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審決分類 審判 査定不服 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B62K
審判 査定不服 特36 条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 B62K
管理番号 1005048
審判番号 審判1999-1166  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1987-12-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-01-22 
確定日 1999-10-30 
事件の表示 昭和62年特許願第70506号「二輪車の支持装置」拒絶査定に対する審判事件〔(平成7年11月22日出願公告、特公平7-108676)、特許請求の範囲に記載された発明の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許をすべきものとする。 
理由 1.手続の経緯等
本願は、昭和62年3月26日(優先権主張1986年4月1日、フランス国)の出願であって、原審において出願公告(特公平7-108676号)されたところ、特許異議申立人冨士 佳勇から特許異議の申立てがなされ、特許出願人より特許法第64条第1項の規定による平成9年3月3日付けの手続補正書が提出されたが、その後発見した拒絶理由通知がなされ、これに対し特許出願人は平成10年5月6日付で手続補正書を提出したところ、前記異議申立ては理由があるものと決定され、この決定に記載された理由により拒絶されたもので、その後、審判請求時の平成11年1月22日付けの特許法第17条の3第1項の規定による手続補正書及び当審での拒絶理由通知に対する平成11年9月8日付けの手続補正書により明細書が補正されたものであり、補正された明細書及び図面の記載からみて、本願発明は、特許請求の範囲の記載第1項乃至第3項に記載された特許庁とおりの「二輪車の支持装置」に関するものと認められる。
2.原査定の拒絶理由
これに対し、原査定の拒絶の理由の概要は下記のとおりである。
「 理由
この出願の明細書は、出願公告後の平成10年5月6日付け手続補正書により補正され、その特許請求の範囲の欄中には、発明の構成に欠くことのできない事項を記載する項として、
「1.二輪車において、エンジン及びトランスミッションブロックを包囲する外部筐体は・・・・中空の長手方向梁を形成し、・・・・応力を受ける部材であり、・・・・各押棒は前記ねじ部材によりブロックに蝶着され、これにより・・・・中空梁の中立面が・・・・下方に移行され、・・・・中空梁に加わる・・・・引張応力を減少させる・・・・二輪事の支持装置」と記載されているが、同記載によれば、中空の長手方向梁を形成するものは、エンジン及びトランスミッションブロックを包囲する、同ブロックとは別部材の外部筐体であることは明らかである。なお、平成10年5月6日付け意見書においても、外部筐体はエンジン及びトランスミッションブロックとは別部材である旨主張している。
一方、発明の詳細な説明の欄中には、[問題点を解決するための手段]として、特許請求の範囲と同様の記載を有する点を除いて、エンジン及びトランスミッションブロックとは別部材の外部筐体を用いる発明について、何ら記載はなされていない。
したがって、特許請求の範囲第1項の記載は、発明の詳細な説明の欄中に記載された発明の構成に欠くことのできない事項のみを記載したものとは認められず、発明の詳細な説明の欄中には、特許請求の範囲第1項に記載された発明を容易に実施することができる程度に同発明の構成等が記載されているとは認められない。
よって、この出願は、明細書の記載が依然として、特許法第36条に規定する要件を満たしていないから、拒絶査定すべきものである。」
3.当審の判断
特許請求の範囲第1項に記載の事項と明細書の[発明の詳細な説明]の項における記載事項との関連につき、対応関係が不明である旨の当審からの拒絶理由通知書に対し、審判請求人は該通知書の指定期間内である平成11年9月8日付けで手続補正書を提出し、特許請求の範囲第1項に記載の、「エンジン及びトランスミッションブロックを包囲する外部筐体」を「エンジン及びトランスミッションブロックの外部筐体」に補正するとともに、発明の詳細な説明の項においても、同様の補正をするものであり、外部筐体がエンジン及びトランスミッションブロックを包囲するものではないことが明確となり、これにより特許請求の範囲の記載事項と発明の詳細な説明における記載事項とが一致し、しかも補正事項は公告時の明細書に記載の範囲内のもので、発明の詳細な説明の欄中には、特許請求の範囲第1項に記載された発明を容易に実施することができる程度に同発明の構成が記載されており、かつ特許請求の範囲第1項の記載は、発明の詳細な説明の欄中に記載された発明の構成に欠くことのできない事項のみを記載したものと認められるので、本願明細書の記載は特許法第36条に規定する要件を満たすものである。
4.むすび
したがって、本願については、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 1999-10-08 
出願番号 特願昭62-70506
審決分類 P 1 8・ 532- WY (B62K)
P 1 8・ 531- WY (B62K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 粟津 憲一酒井 進  
特許庁審判長 神崎 潔
特許庁審判官 清水 英雄
鈴木 法明
発明の名称 二輪車の支技装置  
代理人 西山 雅也  
代理人 石田 敬  

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