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審決分類 審判 全部申し立て 特39条先願  D04B
審判 全部申し立て 発明同一  D04B
管理番号 1005124
異議申立番号 異議1999-72652  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1991-04-02 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-07-09 
確定日 1999-11-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第2845506号「横編地の編成方法」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2845506号の特許を維持する。 
理由 I.本件発明
本件特許2845506号の発明(以下、「本件発明」という。平成1年8月11日出願、平成10年10月30日設定登録。)は、特許査定時の明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載されたとおりのものである。
II.申立て理由の概要
申立人は、証拠として下記の甲第1号証〜甲第5号証を提出し、本件発明は、甲第1号証に記載された事項から把握される発明(以下、「引例の発明」という。)と同一なので、特許法第29の2の規定や、特許法第39条第1項の規定に該当し、本件特許を取り消すべきであると主張している。
1.甲第1号証
特開平3-59151号公報には『カム式のVベット横編機を用いて、編成に使用されない針床の休止針を、対向する針床の編針に係止されている編目のシンカーループの上方を通過させ、編目の浮き上がりを防ぐ横編地の編成方法』について記載されている。
2.甲第2〜4号証
特開昭62-282051号公報、特開昭63-159550号公報、特開昭63-159551号公報には『アクチュエーターやリニヤモータを用いて編針を駆動させる構成を備えた横編機』が記載されている。
3.甲第5号証
出願経緯票には『本願出願人が旭工業株式会社から津田駒工業株式会社に名義変更されている』ことが示されている。
III.当審の判断
引例の発明は、本件発明の「針床の各々に摺動可能に支承された編成針にアクチュエタが個別に連結され、該アクチュエータおよび前記編成針に糸を挿入する給糸口が予め記憶装置に記憶された所定の編成計画に基づいて駆動される」(以下、「構成A」という。)Vベット横編機を用いて編成する構成を備えていないので、本件発明は、引例の発明と同一ではない。
なお、申立人は、構成Aは甲第2〜4号証に記載されているように公知であるので、構成Aを用いたことによる格別の作用効果を見出せない。(以下、「主張1」という。)
さらに、本件発明の目的を達成するために、カム式の横編機を使うか、構成Aの横編機を使うかは自由であるから、構成Aに関する相違は形式的なものであり、本件発明は引例の発明と実質的に同一である(以下、「主張2」という。)と主張している。
そこで、主張1、2についてさらに検討する。
1.主張1について
構成Aが公知であることと、本件発明が引例の発明に比べ、格別な作用効果が見出せないこととは直接的な関連はない。
さらに、両者を比較したとき、構成Aに伴う効果上の差異がまったくないとはいえない。
例えば、歯口間隙へ入り込む押下装置(以下、単に「押下装置」という。)を備えた編機に、休止編針で編地押さえを行うとの構成を適用する際は、引例の発明はキャリッジに1個だけ設けてある押下装置が不要となるのに対して、本件発明は各編針毎に設けられた複数の押下装置が全て不要となるとの効果上の違いがある。
従って、主張1は採用しない。
2.主張2について
横編機の選択が自由なことが、直ちに、2つの発明が実質的に同一であると認定する根拠にはならない。
さらに、カム式の横編機と、構成Aの横編機とでは、その構成は明らかに異なっているので、これらをそれぞれ構成の一部とする両発明も当然異なっていることとなる。
従って、この主張2も採用しない。
IV.むすび
本件発明は、引例の発明と同一ではないので、特許法第29の2条の規定や、特許法第39条第1項の規定に該当しない。
従って、本件特許は、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-10-13 
出願番号 特願平1-207017
審決分類 P 1 651・ 4- Y (D04B)
P 1 651・ 161- Y (D04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松縄 正登  
特許庁審判長 佐藤 久容
特許庁審判官 佐藤 雪枝
森林 克郎
登録日 1998-10-30 
登録番号 特許第2845506号(P2845506)
権利者 津田駒工業株式会社
発明の名称 横編地の編成方法  
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