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審決分類 審判 補正却下の決定 特17条の2、3項新規事項追加の補正  A46B
管理番号 1012244
審判番号 審判1998-3625  
総通号数 10 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-10-31 
種別 補正却下の決定 
確定日 1999-11-24 
事件の表示 平成6年特許願第102260号「歯ブラシ」拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり決定する。 
結論 平成10年3月27日付けの手続補正を却下する。 
理由 平成10年3月27日付け提出の手続補正(以下、「本件補正」という。)によれば、特許請求の範囲の請求項2を
「テ-パ状先端を球状先端よりも歯周ポケットの深さに見合った長さだけ突出させた請求項1記載の歯ブラシ。」と補正する補正事項、及び発明の詳細な説明において、段落番号【0006】を「……また、請求項2では、テ-パ状先端を球状先端より歯周ポケットの深さに見合った長さだけ突出させているので、テ-パ状先端が歯周ポケットに入り込んだ後は、球状先端が歯肉や歯と当接することによって、それ以上、テ-パ状先端が歯周ポケットに入り込むことを防ぐことができる。」、また段落番号【0013】を「さらに、請求項2のようにテ-パ状先端の突出長さを歯周ポケットの深さに合わせた場合、テ-パ状先端はズレだけ歯周ポケットに入り込んだ後は、球状先端が歯や歯肉と当接することにより、それ以上、歯周ポケットに入り込むことができなくなるため、歯周ポケット内を傷つけることなく歯垢を除去できる上、同時に、テ-パ状先端の撓みも防止されるため、テ-パ状先端が不用意に撓んだり変形することが規制されるという効果を有する。」と補正する補正事項を含むものである。
そこで、上記補正事項、特に「テ-パ状先端を球状先端よりも歯周ポケットの深さに見合った長さだけ突出させた」点、及びそれが奏する上記作用、効果についてみるに、願書に最初に添付した明細書には、
「……このとき、フィラメント束4は図3に示したように、フィラメント1の折り曲げ部Cをやや球状先端寄りに位置させ、球状先端とテ-パ状先端とにズレaを設けた状態で植設を行う。こうすることによって、僅かなブラッシング圧で撓みやすいテ-パ状先端が、球状先端に妨げられることなく歯周ポケットに入り込みやすくなり、歯周ポケットにたまった歯垢を確実に除去することができる。また、同時に球状先端によるブラッシング効果を得ることができる。」(段落番号【0009】)、「……また、特にフィラメントの一端を球状、もう一端をテ-パ状に成形した歯ブラシは、球状先端およびテ-パ状先端がもたらすブラッシング効果を同時に得ることができる。さらに、フィラメントの一端をもう一方の先端より突出して植設したので、例えばテ-パ状先端を球状先端よりも突出させてブラシヘッドに植設した場合には、撓みやすいテ-パ状先端が球状先端よりも先にブラッシング面に投接し、テ-パ状先端の歯周ポケットヘの入り込みを確実にすることができた。」(段落番号【0011】)と記載され、また、願書に最初に添付した図面の図2乃至図4には、フィラメント1の一端を球状に、もう一端をテ-パ状に形成すると共に、テ-パ状先端を球状先端よりも突出し「ズレa」を設けた状態が記載されているが、しかしながら、願書に最初に添付した明細書、図面には、上記「ズレa」をどの程度にするかについての記載はないものであり、願書に最初に添付した明細書及び図面には、「テ-パ状先端を球状先端よりも歯周ポケットの深さに見合った長さだけ突出させた」点について記載がなく、また、この構成が奏する上記作用、効果についても記載がないものである。そして、上記補正事項が願書に最初に添付した明細書又は図面の記載から自明の事項であるとも認められない。
そうしてみると、上記補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の補正とは認められない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第2項の規定に違反し、同法第159条第1項の規定で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
決定日 1999-10-13 
出願番号 特願平6-102260
審決分類 P 1 93・ 561- (A46B)
前審関与審査官 阿部 寛深澤 幹朗  
特許庁審判長 滝本 静雄
特許庁審判官 岡田 和加子
高木 彰
発明の名称 歯ブラシ  
代理人 濱田 俊明  

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