0037】 本発明の一実施形態によれば、材料を用意し、そこで少なくとも1つの原子成分が発熱二重電子捕獲可能同位体(EDECCI)を含み、かつそこで二重電子捕獲反応が不可逆になる工程を含むエネルギー生産方法が記載される。前記核反応の不可逆性は、他の核、好ましくはEDECCI核と十分に近接の低原子量材料(LAWM)を有することによって可能となる。前記近接により、変換されたEDECCIの核励起エネルギーを核対の運動エネルギーに変換することができる。前記材料を、本明細書では「反応性材料」と呼ぶ。EDECCIの核は、発熱二重電子捕獲反応または二重電子捕獲によって励起された状態になる可能性がある。変換されたEDECCIの核エネルギーを前記近接核(すなわちIDECCNPの核)の運動エネルギーに変換すると、それらはエネルギー保存の法則および運動量保存の法則に従って急速に分離する可能性がある。このような相互作用により、これらの近接原子核、特にLAWM原子核は、高い運動エネルギーを得ることができ、そして今度は反応性材料の他の原子核と相互作用して、運動エネルギーが徐々に減少する原子核を連続的に漸増させることができる。 【0038】 いくつかの過去の実験[1、2]は、電子殻の最も内側の2つの電子によるS型結合を含む、任意の2つの核の間の準安定の最も内側の電子殻の結合の可能性を示している。このような最も内側の電子殻結合に対するエネルギー障壁(対形成エネルギー)は対を成す原子の原子番号に比例し、そして結合距離は対を成す原子の原子番号に反比例する。58Niが顕著なEDECCIであるため、実施例としてニッケルを含む対を成す核が与えられる。エネルギー障壁と結合距離の正確な値は反応性材料の電子遮蔽エネルギーに依存する。高電子遮蔽は、結合エネルギー障壁を減少させ、そして結合距離を増加させる。その結果、IDECCNPを形成するのに必要な対形成エネルギーは、EDECCIによって、存在する場合はLAWMによって異なる。Ni−Ni対の場合、結合エネルギー障壁(対形成エネルギー)は約400eVであり、結合距離は約7pmである。Ni−Li対の場合、結合エネルギー障壁は約80eVである。Ni−H対の場合、結合エネルギー障壁は約50eVである。そのため、そのような準安定の最も内側の電子殻結合は、Niがリチウム、水素または重水素のような軽原子核と対を成すときに最も容易に確立される。驚くべきことに、上記の最も内側の電子殻結合は、対になった核を不可逆的二重電子捕獲反応に十分なほど近接させるということが発見された。それによって、この種の核対形成は、EDECCI材料からのエネルギー生産を可能にする。 【0039】 二重電子捕獲から段階的に反応(カスケード)する高エネルギーイオンの中には、上記の最も内側の電子殻結合エネルギー障壁を超え、それによってEDECCI核と他の核との間に新しい対を確立するのに十分なエネルギーを有するものがある可能性がある。1回の二重電子捕獲反応が1つ以上の新しいIDECCNPの形成をもたらすとき、一連の反応のための条件が確立される可能性がある。Ni−Li対の場合、1回の二重電子捕獲事象は、20を超える新しいNi−Li対の理論的生成に十分なエネルギーを発生させる。驚くべきことに、実際の新しい対形成速度は反応性材料の相に依存する、すなわち溶融状態の金属合金は、それらの固体等価物よりも高いそのような新しいIDECCNPの新しい形成速度を有するということが発見された。従って、溶融状態の反応性材料が連続エネルギー生産を持続するために好ましい。 【0040】 前記二重電子捕獲プロセスによるEDECCIのこのような連続的な変換によって、一連の反応が維持され、エネルギーの連続的生成をもたらす可能性がある。化学反応などによる反応性材料の劣化を回避するために、反応性材料を、反応性材料または反応性材料の成分に対して本質的に化学的に不活性な大気中に維持することがある。 【0041】 本発明によると、「反応」は、ある元素から別の元素へとEDECCIの核を変換することができる任意の発熱性二重電子捕獲反応であり得る。そのような反応では、第1の電子捕獲は吸熱性であり得る一方、第2の電子捕獲は発熱性であり得る。特に、第2の電子捕獲は、第1の電子捕獲が吸熱性であるよりも発熱性であり、したがって、全体の反応は発熱性であり、過剰なエネルギーを生産することがある。第1の電子吸収の吸熱障壁を克服するために、EDECCI核と電子は十分に高い相対速度で互いに接近してもよい。無ニュートリノ二重電子捕獲は、EDECCIでの2つの電子をほぼ同時に捕獲することでも起こる可能性があり、この場合、反応に対するエネルギー障壁はないが、不可逆性の条件は非常に重要である。58Ni核の短命励起の後、2つの電子のほぼ同時の捕獲は常に初期状態に逆戻りするため、58Ni同位体は通常の条件下で安定であることに注意することが重要である。」 オ 【0044】〜【0060】 「【0044】 本明細書における「改質材料」は、反応性材料の特性を改質する任意の材料を意味する。改質材料は、例えば、本明細書で「溶融温度改質材料」と呼ばれる(例えば所定の圧力で)融解温度を改質する材料、本明細書で溶融圧力改質材料と呼ばれる(例えば所定の温度で)溶融圧力を改質する材料を含んでもよい。改質材料は、融解温度および/または圧力を増減することができる。融点改質材料の例としては、例えば、EDECCIと合金を形成し得る金属が含まれるが、これらに限定されない。金属製の温度改質材料の一例は銅である。本発明によれば、他の温度改質材料も考えられる。改質材料は、反応性材料中の成分の分布を改質する材料を含んでもよい。前記材料を、本明細書では「均一性改質材料」と呼ぶ。例えば、反応性材料の様々な成分は、本質的に、前記均一性改質材料を含まずによく混合されることがあるが、その後、前記均一性改質材料の添加時に分離するか、または分離する傾向がある。均一性改質材料は、例えば、温度感受性または感圧性である可能性があり、これは、それが特定の温度より上または下に分離するか、または分離する傾向があることを意味する。均一性改質材料は、例えば飽和材料であってもよい。飽和材料は、例えば温度が上昇または下降するにつれて反応性材料中で飽和することがあり、したがってもはや溶解できないかまたは均一に混合されず、その後反応性材料の他の成分から沈殿するか、または沈殿する傾向がある。飽和改質材料の一例はリチウムである。本発明によれば、他の飽和改質材料も考えられる。温度改質材料は、均一性改質材料であってもよい。改質材料は破壊誘発材料であってもよい。破壊誘発材料は、材料内で破壊を誘発する可能性がある。破壊誘発材料は、反応性材料と接触しているかまたは近接していることもあり、反応性材料の外部にあることがあるため、技術的には改質材料ではないことがある。破壊誘発材料はあらゆる手段によって破壊を誘発することがある。手段の例としては、材料内で高い応力を発生させることがある。そのような応力は破壊によって急速に遊離されることがある。応力は、例えば冷却中に、例えば凝固によって発生することがある。応力は、例えば反応性材料、成分といった、例えば材料間の格子不整合によって増幅される可能性がある。飽和改質材料または均一性改質材料は、反応性材料内に電圧差を引き起こすこともある。Li−Ni合金の場合、これらの金属相におけるフェルミ準位が異なるために、Niに富む相とLiに富む相との間に電圧差が存在することがある。 【0045】 驚くべきことに、EDECCI核と低原子量材料(LAWM)の核との間の近接の最も内側の電子殻結合は、少なくとも次の3つの異なる方法によって効率的に生成され得ることが発見された。 【0046】 ・反応性材料の固相における破壊の発生。破砕プロセス中、反応性材料は熱力学的平衡からかけ離れている。理論に拘束されることを意図しないが、破壊は、破壊の近くで高エネルギーイオンおよび/または高エネルギー電子を発生させることができると考えられている。前記イオンおよび/または電子は、準安定の最も内側の電子殻結合を確立するのに十分なエネルギーを有することがある。反応性材料の特定の組成物では、温度サイクルが破壊の生成のための有効な方法であることが判明した。温度サイクルは機械的応力を発生させる可能性があり、遊離されると破壊を発生させる可能性があると理解されている。これらの機械的応力は、固液相間の温度勾配によって駆動される可能性があり、それはいくつかの合金成分の空間的濃度勾配を引き起こす可能性もある。アルカリ金属合金成分の空間濃度勾配は、特に機械的応力を発生させる可能性がある。 【0047】 ・反応性材料の固液相変化。部分溶融プロセスの間、固相と溶融相が異なるフェルミエネルギー準位を有する場合、相変化を受ける反応性材料は熱力学的平衡からかけ離れている可能性がある。例えば、Ni−Li合金の場合、固体状態はNiに富む傾向があり、一方溶融状態はLiに富む傾向がある。Niに富む相とLiに富む相との間のフェルミエネルギー準位の差は、8V程度にもなり得る。この電圧は、相変化中にイオンおよび電子を加速する可能性がある。理論に束縛されることを意図しないが、異なるフェルミエネルギー準位の条件下では、部分溶融事象は、準安定の最も内側の電子殻結合を確立するのに十分なエネルギーを有し得る固液界面で、エネルギーイオンおよび/またはエネルギー電子を発生させることができると考えられる。反応性材料の特定の組成物では、温度サイクルがこれらの固液相変化を生じさせるための有効な方法であることが判明した。 【0048】 ・準安定近接接合への量子トンネリングの確率を高める高周波(すなわちTHz範囲)振動。量子トンネリングにより、ある確率での準安定の最も内側の電子殻結合の形成が可能になる。この確率は、最も内側の電子殻結合を形成している可能性がある隣接イオン間の振動の周波数にほぼ比例する。驚くべきことに、EDECCIとLAWMを含む反応性材料のTHz範囲の振動の場合、EDECCIとLAWMの間の近接結合形成の可能性は、そのような核対の観察可能な生成にとって十分に高いことが判明した。 【0049】 本発明によれば、EDECCI核と低原子量材料(LAWM)の核との間の近接電子殻結合を達成するための他の方法が考えられる。 【0050】 上記の発見の結果として、温度サイクルは、EDECCI核とLAWM核との間の近接電子殻結合の生成に特に有効な方法であることが判明した。好ましいLAWMには、リチウム、ヘリウム、水素、または重水素、もしくはそれらの任意の混合物が含まれる。 【0051】 変換されたEDECCIの核エネルギーを前記近接原子核の運動エネルギーに変換すると、それらはエネルギー保存の法則および運動量保存の法則に従って急速に分離する可能性がある。LAWM原子核はEDECCI原子核よりはるかに軽いため、それは運動エネルギーの大部分を獲得するだろう。これらのLAWM材料の中には、MeVから10keVの範囲の運動エネルギーを有しながら、反応性材料の他の核と衝突すると二次発熱反応を起こすことができるものもあるということを発見した。これらの発見された二次反応は主に中性子交換型のものであると考えられており、そこで中性子がLAWMから反応性材料の特定の他の原子核に移動する。このような発熱性の二次反応の最も顕著な例は以下の通りである。 【0052】 7Li+61Ni→6Li+62Ni+1.7MeV 【0053】 7Li+58Ni→6Li+59Ni+0.1MeV 【0054】 2H+61Ni→1H+62Ni+0.3MeV 【0055】 全体として、エネルギー性のLAWMによって開始される二次反応は、全体の反応過程にかなりの追加の発熱エネルギーを加える可能性がある。 【0056】 本発明によれば、EDECCIの例はニッケル(Ni)である。前記ニッケルEDECCIは、二重電子捕獲時にFeに変換することができる。前記二重電子捕獲の発熱エネルギーは約2MeVである。本発明によれば、他のEDECCIおよび他の発熱エネルギーも考えられる。 【0057】 「二次核反応」は、本明細書では、二重電子捕獲反応によって動的に活性化されたエネルギー反応生成物のうちの少なくとも1つを含む核反応として定義される。 【0058】 反応性材料を構成するEDECCIおよび他の材料の両方が金属である場合、反応性材料は反応性合金と呼ばれることがある。 【0059】 「一連の反応」は、本明細書では、1つ以上のEDECCI核が1つ以上の電子の捕獲によって励起され、そのうちの少なくとも1つが1つ以上からのエネルギー吸収によって励起される一連の発熱二重電子捕獲反応(変換反応)として定義される。 【0060】 「反応室」は、本明細書では反応性材料が中に存在し、その中で反応が起こる室または容器として定義される。反応室は閉まっていても開いていてもよい。」 カ 【0065】〜【0083】 「【発明を実施するための形態】 【0065】 合金中の少なくとも2つの金属元素間の発熱反応を開始および/または持続させるために、3つ以上の元素の金属合金を加熱することを含むエネルギー生産のための方法および装置を含む発明が開示される。本発明の一実施形態によれば、金属合金の元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、後遷移金属、ランタニドおよび/またはアクチニドを含んでもよい。 【0066】 好適実施例によれば、驚くべきことに、発熱反応が金属合金中で開始され得ることが発見された。さらに、驚くべきことに、この反応は合金が部分的に溶融状態にあるとき、すなわちそれが液相と固相の両方を含むときに自発的に開始することが判明した。さらに驚くべきことに、そのような発熱反応は、合金が完全に凝固する付近でその下限温度を有し、そして合金が完全に溶融する付近で上限温度を有する温度サイクルプログラムを介して繰り返し再開および/または持続され得ることが判明した。本明細書では、これを金属合金の相変化温度範囲と呼ぶ。温度サイクルの周期性は、発熱反応が長時間にわたって継続できるほど十分に短いことが好ましい。 【0067】 1つの好適実施例では、合金はLi元素およびNi元素を含有するが、本発明に寄れば他の金属も考えられる。観察された発熱反応は、驚くべきことに一定温度で数分間続くことが観察された。例として追加の合金配合物が記載されている。 【0068】 好適実施例として、3w%のLi、43.5w%のNi、および53.5w%のCuからなる燃料が使用されているが、本発明によれば他の金属および他の比率も考えられる。この合金で発熱反応が観察された最低温度は1192℃であり、この合金で発熱反応が観察された最高温度は1290℃である。この温度範囲は、コンスタンタンとして知られている45w%のNiおよび55w%のCu合金の既知の部分溶融温度範囲によく対応している。5分間の周期性と1200/1300℃の温度閾値を持つ温度サイクルプログラムで、合金の質量に関して8W/gの平均電力密度とほぼ100W/gのピーク電力密度の値を得た。 【0069】 1240/1300℃の温度閾値を持つ温度サイクルプログラムを使用して、30W/gの平均電力密度を得た。 【0070】 発熱反応は合金の部分溶融温度に達すると自然に開始するということが発見された。さらに、上記の合金では温度が1192℃未満に低下したとき、および合金が約1300℃で完全に溶融したときに反応が終了するということが観察された。部分溶融状態の合金を任意の一定温度に維持すると、発熱反応存続期間が約2−5分になるということが発見された。反応装置条件の十分な制御により、反応存続期間を数時間、数日、さらには数ヶ月および数年にさえも著しく延長することができると期待される。 【0071】 放射線検出器は、発熱反応中または発熱反応後に放射能の徴候を示さなかった。しかしながら、驚くべきことに、発熱反応中に高周波(RF)信号爆発が検出された。反応後の燃料内容物はそれらの金属の見た目を保持していた。驚くべきことに、Cuのいくらかの脱合金化が上記の好適な合金において観察されており、発見された発熱反応の結果として、合金のある部分において著しく上昇した局所温度を示した。 【0072】 本明細書で開示されたエネルギー発生方法はインプットとして金属合金のみを必要とし、有害な出力廃棄物を発生せず、容易に制御でき、放射能を含まないため、これは経済的できれいで持続可能なエネルギー生産技術として認められる。 【0073】 発見された反応誘因をさらに解明するために、以下の一連の実験を行った。 【0074】 ・3w%のLi、43.5w%のNi、および53.5w%のCuの合金を1310℃で完全溶融状態に保った。発熱反応の兆候は観察されなかった。 【0075】 ・16w%のLiと84w%のNiの合金は、1200℃で完全に固体の状態に保たれており、他の合金の上記反応温度領域と重なっている。発熱反応の兆候は観察されなかった。 【0073】 ・不活性な大気下でLi片を溶融したNiに滴下することにより、1500℃で完全溶融状態の10w%のLiと90W%のNiの合金が得られた。発熱反応の兆候は観察されなかった。 【0077】 ・2w%のLi、90w%のNi、および8w%のAlの合金を徐々に加熱した。この合金が溶け始めた1350℃の温度で発熱反応が観察された。 【0078】 理論に拘束されることを意図しないが、発熱反応は適切な金属合金の固体溶融界面領域で起こるという驚くべき結論に導かれた。反応燃料がそのような領域で徐々に枯渇するにつれて、新鮮な固体溶融界面を再生することによって反応を継続させるために温度サイクルを使用することができると思われる。 【0079】 理論に拘束されることを意図しないが、当事者の実験は、好ましい合金組成が以下の要件を満たし得ることを示している。 【0080】 ・好ましい合金成分は、発熱反応に関与するLiである。 【0081】 ・好ましい合金成分は、発熱反応に関与するNiおよび/またはCaである。Niは、より好ましくかつより実用的な合金成分の選択肢である。 【0082】 ・好ましい合金成分は、Ni、Pd、Pt、Gd、またはそれらの任意の組み合わせのいずれかであり、これらは上記の発熱反応に触媒作用を及ぼし得る。理論に拘束されることを意図しないが、これらの金属の高い有効電子質量は触媒的役割を果たすと考えられている。Niは、より好ましくかつより実用的な合金成分の選択肢である。 【0083】 ・任意の合金成分として、本発明によれば任意の他の金属または金属の組み合わせを添加することができ、合金の重要な特性、例えば合金の融点を改変するのに役立ち得る。Cuの使用は広い温度範囲の部分溶融合金を作り出し、発熱反応の制御性を改善するので、Cuが特に好ましい。Alも反応を助けることがわかった。」 キ 【0087】〜【0094】 「【0087】 驚くべきことに、使用された合金が発熱的に二重電子捕獲を受けることができる1つ以上の同位体を含有するとき、上記の発熱反応が実行可能であることが発見された。ニッケルは、58Niの68%質量比を含有し、発熱的に二重電子捕獲を受けることができるので、模範的な合金成分である。そのような二重電子捕獲の際に、58Niは58Feに変換され、約2MeVのエネルギーを放出する。理論に拘束されることを意図しないが、核二重電子捕獲反応は、発見された発熱反応を支持するエネルギー源であると考えられている。理論に拘束されることを意図しないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属合金成分は溶融状態でそのような電子配置になると考えられ、それはそのような変換事象の際に励起核からエネルギーを取り除き、それによって局在化した一連の反応を可能にすることができる。 【0088】 本発明による発熱反応を生じさせることができる一般的な種類の合金は、次のように要約される。 【0089】 ・1つの合金成分は、二重電子捕獲反応を発熱的に受けることができる1つ以上の同位体を含む元素である。ニッケルは、その好ましい合金成分である。 【0090】 ・1つの合金成分は、溶融状態でのその電子配置が励起核からエネルギーを取り除くことができる元素である。リチウムは、その好ましい合金成分である。 【0091】 ・合金の溶融温度を制御し、それによってその動作温度範囲を調整するために、他の任意の合金成分を使用することができる。 【0092】 本発明によれば、上記のパラメーターに適合する任意の合金組成物は可能である。さらに、合金は部分溶融合金状態で発熱反応を開始することが好ましい。しかし、本発明の好適実施例では、金属合金元素はリチウム、ニッケルおよび銅(Li、NiおよびCu)であるが、本発明によれば他の金属合金元素も可能であり、本発明によればそれらの比率は望ましい結果を達成するために異なる可能性がある。 【0093】 3w%のLi、43.5w%のNi、および53.5w%のCuからなる例示的な合金を考慮すると、二重電子捕獲反応によるその理論的エネルギー含有量は、約1GJ/gである。達成された30W/gの反応速度で運転すると、そのような燃料は最大1年間エネルギーを供給することができる。 【0094】 本発明の一実施形態によれば、リチウムの質量比は0.01%−50%の間、銅の質量比は10%−95%の間、ニッケルの質量比は10%−95%の間である。一実施形態において、リチウムの質量比は0.1%−40%の間、銅の質量比は20−75%の間、ニッケルの質量比は20%−75%の間である。一実施形態において、リチウムの質量比は1%−30%の間、銅の質量比は25%−65%の間、ニッケルの質量比は30%−65%の間である。一実施形態において、リチウムの質量比は2%−25%の間、銅の質量比は30%−55%の間、ニッケルの質量比は30%−45%の間である。一実施形態において、リチウムの質量比は2.9%−22.1%の間、銅の質量比は32.4%−53.4%の間、ニッケルの質量比は34.6%−43.7%の間である。本発明によれば他の比率も可能である。」 ク 【0128】〜【0191】 「【実施例】 【0128】 以下の例1−6では、前駆体金属(Li、Ni、および適切な場合にはCuまたはAl)をAPM材料(融点1500℃、良好な耐酸化性)でできた金属製の容器に入れ、高温でも気密封止されかなりの過圧耐性があることを保証するために溶接して閉じた。以下の実施例7では、前駆体金属(Li、Ni、および適切な場合にはCuまたはAl)が、アルゴン流で浸水したTZM材料製の金属管内に配置されている。使用した炉は、良好な温度均一性を達成するために3方向からサンプルを加熱した。加熱フィラメントはカンタル線(融点1500℃、高い耐酸化性)でできていた。温度検知にはS型とN型の熱電対を使用した。最初の実験では、加熱はオン/オフのタイミングによって制御された。その後の実験では、より正確な加熱制御を達成するためにサイリスタ電子によって制御された。以下の実施例では圧力は直接測定されていないが、密閉容器を使用する場合(実施例1−6)、圧力は100気圧を超えず、おそらく10気圧未満であったと推測しても差し支えないだろう。容器が密閉されていない場合(実施例7)、圧力は約1気圧であった。本発明によれば、他の圧力も可能である。 【0129】 以下の実施例8では、前駆体金属(Li、NiおよびCu)をTZM材料(融点2600℃)でできた金属製容器に入れ、気密封止および非常に高い温度耐性を確保するために溶接して閉じた。 【0130】 実施例1:固体Li−Ni合金化 【0131】 0.5gのNi粉末および0.1gのLiを金属製容器に封入し、約1時間1200℃に保持した。熱処理中に過剰な熱は検出されなかった。容器を冷却して開封した後、内部に金属の外見を有する空気中で安定な合金材料が見られた。全ての粉末は単一の固体に融合した。遊離のLi金属は観察されなかった。まとめると、この実験により、Li合金がNi中に最大20w%まで均一化し、固体金属中によく拡散することが実証された。 【0132】 実施例2:高温Li−Ni−Cu合金 【0133】 2gのコンスタンタン線(55%Cu+45%Niの合金)および0.06gのLi(44%Cu、36%Niおよび20%Liの全質量分布を示す)を金属製の容器に入れ、溶接で密封する。 【0134】 サンプルをしばらくの間1200℃に保持し、次いで温度を1300℃に上げた。1300℃の状態で10−15分後、金属製容器の壁(最も薄い部分で厚さ約2mm)が破れセラミック管とサンプルの上の加熱線が溶ける事象が起こった。この事象に付随する音はなかった。図1および図2は、損傷を受けた反応器および結果として生じたサンプルの外見を示している。 …(中略)… 【0137】 実施例3:Li−Ni−Cu合金における単一反応事象の機器装備での観察 【0138】 溶融Li−Ni−Cu合金実験は、より正確なコンピュータ制御および温度記録、およびより厚いAPM容器壁を用いて、改良された設定で繰り返されてきた。2gのコンスタンタン線および0.06gのLi(42.3%のCu、34.6%のNiおよび22.1%のLiの全質量分布を示す)を再び金属製容器に充填した。正確な温度記録のために、N型熱電対を容器の外壁に直接接触させた。 …(中略)… 【0147】 冷却後、容器を鋸で開いた。その断面図を図6に示している。「金属間欠泉」は見たところ材料を移動させただけで、容器に穴は開いておらず、つまり空気が容器に戻ることはなかった。その結果として、図6は容器の内部を横切る金属表面を示している。これは、発熱反応が実際にLi−Ni−Cu合金内で起こったことを示している。セラミック管と加熱線の溶融は、内部反応温度が特定の箇所で1500℃をはるかに超えたことを示している。 【0148】 反応材料の大部分はメタリックグレーのままであるが、赤みを帯びた色合いが内面の斑状の位置に現れることを観察した。これは金属表面に銅が蓄積していることを示しており、高温の脱合金により引き起こされた可能性がある。銅の斑状のある濃度は、非常に局所的なホットスポット型の発熱反応も示している。ガンマ線検出器は、得られたサンプル中で放射能の徴候を示さなかった。 【0149】 実施例4:相変化事象の結果の調査 【0150】 以下の設定でLi−Ni−Cu合金実験を実施した。破裂した金属のこぼれを防ぎサンプル内部の温度の加熱/冷却を遅くするために、溶接したAPM容器を厚さ約0.5cmのセラミック容器に埋め込んだ。4gのコンスタンタン線および0.12gのLi(53.4%のCu、43.7%のNiおよび2.9%のLiの全質量分布を示す)を金属製容器に充填した。N型熱電対をセラミック容器と直接接触させて配置した。 …(中略)… 【0155】 実施例5:反応表面循環および反応熱事象の検出 【0156】 観察された反応は所与の温度で数分後に終了するように見え、相変化によって引き起こされるように見えるので、安定した反応が温度サイクルによって達成できるかどうかに関して疑問が生じる。このような温度サイクルの研究がこの実験の目的だった。さらなる目的は、破裂反応事象からより多くの熱特性データを集めることであった。 【0157】 この実験は以下の設定で行われた。9個の溶接されたAPM容器が約0.5cmの厚さの磁器製の容器に埋め込まれた。2gのコンスタンタン線および0.06gのLi(53.4%のCu、43.7%のNiおよび2.9%のLiの全質量分布を示す)を各金属製容器に入れた。N型熱電対を容器群の中央に配置した。この改良された設定における磁器製の容器の主な目的は、容器の均一な温度を確保することだった。熱電対はこの磁器製の容器に埋め込まれているので、この設定で測定された温度値は、その所定の場所での容器の温度に正確に対応している。 …(中略)… 【0163】 実施例6:高温Li−Ni−Al合金 【0164】 全体の質量分布が8%のAl、90%のNiおよび2%のLiを有する2gの金属線を金属製容器に装填し、溶接により封止した。 【0165】 温度を徐々に1300℃に上げ、次いでサンプルをしばらくの間1300℃に保持した。この手順中に発熱反応の兆候は見られなかった。 【0166】 その後、温度を徐々に1350℃に上げた。1350℃で約1分後、発熱反応のRFサインが検出され、それが約5分間持続した。 【0167】 実施例7:循環温度を有する不活性ガス流中のLi−Ni−Cu合金の開いた容器 【0168】 次のLi−Ni−Cu合金実験は、Ar流に基づく設定で行った。15gのコンスタンタン箔および0.5gのLi線(53.2%のCu、43.5%のNiおよび3.2%のLiの全質量分布を示す)を開いたTZM金属管に入れた。TZM管は、金属合金の元素に対して化学的に不活性な大気を維持するためにAr流で満たされたセラミック管の中に配置されている。N型熱電対を、TZMとセラミック管との間に配置した。反応器の電力消費量は、VoltcraftEL4000デバイスによって測定された。 【0169】 この実験は、反応電力および反応熱生成を定量化することを目的とした。以下の温度サイクルプログラムを使用して、Ar流を用いずに空の反応器について校正実験(calibration)を行った。1200℃から1280℃への定電力加熱し、1280℃の上限温度閾値に達したときに加熱せず、次いで1200℃の下限温度閾値から定電力加熱する。使用した加熱力は約1.5kWであった。図12の破線は、加熱が停止された瞬間から開始する、30秒間の温度変化を示す。断熱された外側の反応器壁が徐々に加熱されるにつれて、冷却速度はその後のサイクルでわずかに減少した。 …(中略)… 【0182】 実施例8:TZM容器内でのLi−Ni−Cu合金からの連続エネルギー生産 【0183】 次の溶融Li−Ni−Cu合金実験をN2流に基づく設定で実施した。9.52gのコンスタンタン箔および0.28gのLi片を鋼鉄管に装填し、溶接によって密封した。次いで、この鋼製容器をTZM(99.4%のMo、0.5%のTi、0.1%のZr)金属管に入れ、溶接により密封した。 …(中略)… 【0190】 実験の最後の3時間は、加熱時間の比率の不一致は0.25だった。これは、反応力が25%の時間に電気加熱があるのと同等であることを意味する。電熱電力が1.2kWであったため、平均反応電力は300Wであった。これは、燃料質量に対する30W/gの平均反応電力に相当する。 【0191】 これらの最後の3時間にわたる累積反応エネルギーは3MJを超えていた。この量の反応エネルギーは、考えられる限りのいかなる化学反応よりも大きい。気密TZM容器は実験の終了時まで傷のないままであった。」 (2) 判断 ア 本願発明の課題について 上記(1)アで摘記した【0006】の記載によれば、本願発明の解決しようとする課題(以下「本件課題」という。)は、「三成分以上の金属合金から高温でエネルギーを生産する」ことであると認められる。 イ 発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて当業者が本件課題を解決できると認識できる範囲について (ア) 本願発明の「金属合金」に含まれる「合金の金属元素」でなされる「発熱反応」について 本願発明は、請求項1の記載により特定されるとおり、「合金の金属元素のうちの少なくとも2つの間で発熱反応を開始する工程」を含むものであることから、当該「合金の金属元素」は、このような意味での「発熱反応」を開始することができる必要がある。 そして、当該発熱反応について、上記(1)ウ〜オで摘記した記載では、「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)の核による不可逆的二重電子捕獲によってエネルギーが発生する反応(以下「不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応」という。)であること(【0019】、【0024】、【0037】等)が一貫して記載されており、さらに、不可逆的二重電子捕獲のためには、少なくとも58Ni及び40Caに例示されるEDECCIが必要であること(【0019】、【0021】、【0038】、【0056】等)、二重電子捕獲の不可逆性のためには、EDECCIとともに「不可逆的二重電子捕獲可能核対」(IDECCNP)を形成する、リチウム、ヘリウム、水素及び重水素に例示される「低原子量材料」(LAWM)が必要であること(【0020】、【0022】、【0038】、【0050】等)が記載されている。 また、本願発明の「発熱反応」に関わる「合金の金属元素のうちの少なくとも2つ」とは、請求項3に「金属合金元素のうちの2つがリチウムおよびニッケルを含む」と記載されていることや、前記(1)イで摘記した【0009】に「好ましくは、金属合金元素はリチウム、ニッケル、カルシウム、およびガドリニウムの任意の組み合わせを含み、(中略)より好ましくは、2つの金属合金元素はリチウムおよびニッケルを含む」と記載されていることにも照らせば、典型的には、上記の「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)と「低原子量材料」(LAWM)が想定されているといえる。 このように、本願発明の「金属合金」に含まれる「合金の金属元素」はそのうちの少なくとも2つの間での「発熱反応」を開始することができる必要があるところ、当業者は、発明の詳細な説明の記載によれば、当該「発熱反応」について、不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応であることが一貫して記載されていることを理解できるとともに、当該「発熱反応」に関わる「合金の金属元素のうちの少なくとも2つ」について、典型的には、上記の「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)と「低原子量材料」(LAWM)が想定されていることを理解できる。 (イ) 「合金の金属元素」についての発明の詳細な説明の記載 前記(ア)のとおり、当業者は、本願発明の「金属合金」に含まれる「合金の金属元素」が所定の「発熱反応」を開始できるのを要することを理解できるところ、そのような「合金の金属元素」についての発明の詳細な説明の記載は、前記(1)によれば、次のとおりであると認められる。 a 前記(1)イで摘記した【0009】では、「好ましくは、金属合金元素はリチウム、ニッケル、カルシウム、およびガドリニウムの任意の組み合わせを含み、さらに追加の合金金属を含んでもよい。」及び「より好ましくは、2つの金属合金元素はリチウムおよびニッケルを含む。」と記載されている。 b 前記(1)カで摘記した【0065】には、請求項1の記載と同様の記載である、「本発明の一実施形態によれば、金属合金の元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、後遷移金属、ランタニドおよび/またはアクチニドを含んでもよい。」との記載がある。 また、同【0067】には「1つの好適実施例では、合金はLi元素およびNi元素を含有するが、本発明に寄れば他の金属も考えられる。」と、同【0068】には「好適実施例として、3w%のLi、43.5w%のNi、および53.5w%のCuからなる燃料が使用されているが、本発明によれば他の金属および他の比率も考えられる」と記載されている。 さらに、同【0080】には、「好ましい合金成分は、発熱反応に関与するLiである。」と、同【0081】には、「好ましい合金成分は、発熱反応に関与するNiおよび/またはCaである。Niは、より好ましくかつより実用的な合金成分の選択肢である。」と記載されている。 c 前記(1)キで摘記した【0092】には、「本発明によれば、上記のパラメーターに適合する任意の合金組成物は可能である。…(中略)…本発明の好適実施例では、金属合金元素はリチウム、ニッケルおよび銅(Li、NiおよびCu)であるが、本発明によれば他の金属合金元素も可能であり」と記載されている。 また、当該「上記のパラメーター」について、同【0089】には「1つの合金成分は、二重電子捕獲反応を発熱的に受けることができる1つ以上の同位体を含む元素である。ニッケルは、その好ましい合金成分である。」と記載されており、同【0090】には「1つの合金成分は、溶融状態でのその電子配置が励起核からエネルギーを取り除くことができる元素である。リチウムは、その好ましい合金成分である。」と記載されている。 さらに、同【0087】には、「驚くべきことに、使用された合金が発熱的に二重電子捕獲を受けることができる1つ以上の同位体を含有するとき、上記の発熱反応が実行可能であることが発見された。」及び「理論に拘束されることを意図しないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属合金成分は溶融状態でそのような電子配置になると考えられ、それはそのような変換事象の際に励起核からエネルギーを取り除き、それによって局在化した一連の反応を可能にすることができる。」と記載されている。 d 前記(1)クで摘記したとおり、発明の詳細な説明において本願発明の「発熱反応」が確認されているとされる実施例は、全てLi及びNiを含む合金(Li−Ni−Cu合金又はLi−Ni−Al合金)である。もっとも、当該実施例には、二重電子捕獲反応が生じたことを裏付ける記載は存在しない。 (ウ) 発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて当業者が本件課題を解決できると認識できる範囲についての検討 a 前記(ア)のとおり、本願発明の「金属合金」に含まれる「合金の金属元素」は、そのうちの少なくとも2つの間での「発熱反応」を開始することができる必要があるところ、発明の詳細な説明の記載には、当該「発熱反応」について、不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応であることが一貫して記載されており、また、当該「発熱反応」に関わる「合金の金属元素のうちの少なくとも2つ」について、典型的には、上記の「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)と「低原子量材料」(LAWM)が想定されている。そして、発明の詳細な説明の記載においては、前記(イ)dのとおり、「合金の金属元素」がLi及びNiを含む場合は、当該「発熱反応」が確認されるとされている。 b 他方、当業者は、以下のとおり、本願発明の「合金の金属元素」が前記aのような「低原子量材料」(LAWM)及び「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)を含む場合ではないときは、発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて本件課題を解決できると認識できるとはいえない。 すなわち、当該「発熱反応」について、当業者は、発明の詳細な説明の記載によれば、前記aのとおり、不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応であることが一貫して記載されていることを理解できるところ、前記(イ)bによれば、このような発熱反応に関与する金属元素として具体的に挙げられているものは、Li、Ni及びCaのみである。そして、Liは前記aでいう「低原子量材料」(LAWM)に対応し、Ni及びCaは同「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)に対応していると解される。 しかしながら、理論的に二重電子捕獲反応が起こり得るのは限られた元素の限られた同位体であり、任意の金属元素では起こり得ないという出願時の技術常識と、前記aのとおり不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応には「低原子量材料」(LAWM)及び「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)が関わることが想定されていることを考慮すれば、「低原子量材料」(LAWM)及び「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)を含まない場合(特に、前記(イ)bの【0065】で記載された「金属合金の元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、後遷移金属、ランタニドおよび/またはアクチニドを含んでもよい」場合のように金属合金が含む金属元素が任意である場合)の金属合金について、当業者が、不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応が開始すると認識することはない。 c さらに当業者は、以下のとおり、本願発明の「合金の金属元素」が前記aのようなLi及びNiを含む場合ではないときは、発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて本件課題を解決できると認識できるともいえない。 すなわち、二重電子捕獲という現象が生じる確率が極めて小さいという技術常識に照らせば、発明の詳細な説明において、二重電子捕獲反応が生じたことを裏付ける具体的根拠となる記載があればともかく、前記(イ)dのとおり、そうとはいえない以上、当業者は、「合金の金属元素」のうちの1つとして二重電子捕獲が起こり得る元素を用いれば、本件課題を解決できると認識できることもない。前記(イ)cの記載は、上記技術常識を踏まえた上でもなお裏付けとなり得るような具体性をもつものではないことから、上記の説示を左右しない。 そして、発明の詳細な説明には、二重電子捕獲を伴う発熱反応以外の発熱反応についての具体的な説明はなく、しかも、当業者が、任意の金属元素を含む金属合金で何らかの発熱反応が開始すると認識することを認めるに足りる技術常識があるともいえない。 d このように、発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいては、「低原子量材料」(LAWM)及び「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)を含まない場合についてまで、発明の詳細な説明に記載された不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応により本件課題を解決できると当業者が認識できるとはいえない。 また、発明の詳細な説明に記載された不可逆的二重電子捕獲を伴う発熱反応という作用機序によって、「金属合金」に含まれる「合金の金属元素」について本件課題を解決できると当業者が認識できるとはいえず、しかも、その余の作用機序に係る記載及び技術常識が存在するともいえないことから、当業者は、「合金の金属元素」がLi及びNiを含む場合であればさておくとしても、その余の場合において、本件課題を解決できると認識できるとはいえない。 ウ 本願発明に特定された「合金の金属元素」が発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて当業者が本件課題を解決できると認識できる範囲を超えていないといえるか否かについての検討 本願発明に特定された「合金の金属元素」は、「合金の金属元素のうちの少なくとも1つの元素がアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および/またはポスト遷移金属である」とされているところ、前記イ(ウ)dのとおり、当業者は、発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいては、「合金の金属元素」が、「低原子量材料」(LAWM)及び「発熱二重電子捕獲可能同位体」(EDECCI)を含む場合、又はLi及びNiを含む場合であればさておくとしても、その余の場合において、本件課題を解決できると認識できるとはいえない。 そうすると、本願発明の記載は、発明の詳細な説明の記載及び技術常識に基づいて当業者が本件課題を解決できると認識できる範囲を超えていないとはいえない。 エ 請求人の主張について 請求人は前記ウに関して、本願発明はエネルギー生成のメカニズムとして核反応に言及するものではなく、金属合金の「相変化温度範囲」を目標温度範囲として含むものであり、この温度範囲は、任意の関連する金属合金について容易に特定できる旨主張している。 しかしながら、本願発明で特定される任意の金属で当該温度範囲を特定することができるとしても、任意の金属で発熱反応が開始すると当業者が認識し得ないことは前記ウで説示したとおりである。 よって、請求人の主張は採用できない。 オ 小括 したがって、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。 3 当審の判断のまとめ 以上検討のとおり、本願は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。 第5 むすび 以上のとおり、本願は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 審判長 山村 浩 出訴期間として在外者に対し90日を附加する。 |
審理終結日 | 2023-12-01 |
結審通知日 | 2023-12-05 |
審決日 | 2023-12-21 |
出願番号 | P2019-556744 |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(G21H)
|
最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
山村 浩 |
特許庁審判官 |
齋藤 卓司 波多江 進 |
発明の名称 | 金属合金からエネルギーを生産するための方法および装置 |
代理人 | 加藤 和詳 |
代理人 | 加藤 和詳 |
代理人 | 加藤 和詳 |