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審決分類 審判 全部申し立て 1項1号公知  G01F
審判 全部申し立て 1項2号公然実施  G01F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G01F
管理番号 1012184
異議申立番号 異議1999-70762  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-03-03 
確定日 2000-02-07 
異議申立件数
事件の表示 特許第2793133号「貫流容積測定装置」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2793133号の特許を維持する。 
理由 1.本件発明
特許第2793133号(平成6年8月31日出願、平成5年9月1日及び平成5年9月1日優先日、平成10年6月19日設定登録。)の発明の要旨(以下「本件発明」という。)はその特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された下記の事項により特定されるものである。
【請求項1】走行時間差法に基いて作業する、液体の容積流を測定するための貫流容積測定装置であって、測定導管(2)と第1測定ヘッド(5)と第2測定ヘッド(6)とを備えている形式のものにおいて、測定導管(2)が、夫々1つの測定ヘッド(5,6)から発信される音波信号が液体よりも小さな音波速度で伝達されうるような材料から成っていることを特徴とする貫流容積測定装置。
2.取消理由通知の概要
理由1(29条1項3号について)
本件発明は、その優先日前に公然として頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。
理由2(29条1項第1号又は2号について)
甲第1号証及び甲第2号証によりその構造が明らかな超音波流量計UCUFは、甲第4号証及び甲第5号証により1991年12月5日〜7日に幕張メッセで開催された「セミコン・ジャパン91」においての構造が公然と明らかになったものであるから、
本件発明は本件発明の優先日前に公然知られた又は公然実施されたものと認められるので、特許法第29条第1項第1号又は第2号の規定により特許を受けることができないものである。
3.証拠の記載事項
甲第1号証は、液体用超音波流量計「UCUF(Ultra Clean Ultrasonic F10Wmeter)」のパンフレットであり、その下欄左側には「東京計装株式会社」、右側には「APR.1993」と記載されている。
概要の欄には、「接液部はすべてPFAで構成され、流量のセンシングは外部からの超音波により行いますので『無接触、無可動部』の流量計測を達成しました。・・・半導体製造プロセスにおける純水・超純水、薬液などの流量計測に最適です。」と記載され、また、標準仕様の欄には、口径として6、10、15、20mmの4種類が示され、右欄には製品の写真が掲載されている。また、裏面の外形寸法の表により、本体▲1▼の材質が「PFA」であることがみてとれる。
甲第2号証は、「UCUF超音波流量計、UCUF-06、UCUF-10、UCUF-15、UCUF-20」に関する取扱説明書であり、表紙の下欄に「MAY1993」と記載されている。また、「仕様」として「1.設置」「2.各部の名称及び機能」「3.運転」「4.データ設定」等についての記載がある。このうち、第1頁の「1.設置」には、その説明中に「測定管内が常に流体で満たされている事」、「コの字型測定管路」、「測定管内の気泡は超音波信号の減衰要素であり、計測不能となる場合があります。」、「正逆方向の流量測定ができます。」旨の記載がある。
また「2.各部の名称及び機能」には「正逆差流量積算値」、「超音波伝播時間」、「積算流量値表示(正逆差)」(第5頁の2.2)といった記載が散見する。
また「3.運転」には、「電流およびパルスの流量信号が得られます。」(第7頁)「正逆差流量積算値」(第8頁)といった記載が散見する。
また「4.データ設定」には、データ設定のフロー図が示され、「伝播時間表示選択」(第11頁)「正方向」、「逆方向」、「正逆および正逆」(第15頁)といった記載が散見する。
甲第4号証及び甲第5号証(セミコン・ジャパン91の出展社ご案内、1991年12月5日〜7日に幕張メッセで開催)の第117頁右欄中段の東京計装株式会社の出展製品のリストに「微小口径超音波流量計UCUF」と記載されている。
4.当審の判断
(理由1について)
甲第1号証が、本件発明の公開基準日前に公然として頒布された刊行物であるかどうか考察すると、甲第1号証1頁の下欄に「APR.1993」と記載され、1993年の4月に印刷されたものと認められ、パンフレットは商品の販売を目的として通常は頒布されることからして、1993年の4月頃に甲第1号証が頒布された蓋然性が高いものと推測されるが、当該パンフレットの発行者である特許権が「甲第1号証のカタログが1993年10月以前に頒布されることはあり得ない」旨主張し、かかる主張を覆すべき証拠も提出されていないから、甲第1号証が本件発明の優先日前に公然として頒布されたものと認定することはできない。よって上記取消理由の理由1は解消された。
(理由2について)
甲第1号証及び甲第2号証には、商品名として「UCUF」と記載され、甲第4号証の117頁右側中段に東京計装株式会社の出展製品のリストとして「微小口径超音波流量計UCUF」と記載されていることから、甲第1号証及び甲第2号証記載の流量計が1991年12月5日〜7日に開催されたセミコン・ジャパン91において公然知られた又は公然実施された蓋然性が高いと推測することはできるが、特許異議意見書において特許権者は、「そもそも、特許権者は、1991年当時は本件発明と方式及び構造の異なる超音波流量計を開発していましたので、少なくとも、甲第1号証、甲第2号証に係る製品が「セミコン・ジャパン91」に出品展示されることはあり得ないことであります(出品展示したくとも製品そのものが存在していなかったのです。)。」と主張しており、異議申立人からは、甲第1号証及び甲第2号証記載の流量計が、甲第4号証及び甲第5号証記載のセミコン・ジャパン91において、公然知られた又は公然実施されたことを証明する他の証拠の提出がなされていない以上、特許権者の主張を否定し、甲第1号証及び甲第2号証記載の流量計が甲第4号証及び甲第5号証により本件発明の優先日前に公然知られた又は公然実施されたものと認定することはできない。
5.特許異議申立についての判断
5-1.申立ての理由の概要
申立人株式会社東京フローメーター研究所は、本件発明は、甲第1号証乃至甲第3号証に記載された事項と同一であるから、特許法第29条第1項第1号又は第2号の規定により特許を受けることができないものである。
5-2.甲各号証の記載事項
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証の記載事項は、上記「3.証拠の記載事項」で述べた通りである。
甲第3号証は、UCUF小口径超音波流量計のパンフレットであり、その下欄左側には「東京計装株式会社」、右側には「NOV.1993」と記載されている。甲第3号証の概要の欄には、「接続部はすべて型成形のPFAで構成され、可動部が全くなく、・・・口径は6、10、15、20mmの4種があり、従来のクランプオン式の超音波流量計が使用できなかった小流量域を広くカバーします。」と記載され、動作原理の欄には図面と共に「測定管の両端には超音波の発信、受信を行う圧電素子A、Bが装着されており、これによりA→B、B→A間の液中を超音波が伝播する時間tA、tBを測定します。液が静止しているときはtA=tBですが、液が流れていると、tAは流速とともに短くなり、tBは逆に長くなるので、tA、tBから流速を知ることができます。・・・高精度を得ています。」と記載されている。また、裏面の材質の構成には「本体▲1▼」が「PFA」からなることの記載があり、また、標準仕様の欄には計測対象:液体全般、標準:純水、超純水用キャリブレーション、オプション:各種薬液用キャリブレーションとの記載がある。
5-3.当審の判断
甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証及び甲第5号証に関する判断は「4.当審の判断」(理由2)で述べたとおりであり、また、甲第3号証及び申し立ての根拠の証拠としては挙げられていないが甲第6号証及び甲第7号証の記載事項を勘案しても、依然として甲第1号証乃至甲第3号証記載の流量計が本件発明の優先日前に公然知られた又は公然実施されたものである証明がなされていない。よって、本件特許が、特許法第29条第1項第1号又は第2号の規定に違反してなされたものとすることはできない。
6.むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-12-22 
出願番号 特願平6-207327
審決分類 P 1 651・ 111- Y (G01F)
P 1 651・ 113- Y (G01F)
P 1 651・ 112- Y (G01F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 後藤 時男  
特許庁審判長 高瀬 浩一
特許庁審判官 島田 信一
柏木 悠三
登録日 1998-06-19 
登録番号 特許第2793133号(P2793133)
権利者 東京計装株式会社
発明の名称 貫流容積測定装置  
代理人 浅野 勝美  
代理人 稲元 富保  
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