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審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
管理番号 1412260
総通号数 31 
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2024-07-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2024-01-04 
確定日 2024-04-04 
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第7218928号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第7218928号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第7218928号(以下「本件特許」という。)は、令和2年4月21日に特許出願(特願2020−75099)したものであり、令和5年1月30日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和6年1月4日に本件訂正審判の請求がされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。
本件特許請求の範囲の請求項1に、「第3の演出の演出が行われる」と記載されているのを、「第3の演出が行われる」に訂正する。
なお、下線は訂正箇所を表す。

第4 当審における判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)本件訂正前の請求項1には、次の記載がある。
「・・・前記演出実行手段は、前記有利の度合いを示唆する演出とは異なる所定の演出として、同じ系統である第1の演出と第2の演出とを有し、前記第1の演出は、その後に第3の演出の演出が行われることを示唆することが可能であり、前記第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出が行われることを示唆することが可能であり、・・・」

(2)上記(1)の記載によれば、「演出実行手段」が「第1の演出と第2の演出とを有し」ていることが記載され、「第1の演出は、その後に第3の演出の演出が行われることを示唆することが可能」であって、「第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出が行われることを示唆することが可能」であるから、「第4の演出」が行われることを示唆することが可能であるのは「第2の演出」であって、「第4の演出」は「前記第3の演出とは異なる」ものである。
そうすると、「第1の演出」が、その後に行われることを示唆することが可能であるものは、「第3の演出の演出」ではなく「第3の演出」であることが明らかであって、「第3の演出の演出」は、「第3の演出」と同一の意味を表示するものと認められる。

(3)ここで、本件明細書の記載事項について検討すると、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)には、以下の記載がある。
なお、下線は認定に関連する箇所を示すために合議体が付与した。
「【0007】
本発明に係る遊技機は、
第1の抽選(例えば、普通抽選)を行うことが可能な第1抽選手段と、
第2の抽選(例えば、第2特別抽選)を行うことが可能な第2抽選手段と、
前記第1抽選手段により行われる前記第1の抽選の結果に基づいて、識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な第1表示手段(例えば、普通図柄表示部71)と、
前記第2抽選手段により行われる前記第2の抽選の結果に基づいて、識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な第2表示手段(例えば、第2特別図柄表示部74)と、
遊技球が入球可能な第1の入賞手段(例えば、普通電動役物146及び第2始動口140B)と、
前記第1の入賞手段よりも下方に配置され、遊技球が入球可能な第2の入賞手段(例えば、小当り用大入賞口151)と、
前記第1の抽選の結果が第1の結果(例えば、普通図柄当り)である場合に、前記第1の入賞手段に遊技球が入球しやすくなるように前記第1の入賞手段の制御を行うことが可能な第1制御手段と、
前記第2の抽選の結果が特定の結果(例えば、小当り)である場合に、前記第2の入賞手段に遊技球が入球しやすくなるように前記第2の入賞手段の制御を行うことが可能な第2制御手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出実行手段により実行される演出においてアイコンを表示することが可能なアイコン表示手段と、
遊技者による操作を受け付けることが可能な操作手段と、を備え、
前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第1の結果(例えば、普通図柄当り)である場合には、第1の時間(例えば、500ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能である一方、前記第1の抽選の結果が第2の結果(例えば、普通図柄ハズレ)である場合には、前記第1の時間よりも長い第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、
前記第2表示手段は、前記第2の抽選の結果が前記特定の結果(例えば、小当り)である場合に、前記第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)よりも短い第3の時間(例えば、1000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、
前記第1表示手段において識別情報が変動表示されている期間においては、前記第1の入賞手段(例えば、普通電動役物146が作動したときに入賞可能となる第2始動口140B)に遊技球が入球しやすくなるように前記第1の入賞手段の制御が行われている期間よりも、第1の入賞手段に遊技球が入球し難くなるように第1の入賞手段の制御が行われ且つ前記第2の入賞手段(例えば、小当り入賞口560)に遊技球が入球しやすくなっており、
前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第2の結果(例えば、ハズレ)である場合には、前記第2の時間(例えば、10000ms、20000ms、30000ms)よりも長時間である第4の時間(例えば、600000ms)に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、
前記第2の時間には複数の第2の時間があり、前記演出実行手段は、前記複数の第2の時間のいずれであるかに応じて、有利の度合いを示唆する演出を実行可能であり、
前記第1表示手段において前記第4の時間(例えば、600000ms)に亘って識別情報が変動表示されているときに、前記第2の入賞手段(例えば、小当り入賞口560)に遊技球が入球しやすくなるように行われた前記第2の入賞手段の制御が終了したとしても、前記第1表示手段(例えば、普通図柄表示部71)において継続して識別情報を変動表示することが可能であり、
前記演出実行手段は、前記有利の度合いを示唆する演出とは異なる所定の演出(例えば、第1予告演出)として、同じ系統(例えば、会話演出)である第1の演出(例えば、紫色)と第2の演出(例えば、赤色)とを有し、前記第1の演出は、その後に第3の演出(例えば、擬似連)が行われることを示唆することが可能であり、前記第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出(例えば、スーパーリーチ)が行われることを示唆することが可能であり、
前記アイコン表示手段は、
前記演出実行手段により前記第1の演出が実行されている場合及び前記第2の演出が実行されている場合において、互いに同系統のアイコン(例えば、「ベル」アイコン)を表示することが可能であって、
前記操作手段が操作された場合にアイコンを表示することが可能な第1アイコン表示手段と、
前記操作手段が操作されなかった場合にアイコンを表示することが可能な第2アイコン表示手段と、を有し、
前記演出実行手段は、前記第1アイコン表示手段によりアイコンが表示された場合及び前記第2アイコン表示手段によりアイコンが表示された場合の何れの場合においても、特定演出(例えば、アイコン停止後予告)を実行することが可能である、
ことを特徴とする。」

(4)上記(3)の本件明細書の記載によれば、「第1の演出」が、その後に行われることを示唆することが可能であるものは、「第3の演出」であって、上記(2)の説示と整合する。

(5)してみると、本件訂正前の請求項1の「第3の演出の演出」は、誤りであることが明らかであり、かつ、「第3の演出」の誤記であることが自明であって、本件訂正はその誤りを正しく訂正するものである。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。

2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
本件訂正は、上記1のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、本件訂正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
本件訂正は、上記1のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、本件明細書の記載との関係で、誤りであることが明らかあり、かつ、本件明細書の記載から、明らかな誤記を自明な事項に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について
本件訂正前の請求項1に係る発明と同様に、本件訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項〜第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の抽選を行うことが可能な第1抽選手段と、
第2の抽選を行うことが可能な第2抽選手段と、
前記第1抽選手段により行われる前記第1の抽選の結果に基づいて、識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な第1表示手段と、
前記第2抽選手段により行われる前記第2の抽選の結果に基づいて、識別情報を変動表示させた後停止表示させることが可能な第2表示手段と、
遊技球が入球可能な第1の入賞手段と、
前記第1の入賞手段よりも下方に配置され、遊技球が入球可能な第2の入賞手段と、
前記第1の抽選の結果が第1の結果である場合に、前記第1の入賞手段に遊技球が入球しやすくなるように前記第1の入賞手段の制御を行うことが可能な第1制御手段と、
前記第2の抽選の結果が特定の結果である場合に、前記第2の入賞手段に遊技球が入球しやすくなるように前記第2の入賞手段の制御を行うことが可能な第2制御手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出実行手段により実行される演出においてアイコンを表示することが可能なアイコン表示手段と、
遊技者による操作を受け付けることが可能な操作手段と、を備え、
前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第1の結果である場合には、第1の時間に亘って識別情報を変動表示させることが可能である一方、前記第1の抽選の結果が第2の結果である場合には、前記第1の時間よりも長い第2の時間に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、
前記第2表示手段は、前記第2の抽選の結果が前記特定の結果である場合に、前記第2の時間よりも短い第3の時間に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、
前記第1表示手段において識別情報が変動表示されている期間においては、前記第1の入賞手段に遊技球が入球しやすくなるように前記第1の入賞手段の制御が行われている期間よりも、第1の入賞手段に遊技球が入球し難くなるように第1の入賞手段の制御が行われ且つ前記第2の入賞手段に遊技球が入球しやすくなっており、
前記第1表示手段は、前記第1の抽選の結果が前記第2の結果である場合には、前記第2の時間よりも長時間である第4の時間に亘って識別情報を変動表示させることが可能であり、
前記第2の時間には複数の第2の時間があり、前記演出実行手段は、前記複数の第2の時間のいずれであるかに応じて、有利の度合いを示唆する演出を実行可能であり、
前記第1表示手段において前記第4の時間に亘って識別情報が変動表示されているときに、前記第2の入賞手段に遊技球が入球しやすくなるように行われた前記第2の入賞手段の制御が終了したとしても、前記第1表示手段において継続して識別情報を変動表示することが可能であり、
前記演出実行手段は、前記有利の度合いを示唆する演出とは異なる所定の演出として、同じ系統である第1の演出と第2の演出とを有し、前記第1の演出は、その後に第3の演出が行われることを示唆することが可能であり、前記第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出が行われることを示唆することが可能であり、
前記アイコン表示手段は、
前記演出実行手段により前記第1の演出が実行されている場合及び前記第2の演出が実行されている場合において、互いに同系統のアイコンを表示することが可能であって、
前記操作手段が操作された場合にアイコンを表示することが可能な第1アイコン表示手段と、
前記操作手段が操作されなかった場合にアイコンを表示することが可能な第2アイコン表示手段と、を有し、
前記演出実行手段は、前記第1アイコン表示手段によりアイコンが表示された場合及び前記第2アイコン表示手段によりアイコンが表示された場合の何れの場合においても、特定演出を実行することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2024-03-06 
結審通知日 2024-03-11 
審決日 2024-03-27 
出願番号 P2020-075099
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A63F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 小林 俊久
特許庁審判官 澤田 真治
薄井 義明
登録日 2023-01-30 
登録番号 7218928
発明の名称 遊技機  
代理人 納谷 洋弘  
代理人 納谷 洋弘  

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