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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1419166 |
総通号数 | 38 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2025-02-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2024-04-11 |
確定日 | 2025-01-20 |
事件の表示 | 特願2021−215477「コンテンツ受信装置」拒絶査定不服審判事件〔令和4年2月18日出願公開、特開2022−31575〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成20年9月14日に出願した特願2008−235797号の一部を平成26年5月8日に新たな特許出願(特願2014−97235号)とし、さらにその一部を平成29年9月23日に新たな特許出願(特願2017−183095号)とし、さらにその一部を令和元年5月16日に新たな特許出願(特願2019−92560号)とし、さらにその一部を令和2年6月18日に新たな特許出願(特願2020−105690号)とし、さらにその一部を令和3年12月30日に新たな特許出願(特願2021−215477号)としたものであって、その手続の経緯は次のとおりである。 令和4年 1月13日 :上申書、手続補正書の提出 令和5年 3月17日付け:拒絶理由通知書 同年 5月29日 :意見書、手続補正書の提出 同年 8月16日付け:拒絶理由通知書 同年10月16日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 1月 5日付け:拒絶査定 同年 4月11日 :審判請求書の提出 2 本願発明について 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年10月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 〔本願発明〕 鑑賞を終了したデジタル動画コンテンツに継続するデジタル動画コンテンツがあるとき前記鑑賞を終了したデジタル動画コンテンツの情報を前記鑑賞の終了に応答して記憶する記憶部と、前記鑑賞の終了と独立した時点で開始可能な次回の鑑賞の際に前記記憶部の記憶情報に基づいて前記継続するデジタル動画コンテンツを選択を要さずに自動指定する指定部と、前記指定部によって自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツを通信サーバから受信する通信部と、前記通信部が受信した前記継続するデジタル動画コンテンツを鑑賞のために表示する表示部と、前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツの表示開始を指示する指示部とを有することを特徴とするコンテンツ受信装置。 3 原査定の拒絶の理由 本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、概ね次のとおりである。 (進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献:特開2007−66472号公報 4 引用文献 (1)記載事項 上記引用文献には、図面とともに次の記載がある。 「【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明のメディア用ネットワークプレーヤは、ネットワークを介してメディア用サーバ装置へ接続され、メディア用サーバ装置の保有デジタルコンテンツをメディア用サーバ装置からのストリーム配信により再生する。該メディア用ネットワークプレーヤは次の手段を有している。 デジタルコンテンツの再生中断を検出する中断検出手段、 デジタルコンテンツの再生中断が検出されると、該デジタルコンテンツ及び中断位置に係るレジューム情報を記憶するレジューム情報記憶手段、 再生作動の再開を検出する再開検出手段、及び 再生作動の再開が検出されると、レジューム情報に係るデジタルコンテンツについてレジューム情報に係る中断位置からのデータの送信要求をメディア用サーバ装置へ出す要求手段。」 「【発明を実施するための最良の形態】 ・・・ 【0018】 DLNAネットワークの用語では、楽曲を配信するHDD型ポータブルプレーヤ10は「DMS(Digital Media Server)」と呼ばれ、また、楽曲の配信を受けるネットワークプレーヤ27,31は「DMP(Digital Media Player)」と呼ばれる。」 「【0026】 図4に戻る。HDD型ポータブルプレーヤ10が、自宅21、自動車22及びショッピングセンター23等へと移動するのに伴い、ネットワークからのHDD型ポータブルプレーヤ10の離脱及びネットワークへのHDD型ポータブルプレーヤ10の接続が切替えられ、この切替ごとにネットワーク再生又は自己再生の中断と再開とが起きる。ネットワーク再生の中断原因としては例えば次のものが考えられる。 【0027】 (c1)ユーザが、明示的に、ネットワークプレーヤ27の再生中止キーを操作したり、電源を切へ切替えたりする。 (c2)HDD型ポータブルプレーヤ10が、移動に伴い、ネットワーク26の無線の圏外になる。 (c3)ユーザが明示的にHDD型ポータブルプレーヤ10の電源を切る。 (c4)HDD型ポータブルプレーヤ10のバッテリの電力が切れる。 (c5)ネットワーク障害 (c6)停電」 「【0030】 ネットワークプレーヤ27は、(c1)〜(c5)の発生を検出しだい、レジューム情報を不揮発メモリに記憶する。(c6)の場合は、ネットワークプレーヤ27が、レジューム情報を不揮発メモリに記憶する前に、停止する恐れがある。これに対処するため、ネットワークプレーヤ27に、給電中に適宜充電されて停電の際はその電力を使って最小限の処理の実行を確保できる予備電源を用意してもよい。しかしながら、コスト等の観点で、一部原因のネットワーク再生中断に対するレジューム再生機能を省略することもできる。 【0031】 レジューム情報とは、ネットワーク再生が中断した楽曲及びその中断位置に係る情報である。ネットワークプレーヤ27は、例えば、ユーザがネットワークプレーヤ27において楽曲のネットワーク再生を指示する時に、また、ネットワーク再生される楽曲が、再生順に従い、次のものへ再生が変更される時に、リスト情報等に基づき、該楽曲の名前等(IDとして使用する。)を把握し、これにより、ネットワークプレーヤ27は、現在再生中の楽曲の名前を絶えず把握し、再生中断が起きたときには、ネットワーク再生の中断が起きた楽曲の名前等を検出できる。」 「【0033】 ネットワークプレーヤ27のユーザは、ネットワーク26の回復及びネットワーク26へのHDD型ポータブルプレーヤ10の復帰等、ネットワーク再生の中断原因が除去されたと、考えると、又は、自分の指示でネットワーク再生中断させていた楽曲の再生再開を望む時、ネットワーク26の電源をオンにしてから、再生キー等のレジューム再生用の操作部材を操作する。ネットワークプレーヤ27は、その操作を検出しだい、レジューム情報を不揮発メモリから呼び出して、レジューム情報に係る楽曲についてレジューム情報に係る中断位置からのデータを送信する要求をHDD型ポータブルプレーヤ10へ送る。HDD型ポータブルプレーヤ10は、ネットワークプレーヤ27からのデータ送信要求に対して、該当楽曲についての該当データをストリーム配信し、ネットワークプレーヤ27においてレジューム再生が行われる。」 「【0044】 デジタルコンテンツとは、例えば、楽曲又は映像(動画又は静止画)である。ネットワーク47へのメディア用ネットワークプレーヤ40の接続は有線及び無線のどちらでもよい。同様に、ネットワーク47へのメディア用サーバ装置46,50の接続も、有線及び無線のどちらでもよい。ネットワーク47は、例えば自宅21又は自動車22(図2)において構築されているものである。」 (2)引用発明 上記(1)において、【発明を実施するための最良の形態】における、DMS(Digital Media Server)と呼ばれる「HDD型ポータブルプレーヤ10」(【0018】)、「楽曲の配信を受けるネットワークプレーヤ27」(【0018】)、及びレジューム情報が記憶される「不揮発メモリ」(【0030】)は、【課題を解決するための手段】における、「メディア用サーバ装置」「メディア用ネットワークプレーヤ」及び「レジューム情報記憶手段」にそれぞれ対応するものと認められる。 そうすると、上記(1)から、引用文献には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 なお、各構成の末尾括弧内に、対応する記載箇所を示した。 〔引用発明〕 ネットワークを介してメディア用サーバ装置へ接続され、メディア用サーバ装置の保有デジタルコンテンツをメディア用サーバ装置からのストリーム配信により再生するメディア用ネットワークプレーヤであって、 デジタルコンテンツの再生中断を検出する中断検出手段、 デジタルコンテンツの再生中断が検出されると、該デジタルコンテンツ及び中断位置に係るレジューム情報を記憶するレジューム情報記憶手段、 再生作動の再開を検出する再開検出手段、及び 再生作動の再開が検出されると、レジューム情報に係るデジタルコンテンツについてレジューム情報に係る中断位置からのデータの送信要求をメディア用サーバ装置へ出す要求手段 を有しており、(【0009】) ユーザが、明示的に、メディア用ネットワークプレーヤの再生中止キーを操作したり、電源を切へ切替えたりすることの発生を検出しだい、ネットワーク再生が中断した楽曲及びその中断位置に係る情報であるレジューム情報をレジューム情報記憶手段に記憶し、(【0027】、【0030】、【0031】) メディア用ネットワークプレーヤのユーザが、自分の指示でネットワーク再生中断させていた楽曲の再生再開を望む時、ネットワークの電源をオンにしてから、再生キー等のレジューム再生用の操作部材を操作し、メディア用ネットワークプレーヤが、その操作を検出しだい、レジューム情報をレジューム情報記憶手段から呼び出して、レジューム情報に係る楽曲についてレジューム情報に係る中断位置からのデータを送信する要求をメディア用サーバ装置へ送り、メディア用サーバ装置が、メディア用ネットワークプレーヤからのデータ送信要求に対して、該当楽曲についての該当データをストリーム配信し、メディア用ネットワークプレーヤにおいてレジューム再生が行われる(【0033】) メディア用ネットワークプレーヤ。 5 対比 本願発明と引用発明を対比する。 コンテンツの再生を中断すると、当該コンテンツを鑑賞しないから、デジタルコンテンツの再生を中断することは、デジタルコンテンツの鑑賞を終了したことといえる。そして、デジタルコンテンツの再生が中断された場合には、中断された位置より後に継続するデジタルコンテンツがあるから、引用発明における「デジタルコンテンツの再生中断が検出される」ときには、鑑賞を終了したデジタルコンテンツに継続するデジタルコンテンツがある。 また、「該デジタルコンテンツ及び中断位置に係るレジューム情報」は、「前記鑑賞を終了したデジタルコンテンツの情報」である点で、本願発明の情報と共通する。 そうすると、引用発明の「デジタルコンテンツの再生中断が検出されると、該デジタルコンテンツ及び中断位置に係るレジューム情報を記憶するレジューム情報記憶手段」は、「鑑賞を終了したデジタルコンテンツに継続するデジタルコンテンツがあるとき前記鑑賞を終了したデジタルコンテンツの情報を前記鑑賞の終了に応答して記憶する記憶部」である点で、本願発明の記憶部と共通する。 しかしながら、前記記憶部で用いられるデジタルコンテンツが、本願発明では動画であるのに対し、引用発明では動画ではない点で、両者は相違する。 引用発明において、ネットワーク再生が中断されていた楽曲の再生再開は、メディア用ネットワークプレーヤのユーザが望む時に行われるから、再生再開(本願発明の「次回」に相当する。)の鑑賞が再生中断(本願発明の「鑑賞の終了」に相当する。)と独立した時点で開始可能である。 また、引用発明の「要求手段」が、レジューム情報に係るデジタルコンテンツについてレジューム情報に係る中断位置からのデータ(本願発明の「前記継続するデジタルコンテンツ」に相当する。)の送信要求(本願発明の「指定」に相当する。)を行う処理において、人による操作は含まれていないから、引用発明の「要求手段」は、デジタルコンテンツを選択を要さずに自動指定するものといえる。 そうすると、引用発明の「再生作動の再開が検出されると、レジューム情報に係るデジタルコンテンツについてレジューム情報に係る中断位置からのデータの送信要求をメディア用サーバ装置へ出す要求手段」は、「前記鑑賞の終了と独立した時点で開始可能な次回の鑑賞の際に前記記憶部の記憶情報に基づいて前記継続するデジタルコンテンツを選択を要さずに自動指定する指定部」である点で、本願発明の指定部と共通する。 しかしながら、前記指定部で用いられるデジタルコンテンツが、本願発明では動画であるのに対し、引用発明では動画ではない点で、両者は相違する。 引用発明のメディア用ネットワークプレーヤは、メディア用サーバ装置(本願発明の「通信サーバ」に相当する。)へのデータ(本願発明の「デジタルコンテンツ」に相当する。)送信要求に対して、該当楽曲についての該当データがストリーム配信される(本願発明の「受信する」に相当する。)ものであり、デジタルコンテンツを通信サーバから受信する手段を備えるものといえる。 そうすると、引用発明の当該手段は、「前記指定部によって自動指定された前記継続するデジタルコンテンツを通信サーバから受信する通信部」である点で、本願発明の通信部と共通する。 しかしながら、前記通信部で用いられるデジタルコンテンツが、本願発明では動画であるのに対し、引用発明では動画ではない点で、両者は相違する。 引用発明のメディア用ネットワークプレーヤは、送信要求して配信(本願発明の「受信」に相当する。)された前記中断位置からのデータ(本願発明の「前記継続するデジタルコンテンツ」に相当する。)をレジューム再生するものであり、通信部が受信した前記継続するデジタルコンテンツを鑑賞のために再生する手段を備えるものといえる。 そうすると、引用発明の当該手段は、「前記通信部が受信した前記継続するデジタルコンテンツを鑑賞のために再生する再生部」である点で、本願発明の表示部と共通する。 しかしながら、前記デジタルコンテンツを再生する再生部が、本願発明では動画を表示する表示部であるのに対し、引用発明では動画を表示する表示部ではない点で、両者は相違する。 引用発明のメディア用ネットワークプレーヤは、レジューム情報に係る楽曲についてレジューム情報に係る中断位置からのデータ(本願発明の「前記自動指定された前記継続するデジタルコンテンツ」に相当する。)が配信されて、当該データの再生が行われるものである。 ここで、各種データ処理の実行を指示する手段は、電子装置に通常備わる構成であるから、前記メディア用ネットワークプレーヤにおいて、前記データが配信された際に、再生部に対して当該データを用いて再生処理を行うよう指示する手段は、引用発明のメディア用ネットワークプレーヤに当然に備わっているものといえる。 そうすると、引用発明の当該手段は、「前記自動指定された前記継続するデジタルコンテンツの再生開始を指示する指示部」である点で、本願発明の指示部と共通する。 しかしながら、前記デジタルコンテンツの再生が、本願発明では動画の表示であるのに対し、引用発明では動画の表示ではない点で、両者は相違する。 引用発明の「メディア用ネットワークプレーヤ」は、本願発明の「コンテンツ受信装置」に相当する。 以上から、本願発明と引用発明の一致点、相違点は次のとおりである。 〔一致点〕 鑑賞を終了したデジタルコンテンツに継続するデジタルコンテンツがあるとき前記鑑賞を終了したデジタルコンテンツの情報を前記鑑賞の終了に応答して記憶する記憶部と、前記鑑賞の終了と独立した時点で開始可能な次回の鑑賞の際に前記記憶部の記憶情報に基づいて前記継続するデジタルコンテンツを選択を要さずに自動指定する指定部と、前記指定部によって自動指定された前記継続するデジタルコンテンツを通信サーバから受信する通信部と、前記通信部が受信した前記継続するデジタルコンテンツを鑑賞のために再生する再生部と、前記自動指定された前記継続するデジタルコンテンツの再生開始を指示する指示部とを有するコンテンツ受信装置。 〔相違点1〕 前記記憶部、指定部及び通信部で用いられるデジタルコンテンツが、本願発明では動画であるのに対し、引用発明では動画ではない点。 〔相違点2〕 前記デジタルコンテンツの再生、及び前記デジタルコンテンツを再生する再生部が、本願発明では動画の表示、及び動画を表示する表示部であるのに対し、引用発明では動画の表示、及び動画を表示する表示部ではない点。 6 判断 上記相違点1及び相違点2について検討する。 上記引用文献の【0044】には、「デジタルコンテンツとは、例えば、楽曲又は映像(動画又は静止画)である。」と記載されており、デジタルコンテンツとしてデジタル動画コンテンツを対象とすることも記載されている。 そうすると、引用発明のメディア用ネットワークプレーヤにおいて、用いられるデジタルコンテンツを動画として、デジタル動画コンテンツを表示する構成を採用することにより、上記相違点1及び相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到しうることである。 なお、審判請求人は、審判請求書の「3.2.2 拒絶査定における判断と出願人の反論」において、次のとおり主張している。 「拒絶査定では、「上記「同日付補正の請求項1では「前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツ」の存在が先に定義され、「指示部」はその表示開始を指示するものと定義されているので、「指示部」の指示があれば必ず「前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツの表示開始」が行われると明記されております。」(下線は審査官が記入)との主張は、補正後の請求項1の記載に基づくものではないから上記出願人の主張は採用できない。」とのご認定がなされています。 しかしながら、このご認定には、出願人の主張が「補正後の請求項1の記載に基づくものではない」と判断された理由が全く示されておらず、なんらの説明もないので、出願人の理解できるところではありません。 出願人の主張は、補正後の請求項1の下線部の記載において「前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツ(「通信部」が受信したもの)」の存在が先に定義され、「指示部」はそのデジタル動画コンテンツの表示開始を指示するものと定義されていることを指摘したものであるからです。 以上のとおり、拒絶査定の判断は事実に反するもので、明らかに誤りであると考えます。」 しかしながら、本願発明において、指示部によって表示開始が指示される前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツは、通信部が通信サーバから受信するものとされており、本願発明のコンテンツ受信装置は、前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツを、通信サーバから受信することを前提とするもの、すなわち、引用文献の【0027】における(c1)に対応しており、(c2)〜(c6)のような、受信に支障が生じた場合の動作について考慮されていないものである。 そうすると、受信に支障が生じた場合の動作について考慮されていない本願発明について「「指示部」の指示があれば必ず「前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツの表示開始」が行われると明記されております」と主張することは、受信に支障が生じた場合においても、必ず「前記自動指定された前記継続するデジタル動画コンテンツの表示開始」が行われるための構成が請求項に記載されていないことから、請求項の記載に基づいたものとはいえない。 よって、審判請求人による上記主張は採用することができない。 以上から、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 |
審理終結日 | 2024-11-05 |
結審通知日 | 2024-11-19 |
審決日 | 2024-12-06 |
出願番号 | P2021-215477 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
千葉 輝久 |
特許庁審判官 |
樫本 剛 坂本 聡生 |
発明の名称 | コンテンツ受信装置 |