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審決分類 審判 全部申し立て 特39条先願  G02B
管理番号 1002208
異議申立番号 異議1999-72336  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-10-21 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-06-16 
確定日 1999-09-24 
異議申立件数
事件の表示 特許第2838153号「光アイソレータ」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2838153号の特許を維持する。 
理由 (1)本件発明
特許第2838153号(平成2年2月13日出願、平成10年10月16日設定登録)の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「偏光子、ファラデー回転子および検光子のうち、少なくとも前記偏光子および検光子を四角形より多い多角形状とし、これと合致した断面形状の内径部を有する筒状の永久磁石に、上記各素子を挿入保持したことを特徴とする光アイソレータ。」
(2)申立ての理由の概要
申立人並木精密宝石株式会社は、平成1年9月20日に出願された実願平1-109864号の公告公報を甲1号証(実公平8-9703号公報)として提出し、本件発明は、この実用新案登録出願に係る考案(以下、「先願考案」という。)と同一であるから、特許法第39条第3項の規定に違反して特許されたものであり(なお、申立人は、特許異議申立書において、本件発明が特許法第39条第1項の規定に違反して特許されたと主張しているが、先の出願が実用新案登録出願であるから、特許法第39条第3項の規定に違反して特許されたというべきである。)、本件発明の特許を取消すべきとの主張をしている。
(3)先願考案
先願考案は、その実用新案登録請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「偏光ガラスからなる偏光子、検光子及びLPE膜からなるファラデー回転子で形成された光学部品と円筒形永久磁石から構成された光アイソレータにおいて、ファラデー回転子のみまたはファラデー回転子及び偏光子、検光子の外形を八角形状に形成することを特徴とした光アイソレータ。」
(4)対比・判断
本件発明と先願考案を比較すると、八角形は四角形より多い多角形であるから、両者は「偏光子、ファラデー回転子および検光子のうち、少なくとも前記偏光子および検光子を四角形より多い多角形状とした光学部品と筒状の永久磁石から構成された光アイソレータ。」である点で一致し、前記筒状の永久磁石について、本件発明は、偏光子および検光子の外形と合致した断面形状の内径部を有するものであって上記各素子を挿入保持するものであるのに対し、先願考案は、単に円筒形永久磁石とのみ規定され、このような構成は有していない点で相違する。
この点に関し、申立人は、甲第2号証(特開昭62-232614号公報)及び甲第3号証(特開昭64-79721号公報)を提出して、本件発明における上記の点は周知技術の単なる付加に過ぎず、本件発明と先願考案とは実質的に同一であるとの主張をしているが、甲第2号証には四角形状の偏光子、ファラデー回転子、検光子を四角形状の内径部を有する筒状の永久磁石に挿入保持したものが記載されているにすぎず、また、甲第3号証に記載されたものは、単一の永久磁石の内径部に偏光子、ファラデー回転子、検光子の全てを挿入保持する構成のものではないから、甲第2号証及び甲第3号証のみをもってしては、先願考案においてその円筒形永久磁石の内径部の断面形状を偏光子および検光子の外形と合致した八角形状とするとともに、この内部に偏光子、ファラデー回転子、検光子の各素子を挿入保持させるようにすることが周知技術の単なる付加に過ぎないということはできない。
また、本件発明は、永久磁石を上記の構成とすることにより、円筒状永久磁石の内部の体積が増加するので外径をより小さくでき、かつ円筒状永久磁石と各光学素子との間隙が全くないので戻り光を完全に防止できるという先願考案にはない効果を奏するものである。
以上のとおりであるから、本件発明は先願考案と同一ではない。
(5)むすび
したがって、特許異議申立の理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-08-25 
出願番号 特願平2-32126
審決分類 P 1 651・ 4- Y (G02B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津田 俊明  
特許庁審判長 豊岡 静男
特許庁審判官 河原 英雄
稲積 義登
登録日 1998-10-16 
登録番号 特許第2838153号(P2838153)
権利者 京セラ株式会社
発明の名称 光アイソレータ  
代理人 竹下 和夫  

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